つれづれなるマンガ感想文5月前半
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一気に下まで行きたい

2002年

5月6日(月)

なんだか、今年のGWはちっとも休んだ気がしなかった。なぜだ? 仕事に追われていたわけでもないのに……。

昨日、寝ぼけてめがねを身体の下に敷いたまま眠ってしまい、ちょっとひんまがってしまったので新宿のめがね屋に行く。
ここは調整してもらうのはタダだし、なかなか丁寧なので気に入ってます。
私は小学生の頃からめがねをかけているが、当然、子供だからすぐふんづけたりしてしまう。で、ひん曲げてしまって近所のメガネ屋に持っていくと、ここの主人がものすごく恩着せがましいのだった。旦那さんはそうでもなかったが、奥さんが恩着せがましい。
「これは特別にやってさしあげるんざます。わがドイツ帝国の科学力は、世界一ざます。ドイツと関係ないけど」
それがイヤさで、ひん曲がったままかけていたりした。

眼科で検眼してもらわないと新しいめがねがつくれなかったことも、めがね屋への敷居を高くしていた。
うちの近所の眼科医は、それはことさらに愛想の悪いジイサンで、小さい子供が恐がって泣くと「泣け!、泣け!」と言った。病院内のイメージカラーは焦げ茶色で統一され、白目をむいたガキの写真(何かの眼病?)が飾られ、陰気きわまりなかった。
看護婦を一人雇っていたが、コイツもエルロイ大おばさまみたいな愛想のないヤツだった。
ウチの親は、「あそこの医者は、ぜったいあの看護婦とデキている」と言っていた。
今考えると、たぶんデキていただろうと私も思う。

そんな気持ち悪い医者も、当然だが晩年はずいぶん弱っていて、人間が老いるってこういうことかと、まあ今となっては思う。そんな医者も田舎に引っ込んだか死んだか、もういない。エルロイ大おばさまも、当然いない。

で、新宿のめがね屋に行ったが当然店員さんは全員めがねをかけている。私は決してめがねフェチというわけではないが、キチンとしためがねをかけている女の人はカッコいい。「萌え」界では、めがねに「文学少女」とか「病弱」とか「清楚」とか「すれてない」などの属性を持たせているようだが、私にとってめがねにそういうイメージはあまりない。

むしろ、「めがね」というものが、「魔法使いサリー」ちゃんでも1エピソードとなった「いじめられるからかけない」といったマイナス面からも、その逆の倒錯美からも、いわゆる「めがねっ娘がどーたらこーたら」とも解放されたフラットな感じになっていればいいと思う。

……などとどうでもイイことを考えて、泣いたり笑ったりして、なんだか知らないけど(っていうか親が就職祝いあげるとか言ってた)姪っ子がひさしぶりに遊びに来たのでみんなでメシ食って、「こげぱん」を見せびらかしたり動物のテレビがやっていてその中でオオカミの子供たちが生肉ひきずって食べたり、アヒルだか白鳥だかが親の背中に乗って泳いでいるのを見た。

姪はすぐ帰ったので、その後私もネットを少し覗いてから寝た。

5月5日(日)

5月3日の日記で、K君、L君、M君、D君、E君、F君などとイニシャルをめたくたに間違えてしまった。まあ忍法影分身ってことで、許してくらはい(「網走番外地」の高倉健風に)。

今日は東京ビッグサイトでコミティアだった。また気楽院さんに手伝ってもらった。ありがとうございました! 吉田等は仕事で忙しくて来なかった。もう2年くらい来てないんじゃないか?
ぶっちゃけ、人がいっぱいいて本もそこそこ売れた(「そこそこ」と言っても、「まあこれくらいで残らないだろう」と予想して持っていった部数がハケた程度)。なんだか蒸し暑かった。今回はお金があまりになかったので、ほとんど本を買わなかった。あまり歩き回りもしなかった。
ウチのスペースに新刊はなかった。しかし私は、昨日のフリーペーパーにすべてを込めた。私のキーボードを叩く指先から、昨日は光が見えていた。そうしたら「フリーペーパーはいりません」と言ってきた人もいた。
でも「いつも楽しみにしてますからがんばってください」と言ってくれた人もいた。嬉しい。今まで、砂を噛むような同人活動をしてきてよかった。ときには後ろ指を指され、5円のものを3円に負けろと言われ、イトコの子も3歳になろうというこの奔流のような時代の流れの中、一服の清涼剤としてこのようなことがあるのであります。
差し入れでプリンをくださったお客さんもいた。どうもありがとうございました。

新しい歴史教科書問題について、少し教えてくれるお客さんとかいたり、いろいろ面白かった。

あと、「ちゃお」でやってる「おはガールに憧れる女の子のマンガ」について話したら「じゃあベッキーとか出てるんですか? いや、ベッキーじゃ実在するからバッキーとか?」などと話をした。「バッキー」ってのはイイかもしれない。なんか強そう。プレッツェル食いながら「覇ッ!!」とか言って角材を折りそう。
……というような話は実にいろいろあったが、割愛。

その後、マンガ感想MLの飲み会に行った。我ながら実にバカな話ばかりをしてしまった。「バカな話をした」記憶はあるが、何を話したかも忘れてしまった。
だれかが「ズボンのチャックが開いたまま気づかずにいた」という失敗エピソードを話したから、「じゃあ夢枕獏風にごまかせばいいじゃん。『風の中で闇がうごめいている』とか」などと言ったが、なんだそりゃ。何がなんだか自分でさっぱりわからない。でもまあ、何かの溜飲は下がった。

いろいろ、私にとって有意義な話もした。マンガにおける、歴史的意義はあっても今読んでサッパリ面白くないマンガのこととか。このあたりのことは、掘り下げて考えると面白い。

確か11時くらいまで飲んでた。で、家にかえって速攻で寝た。

5月4日(土)

なんか、身体がドロドロに重い。朝7時頃寝て、12時半頃起きるがドロドロ感が抜けない。
その後、近所のいわゆる「家系ラーメン」にラーメンを食いに行ったり、明日のコミティア用のペーパーをつくったりした。
この間、ブックオフと近所のビデオ安売り王で買ったJポップのCDがあまりにハズレばかりだったため、口直しにFLAMEBITというレーベルのユニット「WAVESCAN」のアルバム「ASTROSCAPE」をひさしぶりに取りだして聞く。
こういうの、何というのか? ハッピーハードコアでいいのかな? ミニマルほどストイックではなく、トランスやスーパーユーロほど俗に流れず。聞いていて実になごむ。リフレッシュ。

5月3日(金)

朝も早よから新宿で「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」(監督:原恵一)鑑賞。
連休ということで親子づれたくさん、でも不愉快にならない程度の混み方。座れたし。
内容は、不思議な夢に導かれるように、家の庭から戦国時代へタイムスリップしてしまったしんちゃんが、きまじめな侍と仲良くなる。彼は鬼と言われるほどの武人だったが、姫に密かに恋心を抱いている。
一方、しんちゃんがいなくなった野原家では大騒ぎになり、どうやら戦国時代へ行ってしまったらしいしんちゃんを追ってひろし夫妻も戦国時代へ……。

普通、このテの話はコメディタッチの戦国武将たちが面白おかしいドリフ的な戦いを繰り広げたりするのだが、詳しいことはわからんが本作では戦(いくさ)の描写が実にリアル。そして、このリアルな展開にしんちゃん一家をからませるのが実にうまい。要するにシリアス、ギャグ、一方に流れていない。この辺り、惚れ惚れするほどうまい(実際、ギャグのシーンでは映画館の子供たちは大いに笑っていた)。
また、私の年齢からしてどうしてもひろしたち親側に感情移入してしまうのだが、「しんのすけのいない時代にいても意味がない!(大意)」と断言するひろしやそれに付いていくみさえ、図書館で戦国時代のことを調べて一人だけ歴史の流れに巻き込まれてしまうのではないかと恐れるひろし、「おれも武士になりたいなあ」「でもムリでしょう?」「そうだなあ」……みたいな会話など、なんかすごくしみじみする。そういうのがねえ、私は独身だけど、すごくよくわかるんですよ。

その後、ハシゴで名探偵コナン・ベーカー街の亡霊(監督:こだま兼嗣、脚本:野沢 尚)。
五感をすべて支配されて楽しむヴァーチャル体感ゲーム・コクーンを体験できることになったコナンたち一行。しかし、コクーンを制御する巨大コンピュータ「ノアズ・アーク」が暴走し、ゲームで一人でも生き残りがでなかった場合、ゲーム参加者全員が死んでしまうという。
19世紀ロンドンで切り裂きジャックを捕まえる、というゲームに参加するコナンたち。果たしてジャックをとらえ、現実世界に戻ってくることができるのか!?

前作が「ダイ・ハード」を意識しているとはいえかなり面白く、テレビをきちんと見ていない私にもちゃんとわかるようにしてある親切設計に好感を持ち、今回も見に行く。脚本は江戸川乱歩賞受賞者の野沢尚だし、期待は高まる。
印象としては、もう少し19世紀ロンドンの細かい描写があってもいいような気もしたが、ゲーム内でのコナンの推理と現実世界でのコナンの父の推理、二つの殺人事件の捜査が同時進行で行われる趣向や、いちおうジャックの正体の仮説が披瀝されている点(オリジナルなものかどうかは浅学にしてわからん)、ラストの列車でのクライマックスなど、見どころはたくさん。じゅうぶん楽しめた。
おそらく、コンピュータやゲームに詳しい人にはいまいち不満が残るかもしれないが、まあこういうヌルさは許容範囲だと思いました。

劇場でも終わった後、観客に満足感が横溢しているような感じがしましたよ。なかなかのエンタテインメントでした。

その後、いったん家に戻って宅急便をゲット。再び池袋へ行って、飲み会。
K君、L君、M君の3人と。
D君はマジンガーZ大好き青年、E君は脳が真ん中から割れて、中に小さいE君が入って操作している、F君は自称ロシア王朝の子孫。
一種独特の盛り上がりとなり、入った店が朝5時までやっているということで、世にもクダラナイ話を大声で話したり、みんなで冠二郎の「バイキング」を熱唱したり、雀ピューターをやりまくったり、居酒屋の便所の脇の部分を小便でびちゃびちゃにしてしまったり、生ハムを軽く火であぶってかぶりついたりしながら、終電を過ぎて10時間くらい話していた。10時間……。

明け方、さすがに気分が悪く身体の中がドロドロになった感じで、電車で新宿に着いたら丸の内線が動き出すまで30分以上あり、その30分を待つのがガマンできずにタクシーで帰ってきてしまった。

5月2日(木)

郵送物を待って、1日家にいた。
ビデオにとっておいた「トリック2」の佐野史郎が出てくるエピソードのやつを見る。すばらしかった。
「トリック2」、ビデオにとったきりまだ全部見ていない。が、今まで見た分に関してはすばらしいものであった。

本作に関して、やれギャグが寒いだの、ムリに笑わせようとしているだのといった批判も私の耳に届いているが、そんなことは本作にはまったく関係なーい!!
本作の見所は、江戸川乱歩の「少年探偵」的なトリックを現代に蘇らせたことにある。次々に打ち出されてくるギャグは、もう今の視聴者が二十面相的トリックをバカにしてるから、それをバレさせないための目くらまし的要素もある。ないかもしれないが、ある。

佐野史郎エピソードの前の、「時間の穴から未来を見る」という占い師のエピソード、ここでは大学教授の阿部寛が神出鬼没の活躍をする。が、普通現代のドラマでこんなバカバカしい設定できねーっての。でもやってる。それがさあ、すごくすばらしいんだよ!!
だいたい、バカトリックに関して広義のオタクって厳しすぎるんじゃないかなあ(ミステリファン除く)。子供っぽい、という点ではウルトラマンだってセーラームーンだって子供っぽいじゃんなあ。美和明宏の「黒蜥蜴」だって言ってたじゃん。「トリックは子供っぽいほどいい」って。

「サイコトレーリング」(持ち物から持ち主を追跡する超能力)をやる佐野史郎、最高だよ!! 黄金バットみたいな高い襟のコート着てるし。サイコトレーリングするときの顔も最高なんだよ!! 何かと特撮とか怪奇幻想系に顔出してくる佐野史郎に冷たい人も知り合いにいますが、この役は素晴らしいと思ったね。……っていうか認めなきゃイカンよ。

……で、郵便物来なかったんだよな……。どうしよう???

5月1日(水)

テレビは深夜番組の「千枚CD」という秋元康系の番組を、見まい見まいと思いつつやっぱり見てしまった(笑)。エヴァンゲリオンで思春期を送った若者は、トシとってからエヴァを否定しつつやっぱり見てしまったり、綾波で初めて性に目覚めてしまったことを否定しきれないであろう。
私の世代(のテレビっ子)にとって、否定するにしろ肯定するにしろ、秋元康はソレに似たような存在ではないかと思う。

……というわけで馬飼野康二作曲・秋元康作詞でアヤパンが歌った「着信のドレイ」という歌、聞いたがなかなかイイんだよな。松田聖子直撃世代は何か感じ入るところはあると思う。後々に千野アナを隠し球的にとっておいてあるところも憎たらしい。

「ハローランド」は、アロマテラピーについてのヌルい会話を加藤紀子や中澤裕子がするというものだったが、このアロマテラピーの先生がけっこうかわいかった。このかわいさでオヤジを殺して、出資してもらったりしてるのかもなあ。
先週ゲストで出てた「ロングラブレター 漂流教室」の脚本家の女の人もちょっとかわいかった。何というのか、テレビにしょっちゅう出るほどの華はないが、職場に一人いたらぜったいちょっかいかけられそうな感じの人。今回のアロマテラピーの先生もそう。もしかしてプロデューサーがそういう微妙なのが好みなのかなあ。……ってまたどうでもいいこと書きました、すいません。



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2002年4月の日記
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