コミックバーズ1999年分収録作品リスト

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1999年5月号

作者タイトル備考
冬目景表紙
きくち正太きりきり亭のぶら雲先生含4C
冬目景羊のうた
雨宮智子Angie
吉田戦車スカートさん
ゆき・たけしVOICE
山口譲司BIRTH
ほりのぶゆき喜劇空想特撮温泉最終回
画:加倉井ミサイル+作:菊地秀行しびとの剣
画:板垣恵介+作:夢枕獏餓狼伝
ともち愛をあげよう
阿部忍寄聖者(前編)
中川いさみツンドラ・パンチ!
市東亮子LIVE RUN
西岡秀樹ビノシュとコロクプル2本立て
画:岡野玲子+作:夢枕獏陰陽師
高口里純明日のために
玉木満おさるの時間

スコラ営業停止により最終号となってしまうのか。そんなわけで何かと注目の号であるが、まだ業務停止が決まってなかったころに作られた本なので、ちょうどタイミング良く最終回だったほりのぶゆき「喜劇空想特撮温泉」以外は、物語は途中のまま。さてどうなるんだろう。ただ、個人的には作品の行く末はそんなに心配していない。バーズ掲載作品はむちゃくちゃヒキの強い作品ってあんまりなかったからだ。作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」とかはどこで終わってもなんとかなるだろうし、またバーズが再建できなかったとしても引く手はあるんじゃないかと思う。冬目景「羊のうた」も今売れっ子だし、恩を売る意味も込めて引き受けたい雑誌は多いのでは。俺としては一番気になるのが作:夢枕獏+画:板垣恵介「餓狼伝」。中断した格闘モノをわざわざ引っ張ってこようとする雑誌があるとはいまいち考えにくい。しかも今回、物語は黒幕的な存在をほのめかしたところで終わってたりする。う〜ん、続きが気になる。でも、原作読めばいいのか。ともち「愛をあげよう」は今回かなりハッピーな展開だったので、このままでもいいかなとか思ってしまう。奥瀬サキ「FLOWERS」は表紙には載っているものの掲載されていないので注意。
 なんか最終号になるかもしれないということを意識したコメントが並んでしまったが、読んでいる最中はそのことは頭の中から追い出していた。そういうことは読む前と読んだ後に考えれば十分。感傷もまた読書中は夾雑物。最後になろうがなるまいが、読んでいる最中はフラットな状態でいたい。
 まあとにかく俺が心配してもどうにもならんので、編集部のスタッフがどう動くのか、また作品の移籍はあるのか、そこらへんのアナウンスを待つ。
1999年4月号

作者タイトル備考
山田章博表紙
画:加倉井ミサイル+作:菊地秀行しびとの剣含4C
きくち正太きりきり亭のぶら雲先生
新名あきいのち短し恋せよおとめ
画:斎藤岬+作:菊地秀行魔殺ノート退魔針
画:板垣恵介+作:夢枕獏餓狼伝
冬目景羊のうた
東城和実ぐるぐるジャングる
山口譲司BIRTH
中川いさみツンドラ・パンチ!
小山田いく魑魅(すだま)
吉田戦車スカートさん
ともち愛をあげよう
画:岡野玲子+作:夢枕獏陰陽師
ほりのぶゆき喜劇空想特撮温泉
市東亮子LIVE RUN
高口里純明日のために
山田章博BEAST of EAST

 きくち正太「きりきり亭のぶら雲先生」。今回は魚屋の娘、はまちが主役。前からお話にはちょいちょい登場していて、元気できっぷのいいキャラクターがわりと気に入っていたので、今回は登場シーンが多く満足。作:夢枕獏+画:板垣恵介「餓狼伝」は猪木的レスラー、巽の若いころの武勇伝を描く。圧倒的に強くて激しくてかっこよかった。吉田戦車「スカートさん」は、力の抜けたほどほどのギャグがしみじみくすぐってきていい案配。安心して読める。ともち「愛をあげよう」は、正午と弥生がデートする。甘っちょろいお話で幸せでヌルくて楽しいなあ。ともちの作品のいやみのなさは大したものだ。
1999年3月号

作者タイトル備考
山口譲司表紙
市東亮子LIVE RUN含4C
画:斎藤岬+作:菊地秀行魔殺ノート退魔針
きくち正太きりきり亭のぶら雲先生
新名あきいのち短し恋せよおとめ
画:加倉井ミサイル+作:菊地秀行しびとの剣
山口譲司BIRTH
ほりのぶゆき喜劇空想特撮温泉
冬目景羊のうた含4C
吉田戦車スカートさん
中川いさみツンドラ・パンチ!
奥瀬サキFLOWERS
画:板垣恵介+作:夢枕獏餓狼伝
高口里純明日のために
ともち愛をあげよう
画:岡野玲子+作:夢枕獏陰陽師
画:秋原龍彦+作:工藤かずやMOTHER − マザー −最終回
西岡秀樹夕焼けコロクプル
玉木満おさるの時間

表紙には山田章博「BEAST of EAST」が出ているが、またしても急病のため不掲載。要注意。
 吉田戦車「スカートさん」。久しぶりにみっちゃんのママ登場。なんかおばさんっぽくなったなあ。時の流れを感じる。でもみっちゃんは見たところ、あんまり変わってないみたいだけど。奥瀬サキ「FLOWERS」。相変わらず、すごくうまい絵。クールでハードな描写がとてもかっこいい。。話はすごく分かりにくいけど。こういうのは単行本でまとめて読みたい、と思っていたらなんか3月に第1巻が発売されるらしい。これで少しは話がつかめそうな気がする。西岡秀樹「夕焼けコロクプル」は、2000年に一度、母なるコロクプルの木から実となって生まれ落ちる虫のような妖精のような存在、コロクプルの物語。彼らはコロクプルの木から生まれ落ちると、すぐいずこかへ向かって走りに走る。そして行き着いた場所にコロクプルの種を植えて土へと帰っていく。2000年後に自分たちの仲間が生まれてくることを信じて。誰も知らない、はかなくもユーモラスな連中の姿を、コミカルな筆致で描いている。不思議な雰囲気のある作品で個性的。読んでいて心が和む楽しさがある。
1999年2月号

作者タイトル備考
加倉井ミサイル表紙
山口譲司BIRTH含4C
画:加倉井ミサイル+作:菊地秀行しびとの剣
画:斎藤岬+作:菊地秀行魔殺ノート退魔針
丹波鉄心タンバフル・デッド
東城和実ぐるぐるジャングる
きくち正太きりきり亭のぶら雲先生
新名あきいのち短し恋せよおとめ
冬目景羊のうた
坂本一水上海特務機関SAKURA
画:板垣恵介+作:夢枕獏餓狼伝
ともち愛をあげよう
中川いさみツンドラ・パンチ!
吉田戦車スカートさん
高口里純明日のために
玉木満おさるの時間2本立て
ほりのぶゆき喜劇空想特撮温泉
画:秋原龍彦+作:工藤かずやMOTHER − マザー −
山田章博BEAST of EAST

 山口譲司「BIRTH」が巻頭カラー。「デビルマン」的なテイストを漂わせた、凄惨な描写がいい。この人は昔からけっこううまい人だったけど、最近また絵がうまくなっていると思う。話自体はよく分からんところもあるのだが、単行本でまとめ読みするとけっこういいかも。ともち「愛をあげよう」では、正午が都をフッてしまう。負けると分かっていた都ではあるけど、決着をつけたってことはそろそろまとめにかかるのだろうか。でもまあともちのことだから、最終的にはみんな幸せにしてしまうんだろうけど。ベタベタではあるのに、なんとなくさわやか。ほんわりとした抜群のヌルさ加減、幸せ気分がたまらない。新顔の坂本一水は、ちょっとシャレた少女漫画系にでもいそうな端正な絵柄。ところどころに冬目景だの山田章博だの、なんかいろんな人の影響を受けてそうな気配を感じる。例に挙げた人たちほどうまくはないけど、まあわりと達者でまとまっている。ちょいと小粒な感じではあるけど。話はコミカルなドタバタ活劇。
1999年1月号

作者タイトル備考
板垣恵介表紙
画:斎藤岬+作:菊地秀行魔殺ノート退魔針含4C
冬目景羊のうた
山口譲司BIRTH
きくち正太きりきり亭のぶら雲先生2本立て
新名あきいのち短し恋せよおとめ
画:加倉井ミサイル+作:菊地秀行しびとの剣
高口里純明日のために
吉田戦車スカートさん
ともち愛をあげよう
画:板垣恵介+作:夢枕獏餓狼伝
市東亮子LIVE RUN
ほりのぶゆき喜劇空想特撮温泉
雁須磨子かわいい女
奥瀬サキFLOWERS
中川いさみツンドラ・パンチ!
画:秋原龍彦+作:工藤かずやMOTHER − マザー −
玉木満おさるの時間
山田章博BEAST of EAST

 今号と次号にてポストカード(「きりきり亭のぶら雲先生」「羊のうた」「餓狼伝」「しびとの剣」「魔殺ノート退魔針」「BEAST of EAST」「陰陽師」のうち1作品)4枚組が応募者全員プレゼント。それから表紙やらピンズが抽選で当たるっていうのもある。欲しい人はどんどんおーぼ、べきであるある。
 まず注目はバーズ初登場、雁須磨子「かわいい女」。この人はメロディとかでときどき描いていて、抑えたトーンの絵柄と小春日和という感じの暖かみのある作風がわりと気になっていた。「反町くんには彼女がいない」の有川祐にちょっぴり絵が似ているような感じもする。今回は仲間を裏切って組を抜け出してきたヤクザのにーちゃんが、逃亡先の宿であっせんされた身体を売っている美人のお姉ちゃんと何度も肌を重ねるうちにだんだん情が移ってきて……というお話。女の子の伏せた目つきがものうげで色っぽい。静かな面白さのある作品。冬目景「羊のうた」。うまい絵だ。きくち正太「きりきり亭のぶら雲先生」は2本立て。ぶら雲先生の童心が抜け出て童女の姿をとり騒ぎを起こすという前号の続きと、ついだお酒の種類によって違う姿形の女の子が出てくる徳利の精のお話。どちらもきれいにまとめてくる。ぶら雲姐さんは粋でいなせで艶っぽい。子供っぽさがあるところもまたいい。
 ともち「愛をあげよう」。卒業を前に、巨乳娘・都が正午に猛烈アタックを開始。メロメロに甘ったるい。いや〜楽しい。作:夢枕獏+画:板垣恵介「餓狼伝」は松尾象山の昔の暴れっぷりの話。一方的に技をかけまくるシーンが迫力があって、そしてリズミカルで見ていて胸がすく。奥瀬サキ「FLOWERS」。前回掲載の98年11月号の扉の柱では「最終回」とか書いてあったのだが、ちゃんと続いている。今回も相変わらずわけが分からない。こういうのはやっぱまとめて読みたいな。でも、非常に達者で張り詰めた緊迫感漂う画面構成はこれだけでも楽しめる。
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