◆ 1998年9月上旬 ◆
9/1〜10
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9/10(木)……ずっとずっと数奇だった…
最近、モーニングもそうだけど、ヤングサンデーもわりと次々連載が終わっている。本が売れないから、どこもてこ入れを考えてるんだろうなあ。今は不況だから耐えたほうがいいって気持ちもあるけど、実際のスタッフとしては何か手を打ちたくなる気持ちは分からないでもない。好きだった連載が終わるというのは、読者としては残念なことだけど、うれしいことでもある。また新しい作品が始まる可能性が高いからだ。連載もある程度、入れ替わっていかないと新鮮味がなくなって、雑誌の魅力も薄れていってしまう。アフタヌーンなんかは、今ちょうどそんな感じだ。好きな雑誌だけど、新たな展開も期待したい。
井上雄彦「バガボンド」は第2回。初回同様、やっぱり「うめえ〜」という言葉が洩れる。骨太な面白さが味わえそう。本宮ひろ志「旅の途中」の扉、「七人の侍」のパロディだったのは……偶然だろうなあ。でも、ナイス偶然。高梨みどりが初登場。タイトルは「Order-Made」で読切。家業であるオーダーメイドの仕立屋を継ぐために奮闘する女の子の話。高梨みどりはイマイチぱっとしない人だが、これもまあ普通って感じの出来。
【雑誌】ヤングサンデー 9/24 No.41 小学館
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柏木ハルコ「よいこの星!」、コージィ城倉「愛米」が終わっちゃって、少し寂しい感じがする。山田玲司「アガペイズ」はクライマックス。痛々しげな展開。それにしてもヘンテコな投げ方だ。山本英夫「殺し屋-1-」はナゾの中国人たち登場。次号はまたしても痛そう。そういえば推理小説の有名なご法度である「ノックスの十戒」に、「中国人に物語の重要な役割を負わせてはならない」という項目があるが、考えてみればムチャクチャなこといってるよなー。「ハードタックル」(佐藤秀峰)。熱い話を描く人なのでわりと期待している。今回のキャラクターは少し目がデカすぎな気がしないでもない。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/24 No.42 秋田書店
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「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)。今回はピースママの昔が垣間見える。なんだかピースパパと出会うまで、ハードな人生を送っていたらしい。髪をおろした姿が色っぽい。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」。いくら水みたいなもんだからって、そのビンの量はちょっとやりすぎ。そしてやりすぎなところが、この漫画の良さだ。もうどんどんやりすぎちゃってくれい。過ぎたるはかっこよきが如し。
【単行本】「プロファイリング師 朕集院犬清」1巻 石井達哉 小学館 判型:B6
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さまざまな状況証拠から犯人を割り出すプロファイリング師を生業とする朕集院犬清が主人公。とにかく、自分の都合のいい方向(おおむねヤれる方向)に持っていこうとする、むちゃくちゃな強引さが面白い。絵にはすごくクセがあるし、なおかつ内容も下品なので好き嫌いがすごく分かれる(嫌いのほうが多いと思う)作品。でも、馬鹿馬鹿しくて俺はけっこう好き。あまりにも下らなくてけっこう笑える。
【単行本】「悟空道」4巻 山口貴由 秋田書店 判型:新書判
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今回は悟空が女房を奪われた村の男衆を引き連れて、艶天大聖・死鳥の城に攻め込む。三蔵がとにかく色っぽくてH。これはこれでかっこいいし埋め込まれた力強い言葉もいいのだが、「覚悟のススメ」よりも作為的というか狙いすぎな感じがしないでもない。
【単行本】「ずっとずっと好きだった…」 水無月十三 富士美出版 判型:A5
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ちんちんがやたらデカい男子高校生が、幼馴染みの女の子と結ばれるまでの性遍歴。前から絵がうまい人だとは思っていたが、これまでは演出や話作りの面で一押し足りなかった感があった。この単行本はそういった弱さを吹っ飛ばすくらい、ガッツンガッツン力強くやりまくっている。ちんちんがやたらとデカクてパワフルなのもいいし、女の子もいろんなタイプが揃っている。そして、ラストシーンの幸せで非常に馬鹿馬鹿しいラブコメ的展開もなかなか・/P>
9/9(水)……環境フェロモン(イタリア人より抽出)
イタリア人から抽出されたフェロモンに関しては、今週のヤングマガジンの裏表紙をめくったところにある広告を参照のこと。Webページもあるヨ! その上の階層のページも魅力的な商品がイッパイだよーん。
【雑誌】週刊少年マガジン 9/23 No.41 講談社
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石垣ゆうきのMMRシリーズ「1999 第5の選択」は今回もいつもの調子で笑った。俺の職場での今日の流行語は「環境ホルモン」。ノストラダムスはすべてを預言(この場合は「予言」のほうが正しいと思うのだけど)していたんだねえ……。大島司「シュート!熱き挑戦」。うーむ、これを「トータルサッカー」というか。相変わらず、かっこいいサッカー用語には目のない漫画だと思う。
【雑誌】週刊少年サンデー 9/23 No.41 小学館
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作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!」はいつもながら力任せな展開。こいつらにかかっちゃ、夜っぴて空き地を穴ボコだらけにするなんて朝飯前だ。猪熊しのぶ「SALAD DAYS」。相変わらず、ヘナヘナになるくらい爽やかな恋愛漫画。「BOYS BE…」もサンデーでやるとこうなるって感じ。こういう潔いベタベタさは好きだ。
ひっそりと連載されていた、山田貴敏「アクシデント」は今回で最終回。この人はそろそろ青年誌にメインフィールドを移したほうがいいと思う。絵はうまいんだし。いつもいつも、何か事件が起こって、主人公がとっさの機転で解決するっていうのを3〜4話でやるお決まりのパターンだけでは辛いなあ。「マッシュ」「風のマリオ」のころから基本的にやってることが変わってない。まあ別にいいけど。山田貴敏といえば、たしかヤングサンデーでやっていた「だいきらい」(表記はうろ覚え)はかなり期待していたんだけど、単行本になってないんだよなー。久米田康治「かってに改蔵」。お得意の下ネタ解決。ちりばめられたギャグが楽しい。
【雑誌】スーパージャンプ 9/23 No.19 集英社
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高見まこ「ロマンス」が再開。またしても新たな女性登場。つくづくHな漫画だ。吾郎はずいぶん成長して髪も伸びた。ただ、社会主義方面の人と関わりができているみたいで、そのあたりに危ない予感もあり。徳弘正也「狂四郎2030」は濃い男、八木がいい感じ。目を血走らせてちんちんしごいているところはかなり恐い。作:荒仁+画:山下京子「親方」はきれいな絵で職人系人情ドラマをやっててけっこう好き。
【雑誌】ミスターマガジン 9/23 No.18 講談社
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八神ひろき「G-taste」で食っている雑誌って感じがますます強まっているが、今回は袋とじあり。八神ひろきの絵は非常にいやらしいし、内容の爽やかなまでの下らない馬鹿馬鹿しさも膝のあたりがヘナヘナしていい感じ。ここらへん、いつまでも月刊少年誌的Hさを保っていて楽しい。淫靡な絵だけど天然な感じの健全さがある。本気でこんなに健全だったら、成年男子としてはちょっと気持ちあるくもあるが。安彦良和「王道の狗」は、どんどん激動感が増す。安彦良和は駄作もかなり多いのだが(「Cコート」とか)、なんとなく年々漫画もうまくなっているなという気はする。
【単行本】「うずまき」1巻 伊藤潤二 小学館 判型:A5
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うずまきに取りつかれた町で起こる奇妙な事件を描いたホラーもの。といっても純粋に恐いっていうのはあんまりなくて、それよりも奇想の面白さを楽しむって感じの作品。第1話、第2話あたりは恐かったのだが、だんだんおかしさのほうが先に立つようになりつつある。恐いにしろ、おかしいにしろ、着想も見せ方も面白い。
そうか、わかったぞ! インターネットで人々のさまざまな悪意がうごめき、喧嘩が頻繁に起こる原因……。うずまきだよ!!!(このへんはMMR調)あの、人々のメールアドレスに必ず含まれる記号……「@」。ああ、うずまきだうずまきだ。このうずのぐるぐるが、ああぐるぐるがちんちんにからみつくのがいいのだ、ほんほん。
【単行本】「センチメントの季節」2巻 榎本ナリコ 小学館 判型:A5
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いろいろと評価が分かれるこの作品。たしかに着想が陳腐っていうところはあるんだけど、絵がきれいで女の子がかわいいし、Hでなおかつ切なくて、それなりに楽しめるのでいいんじゃないかなあと思う。第七話「眠れる森」に出てくる女の子は、アスカ似。ちなみに六田登の「獅子の王国」でミケランジェロの助手をやっていた少年の名前は「アスカーニオ」だったなあ。
【単行本】「NEGATIVE」 才谷ウメタロウ 小学館 判型:A5
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漫画ばんがいちなどで作品を発表している才谷ウメタロウの初単行本。端正で丁寧に描かれた、ちょっと白っぽい画面が爽やか。話的にはまあ普通。とりあえず魅力は絵。個性的ってわけではないが、優等生的によくできている。ベタッとした感じのアニメっぽい描線でないところが好み。
9/8(火)……悠久休暇
悠久だったら、それはもう休暇ではないな……。昨日書いたとおり有給休暇をとったので、たまっていた本をいくつか読めた。とくに後回しにしていた少女漫画というか女性向け漫画雑誌をようやく片づけられた。女性向け漫画雑誌を後回しにしていたのはプライオリティが低いとかじゃなくって、単純に読むのに時間がかかるからだ。女性向け漫画雑誌は月刊ものが多いせいか、一冊一冊が厚い。さらにネームが多い作品がけっこうあるので、男性向けよりも読むのに体力が要る感じがする(少なくともネイティブな少女漫画読みでない俺にとっては)。なんていうか、乾いた上品な感じの絵柄が多いので、たくさん読むとクッキーかなんかをまとめて食うような感じで胸焼けするってのもある。
一雑誌で読む作品の量やクオリティは、ほかのジャンルとたいして変わらないが、全般的に一冊で長持ちするように作ってあると思う。それもまあ読者層を考えてみれば当然の話なのかもしれない。あんまりたくさんはお金を持っていない女の子たちが、少ないお小遣いの中から貴重な金額を出して買うわけだから(現在ではこの図式はあんまり当てはまらないんだろうけど)、なるべく一冊で長持ちするほうが、そういう読者にとってはお買い得感が高いのだろう。幼年向け少女漫画雑誌に付録が付いていることが多いのも、読者がお買い得感を求めているため、と推測しているんだがどんなもんだろうか。女の子は男よりもお買い得感に対してシビアだしね。本当は俺みたいに、読んでは買い読んでは買いって感じで、とっかえひっかえするのではなく、一冊を何日にも分けてじっくり読むような読み方が正しいのかもしれない。そういう悠長な読み方をしている時間がないのは残念ではある。
それにしてもいくら休みをとったからといって、午後6時まで寝ているとさすがに一日なんもできない。今回は寝て疲れをとるための休みだからいいんだけど。起きたらすでにベイスターズ×ヤクルトのナイトゲームが始まっていた。ベイスターズは勝ったが、ドラゴンズも勝ったのでマジックは出ず。
【雑誌】ヤングチャンピオン 8/22 No.19 秋田書店
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岡田和人「教科書にないッ!」がちょっぴりHでベタベタでいい。最近注目している。単行本を買うというほどではないけど。村生ミオ「サークルゲーム」も毎度すごく濃くて好きだ。馬鹿げているほどにベタベタの愛憎劇。この泥臭さがたまらねえ。川島よしお「さくらんぼ論理」は下らなさが魅力。少年チャンピオンの「グルームパーティ」よりも、最近ではこっちのほうがいいと思う。とくに今回は「ディルドーの朝」の一発ギャグが受けた。藤澤勇希「球鬼Z」。今回も無闇に力が入っていて頼もしい。
【雑誌】コミックアルファ 9/12 No.12 メディアファクトリー
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今どき、三浦みつるや矢口高雄が巻頭カラーになる奇特な雑誌。いや、別にこの二人が悪いってわけじゃないし、むしろ好きな作家ではあるのだが。今回は山川直人が載っているので購入。「コンサートの夜」は、昔はニューウェーブで今は保守的に商売として音楽をやっている歌手夫婦の話。昔みたいに創作的でなくなり、ほかの人々の生活をも支えるために商業主義でやっていかざるを得ないジレンマが描かれている。きっとこれは山川直人の悩みでもあるのだろう。
漫画に置き換えるが、俺としては商売で漫画を描いている人って好きだ。作品がどうこうよりも、自分の志に沿わぬ作品を創ってでもなんとか生きていくという姿は、誰がなんといおうとかっこいいと思うからだ。創作主義的な志を貫いて生きている人たちはもちろん尊敬するほかないし大好きだ。しかし、そうはなれなかった人たちを非難する気なんてさらさらない。どんな形でもいいから、その世界にしがみついていればそのうち何かできるかもしれない。志を高く持つのはかっこいい。でも誰もができることじゃない。「志が低い」といって非難するのは簡単だけど、そういう人を非難するよりは、志の高い人を称賛するほうが気持ちがいい。
このほかでは作:安刀乱地巣+画:バロン吉元「シャイニング」がテッカテカで好きだ。バロン吉元のあの濃いキャラクターを1ページブチ抜きで見せられると、なかなか強烈。
吉野朔実と安野モヨコが初登場。これが初めてとはなんとなく意外。両方とも、YOUNG YOUには似合いそうな感じがするのに。とくに吉野朔実は。安野モヨコ「メリディアンの夜はふけて」はホテルを取材してなんかいろいろ描く「こんなとこ行ってきたよ」的漫画。こういう日常モノよりもいつものノリのほうが好きだな。鴨居まさね「雲の上のキスケさん」。ドタバタしててラブラブで楽しい作品。たかさきももこ「さよならに向かって走れ」は看護婦学校の生徒で、不倫していた男にフラれた女の子の青春物語。端正な絵が好み。
いつものFEEL YOUNG。最近少しマンネリ気味かなー。いまいちイキが良くない感じがする。安野モヨコ「ハッピー・マニア」。いつも勢いがあって、楽しくかっちょいいかっちょ悪さで面白い。三原ミツカズ「ハッピー・ファミリー プレ・ウェディング・バージョン」は「ハッピー・ファミリー」の番外編。おしゃれで楽しい。
巻頭カラー、吉田まゆみの100ページ読切「金魚のおねがい」が面白かった。お祭りで親に置き去りにされた女の子が、拾ってくれて何かと世話を焼いてくれた金魚すくい屋の少女を姉として慕い続けるというお話。絵もしっかりしているし、100ページの中に彼女たちの成長が描き込まれていて読みごたえあり。くらもちふさこ「天然コケッコー」はいつも面白い。背景とかの雰囲気がいい。もんでんあきこ「竜の結晶」は、バーリ・トゥードの選手であるヒロインの巴と、同じく選手のエリアスと紅竜の三角関係物語なんだけど、バーリ・トゥードってあたり舞台設定がぶっ飛んでてスゴイなーといつも思う。
よしまさこのエッセイ漫画「1丁目の楽園」はネット恋愛のお話。俺もネットやり始めて5年近く経つけど、こういう色っぽい話になったことって一回もないぞ。それはたぶん、相手が男だろうと女だろうと構わず漫画の話ばかりしているからだろうと思うんだけど。俺は他人の面白い話を聞いたり自分で話すのは好きだけど、他人のつまらない話に付き合うのは大の苦手なんで、そこらへんも大きいのだろう。そういったあたり、俺って容赦ないしなあ。とはいえ、実際にネットが元で恋愛にまで発展する例って全通信者の中でもほんのわずかなんだろうけどね。
羅川真理茂「しゃにむにGO」が新連載。ハイスクール・テニス・ロマンだそうな。テニス漫画の主人公は陸上競技出身者というのは定番なのか?中条比紗也「花ざかりの君たちへ」は絵がこぎれいなラブコメで楽しく読んでいる。高雄滋「帝都南天隊」はなんといっても絵がいい。細くてシャッシャッって感じでひかれた線が美しい。とくに女の子のほっぺたの紅潮部分。
創刊5号めなんで、まだ知名度は低いかなーと思う。わりとコムスメ系の少女漫画雑誌。今回は藤たまきの読切「ダブルスクールキッズ」がなかなか。スラッとして透明感のある描線が特徴的。天使に命をもらった3人の少年たちが、学校の礼拝堂にある貝の形をした小部屋の入り口を発見し、そこをたまり場にする。その小部屋に向かって告解すると願いが叶うという言い伝えがあり、放課後ときどき生徒たちが悩みを告解しにくる。少年たちは天使の使いとして、その悩みを解決すげく奮闘するが……って感じのお話。森近さとみ「勝てる恋」は短いけど、絵もうまいし楽しい雰囲気のある作品。往復葉書を直接相手の家のポストにぶち込むという、色気のない告白で始まったカップルのお話。
9/7(月)……ルーズ触手
昨日までの疲れが一気に吹き出し、異常に眠い。そして身体がダルいせいかムチャクチャに不機嫌。会社で打ち合わせ中に隣の会議室がうるさかったから、その部屋のドアを思いっ切りぶんなぐってきたり、俺としてはまずめったにないくらい精神的に絶不調。そんなわけで明日は有給休暇を取ることに決定。たまってる漫画もイヤになるほどあるし、ベイスターズにもマジックが出そうだし。本当は横浜スタジアムに見に行きたいところだけど、なんかそんな元気は今ない感じ。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 9/21 No.40 小学館
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なんといっても、おがわさとし「木の時間」掲載がうれしい。おがわさとしは、コミティアなどの即売会で同人誌を販売していたりもしているが、非常に丁寧にセンスオブワンダーあふれる世界を描き出す漫画家だ。「木の時間」は、「学校にいるとアスファルトの下に屈葬されたキリンみたいな気分になる」と語り、登校拒否をしている少女が主人公。彼女は日がな一日町に出て、人々や物事を眺めながらさまざまなことを思う。ある日、町中で見つけた桐の木。桐の木の生命を感じ、その巨大な姿に町中で暮らすキリンを想像する少女。その姿は、人生を窮屈に感じていた彼女に希望をもたらす……といった感じのお話。カケアミ中心で丁寧に描かれた画面は、アフタヌーンの四季賞作品のような雰囲気を持っている。ラストまでためて最後に見開きでぶわーっと空想の世界を展開するあたりの見せ方、センスオブワンダー、非常にいい。たぶん一般受けするタイプの作家じゃないけど、どこでもいいからまた描いてほしいもの。
吉田戦車「ぷりぷり県」の単行本の人気連載PR「戦車に訊け!」は今回でおしまい。吉田戦車が最初に考えていた「ぷりぷり県」のラストシーンについて語られているが、これもなかなかいい話。全都道府県のキャラクターが、数年後つとむに寄越した手紙だけを元に構成するって話だったらしいのだが、なんかそのお話を想像するとちょっとジンとする。単行本とかで描いてくんないかなあ。
【雑誌】ヤングマガジン 9/21 No.40 講談社
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ヤンマガの赤/青BUTAで描いている長田裕幸が短期集中連載開始。タイトルは「109」。元走り屋の警察官のお話。くっきりとした画風はわりとうまい。もう一皮むければ……ってタイプの人だけど、この連載でどう出るか。ちょっと注目。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」は、もう毎回なんだけど本当に面白い。今回は、冷蔵庫シグマのローンを払うためにブルセラショップのバイトを続ける鉄郎のお話。アパートでスクール水着を着て、匂いつけを一所懸命やっている鉄郎の姿がおかしい。そして元レースクイーンと匂いつけ勝負をしたりするあたりの馬鹿馬鹿しさ。いいなあ。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 9/21 No.41 集英社
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「るろうに剣心」(和月伸宏)が、最近なんか切羽詰まった感じの展開で面白そう。でも、これまでちゃんと読んでなかったのでキャラクターの名前とかイマイチよくわからんのが悔しいところ。桂正和「I''s」は温泉旅館で入浴シーン。サービスたっぷり。ええのう。
「私立星之端学園 恋愛!?専科」(米倉けんご)。ますます絵がうまくなってるなあ。お話は幸せな感じでなおかつけっこういやらしい。うまい。かかし朝浩「彼女−あのおんな−」は新連載。ちょっとホラーっぽいお話。謎めいた感じで今後が楽しみ。昇龍亭圓楽「恋 同性理論」はレズもの漫画。絵も話もかわいらしくてなかなか。表紙も描いている、ことは巻中4pカラーで「うさぎ月夜」という掌編が掲載。弥勒の表紙もそうだけど、この人の絵って丸まっこくてかわいい。お話はあまりないんだけど、気持ちのいい画面を楽しむだけでも価値あり。朔ユキ蔵「SUTTAKA江口先生」。描線がシャープでうまい。実用性もそこそこある。すがわらくにゆき「おれさま!ギ☆ライズ」。「魔術っ子!海堂くん!!」の刷り部数は1万2000部だそうな。まあ妥当な線って感じがする。
MINE「麗美」が濃い。義理の息子たちに散々に犯されまくる人妻のお話。トーンを多用した柔らかそうな肉体は汁気たっぷり。ちんちんがいっぱいでてきて、ザーメンもバリバリ。SEXシーンもねちっこくて実用性抜群だ。この号では一番のお気に入り。ゴブリン「みんなで泣かそう」は相変わらずの凶悪ぶり。年端もいかない女の子を散々に輪姦し中出ししまくった後、ラストは火のついたろうそくをぶち込むという鬼畜ぶり。いやースゲエ。MANMARU「まんぐり畑でつかまえて」はまんぐりという、女体の形をした高山植物をザーメンで育てている世界のお話。かわいた絵柄とSF的世界観がなかなか。力のありそうな人である。
【雑誌】ゲットアップコミック 10月号 黒田出版興文社
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マイケル原腸「まななトラップす」を読んでみようと思って購入。隔月連載とのこと。昔から変わらぬ、ダイナミックな描線でわりとエロが濃厚。黒河澪「SECRET・伶奈」はおっぱいが柔らかそうなのがいい感じ。雅川SAKURA「Melty」は今どき珍しいトラディショナルな触手もの。俺は触手ものって実はけっこう好き。身体に何本か生やしたいくらい。触手は男のロマン、っていうか俺のロマン。
【単行本】「BEAST of EAST 当方眩暈録」1巻 山田章博 スコラ 判型:A5
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俺は基本的にはよっぽど好みでないと絵だけでOKというふうにはならないタイプなんだけど、そんな俺の中では数少ない、絵だけでOK作家の一人が山田章博だ。流麗な筆致はそれだけでごはん3杯くらいいけそうな見事さ。とくにカラーページの美しさは同じ人間の技とは思えないくらい。迷いのない線というよりも、線を意のままに操り弄んでいる感じさえする。ただし、漫画的にはどうかというと首をひねってしまうところもある。この作品も、人物と背景や通行人などのタッチが同じで、画面のメリハリはない。そのため、ストーリーを追っていこうという気が失せてしまうきらいがある。とくに雑誌連載時は、掲載が不定期でなおかつページ数が少なかったため、よけいその傾向が強かった。きちんと読もうと思ったら、単行本でのまとめ読みがいい。俺も雑誌掲載時にはいちおう目を通してはいたものの、単行本を読んでようやく大筋がつかめた感じ。
【単行本】「マザー・ルーシー」4巻 沖さやか 小学館 判型:B6
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これにて完結。非常にあっさりとした終わり方だった。でも考えてみれば、大きなテーマも目的もないストーリーだったので、まあこんなもんかなという気もする。次はガッツンガッツンにキャラクターを追い詰めていく暗い話を描いてほしい。
【単行本】「カケル」5巻 竹下堅次朗 小学館 判型:B6
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カケルvs.サトルの戦いと並行して、連続放火魔事件が進んでいく。最後、カケルが葵を救いだしてビルから飛び降りるシーンがかっこよかった。ものすごくってほどではないけど、きっちり楽しめるお話にはなっていると思う。絵も、とくに女の子はうまいし。
9/6(日)……コミティアンX
昨日の深夜に更新できなかったのは、実は月下工房#書評系のサイトウさんに呼び出されてボコボコにされていたからなのだが(ていうか本当はただ呑んでただけ)、そのままサイトウさんの家で昏倒し、朝目覚めてからコミティアXに行く。コミティアは先週だったのだが今回のXは、いつもとちょいと趣が異なる。サークル数は200程度といつもより格段に少なく、コミティア常連サークルが集まって、お客さんたちを含めて親睦を深めるって感じのイベント。
なんといっても、イベントのうたい文句が「お座敷即売会」というくらいで、サークルは会場の床に敷かれた畳の上、もしくは机で本やらグッズやらを販売。それだけでなく、あるところはトークライブをやり、あるところはバグパイプを吹き、またあるところはラジカセに合わせてSPEEDの歌を歌いまくる(これはかなり寒かった)など、思い思いの展示を好き勝手に展開。
イベントの性格上、本の収穫自体はそれほどなかったが、学園祭の延長的な雰囲気があってなんとも心が和み楽しかった。内輪ウケ的なイベントではあるんだけど、こういうふうにお客さんと売り子さんの距離が近い即売会というのも、同人誌ならではって感じで面白いと思う。回っている人の目も、いつもの即売会と違ってギラギラしてなかった(といってもコミティアはコミケなどに比べると、はるかに草食動物的でギラギラした人は少なめだけど)。
最近では俺もコミティアに行くたびに知り合いが増えてきた感じ。今回は小杉あやさんに挨拶してなぜかせんねん灸をいただいてきたし。会場で職場の元同僚に出くわしたのはちょっとバツが悪かった。
そんなわけでここ10日余りというもの、会社に泊まってはコミティアに行き、会社に泊まってはコミティアに行き、ということを繰り返していたため、疲労がたまりまくり。コミティアXのあたりからたまった疲労が一気に表面化してきて、会場を歩きながら頭がクラクラしてきた。最近は朝5時くらいから漫画を読み始めてホームページを作って更新し、9時くらいに寝るみたいな生活を続けていたので疲れるのも無理はない。9月は祝日も多いし、しっかりリハビリに励みたいところ。
以下、今日買った同人誌と、そのほか商業誌。兄が買った分の同人誌についてはまだ読んでないので、読んだら感想を書く予定。
【同人誌】「シリーズ間借り人」 山川直人 <COMITIA PERSONAL COMICS>
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山川直人のレアもの同人誌4冊。山川直人は今日は古本屋をやるってことで、かつて発行された本の在庫を引っ張り出してきて売っていた。8種類くらい本はあったのだが、どれも残部が僅少だったため、さすがに「全部ください」というのは気がひけて4冊だけにする。他人のことを気にしてしまうあたり、俺もまだまだ甘い。
「階段の上の子供」は山川直人の第2作品集。一番古い作品は1981年のもの。山川直人もこのころはヘッタクソだったんだなあと思う。でも、その後の成長を考えると、「人間ここまで成長できるんだ」と希望が湧いてきたりもする。がらん7号、9号のあたりはもうすでに今の作風。がらん7号は91年夏発行。「シリーズ間借人」は1988年にヤングチャンピオンで掲載された作品を集めたもの。1988年時点だと、絵は現在の雰囲気になりつつあるものの、まだまだあまりうまくない。でも、昔から作品に対する真摯な姿勢は感じとれる。
【同人誌】「K9 HAND BOOK」 海明寺裕+小杉あや <空色の猫目石+AIMIN>
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海明寺裕「K9」世界における、「K9」のオフィシャルハンドブック。小杉あやとの共同製作。K9協会による、K9のPR誌的な性格づけがなされていて随所に小技が効いている。完全にSF的世界を構築しようとしている周到さに感心。
飯田一馬の、コロボックルって感じの目をむき出しにしたキャラクターが特徴的なので買ってみた。絵は悪くないけど、もうちょっと読みやすいとうれしい。
飼い犬が人間に憧れ、神社に御百度参りをして願いをかなえて人間の姿になるお話。この人の、カケアミを多用した柔らかくてまろみのある暖かい画面は、読んでいて非常に気持ちがいい。背景の描写も美しいし。コミティアに行ったらぜひ買うべし。
【同人誌】「ろったーず倶楽部」 <ろったーず倶楽部>
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洋楽本。俺は洋楽っていうか音楽にも全然詳しくないので(っていうか最近漫画以外の生活を切り捨てている感じなので、ほかのジャンルにはすごくうとくなっている)、そういう読者が買うというのは作者の人たちに失礼かもしれない。でもKASHIMIR(戸隠イズミ)の4ページをどうしても読みたかったのだ。今回は落書き系でしょしょっと描いた感じだったんで、さほど面白いってほどでもないけど。
うさぎのたまご「屋上でお兄ちゃんと」がいい。この人の作品は、絵は垢抜けない感じだけど、全体的な雰囲気が非常に楽しそうで最近気に入っている。脳天気な明るさがある。乳がやわらかそうででかいのも俺好み。「BETTER THAN LAW」(山岡鋼鉄郎)は、みやびつづる似のむんむんいやらしい絵柄でオバサンものを描いている。あとはあんまり印象に残るものはなし。雑誌のスタンスは実用重視と思われるけれども、同じ司書房でもドルフィンと比べて若干レベルが低めなので、ストーリーの不出来さが目立つ作品が多かった。
【単行本】「星に願いを」下巻 天竺浪人 ワニマガジン 判型:B6
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この巻で完結。詳しくは天竺浪人のページ参照。
【単行本】「シノビノサクラ」 かるま龍狼 ワニマガジン 判型:B6
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鳥山明系のカッチリした絵柄。この人はギャグもやりつつ、なおかつエロもしっかりやっているところが実にいいと思う。エロシーンは人妻、ロリショタが基本。巨乳もスレンダーなのもうまい。女性のポーズの描き方がHで、見せ方をよく知っているなーという気がする。コメディっぽい話が得意だが、この巻収録の「ママの想い出」のようなシリアスな話を描くだけの技量も持っている。あと、表紙の色使いや構図など、センスが実にいいなーと思う。この単行本はそれほどでもないけど、「メイド・ウーマン」シリーズの表紙はとても好き。
【単行本】「ロマンス」4巻 高見まこ 集英社 判型:B6
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いやらしい〜。今回は吾郎が、お金持ちの奥様をたらし込むあたりがメイン。上品だけど熱っぽさをはらんだ性描写がなんともHくさくて抜群の趣がある。好きだ。オスマンにデータを追加しておく。
9/5(土)……代紋どうや?
いつも日記は日付が変わった深夜から早朝くらいの時間に更新するんだけど、今日はちょっと用事があって深夜に更新できないので早めに更新しておくなり。
【単行本】「球鬼Z」1巻 藤澤勇希 秋田書店 判型:B6
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自分の投げたいと思う打者にしか投げない、超ワガママな投手、Zが主人公の野球漫画……とはいえ、野球本来の面白さよりも、もう圧倒的にデタラメな力強さが魅力。野球やってるんだけど、つい「お前ら野球やれ」といいたくなるような、異常に逸脱した勝負が無駄に濃くて面白い。主人公からして顔に「Z」とペインティングしてるし、話といい過剰な作画といい、本当にヘンな漫画。それだけにオススメ。
【単行本】「ダイヤモンド」1巻 青山広美 小学館 判型:B6
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連載は最近とみに面白くなっている「ダイヤモンド」。人生何をやってもうまくいかず不運続きだったチンピラが、殺人事件を起こしてしまった名門球団の4番打者の影武者として活躍するというお話。第1巻は導入部だが、第2巻に収録されるあたりは非常に熱い勝負の連続でおおいに盛り上がった。2巻が出るのが楽しみ。
【単行本】「月下の棋士」21巻 能條純一 判型:B6
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今回は大金持ち棋士の光本との対戦。局面局面はやっぱりうまく見せている。でも21巻っていうのは、ちょっと長すぎ。滝川と対戦するっていうのは分かっているのだから、誰と対戦しても「どうせ氷室の勝ちだな」と思ってしまうのが難点。はしょれる部分はもうちょっとはしょってくれるといいんだけど……。
9/4(金)……ヤングな王国
5日の早朝、やっと自分の分の仕事はほぼ片づく。そんなわけで日曜日は休めそう。コミティアXにも行けそうだ。今回は浜松町の東京都立産業貿易センターにて。お座敷即売会らしいけど、いったいどんなことやるんだろうか。楽しみ。俺は13時30分くらいに、PARKINGっていうサークルのあたりをうろうろしていると思うので、それらしい人(八の字眉毛の中肉中背色白丸顔男)を見かけたら気軽に声をおかけください。何もいわずにいきなりぶんなぐるとかそういうのはご勘弁を。
【雑誌】ヤングキングダム 10/12 No.1(創刊号) 少年画報社
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最近好調な感じのするヤングキング系列から新創刊。すっかりオタク系に偏ってきた本誌とアワーズからはみだした、オヤジ向きな作品をフォローする雑誌って感じ。佐野タカシや法田恵あたりも描いてはいるのだが、こちらはどっちかというとスケベ系の充実のためだと思われる。
なんといっても、巻頭カラーが東本昌平「キリン」の番外編「THE ONE DAY」だってあたりがなんともシブイ。五十嵐浩一もこちらで新連載「Home Sweet Home」を開始。妻が死んで父子家庭となった家に、父の昔の親友がころがり込んできて共同生活を始める……って感じのホームコメディになりそう。オヤジ系といえば、圧倒的に濃い絵の土光てつみ「クレイジードッグ」(作:山形一之)も掲載されている。たしかにこういう漫画家に描かせようと思ったら、今のヤングキング本誌もアワーズもつらいわな。
そんな中で大石まさる「凜〜LYNN〜」は一服の清涼剤といった味わい。ノスタルジックな雰囲気のある絵がいつもどおりいい。ただ、お話は始まったばかりでよく分からない。次回は「近日」とあるのだが、いつ載るのかは不明。
ホットミルクって柱がないから号ごとに合うか合わないかが激しい……というのはいつもいうことだけど、今回は合わないほう。コレっていう面白い作品があんまりなかった。この雑誌の場合、厚さのわりに作品数が少ないのもツライところ。今号は全般的に、絵はうまいんだけど話がイマイチってのが多かったような気がする。
ピンナップイラストを描いているおおしまひろゆきは、今回は漫画。絵はさすがにかわいくてうまい。内容はそれなりなんだけど、もうちょっとパンチ力(「ぱんちか」ではなく「ぱんちりょく」……説明するまでもないか)が欲しいところ。河内讃良「ニルヴァーナ原則」。絵は仕上げが綺麗で美しい。話はいまいち入っていけないのでちょっと惜しい。路杏るう「HAPPY PRESENT」。絵はとてもうまい。バッチシ売れ筋である。話としてはページ数が足りなくてもの足りないけど。新人KIKO「I LOVE I」は、頭の輪郭がちょいとOKAMA系。絵も話も、「もう少し」って感じがする。そこそこうまいけど、すべての面で少しずつ迫力が足りない。
漫画以外の記事では、中山明宏「雑誌事評」が最終回。データ的に貴重で好きな連載だったので残念。一回連載中断して復活後は、だんだん傷口が広がっていって自滅したという印象がある。中山明宏にしろ、更科修一郎にしろ、漫画に臨むスタンスは真摯だっただけに余計精神的な疲労が大きかったんじゃなかろうか。最後までやっているが、小者にかかずらわうのはやめたほうがいいんじゃないかなあ。喧嘩って誰とやっても疲れるし。淡々とデータを怒濤のように垂れ流していくほうが(というよりもむしろ「淡々とコメントを送り出していくほうが」といったほうが正しいかな)、俺としてはかっこいいと思うのだが……。それはともかく、俺も雑誌チェッカーであるだけに、あれだけの数を毎回チェックしているのは大したものだと常々思っていた。それだけに惜しい連載終了ではある。中山明宏が就職によって弱まらないことを祈る。
【単行本】「日直番長」3巻 タイム涼介 講談社 判型:A5
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最近ちょっとテンションは落ち気味だが、間抜けでありつつ詩的な、絶妙な言葉遣いが素晴らしい作品。普段はふざけていてそれも非常に面白いのだが、時折混ぜてくるセンチな話がまたいいのだ。この巻収録の第48話「いすのあいつ」がものすごくいい。泣ける。ちょっと知恵遅れ気味でクラスのみんなからもからかわれていた少年の物語。彼は町を歩くときに常に椅子を持ち運ぶ。「疲れたときにすぐ座れるから」といいながら。子供であるがゆえの、低い視点からしか見えないものをその目に映しつつ少年は歩く。ときどき座って休みながら。他人よりもぐずぐずしてはいても、じっと世界を見つめ、そしてものすごくのんびりではあるけれど少年は少しずつ成長していく。このお話でも、タイム涼介ならではの言葉が、随所で効いていて、心に染み入る仕上がりとなっている。
それと、3巻ではイジメられっこ・耳本の飼い犬(?)であるヒドゥラの活躍が増えている。ヘンな顔と身体つきが好きだ。あと、眼鏡娘な委員長はやはりソソる。
9/3(木)……東京フー
ようやく仕事に先が見えてきて、4日の早朝に一回おうちに戻れた。そんなわけで朝の8時だっていうのに、漫画読んで日記を書いたりしている。この1週間くらい、ただでさえ仕事が立て込んでいるところにコミティアもあって、けっこう怒濤気味な一週間だった。6日にはコミティアXにも行かねばな。
【雑誌】ヤングサンデー 9/17 No.40 小学館
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「おめでとォ!」などで、わりといい感じだった新鋭、佐藤秀峰が新連載。ラグビー漫画でタイトルは「ハードタックル」。作画がしっかりしているし、読ませる力強さも持っている人なので期待大。太陽星太郎「今日のだいちゃん」は2本組。今回はけっこう泣けるお話。毎回工夫を凝らしててうまい。竹下堅次朗「カケル」。この人の描く女の子はかわいくていい。柏木ハルコ「よいこの星!」は今号で最終回。今までの過剰で陰湿な展開からすると、さわやかすぎる感じのラストではある。でもまあ、最後まであのノリでいったら救いようがなくなるし、こんなもんでいいんじゃないだろうか。
井上雄彦の宮本武蔵漫画、「バガボンド」が新連載スタート。やっぱりすごく絵はうまいし、見せ方もかっちょいい。スゲエうまいわ。たぶん面白くなることだろう。これから毎週楽しみ。問題は毎週載るかどうかな気もするけど。木葉功一「キリコ」は、遊佐が追う立場へと変わろうとしている。キリコとの間に特別な感情も生まれかけている感じ。キリコがなにげに可愛かったりもする。作:真刈真二+画:中山昌亮「オフィス北極星」は最終回。単行本も10巻まで出てるし、このシリーズも盛り上がったし、ちょうどいい区切りなんじゃないだろうか。次回作も期待。
マンガオープンの秀作シリーズ「おりこうなジョン」(千秋ちあき)は、なんだかかなりバタくさい、イラストライクな絵柄。ヒロインの女性の目がみぎわパンみたい……というのはどうでもいいけど。話作りも絵もしっかりしてて、わりと読める。あと榎本俊二「えの素」が今週は非常に良かった。前田を悩殺するため、放尿ポーズを研究する菖蒲沢ひろみ。榎本俊二の描く女性は、かわいくて妙にいやらしい。あと、プレゼントコーナーで、「北京的夏」「すみれの花咲く頃」の松本剛が漫画を描いているのでファンは要チェック。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 9/17 No.41 秋田書店
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板垣恵介「グラップラー刃牙」。有効打がないのに、ハンマーが渋川を圧倒。渋川に勝ち目なしって感じ。馬場民雄「大介ゴール!」。うーん、古式ゆかしき少年漫画。まさに王道。これだけストレートだと読んでてなんかうれしい。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」は今回も豪快。なんかゴードンがムチャクチャ。高橋葉介「学校怪談」は、ヤマギシに化けた眼喰い鳥が立石さんの目玉をペロリとなめるところがやけにエロチックで良かった。
【雑誌】ヤングアニマル 9/11 No.17 ヤングアニマル 白泉社
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克・亜樹「ふたりエッチ」は巻頭カラーで今回もまた馬鹿馬鹿しい。ここまで馬鹿馬鹿しいとあっぱれ。三浦建太郎「ベルセルク」は新章突入。かなり邪悪で陰鬱な出だしで、大掛かりで面白い展開が待っていそうだ。二宮ひかる「ナイーヴ」。いつも面白い。短期集中連載「特命高校生」は今回が最終回。なんとなく最後まで乗れない感じだった。妖怪退治系の作品ってけっこういっぱいあるけど、俺の場合ヒット率がかなり悪いんだよなあ。すごくいいと思ったのは、藤田和日郎「うしおととら」くらいかも。
かるま龍狼「人妻姫」が巻頭カラー。この人はエロシーンもしっかり描きつつ、ギャグもうまい。センスの良さを感じる。9月4日に単行本「シノビノサクラ」が出るので当然買う。そのうち、かるま龍狼ページでもつくろうかな。オシャレな絵柄でちょっと気になる松本耳子は今回も掲載。タイトルは「なかよしさん」。とくにエロチックではないけど、楽しく読める作品。鰹巻あさひ「HAPPY・LIFE」。前からわりと気になっていた人。端正で行儀のいい好きなタイプの絵柄。
BE NEWがリニューアルして創刊。クリスティ系の作家も一部持ってきていて、かなり強力な仕上がりになっていると思う。全般的に実用性重視の作品が多く、俺としてはけっこう好き。なかなかいやらしかった。会社にずっと泊まっててタマっていたから、余計にそう感じられたのかもしらんが。それはそうと、クリスティは今後も出るのかどうかがちょっと気になる。
まずは巻頭カラーが、クリスティからの移籍組、友永和「MOMONE」。最近、ちょっと桃音先生が淫乱すぎてしまって、人前でSEXしてても当たり前になりつつあるのがちょっと惜しい。でも、この人の絵っていやらしくて好き。クリスティからの移籍組といえば、「無限の住人」の沙村広明がこちらでもイラスト2ページ。いやー、本当にうまい。かっちょええ〜。ところで、沙村広明のページの「人でなしの恋」だけど、目次のノンブル表示が永山薫さんのところのコーナーと入れ替わっていた。最初、立ち読みしたときに原稿落としたんかなーとか思ったが、ちゃんと載っているので注意。
美女木ジャンクション「ナチュラルパイ」は、乳が縦横無尽に形を変えて暴れまくっていい感じ。柔らかくてちょいとだらしなげな肉体が、ばゆんばゆんとうなる。ヒロインの女の子が、SEXに入ると舌足らずになって「ちんぽしゃんしょっぱいでしゅう」などと幼児語になるあたりも楽しい。月森泉「T、H、L、C」は、巨乳少女vs.「物干し竿」の異名を持つデカチンのイジメられっこ少年の話。消しの甘いちんちんが禍々しくていい感じ。しかも俺はデカい乳も好きときている。美樹カズ「忘れられない記憶」もちんちんや乳がデカい系。以前のような水芸のような体液が、量は少なくなりネバネバと泡だった感じになっている。絵がなんとなく「バロン・ゴング・バトル」の田口雅之系になってきたような。
ゼロの者「あいつとヘン」は、寝ぼけた兄貴のせいで妙に欲情してしまった妹が、兄のからだを利用してオナニーに耽るという話。最近流行りの兄いもうとモノ。この人も乳が柔らかそうなのと、汗でヌルヌルした暑苦しい感じがいい。井之本リカ子「秘花」。ヨレヨレとした感じの線で、豊満な人を描く。この人は上品な感じではありつつも、実用性もけっこうあって好き。木工用ボンド「サマーバタフライ」は、わりとよくあるタイプの絵なんだけど、デカい乳とあっけらかんとしたSEXがきっちりと実用的だった。
BE NEWから引き継いだ漫画レビューコーナー、永山薫「THE BEST 10」は、前に日記で「やる気なさげ」と書いたら永山さんにしっかりチェックされてて恐縮だったのだが、今回もその印象は変わらず。文章が云々というよりも、記事のコンセプトとレイアウトにやる気なさげなものを感じちゃうんだが……。箇条書きにするとか、本文の書体をもうちょっと細くして作家名とタイトル名を太字にするとかやるだけでも、だいぶ見栄えは違うと思うんだけど。中山明弘+更科修一郎「アルティメットコミックレビュー」は、手堅い論評でわりとよくできているとは思うのだが、文章がわりと固くて、温度がちょっと低めな感じはしなくもない。オススメの本をレビューしているわりには、イマイチこっちの購買意欲に結びついてこない感じがする。ここらへん、俺がレビュー書くときに共通していえることではあるんだけれども。
9/2(水)……あっぷあっぱーず
う〜、なかなか会社に帰れない。月曜日に出社してから3泊目。木曜の深夜(金曜の早朝)くらいには帰れるのではないかと思うのだが。おうちには読む本がたまっているし、かばんにはすでに本が入りきらない。会社ではさすがに読みにくいエロ漫画雑誌とかも入っている。いっそのこと、会社の宅急便で家まで送っちまおうかなあ。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 9/16 No.11 講談社
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最近、Uppersはイマイチ元気が良くない感じがする。今回は相沢トモコも載ってないし。そろそろ田中ユキあたりが復活してくれないと、楽しみが少なくなってしまう。もう少しイキのいい新人を起用してほしいところ。作:山本英夫+画:こしばてつや「援助交際撲滅運動」は濃くて面白いのだが、次回で最終回。もう少し引っ張ってさらにギッチギチにしても良かったと思う。「エンボク」が終わるとなると、玉置勉強「恋人プレイ」あたりが柱になっちゃうかな。一色まこと「ピアノの森」はわりと面白い。さそうあきら「神童」とかの後だけに、ネタ的には少し新鮮味が薄れてきてはいるかもしれないが。
「MAJOR」(満田拓也)は、わりと予想していた展開。期待を裏切らない展開を確実に見せてくるっていうのは、手堅い証拠でもある。毎度面白い。「なぎさMe公認」(北崎拓)。仲田が青春していていい感じ。まーくんの強力なライバルになって熱い勝負を見せてほしいもの。作:森末慎二+画:菊田洋行「ガンバ!Fly high」。いつもコンスタントに面白い。作画がしっかりしているのも強いところ。
【雑誌】少年マガジン 9/16 No.40 講談社
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塀内夏子「Jドリーム完全燃焼編」。今回の鷹はしなやかで巧妙でかっこよかった。もっともっとこずるいテクニックバリバリのサッカーを見せてほしい。大島司「シュート!熱き挑戦」は対照的に馬鹿馬鹿しくて面白い。早くも何者かが「ファントムドリブル」という言葉を使い始めてるし。平松とコンビで点を取ろうとしているが、これならGKも抜けるんではないかと思わないでもない。蛭田達也「新コータローまかりとおる!柔道編」再開。ここのところの展開は迫力があって、わりと好き。
9/1(火)……イエスタデ食う虫も好き好き
コンビニで漫画アクションを立ち読みしたところ、双葉社から9月12日に榎本俊二の短編集「エノテック」が発売されるとのこと。昨日のお買い物リストから漏れていたので忘れないようにする。バッバッ。
バッバッといえば、月下工房サイトウさんの日記にて、兄&俺に「漫画兄弟」なる通称を頂戴する。こういう世界には、絶対上には上がいるのでちとおそれ多いところもあるけど、もらえるものはありがたくいただいときます(とかいいつつ、前回のコミティアで書いた同人誌原稿では自分たちの対談のタイトルとして、すでにその名前は使っていたりもするのだが)。それにしてもコミティア後の呑みは異常に濃くて楽しかった。さすがにあんだけ濃い話ができるメンツが集まるなんて、ネットやってないとなかなか難しいことだと思う。サイトウさんとお会いしたのは2回めだったけど、前からスタンスの相似は感じていたので、わりと肝胆相照らし気味だったような気がする。濃い話ができるんだったら、俺たち兄弟はもうすっ飛んでいくのでガンガン呼び出してくださいまし。このホームページの掲示板に書き込んでいただいたり、メールくださる方々ともそのうちオフラインでゆっくり……とか思うのだけど、あんまり人数が多くなるとじっくり話せないのでオフの呼びかけとかは今のところ二の足を踏みまくり。たぶん、これからもしばらくは踏む。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 9/15 No.18 小学館
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お知らせによると、9月12日にビッグコミックオリジナル新人コミック大賞増刊が出るらしい。こういう増刊は絶対買うようにしているが、今回は武富健治が掲載予定なのがすごくうれしい。知っている人はあんまり多くないと思うけど、この人はものすごく妄執のあふれるフリークスな作品を同人誌で発表していたりして(コミティアでも売っていた。たぶんコミケでも)、前から注目している。さすがに同人誌で江呂巣主人名義で描いている作品ほどにブチ切れたのは、商業誌ではフラミンゴくらいでしか発表できないと思うが、力のある人なのでなんにせよ楽しみ。
作:坂田信弘+画:かざま鋭二「でんでん虫」。坂田信弘原作の漫画はヒット率が高いのだが、これもなかなかに読ませる。組む人もいいのだろうけど、強引にでも物語を盛り上げていく力はたいしたもの。六田登「シネマ」は、サバニが蟻にドラマを見いだし始める。なんだか超常的展開。あと、やっぱり高田靖彦「演歌の達」、岡崎二郎「国立博物館物語」といったところは手堅く面白い。
【雑誌】ビジネスジャンプ 9/15 No.19 集英社
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冬目景「イエスタディをうたって」は連載再開第2回め。相も変わらず絵がうめえ。なんといっても今号は表紙にまで進出しちゃっているくらい。ビージャンも力入れて売り出してる感じ。正直なところ、ビージャンはいまいちパッとしない漫画が多いので、これだけのために買ったといってもいい。作:橘高寿+画:高野洋のゴルフ漫画「AS IT LIES」は、ちょいとムチャな作風なので弾ければ濃い作品になるかも。山花典之「夢で逢えたら」、弓月光「甘い生活」は安定組。最近、注目のギチギチに濃い作品と、馬鹿な作品のコントラストで注目の村生ミオ「セックスレス」は今回も馬鹿馬鹿しい。
【単行本】「弥次喜多 in Deep」1巻 しりあがり寿 アスペクト 判型:A5
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「真夜中の弥次さん喜多さん」の最後のころよりは、若干分かりやすくなってテンションは大人しめではあるが、それでも見せるところはしっかり見せる。これだけラフな線なのに、いや、ラフであるだけに心に迫る。この巻では「桜の宿」における、風が吹いてくるシーンで鳥肌が立った。見開きで殴り描きみたいな線ではあるが、実に効果的。第1巻の最終話は喜多さんが、弥次さんの夢に身体の半分だけ取り残された状態で終わる。次巻がどうしても読みたくてたまらなくなる展開。ビームを読んでない人にとっては続きが気になってしまうところだろう。でも、ストックはないので、しばらく2巻はでまい。
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