◆ 1998年2月後半 ◆

2/16〜28
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2/28(土)……漫画依存症的俺

 2月も今日で最後。今月は日数が短いわりにたくさん漫画読んだなーと思って数えてみたところ、雑誌がのべ63冊、単行本72冊、同人誌35冊。なんか尋常でない冊数のような気がする。そのぶん小説を全然読んでなかったりするのが遺憾ではある。これで少女漫画なんか読み始めた日にゃあ、会社を辞めないと追っつかないかもしれぬて。
 それから、3/13に三和出版から町野変丸の新刊「UFO」が出るとのこと。そんなわけで俺的漫画スケジュールに追加。

【雑誌】快楽天4月号 ワニマガジン
 コンビニメインの雑誌だけに、コンビニ規制にひっかからないようかなり自粛しているようだ。もともとあまりいやらしくはない雑誌だったが、ますますエロが少なくなっている気がする。なんか全般的に窮屈な感じを受ける。
 陽気婢「ONE WAY COMMUNICATION」は、陽気婢としてはあんまり出来が良くないほうだと思う。ちゃんと読ませてくれるんだけど、なんとなく展開が簡単すぎるような。最近、陽気婢はどうも不調な感じがする。
 OKAMAの新連載「せんたくき」は独特のノリで悪くないけど、第1回めということでまだなんとも判断はつかない。これから面白くなることに期待。OKAMAは最近ちょっと褒められすぎかな〜って気がしなくもない。ただその反動でけなす人もいたりするが、それもどうかと思う。絵が個性的でレベル高いし、話にも独特のノリがあって面白いけど、まだまだバラツキがあり当たりハズレは激しい。漫画的演出の技術を磨いて、作風の幅を広げるか、狭いままでもより深くして完成度を高めるかするともっと良くなると思う。なんにせよ勝負はこれからだ。
 森永みるくは本当に器用。今回の「メア」はちょっとオカルトっぽい話。絵がいいのはもちろんだけど、話もバラエティに富んでいてしかもきっちりまとめてくる。さすが。それからさつきのそのいち「一人ぼっちじゃいられない」。前からこの人はいいと思っていたけど、一段と絵がうまくなってさらにいい雰囲気を出してきた。これからも楽しみな注目株。
 それからかるま龍狼。今回の「視覚的触覚的」は、見えないちんちんを駆使して服を着たままSEX。これもコンビニ規制かって感じがするけど、それを逆手に取って遊んでるみたい。この人はエロをやりつつも、しっかりとギャグを織り混ぜてくる。見せ所もきちんと分かっている感じで、エロ漫画家としてのセンスを感じる。俺的にはかなり気に入っている漫画家で、実は単行本も全部持っていたりする。加藤礼次朗「男根平次」はノリノリな感じ。豪快に下らない展開で楽しい。

【雑誌】モーニング 3/12 No.13 講談社
 まずは「気分は形而上」(須賀原洋行)が最終回。モーニング最長連載だったらしいが、まあそろそろいい潮時だろう。最近マンネリ気味だったし。というわけで近いうちに「クッキングパパ」(うえやまとち)が最長連載の座につくということになる。
「蒼天航路」(王欣太+原案:李學仁)は最近なんとなくコミカルな表現が目立つようになってきた。遊び心があってこそ曹操という感じはするので、これもまた良し。「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)はそろそろヨリが爆発しそう。やっぱりヨリの打球は痛快だ。「変體累ヶ淵NAKED」(作:杉元伶一+が画:米餅昭彦)はようやく「変體累ヶ淵」たる本領が発揮されてきた、って感じがする。女の怨念ドロドロものになりそうな気配。濃くて楽しい。
 榎本俊二「えの素」、いや「ENOMOTO」は連載50回記念。いきなり外国人バージョンだったのでアイサプライズド。やってることは一緒だけど。イッツ、ヴェリヴェリスピーディー&セクシュアル&ヴァイオレント。というわけでとってもインタラスティングだった。
 第3回、MANGA OPENで青木雄二賞を受賞した、三宅乱丈は2本立てで登場。「ヘビースモーカーの息子」「言霊師」が同時掲載。絵がちょっと松本大洋系。この手のタイプって、ファッションとか雰囲気だけで見せようとするタイプが多いけど、三宅乱丈はわりと話もしっかりしていた。けっこういいんじゃないだろうか。でも今や、松本大洋に絵が似ているってだけでマイナス点をつけられがちだから、その点はちょっとキツイかも。
「ブル田さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)はヒルトンが打撃開眼して盛り上がりそう。それから清田聡「染盛はまだか」は今回けっこう良かった。大麻でGo!って感じ。単行本出たら買っておこう。


2/27(金)……エンタツキーフライドチキン

 いきなりでなんだが、眠い。というのもこれを書いているのが朝の7時半。28日の早朝5時半くらいに会社からおうちに帰りつき、それから漫画を読んでいたというわけだ。風邪気味で体調も悪いのに何やってんだか。
 今日読んだスペリオールに第43回小学館漫画賞の選考結果が載っていたので、いちおうレポートしておく。

◆児童向け部門……いがらしみきお「忍ペンまん丸」
 候補……いがらしみきお、あらいきよこ、樫本学ヴ、てしろぎたかし
◆少年向け部門……作:森末慎二+画:菊田洋之「ガンバ!Fly High」
 候補……安西信行、藤崎竜、藤沢とおる、森末慎二+菊田洋之
◆少女向け部門……渡瀬悠宇「妖しのセレス」
 候補……いくえみ綾、北川みゆき、きら、渡瀬悠宇
◆一般向け部門……小山ゆう「あずみ」
 候補……くさか里樹、小山ゆう、高橋しん、東本昌平、福本伸行

【雑誌】コミックバーズ4月号 スコラ
 詳しい収録作品に関してはコミックバーズのページ参照。
 相変わらず、どうもパッとしないバーズ。そのうえ「陰陽師」(作:夢枕獏+画:岡野玲子)もお休み。冬目景「羊のうた」が巻頭カラー&表紙。すっかりバーズの看板になったなーって感じ。奥瀬サキ「re-set」はなんだかよく分からなかった。本編が始まってみないとなんともいえなさそう。絵は相変わらずうまいし、雰囲気はあるんだけど。

【雑誌】少年チャンピオン 3/12 No.14 秋田書店
「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)は、いつもは憎めない敵役をやっている東麗子が今回の主役。お嬢さまだけど愛情に飢えていて、庶民のふりをして友達を作ろうとするなど健気でいい。「悟空道」(山口貴由)はやっぱり面白い。ラストのセリフが馬鹿馬鹿しいんだけどかっこいい。「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)は触手ウネウネ。アクション&バイオレンス。濃厚でよろしい。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/15 No.6 小学館
 そういえば25日の日記で3月の漫画購入スケジュールを書いたけど、「演歌の達」(高田靖彦)の3巻も30日に発売されるようなので追加。というわけでエンタツ。この人はどんどんうまくなっていていい感じだ。絵もいいし、話もガッチリと組み立てている。
 小山ゆう「あずみ」は前述のように小学館漫画賞受賞。それだけの話をきっちり作っていると思う。この人は本当に長期にわたって、安定して質の高い作品を描き続けている。偉い。

【雑誌】ヤングジャンプ 3/12 No.13 集英社
 ヤンジャンも相変わらず読むところが少ない。「ゴルフ19」(みやすのんき)は馬鹿げた展開がステキ。手打ちのクラブってのがプロゴルファー猿的。さらに来週は主人公・ミチルが恥辱のどん底に陥れられてしまうらしい。いい加減ゴルフやれっていう気がしなくもないけど、脱線しまくりってのも好きなのでもっとやれという気もしている。


2/26(木)……ねこねこにゃんにゃん

 今日はコミックバーズも発売日だったが、会社近辺の書店になかったので入手できず。バーズってコンビニでも見かけないけど、ちゃんと売れてるのかなあ。売れてないだろうなあ。

【雑誌】ヤングサンデー 3/12 No.13 小学館
 いつもながらにヤングサンデーは好調。最近の週刊青年誌ではヤンマガ、モーニングとヤンサンが元気良く感じる。
 連載2回目の山本英夫「殺し屋イチ」は好調な立ち上がり。人を殺しながら興奮して勃起し、殺人現場に精液を残して去るイチがなかなか怖い。「花マル伝」(いわしげ孝)は木元vs.氷室戦が決着。だけど、こんな形になるとは予想外。ってことはまだまだ話を引っ張るってことなんだろうか。
 短期集中新連載「ホタルロード」(画:西沢一岐+作:七月鏡一)がスタート。この西沢一岐って、昨年11月のコミティアで本を買ったことがある。そのときの本がなかなか面白かったので、この連載も期待できそう。「デカスロン」(山田芳裕)は万吉が2m30cmを楽勝でクリアしそうな雰囲気だけど、さてどうする。気になるけど次号は休載。もどかっしぇー。
「アガペイズ」(山田玲司)はけっこうシリアスな展開で盛り上がってきた。風水がどうのこうのいうのに抵抗ある人もいるみたいだけど、面白いからいいじゃんと俺は思う。「今日のだいちゃん」(太陽星太郎)は今回もいい話。そろそろ単行本にならないもんかなあ。新人、サイクロン猿橋「先生は宇宙要塞!?」はなかなかヘンな漫画で良かった。すごく笑えるってほどではないけど楽しめた。
「the山田家」(阿部潤)はどんどん絵がうまくなってるなーと思う。今回は田中が主役。スゴイ展開でテンションも高い。巻末指定席は「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。ついにモンちゃんまでもがヒグマドンに。次はどんな展開になるんだろう。ああ、すげえ〜。

【雑誌】ビッグコミック 3/10 No.5 小学館
 ここのところずっと創刊30周年記念キャンペーンをやっているが、なんか地味な感じ。表紙のせいってのも多少はあるかも。
「ムカデ戦旗」(森秀樹)は相変わらず骨太な面白さ。六田登がビッグコミック創刊30周年記念特別読切「アタシの人生ガータGATA」を描いている。これが読みたくて買った。出来はまあまあ。さすがにうまくまとめてきて面白く読める。勝川克志もショート読切「少年時代−父−」で登場。いつもながら独特の絵柄で、ノスタルジックな話を描いてくる。あざといんだけど、やっぱり読んでしまう。

【雑誌】マガジンGREAT 3月号 講談社
 唐沢なをきが載っているので購入。タイトルは「女子プロチヨちゃん2」。それにしても本当にどこでも描くよな、この人。そしてどこでも唐沢なをきらしさを出してくるところがさすが。そのほかは基本的には月刊少年マガジンテイスト。とだ勝之「猫ミック」は、ミックという猫が主人公のファンタジー系のお話。太くて元気のいい線で、微笑ましい雰囲気がある。俺はけっこうとだ勝之は好きだ。

【単行本】「ギャラリーフェイク」12巻 細野不二彦 小学館 判型:B6
 いつも通りの安定したうまさ。さすがに3割バッターを自認するだけあって、ハズレがない。

【単行本】「D-ASH」5巻 作:北沢未也+画:秋重学 小学館 判型:B6
 これで完結。疾走する青春ドラマ。面白かった。とくに司と、破滅に向かっていく三木との触れ合いが感動的で良し。あとはしつこいようだけど、「ニナライカ」が単行本にならないかなあ……。

【単行本】「Neko2」1巻 岡崎二郎 小学館 判型:B6
 詳しくは岡崎二郎のページを参照のこと。


2/25(水)……早朝アフタヌーン

 25日の帰りに呑んで終電がなくなったので会社に泊まる。こうしてまた無駄な一泊を過ごす。しょうがないからホームページでも更新しようかと思ったら、なんだかAIRnetのサーバーが落ちまくりな感じ。とりあえず文章だけ書いておく。朝の6時半くらいに復活。そんな時間までホームページなんぞ作ってないで寝ておけ、という声も。

【雑誌】アフタヌーン4月号 講談社
 すさまじく出来の良かった先月号と比べるとテンションの低さは否めないと思うけど、やっぱりきっちり面白い。こんな雑誌が480円で読めるなんて、素晴らしいことだよなあ。来月号では鬼頭莫宏が新連載で登場。楽しみー。
◆「勇午」 作:真刈信二+画:赤名修
 新章突入で今度は舞台は印度に。なんかあやしげなムードにあふれていて面白くなりそう。
◆「地雷震」 高橋ツトム
 台湾マフィア編完結。かっこよかったけど、いまいち盛り上がりには欠けたかなって感じがする。でも、相変わらず次の展開が楽しみだ。
◆「菫画報」 小原愼司
 うまいなー。さりげなくいい話を描いてくる。なお、小原愼司が3/1(日)に芳林堂コミックプラザでサイン会をやるらしい。その日はどうせ会社に泊まりなんだろうな。ちなみにサッカーダイナスティカップの日韓戦の日でもある。
◆「無限の住人」 沙村広明
 凜が思いきったことをしてくれてかっこよかった。今回で50話。4年以上やっているってことになるけど、そろそろ話に決着をつけてくれるとうれしい。そして、違う作品を描いてくれるとなおうれしい。
◆「犬神」 外薗昌也
 いつもながら23が可愛くてかっこいいなあ。つまりかわっこいということだ(阿部潤「the山田家」参照)。
◆「ディスコミュニケーション」 植芝理一
 最近面白い。そろそろ単行本の購入を再開しよう。
◆「水無月」 北浦悟
 絵はまだあんまりうまくないんだけど、話はけっこういける。とりあえず読ませる力はあるので、これからに期待。
◆「婿さん」 石坂和道
 絵といい話といい、本当に独特。これだけ自分のモノを持っていると強い。なんだか、ものすごい執念深いものを感じさせる作風だ。
◆「スカタン天国」 北道正幸
 これもいつもどおりうまい。絵もテンポもいいし、何より勢いがある。
◆「ヨガのプリンセス プリティーヨーガ」 稲留正義
 だんだん面白くなっている。ベタベタでむちゃくちゃな展開が爽快。
◆「BLAME!」 二瓶勉
 連載再開。なんかわけが分からないのは相変わらずだけど、まとめ読みしたらすごそう。単行本1巻は6月刊行予定。

【雑誌】少年サンデー 3/11 No.13 小学館
「MAJOR」(満田拓也)はチャンスで吾郎が惜しくも凡退。だけど、この展開だとどうにも三船東が勝ちそうな気がする。「ARMS」(皆川亮二)は涼がすごくかっこよかった。すごすぎって感じがしないでもないけど。「Love」(石渡治)はラブの怒りが爆発。かっちょええ。やっぱりB.Bの娘だな。

【雑誌】少年マガジン 3/11 No.13 講談社
 発行部数が日本一になった(23年ぶりとのこと)を記念して、自画自賛企画をやっている。考えてみるとジャンプって23年トップの座を守り続けたってことだから、それはたしかにスゴイことだと思う。「シュート!」(大島司)は早くも田中のドリブルに名前が付いている。この大仰さがなんとなくスッポコな感じで俺はけっこう好きだ。

 あと、3月の漫画単行本などの購入予定。注目はOKAMA、陽気婢のワニマガ勢と魚喃キリ子ってところかな。コミックジャンキーズは3/9に発売延期になったとのこと。

98年3月
タイトル著者価格出版社
4I''s(4)桂正和390集英社
5仔猫のように抱きしめて智恵袋一番1000コアマガジン
5デカスロン(17)山田芳裕486小学館
5太郎(16)細野不二彦486小学館
5カケル(3)竹下堅次朗486小学館
5マザー・ルーシー(2)沖さやか486小学館
6えっちーず(3)陽気婢505ワニマガジン
6めぐりくるはるOKAMA505ワニマガジン
6おまかせ!ピース電器店(6)能田達規390秋田書店
6グルームパーティー(4)川島よしお390秋田書店
6ドラゴンヘッド(6)望月峯太郎未定講談社
6超・学校法人スタア學園(11)すぎむらしんいち505講談社
6ストッパー毒島(8)ハロルド作石505講談社
6パパと踊ろう(8)地下沢中也505講談社
6カイジ(7) 福本伸行505講談社
6GOD SAVE THE すげこまくん!(12)永野のりこ未定講談社
6日直番長(2)タイム涼介未定講談社
9コミックジャンキーズコアマガジン
16きりきり亭のぶら雲先生きくち正太762小学館
18俺たちのフィールド(28)村枝賢一390小学館
18ARMS(3)皆川亮二486小学館
18ヤンマガ青BUTA講談社
19ハルチン魚喃キリ子1200小学館
20ウルトラジャンプ集英社
20COMICアリスくらぶコアマガジン
23カスハガの世界みうらじゅん未定講談社
23勇午(9)真刈信二/赤名修505講談社
23地雷震(13)高橋ツトム505講談社
23我らの流儀(3)大武ユキ505講談社
23ハヤ子サケ道をいく(2)玉川敏秀505講談社
23スカタン天国(1)北道正幸457講談社
25激漫ワニマガジン
25西遊妖猿伝(1)諸星大二郎980潮出版
30龍−RON−(18)村上もとか486小学館
30ラブレター(2)じんのひろあき/若狭たけし486小学館


2/24(火)……闇のどきどき

 仕事がだんだん忙しくなってきた。今週後半くらいからはまたしばらく日記しか更新できなくなりそうなので、今のうちにオススメ漫画レビューを更新しておく。今回は山崎浩「どきどき」

【単行本】「ヨコハマ買い出し紀行」5巻 葦奈野ひとし 講談社 判型:B6
 いつもながら気持ちの良い絵、気持ちの良い話、気持ちの良い画面作り。うまいなあ。最近、あっちゃこっちゃで誉められているけど、売れて当然って感じがする。絵がうまいだけじゃなくって、構図の取り方、コマ割り、テンポが非常にいい。1ページのコマ数は最小限にして、のびのび描いている。俺の感覚として1ページのコマ数が6コマを超えるとゴチャゴチャしてイヤってのがあるんだけど、このくらいゆったりとした画面作りだと非常に心地いい。
 なお、OVA化記念のスペシャルビデオのプレゼントが付いているけど俺はいらない。応募券欲しい人いたら差し上げますので、掲示板に書き込んでおいて下さいな(先着1名。当たり前だけど)。

【単行本】「ヨリが跳ぶ」12巻 ヒラマツ・ミノル 講談社 判型:B6
 今回の巻はvs.藤木明日香編が決着して、団子レシーバーとの対決が挟まって、その後明和生命戦に入っていくところまで。ちょうどピークとピークの間の巻って感じ。


2/23(月)……かるりぷ県

 今日のお買い物はビッグコミックスピリッツと「ヨコハマ買い出し紀行」5巻、「ヨリが跳ぶ」12巻、それから少年ジャンプをもらって、ヤンマガを駅で拾う。単行本2冊はまだ読んでないので明日に回す。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/9 No.12 小学館
「ぷりぷり県」(吉田戦車)は相変わらず、なにげに異常な世界だ。今回も身体中に下仁田のコンニャクをつけて女の子を追い回す男が。静かなる狂気って感じで素晴らしい。と、そんなことをいっていたら「美味しんぼ」(作:雁屋哲+画:花咲アキラ)で山岡さんが全国行脚の旅に出るとかいいだす。当然ぷりぷり県にも行くのだろうな。ぜひ部員煮とか、紫なめみそとか丸バナナの味噌漬けとかを味わって欲しいもの。暗黒星人も。
 今週は月に一度の伊藤潤二「うずまき」。1話、2話のほうが怖かったけど今回も面白い。「まりか64%」(鈴木マサカズ)は第2回目。素朴な感じの絵がけっこういい。ノリが古谷実的なことに関してはまあOK。

【雑誌】ヤングマガジン 3/9 No.12 講談社
「チューリップティーズ」(地下沢中也)の単行本はまだ出ないんだろうか。楽しみにしてるんだけどなあ。量的に足りないかな?
 古谷実「僕といっしょ」は今回は掲載されているが、次号はまた休載だそうだ。マジで体調が悪いとのこと。先週はそのおかげで「万博シスターズ」という当たりを読めたし、来週もへんな新人が載るといいな。「天然少女萬」(こしばてつや)では加治屋+タクのバトルが決着。この漫画もあと2回で200回。長い話になったもんだ。
「1・2の三四郎2」はやっぱり面白い。迫力があるし、見せ方もさすがにうまい。「カイジ」(福本伸行)は鉄骨渡り編がそろそろ完結しそう。黒服どもがいっせいに拍手しているけど、ここで「おめでとう」とか言い出したらやだなーとかちょっと思った。今回の「カリクラ」(華倫変)はうまいんだけど、今週はまあまあってところかな。で、次号で短期集中連載は最終話。刮目して待て!っていうか待つ。

【雑誌】少年ジャンプ 3/9 No.13 集英社
 少年ジャンプ。かぜはるかさんの日記にもあったけど、今回の表紙を飾った新連載「ホイッスル!」(樋口大輔)の絵柄が冬目景っぽいっていうのは俺も思った。でもページをめくって連載のほうを読んでみたら、あんまり似てない。内容のほうはサッカー漫画。サッカーの名門校からの転校生が、実は全然サッカーうまくなくってみんなの前で恥をかく……っていう感じだが、これってちばあきお「キャプテン」のパターンだよな、とか思いながら読む。一人で猛練習してうまくなるってあたりも。でもけっこう面白くなりそうな感じなので別にいいや。


2/22(日)……くだもののように

 先週のコミティアで兄が買った分の同人誌を読む。( )内はサークル名。

【同人誌】「おなかのなかのあなた」 池部ハナ子
「他人様の口唇に悪戯して楽し」などの池部ハナ子の本。タイトルからして最初は妊婦系の話かと思ったら、南Q太系の話だった。南Q太よりエロ方面に傾いている。なかなか面白かった。絵もスッキリ整理されているし。

【同人誌】「魔琉罷呂作品集」 魔琉罷呂
 なんかアート方面の人らしい。かなり分厚い(280ページ程度)作品集。脈絡がなくて妙な味はあるけど、すごい面白いかというとそうでもない。

【同人誌】「笑顔」 四葉(楽楽)
 冬目景系の絵柄。5年前に女を振ったことをグジグジ悩み続けている男の話。暗くてまあまあ楽しめる。

【同人誌】「けだもののようにII-1 東京編始動」 渋蔵(ぐんたまカンパニー)
 コミックビンゴで「神様ゆるして」を連載中の比古地朔弥がずっと描き続けている作品。あいかわらずなまめかしい描線が素晴らしい。

【同人誌】「泥喰う蟲」「幸福論」 上法鳴人(工房Z)
 全般的に暗い。ホラー系な絵柄。なかなか楽しんで読めた。

【同人誌】「カラカラ」 (SALLY GARDENS)
 コミックファンタジーで「秘密の階段」を描いている紺野キタの本。絵もきれいだし話もファンタジい。面白い。

【同人誌】「ELEPHANT FEATHER」 わた子(西葛西クリニック)
 絵は洗練されていてきれい。話はまあまあってとこかなあ。



2/21(土)……読んでいる限り死なない

 この土日は休みだが、嵐の前の静けさって感じ。週明けはそろそろ忙しくなる時期で、来週末がたぶんピーク。また家に帰れない日々が待っていそうですごくイヤだ。なんか働かないで暮らしていくいい方法はないかなー。

【雑誌】ヤンマガ赤BUTA 3/4 No.16 講談社
 なんともソウルフル。魂の叫びにあふれた雑誌だ。ものすごく絵はヘタ。だけど、情念のこもりっぷりは半端じゃなく異常なまでに個性的。かなり疲れるけど我慢して読んでみるとなんだか心打たれるものがある。こんなヘタクソで馬鹿な作品載っけられるのはヤンマガ系だけだよな。だから好き。
 まずは「フォレスト・ガンプマン〜千載一遇〜」(石松)。モテない高校生コンビがこれまたモテそうにない女の子に強引にカラオケに連れていかれるのだが、不幸な身の上話で気を引いて逃げ出すという話。ヘタなんだけど、すごくパワフル。それから「下之森丈」(まちぞう)もスゲエ。道端に落ちていたチクワを拾い食いした男子学生が、体内に宇宙人に住みつかれて鼻、耳、口から触手をうにょうにょと出しまくって……という話。要約を聞いてもわけが分からないと思うが、話もわけが分からないのだからしょうがない。これもプリミティブなパワーにあふれていて野蛮でいい。
 普通の意味でうまいのはタイム涼介「新人日記」。下らなくて情けない話がいい感じ。あと、前から注目していた坂井恵理が復活。まあ、なんとも売れセンな絵になっちゃって……。南Q太系のお話を描いてて、こちらも売れセン。たしかにきっちり楽しめるのだが、俺としては前に描いていた作品のほうが絵柄的にも話的にも好みだった。たぶん、今のほうが売れる漫画にはなっているんだろうけど。

【単行本】「悟空道」1巻 山口貴由 秋田書店 判型:新書判
 面白い。三蔵が色っぽくていい。ただ「覚悟のススメ」と比べると技巧に走っている感があって、ちょっとテンション低いかなって感じ。ラストの「戦っている限り負けない。足を動かしている限り、近づいている。」という作者の言葉にはゾクリと来たけど。

【単行本】「ヨガのプリンセス プリティー・ヨーガ」1巻 稲留正義 講談社 判型:B6
 あんまりにもあんまりなアニメ絵で敬遠してる人も多いかもしれないが、辛抱してちゃんと読むと面白かったりする。ものすごい勢いを持つパワフルなボケとつっこみ、脈絡のない展開。悪くない。とりあえず文句は読んでからいおう。

【単行本】「ポヨンチョポヨンチョ」1巻 夜野権太 アスキー 判型:B6
 この前連載が終わったけど、けっこう面白かったので購入。宇宙人のプニョプニョが平凡な家庭に住みついて騒動を巻き起こす、という話だけど、身も蓋もない展開がいい。やたらとプニョプニョが住みついている家の夫婦は死ぬし(でも次の話では何ごともなかったように生き返る)、どうしようもなく救いようのないオチ。いいわ、これ。2巻も早く出てほしいなー。

【単行本】「聖なる侵入」1〜2巻 外薗昌也 白泉社 判型:A5
 現代の女子高生、まりえが見ている夢を通して聖母マリヤの姿を描く。まりえとマリヤがしだいにシンクロしてきて……という感じの話。なかなか面白く読めた。描き下ろしの単行本だそうで、後書きによると第3部「イスカリオテのユダ」編も予定されていたようだが、3巻って出てるのだろうか。


2/20(金)……クイックに食いつく

 この日記は半月ごとにファイルを変えているわけなんだけど、最近ファイル数が多すぎてどの漫画をいつ読んだかを振り返るのがやっかいになってきた。そんなわけで「俺の呟き・クイックアクセス」というのを作ってみた。日付のところをクリックするとジャンプできるので少しは検索しやすくなったはず。これを作成するために、読んだ漫画の一覧を抜き出したわけだが、我ながらなんかすごい勢いで漫画を読んでいるなーと改めて思った。リストが長大になってしまったので、あんまりクイックでないような気もするんだけどまあないよりはマシか。かなり膨大になりそうなので、半年か3ヶ月くらいごとにファイルを分けるつもり。97年分は面倒くさいので作らない。

【雑誌】少年チャンピオン 3/5 No.13 秋田書店
 新連載「満天の星」(楠本哲)はボクシングものの新連載。そんなにうまくないけど、まっとうなボクシングものでそこそこ読める漫画になりそうな気はする。「グラップラー刃牙」(板垣恵介)は燃える展開。渋川剛気が圧倒的なパフォーマンスを見せている。試合前半を有利に進めているってことは渋川剛気の負けかな?「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)は相変わらずほのぼのしてていい。ノリ子もかわいいし。
 西条真二はヤングチャンピオンでまたエロ漫画を描いたということだが、残念ながら読み逃してしまった。まあそれはそれとして「鉄鍋のジャン!」はいつもどおり過剰で面白い。
 昨日の日記で「猫耳がブームか?」みたいなことを書いたが、そういえば「グルームパーティ」(川島よしお)にも猫耳ちゃんがいたな。「大介ゴール!」(馬場民雄)は暴力サッカー部登場。まさに少年漫画の王道的展開。ストレートだ。「用神坊」(いとう杏六)はいつも気になる。絵もうまいし、読んでみるとけっこうイケル。目立たないし人気なさそうな感じだけど。

【雑誌】モーニング 3/5 No.12 講談社
 巻頭カラーは「黒鉄」(冬目景)。新キャラでかっちょいいお姐さん登場。それにしても冬目景って泣きボクロ好きだよな。冬目景は好きなんだけど、「黒鉄」シリーズは実はそれほど好きじゃなかったりする。もうちょっと濃い奴のほうが好きだ。「旅の途中」(本宮ひろし)は第2部がスタート。野球に恋にケンカ。ああ、青春。
「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)はVリーグを賭けてオグリvs.モンテルが激突。モンテルが優勢だけどなんかオグリが盛り返す雰囲気がぷんぷん。来週あたり、ヨリが大爆発しそうな感じ。「染盛はまだか」(清田聡)はなんか独特の雰囲気が漂っていてけっこう読んでしまう。筆ペンで描いたのかなって感じの描線、カケアミ、こういう画面作りは好きだ。
「えの素」(榎本俊二)は今回もものすごい暴走的テンポで突っ走る。一瞬の出来事をすごくコマ数を使って描いているのに、このスピード感。すごいなあ。「変態累ヶ淵NAKED」(作:杉元伶一+画:米餅昭彦)はここまでやるかって感じの悲惨な展開。ドロドロだ。もうどうなっちゃうんだろう。

【単行本】「Karen」全2巻 塩崎雄二 集英社 判型:B6
 前からちょっと気になっていたのだが、思った以上にメタメタな話だ。かれんがかわいくていやらしくていいんだけど、これだけムチャな展開だとそりゃ受けないだろうな。野球って一度交代したら、戻ってきたって再び出場することはできないんだが、楽しめたからまあそんなことはどうでもいいや。

【単行本】「大生徒会」全1巻 取山忠治 ぶんか社 判型:A5
 情けなくて下らなくてヘンで面白かった。のべつまくなしちんこをたて裸になりまくり情けないハメに陥る西田、そのちんちんの勃起状況を陰で見つめ続ける松本しおり、ホモの生徒会副会長・石塚、巨乳の生徒会長・里子、校内売春をやっている芋山、それぞれキャラクターが立っている。絵はへろへろだけど、情けない話に情けない絵が合っていて味がある。どうしようもないのーてんきさが心地いい。


2/19(木)……猫耳の逆襲なのかにゃー

 会社に行く前に神保町に寄る。なぜか今日も漫画買いエンジンが点火されてしまい、下にあげた雑誌5冊+単行本1冊のほかに、前からちょっと気になっていた「Karen」(塩崎雄二)全2巻と「大生徒会」(取山忠治)を買ってしまう。「Karen」と「大生徒会」はまだ読んでないので後回しに。
 それからオススメ漫画レビューで紹介したトオジョオミホがホームページを開設していた。さっそくリンクの申し込み。リンクのページから行けるので興味ある人はどうぞ。しかし、こうやって作家さんに直接メールとか出したりできるなんていい世の中になったもんだねえ。

【単行本】「学園天国」 唐沢なをき 集英社 判型:A5
 唐沢なをきのページ参照。

【雑誌】ヤングサンデー 3/5 No.12 小学館
 まずは最初に。ヤングサンデー増刊大漫王は2/23発売だそうだ。そんなわけで俺的漫画スケジュールに付け加えておく。
 山本英夫(「のぞき屋」とかの人ね)の新連載が始まった。タイトルは「殺し屋イチ」。号泣しながら人を惨殺しまくるヘンな殺し屋が主人公。またしても病んだ作品になりそうな感じで楽しみだ。「花マル伝」(岩重孝)は熱いなあ。ストレートに面白い。「桜通信」(遊人)はベタベタに息苦しい展開。実はけっこうちゃんと読んでたりする。これだけあざとくやってくれるとかえっていい。あと、今回の扉によると遊人がホームページを作ったらしい。URLはなんとhttp://www.u-jin.com/(リンクの申し込みなんか当然してないからURLだけ書いておく)。うーん、独自ドメインとっちゃったか。やるなあ。
「the山田家」はまたしてもアナーキーでテンションの高い展開。本当にパワフルな漫画だなあ。「マザー・ルーシー」(沖さやか)は微笑ましい話。「マイナス」みたいに重い話も面白いけど、こういう軽いのもまた良し。あと、最近すっかり巻末指定の「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。さすがにモンちゃんもヒグマドンにはかなわないのか?これからも楽しみだ。

【雑誌】スピードコミック Vol.2 宝島社
 巻頭カラーの「BURAI」(作:生田正+画:中野きゆ美)がちょっと良さげな感じだったので買ってみた。わりと絵が好み。「風奔る−松田優作物語−」は劇画っぽく進んでいたところにいきなり漫画チックな絵が1コマまざっていたのがなんか気になったけど、松田優作自体は面白そうなのでけっこういいかも。あとは加藤礼次朗と久我山リカコは両方とも好きな漫画家。なんかいつも通り。

【雑誌】漫画ばんがいち 3月号 コアマガジン
 やっぱり全体的に絵のうまい人が揃っていてクオリティは高めだと思う。ただ、みんな指摘することだけど柱になる存在がいないというのも事実。実力的には船堀斉晃かなって感じもするが、もう一つ足りない感じ。船堀斉晃自体は絵もきれいだし、体液多くていやらしいのでいいとは思うけど。
 才谷ウメタロウ「Another Side of Heaven」はありがちな話。絵はいい感じ。キャラクターの造形自体はそんなに好きなタイプじゃないけど、ひっかいたようなちょっとかすれたペンタッチがいい。天織龍樹が新連載。タイトルは「鉄甲街へようこそ」。完成度の高い絵だけど、アニメっぽくて俺はあんまり好きじゃない。とりあえず情報だけ。桜餅きな子「悲しみのSNOW LOVE」はちょっと久我山リカコっぽいきれいな絵柄。話もそこそこ面白い。
 佐野タカシ「保くん猫になる」は猫耳少年モノ。これはうまいネタだと思った。猫耳少女はよくあるけど、少年はなかなか見ない。ショタも流行っているしナイスな目の付け所だ。漫画自体も面白い。今回のばんがいちではこれが一番かな、俺的には。

【雑誌】ZetuMan 3月号 笠倉出版
 御形屋はるか「かくも永き不在」に惹かれて購入。夫が出張中の人妻が薄い壁を通して伝わって来る、隣の部屋の大学生がSEXしている声にあてられてオナニーしていたところ、その声が向こうに聞こえちゃって、壁越しにテレホンセックス状態になるという話。ラストの、壁に穴が空いてそこから隣の大学生のちんちんがにゅーと出てくるというところが気に入った。俺は人妻とデカい乳は個人的に燃えるファクターなのだが、さらにちんちんも加わっていい感じだ。俺はちんちんがしっかり描けていないエロ漫画ってあんまり好きじゃない。あの形ってかなり邪悪だしキャラクターが立っている。うまく使うとグンといやらしくなるのでしっかり描いてほしいと思う。「どうせ消されるから」と思っている漫画家も多いかもしれないけど、うまくいけばあんまり消されないかもしれないのだ。「STILL YOUNG」(佐伯トモヤス)はなんか氷室芹夏に似た絵柄。目と目の間が広くて、平板的な平目入った感じだけど。

【雑誌】NCハイパー 5号 宙出版
 休刊らしいので記念に……というのもちょっとあるけど、少々気になる漫画もあったので購入。休刊についてだけど、まあこんだけエロ漫画雑誌が出てるんだからまあ仕方ないだろう。さすがに多すぎて俺もチェックしきれないのでもうちょっと減ってほしいという気はしている。現在60誌くらいあるそうだが、半分くらいになるとちょうどいい数だと思う。
 気になったのは「薬指にお願い」(EB110)。すごいうまいってわけじゃないけど、ほんわかしてて心暖まる絵柄。ストーリーはお兄ちゃん大好き少女が、家を出ていくお兄ちゃんとするという最近わりとよく見かける近親相姦モノ(しかし、「近親相姦」という重い響きとはうらはらに最近の兄妹モノはライトだよな)。妹の表情の崩し方とかがかなりいい。気に入った。
 あとは、上藤正樹「封獣師アニマスター」。この人は相変わらず絵はヘタなんだけど、どうにも楽しそうでいいなーと思う。楽しんで描いた漫画って読んでるほうも楽しくなってくるんだよね。それにしてもここにも猫耳が。「デビデビ」といい、さっきの佐野タカシといい実は猫耳ってブーム? そういえば「ZetuMan」でもKen Kurogane(本当は漢字なのだが、字が難しくて出せない)と西村有未、ばんがいちでは佐野タカシのほか太田虎一郎の漫画にも猫耳が出ていた。


2/18(水)……神聖からくり王国

【雑誌】少年マガジン 3/4 No.12 講談社
 巻頭カラーは「シュート!」(大島司)。どうでもいいんだけど、「バナナシュート」とは……。最近、テレビのサッカー中継とか見ててもとんと聞かなくなった言葉だ。なんか時代遅れな響き。最近だと「回転をかけて曲げてきた」「カーブさせた」みたいな感じにいうことのほうが多いと思うんだが。
 久しぶりに「新コータローまかりとおる!」(蛭田達也)が復活。といっても俺としてはここのところずっと載っていなかったことをほとんど意識してなかったが。「Dreams」(作:七三太朗+画:川三番地)はこのコンビとしてはいつもどおりの漫画。これもまた本当にどうでもいいことなんだけど、このコンビの描く漫画って人物の顔のアングルはいつもだいたい一緒。描かれているキャラクターから見て左前方からの視点なのだ。それと同じ構図のコマ割りが延々続くことも珍しくなかったりする。これも一つの個性といえば個性なのかな。

【雑誌】少年サンデー 3/4 No.12 小学館
 最近のサンデーは面白い。連載陣が読めるものが多い。ただ、長期連載が多いので新しい読者を獲得しにくいのは玉に瑕だけど。
 巻頭カラーは高橋留美子「犬夜叉」。扉のアオリ文句「小学校の先生も熱中し始めた!単行本1〜4巻超人気発売中」はいったいどういう意味なんだろう。なぜいきなり小学校の先生が?なんか気になる。それはともかく、「犬夜叉」は面白い。単行本15巻以内くらいで終わってくれたら買うんだけど。
 以前掲載された爽やか系恋愛もの「SALAD DAYS」(猪熊しのぶ)が読切で再登場。今回は前編で次号は後編。絵がきれいだし、わりと面白い。「め組の大吾」(曽田正人)はやっぱりうまい。迫力あるし、描画力も確か。ストーリーもグイグイ引き込まれる。とりあえず文句のつけられない漫画だと思う。人気があるのも当然だ。「火事が起こりすぎ」というのはちょっとあるけど、「名探偵あるところ殺人あり」ってことで。
「ARMS」(皆川亮二)はかっちょいい。迫力あるし。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)は珍しくラブラブな展開。俺はヤマキのお嬢さまのほうが好みだけど。「ゲイン」(なかいま強)は地味ながら手堅く面白い。たまのライバルの樋口が欲求不満気味だけど、ひょっとして転校してくるとかそういうパターンなんだろうか。

【単行本】「からくりサーカス」2巻 藤田和日郎 小学館 判型:新書判
 今月は「藤田和日郎強化月間」って感じ。2巻は勝がおじさんに拉致され、しろがねと鳴海が救出に向かう。そして自分の力で立つことを覚え始める勝、という感じ。しろがねと鳴海のコンビがすごくいいなー。3巻でこのエピソードはピークになるはず。楽しみ。

【単行本】「神聖モテモテ王国」3巻 ながいけん 小学館 判型:新書判
 1巻のころと比べるとテンションは落ち気味なんだけど、やっぱり面白い。俺もファーザーみたいな、一個のおめでたい物体になって生きていきたい、そんなことを思った。


2/17(火)……えあまっくす

 先日契約したAIRnetのホームページスペースが用意できたようなので、さっそく移行してみた。今度は初期容量で25MBあるし足りなくなったら無制限に増やせるみたいなので、しばらくは引っ越しする必要はあるまい。CGIも使えるのでいろいろと遊んでみたいと思う。
 オススメ漫画レビューを更新。今回は駕籠真太郎。ちょっと単行本が古めなのが残念なところ。オススメマンガレビューもけっこうヘンなセレクションになってきている。実際のところ、オススメな漫画はもっといっぱいあるのだが、あんまりポピュラーすぎる作品は俺がわざわざ書かなくてもみんな知っているだろうのでここでは紹介していない。逆に手に入らないようなマイナーすぎる作品というのもなんだし。だから、どれにするか決めるのは意外と厄介なのだ。本当は新刊のものをどんどん紹介したいんだけど、さすがに面白い単行本がそれほど次から次へと出るわけじゃないし。

【雑誌】ヤングマガジン 3/2 No.11 講談社
 ヤンマガは相変わらず元気。この雑誌は話にならないくらい絵がヘタでも勢いがあれば載っける、雄々しい姿勢がスゴイと思う。ワイルドで混沌とした魅力を持つ特異な雑誌ということはいえるかも。4/1に創刊されるヤンマガUPPERSも、やんちゃな雑誌になってほしいもの。
 すぎむらしんいち「超・学校法人スタア学園」、今回は笑った。羊、陥没乳頭、クララが立った。最高。「カリクラ」(華倫変)も良かった。今回はかなり登場人物がイカれている。ジャージを着て、頭の悪そうなガキを連れた少林寺拳法男が素晴らしい。目つきも尋常でない。やっぱりいいわ。
「日直番長」(タイム涼介)は委員長がいい。端々の下らないギャグも素敵だ。「イッパツ危機娘」(原田重光)は毎度のことながら力業のギャグ。非常にどうしようもない展開で強引に読ませる。けっこう好き。あとは古谷実「僕といっしょ」の代原である、片桐若菜「万博シスターズ」も意外と面白かった。絵はそんなにうまくないけど好感が持てるし、脈絡なく次から次へと繰り出されるギャグもヘンでわりといい。


2/16(月)……フォーリンエンジェル・マリカ64%

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3・2 No.11
 今週はなんといっても山本直樹の読切「奥さん、いいじゃないですか」。
 アダルトビデオの素人人妻モノの出演に応募してきた女性と、彼女とからみつつ撮影を行うアダルト男優の道中を描いた作品。「匣の中の失楽」の竹本健治が、「本当に面白い物語は一番根本の謎を残したまま終わる」というようなことをいっていたが、この物語も根っこの部分の謎は残ったまま、霧がかかっているかのようにもやもやとしたまま物語は終わっていく。謎めいた雰囲気と静かな狂気を漂わせながら、ページが進むにつれて読者を幻惑していくテクニックはさすがに山本直樹といったところ。
 それから短期集中新連載「マリカ64%」(鈴木マサカズ)がスタート。絵的にもストーリー的にも古谷実「稲中卓球部」の影響が色濃いけど、なかなか好感の持てる絵柄でわりと面白く読めた。けっこう好みだ。ちなみに「フォーリンエンジェル・マリカ」というのの元ネタはしろみかずひさの漫画だ。
「よいこ」(石川優吾)は相変わらず強引であざといお色気だが、けっこう楽しい。それと「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)は最近すごくいい。根性釜が燃えてるぜ。燃えているといえば「しっぷうどとう」(森田賢司)もここのところ面白い。楽しんで剣道できるのってうらやましい。やっているときってほかにもいろいろ考えちゃうから、なかなか楽しむまではいかないんだけど。

【雑誌】少年ジャンプ 3/2 No.12 集英社
「河童レボリューション」(義山亭石鳥)が新連載。この新連載攻勢も第3弾。学園モノ、探偵モノときて今度はギャグ。ジャンプとしてはまあ普通のギャグかなって感じ。読切「大道芸人 稲月葉子」(竹山祐右)は絵はあんまり好みじゃないのだが、さわやかな話でわりと面白く読めた。考えてみれば、ジャンプって少年誌の中では一番新人に読切デビューの機会を与えている感じがする。サンデーは新人の入る余地がないし、マガジンは最初っから企画でガチガチに来るから読切は少ない。チャンピオンも似たようなものだ。この前古雑誌を捨てるために、気になる読切を切り抜くという作業をしていたんだけど、少年誌ではジャンプが一番切り抜き数が多かった。「作家を使い捨てる」みたいなことをいわれがちなジャンプだけど、その分発掘もしているんだよな、実は。

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