◆ 1998年6月中旬 ◆

6/11〜20
【トップページ】  【過去日記トップ】  【俺日記検索】

ご意見・ご感想は→tshibata@picnic.to


6/20(土)……IKBKRの一夜

 池袋で、今度原稿を書くことになった同人誌の主催者の人と、NIFTY SERVEのFCOMICSでよく書き込みをしている小田中さん、そして兄貴(アニサキス)と俺の4人で打ち合わせ。という名目だが、俺としては漫画の話を思うさましながら酒を飲みたかっただけ。実際、打ち合わせはちょっとだけであとは酒&漫画話。かなり濃い漫画読みの人たちが相手だったので、どんどん話はディープに。あっと言う間に時間が過ぎていった。さすがにほとんど漫画の話だけで、ノンストップで5時間も話し合える相手ってなかなかいないんで、すごく楽しかった。ぜひまた飲みたいもの。

 で、飲み終わったあと、池袋駅に行こうとしたら途中でスゲエ人だかりが。サッカーW杯、日本×クロアチア戦を街頭テレビで観ている人たちの群だった。俺たちもその中に混じって観戦。試合は残念ながら、すごく残念ながら負けちゃったけど、あんなに大勢で固唾を飲み、一つのプレイに一喜一憂するのってこれまた楽しい。ゴール外すたびにみんなで「あ〜っ」とか叫んだり。点取られた瞬間なんてみんな崩れ落ちてた。あの高揚感、一体感の中で日本の勝利を観られたらさぞ燃えただろうに。何はともあれこちらもすごく楽しかった。
 帰りの電車で、新宿駅で乗り換えようとしたとき、駅に「サッカー観戦から引き揚げてくるお客様のため駅が混雑しております」というアナウンスが流れる。うーん、どこで観戦してたんだ?そのお客様たちは。コマ劇前とか?俺と兄が乗った小田急線でも、日本代表のレプリカユニを着て応援の旗を持った人が、この世の終わりのような鎮痛な顔でうつむいていたのが印象的だった。

 これで、日本代表の決勝トーナメント進出はなくなったといっていい。だが、W杯はまだ終わっちゃいない。とりあえず日本代表は1勝はしなくては。次回のW杯開催国が1勝もできなかったなんてかっこ悪いもんな。
 それにしても得点力がない。これはしょうがないことなんだけど、俺が見るに両サイドバック二人のセンタリングの不正確さが致命的だった。ほうり込むチャンスはいっぱいあったのに、ことごとく失敗していた。FWも良くなかったが、それをさらに悪化させていた。二人ともセンタリングまでは非常に良かったんだけど。
 ともかく、このW杯を通して現在の日本代表にできること、足りないものがよく分かったと思う。2002年は絶対に勝ってほしい。そのためには本当にすごい監督を呼ぶべし。俺としては現在ナイジェリアを率いているミルティノビッチ、もしくはアーセン・ベンゲルを希望。それがだめなら前回W杯のブラジル監督で、今サウジの監督やってるパレイラとかもいいかもしれない。

 アクセスログのリンク元を見ていたところ、編集者・細田さんのHosokin's Roomでこのホームページの名前が出ていたことが判明。「漫画関連で最強の批評ページ」などといってもらっている。最強かどうかはともかく、俺は人に誉められるのって大好きなので誉められてうれしい。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 7/1 No.6 講談社
 巻頭カラーは玉置勉強「恋人プレイ」。今回は奥野がSMショーに出るようになったころの回想。SMプレイに適性を見出しハマっていく奥野の姿が、なかなかいやらしくて濃い。玉置勉強って前からいっているけど、長編向きだと思う。短編だと断片的でもの足りないこともけっこうあるが、長編連載だとじっくり時間とページ数をかけられるのでそのぶんいい方向に働いている感じがする。
「援助交際撲滅運動」(作:山本英夫+画:こしばてつや)。エンボクにあんまり乗り気でなかったほうのにーちゃんが、コギャルにつかまる。次はなんか痛い拷問が待っていそうで怖い。山本英夫とこしばてつやの組み合わせは、実に濃くて面白い。
 相沢トモコ「花川ジンタ」。いつものようにすぎむらしんいち系のドタバタ。そろそろスピードアップしていきそうで、次回が楽しみ。「水中ラブ」(ikaring)。毎日、痴漢に身体を触らせて金をもらっていた女子高生が、学校をサボっていたときにあるサラリーマンと出会う。彼は廃ビルを買い取り、その屋上で大麻を栽培していた。そこで一時トリップする少女。なかなかうまい絵でふわふわした不思議な味わい。
 田中ユキ「夏の日々」。憧れの女教師が悪友と肉体関係を結んだのを目撃してしまった少年。彼は悪友の行為を忌み嫌いつつ、彼を利用して結局はその女教師を自分のモノとする。その間の葛藤が描かれる。達者な絵で毎度うまい。榎本ナリコが好きな人はきっと気に入るだろう、とちょっと思った。

【雑誌】ウルトラジャンプ No.19 集英社
 この雑誌はやっぱりなんとなく合わない。絵はみんなうまいんだけど、読む気になる作品って意外と少ないような気がする。
 藤原カムイ「福神町綺譚」。画面のクオリティは高いし、話もファンタジってていい感じだ。なんかてんでばらばらだった福神町に関するアイデアを、こうやってまとめてくるあたりはさすが。ただ、インターネットとかNIFTY SERVEで福神町に触れたことのなかった一般の読者には、ちょっと分かりにくいかもしれない。松本嵩春「アガルタ」。毎度かっちょいい。ウルトラジャンプの中ではこれが一番好き。
「寡黙の刻」(よしのひろみち)。絵はかなり好み。ただ、構成はちょっと分かりにくいかもしれない。最近ちょっと思っていたのだが、漫画ではコマの枠線外の余白を黒に塗りつぶすと、そこが回想シーンを表すという約束事はよく使われている。でも、それはあくまで暗黙の了解であって、やはりそのつなぎめには明確な境がないと分かりにくい。この「寡黙の刻」もなんの説明もなしに回想シーンに入るのだが、回想シーンに入っていることを示すのが黒枠だけで境目がいまいち分かりにくい。そこらへんがちょっと構成上の分かりにくさにつながっているような気がする。ちょっと惜しい。

【雑誌】ヤングマガジン赤BUTA 7/2 No.18 講談社
 小松大幹「薄情青年」。行くあてもなく、バイクで全国を走り回っている時井司と鈴鹿情の二人の前に現れた家出少女。彼女は「明後日までに東京につれて行ってくれ」と二人に頼む。うまくいったらヤラせてくれるという彼女の言葉に、突っ走る二人。しかし、実は彼女は病院から抜け出した少女で……といった話。途中までギャグっぽく進んだと思ったら最後は悲しい結末が。青春の暴走という感じの、ワイルドな情熱。言葉よりも行動という、青臭さがいい。面白かった。
 まちぞう「下之森丈」。相変わらずイカれてはいるんだけど、今回は大人しめ。なんか触手とか出さないし。坂井恵理「3つのお願い」。やっぱり絵はかわいい。ただ、話的にはまだそれほど盛り上がってはいない。次回にも引き続き期待する。
 井上主郎「才の男」。なぜかデブ男のいいなりになっている2枚目男、藤原。そして藤原に好意を寄せる少女・岩尾さんの話。藤原は実はただいいなりになっているわけではなくて、それには裏があるのだが、という感じの話。絵はまだそんなにうまくないが、わりと好み。ただ、ラストのほうの心理描写は手法がなんか陳腐。もうちょっと。

【雑誌】ヤングマガジン 6/29 No.28 講談社
 地下沢中也「デカちゃん」が新連載、というか再開。ただ、今回は地下沢中也らしい暴走ぶりが少し薄い感じがした。もっと加速して、どうしようもない展開になってもらいたい。
 小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。鉄郎がキャバクラのホステスの虜に。それにしても鉄郎のかっちょわるい「カジヒデキ」トレーナーがいいぞ。ど鳩みたいな顔つきもさわやかでなくて素敵。
 そして、6月22日発売の次号からは「DEI48」(前川かずお)が復活してしまう。まあなんとキワモンを持ってくるもんだ。下らなくて面白かったので、俺としては歓迎。でもひょっとしたらまともな漫画になっちゃうかもしれないが、たぶんならないだろう。ならないことを希望。

【雑誌】「殺し屋1イチ」完全総集編 小学館
 イチの高校時代編と、「殺し屋1誕生編」を収録して1冊の雑誌にしたもの。俺は「1」のほうの単行本は持ってないんで、内容の異同はよく分からないんだが、「1」の単行本を持ってない人はこれを買っておけばOKだと思う。
 内容的には「殺し屋-1-」になってからのほうがギチギチに濃くて、殺戮の嵐で面白いと思う。変態性もアップしてるし。ただ、イチのルーツを知れるし、格闘の決めポーズ、カタルシスは味わえる。

【雑誌】ぢるぢる旅行記総集編 ぶんか社
 まんがアロハ!の増刊で、「ぢるぢる旅行記」の単行本に収録されたインド編に、未収録のネパール編を収録したもの。「ネパール編」は独立の単行本にできるほどの量はないので、気になる人は買っておくべし。
 ねこぢるの最後のほうは、「ねこ神さま」とかあんまり面白くない作品が多かったのだが、この「ぢるぢる旅行記」はねこぢるの持ち味が出ていて面白かったと思う。


6/19(金)……山チョコダ海チョコダ

 BBSなどで、ときどき漫画家の性別について話が盛り上がることがある。俺はこういう話って興味が全然ないんだが、そんなに気になるもんなんだろうか? 俺は一度も会ったことのない人の性別なんか正直いってどうだっていいんだけど。男が描こうが女が描こうが、目の前にある作品を読んで評価すればいいことだと思う。
「作者が男であるか女であるかで読み方が変わってしまう」という人もいるみたいだが、俺としてはあんまり感心しない。作者の性別が何であるかなんて、作品には直接関係ないことだ。読むときに作者の性別を考慮するっていうのは、ある種の先入観っていうか色眼鏡の一つだ。「女なのによくこんな作品描くよな」とか「男のくせに女々しい漫画だ」とか、そんな目で見られることは、多くの作家は望まないと思う。
 知識として知ってるぶんにはいいけど、読むときはまた別だ。俺は漫画に限らず作品を味わうときは、なるべくまっさらな、それこそ自分というものを透明にしてなるべく真っ正面から作品の語ることを受け止めたいと思っているので、そういう先入観は邪魔でしかない。作品は作品、作者は作者なのだ。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/2 No.29 集英社
 やっぱりヤングジャンプは毎度つまらない。今週はヒロスエも載ってないしなー。うーん、あえて触れるほど面白い漫画はないな。「天国にいいちばん近いフィールド」(作:森田森魚+画:七瀬あゆむ)の絵は相変わらずいいとかそんくらい。それにしてもこの漫画、原作いらないんじゃないかとも思う。普通の野球ラブコメだし。

【雑誌】漫画ばんがいち 7月号 コアマガジン
 この雑誌もなんかヌルい。コンビニ売りとしてはちょうどいいかもしれんが、もうちょっと濃いほうが俺は好きだな。ところでこの雑誌、なんか漫画が少ないような気がするんだけど気のせいかな。
 森見明日「避妊をしよう!」。なんか田中ユタカみたいな甘い話。絵もなんか似てきたような。「怪盗チェリー」(うらまっく)。謎の精霊みたいなものが、不良少女の身体を借りて、あわれなチェリーボーイどもの童貞を奪っていくという話。絵はかわいく最後は爽やかに締める。うまい。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/2 No.30 秋田書店
「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)。短パンで太ももをパーンと出して、ピッチングするアイちゃんがかわいすぎる。もえもえぷ〜。西条真二「鉄鍋のジャン!」。ラストシーン、セレーヌ楊の乳がばゆんっと揺れる。いやー、この人もデカい乳を描くようになったもんだ。
「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。最近、掲載順が後ろのほうになってきたなあ。ウケてないんだろうか。面白いのに。

【アンソロジー】COMICアリスくらぶ Vol.6 コアマガジン
 表紙にあるへっぽこくん、いるも晴章、道満晴明、ないぺた、宇佐美渉、大山田満月、みほとこうじは1ページの4色イラストのみ。それにしてもやっぱり大山田満月はうめえなあ。もう圧倒的に好みだ。脱がさなくても業の深いロリは描けるといういい見本(一部脱いでるカットもあるけど)。あと表紙は森永みるく、裏表紙はMITAONSYA、見返しは町田形となっているが、カバーを取ると中はG=ヒコロウがイラストを描いているので、これも併せてチェックするべし。
 漫画のほうはまず馴染しん「おんなのあかし」。今回もいい絵。下手に作ってない感じの自然な描線がいい。末高大河「白い世界」。病魔に侵され入院中の少女が、短い生の間、独りぼっちにならないよう、寂しさを紛らわすためにほかの患者と次々に肉体関係を持つ、という話。悲しい話で読みごたえあり。
 町田ひらく「A Water Girl」。今回もうまいな〜。背景でカードゲームをやっているキャラクターが、「来い市民」とさりげなく呟いていたりして、細かいところで遊んでるなーって感じ(元ネタはもちろん「カイジ」ね)。
 鎌やん「ハイエナは夜嗤う」。相変わらず理屈っぽい。たとえ話を用いつつ自分の主張や世の中への不満をぶちまける作風はあざとくもあるけど、なかなか理解してもらえない悲しさにも満ちて迫ってくるものはある。
 このほか一市裕納「前の日の」、ナヲコ「リー!リー!リー!」もなかなか良かった。一市裕納は少し絵がうまくなったような気がした。
 最近、アリスくらぶはちょっとヌルくて薄味かなーとも思っていたのだが、それでも全体的なレベルは高いし、見るべき作品も多い。アリスの城時代ほど業が深くはないけど、これはこれで楽しめるのでOK。まあこの方面で濃い作品を描く人は、そんなに量産できそうにない作家が多いので、こういう路線になるのは仕方ないんじゃなかろうか。

【単行本】「チョコレートダイアリィ」 望月花梨 白泉社 判型:新書判
 短編4本が収録された作品集。俺は読切好きなのでこういうのは当然好き。硬質な線で、中学〜高校くらいの微妙な年齢の少年少女の気持ちを丁寧に描いている。キャラクターたちの、ちょっとゾクリとするようなはかなくてかつなまめかしい表情もいい感じ。
 4話のうちでは俺としては「とげ」が好き。少年・水越には、家庭の事情で一緒に過ごせなかった盲目の妹・ゆずりがいた。なかなか素直になれない水越は、自分を「水越の友人」と偽ってゆずりと一緒に接し続ける。冷たくしているようでいて、実はゆずりを深く愛している水越の姿を切なく見つめる少女・苑子……って感じのお話。美しく切なく、そしてフワリと消えるような不思議なラスト。面白かったっす。

【単行本】「ゲイン」5巻 なかいま強 小学館 判型:新書判
 俺はラグビー自体はそんなに好きでないけど、この漫画は面白い。ドタバタのギャグを織り混ぜつつ、泣かせるところは泣かせるし、スポーツの決めシーンは力強く見せる。職人芸という感じ。

【単行本】「ARMS」4巻 皆川亮二 小学館 判型:B6
 カツミを失った涼が、ナゾの組織「ブルーメン」と出会う。そして、新たな敵X-ARMYとの戦闘がスタート。ARMSのせいで、大切な人を失い、普通の人としての生活ができなくなっていく。強大な力と孤独の悲しみが表裏一体になっているところが悲愴感を醸し出し、ストーリーを盛り上げている。


6/18(木)……魔女っ子メグろ三吉

 最近、あまりのつまらなさに兄が購入をやめてしまったコミックビンゴ!だが、今月号ではねこぢる追悼特集をやっていた。しかも、ねこぢるグッズ大プレゼント付きで。正直いって、静かにしてあげてほしいというのが俺の気持ちなのだが。表紙にまでしちゃうあたりに、文藝春秋らしいデリカシーのなさを感じたりもする。

【雑誌】メロディ 7月号 白泉社
 米沢りか「かわいげ」。前も思ったけど、米沢りか描くところのキャラクターの笑顔は、あごがはずれそうなくらい力いっぱい口をガパッと開けていてなんだか怖い。そして笑ってしまう。かなり奇妙なノリだと思う。ファンの人には悪いんだけど。
 桑田乃梨子「男の華園」。ギャグ風味のドタバタラブコメ。微笑ましくて楽しい。自衛隊を舞台にしたラブコメ「どいつもこいつも」(雁須磨子+原案・取材;川崎利江子)。すっきりした絵柄がわりと好きで、面白いと思う。今市子「ファミリー・ブルー」はスーパーゲスト読切。巨額の借金を抱えた家族の娘が、明るくも性格を歪ませつつ強く生きていく。彼女に母親の実家から借金を面倒見れるから嫁に来いというお達しが来るが……という感じ。コミカルな話もまた面白い。うまいねえ。
「LIVE in 日本」(野口ともこ)は最終回。ちょっと安野モヨコ系。天才アメリカ人女子高生・ベルに一目ぼれした主人公・仙太がどーしたこーしたで最後にベルとくっついて終わりという話(すげえいい加減な要約)。さわやかに終わってなかなか面白かったと思う。

【雑誌】ヤングサンデー 7/2 No.29 小学館
 今週は「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)と「よいこの星!」(柏木ハルコ)はお休み。
 いわしげ孝「新・花マル伝」がスタート。ますます成長した花マルたち。これからの展開が楽しみ。花マルvs.木元の対決も早いとこ見たい。土田世紀「同じ月を見ている」。展開からするとそれほど長く引っ張るつもりはなさそうに思える。非常にいい感じで展開している。切なくて哀しくて美しくて。
「デカスロン」(山田芳裕)。世界選手権二日目を前に、まさに決戦前夜って感じで盛り上がってきた。これからは目が離せない展開が続きそうだ。「the山田家」(阿部潤)。花子かーちゃん、相変わらずすげー顔。「アガペイズ」(山田玲司)。風水による代償がついにユリの身に。切なく痛々しい。最初はアヤしげだったけど、やっぱり読ませてくるなー。

【雑誌】モーニング 7/2 No.29 講談社
 山下和美「天才柳沢教授の生活」。ああ、もう毎度毎度うまい!話作り、見せ方ともに実に巧み。今回はヘヴィメタあんちゃんのヒロミツの元に、昔の友達が訪れてくるが、ガキ大将だった彼にまたも振り回されるヒロミツ……という感じの話。最後の締めが美しくて泣けてくる。
「蒼天航路」(王欣太+原案:李學仁)が復活。曹操かっちょいい。「旅の途中」(本宮ひろし)。老婆の最後の願いに答えて、彼女を抱く英寿。すごくいい話だと思う。やっぱりこの人の漫画の面白さは太い。
「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)。ヨリが入社。相変わらずマイペースで笑える。こういう緩めるところと、激しいところのバランスが非常にいい。永井豪「デビルマンレディー」。不動明が飛鳥了について語る。なんだかんだいっても、この二人を見ていると燃える。それから「ブル太さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)。白石と竜馬の一騎打ちが完了。力と力の勝負でかっちょよかった。気持ちいい。
 魚戸おさむ「ナイショのひみこさん」は今週で最終回。ヘンなノリで楽しい漫画だった。まあつまりナイショぴょん。作:立川談四楼+画:さだやす圭「山遊亭海彦」。今週も面白かったんだけど、なんだか次号最終回らしい。前号で休んだことといいなんかあったのかなあ。ここで終わるんじゃちょっともの足りない。

【雑誌】ZetuMan 7月号 笠倉出版社
 目黒三吉が描いているので買ったぜよ。今回のタイトルは「はぐれ猫グリグリ」。やっぱうめーっす。猫に親切してやったら、その猫が夜な夜な恩返しにくるという話ヌル!この「ヌル」という語尾は「〜りゅん!」並に力が抜けていいヌル。作品としての出来は目黒三吉としては普通かなーって感じ。もっと奇を衒うべし。
 咲香里「太陽が落ちてくる」。この人いつもうめえ。女である自分と母親である自分との間で揺れるようこ。子供ある身ながら、少女みたいにドキドキしているところがいい。榊原薫奈緒子「魔法のススメ!」。ほのぼのと悪の秘密結社を目指す女子高生たち。ゴチャゴチャと微笑ましくて、なかなか面白い。くるくると変わるキャラクターたちの頭身と表情もいいヌル。

【単行本】「神聖モテモテ王国」4巻 ながいけん 小学館 判型:新書判
 俺はトンカツが好きだ。そして突起物をなぜるのも好きだ。ナオンにモテモテではない。モテモテになりたいものだと思っている。もしかして俺も一人のファーザーなのかもしれん。ズボンははけるけど。
 連載中はどうもテンションが落ち気味に感じていたここらへんの話だが、単行本でまとめて読むとやっぱり笑えてしまうのじゃぜ。新キャラクターのキャプテン・トーマスはステキさ。

【単行本】「下級生全裸調教」 荒井海鑑 松文館 判型:A5
 遊びまくってるねえ。あだち充「タッチ」のパロディで、双子の姉妹と南くんがするって話とか、「売る性やつら めぞん一発」とか。マネキン系のどこか無機的なキャラクターがヘンなノリで動き回る。間抜けなモノローグとか、どうしようもなく身もフタもないオチとか、実に見事。かなりおバカさん。

【単行本】「春風のFASCINATION」 春風サキ 東京三世社 判型:A5
 女の子たちの表情などがふるふると震えている感じでいい。一編一編抜き場所も作り、きっちり仕事してるなーという印象を受ける。お仕事で漫画描くのってやっぱり重要だと思うの。

【単行本】「百面相サーカス」 千之ナイフ 東京三世社 判型:A5
 1984年初版本。古本屋でゲット。今も昔も変わらぬあの絵柄。というかこのころのほうが耽美さはむしろ強い。毛先がきっちりと切りそろえられた女の子や男の子たちが美しい。ところどころにちりばめられた、千之ナイフオリジナルの文字(別名「千スクリット文字」というらしい)も、画面に漂う雰囲気をより濃密にしている。


6/17(水)……なかだしひでとし

 今日、「曽田正人作品集FIRE AND FORGET」を買ってきてちょっと思ったこと。というか、前から思っていたのだが、少年誌などのメジャー系新人はデビュー時にはなかなか行く末が予想がつかない。マイナージャンルよりも扱うテーマや対象読者層が幅広いということもあって、メジャーはコマ割り、演出、ストーリー作りといった総合的な実力が必要となる。そのため、伸びるのに時間がかかるのだ。もちろん、総合的な実力が必要とされるからといって、メジャーが偉いってわけじゃないことはいうまでもない。結果的に面白い「作品」が一番偉いのだと俺は思う。
 それはともかく、メジャーでは編集者がしっかりついて育成することもあって、ときに最初からは想像がつかないくらい伸びてしまう人もいる(これも個人差があって、あれこれいわれず自由に描かせたほうが伸びる人もいるのだが)。曽田正人なんかも、「シャカリキ!」に併録されていた新人時代の短編を見て、ここまで伸びるなんて誰が予想しただろう。
 逆にメジャーでも最初っからでき上がっている人はそこで打ち止めというケースをよく見る。ある程度でき上がっちゃってるから、編集者があまり注文をつけないとかそういうこともあるのだろう。というわけでメジャー系の新人は、マイナー系の新人よりも長いスパンで見たほうがいいと俺的には思う次第だ。まあ、基本的に作品には目を通しておいて、面白いと思ったらその作品を評価すればいいだけなので、これは新人に対するときもベテランに対するときも変わらないことなんだけど。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/1 No.29 小学館
 そんなわけで「め組の大吾」。いつも面白い。最初、連載開始当初は「火事がしょっちゅう起こるのにはムリがあるんじゃないか」と思っていたのだが、「街が歪んでいる」といったところで説得力を持たせてきたり、大吾の内面を描いたりすることによって物語に深みをつけるなど、そういった懸念もすっかり吹っ飛ばしてくれた。うまい。
「犬夜叉」(高橋留美子)。焼き餅を焼くかごめがいい感じ。「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)。ダンドー復活かと思いきや……。ロウソクが消える前の明るさか、それとも過酷な経験によって身体が成長しちゃったってことなのか。たぶん後者なのだろうが、そうするとバランスを再び取り戻すのに苦戦しそうな感じがする。
「ガンバ!Fly High」(作:森末慎二+画:菊田洋之)。気持ち良さそうに体操していて、読んでるほうも気持ちがいい。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。現実の日本代表はアルゼンチンに負けたけど、そこらへんは話に反映してくるのだろうか。気になるところ。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/1 No.29 講談社
 藤沢とおる「GTO」。毎度、きっちり読ませてくる。世の中下を見ればいくらでも下がある。だからこそ、周りをキョロキョロするんではなく、まっすぐに上を向いていたいものだと思う。大島司「シュート!熱き挑戦」。なんか、どうしてわざわざスコアを3-2にしなきゃならんのかがよく分からん。相変わらずハッタリバリバリ。そういうところが好きだったりもする。寺沢大介「将太の寿司」。やっぱり漫画で描いた場合、魚より肉のほがジュウジュウいうので美味しそうだ。肉食いてえ〜と肉欲に駆られる俺。

【雑誌】カラフルBee 7月号 ビブロス
 エロ漫画雑誌にしてはやたらと続きものが多い。継続して読んでないので、イマイチ理解できずピンとこない作品も多かった。あと、全体的に生ぬるい感じがする。ベタベタに甘いわけでもなく、鬼畜でもなく、バリバリのエロでもない。なんとなくふにゃふにゃした印象。
 駿河瀬輝照「夢みるあっぷるパイ」。細かい描線の流麗なタッチでうまい。前編なんで、面白くなるかどうかは後編次第ってところか。O.RI「CALL BOY」。相変わらずいいタッチ。線が太くて柔らかくて。この人はあとは人物の描き分けがもっとしっかりすれば……と思う。西安「月の軌跡」。絵はやっぱりかなりうまい。桜餅きな子「小指の気持ち」。安易に使いたくない言葉なんだが「少女漫画的」。思春期の甘酸っぱい恋愛もの。絵の雰囲気と話がマッチしていて面白かった。俺の乏しい少女漫画知識で似たような絵の人を探すと、架月弥とかそこらへんが若干近いかなって感じの絵柄。架月弥のほうがだいぶうまいけど。

【単行本】「曽田正人作品集 FIRE AND FORGET」 曽田正人 アスペクト 判型:B6
「め組の大吾」の原型となった「FIRE AND FORGET」全5話、ガサツでなかなか結婚できないんだけどかっちょよくて魅力的な女教師・留花(るか)先生が学校に立て籠もった銀行強盗をたたきのめす「Luca」、それから日舞の跡取りである大男がラグビー部の助っ人になる「六代目はラガーマン」が収録されている。「六代目〜」のみ、講談社マガジンSpecial掲載作品。
 まだビッグになる前の作品だが、少年漫画らしい太い骨格のあるストーリーできっちり読ませてくる。大器の予感はこのころからあったってわけだ。それにしてもアスペクトはなかなかいい仕事するなあ。これもビーム編集長・奥村勝彦人脈なんだろうけど。

【単行本】「Jドリーム完全燃焼編」1巻 塀内夏子 講談社 判型:新書判
 塀内夏子のページにデータを追加しといたんで、そっちを参照のこと。

【単行本】「あぶない令子先生」1巻 桃山ジロウ 蒼竜社 判型:B6
 今日もジャンキーズ用3冊消化。
 話のパターンとしては、淫乱で超絶倫な保険医の令子先生が、男たちに輪姦されるのだが逆に絞り尽くすというもの。パワフルな令子先生がいい。絵も柔らかくてうまいし。輪姦シーンできっちり抜かせて、全体的なトーンはコミカル。なかなかうまい。

【単行本】「なかだし」 ゴブリン 桜桃書房 判型:A5
 小学生の女の子を輪姦しまくり。なおかつ生での中出しにこだわりがあるようで、執拗に強調する。心神喪失してるような、うつろな目つきで身体をガクガクさせてる女の子が非常にアブない。女の子によっぽどイヤな思い出でもあるんじゃないかと思ってしまうような、アナーキーで後先を考えないプレイの鬼畜ぶりがすさまじい。野菜だのほうきだの、ウィスキーのボトルだのなんでもつっこみまくり。地面に固定された槍のような張型に突き刺すってパターンも好きなようだ。絵が下手なのも、この場合は怖さを増幅させている。濃厚。

【単行本】「白汁の覇者」 1ROO ヒット出版社 判型:A5
 これまた濃厚。とにかく乳がデカいのが特徴。身体の前面についている乳が、背中に届こうかってほどだ。さらにタイトルどおり、汁もたっぷり。プレイも豪快で、相当に濃い。ドロドロでいやらしく、実用性にも富む。しかし、2月26日発行の本を7月23日発売の本で紹介するってのもなあ。しょうがないんだけど。


6/16(火)……Name Key

 今日もジャンキーズ用にエロ漫画単行本を5冊消化。読んでないのはあと6冊。

【雑誌】ぶ〜け 7月号 集英社
 わりとどの作品も平均している感じがした。すごく目立つ作品はなかったけど、総じてほどほどに楽しめる。
 柏屋コッコ「柏屋コッコの人生漫才」は捨ててる感じが面白い。
「ひみつの花嫁」(千鉱たか子)。中学生のころから付き合っていた彼氏との結婚を前にした女性が主人公。主人公には子供のころからの親友がいるんだけど、この親友も昔、その彼氏が好きだった。で、主人公と彼氏、親友の3人はなんでも話し合える友達としてカラッと気持ちのいい付き合いをしていたのだが、実はお互いに隠し事があって……というストーリー。サッパリとした気持ちのいいお話と、シャッキリした絵柄がマッチしてて面白かった。
 佐野未央子「木綿の天使たち」もきっちり面白い。この人の単行本「こっちむいてチュ」は揃えてあるんだけどまだ読んでない。最近読むものが多すぎて、手がまわらないのだ。たぶん今週中にはザクッと読むとは思うが。

【雑誌】ネムキ 7月号 朝日ソノラマ
 実は買うのは初めて。
 まずはTONOの新連載「チキタGUGU」がスタート。人食い妖怪のラー・ラム・デラルが、「不味い人間は百年経つとものすごく美味しくなる」という話を聞いて、ものすごく不味い少年チキータグーグーを飼育するという話。といってもおどろおどろしくはなく、TONOらしいあっけらかんとした不思議なノリ。楽しく読めるのでこれからも期待。
 今市子「赤い袖」。前から今市子は読んでみようと思っていたのだが、なんとなく手を出してなかった。で、今回読んでみて面白かったので、そのうち単行本にも手を出すのだろう。そして一度買い出すと止まらなくなるんだろう。俺のことだから。
 諸星大二郎「栞と紙魚子 殺戮手帳」。相変わらずのどかでヘンテコなノリ。和むぜ。

【単行本】「快感教本」 ぺるそな 二見書房 判型:A5
 話はブツ切れな感じがするものも多いのだが、基本的には濃くていい。作画もしっかりしていておどろおどろしい雰囲気が漂ってるし。なんともドロドロとねちっこくていやらしい。濃いのが好きな人にオススメ。

【単行本】「SLAVE NIGHT[断罪SIDE]」 永瀬るりを 富士美出版 判型:A5
 前の巻もレビューしたんだけど、こっちの巻のほうがよくできている感じがする。女を調教するのを職業とする「スレイブ・メーカー」が主人公。前巻はその調教の模様が主題で、こっちはなぜ彼がこの職業を選んだのか、恋人みたいな感じのアンドロイド「スレイブ・ダイン」ともえにまつわる秘密、主人公の復讐といった内容になっている。
 エロ漫画としては話がだいぶ大きくなっているんだけど、それまでの登場人物とか伏線とかもちゃんと生かされていて破綻がない。普通に漫画として面白かった。

【単行本】「魔法の看護婦マジカル・ナース」4巻 上藤政樹 海王社 判型:A5
 このシリーズ最終巻。といっても俺は1〜3巻は読んでないんだけど、途中からでも分かる。原稿書くまでの間にできれば1〜3巻も読んでおかないとなあ。
 上藤政樹は絵は古くさいし、うまくもないんだけど、とにかく漫画描くのが楽しそうな感じがしてうれしい。こういうのは読んでてこっちも楽しくなってくる。しかも意外と実用的だったりもするのが、ちょっとだけ悔しい。

【単行本】「ヴァージンキラー」 今長敏 久保書店 判型:A5
 う〜、これも原稿書くの苦戦しそう。5冊めの単行本らしいんだが、絵も話もそんなに良くない。ただ、ちんちんの消しが全然ない(女性器のほうは消しがあるのに)ので男根崇拝者にはいいかも。かくいう俺も男根崇拝者なので、わりと実用的かなと思った。それにしてもこのちんちん、やけに一本道にズイッと縫い目入ってるねえ。

【単行本】「バトルフィールド」 戯遊群 久保書店 判型:B6
 やっぱり戯遊群はヘンだ。すっげぇ〜馬鹿馬鹿しい。今より数世紀の後、SEXが「相手を先にイかせた者が勝ち」という競技となる。その壮絶な戦いを描いた作品なのだが、マネキンみたいな感じのギクシャクした表情のキャラクターたちがおバカさんな能力を駆使して戦う。「天下一武闘会のSEX版」と永山薫さんはいってたが、まさにそんな感じ。異常なほどの粗チンな男が女の耳や鼻にちんちんを突っ込むという攻撃(どこが攻撃なんだか……)や、逆にでかすぎるちんちんで相手の内蔵を口から押し出しTKO勝ちする奴など、大馬鹿さんてんこ盛り。SEXバトルってわりと誰でも思いつくネタなんだが、それを一巻まるまるやっちまうあたりタダモノではない。
 ところで、この作品に出てくる「ファッキングスタジアム オペレーションルーム」にいる人たちって、ガンダムシリーズのパロディがちょっと入ってる感じがするんだけど、シリーズのどれだか分からない。知ってる人がいたらメールか掲示板で教えてください。


6/15(月)……じゃきーん、ズッ

 7月23日発売予定らしい、コミックジャンキーズ(コアマガジン)書評用の本を受け取るため永山薫さんの事務所に行く。別に直接取りに行かなくてもかまわないのだが、実際に行くとどの本をやるか自分である程度選ばせてもらえるので、書きたい本を先にキープできるから、俺はなるべく直接行くようにしている。もちろん、永山さんと直接お話したいというほうがデカいけど。
 俺としては、濃ければ濃いほど書きやすいので濃い奴希望と伝えてはあるが、濃い作品ほど書きやすいってのは俺だけのことではない。ほかにも評者の方が何人もいることだし、あんまりおいしい奴をゴソッと持ってっちゃうのも気がひけるので、ほかの人が書いたほうがよさそうな奴は遠慮したり、書きにくそうな奴も何冊か選ぶようにした。
 そんなわけで今回はとりあえず25冊程度書くことになりそう。で、自分ですでに買っている本を除いた15冊程度をカバンに入れて持って帰る。これプラス一般雑誌を4冊くらい持っていたので、またしてもカバンはパンパン。背負ってると後ろによろめいちゃいそうなほどの重さだった。

 ジャンキーズで書くのはこれで3回目。こういう単行本の批評は大ざっぱに分けて、読者が本を買う前に読む「バイヤーズガイド」タイプと、買った後に読む「読み解き」タイプがある。俺としてはバイヤーズガイドのほうが好きだ。今回は今までよりもバイヤーズガイドに徹したいと考えている。けっこう多くの読者は、自分が買ってない本よりも、買った本の評に目が行きがちだと俺は思う。実際に俺が書評読むときも、自分の読んだ本の評のほうが気になったりするし。でも、俺はその本を読んでない人たちに向けた文章を書くつもり。微力ながら、漫画と読者の出会いの回数を少しでも増やすことができたら、そっちのほうが俺にとってうれしいからだ。

 ただ、バイヤーズガイドといっても、カタログ的、無機的に書けばいいってもんでもない。カタログ的な冷めた文章では、読んでいる人がその本を手に入れたいと思ってはくれないだろう。だからといってなんでもかんでも誉めりゃいいってもんでもない。つまらない本を無責任にオススメするのは気がひける。そして、けなせばいいってもんでもこれまたない。俺にとってはつまらない本でも、ほかの人は面白く感じる可能性は常にあるからだ。その本を必要とする人のニーズを正確に読み取って、その人たちがその本を見つける手助けになるような文章を書くのが俺的には理想。
 最低限、あらすじや絵の感じなどの情報は伝え、かつ文章を面白くしたいのだが、ここらへんのバランスの取り方はかなり難しい。俺は、情報と面白さの二つが両立し得ないケースでは情報のほうを優先しがちな人間だし、わりと文章は「落ち着いている」といわれることが多いので、あんまり面白くならんのだ。う〜ん、やっぱし文章を書くのは難しい。

 あ〜、それにしても日刊ゲンダイのサッカーW杯、日本×アルゼンチンについての記事はいつもどおり、死ぬほどネガティブだった。趣旨は「これで善戦などとはちゃんちゃらおかしい。バカ騒ぎしている奴らのバカ」というものだが、ゲンダイのネガティブさにはいつもあきれ返る。ちゃんちゃらおかしい。それにしてもゲンダイの記事で誉めてもらうには、いったい何をしたらいいんだろう。想像がつかない。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/29 No.28 小学館
「おたんこナース」(佐々木倫子+原案・取材:小林光恵)が最終回。俺としてはすごく好きってほどではなく、わりと淡々と楽しんでいた。まあそういったところが持ち味なんだろうけど。たぶんいつ終わってもOKな話なんで、ここらへんで終わっとくのがいいと思う。
 原秀則の野球漫画「青空」が連載再開。これからは隔週で掲載とのこと。この連載、よく中断するけどなんか事情でもあるんかな。吉田戦車「ぷりぷり県」。今回は暗黒星人の話。それにしても得体の知れない生物よ。暗黒星人の刺身が、「暗黒刺」という名称だというのは新しい発見。この連載もあと2回で200回だ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 7/1 No.13 小学館
 小山ゆう「あずみ」。ヘヴィな展開だなあ。骨太な面白さ。星里もちる「オムライス」。最近けっこう面白いと思う。ただ、この人の場合、途中で話がわやくちゃになってしまうことが多いので油断はできない。
 高田靖彦「演歌の達」。いやー、毎度面白いねえ。読ませます、泣かせます。6月30日に4巻も発売するらしいので、出たら俺的には即ゲット。この話は単行本で読むとまたいい感じなのだ。
「でんでん虫」(画:かざま鋭二)は、今まで原作は杉乃井正樹となっていたのだが、実は坂田信弘のペンネームだったことが判明。それにしてもこの人は「DAN DOH!」「奈緒子」「風の大地」といろいろやってるなあ。そしてそれぞれがけっこう面白かったりするところが偉い。

【雑誌】コーラス7月20日増刊号 コーラススペシャル 集英社
 本誌のほうがだいぶ面白いと思う。それほど面白い作品はなかった。
 わりと良かったのが「ルーズの純真」(奥田桃子)。絵はちょっといくえみ綾系。バイト先で一緒だった、ちょっと子供っぽい大学生を好きになっちゃった女子高生の話。小娘らしい言葉遣いとかええ感じ。画面構成もすっきりとしてて爽やか。
 あと大倉かおり「くちびる」は安野モヨコ系。元気でよろしい。

【雑誌】少年ジャンプ 6/29 No.29 集英社
 毎度いうけど、尾田栄一郎「ONE PIECE」と桂正和「I''s」はいい。好きだ。
 今週号で気になったのは新人二人の読切。まずは田辺洋一郎「カブ吉と僕の夏休み」。なんとなくこの人、どっかで見たような気がするんだが、思い出せない。絵はのびのびとしたうまい絵。話も見どころがある。ただ、今回の作品はちょっと展開があっさりしすぎ。もうちょっと物語の盛り上げが欲しいところ。
 もう一人の新人(っつってもデビュー3年めだそうだが、2作目とのことだ)村田雄介。「さむいはなし」という冬の日のショートギャグ。なんとも季節外れですこと。話としてはさっぱりしたギャグでそこはかとなく楽しい。絵もなかなかの完成度で、けっこううまい。もっと作品いっぱい描けばいいのに。

【単行本】「drop frame〜こぼれ落ちた時間」 森見明日 コアマガジン 判型:A5
 以下、ジャンキーズ用。まずは5冊。来週忙しそうなんで、早めに片付ける予定。あんまり詳しく書くと本チャンが書きにくくなるのでさらっと。
 森見明日。こういうのって書きにくいんだよなあ。といってもつまらないってわけではまったくない。絵はかわいいし、話も丁寧に作られてて一編一編心暖まる面白さがある。だけど、絵にも話にもアクがなくて、実に塩梅のいい「ほどほど感」が漂っているのだ。けなす気にはもちろんならないんだけど、「ココ!」という魅力を聞かれるとちょっと答えづらかったりする。
 あと、田中ユタカみたいな「何冊読んでも同じ」みたいな感じのものは、面白くても書きにくい。前に同じ本で2冊同時に田中ユタカをやったときは、書き分けでちょっと苦労した。

【単行本】「女神夢語」 粗雑那絵 富士美出版 判型:A5
「濃いめの奴」という希望どおりの濃いめの奴。ペンネームは「粗雑な絵」だけど、十分丁寧に描かれていると思う。ものすごくゴチャゴチャしているけど、これは味になっている。体液バリバリの濃い作風。なかなか気に入った。絵は十羽織ましゅまろに近いかな。豪快にガバッと開いたキャラクターの口、その口でちんちんをむしゃぼる様は非常にパワフル。
 ただ、分かりにくい話も一編。「KISS」という作品で出てくる主人公の男は、キスをされるとなんかたいへんなことになるらしいのだが、どういうふうにたいへんになるのか、俺の読んだ限りでは読み取れなくて、なんかもやもやしたものが残った。

【単行本】「裏ミニスカート白書」 水谷みんと 平和出版 判型:A5
 あ〜、これも書きにくい。絵はわりと古め。話の展開は強引だし、フキダシの位置など、漫画的技術はそんなに高くない。でも乳が大きく柔らかそうで、そこそこ実用的。そういった面でのエロ漫画の基本を押さえてはいる。

【単行本】「私立蘭陽学園野球部」 伊武秀吉 司書房 判型:A5
 首が妙に細長く、狭いスペースに顔のパーツが集まっている感じの、なんとなくアンバランスな絵柄。実用度はわりと高い。ぶるぶる揺れる乳の描き方とか、汗でぬめる身体の描き方とか、いやらしくて好み。

【単行本】「H!」 矢凪まさし 富士美出版 判型:A5
 アニメっぽく描線の簡略化された、あっさりと滑らかな絵柄。キャラクターたちの表情がくるくると変化に冨んでいて、なんか読んでて楽しい。押しは少し弱いと思うが、かわいらしくさわやかでいいんんでないだろうか。エヴァンゲリオンTV版最終回の学園編みたいなくすぐったさがある。アスカっぽい女の子も出てくるしな。


6/14(日)……頭に3本しかK9

 う〜ん、惜しい! サッカーW杯、日本×アルゼンチン。0-1だったが、うまくすれば0-0もしくは1-1にはできたなって感じだった。でも日本代表の組織的な守備はなかなかよくできていた。予選であんだけ失敗していた3バックシステムを、よくこれっぽっちの時間でここまで仕上げたなとさえ思う。今日はとくにオルテガとバティストゥータをほぼ完璧に抑えた中西と秋田が良かった。
 今日の出来から見て、世界レベルでもそれなりにやれそう。クロアチア戦はうまくいけば勝てそうな気もする。ただ、攻撃はやっぱりちょっと不安。FWは中山より呂非須のほうが得点確率が増えそうな気がする。で、後半になったら名良橋に代えて、森嶌か小野を投入するのがベストだと思う。最後の手段はさらに相馬に代えて岡野。
 それにしても日本のサポーターの応援はスゴイ。今のところ何試合か見た内では、応援なら日本が世界一だ。ちょっとうるさいけど。

 それから今日はこのほか2試合を観戦。まず録画放送のオランダ×ベルギー。両者点が入らずフラストレーションのたまる試合。結局0-0の引き分け。とくに圧倒的に攻めていたオランダの決定力のなさにイライラ。クライファートが大馬鹿野郎な、やらずもがなのファールで一発退場というのも勝負に水を差した。
 さらにユーゴ×イラン。これもかなり楽しみにしていたカード。ヨーロッパ、アジアでは俺的に一番好きなチーム同士(日本代表を除く)同士の対戦。試合は1-0でユーゴが勝ったが、後半25分くらいまではイランが圧倒的。バゲリがユーゴのパスをスパスパインターセプトして、アジジ、マハダビキアが怒濤の勢いで上がるというパターンで何度も惜しいチャンスを作っていた。ユーゴはストイコビッチが交代して運動量が増えてからペースをつかんでなんとか勝利をモノにした。それにしてもイランは強い。日本との試合で、さんざん遅延行為をして顰蹙を買ったGK、アベドサデーが出てなかったのは残念だけど、今日のメンバーはほぼベスト。中でもボランチのバゲリが素晴らしい。巧妙なインターセプト、強烈なキック、絶妙なポジショニング。後半の最後のほうで、彼の運動量が落ちたのがイランにとっては惜しかった。FWのアジジ、アリ・ダエイ、ボランチのバゲリ、右SBのマハダビキアは間違いなくそれぞれのポジションでアジアNo.1であり、世界のどのプロリーグ行っても通用する選手だと思う(実際ダエイとかはブンデスリーガで活躍してるし)。
 それにしてもこれでアジア代表の4チームは最初のゲームは全敗。辛いとこじゃのう。まあこんな感じでW杯のおかげで、ほかのことができずに困ってもいる。ただ、今週は週末まで、それほど楽しみなカードがないので、この間にいろいろなことを片付けたい。イタリア×カメルーン、ナイジェリア×ブルガリアくらいかな。見たいのは。
 なんか「漫画とサッカーに関するWebページ」って感じだな、最近。

【雑誌】快楽天星組 Vol.3 ワニマガジン
 16日発売の雑誌なので、火曜日以降に探すべし。
 巻頭カラーはもはや看板となったOKAMA。今回の「ひらり」はわりとスタンダードな恋愛モノ。この人のことを評して「少女漫画みたい」という人もいるが、俺はむしろ少女漫画でも少年漫画でもない、ユニセクシャルもしくはノンセクシャルな感じが魅力だと思う。本当に少女漫画的なら、そんなに斬新でもないし、ここまで話題になりはしなかったはずだ。女と男の属性を等分に持つというより、両方の属性を等分に持たないというほうが正しい感じがする。絵はさらにうまくなっているけど、実際に読んだ感想はまあ普通の出来。
 時坂夢戯「乳漫エクセレント」。すんごく馬鹿。おもしれー。見開きいっぱいに描かれた巨乳。実際に誌面に手を当ててみたが、それでも手に余った。あー、馬鹿馬鹿しい〜。自分勝手でいい加減で暴力的な、男のノリがすごくいい。
 かるま龍狼「ママの思い出」。今回はいつもみたいなきっちりかっちりした線でなく、細い線をより合わせたみたいな描線。お話は、死んだ妻の想い出から立ち直ることのできない父と、娘の近親相姦もので静かで病んだ感じのもの。ギャグの描ける人って、こういうシリアスな話を作らせてもうまいんだよな。
 久我山リカコ「雨虎」は最近よくやる青臭い路線。何かやらなきゃいけないと焦るアシスタント君が主役。うまいんだけど、ちょっとマンネリっぽい感じがしなくもない。うらまっく「元気ください」は結婚後も別れた男の家に入り浸る人妻の話。別れた男の家には、その人妻の後輩がいて不倫って感じじゃない健康的な雰囲気。楽しく読める。G=ヒコロウ「電人バーホーゲン」。エロ漫画雑誌のギャグ漫画ではもうおなじみ。スピーディなノリでのギャグの連発はいつもどおり面白い。
 星組の次号は9月中旬発売。

【雑誌】別冊マーガレット 7月号 集英社
 中高校生の少女の恋愛満載って感じ。俺も恋したいな〜。最近全然してないような気がする。愛よりも恋だな、今は。
 いくえみ綾「バラ色の明日」は新シリーズ開始。親がいなくなって、母親の実家に引き取られた少女だが、実家は彼女をそんなに愛しているわけでもない。で、居心地の悪さを感じた彼女は、母の末の弟で長らく行方不明だった男のもとに家出する……ということで第一話終了。このシリーズ、絵もうまいし面白いので、これからに期待。
 永田正実「恋愛カタログ」。毎度毎度微笑ましい恋愛話。気楽に楽しい。「先生!」(河原和音)。主人公のオトモダチのいい人的女の子、千草が突如モテモテ。ガチャガチャした楽しさがある。多田かおる「イタズラなKiss」。幸せな物語で楽しい。柔らかく滑らかな絵もいい。岩田江利子「ウルフ物語」。毎度ヘンな絵だなあ。パワフルで暴走している。

【単行本】「volunteer Breeding」 海明寺裕 三和出版 判型:A5
 ある日、自分が「人間のパートナーとしてすべてを捧げ奉仕する、法律にも明確に定められたイヌ」、K9(ケイナイン)であることを知らされた、平凡な一家庭の主婦が人間としてのプライドを打ち砕かれ、立派なイヌとしてしつけられるまでを描いた、(一部の人にとっては)おなじみのシリーズ。
「BONDAGE&DISCIPLINE COMICS」であるところのフラミンゴで連載されていた作品だが、どちらかといえば「DISCIPLINE」(調教)のほうが色濃い作品。SEXシーンは一度もなく、オカズタイプの作品ではまったくない。SMというよりも、「海明寺裕的K9世界」を構築せんとするSF的作品といったほうがいいかもしれない。
 何がなんだか分からないでいる主婦に、言葉とおあずけなどの動物に対する調教のようなしつけで、自分がイヌであることを分からせていく。徹底して冷めた、引いた視点で虚構世界を作り出していくさまはさすがって感じ。ただ、今回はなんとなく説明的すぎる嫌いもある。この海明寺裕世界を理解するには「eXpose」「後宮学園」「body shop」「K9」の一連のシリーズを併せて読んだほうがいいだろう。
 6月15日発売の単行本なので、月曜日には書店に並ぶはずだと思う。

【単行本】「世紀末退魔伝つむぎちゃんSOS」 東海道みっちい 司書房 判型:A5
 むっちりむちむちした女の子の身体が魅力。十分いやらしいんだけど、俺としてはもっとSEXシーンがねちっこいほうがいいなあ。かなりアニメ系の特殊な絵柄なので(といっても実際にこういう特殊な造形だとアニメでは動かしづらいかも)、好き嫌いが分かれるところだとは思う。俺自身も好みかというと基本的には得意でないタイプなんだが、とくに最近の作品は乳の描き方が好みなのでちょっと気に入り始めている。


6/13(土)……業・業・ヘブン

 6月上旬の日記は疲れていたせいもあり、ちょっとおざなりな感じになってたので、中旬は少しだけ気合い入れ中。おかげでファイルサイズがあっと言う間にデカくなってきた。
 今月は同人誌の原稿、それから別のパソコン雑誌の仕事、さらにジャンキーズと、いろいろ原稿書きの仕事があってなんか忙しいような気になっている。さらにW杯が時間不足に追い打ちをかける。先行き不安なり。そんなわけで日記的気合いもどこまで続くかが心配。毎日更新はもちろん続けるつもりだけど。

 W杯放送3レンチャン。まずはBSで録画放送のフランス×南アフリカ。フランスの華麗な中盤は美しい。でも決定力はやっぱりないな。3点とったうち、1点はコーナーキック、もう1点は自殺点。FWはアンリとジョルカエフのツートップが今のところ最良の選択では。
 次、スペイン×ナイジェリア。これは1次リーグの中では一番楽しみにしていた対戦の一つ。このほかにはドイツ×ユーゴが同じくらい楽しみ。ナイジェリアはカヌ、アモカチ、アムニケを欠いているのにやっぱり強い。あのスペインに3-2で勝っちゃうんだからスゲエ。前から好きなチームだがますます好きになった。優勝してくれたりするとうれしいな。
 最後に韓国×メキシコ。ハ・ソクジュが退場の時点で勝負あり。1-3で韓国敗戦。好きな選手多いので、今回こそは勝って欲しかったんだけど。韓国の残りの試合はオランダとベルギー。正直なところメキシコが一番ラクな相手だったと思うのだが、それを先制しながら逃してしまったのは痛すぎ。こりゃ、今回も勝てないかなー。

【雑誌】ヤングマガジン 6/22 No.27 講談社
 創刊18周年記念月間の特別おまけ、「おバカさかげん爆発の一手間工作 お手軽ヌードキット」用に、掲示板でちょっと話の出ていたジョージ朝倉がカットを描いている。気になる人はいちおうチェック。
 かたぎりわかな「うさぎグルーヴ」。最近ちょっと低調。説明なしのギャグにはいいもの持っているんだけど、出てきたときほどのリズミカルに読者の予想を外していく軽やかさがちょっとない。でもやっぱり好きなんだよう。
 これに対して小田原ドラゴン「おやすみなさい。」は今週も面白い。毎回毎回情けなくて最高。俺的には98年上半期の新人の中では一等賞。今回はミラーボールの早削りコンテストでギネスを狙う鉄郎のお話。地獄の特訓といって、何やらにわとりを追い回している鉄郎の困った表情がかなりヒット。そして反射神経を鍛えるために、なぜだかテレクラで誰よりも早く電話を取る特訓をしたりする的外れぶりが楽しい。全身の力がヘナヘナと抜けていい感じ。
 なお、次号(6/15発売号)からは地下沢中也「デカちゃん」がシリーズ再開。

【雑誌】パイク 文月 vol.11 ふゅーじょんぷろだくと
 今回は全般的に面白くなかった。やっぱり月刊はつらいのか? 相楽直哉も描いてないし。どうも一編一編の読みごたえが足りない。
 うらまっく、あめかすりの二人は好き作家だが、今回は低調な感じがした。うらまっく「エッグゲッターの冒険」はスベってて、あめかすり「風船がいっぱい act0.5 第1学年」はインターバルって感じ。うらまっくは作者からの一言『だからこんなのエロ漫画じゃないっちゅーの』も余計。エロ漫画かどうかなんて俺は問わないから、もっとビッとした面白いのを描いてほしい。別にパイクの表紙には「これはエロ漫画雑誌です」なんて一言も書いてないぞ。
 美女木ジャンクション「かなりキテル…夏」。絵はそんなにうまくないんだが、やたらとデカい乳が印象に残る作品。TAGRO「cold medicine」。絵は相変わらずきれいでほれぼれするけど、話は分かりにくかった。ゴチャゴチャしすぎ。なお、ふゅーじょんぷろだくとから6月20日にTAGROの初作品集、「SO DANCO SANBA(仮題)」が発売とのこと。というわけで購入予定に追加。

【雑誌】漫画クリスティ 7月 夏号 光彩書房
 あんまり普通の書店では見かけない季刊エロ漫画雑誌。ま☆くわの古くさい絵柄の表紙が目印。で、ま☆くわ「ごめんね美奈ちゃん」。この漫画ってまだやってるんだな〜。もう様式美って感じさえする。
「アンナ・オープン」(友永和)はすでに古くなりつつある絵柄なんだけど、いやらしさは健在。これでもうちょっと男描くのがうまければな〜といつも思う。美樹カズ「希」。この人、体液の量が減ったような。前に買った単行本では水芸かと思うほど、バシャバシャと愛液を噴出していたのに。残念。
 町田ひらく「悪戯狐」。今回は普通の出来かな。少女じゃなく、大人の女の人にシフトしようとしているさまが伺える。町野変丸「リトルゆみこちゃん」。ゆみこちゃんの身体が小さくなって、そのぶんいろいろなモノが大きく感じられてああ〜ん、って感じ。続きが「家畜美人4」に収録されるってのはなんだかな、と思うが。
 DAPHNIA「口裂け女」。ホラーものかと思いきや、痴女ものでドタバタ。この人もいろいろやってくるねえ。みかりん「お外で遊びましょう」。またしてもあっけらかんと人前でやりまくる。業深いぜ。
 あと、今回も沙村広明がモノクロイラストを描いている。やっぱ沙村広明の絵はすごい。うまいのはもちろん、たった1ページのイラストが3枚なのに、それぞれ世界ができている。かっちょええ〜。これ見るだけでもクリスティは買いだ。俺は2枚目の、妊婦の腹に刃物を突きつけているいわくありげなヤクザ風の男+それを薄笑いを浮かべて眺める情婦らしき女(舞台は江戸時代風)のイラストが好き。
 巻頭のカラーイラストはDAPHNIAと芳町カゲコの名前が入れ替わっているような。

【単行本】「超・学校法人スタア學園」12巻 すぎむらしんいち 講談社 判型:B6
 いつもどおり。今回の巻はコキジが映画監督としてデビュー……というあたりのお話。坂道を転がるがごとく、なしくずしに情けなく展開していくギャグの嵐。面白いっす。そういえばComNaviでは、「スタア學園」のことを「すぎむらしんいちのつたない画風と相まって……」みたいなことを書いてあったのを思い出した。どこがつたないんじゃワレ。すぎむらしんいちの絵はほかの人では描き難い絵だし、細かい描写なんかすごくうまいのに。ああ、なんかイヤなもん思い出しちゃった。早く忘れよ。

【単行本】「富士山」 みかりん 一水社 判型:A5
 相変わらずの無邪気で、かつ確信犯的なロリ。業がゴウゴウ(略してGGG)と渦巻いている。「はさんじゃアカン」では年上の少年が、幼い少女に本屋でちんちんをしゃぶらせるというシーンがある。こういうオープンスペースで、ごく自然にあっけらかんと性行為をさせる描写はナチュラルなだけにすごいと思う。背景の公衆なんて書き割りみたいで、まさに傍らに人無きが如し。
 セリフのセンスもかなり好き。「ナベよりあたたかいんだよ」の、年上のあんちゃんが少女に対していう言葉、「寒い時は性器にさわんないと風邪ひくぞ」はかなり受けた。
 ライトな絵柄でディープな変態(ロリ系)を楽しみたい人は押さえておくべし。


6/12(金)……サイコロカバン

 零式を買っていなかったことに気づいて、仕事のついでに秋葉原のコミック虎の穴へ。相変わらずエロ漫画は最強くさい品揃え。で、来週発売の本までいろいろとあったのでガボッと買ってくる。そんなわけで今日はまたしても鞄の中に漫画が山ほど。以下に書いたもの以外に、漫画クリスティ、パイク、快楽天星組、別冊マーガレット、海明寺裕「volunteer Breeding」、みかりん「富士山」、東海道みっちい「つむぎちゃんSOS」が入っていた。雑誌が計8冊、アンソロジー1冊、単行本4冊。なんか仕事中のサラリーマンの鞄とは思えねえな。俺はリュックサック形式のデイバックを使っているのだが、これに漫画を大量に詰め込むと縦横高さが同じくらいの長さになっちゃって、まるでサイコロみたいになる。
 今日は漫画だけでたぶん7000円くらい出費したと思うが、最近そのくらいは珍しくなくなりつつある。一度、月間の漫画購入費用を算出してみたほうがいいかもしれない。

【雑誌】コミックビーム 7月号 アスペクト
 詳細な掲載作品リストはコミックビームのページ参照。
 今月最大の話題は平井和正新連載……じゃなくって、どうみても新谷明弘「未来さん」最終回と、単行本近日発売の報でしょ。最後まで面白かった。とくに今回、今までのお気楽ムードから一転。深く染み渡ってくるような静かな終わり方だった。素晴らしい。というわけで単行本出たら即買いを命ずる(俺に)。
 で、新連載の「死霊狩り」。前号の予告で見たとき、「どっかで見たような絵柄だな」とは思いつつも、どこで見たのかはけっきょく分からなかったんだが、分からないわけだ。韓国の巨匠さんだとのこと。
 先月始まった連載3本。いましろたかし、松本充代、羽生生純。いずれもいい感じ。いましろたかしの「どうしたんだ?」って感じの淡々とした味わい、松本充代のあふれる閉塞感、羽生生純の相も変わらぬイカレっぷり。いいっす。「弥次喜多 in Deep」もその名のとおりディープ。それから永野のりこ「電波オデセイ」もかなりクる。キタモリの煮詰まりっぷりが心をズビズバ揺り動かしまくり。うすね正俊「砂ぼうず」。砂ぼうずがようやく牙をむき出してきた感じで面白くなりそう。
 そして次号は久々登場の竹谷州史が新連載。気になる絵柄の人なんで、かなり楽しみ。今度はきなみなみあたりに連載させてくれるとすごくうれしいなー。それにしてもアスペクト。曽田正人、村生ミオ、五十嵐浩一と次々に意外な面々の単行本を出してくるなあ。これってやっぱり編集長・奥村勝彦人脈?

【雑誌】零式 Vol.4 リイド社
 米村孝一郎のピンナップが付いているので好きな人は要チェック。
 この雑誌で注目っつったらなんといっても目黒三吉だろう。今回のタイトルは「ドライな彼女」。コインランドリーの乾燥機の中から出てきた女が、コインランドリーに居合わせた客と一夜を過ごし、また乾燥機の中ーに戻っていくというサイレント劇。ペンのタッチで見せるタイプの絵柄がいい。玉置勉強とか沙村広明を思い出すようなシャープさがある。
 それから舞登志郎「キャンバス」もこれまたシャープな絵柄。話はかなり青臭いんだが、この人の場合そこがまた魅力。
 あと安定どころのすえひろがり「CIRCLE」、山文京伝「窓のない部屋」もやっぱりうまい。すえひろがりは羞恥、山文京伝は転落モノということで、武器を持っているのが強い。ごはんとオカズのバランスが取れててなかなか充実した雑誌だと思う。
 巻末のエロ漫画単行本のクロスレビュー。批評としては、バイヤーズガイド的な「作品より前に読むタイプ」ではなく、「作品より後に読むタイプ」だと思う。この批評を見てもどんな本なのか分からないので、買うべきかどうかはイマイチつかみづらい。自分の読んでない本についてなんかいわれてても何のことやらよく分からないし、読んだことある漫画が取り上げられているとやっぱりそっちに目がいく。4人の評者がいるので、「こういう捉え方する人もいるんだ」という意味で興味深い……なーんていいつつ、俺は自分が面白ければそれでいい人間なんで、ほかの人がどう評していても実はあんまり気にならないんだけどね!俺としてはどっちかっつーと、この4人の評者が1〜2冊くらいずつ、「今月のオススメ」を挙げてくれるほうがうれしい。そうしたら信頼できる評者の推すものを買うっていうことができるんで。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7月増刊号 小学館
 しらいしあい「ホニュウ類ヒト科オヤジ目」はけっこう面白い。今回はオヤジが過去の恋愛について回想するって話だから、オヤジらしさはないんだけど。業田良家「情熱」。若者のやみくもな情熱を描いた作品。熱くっていいやね。井浦秀夫「AV列伝」。基本的にヤングチャンピオンの「職業AV監督」とほぼ同じような感じ。でも、それは問題じゃない。面白いんだから両方読めばいいだけの話。
 東陽片岡「父の魂」。相変わらずのしみったれた感じが気持ちいい。そして、こっちにもいましろたかし出現。タイトルは「僕の会社訪問」。会社訪問に行った主人公が、訪問先の会社の社長に思い出話を聞かされて帰ってくるという、ただそれだけの話。まさにヤマもオチも意味もない。日常なんて普通そんなもんだよな。
 で、次号の9月増刊号(8月11日発売)では、なんと花輪和一が登場。これはファンは買うでしょ、っていうか買え。

【雑誌】ヤングアニマル 6/26 No.12 白泉社
 鶴田謙二のポスターが付いているので……(以下略)。今号は二宮ひかる「ナイーヴ」が載ってないのがちょっと残念。
「ベルセルク」(三浦建太郎)はいつもどおり面白いので感想は略。克・亜樹「ふたりエッチ」。毎度馬鹿馬鹿しいSEXを……ってな感じで頭悪そうなところがすごくいい(注:誉めている)。山口よしのぶ「名物!たびてつ友の会」。読んでると駅弁が食いたくなってくる。もちろん讃岐そばも、だ。
 あと注目は宇仁田ゆみの第2作目「あくびちゃん」。なんつーかFEEL YOUNG系って感じがする。きっちりした絵で話もよくできている。面白い。というわけで今後も期待。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/25 No.29 秋田書店
「グラップラー刃牙」(板垣恵介)。烈海王攻勢。だけど最後のセリフでどうにも刃牙の勝ちだなーって感じ、というかやる前から刃牙の勝ちってのは分かってるんだけど、それでも楽しく読めちゃう。
 能田達規「おまかせ!ピース電器店」。いつもいつもコンスタントにうまい。東麗子お嬢さまはやっぱええのう。かなり好きなキャラクターなのでもっと頻繁に登場してくれるとうれしい。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」。ますます乳ばいーん、尻ばいーん。うーん、色っぽくって大ざっぱ。面白いぜ。

【単行本】「東洋妖人伝 用神坊」4巻 いとう杏六 秋田書店 判型:新書判
 謎の占師、YOさんの起こす騒動を描いたお話。毎度毎度、話作りがうまい。ハッピーエンド、アンハッピーエンドを織り交ぜ、読者の裏をかいてきて飽きさせない。絵もクセはあるけどうまいし。
 この作品の話が出ると、語尾に「〜のヨ〜」と付ける人が多いが、俺はその手には乗らないのヨ〜(←お約束)。ちなみにモテモテ王国の話が出てくるとみんな語尾に「〜じゃよー」と付けるのじゃよー(←さらにお約束)。


6/11(木)……サンバ・三杯酢・サンバイザー

 ジャンキーズNo.5(7/23発売予定)に関連して永山薫さんと電話。ロフトプラスワンについて「盛り上がらなかったらしいですねえ」とかそんな話をする。ここでは書けない話もしたが、当然のことながらここでは書けない。No.4が出てからだいぶ時間は空いたものの、とりあえずジャンキーズは出るようだし、俺もまた書くことになる模様。
 電話ではいろいろ話が出たが、その中でちょっと話題になったのが横山光輝。石ノ森章太郎とか藤子不二雄なんかと違ってスポットライトはあんまり当たらないんだけど、実は作品数はやたらと多いし、石ノ森章太郎よりも固定ファンは多いですよねえみたいなことを話す。俺もけっこう好き。あと、実は永山さんも俺もジャンボ宝くじに願いを託す小市民であることが判明。

 サッカーW杯、イタリア×チリをBSで観戦。昨日のブラジル×スコットランドに比べて、両チームともスピード豊かで見ごたえがあった。イタリアは負けるかと思ったが、最後に追いついてくるところはさすが。イタリアではR.バッジオとマルディーニが良かった。とくにR.バッジオ。やっぱすごい。デルピエロとツートップってのも面白そう。あと、チリのサモラノ、サラスのツートップはナイス。サラスは守備の固いイタリアから2点取ったってことで、得点王争いはけっこう走るかもしれないと思った。

【雑誌】モーニング 6/25 No.28 講談社
 巻頭カラーは木葉功一の新連載「キリコ」。絵柄は「要塞学園」のヒロモト森一系。もちろん別人だけど。しなやかに人を殺す暗殺者のキリコvs.相手を殺してでも犯人をとっつかまえる暴力刑事の一騎打ちって感じかな。描写が荒っぽくて大げさでわりと好み。これからに注目。
 魚戸おさむ「ナイショのひみこさん」は次号で最終話。「サンバでやって来る産婆の三婆」……。大馬鹿だな。こういう不思議なノリは大好き。「ブル田さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)。最近ちょっと低調な感じもしていたのだが、今回はわりと良かった。力と力の対決って感じで。納得の行く球を投げて空を見上げる竜馬が気持ちよさげでかっこいい。
 あと、モーニング新マグナム増刊の3号が6月22日に発売予定。今度の「ネオデビルマン」は寺田克也。これは絵を見るだけでもイケそう。あとはみやすのんき、夢野一子+小森健太朗、平野仁、松田葉子、加藤伸吉、荒巻圭子、目夏櫂という布陣。加藤真吉が俺としてはすごく楽しみ。

【雑誌】ヤングサンデー 6/25 No.28 小学館
 巻頭カラーは山口かつみ「オーバーレブ!」。扉がいかにも山口かつみな感じのサービスカット。本編はvs.リプリー戦が決着。女の子公道バトルものという、あざとさも感じさせる設定ながらけっこう面白い。それにしても山口かつみといえば「モザイク」はどうなったんだろう……。
「殺し屋-1-」(山本英夫)はますます好調。ジジイはうまいこと抗争のタネを作ったけど、自分の身は大丈夫なんだろうか。イチと若頭・垣原の直接対決が見たい。
 作:七月鏡一+画:西沢一岐「ホタルロード」が連載再開。久しぶりなんで話を忘れかけてた。主人公の蛍は殺人技術を身に付けて復活するも、人は殺さないことを決意。西沢一岐の絵はわりと好きなのだが、作品として面白くなるかどうかはこれからの展開次第。「コンデ・コマ」(作:鍋田吉郎+画:藤原芳秀)。前田栄世vs.西郷四郎戦が決着する。面白いのだが、それにしても西郷四郎の出現は唐突だな。「よいこの星!」(柏木ハルコ)。まりあの復活に反比例するようにすなおが不利な立場に。それにしてもねちっこい。
 なお、今号は新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」と沖さやか「マザー・ルーシー」は作者取材のため、ともに休載。

【雑誌】ビッグコミック 6/25 No.12 小学館
 石ノ森章太郎プロ作品(固麻木敏秀・早瀬マサト・荒木浩之)+作画協力:シュガー佐藤+データ協力:紺間宏というやたらスタッフがたくさんって感じの「HOTEL」。まだ続いているってのがすごいな。石ノ森章太郎生前とあんまり変わらないような気もするが、フキダシの横のところにある筆書きの文字の筆跡は違うような気がする、って違うのはそれだけかい。石ノ森章太郎の看板で商売できなくなったら、このたくさんのスタッフたちはどこに行くんだろうなーとちょっと気になったりもする。
 谷口ジロー「遥かな町へ」。48歳の意識そのままに34年前の自分に戻ってしまった「私」の物語。少年の顔なのに、オヤジくさい酒の飲み方するってのがなんかいい感じだ。細野不二彦「幸福の丘ニュータウン」。「しらゆきひめ」と呼ばれながらも、本音では自分の美しさが絶対だと信じたくてたまらない、悪い王女様みたいな女だった主婦のお話。さすがに仕事人・細野不二彦。オヤジ向け雑誌ではオヤジ向けのお話をきっちり描いてくる。
 次号からは山本おさむが新連載。

【トップページ】  【過去日記トップ】  【俺日記検索】

ご意見・ご感想は→tshibata@picnic.to