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「つれづれなるマンガ感想文2005」5月後半
「つれづれなるマンガ感想文2005」6月後半
一気に下まで行きたい
週刊漫画ゴラク連載。サラリーマン・大原満太郎は、プロフードファイター(大食いのプロ)・ハンター錠二にその才能を見いだされる。錠二の食いっぷり、そして大食いの技術論を目の当たりにする満太郎。やがて、「早く食えればどんな食べ方でもいい」と食べ物をお湯とかお茶でぐちゃぐちゃにして食べるやつらを見て「許せない」と自らハンバーガー大食い大会へ出ることを決意する。
スーパージャンプ連載。ストリッパー・マリアは、実は「バンパイア」と呼ばれる不老不死の存在。しばらくは平穏な生活が続けられたが、自分の不老不死をつけねらう組織があることに気づき、戦う準備をしなければならなくなる。
グラビア&成年コミック誌。もう売ってません。公式ページからも通販で買えるようです。
グラビア&成年コミック誌。今売ってます。表紙&巻頭は二宮歩美。あと新名美波、安藤沙耶香、咲田美樹など。
なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー、なんだかもーぜんぜんわかんねー。
宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、宇宙人・犯す・アブダクション、ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!!
3カ月に1度の「と学会例会」の記録の中から、一般的にウケてもらえそうなものを実際の発表形式に即して紹介した本。2003年に開催された「第12回トンデモ本大賞」の選考・発表の模様も収録されている。
確かジャックポットかなんかに連載。「覚悟のススメ」連載前の作品。
有名落語家の長男だが落語に挫折し、対して弟は将来を嘱望された落語家で、自分は売れないお笑い芸人の笑太。天才だが欠落感を抱えている岸部。2人は偶然出会い、漫才コンビを結成してコンテストに打って出る。
(05.0609)
・「喰いしん坊!」(2) 土山しげる(2005、日本文芸社)
・「バンパイア」(1) 徳弘正也(2005、集英社)
【雑誌】・「ウォーB組」6月号(2005、マガジンマガジン)
【雑誌】・「ウォーB組」7月号(2005、マガジンマガジン)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」21+22号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」23号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」24号(2005、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
【書籍】・「と学会年鑑Rose」 と学会:著(2005、楽工社)
・「悪鬼御用ガラン」 山口貴由(2005、リイド社)
・「リンガフランカ」 滝沢摩耶(2005、講談社)
【雑記その2】・無題
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」14号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」15号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」16号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」17号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」18号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」19号(2005、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」20号(2005、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
【雑記】・「日本トンデモ本大賞2005」
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
・「喰いしん坊!」(2) 土山しげる(2005、日本文芸社) [amazon]
いやー面白いなー。たぶん本当に大食いの人に取材して書いてるんじゃないかな?
最近、やっと土山しげるの物語のまとめ方というか職人的なおとしどころが理解できつつある私。遅いけど。
・1巻の感想
(05.0615)
・「バンパイア」(1) 徳弘正也(2005、集英社) [amazon]
彼女はともに戦ってくれる超能力者を育成できる才能を持っていた。マリアが見込んだのは10年前に家族を惨殺されて以来、口がきけなくなってしまった少年・本田昇平。かすかな念動力だけを持ち合わせつつ、平凡な生活を送っていた昇平はマリアに誘惑され、波乱に満ちた人生を送ることになる……らしい。
面白いな。何ひとつ目新しい設定がないのに、これだけ読ませるとは……。唸りながら読んだよ。たぶん真剣に生きてる人間の生きざまを描いているところから来る面白さだなこれは。絵空事を描いているのに、決して観念的なところには陥らない感じというか。
(05.0615)
【雑誌】・「ウォーB組」6月号(2005、マガジンマガジン)
表紙&巻頭は石井めぐる。あと河中麻系、長崎莉奈、あいだゆあ、小沢菜穂。
毎号読んでいる「ぼくとすずなのいた夏」野田ゆうじは、お休み。なんだーつまんねーつまんねーつまんねー(他に書くことないから画像と文字量のバランスも考えて繰り返してる)。つまんねーつまんねーつまんねーつまんねーつまんねーつまんねーつまんねーつまんねーつまんねー。
……そろそろ第3巻は出ないんですかね?
3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー3巻出ろー……。疲れた。
・前号の感想
(05.0614)
【雑誌】・「ウォーB組」7月号(2005、マガジンマガジン)
公式ページ。
「ぼくとすずなのいた夏」野田ゆうじは、第37話「謎の円盤UFO」。メス犬・すずなをさらってきて淫虐のかぎりを尽くしてきた虻川一家。
すずなの発散するフェロモンによって生まれ変わった虻川父は、つもりつもったストレスを妻子にぶつけるが、息子・丸男の思わぬ反撃にあい包丁で刺されてしまう。
刺してしまった丸男は取り乱して路上に出、そこら辺の人を刺しまくる。
虻川父は、最後の力を振り絞ってすずなの鎖をといてやる。自由の身になったすずなは虻川家から脱出するが、突如、何の伏線もなく現れたスケベ宇宙人・エロヒムが口から吐き出した触手によって路上で犯される。
それを、偶然居合わせ呆然と見守る本当の飼い主のケンイチなのであった。
なんじゃこりゃ〜〜!! 伏線なし、キャラも今までの世界観とはまったく関係ナシ。もしかして夢オチか? ギャグか? パロディか? もともとオカルトチックな話ではあったが、ここまでメチャクチャなことはかつてなかったぞ。
触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ触手だ。
ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!! ギブミーチョコ、ギブミーガム、おいでよおいでよ兵隊さん!!
(あ、別にこれは私が狂ったわけではなく、画像とテキストがバランスよくないとレイアウトがおかしくなっちゃっうからその穴埋めです。)
……まあ、でも本当に狂ってるかもネ☆
他には杉友カヅヒロ、児島未生、関谷あさみ。
次号は7月9日発売。
・前号の感想
(05.0614)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」21+22号(2005、集英社)
ちょっと聞いた奥さん! 今出ているのって28号なんですって!! というわけでこの号が読みたい人は国会図書館などに行って読んでください。
49ページ読みきり吉川雅之「BE A HERO!!」は柔道マンガ。兄弟たちを養っていかねばらなず、学校どころではない主人公が「柔道でヒーローになれたらみんな喜ぶのでは……」と思い柔道を始める。彼のよきライバルは天才肌の美少年。
これ、連載にしたら両者の対照的なキャラクターが引き立てあって面白くなると思う……けど読みきりのプロットではない気がする。まあしょうがないですけどねいろいろと。
(05.0613)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」23号(2005、集英社)
49ページ読みきり田村隆平「大宮ジェット」は、人目をしのんで活動するヒーローの研修生みたいな男女が学園で戦う。
ギャグのノリは、最近のジャンプ全体を席巻しているように思える空知英秋「銀魂」風。何となくうすた京介→いとうみきお→ワンクッション置いて空知英秋、というような系譜があるように思えるが如何。
設定も面白いしテンポもいいし、セリフもイイが、そのセリフが多すぎる。これの半分くらいにすればかなり読みやすくなると思うが……。
藤崎竜「Waqwaq(ワークワーク)」が最終回。正直、何のために最初の設定があるのかわからないような結果になってしまったと思う。連載当初って、そもそもこんなバトルものだったっけ?
本来だったら個人的にはあまり食指を動かされないタイプのマンガで、同系列で現状のジャンプだと「D.Gray-man」とかもそのタグイだったりする。が、本作に少し興味をひかれた理由として、「何もかもが終わった世界」から始まったというのがあった。
「北斗の拳」とかとはニュアンスが違う。「北斗」では、設定上世紀末だけどそれは現代に戦国時代的なモノを蘇らせるところに重点があったから。現に設定を現代に近い時代にした「蒼天の拳」も、まあまあ素直に始められるわけで。
でも、本作は本当の意味で「すべてが終わった世界」だった。現代から連れてこられた女の子は、すべてが終わったところに立たされていた。そしてその世界では「神」だった。
もちろん、人間がヒューマノイドの神となった、という話も昔から腐るほどあるよ。だけど、このお話って神/つくられたもの、っていう関係性が、連載当初はぜんぜん成立してなかった。そこには断絶があった。
そういう設定に興味があったんだけど、けっきょくグダグダになってしまったと思う。
すごく簡単に言うと本作って「セカイ系」的な設定を、途中からムリヤリジャンプパターンに引っ張り戻したんだよな。
この辺は「武装錬金」の、意外なほどのヴィクター登場後のグダグダにも通じるものがあると思う。
百戦錬磨のジャンプ編集部が、何でヒーローものの設定にアンチヒーロー的な要素を持ち込んでみずからグダグダにしてしまうのかは、不思議だ。
(05.0613)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」24号(2005、集英社)
内水融「カイン」が新連載。「ここではない異世界」で抑圧されている人々を助けるために立ち上がった異能の戦士……って既視感アリアリだなこりゃ。しかもこの第一回って「北斗の拳」の第一回とほとんど変わらないですよ? どうするんだろうなあ。
ファンタジーバトルものの乱立にはさすがに(サンデーと合わせて)食傷気味。しかもたいてい「ドラゴンボール+ジョジョ」なんだもんな〜(ただ、本作に関しては主人公の能力がうまく展開されれば、バトルものとしては面白くなるような一縷の望みはある)。
あまりにも「一見時代劇風、西欧風、だけどどこか別の場所」っていう設定が多いので、これにはさすがに苦言を呈したい。
もちろん、飛躍させられないとか資料を調べるのが面倒とか、歴史から極端にかけ離れた展開にできないなどの理由でそういう舞台設定が好まれているんだろうけど、あまりにもそういうのが多いって、おっさんくさい言い方になるけど歴史のダンゼツじゃないですか。
そりゃさあ、現実の歴史なんてロクでもねえに決まってるんだよ。だけど、白土三平だって小池一夫だって、それをふまえて(彼らなりの飛躍はあっても)時代を描いてきたわけじゃん。
やっぱり、「ファンタジー風世界」を描くということと、「本当にあった時代」を描くということは、似ているけどかなり違うことで、後者の役割が軽んじられすぎているという気はします。
(05.0613)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
6月12日放送分。
公式ページ。
ハロモニ。5期VS6期 炎のサバイバルデスマッチ。
ずーっと前にやってた「ことばプロレス」だったかな? ソレですね。
ゲストは5期チームにだいたひかる、6期チームにほっしゃん。
リング上で、メンバーがコスプレしてお題にあった面白い言葉を言う、っていうモノだけど以前に「よくない」と思っていた部分がぜんぜん改良されてないですね(笑)。
とにかくいちばんよろしくない(というか、私の好みではない)のはレフェリーであるよっすぃ〜の判断。けっきょくよっすぃ〜判定のために、メンバーの言っていることがぜんぶ内輪ネタ方向に行っているように感じました(それを瞬時に察知したゲストのほっしゃん。はさすが。さらに、自分独自のフレーズをねじ込んでいたのもさすが)。
コーナーの主旨をいちばん理解していたのはガキさんだと思うがぜんぜんガキさんのフレーズを拾ってないし、理解してない天然ボケとしての亀井も拾われてなかった。
それと、これは私の妄想ではないと思うんだけど司会の石川とレフェリーの吉澤がぜんぜん噛み合ってねぇ〜(笑)。たぶんこの二人、ギャグセンスぜんぜん違うと思うんだよね。
このコーナー、何度か見てるけど内輪ネタは封印させた方がいいと思うよ。そうでないとぜんぶマイナスなものは「中澤裕子」とかになっちゃうしね。
コスプレに関しては、みんなかわいかったから何でもいいんだけど、亀井のセーラームーンはスカート長すぎ、ストッキングの色も濃すぎる!! もう映画「デボラがライバル」のときの篠原ともえのチアガール並みにスカートが長かった。これはよくないと思いました(まあ、あれ以上短くするわけないと思って書いてんだけどね)。
後は甘えん坊のミキティとか新垣のパジャマみたいなトラックスーツにみんな萌えてればいいんじゃないの?
ハロモニ。劇場 公演通り三丁目。
話題の新キャラ、ギョー(小川)、頑固ひとすじ(加護)・ふたすじ(辻)、あと新垣の眉毛お嬢様。
ミラクル久住小春に密着。すいませんきちんと見てません。
「うろおぼえゼミナ〜る」。
安倍、加護、飯田が先生役で、人形(声:POISON GIRL BANDの吉田)が生徒。
「豆腐をなぜ『やっこ』というのか」、「ポン酢の『ポン』は何?」
飯田の「ポン酢は地下から吸い上げている」という答えがちょっと面白かったが、解答はどうでもいいからPOISON吉田にもう少しからませろよ!! いい加減にイライラしてきたぞ。
・前回の放送
(05.0612)
【書籍】・「と学会年鑑Rose」 と学会:著(2005、楽工社)[bk1] [amazon]
過去ログを探ったんですが「と学会年鑑BLUE」[amazon]について私、感想を書いてないんだなあ。何でだろ……?
「年鑑」としては2年ぶりの本書。紹介するときに毎度同じことを書いているように思いますが、もう一度書くと、「トンデモ」の定義って超常現象がらみのものばかりじゃない。いろんなものがあるのがわかるのが「年鑑」のシリーズです。
その「いろんなもの」を、まえがきでは山本会長が「相対性トンデモ物件」と解説しています。この表現は面白い。自分がネタ選びのときに何であんなに悩むのか、と思い返してみると、それが「相対的なブツ」だからなんですね。自分が面白いと思っても、例会の場ではウケないかもしれない。その逆もある。それは「変」の度合いが、それを共有する人の知識とか趣向でその都度変わるからなんですね。
それと「年鑑」が面白いのは、一見「トンデモ」のベクトルとはあまり関係ないような記事が入っていることで、たとえばロリコンへのヒステリックな弾圧に対する疑義とか。「モーニング娘。」グッズとか。そういうのが入ってます。
もちろん、それらはトンデモ物件の一種には違いないですが、それよりも「オタク」というくくりで見た方が、ネタのセレクションとして納得できるかもしれないです。
まあ、オタクも「萌え」を鑑賞するばかりじゃない、ときにはツッコミを入れるんだということで。
記事はそれぞれ面白いですが、今回は発表や同人誌で人々に衝撃を与えた「トンデモ・ハーレクイン・ロマンス」が商業出版物で(たぶん)初お目見えしていること、それと稗田先生の超自然現象に関する、いわゆるデバンカーとは多少異なった観点、ここら辺が「と学会」の懐の深さを示していて興味深いと思います。
あと私も書いてますので買ってね! テヘ。
・【書籍】・「トンデモ本の世界S」 と学会(2004、太田出版)感想
・【書籍】・「トンデモ本の世界T」 と学会(2004、太田出版)感想
(05.0612)
・「悪鬼御用ガラン」 山口貴由(2005、リイド社) [amazon]
ファンタジー的な和風世界。過去、人道主義的に悪人を裁くことによって手ひどく裏切られた男・ガラン。彼は悪人の人権を一切無視し、独自の判断基準でブチ殺して回るのであった。
「正義なんかないんだ、と認めたうえで悪人を裁く」点では「必殺」的であり、それが主人公の「狂気」として描かれている点においては「バットマン」的。
しかし、必殺ともバットマンとも違う点は、たぶん主人公の態度を作者が全肯定しているところにある。
要するに、本作には「必殺シリーズ」みたいに「もうここまでやっちゃったらこんな悪人は殺すしかない」という一種の庶民感情よりもう少し上からものを見ている気がするし、「バットマン」のように裁く者と裁かれる者が「狂気」の一点において並列となるような一種の公平さもない。
かといって、じゃあ作者の「オレ正義」を貫徹させるために世界が道具と化しているかというと、実はそうでもない。悪人の変態ぶり・キチガイぶりも悪趣味で魅力的に描かれている。
だから読むとすごく不安な気分になる。すごく引き裂かれているんだけど「物語」のレベルでは統一されてる。そんなマンガ。
(05.0611)
・「リンガフランカ」 滝沢摩耶(2005、講談社) [amazon]
なんか、感想を書こうかどうしようかとずっと迷ってて……。作中の漫才部分がちゃんとまともである、という話を聞いていたんだけど、どうも乗り切れず。最後までその感覚がぬぐえなかった。
あと作中の「お笑い論」もどうも頷けるものが少なくて。「面白いことやって、って言われた時点で面白いことは成立しなくなる」くらいが「なるほどー」と思ったところで。スポーツマンガとか格闘技マンガでも、その作品内理論に首肯できないとお話として面白くてもついていけなくなってしまう部分があると思うけど、本作の場合、まさにそんな感じでした。
展開としてはよくできているとは思う。父親から疎外された笑太と、「笑い」を通じてしかコミニュケーションが取れない岸部の関係性を誠実に描いているということは言える。だけど前述の通りどうもノリきれず。
まあこれは私個人の感覚なんだけど、「笑い」ってここまでおさまりが良いモノかな? というふうに思えてしまって。「笑い」というのが、本作のように何かの「救い」になることが本当にあるのか? というのが私の感じるところで。
似たように感じたのが北村薫の「空飛ぶ馬」で、あそこに出てくる「落語」もすごい上品ですよね。それで筆者は書斎的なインテリの雰囲気があって、そこから「笑い」を見ている。「書斎的」っていうと違うのか。なんというか「理想的教養」の中のひとつとして「笑い」がある。そこは本作と通じている気がする。
たとえば、父親から拒絶された疎外感を漫才のかけあいのコミニュケーションによって抹消して父親を精神的に受け入れようとする、……まあそういうのって昔からあるのかもしれないけど、少なくとも本作においてはすごい近代的な思考の組み立てというか。
前から思ってたけど、落語や漫才ってそこまで「近代的自我」を受け入れてくれるのかな? という疑問はぬぐいがたくある。
たとえば音楽ジャンルのロックならありうるだろう。それはもう「ロック」の成立が「古い/新しい」の「新しい」の方にカウントされるから。ベタな展開だけど、「クラシックしか聴かない堅物がロックを通して柔らかくなる」とかね。尾崎豊とかがそうだったし、最近では映画「スクール・オブ・ロック」がそうした文脈の元につくられている(正確に言えば、「スクール・オブ・ロック」では旧態依然とした価値観が必ずしも絶対悪としては描かれておらず、そのぶん主人公の教師の狂った感じがよくあらわれていたと思う。そういう意味では「今」を表した作品)。
そういうの(サブカルチャー=善、古い文化=暗黙のうちに悪、という図式)が90年代半ばまでは「ベタ」として存在してたと思う。それはもちろん、広義のサブカルチャーが受け手に無批判に「善」と思われていたからで。
でも今はそういうのはなくなってしまってるから、本作でも落語と漫才はスタイルの違いだけでほぼ同列に扱われているような感じだけど。まあそれはいいとして、きわめて技術論の展開がむずかしい「笑い」を通して、父と子の確執であるとか、「自分は受け入れられる存在なのか?」とか、そういうのを描くというのは少しナイーヴすぎる気はするんだよな。
どうもうまく言えないですね。なんか描き方がインテリすぎる気はして、でもそういう部分を取っちゃったら本作は描く必要はない気もするむずかしい感じがしたということ。
それと、漫才の展開の部分で言えば、かなり考えられてはいると思うけど逆にこのテの作品って「即興での対応がすごい=実力がある」という展開にせざるを得なくって、ジャンプとかマガジンに載ってるマンガならそれでもいいけど「ああ、やっぱり即興をうまいことする、という展開になるんだ」と思ってしまった。
あと、「次のフレーズが聴きたいから笑うのをこらえる」漫才なんてあんのかいな、と思った。人間心理としてそんなことってあるかな?
(05.0611)
【雑記その2】・無題
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」14号(2005、集英社)
ひさしぶりだ……ここに戻ってきたのは……。数あるネット上の無駄な行為の中で、最上位に位置するという「古い雑誌の感想を描くこと」という場に……。
「出会い系」でヒドい目に遭った人に対し、いじわるギツネのような声で「だから言ったんだ」とか言いながら、自分はせっせと「どこかではない『ここ』」から一歩も移動することのできない世界に……。
53ページ読みきり岩本直輝「封印銃士」。ファンタジー的世界で、「封印銃(シールガン)」を使って、モノを弾丸に変えて封印する「封印銃士(シールガンナー)」の物語。
絵はカワイイけど、ちょっとお話が常道過ぎるかな。
(05.0608)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」15号(2005、集英社)
45ページ読みきり杉田尚「斬」。だれもが剣を携えている世界で、「剣を持つと最強の剣士になる」気弱な少年が悪人と戦う。絵は面白いし構成もたくみだが、ラストにひとひねり欲しかった。
たとえば、「最後に刀だと思って握ったものが木刀か何かで、それで少年は『変身』しないで戦うことができた」とか。
KAITO「ハピマジ」は読みきりギャグマンガ。手品をする少年の話。前にも載った記憶がある。すいません、よくわかりませんでした。
大江慎一郎「肉ガリ−NIKUGARI−」も読みきりギャグマンガ。身体の筋肉を自在に移動できるという「自在肉族」の少年「肉ガリ」が主人公。実に気持ち悪くて、なかなかいい。
(05.0608)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」16号(2005、集英社)
45ページ読みきり夕樹和史「RARE GENE 4」は、「悪人からしか盗まない」怪盗の美少女と少年コンビニは秘密があって……という話。見やすいしテンポもいいが、少々絵が古くないかなあ……顔がギャグっぽく崩れるところとか。
(05.0608)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」17号(2005、集英社)
31ページ読みきり郷田こうや「ふるさとさん」は、都会に転校する少年についてきた「ふるさとを思い出させるロボット」ふるさとさんが出てくるギャグマンガ。
なんつーか、芸風がサンデーっぽいというか。都会と田舎との対比ギャグというのは今どうなのかなあ……。
(05.0608)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」18号(2005、集英社)
49ページ読みきり宮本和也「TEAM」は、バスケマンガ。展開はありきたりだし絵も上手くないけど、ひたすらにみなぎる若さを買う。
(05.0608)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」19号(2005、集英社)
45ページ読みきり北嶋一喜「大泥棒ポルタ」は、甘いもの大好きな大泥棒の少年・ポルタの活躍を描く。ああ、コレはやりたいことが素直に伝わってきて、わりと面白い。
(05.0608)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」20号(2005、集英社)
大場つぐみ、小畑健「DEATHNOTE」が再開。まあ、この新章第一回を見ただけでは何とも言えん。
(05.0608)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
6月5日放送分。
公式ページ。
梅雨をぶっとばせ!! 100円グッズで大実験。
100円ショップで買えるような雑貨品で、科学手品、科学実験をしようという企画。
講師役はずーっと前に同じような企画で出てきた人。
司会の石川梨華は、ハロモニ。始まって以来の「総受系司会者」でイイ感じ(笑)。
100円ショップの想い出を聞かれ、「週5は行ってた」と言う紺野、「中学時代の待ち合わせ場所だった」と言う藤本。そうか、子供にとっては昔の「駄菓子屋」的な感覚なのだろう、と納得。
しかしメンバー全員の「科学? なにソレ」的なテンションの低さが笑える。
「うろおぼえゼミナ〜る」。
新コーナーとして第2回目。安倍、後藤、飯田が先生役で、人形(声:POISON GIRL BANDの吉田)が生徒。
今回は「ちゃきちゃきの江戸っ子」の「ちゃきちゃき」の意味を考える。
あいかわらず、後藤の説明がとんでもなく意味不明だった。
ハロモニ。劇場 公演通り三丁目。
飯田圭織が「幸うす代」としてコントに復帰。道重のピータン、田中れいなのパンダ。
エリック亀井のまいどありぃ。
今回は保田、中澤、辻という並び。
辻の髪型が変わってた。
スタジオライブは、Berryz工房の新曲「なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?」。
どうにも彼女たちのコドモ声に慣れない私だが、これはいいんじゃないですかね? 「なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?」のサビだけでも耳に残るし、バスケットボールをやっているかのような振り付けも新しい。
コレは買おうかと思いますよ。
予告。
すばらしく面白そうだが期待していいのか? 亀井のセーラームーンはどの程度のことまでやってくれるんだ? 出演するR-1優勝者とはどんなふうにからむのか? こりゃ制作者側も自信があるから出してきてるんだろうし、そっちがそうならこっちもガチで見るよ〜。
・前回の放送
(04.0606)
【雑記】・「日本トンデモ本大賞2005」
トンデモ本大賞2005が開催されました。6月4日(土)午後12時開場、1時開演。於:千代田区公会堂。主催:と学会。
投票結果に関しては、まだ公式ページに発表されてないので書かないでおきます(ネット上、あちこちで書かれてはいるけど、いちおう)。
私は出演者として参加させていただいたため、イベントを通してぜんぶは見ていません。ので、偏った感想になるとは思いますが以下に簡単に書きます(去年も書いたので)。
私事ですが、今回は「世界一受けたいトンデモ授業」と題して「講師」役の会員が15分間、講義するという形式の企画があり、私はその中で「トンデモなマンガ」について解説させていただきました。
なにしろ、他の方々は話にかけては全員プロ。その中にポツンと私が入っている……しかも15分というと前回の約6分の倍以上。ということで、昨年とは違ったかたちのプレッシャーがかかります。
発表したのはあすかあおきお「プラズナーの正体」、赤塚不二夫「ニャロメのおもしろ性教室」、たがわ靖之「パチンカー血風録」の三本。他の方々がどういうネタをどういう構成でするのかも当日までほぼわからない状態で、実際の「世界一受けたい授業」を見て参考にしながら構成を練りました。
いちおう授業風にするのがいいのかと思い、拙い感じでレジュメっぽいものをつくったり。まあ、いざとなればいくらでもすっとばすことができるので、構成は考えた方がいいかと思い流れも自分なりに考えました。
今回はリハーサルで、ダンドリを確認するときに「ピキーン!!」と緊張状態になりまして、「うわ、コレはヤバいぞ」と。たとえば壇上に生徒さん役の方々がいて、前方にはお客さんがいますから、どちらにお辞儀したらいいのかわからないとか、袋に入れた本を取り出すときに数秒の間が開いてしまうとか。そういう、ふだんならどうでもいいことで焦ります。
逆に言えば、通しで完全にしゃべる部分はやらずとも、こういうことだけでも事前にやらせてもらって良かったなあと思ったし、オープニングから最後までも、リハーサルとして見ておいて良かったと思います。
あ、あとほんの30秒でも事前に書画カメラをいじらせてもらう。これも私にとっては重要でした。
でまあ実際は、何とか無事にやり遂げることができました。正直、出番が終わったらものすごくホッとしました。
今回、時間を指示する役の声ちゃんの声(シャレではない)も特徴があってよく通る声なので、夢中でしゃべっていても聞き逃すことはありませんでしたし。
内容(注:見てないところ多し)
まず最初の方で、進行役の小栗由加さんが「受けたい授業」の生徒さんたちに次々とインタビュー(というか、自己紹介に対してコメント)していくところで爆笑してしまいました。
小栗さんはテレビ番組「鈴木タイムラー」でも見ていたし、この間やったお芝居も拝見してるんですがアドリブというかかけあいの面白さが絶妙なんですよね。リハーサル見てると余計にそれがわかって得した気分。
・皆神先生の「ダ・ヴィンチ・コードの嘘」がすごく面白かった。みんなが「と学会」に初めて接したときの衝撃がこの講義に凝縮されていたようにも思います。
他の講義も、ぜんぶ面白かったです。動物あり、中国のUFOあり。「寄席芸人伝」へのツッコミは、実はかなり衝撃的なものなんではないかと思います。演芸分野ではわかりませんが、マンガ評論系でここら辺の指摘は他に聞いたことがないですし。
・大賞候補作、前回以上にインパクトの強いものが多かった印象。とくに2作がぬきんでていたような。それと、40分以上、ほぼ一人で作品の説明をし続ける山本会長はすごいなと思いました。あと、本に付けられたスゴイ数の付箋がウケていましたね。
・紙芝居、見たかったですが見られませんでした。でも評判良かったようです。
・唐沢議長の司会は、やっぱり盤石なものでした。「アリス」のマッドハッターのコスプレでした。
・ネットを巡回して「会場全体が汗くさかった」という意見が非常に多かったですが、こればっかりはどうしようもないのでは……ネット上で「風呂に入ってこい」という意見がありましたが「あれは風呂に入ってない臭さではない。その後、汗をかいた人間の臭さだ」という意見あり。いや〜どうなんでしょうね。まあ梅雨ですからねえ。
・私は物販スペースの、かなり混雑したところにいましたがそんなに匂いは感じませんでした。隅っこの方だったからか?
……と、例によって変なシメ方で終了。
・【雑記その3】・トンデモ本大賞2004
(04.0605)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2005、テレビ東京)
5月29日放送分。
公式ページ。
モーニング娘。どっきり心理テスト。
まず二人一組で部屋に入ってもらって、そこに隠されているというプレゼントを探してもらう。次に、突然あらぬところから風船が膨らみだして、その反応を見る。
これらが、「相手に対してどういう感情を持っているか」のテストになっているそうだ。
どっきりの反応は面白かったけど、それがどうして「相手への感情」を示すことになるのかの説明が欲しかった。本当はあるんだろうけどね。二人きりで密室に入った場合は相手を意識する、とかさ。でも説明はなかった。
後はたい焼きの食べ方。そしてそれをやらなかった新垣、田中、藤本には「部屋に一人でいるところに泣いている子供が突然現れる。それをどうあやすか」というテスト。
まあ、当然オチは藤本なんだけど、この場で藤本が子供を邪険に扱うはずがなく、視聴者の脳内妄想で生意気な子役の胸ぐらを掴んでいるミキティ(ついでに、フィギュアスケートのミキティが何でミキティって呼ばれてんだよ!! などの無関係なことに対する八つ当たり含む)が幻影として出てくるだけであった。
でもまあ、日曜日の昼間に見る番組としてはこんなものじゃないかと。
新コーナー「うろおぼえゼミナ〜る」。
安倍、加護、後藤が先生役で、人形(声:POISON GIRL BANDの吉田)が生徒。
それで、この3人に今回は「二枚目」という言葉がなぜイケメンを表すのかをうろおぼえで説明してもらう。
よくあるコーナーではあるけど、こういうミニコーナーが欲しかったので個人的には楽しめた。まだまだこれからでしょう。
それにしても、かろうじて論理的ボケを考えていた安倍・加護に比べて、後藤の奔放さよ。いくら何でもデタラメすぎるだろう(笑)。加護が先輩だったらダメ出ししてるぞきっと。まあ、それがごっちんらしいとみんな思っているんだろうけど。そして、私もそれでいいと思っているけど。
POISON吉田はまだ実力を発揮できず。声だけ聞いてたらスタッフの人かなんかかと思っちゃったよ。
ハロモニ。劇場 公演通り三丁目。
新キャラで高橋愛の無礼な婦警と、小川の行(ギョウ)ひろみ。
後は特筆すべきところなし。
エリック亀井のまいどありぃ。
今回は道重、中澤、新垣という並び。
エリック亀井のフォーウ!! は、明らかにレイザーラモン住谷だろう。ああやってハードゲイの意味を知らない子供たちもマネしていくんだろうな……でも本当のハードゲイってフォーウ!! なんて言わないんでしょ? そんな気もする雨の多い昨今。
・美勇伝 ファーストコンサートツアー 2005 春 〜美勇伝説〜
5/29(日)東京厚生年金会館、夜公演に行ってきております。ネタバレの作法がわからないので、6月11日の最終まで黙っていようかとも思ってます。
・前回の放送
(05.0601)
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