遊びだと思っていると、痛い目見るぜ!!

一気に下まで行きたい

・「筋肉番付外伝 怪傑! 金剛くん」(1) 大内水軍(2001、小学館)
・「熱血ヨーヨー戦士 電撃タケル」 のむらしんぼ(1984、別冊コロコロコミック)
・「電撃タケル」 第1話(無題)
・「電撃タケル」 第2話(人 生きてこそのヨーヨーの巻)
・「電撃タケル」 第3話(無題)
・「電撃タケル」 第4話(遊びのヨーヨー対戦いのヨーヨーの巻)
・「電撃タケル」 どこまでホントか!? ヨーヨー豆知識
・「スケボーロッキー」(2) あさいもとゆき(1989、小学館)
・「おれはMr.フリスビー」 あすかあきお(1983、別冊コロコロコミック)

「体育会系的でないスポーツ」、「一見アソビみたいに見えるスポーツ」、「遊びから発展させられるスポーツ」を普及させることもコロコロ・ボンボンでは行ってきた。
まぁいわば現在のストリート系スポーツの元祖、とも言えるわけですな。
マンガとしては意外に大ヒット作が少ないのだが、それでもイロイロあるのがこの世界なのである。(99.0907、滑川)



・「筋肉番付外伝 怪傑! 金剛くん」(1) 大内水軍(2001、小学館)

怪傑! 金剛くん

スポーツの盛んな清流小学校にやってきた転校生、金剛くん。彼はまわし姿で筋肉ムキムキ、何でもこいのスポーツマンだった。彼にはさまざまなライバルが挑戦してくるため、他の生徒に迷惑が及ばないよう転校を繰り返していた。卑劣な手段を使う挑戦者に、金剛くんはクラスメイトの獅堂元(スポーツ少年)、秋本真希(美少女)、野崎学(メガネくん)たちとともに戦うのであった。

「コロコロ・ボンボン」の「スポーツ系ホビーマンガ」のカテゴライズとしては、実に1年9カ月ぶりの更新だ。しかしそれが「筋肉番付」のコミカライズになるとは、だれが想像したであろうか。
この第1巻では、各話それぞれで綱引き、騎馬戦、巨大だるま落とし、モンスターボックス(跳び箱ね)、SASUKE(かなりアレンジしてある)で金剛くんが戦う。
昨今では珍しく、企画の段階でムチャというかコロコロ系ではかなり新機軸であると思う。ゲームボーイアドバンスでのゲーム化もあるにせよ、「ムリヤリなところが面白い」かつてのホビーマンガのチャレンジャーぶりを味合わせてくれる。個人的には「騎馬戦」の回が好きだ。敵は戦国小の九龍大介、武田信玄の「魚鱗の陣立て」という陣形を使ったりする。
(01.1204)



・「熱血ヨーヨー戦士 電撃タケル」 のむらしんぼ(1984、別冊コロコロコミック)

最初に明言しておこう。本作は、「とどろけ! 一番」に勝るとも劣らぬケ ッ作である。

全国のヨーヨー戦士は、正座して心して読むべし!

私の小学生時代にコカコーラのキャンペーンによるヨーヨーブームがあった(小学館の「ハイパーヨーヨーテクニックス」によると1976年頃)。みんな「ブランコ」だの「犬の散歩」だのと一生懸命練習したモノである。「ヨーヨーチャンピオン」とかいう怪しげな外人がスーパーなどで「芸」を披露していたのを記憶して いる読者もおありだろう(マンガ「ちびまるこちゃん」にこのときのブームの 模様が描いてある)。
本作「電撃タケル」は84年の作品で、78、79年頃、ジャックラッセルヨーヨーというのがブームになって以後、97年のハイパーヨーヨーに至るまでヨーヨーブームがあったという話は聞かないから、この84年という時期は少々謎である。

連載当時ブームがあったのか、あるいは仕掛けようとして失敗したのか(おそらく後者)わからないが、そんなことは関係ない。とにかくヨーヨーである。ヨーヨーを死ぬほどやるのである。ヨーヨーは、道具にもなり武器にもなるのである。そして人の命とヨーヨー、どっちが大切かと問われたら、迷わず「人の命」と答える人間になれと。本作は腕も折れよとそう熱筆し、うったえかけているのである。隠れた名作を、見よ!

・ 第1話(無題)

■タケルとヨーヨー
 サッカーの練習の帰りに、コカコーラを飲む少年がいた。その名を電撃タケル
「ボウズ、いつもうちで買ってくれるな。」「お礼にこれをやろう。」
酒屋「黒田商店」のオヤジが言う。彼がタケルに渡したのは、コカコーラのロゴマークの入ったヨーヨーであった。少しやってみるが、すぐそのことは忘れ、 サッカーに専念するタケル。だがせっかく見つけたサッカーの練習場を、使う ことができなくなってしまった。そこの地主の息子・伊武直人がダメだと言ったからである。
 そしてダメの理由は、ここで一週間後に「ヨーヨー選手権」が開催されるから。「たかがおもちゃで……」バカにして笑うタケルにカチンときたか、
「ヨーヨー選手権でだれかがオレに勝てたら、グランドの使用権を認める !」
と宣言する直人。タケルは熱くなり、「黒田商店」のオヤジにヨーヨーの 教えを請う。オヤジに案内され店の倉庫に入れられたタケルは驚く。
「倉庫の中は、ヨーヨーでいっぱいだあーっ!」
 実はオヤジ・黒田萬太郎は、元ヨーヨーの世界チャンプだったのだ。ヨーヨーはただのオモチャじゃない。道具にもなるし、武器にもなる! 黒田の指導のもと、一週間の特訓を受けるタケルであった。
 ヨーヨー特訓キブスを両手首に付けての筋肉トレーニング、指先に全神経を 集中させるという特訓、あとカンにヨーヨーを巻き付ける特訓などを行う。

■ヨーヨー選手権
 そして当日。第1、第2種目の基本技を競い合い、次々と落伍者の出る中、 伊武直人とタケルの2人は勝ち進んだ。
 そして第3種目。水槽の中の魚をヨーヨーで巻き付けて釣り上げるという競技だ! 次々と魚をヒットしていく2人。だがタケルのヨーヨーに異変が……。糸に水がしみ込んで、ヨーヨーの回転がにぶってきたのだ。伊武直人の糸にはオイルが塗ってある。水をはじいて問題なし! それでもがんばるタケル。「びびらせてやる!」伊武直人は自分のヨーヨーをタケルのヨーヨーにぶっつけた!
 ジャマしたつもりだった直人だが、ぶつかった衝撃で火花が飛び、直人のヨ ーヨーのオイルに引火。試合続行不可能となり、タケルが優勝した! 直人は ヤブヘビとなってしまったわけである。

■ヨーヨー格闘技対決
 「またあのグランドが使えるんだ!」喜びを黒田に伝えようと黒田商店に向 かうタケルの目の前に、再び直人が……。一対一の勝負をしようというのだ 。ヨーヨーでタケルを威嚇し、「ヨーヨーを凶器として使う」ことをほのめか す直人。
 挑戦されたタケルに、黒田は自分が数々の強敵を倒してきた鋼鉄でできたヨ ーヨー、「サンダーボルト」を与える。しかしどうしたら勝てるのか……?

 問うタケルに、「からだでヨーヨーしてみろ!」謎の言葉を与え去る黒田。
悩むタケルはサッカーの練習時、ヘディングシュートを目にする。

 森林公園での対決。いきなり直人のヨーヨーがタケルにせまる! なんと直 人はBMXに乗っていたのだ。「これがヨーヨー騎馬攻撃だ!」と言い張る直人の卑怯さに、怒りをあらわにするタケルであった。
 ヨーヨーの糸でとおせんぼをし、自転車をひっかけて直人を転倒させるタケ ル。
 怒った直人はナイフの付いたヨーヨーを取り出し、タケルを襲う!
 ナイフで木に服を打ちつけられ、動けなくなるタケル! 直人のとどめの一 撃が、下げたタケルの頭上をかすめる! タケルのハチマキがナイフで切れる 。
 そこにあったのは頭に結び付けたヨーヨーであった。
「からだでヨーヨーをするんだーっ!」
 絶叫とともに頭を強く振ったタケルのヨーヨーが、直人を直撃!
 ぶっ倒れる直人。
 「新しいヨーヨー戦士の誕生だ!」
 影ながら見守る黒田萬太郎であった。

・ 第2話「人 生きてこそのヨーヨーの巻」

■大車輪陽揚寺
 来年開催予定のヨーヨー世界選手権に、タケルを推薦したいと言う黒田。そ のための特訓として、「大車輪 陽揚寺」へタケルを連れていく。
 そこは仏像の前に巨大なコマを飾った、謎の寺であった。なぜコマかというと、「コマこそヨーヨーの始まり」、「ヨーヨーはコマから生まれたから」であった!  ここでは門弟たちが「覇!」「破」!「覇破!」と激しくヨーヨーの練習をしている。
 そこを統括しているのは、黒田の後を継ぎ、師範を努めている鮫島という男 であった。彼の激しい指導に圧倒されながらも、「ヨーヨーは力だ!」と言い 切る横暴さに反発を覚えるタケル。
 一方鮫島は、タケルの出したヨーヨーが黒田の「サンダーボルト」であるこ とに激しく動揺する。サンダーボルトは、世界選手権者が次期を託す者に授け る伝統のヨーヨーだからだ。サンダーボルトを受け継ぐのは自分だと信じて疑 わぬ鮫島は、タケルとの勝負を申し出る。

■百目ろうそく炎破り
 勝負方法は「百目ろうそく炎破り」。ヨーヨーの起こす風でろうそくの炎を 消した者がサンダーボルトを受け継ぐのだ。
 百目ろうそくの炎は、台風でも消えることはないと言う。それをどうやって ヨーヨーで消すというのか?
 しかも、ろうそくの後ろには台がついており、競技をしない方がそこに座っ ていなければならない。つまり、ヨーヨーの勢いで思いっきり風を起こそうと すれば、ろうそくの炎を通過して、対戦者の顔面にヨーヨーをブチ当てなけれ ばいけないのだ!
 最初は鮫島から。「確実に炎を消すにはろうそくの芯をぶち破るしかない」 そう考えた鮫島は、ためらいなくタケルの顔面に自分のヨーヨーをブチ当てる のだった。 だがろうそくの炎は消えなかった!
 今度はタケルの番。台には鮫島が正座する。
 ヨーヨーをぶつけられ、怒り狂うタケル。「そっちがその気ならオレだって ……。」恐怖に身をすくませる
鮫島に、ヨーヨーをブチ当てようとふりかぶるタケル。だがタケルにはできな い……!
 「タケル、ヨーヨーが重いじゃろう。今のおまえにはなににもまして重いは ずじゃ!
 老師は言う。
「それがヨーヨーの真の重さ! 何百年も絶えることのなかった、
ヨーヨーの真の重さじゃ!」
 黒田も叫ぶ。「投げろ、タケル! 力いっぱい投げて火を消してみろ!」

■ヨーヨーの心
 「やってやるーっ!」最初は力いっぱい投げたタケルだが、やはり人を傷つけてまでヨーヨーするなんてできない! タケルは一度投げたヨーヨーの糸を掴んで引き戻した! タケルの手から血が飛び散る。
「とまれ! とまってくれーっ!」
 ヨーヨーは炎の寸前で止まり猛回転を起こした! そのヨーヨーに炎が吸い 込まれ、完全に消えた! 人を傷つけまいとするタケルの心が極意を会得させ たのだった。

第3話(無題)

■ヨーヨー殺人鬼
 満月の夜、大車輪陽揚寺の修業僧が、つぎつぎとヨーヨー殺人鬼に襲われる という事件が起こった。
 ヨーヨー界に古くから言い伝えられている「呪いのヨーヨー」が息を吹きかえしたのだ。そして呪いのヨーヨーと戦える者は、タケルしかいないのだ!  タケルの持つサンダーボルトが、呪いのヨーヨーと戦う運命にあるのだ。サ ンダーボルトは正統派における最大のヨーヨー。サンダーボルトが表のヨーヨ ーなら、呪いのヨーヨーは裏のヨーヨー! 表と裏はたがいにひきあうのだ。

 ヨーヨー鬼に兄を殺された女の子・カオルちゃんは、それを聞いて「サンダーボルトで兄のかたきを討たせてください」と頼むが、タケルでさえ勝てるか どうかわからないヨーヨー鬼と戦うことを止められてしまう。

■ヨーヨー・ド・デビル
 タケルが寝ている間に、サンダーボルトを盗み出してしまうカオル。「サン ダーボルトを持っていれば、兄のかたきにめぐり合える……」そう信じて夜 の闇を走るカオルであった。
 後からサンダーボルトを盗まれたことを知ったタケルであったが、サンダー ボルトはだれにでも使いこなせるものではない。カオルちゃんを助けるため、 彼もまた夜の闇を疾駆するのであった。

「ヨーヨー伝説第三章勇者伝 正義の心持つ真の勇者 正義のヨーヨー持ちて たちむかう時、呪われた悪魔自ら滅ぶなり。真の勇者にいっさいの手助け無用 なり……」

 万が一を思い、サンダーボルトに粉末夜光塗料を塗っておいたため、カオル の足跡は夜でもわかる。ゆくえを追うタケルだが、途中でしるしが消えていた 。そこには落とし穴があり、謎の地下空洞へ通じていた。
 ワニや蛇のいる沼を、ヨーヨーを使って脱出したタケル。「いったいここは ……?」

 彼の見たものは、「エロイムエッサイム ヨーヨーエッサイム」と不気味な呪文とともに、ヨーヨーの悪魔ヨーヨー・ド・デビルにカオルを生贄として捧げようとするヨーヨー鬼の姿であった!
 ヨーヨー・ド・デビルの巨神像の巨大ノコギリ付きヨーヨーをカオルに何度もふりおろし、苦しませて殺そうとするヨーヨー鬼。すんでのところでタケル のヨーヨーがのこぎりを止めた!
 「電撃タケルだーっ! 呪いのヨーヨーに魂を売った悪魔ヨーヨー鬼! サ ンダーボルトはおまえを許しはしない!」
 名乗りをあげるタケル。ヨーヨー鬼との対決だ!

■タケル対ヨーヨー鬼
 鋼鉄ワイヤーの呪いのヨーヨーの糸は、軽く岩をも両断する。ヨーヨー鬼の 鋼鉄ワイヤー糸攻撃に、ピンチにおちいるタケル! ヨーヨー鬼は、ナイフ付 きヨーヨーも持ち出し、タケルを襲ってきた!
 だが抜け出したカオルがこん棒で背後からヨーヨー鬼の頭部を強打。油断し た殺人鬼は、沼にすむワニに左腕を食われてしまう!
 そのすきにカオルを連れて逃げようとするタケル。
 だが河の上の橋は壊され、2本のロープが残るのみ! どうするタケル!
 「ヨーヨーロープウェイだーっ!」
 ヨーヨーをロープに乗せて回転させることで、向こう岸にたどり着くタケル 。念のためにロープを切り、一度帰って態勢をたて直そうと考えるタケルの前 に、再びヨーヨー鬼の顔が!
 彼はヘリコプターに乗って河を越えてきたのだ。
 ヨーヨー鬼のヨーヨーで頭部を強打したタケルは、勢いあまってヘリコプタ ーの操縦席まですっ飛ばされる。タケルの肘がスイッチに当たり、プロペラが 回転を始める。
 「とどめだ、死ねーっ!」
 ヨーヨー鬼の第二波を、両手のヨーヨーではじき飛ばすタケル。飛んだヨー ヨーは、上にはじけ飛んで、ヘリコプターのプロペラにからみついた!
 「鋼鉄の糸がきれない!」
 プロペラに巻き込まれたヨーヨー鬼は、コマギレになってしまうのであった。
 ヨーヨー鬼、恐ろしい悪魔であった……。

「武器に魂を売るもの 武器により自ら滅ぶ。人、生きてこそのヨーヨーな り……(ヨーヨー伝説・終章)

■感想文
 第2話に引き続き、とんでもなく熱い物語である。おそらくインディジョーンズかなんかが下敷きになっているのであろう。それにしても、第1話で黒田の私物であることを匂わせていた「サンダーボルト」が第2話で世界選手権保持者世襲の品であることがわかり、第3話で「ヨーヨー伝説」を持つほどの歴史的なモノであることが明らかになる過程はスゴイ。
とは言っても「リングにかけろ」「カイザーナックル」がだんだん神秘的な力を付与されてきたことを意識してのことかもしれん。オマージュとは行かないまでも「このくらいのことならやってもいいだろ」という基準にくらいはなっていたかもしれない。
ヒロインぽいコが登場するのは、第3話だけだ。

・第4話「遊びのヨーヨー対戦いのヨーヨーの巻」

■タケル、ヨーヨーの先生になる
 夏休みも終わり、ひさしぶりに登校するタケル。だが生徒たちは、ヨーヨー を持つタケルを恐れて逃げるありさま。疑問に思うタケルの前に、やさしそう な少年・星雄馬が現れる。「ヨーヨーを教えてくれ」と頼んでくる雄馬。彼は二学期から赴任してきた体育教師・星徹馬の息子であり、運動オンチだが唯一のとりえがヨーヨーだったのだ。父親の徹馬からも頼まれ、ヨーヨーを教える ことを快諾するタケル。だがそこには徹馬の野望がからんでいた……。
 実は雄馬は、父親の徹馬に家でヨーヨーの猛特訓を受けていたのだ。さらに タケルからもヨーヨーを教わり、技を盗む。それが雄馬の使命だった。

 「タケルくん……大事なひみつ技をこんなに簡単に教えちゃって」
 「もしボクのほうが君より強くなったら、君……困らない……?」
 罪悪感に耐えきれずダイレクトな質問をする雄馬。
 だがタケルは答える。「なにいってんだ……。そうなったらうれしいにき まってるじゃんか」「う……、うれしい……?」「ボクが教えて君が強く なったんだ……。」「じゃあボクは君の先生ってことだ……」「教え子が 自分を乗り超えるのを喜ばない先生はいないさ……」
 タケルの勝敗にこだわらない言葉に衝撃を受ける雄馬であった。

■タケル対雄馬
 陽揚寺の師範代を決める試合において、黒田に負けていた星徹馬。彼は黒田 の弟子のタケルを自分の息子が倒すことで、自分が黒田に勝ることを証明しよ うとしていたのだ。
 彼は勝敗にこだわるため、雄馬には毎晩特訓、設立したヨーヨー部では、脱 走をした者に制裁を加えるなど容赦のないスパルタ教育をしていたのだ。ヨー ヨーに恐怖すら覚える生徒たち。
「ヨーヨーは楽しんでやるもんだーっ!」怒るタケル。だが徹馬は「ヨーヨーは戦いだ!」と言ってゆずらない。両者のイデオロギー闘争から、とうとうタケルと雄馬の戦いが決定した。

 タケルは徹馬の横暴を止めさせるために、一歩もひくわけにはいかない。
 だが筋肉強化ギブスで鍛えた雄馬は、肉眼では見えないほどの速さでヨーヨ ーを繰り出す技「ワープヨーヨー」でタケルを襲う。これでは防戦一方だ!
 そこに現れる黒田。「ヨーヨーを見ようとするな!」
「ヨーヨーの音を聞け!」叫ぶ黒田の声に、目を閉じて応戦するタケル。彼は音でヨーヨーの動きを読み、雄馬の右腕のヨーヨーをひきちぎった。だがヨーヨーはもうひとつある。雄馬がタケルに勝つチャンスだ! だが雄馬はヨーヨーを打ち込むことをしなかった。
 試合放棄した雄馬に怒り狂う徹馬。「子どもは、親の道具じゃないぞーっ! 」叫ぶタケル。黒田が持ってきたのは、雄馬の左肩のレントゲン写真だった。 雄馬の左肩は、徹馬の特訓のために骨も筋肉もズタズタになっていた。彼はヨ ーヨーを投げなかったのではなく、投げられなかったのだ。しかも父の心をお もんばかり、黙っていた雄馬……。

 衝撃を受けた徹馬は、涙をひとすじ流した。「許せ、雄馬!」「黒田またし てもオレの負けだ。」「今度こそ完璧に!」
 苦しみぬいた息子に寄り添い去っていく、父・徹馬であった。

■おわりに
なんとなく打ち切りっぽいラストだが、こんな言葉で締めくくられているぞ!

「ヨーヨーは、道具だが……
人間は、道具ではないのだ!! 人、生きてこそのヨーヨーだ!
第1部完 また会う日まで みんなヨーヨーうまくなれよ!!」

・「電撃タケル」 どこまでホントか!? ヨーヨー豆知識

「電撃タケル」本編によれば、ヨーヨーは中国で創案され、その後、世界に伝わった。コマにひもで回転をつけることをヒントに発明したといわれている。
18世紀には英国に伝わり「プリンス・オブ・ウェールズ」と名づけられ、貴族の遊びとなった。またフランスでは「ヨーヨー・ド・ノルマンジー」と名づけられた。
日本には江戸時代に長崎から入り「手車」と言われた。

小学館の「ハイパーヨーヨーテクニックス」によれば、紀元前500年頃にはテラコッタの壺(ギリシャで発掘)にヨーヨーの原形らしいものが描かれているという。
中国でも同時期にすでにヨーヨーの原形があった。
1500年にはフィリピンの狩猟民族が狩りに使用。「ヨーヨーは武器」は本当だった!? 「手車」と呼ばれていたというのも本当らしい。
(981230、00.0311、滑川)



・「スケボーロッキー」(2) あさいもとゆき(1989、小学館)

「ファミコンロッキー」に続いて、あさい先生がコロコロに連載していた作品 らしい。後半、ローラーゲームの話になるぞ!(なんか解説が少なくてゴメンなさい)(99.0301、滑川)



・「おれはMr.フリスビー」 あすかあきお(1983、別冊コロコロコミック)

「ザ・超能力」(未読、スイマセン)や、「ワンダーライフ」「ムー」誌上でトンデモなマンガを描いていた(こちらもちょっとしか見たことない、スイマセン)人のデビュー作(だろう、たぶん。よくワカリマセン、すいません)。
あらすじは「めずらしいスポーツ(ドッジボールフリスビー)」をやっている少年・一文字が強敵・鬼面に破れ特訓し、最後には大逆転する話」である。

読みきり作品なので佳品という以上言うことはないのだが、ここでは「競技性のあるフリスビー」の説明が簡単にされている。
「低学年用に考えたドッジボールフリスビーといって、相手にミスキャッチさせたりコート内に投げこんだりしたら1点もらえて21点先にとったら勝ちなんだよ。」
「それぞれ5人ずつの2チームがフリスビーのコートめがけて投げあうんだ。」
と書いてあります。

本作は「第4回 藤子不二雄賞佳作」となっているからこれがデビュー作なんだろうが、デビュー作=「めずらしいスポーツ」でしかもとくに「スーパードッジ」のように雑誌をあげて広めようとしたようすもないのでなんだか謎。
まあどうせ、散発的に「別冊コロコロコミック」を読んでいる子供さん&現在の無能のヒト(私)にはうかがしいれない「大人の事情」があるんでしょうね。くそう、なんだか私だけオミットされているような気がしてきた! オミットって死語か? そうなんですか!?

ちなみにコロコロコミック83年4月号の「第5回藤子不二雄賞」最終候補には「樫本学」(15歳)(!)の名前がある。現在の「学級王ヤマザキ」の「樫本学ヴ」だとしたら「ナントカはカントカより芳し」(忘れたよもう(涙))ってヤツですな。(981230、00.0310、滑川)

ここがいちばん下です
「コロコロ・ボンボン小学校」もくじに戻る
トップに戻る