◆ 2000年1月中旬 ◆

1/11〜20
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1/20(木)……匿名希望のトキメキボーイ

 あ、別冊ヤングマガジンとまんがくらぶオリジナル買い忘れてた。明日だ明日。
 郵便局でウルトラジャンプの定期購読(1年間)と、横浜FCソシオ・フリエスタの会員費用の払い込み。
 以前やった健康診断の結果についての医師の所見とかいうのが渡される。肝臓が弱ってるよーんみたいなことが書かれていてイヤな気分に。

 TINAMIX編集部の砂さんと佐藤さん、それから伊藤剛さんの4人で打ち合わせ。こういう打ち合わせの常だが、脇道にずんずん話が進み、本題の話はほとんどしていなかったような。結局最後は呑みに行っちゃったし。週末&来週頭で3回(もしくは4回)、新年会というか呑みの予定が入っているのだが大丈夫か、俺肝臓。生ビールをスプーンで呑むとか、ぬるま湯と交互に呑むといった工夫も必要になってくるかもしれぬ。とりあえずしばらく家では禁酒しよう。砂さんのホームページによると、単行本「フェミニズムセックスマシーン」は2月下旬発売予定になっている。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 2/3 No.9 秋田書店 B5平
 板垣恵介「バキ」。刃牙が普通の高校生として学校の体力測定に参加するも、力がありあまってて珍プレー続出。浜岡賢次「浦安鉄筋家族」で、最強の小学生といって板垣恵介漫画のパロディみたいなことをしているが、今回の刃牙はまんまそんな感じ。懸垂15回やるんだけど、一瞬の間で終わっちゃうほど速く、誰も見ていないとか。水島新司「ドカベンプロ野球編」。すごい勢いで落ちてくる滝を切るという、奇抜な鍛錬法で球道対策を練る山田。でも山田ほどの選手になると、難しそうなことでも実に簡単にクリアしちゃうのですな。この試練をこなせるようになると、年間70本はいけると武蔵坊氏は語っていらっしゃいましたが。というわけで今年の山田は70本? 音野ユキヒロの読切「STREET King!」。ストリートで壁などに絵を描きつつ、ホームレス生活を送る少年の物語。建物だろうと人物だろうと、やたらにパースが利きまくった絵柄が個性的。ダイナミックでイキがいい描写はけっこうイカす。全体に勢いがあって楽しめた。

【雑誌】ヤングジャンプ 2/3 No.8 集英社 B5中
 鶴田洋久「VS.〜バトルめもりーず〜」後編が掲載。まあいつもの鶴田洋久という感じ。

【雑誌】ヤングサンデー 2/3 No.8 小学館 B5中
 柏木ハルコ「ブラブラバンバン」。今回はけっこうHい。読んでいるとこう、乳を揉みたくなってくる漫画だ。岩田やすてる「球魂」では、スグルがブレーキを完全にとっぱらって実力を解放。巨大アフロモミアゲチャイナの鄭もタジタジ。球のスピードを感じさせる描写がなかなか。サイクロン猿橋「ときめきヒルズ高校白書」は、ついに1億トキメキ獲得。というわけで記念カラーだ。適度にひねくれてて下らないノリ、そして品質がコンスタントなので安心して読める。

【雑誌】モーニング 2/3 No.8 講談社 B5中
 作:毛利甚八+画:吉開寛二「たぢからお」がスタート。バクチで借金を作り、都会から故郷の村に逃げ帰ってきた男たちを追ってヤクザ二人が、激疎(「過疎」なんてもんじゃないくらい人口が流出している状態)の村へとやってくる。結局ヤクザは土地の者によって退治されるが、人口が減りヤクザまで敵に回した村人は、村の未来のなさに途方にくれる。そこで彼らは「たぢからお」に頼ろうとするが……といったあたりで第一話は終了。絵柄的には少々脂っこさがあるが、まあしっかりできている。これからの展開しだいといったところ。榎本俊二「えの素」は4色カラー。だが、次号から3ヶ月間休載。かなり人を食った「読者のみなさんへ大おわび」が載っているので、3ヶ月くらいいいかーとか思ってしまう。

【雑誌】オールマン 2/2 No.3 集英社 B5中
 駅で拾った。久しぶり。というわけで連載モノについてはよく分からないんだが、六田登「千億の蟲」、甲斐谷忍「太平天国演義」が面白そう。太平天国は、中国史モノの漫画でもそんなに見ないネタなので、うまく料理するとかなりイケそうに思える。


1/19(水)……γだニャー

 雑草社コミック・ファン編集部のお二人+吉本松明さんの4人で呑んできましたぜ。げへへへ。漫画の話をしながら呑むのは、やはり楽しいですぜ。げへへへ。帰りは乗り過ごして海老名までいっちゃいましたぜ。げへへへ。だまってジャガーについていきますぜ。げへへへ。

【雑誌】ウルトラジャンプ 2月号 集英社 B5平
 平野耕太「ガンマニア」を読んで、一人でクツクツ笑う。今回はガンアクションは全然なし。自殺しようとする美少年男子を見ながら、ガンマニアな人とストーカーな人が小粋なトーク。平野耕太の投げ遣りムチャクチャ路線がバリバリ。ギャグがズバリ、ヨガリポインツ。ストーリーどうのこうのよりも、とにかく読んでて気持ちがいい。快感である。そこらへんが強い。細野不二彦「タケルヒメ」。お仕事お仕事。この人は、きちんと雑誌に合わせてキッチリお仕事してくるところがうまいですな。唯登詩樹「かごめかごめ」。唯登詩樹はカラーよりモノクロが好き。女の子はあんまり描かずともよい。地味なストーリー、地味な描写のほうが味を出せる人だと思う。諸星大二郎「未来歳時記 野菜畑」。未来の農場。全裸の女性の形をした雑草に惑わされる人々。奇想を粛々と描いてていい味わい。
 今号は平野耕太のほかに、鬼魔あづさも登場し、さらに次号からは花見沢Q太郎と六道神士が新連載。完全にターゲットをヤングキングアワーズにロックオンした感じですか? あー、あと今号には、定期購読申し込み用の振り込み用紙が付いておりました。定期購読できるようになったんですよ。もちろん申し込む。これで荷物が一つ減るぜ。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 2/2 No.3 講談社 B5中
 作:史村翔+画:水野トビオ「フーセン」が新連載。悪友と二人で芸能プロダクションを作って、タレントとやりまくれる「聖域(サンクチュアリ)」を築くことを夢見て、自衛隊に入り地道に資金稼ぎをしていた男。2年で300万円を貯めてシャバに戻った彼だが、悪友のおかげで300万円はアッという間にパー。さらにダクションの社長にさせられて、借金まで押しつけられるハメに。といったところで第一話終了。絵柄もそうだけど、サバけた泥臭さ、情けなさがあってわりといい雰囲気。咲香里「春よ、来い」。「太陽が落ちてくる」のころよりも、物語がしっかりまとまってて格段に面白く感じる。ラブコメ風味が充満してていい。咲香里は、載っていると雑誌がパッと華やぐタイプの人だ。桑原真也「0(ラヴ)リー打越くん!!」。今回は巻中2色。打越くんのテニススクールの先輩だった藤原京花が、文字どおり一皮むけてしまい、彼女の本音が剥き出しに。なかなか切羽詰まった展開になってきていて面白い。先が読めないストーリー作りも今まで同様。単行本の後書きによると、それなりに長いお話になるようなんで、まだまだヒネリが加えられるのであろう。作:田原成貴+画:のだしげる「的中」は最終回。20億円ゲット〜で爽快におしまい。黒田硫黄「映画に毛が3本!」。くそう、おもしれえなあ。1ページ漫画なんだけど、紹介されている映画が観たくてたまらなくなってしまう。それが傑作であっても駄作であっても。ちなみに今回のネタは「遠い空の向こうに」。教訓は「美人の先生と仲良くなろう。」。

【雑誌】週刊少年サンデー 2/2 No.8 小学館 B5平
 田中モトユキ「リベロ革命!!」。曽田正人テイストなバレーボール漫画。スタンダードな少年スポーツ漫画という感じできちんと面白くできている。どんどんテンションを上げていってほしいところである。石渡治「パスポート・ブルー」。ここのところ、宇宙よりもラブコメテイストが強い。主人公・まっすぐが惚れかかっているさやかちゃんがなかなか可愛いじゃないですか。河合克敏「モンキーターン」。今号は競艇選手間の微妙な駆け引きがうまく描けていて面白く読めた。久米田康治「かってに改蔵」。今回は「自分より下のモノを見出して幸福になろう」がテーマ。毎度いいところに目をつけますなあ。やはり自分はかわいいよね。今週は、ながいけん「神聖モテモテ王国」もかなりヒット。オンナスキーを「ラブコメひくナオン」と形容するズバリさ加減。言葉の使い方がいい。俺はさしずめ「初恋ひくナオン」を求めているということか。いや、ナオンがあるに越したことはないのだけど、ナオンが介在しなくてもトキメキ感が得られる純粋初恋エキスなんてものがあるとラクでいいかな、と。オーノー、酔っ払いのたわごと。

【雑誌】週刊少年マガジン 2/2 No.8 講談社 B5平
 表紙はラルク。なので、マガジンおとくいの「ラルク・アン・シエル物語」でもやってほしかったところだがなくて残念。あの芸能人物語シリーズ、実はけっこう好きなのだ。腰が砕ける感じが。西山優里子「Harlem Beat」完結。も少し引っ張るかなーと思っていたのでちと意外。バスケって高校くらいまで人気スポーツだけど、大学以上になるとガクーンと人気が落ちる、ちょいと不思議なスポーツですな。


1/18(火)……鰻と夕凪

 昨日の夜から今日の朝にかけてpicnic.toサーバーがダウンしていた件だが、レンタルサーバー元の会社に復旧処置を依頼して復旧したが、そのさいに「メモリ不足が原因」といわれた。それはまあいいのだが、ついでに「現在32MBのメモリを64MBに増設することをオススメします」みたいなことをいわれて首をひねる。俺はレンタル申し込みのとき、最初っから64MBに増設していたはずなのだ。で、いちおう確認のメールを送ってみたところ、なんと初期導入の段階でレンタルサーバー元の会社が間違えていたらしく、今まで俺サーバーマシンにはメモリが32MBしか差さっていなかったらしい。ズガーン。向こうのミスなので早急に対応してくれて、今は64MBになっているようなのだが、今回の一件がなかったら32MBだったということに気づかないままだったはず。不幸中の幸いというかなんというか。

【雑誌】漫画アクション 2/1 No.5 双葉社 B5中
 国友やすゆき「幸せの時間」。いやー、ホントーにどうしようもないですな! 中年夫婦。妻が公園で間男とサカッといるのをじーっと見つめる夫。必要がないほどに、エロシーンがみっちり描かれてしまうあたりがなんとも。最近の国友やすゆきは、こういうベタベタさ加減にずいぶん迫力が出てきた。脂っこい。村生ミオ的というか。かいともあき「白い少年」。今回もパワフルに暴走。テンションが高い漫画だなあ。

【雑誌】コットンコミック 2月号 東京三世社 B5中
 この雑誌は好きだ。レベルが高いってわけじゃない。でも、このC級な誌面は実に和む。その空気の源とでもいうべき、渡辺ヒデユキ「サセマン」シリーズ「鰻の逆襲」。絵は古いんだが、内容の馬鹿馬鹿しさ、C調ぶりはたまらない味がある。あ〜、なんか渡辺ヒデユキの単行本がほしくなってきちゃった。やべえ。駕籠真太郎「駅前半分」。今回はとても面白かった。なんでも半分にすることにこだわる男二人のかけ合い形式。テンポ良く次々と繰り出される、ブラックでナンセンスなジョークの数々がよく切れている。バッチリだっ! このほかの作品についても、ベタな雰囲気のものが多くて、読んでて安心できます。

【アンソロジー】ミルクコミックさくら vol.8 松文館 A5平
 ちょっと前まで「ロリータコミック」と銘打っていたが、前号から「ミルクコミック」になり、「このマンガに登場する人物はすべて18歳以上です」との注釈がつくようになったさくら。今号はいつにも増してイラストが多く、漫画が減っている。表紙にいろいろ名前が出ているが、この本は前から誰がイラストで誰が漫画なのか、中を見ないと分からないようになっている。漫画を描いているのは、こけこっこ☆こま、う〜とむ、へっぽこくん、あじまる、月角、士崎月魚、TORO、黒崎まいり、彩木衛生、119。大山田満月、A・浪漫・我慢、りえちゃん14歳、ナヲコ、MDMといったところはみんなイラスト。漫画では月角「HOPE」が気になる。単行本「白い冬−黒い夏」のときに「乳が大きくなってきている」と書いたが、今度は頭身が上がっている。う〜ん、あの月角先生でさえこうしなくてはならない時代なのか。しばらくは様子伺いな本が増えそうな気配。

【単行本】「からくりサーカス」11巻 藤田和日郎 小学館 新書判
 今回は、勝を狙うすご腕のナイフ投げである殺し屋の女性と、しろがねの対決のあたりから物語は始まる。見せ場になるときっちり盛り上げていて確実に読める。だけど、お話の進み具合から考えると長くしすぎかなという印象は否めない。「うしおととら」もそうだったんだが、もう少し圧縮してムダのない展開にすると、もっとスピーディになっていいと思うんだが。

【単行本】「かってに改蔵」6巻 久米田康治 小学館 新書判
 こちょこちょとわき腹をくすぐってくるようなギャグの連続で面白い。キャラクターたちのキレっぷり、細かい部分までギャグの網を張り巡らせる神経の行き届きっぷり、下品なことをやりつつもサッパリと見せるセンスの良さなどとても充実している。中表紙の遊びとかもちゃんとあって、いい仕事してますな。回数を重ねるごとに、各キャラクターの持ち味に磨きがかかって面白くなっている。


1/17(月)……だうんの呼吸

 トップページにも書いたが、本日午後6時くらいからpicnic.toサーバーがダウンしてしまった。レンタルサーバーのレンタル元会社のほうにメールで連絡をとって処置してもらったのだが、一瞬だけ稼働した後またダウン。その後はその会社が営業時間外になってしまったため、しばらくサーバーが使えずじまいだった。影響が自分だけだったら別にまあいいんだけど、ほかの方にもWebスペース/メールアドレスを使っていただいているんで、その方たちにも迷惑をかけてしまってまことに申しわけない。pingを打ってみたところ、サーバーのマシン自体は生きていたようなのだが、Telnetは通らなかったのでリモートアクセスしてWebサーバーを再起動するなんてことも行えず、途方に暮れてしまった。Webサーバーにアクセスできない状態なんで、サーバーが落ちているというアナウンスもできないのがすごく歯がゆい。いやー、なかなか人生って難しいよねー(どうでもいい結論)。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/31 No.7 集英社 B5平
 島袋光年「世紀末リーダー伝たけし!」。今回は身長170cmのオオクワガタのぼると、その相方の会話がなんだかマヌケた感じで楽しかった。荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン」。ちゃんと読むとけっこう面白いですな。展開としては派手なようでいてわりと地味だが。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/31 No.7 小学館 B5中
 曽田正人「昴」。今回も快調。揺るぎのない表現力と、物語を語る力の強さはさすが。高橋しん「最終兵器彼女」。ラブコメしているあたりはいい感じ。あとはやはりこんだけいい絵なのだから、も少し言葉を減らして絵で語るようにしてくれるといいんだけど。説教はしないでねー。山本康人「僕」。僕ちんがどうにも男として成長してきている感じ。激情が爆発気味で男的にかっこよさが増してきた。江川達也「東京大学物語」。村上が言葉嬲りによる快感に対して自覚的になり、そのスキルを磨かんとする。アプローチをヒネってきてて面白い。脱がさないでエロをやろうってわけだが、もしかしてコレってコンビニ売りだからエロに対する締めつけを考慮したとかいうのもあるかも。柳沢きみお「SHOP自分」。今回もチョクのどうしようもなさに失笑。なんかほかの人の人生最後の勝負について考えた後、「俺もその一万四千円位で売っているという手作りビールキットを買って自分でビールを作ってみよう。」などというお気楽なことを真剣に思い悩んでいるあたりがグッド。

【雑誌】ヤングマガジン 1/31 No.7 講談社 B5中
 今号は月イチ連載の安野モヨコ「花とみつばち」、安達哲「バカ姉弟」が載る号。だんだんいい味が出てきた「バカ姉弟」だが、今回も良い。姉弟たちの頭悪そうさ加減が実にユルくて和む。三田紀房「甲子園へ行こう!」。しっかり野球やっていて面白い。普通の球児が、普通に甲子園を目指している感じの地味さ加減が気持ち良かったりする。別冊ヤングマガジン連載の、蓮古田二郎「しあわせ団地」が今号から5号連続で本誌に登場。家出は全裸のダメ人間夫と、そんな奴についていく見る目のないダメ人間妻。彼らの情けない生活を描くダメ傑作である。最近非常に気に入ってる作品で、今回はいつにも増して彼らのダメっぷりが激しく、実に良かった。あ、あと大橋薫「ザ・カケオチ2000」も掲載。ドタバタカケオチギャグとでもいいますか。

【雑誌】ZetuMan 2月号 笠倉出版社 B5中
 一時期は読ませる系の作品、実用系の作品のバランスが良くてなかなか充実していたZetuManだが、最近テンションが落ち気味。ZERRY藤尾と榊原薫奈緒子が同時に載ることが少なくなったのももの足りない原因の一つ。あと、きちんと読むと案外お話はとっちらかっているところがないでもないが、雑誌全体のイメージを華やかにしていて非常に大きなアクセントとなっていた咲香里がいなくなっちゃったのも大きいか。
 今号で一番面白かったのが、榊原薫奈緒子「アナウメ絶望日記」。可愛らしい絵柄とブラックな感覚のジョーク、テンポの良さでいつもながらに良い。というわけで1月下旬発売予定の初単行本「ちちばすと」が楽しみ。巻頭カラー、かんとりー・ふぁーむ「IIIrd. MILK IMPACT」。4ページながら、CGの塗りがキレイでゴージャスな巨乳ぶり。うらまっく「俺たちの失敗」はいつもより実用系に寄り気味な作品。完成度は、うらまっくとしては低めかな。小林少年が初登場。タイトルは「悪魔先生の僕(しもべ)」。憧れの家庭教師のお姉様に童貞を奪われる美少年のお話。巨乳もこなすし、相変わらず小林少年は器用だ。


1/16(日)……王子様の大伯父様のお蛆様

 小学館文庫で山田芳裕「大正野郎」が出ているはずなんだけど、地元の本屋さんでは発見できず。まあ明日にでも。

【雑誌】メロディ 2月号 白泉社 B5平
 今号の注目は、第4回メロディまんがチャレンジ金賞受賞作品、武壱史穂「宵宮人魚」。小学5年生になっても海が大好きで、男の子たちと泳いでばっかりな女の子・梨枝。いつまでも男の子みたいな梨枝は、同級生の女の子との付き合いが少なくなっていく。一緒に遊んでいる男子の通のお兄さんである渡に憧れたりしつつも、まだ子供のままだ。だけど、彼女にも大人になる入口=初潮が訪れる。自分が女であることを意識せざるを得なくなり、不安定な精神状態に……といった感じ。端整なペンタッチで、上品&気持ちのいい絵柄。なかなか実力のありそうな新人さんなので注目。酒井美羽「\十億少女」。眼鏡&三つ編み娘のヒロイン、鹿の子がかわいい。今回は金で買われた先の夫との関係もだいぶ深まるが……。雁須磨子「どいつもこいつも」。立花二曹ホモ疑惑の真相は。相変わらずぽわんぽわんとユルいお話。

【雑誌】クッキー Vol.2 集英社 B5平
 いくえみ綾「おうじさまのゆくえ」。相変わらずうまい。理想のタイプは王子様と語る、地味な女の子に惚れてしまったわりとモテる男子のお話。主人公がバカであるという設定の元で、平がなの多い頭の悪そうな言葉がセンス良く配置されている。たぶんこの言葉遣いって、DOS/V magazine CUSTOM第4号(1/18発売)にてサイトウマサトクさんが紹介されているイチハラヒロコ「この人ゴミを押しわけて、はやく来やがれ、王子さま。 」にだいぶインスパイアされているんではないかと思う。俺はパラパラとしかイチハラヒロコの本は読んでないので憶測でしかないんだけれども。詳しく知りたい方はサイトウさんの書評を読んでいただくとてっとり早いかと。おかざき真里「ワンピース」。ラブラブだった彼氏を事故でなくした女の子が、そのショックから立ち直れず、ずーっと彼氏からの初めてのプレゼントであるワンピースを着続ける。シャワーを浴びるときさえも脱ぐことなく。周りは「汚い」「脱げ」と諭すが、彼女の想いはそれを受け容れることを阻む……というお話。悲しみがまっすぐで、かつ表現が非常にクリアー。繊細で心に響く一作。谷川史子「雪物語」。相変わらずスッキリときれいな絵柄。キラキラしていていいですなあ。

【雑誌】ホラーM 2月号 ぶんか社 A5平
 目当ては花輪和一だったのだが、読んでみるとヘンな作品がけっこう多くてかなり楽しめた。日野日出志や「風のちんころう」のまるいぴよこも描いてるし。読者コーナーを見ると、読者層はどうやら10代の少女らしい。こういうのを読んで女の子が育っていくのかと思うと心強いですな。なお特集は「呪テームバレンタイン」。
 さて、花輪和一「不成仏霊少女」。本当は死ぬはずではなかった少女が、三途の川を渡る途中で手の生えたシーラカンスみたいな魚に邪魔されて前に進めない。三途の川の岸にいる婆に導かれて、現世へ戻る扉の前に連れていかれる少女だが、彼女は岸辺で赤子がイジメられているさまに見入ってしまう……という展開。相変わらず花輪和一キャラはええ顔している。ただ、この作品はわりと毒は薄め。読者層を考えると妥当でありましょう。有田景「チョコレート王子 恋の病」。聖トリュフ学園で毎年開催される「バレンタイン・デー祭」。その日に一番たくさんチョコレートをもらった男子は「学園の王子様」の称号を受け、一年間学園の象徴として大切に扱われる。そんな王子の座にダントツで連続君臨している男子、ヒロハル王子が主人公。しかし、その彼もある日恋に落ちる。恋に落ちた彼は王子としての輝きを失う。結局王子の恋は終わるのだが、その途端に彼は輝きを取り戻し、学園に再び平和が戻る。そして「王子は私達の象徴 私達の心の支え」「王子は…学園の希望の光」「王子ばんざーい!」というわけでおしまい。設定からしてヘンだけど、ラストまでそのままの勢いで突っ走っててなかなかステキだった。
 片山さおこ「ゆっぴい大作戦」。老女教師が魔女っ子的な感覚でコギャル姿の「ゆっぴい」に変身し、生徒たちの悩みに強引に乗ってしまうというお話。ストーリーもけっこうイカれているが、出だし部分のアオリ文句もなかなか痛快。老女教師の後ろから女生徒が走ってきて「どいてどいてぇーっ」と叫ぶというシーンなのだが、アオリ文句が「どけ、ババァ!!」。なんとまあストレートな。河東ますみ「恋は命がけ」。バレンタイン・デーに彼氏にチョコを送ろうとする少女。だが、そのチョコは劇薬入り。入院していた病院での看護婦の会話を聞き違えて自分が死ぬと思い込んでいた彼女は彼氏を道連れにしようとしていたのだが、実はそれは勘違い。そしてチョコはひょんなことからクラスの給食に入ってしまう。クラス全員それ食って死亡。彼氏も。愛犬も。チョコの残りを食った母親も。ラストの3コマくらいで、ズバズバ人が死んでいくヤケクソなノリがおかしくて良い。

【単行本】「動物のくらし」 どざむら 晋遊舎 A5
 ヤングキングアワーズでもぼちぼち描いたりしているどざむらの2冊め。淫乱な女先生に導かれ、少年少女たちが肉欲の海に取り込まれていくって感じの「動物のくらし」「海辺の生きもの」がメイン。若干クセのある絵柄なんだけど、全体に淫靡な雰囲気が充満している。平たくいえばエッチである。女の子の身体の反らし方、ウエストのくびれ方、凹凸がいい具合。あと目線。後ろめたいことをしているけど感じてしまうといった風情の恥じらいぶりもいいスパイス。


1/15(土)……さのばぴっち

 PHS機種変更。今まではビクター製のPHS(DDIの奴)を使っていたのだが、今度は松下電器産業製のH"対応の奴にしてみた。機種はKX-PH23F。H"はDDIによればPHSではなく「ハイブリッド携帯」であるらしいが、KX-PH23Fの説明書にはPHS電話機とか書いてあるのでまあPHSなのだろう。実はしょっちゅう置きっぱなしにしてしまってるし、そんなに頻繁に使っているわけではないんだけど。前の機種は最後まで電話帳の登録の仕方とか理解しないまま終わったので、今回はしっかり使いこなしてみたい、と少しだけ思わないでもない。使用感はまだ電話をかけてないし、かけられてもいないのでよく分からん。着メロでもイジってあそびますかねー。

【雑誌】MANGA EROTICS Vol.4 太田出版 B5平
 漫画執筆陣は古屋兎丸、塔山森、山田次郎、やまだないと、福山庸治、砂、森園みるく+村崎百郎、田村マリオ、マサキノリゴ、フレデリック・ボワレ、畑中純、駕籠真太郎、町野変丸、卯月妙子。
 巻頭は古屋兎丸「ユメカナ」。ユメとカナの二人の少女は親友同士。ユメは実際は美しい少女だったが、それに嫉妬したカナがかわいくない眼鏡を勧めたりしたおかげですっかり地味な外見になっていた。カナはユメに対して多大な影響力を持っていて、ユメは彼女のいいなりだったのだが……。古屋兎丸は、最初から絵はすごくうまかったが、最近ではストーリー作りでもバリバリと才能を発揮してきている。非常に高いレベルの絵とストーリーがお互いを生かしあって、実に高いレベルへと達している。塔山森「ひどいやつらは皆殺し」。山本直樹は、これまでEROTICSでは漫画を描いてなかったので、登場していただけてうれしい。すべての事態を淡々と進めつつ、扇情的な描写も盛り込み、さすがの貫禄。松本次郎「ゆれつづける」。今号に関していえば、松本次郎の登場が一番うれしかった。前にモーニングで「ウェンディ」を描いていた人だ。全裸の書道家の先生を中心に、ぐるぐるとおかしくなりそうにお話は回り続ける。作画レベルの高さ、奇矯な展開で面白い。
 砂「2001」(正確には「2001」の「2」は裏っかえし)。重力の変化する宇宙でのセックス技術の開発を仕事とする、セックスチームのお話。ヒロインの涼子と10人の男たち。機関銃のごとき、濃密でハイテンションなセリフの連発はいつもながらに迫力がある。小難しげな理屈と、下品なセックス描写のミスマッチが快感。第一回エロティクス漫画賞入選作品、田村マリオ「春ノ虫虫」は、虫集めを趣味とする兄を持つ妹の物語。神経質な線と、虫から喚起される偏執狂的なイメージ。倒錯的で、なかなか興味深く読める。駕籠真太郎「大終末」。全ページ、きっちり6等分されたコマ割りで物語は淡々と進む。今回は大人しめ。町野変丸「リトルゆみこちゃん▽」。いやー、ここまであれだけやっている人なのに、それでもネタが尽きないのは立派。すでに町野変丸的パターンは確立されているが、それをひねったり拡大したり裏返したりと、何かしら意表をついてくる。非常に自分のギャグに自覚的な描き手だ。

 さて、漫画とは別の話になるが、今号でちょっとひっかかるところがあった。発行人である岡 聡による「児童ポルノ法とエロマンガ」という1ページの文章記事である。この原稿では、児童ポルノ法をうけて紀伊國屋書店がコミック売場からエロの入った漫画を撤去した(中には井上雄彦「バガボンド」なども含まれていた)という一件から話が始まって、児童ポルノ法とその周辺の問題についてが語られている。その中で、岡 聡は紀伊國屋書店の一件があった後、「あわてて」児童ポルノ法の法文を読み直し、その後調べていくうちに「国会審議の過程でマンガが論議されていたことがわかりました」と述べている。ここを読んで「へ?」と思った。国会で絵は除外になったという件に関しては、コミックジャンキーズやインターネットのWebなどでも盛んに話題にされていたことだったと思うし、ああいう業界のああいうポジションにいる人だったら当然知っているもんだと思っていた。まあEROTICS自体は、児童ポルノとはけっこう遠い位置にある雑誌だし、不勉強と責めるつもりはないし、まあ仕方ないと思う。ただ、エロ漫画雑誌の発行人でさえこうだということは、一般にはこのことはまったく認知されていないのであろう。おそらく認知度は、エロ漫画に関わる製作者、読者が想像するよりもかなり低いに違いない。ちょっとイヤな事実である。

【雑誌】ビジネスジャンプ 2/1 No.4 集英社 B5中
 普段はエクストラビージャン掲載の平松伸二「どす恋ジゴロ」が本誌に登場。今回は恋吹雪が相撲部屋入りする前の姿を描く「津軽編」の前編。最近の平松伸二は、時流とのズレっぷりというか、独自のペースがたいへん珍妙でいい味わいになってきている。というわけで後編にも期待。は〜どす恋どす恋。冬目景「イエスタデイをうたって」は、今後しばらくお休みで4月から再開予定とのこと。やっぱり仕事増やしすぎだったと思う。今回の後半のほうは、絵の荒れっぷりが顕著だった。一時お休みは正解であろう。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 2/1 No.3 小学館 B5中
 画:さそうあきら+作:花村萬月「犬・犬・犬」。連載第2回め。主人公であるらしい賢は、ヤクザにさえ「人でない」とも恐れられる得体の知れない少年であることが語られる。どういう展開になっていくかはまだ予想できない段階だが、とりあえずヒキの強い出だしである。作:史村翔+画:ちばてつやで読切「グッドモーニング」。家では子供に邪魔者扱いされ、妻にもこき使われている心優しきサラリーマン。自分の人生に疑問を抱き家出しようとするが……。手堅い人情モノといった感じ。


1/14(金)……黒に来る

 本日購入未読分。感想は発売日に。
【雑誌】MANGA EROTICS Vol.4 太田出版 B5平(15日発売分早売り)
【雑誌】ZetuMan 2月号 笠倉出版社 B5中(17日発売分早売り)

【雑誌】ガロ 2月号 青林堂 B5平
 うーん。なんかガッカリ。いきなり総力特集32ページ「ガロ・クロニクル1964-2000」はどんなものか。こういうのは、復刊号で1回やれば済むことなんじゃないかなあ。過去を振り返るのもいいけれど、やはり未来も指し示していかないと。今の誌面では「ここから何かが生まれる」という期待が持てない。
 で、漫画。みぎわパン「父のいなか」。どうも連載になるようだ。いきなり、ヘンなアングルからの視点で見た風景の連続から始まる出だしからしていい感じではないですか。期待大。三本美治「テロル」。ワイルドさがステキな逸品。ラフではあるけど、けっこう細かい部分はしつこく描き込んでいるなあ。キクチヒロノリ「産院ミドリゴ」は相変わらずイカれてていい。セリフのリズムや、唐突な展開など、実にクレイジー。逆柱いみり「恐怖博士の花嫁」。ストーリーがどうのこうのではなく、もう画面の感触がしっとりとして圧倒的に心地いい。眺めているだけでどっかに飛んでいけそうだ。
 とまあ面白い作品もあるのだ。でも予想の範囲内である。収まりが良すぎる。やはりガロにはもっともっとビックリさせてもらいたいものだが。

【雑誌】ヤングアニマル 1/28 No.2 白泉社 B5中
 作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回も馬鹿満開。ラストのHシーンもお約束。馬場民雄「トバクチ」。主人公の荘司に恋する女の子がかわいいなあ。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」も相変わらず艶やかで、手堅く面白い。あと、関崎俊三「キルケーの豚」が連載スタート。次号の田中ユタカ「愛人[AI-REN]」復活はすごく楽しみですばーい。

【雑誌】東京H 2月号 一水社 B5平
 友永和の新連載「SUZUKA」がスタート。美人ニュースキャスターであり人妻であり母でもある涼香が主人公。家庭は円満だが夫はなかなか時間がとれず、熟れた身体を持て余し気味……といった出だし。友永和の描く女体はいやらしくて好きなので、ガシガシ責めていってもらいたい。玉置勉強「セックス」。アニメ研究会の部室でイチャつく後輩男女の姿を見て、オタクで冴えない先輩がオナニーする鬱屈したお話。先輩の情けなさ&魂の叫びが響く。木工用ボンド「VIRUS」。絵は新しくはないけどエロ度は高い。月森泉「リビドー120%」は汗まみれのハードファックがいい感じにパワフルで、こちらも実用度高め。
 今回も沙村広明のイラスト、「ひとでなしの恋」は健在。アンケートに答えて抽選で当たる、このイラストのテレカはかなりレアっぽい。

【雑誌】別冊マーガレット 2月号 集英社 B5平
 巻頭カラー、河原和音の読切80P、「魔女にご用心」。昔っから、なぜか親友に自分の好きな人を奪われてしまう女の子・森サン。でも親友に悪気はなく、ずっと仲良しのまま。だけど、今度の恋は譲れないノダ、とかまあそういうわけで、恋&友情のドキドキ物語である。ボリューム感があって、恋っぷりも可愛らしくなかなか面白かった。羽柴麻央の新連載「センチメンタルバム」。父を亡くした写真館の3人娘の物語。フラリとやってきた謎めいた男に導かれ、また写真館を始めることになるのか……といった感じの出だし。中原アヤ「りんご日記」は今回で最終回。スッキリした絵柄の可愛らしい恋愛物語でけっこう面白かった。愛民たかね「その恋の風景」。新人さんのようだが、非常に端整な絵柄でかなりうまい。自分をフッた彼氏が、電車の中でずっと彼を見つめていた内気な女の子とつきあい始めたのを見て、その光景に胸を痛める元カノジョのお話。後味スッキリ、よくまとまっている。ちょっとまとまりが良すぎるようにも思えるので、あとはどれだけ自分ならではの味を出していけるかというところ。技術的には問題なしで即戦力な感じ。

【雑誌】まんがタイムジャンボ 2月号 芳文社 B5平
 毎度のことながら、こうの史代「こっこさん」のために。やよいちゃんがかわいいぞ。


1/13(木)……魔法のギュータン

 会社のエレベーター内で顔を合わせた人がなんか見覚えあるなーと思ったら、高校時代の同級生であったことに後で思い至る。声はかけそびれてしまったが、向こうもこっちのことチラチラ見てたんで、間違いないと思う。俺も驚いたが、向こうもまさか高校時代の同級生がオフィスビルの中で汚いGパン履いて馬鹿話してるところに出くわすとは思いもしなかったろうなあ。考えてみれば10年ぶりだし。たぶんどっかの会社で営業でもやってて来社したのであろう。……とか思って、インターネットで名前検索したら出てきたわ。そうかー。あのゲームメーカーかー。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 2月号 竹書房 B5中
 大武ユキが読切で初登場。タイトルは「アドレナリン」。「戦場で死線をくぐった者は時として−」「戦場に自ら舞い戻る」「平穏な日常では決して得られない 何かを求めて」という言葉から始まって、「我らの流儀」の加納くんや榊くんが麻雀やってます。新連載、本そういち「赤の伝説」。赤い彗星の西。内野文吾「麻雀天国」も新連載。なんかこの人、線のタッチが太く荒々しくなったなあ(雑にしたのではなく)。有元美保「まきの麻雀クラブ」。これまた新連載。好きな男の子に近づこうとして、学校に麻雀部を作ろうとする女の子の物語。ラヴコメ臭漂うヌルさがええ感じ。

【雑誌】モーニング 1/.29 No.7 講談社 B5中
「キリコ」の木葉功一の読切「欲望」。完成度が非常に高くいい出来。カメラに夢中で、女の子ばかり撮りそのすべてと寝、誰をも好きにならなかった20歳の羊輔が、一人の少女と出会う。彼女は自分の撮影を依頼してきて羊輔はそれに応じる。彼女が羊輔のカメラに求めていたものはなんだったのか。48ページと短編としてはボリュームがあり、読みごたえバッチリ。そして両の目からの視点、それにファインダーを通した視点を交えて語られる物語は、実に鮮やかに展開し締めくくられる。見事でありました。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回もインドまぐろ子大活躍。実に馬鹿馬鹿しくも堂々としたラストシーンがまた素晴らしい。これだよこれ。肉汁たっぷりな脂っこさがたまらない。いやー、おもしれえわ。そして連載陣で今回一番心揺さぶられたのが、うえやまとち「クッキングパパ」。今回は牛タン尽し。ラストの牛タンのおでん。うう、うまそうだよう。噛むとザクリと音のするデッカい牛タン。たまらねえ〜。食いてえ〜。今度コレ作るぞ。決めた。

【雑誌】ヤングジャンプ漫革 2/20 Vol.19 集英社 B5中
 一番楽しみだったのが武富智「ほしにねがいを」。たった12ページの作品なんだけど、実にうまい。目の前で車にひかれた男の携帯を拾った少女が、その男の息子からかかってきた電話をとる。寂しい少女と悲しい少年の出会った一瞬を、ギュッと引き締まった構成で描き出す。余分なところなく高品質。ホントにいいなあこの人。単行本が出てほしいとかなり強く星に願う。熊倉カズヒロ「サムライガン」。任務により老絵師の元で絵のモデルをしていた茜が、しだいに絵師に惹かれていく。前からそうだったけど、この人の描く女性はかなり色っぽい。むっちりと肉感的で。岡本倫「エルフェンリート」。元天才ピアノ少女の自信を一発で打ち砕いた天才ピアノ少年。少女は彼と出会ってピアノに見切りをつけバイオリニストに。成長してから彼らは再会するが、世界一のバイオリニストとなった彼女はかつての天才少年の元を訪ねるが……。まだ至らない部分も多いんだけど、お話に勢いがあってけっこう楽しんで読めた。山中義彦「BIRD」。天才テニスプレイヤーでありながら、国際紛争防止機構の腕っこきエージェントでもある祭文譲、コードネーム「BIRD」の活躍を描くアクションモノ。今風ではないんだが、絵柄は非常にキッチリしていてうまい。
 漫革次号は5月発売予定。

【雑誌】ヤングサンデー 1/29 No.7 小学館 B5中
 岩田やすてる「球魂」が巻頭カラー。熱血卓球漫画らしくなってきた。そしてたいへんに「エエ顔」の鄭。キャラ立ちまくりでよろしい。原案:武豊+画:一色登希彦「ダービージョッキー」。競馬は全然知らないのでアレだが、スッキリしていつつ迫力のある絵柄で案外面白いように思う。長哲夫「BREAK POINT」が新連載。腕白的野郎のテニス物語。わりとアクの強い絵柄なので、もっと描写に迫力が出てくればそれなりにイケるかも。わりと普通のテニス漫画になりそうな雰囲気もあるが。山本英夫「殺し屋イチ」。垣原による素晴らしき激痛の世界が展開されつつ、イチはテレクラ電話のおかげでスランプ脱出の気配。これでついに決戦の準備は整ったか。これからの展開がまたしても楽しみ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 1/27 No.8 講談社 B5平
 水島新司「ドカベンプロ野球編」。山田が武蔵坊の元を訪れたのは、武蔵坊が打たれている滝をバットで振り切るだけのスイングを身につけ、青田球道の球を打つパワーを得るためだった。それにしても、バットスイングを吹っ飛ばすだけの滝のわりに、滝壺がないんですなあ。あとわざわざこんな寒いとこでやんなくてもいいのに。……などといっても水島先生の前には無力だ! ビバ水島! 西条真二「鉄鍋のジャン!」。蠢くダチョウ肉の秘密はいかに。俺予想ではおそらくBM(たぶん違う)。

【単行本】「夢限画境」 草津てるにょ 司書房 A5
 つやつやとした瑞々しいお乳描写がエロっぽくてわりと気に入っている草津てるにょの2冊目。全体につややかで滑らかな手触り。内容はなんてことないお話が多いんだけど、巨乳&人妻な感じの作品が多めなのが俺趣味的にうれしい。ふくよかで豊満。


1/12(水)……此は檸檬

 雨の中、秋葉原へ。Hな本屋さんでHな漫画を描いている人と待ち合わせ、Hな本とHでない本を受け取り、漫画の話をする。ときどき仕事の話も。
 頭がボーッとして眠くなるのでヒーターは嫌いなのだが、本日は寒くてキーボードを打つのに難儀しそうだったため、しぶしぶこの冬初めてヒーターON。酒を呑んだら案の定ポーッとなってしまう。寒くても暖かくても、どちらにしろ文章を書くのにイマイチな状態ではある。

【雑誌】コミックビーム 2月号 アスペクト B5平
 まずは表紙がカッコイイ。ビームという文字の中にバンビとパンピ、そしてそこからにゅっと拳銃が飛び出している。白地が目に映える。そして巻頭カラーもカネコアツシ「BAMBi」。アクションのダイナミックさが光る。
 志村貴子「敷居の住人」は、キクチナナコと本田くんが家出して、金もないのに京都へ直行。二人だけの修学旅行。小生意気なガキどもの、うだつのあがらない日常でしかないのに、すでにスッカリ彼らから目を離せなくなっている自分が今ここにある。有川祐「彼女とデート」。淡々と進んでいるようで、気がつくとお話はどんどんシリアスに深まっている。ふとんの中の、まだ体温であったまってない部分って感じの気持ち良くヒヤリとした読み心地。いましろたかし「釣れんボーイ」。ヒマシロ先生サイコー。中年的なエロさが増しつつ妄想でそれなりに満足してしまって、今日も釣りしている覇気のなさがもうビンビンと伝わってくる。その小人ぶりは感動的でさえある。スゴイ。読切、松本充代「陽の下の恋人」(前編)は、少女のころからストーカー気質と少年趣味を持った女性が、大人になってから美少年を追い回す物語。手口の周到さと執拗さにゾッとする。閉塞しきったこの女性の精神状態が非常に恐ろしい。静かに狂った女性を描かせると松本充代は抜群にうまい。高木律「回遊魚」。セリフが少なく張り詰めたような緊張感がある。それから画面作りが丁寧で、なかなかいい雰囲気。
 須田信太郎「やさしいい女は何処にいる」が新連載。父が死んで家業を継ぐことになり、ガサツな母親、姉妹と女たちにこき使われるスエヒロ。しかも学生時代との彼女とは別れ、いいとこなしな日々。絵柄はかなりクセがあって個性的。イッパツぶちかますパワーはあるので、それなりに面白くなりそう。新連載もいっちょ。市橋俊介「テルオとマサル」。こちらは激しく壊れていて面白かった。切羽詰まった状態で公衆便所に駆け込んだが大きい方は使用禁止。思い余ってあさがおのほうに脱糞しようとしていた、太めの眼鏡男子・マサル。そんなとき、彼は不良風な男・テルオと運命的な出会いを果たす。テルオはマサルの学校にやってきた転校生で、やがて肉弾と日本刀でタイマンを張り親友となる。うっとうしいテンションの高さがステキな一作。かなり期待。

【雑誌】コミックバーズ 2月号 ソニー・マガジン社 B5平
 冬目景「羊のうた」巻頭カラー。オリジナルグッズの販売もいろいろあるようなので、しぼられてみたい方はゴーゴー。「教科書にないッ!」の岡田和人が登場。読切「成仏しませぅ。」。いつものとおりな、ちょっとHなドタバタという感じ。この人のぷりぷりした女体描写はわりと好き。読切も一つ、相川有「極楽丸」。死んではならない人をあの世から連れ戻すことを仕事にする美少年高校生・極楽丸の物語。主人公の造形とかはあんまり好みでないんだけど、ところどころにけっこういい雰囲気のカットがあって目を惹く。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/29 No.7 小学館 B5平
 満田拓也「MAJOR」。シリアスなシーンで、さりげなく差し挟まれた吾郎のボケが味わい深い。松浦聡彦「タキシード銀」は今回で最終回。最後は爽やか、きれいにおしまい。久米田康治「かってに改蔵」。最近は地丹に続いて、羽美の壊れっぷりが進行していて楽しい。トモダチがいないというトラウマを、実に丹念にセンス良くつつき続けている。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/29 No.7 講談社 B5平
 むつ利之の新連載「龍馬へ」が新連載スタート。タイトルどおり、坂本龍馬もの。坂本龍馬のキャラクターづけは、龍馬ものとしてはごくフツー。それにしても、むつ利之がマガジンの表紙で「巨匠」なんて呼ばれるようになるとはなあ。昔は牛丼トリオとかにょっきりVとかいってたんだけどねえ。作:安藤夕馬+画:浅基まさし「サイコメトラーEIJI」。婦警コスプレ野郎、みっちゃん編は毎度いい感じですな。

【同人誌】「定本焼肉定食+α」 山田X
【同人誌】「こわれもの」 ZERRY藤尾
 昨年の冬コミで販売された同人誌。絵柄からするとどうやらこの山田と藤尾は同一人物らしい……白々しいか。というわけで作者ご本人からいただく。ありがとうございます。でもレビューモードゆえ敬称略。
「定本焼肉定食+α」は少年サンデーの増刊のほうに連載された作品を集めたもの。ギャグとラヴコメをこよなく愛する山田らしい作風。最初っからタガが外れきっている天然系のギャグではなく、考えて練って思わぬ方向からわき腹をつっついてくるタイプのギャグ。思い出したように蒸しかえされるラヴコメ風味がけっこういい味。噴き出すというのではなく、ニヤニヤしながらダラーッと読む感じ。あと少年サンデーに持ち込んでなんとかいう賞に回されたという「怪傑乙女」のヌルさもいい塩梅。このころから、アングルとか工夫しているし、背景もしっかり描いてて考えてるなーと感心。男にふられてショックを受ける女の子を五つのアングルから描写する、唯一の見開きなんかは単純に気持ち良かった。「焼肉定食」の単行本を買い逃した人はぜひ!(出てないって)
「こわれもの」のほうが、作者がエロ漫画も描いている人だけあってエロ漫画だ。昭和38年放映「わんぱく王子の大蛇退治」、および「メダロット」のパロディ。すんませんが元ネタ視てません。ああ、でも「わんぱく王子〜」のほうは、昔アニメージュかなんかで見たことがあるようなないような……。「メダロット」のほうは、鉛筆の勢い高らか。
 まだ残部はあるそうで、作者の人はリベンジを図っている模様。


1/11(火)……兵馬DAY

 本日の入手済み未読分。
【雑誌】コミックビーム 2月号 アスペクト B5平
【雑誌】ホラーM 2月号 ぶんか社 A5平
【雑誌】クッキー Vol.2 集英社 B5平
【単行本】「ドラネコシアター」3rd collection 餅月あんこ A5

【雑誌】ヤングキング 2/7 No.3 少年画報社 B5中
 中西やすひろ「愛DON'T恋」。なんだか高校生男子が、何人もの女の子とやりまくるお話なのだが、主人公が一見実直そうでありつつかなり無軌道である。内容の空っぽぶりが味なのだが、これは多分にヒネくれた楽しみ方なのだとは思う。綾坂みつね「先生は悪女?」。最近、キャラが立ってノリが良くなり、わりと面白くなってきた感じ。

【雑誌】漫画アクション 1/25 No.4 双葉社 B5中
 作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」。何股もかけまくっていた「わんわんわん子」のチョリィ★渡辺を巡って、おさなづまの夫と漫画家の男が修羅場を展開。こういうベタベタな展開がうれしく感じられてしまう作品。「渡辺ちより=チョリィ★渡辺」というネーミングセンスも。国友やすゆき「幸せの時間」。今回は主人公のおっさんの奥さんが浮気して、公園でフェラチオしているところからスタート。いや〜、本当にどうしようもねえ漫画である。国友やすゆき作品の、このどうしようもなさは絶句ものであり、なんだか素晴らしい。そういえばComNavi第1号のインタビューは国友やすゆきだったなあ。かいともあき「白い少年」は、少年によってさんざんな目に遭わされている先生が今回のメイン。大丈夫かと思うくらい激しい喜怒哀楽がいいですな。画:山上正月+作・監修:モンキー・パンチ「ルパン三世」は、銭形と女犯罪者のちょっとイイお話。山上ルパンはけっこういい。絵が魅力的だし。

【雑誌】ヤングチャンピオン 1/25 No.3 秋田書店 B5中
 あれま。今村夏央「ファイヤーキャンディ」が未完のまま連載終了してしまった。リョーキの狂気を最後に派手に爆発させてぶっ壊して終わったという感じ。これから煮詰めていってさらに高い次元に押し上げる……って段階だったと思うので、ここでの終了は残念。ただ、最後のバイオレンス描写にそれなりのインパクトがあり一つの区切りっぽくはなっていたので、ブツ切れ感が軽減されてはいる。2月発売のホットミルク3月号、コミックジャンキーズのインタビューが米倉けんごなので、この連載終了についての話もあるかな?

【単行本】「戦国子守唄」2巻 森秀樹 小学館 B6
 この巻で完結。浅井長政の遺臣に、長政の最後の遺児である赤子・万菊丸を託された雑兵3人組。最初は莫大な礼金につられて引き受けた彼らだが、しだいに万菊丸に情が移り、命がけで織田、そして木下藤吉郎の軍勢の追手から万菊丸を守る危険な道をひた走ることになる。歴史的に見ればまったく名もない、それこそ塵芥のような雑兵たちの、一世一代の意地と生き様をまざまざと見せつける。森秀樹ならではの精緻で泥臭い作風が、作品に厚みと説得力を与えている。主役格の3人だけでなく、その他の兵や農民たちの熱い息吹も感じられる。ラストに向かって、3人それぞれが自分たちの人生の意味を世界に刻みつけんと奮闘するさまは心を揺さぶられる。長くはないし地味ではあるが、しみじみと良い作品。

【単行本】「海猿」4巻 佐藤秀峰 小学館 B6
 主人公・大輔は潜水士を目指し、訓練学校での過酷な課題に挑む。その中で、同期生たち全員が一体となった固い絆を手に入れる。最高の仲間と共にハードな訓練を乗り越えていき、訓練生たちのムードは最高潮になるが、その後に待っていたのは厳しすぎるくらいに厳しい運命だった。
 仲間の絆を描く爽やかで力強い青春物語を描き、読者を思いっ切り感情移入させてから一気に極限状況をつきつけ、現実の、自然の厳しさを否応なく呈示する。その描写力は力強く、また鮮烈。アップダウンの激しさは相当なもの。最近出てきた漫画家のなかでは非常に珍しい、オーソドックスな話をオーソドックスに、そして迫力をもって描ける骨太な人である。今でも十分にうまいが、ガンガン描いてさらに基礎体力をつけて、もっと高みへと昇っていってもらいたいと期待してしまう。

【単行本】「淫縛学艶」 船堀斉晃 コアマガジン A5
 女教師を性奴隷にしている絶倫男子生徒・清水が主人公。いつも授業をサボってばかりいる清水に対して、クラス委員の織枝がその本性も知らず彼を更正させようと口やかましくからんでいく。ところが、言葉巧みにだまされて織枝は返り討ちに。さらに織枝の親友までも巻き込まれて、彼らはドロドロのセックス地獄に堕ちていくのであった……という感じの作品。最初は学園ラブコメみたいなノリなのが、より凄絶さを醸し出す。結局は一直線に転落していくのだが、途中の段階で「もしかしたら揺り返しがあってヌルい方向に行くんじゃないか?」という期待を抱かせなくもないところが趣深い。船堀斉晃のエロ描写は、体液がドバドバで表現が大げさ、テンションが高い。登場する女性は皆、気絶しそうな勢いでヨガらされる。主人公の清水も、まるで巳月竜司のように強力で親にも見捨てられるほどの悪党ぶり。ただ、因果応報的な結末が外部から与えられてしまうというのは当たり前すぎて、ちょっとヌルいような気がする。そこらへんはもうひとひねり欲しかった。あとは描写が過剰で濃厚でおおむね満足。


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