◆ 2000年3月上旬 ◆
3/1〜10
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3/10(金)……肉とダイヤモンド
最近、ウチのマシンのサウンドカードの調子がおかしく、ときどき片方のスピーカーから音が出なくなってしまうことがあった。いろいろ調べたところ、サウンドカードのLine-outへのケーブルの微妙な差し具合によって音が出たり出なかったりすることが判明。本日、アキバに行ったついでにきちんとコネクタ部分が金メッキされた良さげなオーディオケーブルと、「"SETTEN" No.1」という接点に塗ると導通不良を解消してくれる液体を購入してくる。
このSETTENについてはPC情報系のWebページでも話題になってたし、前から気になってて買おうかなとは思っていたのだ。カーボン・ダイヤトニックとかいうモノの力によって、まあいろいろいい感じになるらしい。それをペタペタと塗り、ケーブルを差し替えてみたところ、調子はいちおう良くなった感じはする。ついでにビデオカードのコネクタ部分にもペタペタ。正直いって、本当にSETTENのおかげで調子がよくなったのかどうかはよく分からないし(ケーブルのおかげかもしれない)、そんなに安いもんじゃないけど、まあほかのことにもいろいろ使えそうなんで持ってて損はあるまい。というかなんとなく一本あるとうれしい感じ。
以下、本日購入済み未読物件。ビームは定期購読の奴が本日は届いてなかったので、明日以降に。
【雑誌】エースネクスト 4月号 角川書店 B5平
【雑誌】桜苑 Vol.6 桜桃書房 B5平
【単行本】「ハッピーセット」 うらまっく ワニマガジン B6
【単行本】「嗚呼!熱血ロリータ番長」 G.B小野寺 雄出版 B6
【雑誌】ビッグコミックオリジナル 新人コミック大賞増刊号 4/12 小学館 B5中
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毎度お楽しみな増刊号。小学館新人コミック大賞の入賞作品を集めた本。たけのちから「土用波」の青臭さ、小安球世「真紀」のまとまりのいい絵柄等、惹かれるものはあるが今回は全体に小粒な印象。ただ、この雑誌は当たり作品がとくになくても、出てくれるだけでうれしい本でもある。さすがに新人だけあってほかでは見ない人ばかりだし。アフタヌーンの四季賞でもこういう本を出してほしいぞー。採算的には難しいと思うけど。
【雑誌】ヤングアニマル 3/24 No.6 白泉社 B5中
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二宮ひかる「ハネムーンサラダ」再開。巻頭カラー30ページ。細身の女性のしなやかさにやられる。思うところありげなまなざしとか、肌は出してなくても色っぽいなあ。作:出海まこと+画:高橋雄一郎「女刑事ペルソナ」。今回もサービスバッチリ。エロ描写にやり過ぎ感があふれる。下品ではあるが、やり過ぎなものはたいてい好きな俺だ。作:中村ジン+画:笠原倫「復活」前編が掲載。プロ野球、元横浜ベイスターズ、現大阪近鉄バファローズの盛田幸妃投手が、脳腫瘍から復活し、またマウンドに帰ってくるまでの物語。インタビューとか読むと、盛田が相当に態度のデカイ男だったということが分かる。そうかー、こういう人だったのかー。あのシュートのエゲツなさも、こういう性格の人だったと分かると納得がいく。「殺してやる」という気持ちで投げるピッチャーなんてそうそういないよなー。田中ユタカ「愛人[AI-REN]」。この人はエロのときもそうだったけど、1ページぶち抜きとかで印象的なシーンをズバッと持ってくるのが非常にうまい。
今月号はけっこうイケてた。掲載作品が全体的に面白かったし、逆柱いみりを起用した表紙も明るい色調で目を惹いた。まずは丸尾末広「無神経かさねが渕」前編。今さら何をかいわんやの美しき描線で人を惑わす。そして津野裕子「スイングシェル」。ふるへふるへ、ゆらゆらとふるへ。夢の中をたゆたっているような読み心地はこの人ならでは。穏やかな空気に身を任せて読んでいると、あっち側の世界に持ってかれそうになる。川崎ゆきお「大阪ダンジョン」は「猟奇王」シリーズ。淡々としていながら、飄々としすぎない。しっくり肌になじむ読感が気持ち良い。
大越孝太郎「天国に結ぶ恋」は連載開始。娘がずっと昏睡状態なことを気に病み続ける親。そして、眠ったままの「妹」にずっと寄り添っている彼女の「兄」。病的な中にエロスが潜む。みぎわパン「父のいなか」。身の周りの細かなことをぐぐっと拡大して見つめる視線は、かなり趣深い。クセのある絵だけど慣れてしまえばそれも快感。三本美治「テロル」は、コスプレぶ男の生活を描く。いわゆるヘタウマ系な感じの絵柄。得も言われぬパワーがにじみ出てて面白く読めた。
パルコキノシタ「漂流教師」。今回は学芸会のシーンが、なかなかめくるめく感じでいい画面。その1ページのためだけでも存在意義があるというか。キクチヒロノリ「産院ミドリゴ」。のっけから、キクチヒロノリらしいファンキーなキャラクターがずらずらと見開きで。眺めているだけでクラクラ。逆柱いみり「恐怖博士の花嫁」。いつもながらにいいですな。しっとりした手触りの絵柄が快感。
【雑誌】快楽天星組 Vol.11 ワニマガジン B5平
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NewMen+雑破業のおなじみコンビが巻頭カラー4ページ「麗脚奴隷」。玉置勉強「近所のお姉さん」。近所で噂の「頼めばやらせてくれるお姉さん」の元で、少年が筆下ろし。安易に、好きでもない人を、体験するためだけに利用した後の空気は、優しくもあり気まずくもあり。言葉が喉の奥につっかえてしまう、微妙な空気を描くのが玉置勉強はやはりうまい。みうらたけひろ「Tear Jerker −春日探偵事務所記録−」。ここまではアダルトな雰囲気でねっちりお話を進めていたのだが、なんかいきなりヌルい締め。う〜ん、も少しお話を引っ張って、ヒロインのおねえさんを辱めてほしかった。
RaTe「TOO-DAY」。この人、最近うまくなっているなあ。今回は、ずうっと同じ1日を繰り返し続けている女性のお話。朝、目が覚めると昨日と同じ日付で同じニュースが流れ、同じような展開でSEXをするところから1日が始まる。ほかの人の時間は流れるのに自分だけは同じ時間の繰り返し……といった感じなのだけど、お話をクルリとひねってうまいこと落とす。最近のRaTeが描くキャラクターでは、精液大好き女の子がすごくイキイキしていていいのだが、絵だけでなくお話作りも達者になってきている。嶋真介「先生」。この人のくっきりとした線と、斜線でシャカシャカと陰をつける乾いた絵の質感はけっこう好き。うらまっく「あなたのお家はどこですか?」。結婚直前で相手の男に裏切られそうな感じの女性が、街でぶらぶらしていた一人のヒマそうな男との出会いによって吹っ切れるというお話。後味良くお話をまとめてさすがのうまさ。
【雑誌】コミックバーズ 4月号 ソニー・マガジンズ B5平
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巻頭カラーで古屋兎丸「Marieの奏でる音楽」が新連載。待ってました! 古屋兎丸の細密なタッチで描かれる世界は、ファンタジック(←この言葉、正しい英語ではなく和製英語なんだそうな)でありつつ圧倒的な存在感を持っている。細かい描写を重ねて重ねて、1本の線たりともごまかしがない。第一話は淡く、優しい雰囲気で始まった。最近の古屋兎丸は、描く漫画描く漫画、キレている。切れまくっている。これからの連載に期待が高まりまくる。夢野龍之介「くじらの国のアリス」。「ファンタジック・スペシャル読切」だ。ずっと狭い家から出ないで、外の世界はネットを通して垣間見るしかない少女が、内からの声に誘われて海へ出ることを希求する。夢野龍之介は、最近なかなか絵が細かくなってきていい雰囲気。
安森然の新連載「ウォーターエンジン」が巻頭カラーでスタート。描き込みがしっかりしていて、女の子たちが非常にしなやかな絵柄は瑞々しくてなかなかクオリティが高い。川を流され、下半身が四つ足の動物の形状をしている六肢族の国へと流れ着いた、四肢族(つまり普通の2本足の人間)の少女。剣と魔法系の世界における、彼女の冒険を描くといった感じになりそう。之瀬ハルオ「乙女セイバー ユーラシアン」。セクシーな女ヒーローが悪の怪人にイタズラされているところからお話はスタート。パワーで読ませる感じで、馬鹿馬鹿しくもヌルくてちょっと面白かった。
零式は初期はすごくクオリティが高かったのだが、最近だいぶテンションが落ちているような気がする。上連雀三平とすえひろがりの不在が響いているような気がする。次号は上連雀三平と目黒三吉が執筆するみたいなので、期待が持てそうだが。そういえば漫画のクロスレビューがなくなったような。
【単行本】「白濁」 MINE ティーアイネット A5
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待望の初単行本。MINEの作風は、とても分かりやすい。乳、ちんちん、体液。むっちりむちりと柔らかそうで肉感的な絵柄で、めくるめくハードなエロスが展開する。その凝縮された密度の濃さは、エロ漫画界屈指。登場ちんちん数、体液量もトップクラスである。この単行本でも、たくさんのちんちんが登場するが、MINEとしてはこの程度だと抑えめくらいに感じられてしまう。画面を肉と汁で埋め尽くすハイテンションぶりは圧巻。絵も淡いタッチが印象的でなかなかにうまい。表紙を見て、あと3倍くらいのちんちんと体液が欲しいなーとか思った人は迷わずゲットでしょう。
【単行本】「淫乱性教育」 AKIRA 松文館 B6
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コンビニ売りB級エロ雑誌っぽいテイスト(姫盗人あたりが主な活動場所のようだが)。あっけらかんと、都合よくHに突入。女性の表情が硬めでバリエーションが少なそうなのが気になるところ。
ちょっと線は硬めだが、ちんまりした感じの女の子たちが健気にH。平ぺっための顔の垢抜けなさと、わりとハードなエロシーンが魅力ってところ。
【単行本】「弥生プレリュード」 富士参號 エンジェル出版 A5
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くっきりした描線で、ちょっとヌルめのラブコメ&エロ。それなりにまとまって、エロもきちんとこなしている。
【単行本】「存在理由」 あきふじさとし 富士美出版 A5
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もう15冊めの単行本なのだそうな。この単行本の特徴としては、眼鏡っ娘がわりと多い。というかあんまり娘という年齢でもないので、眼鏡女性とかいうべきか。実用に使うようなハードさはないんだけど、華やかでそれなりに潤いもあって、きっちり仕事している感じ。
3/9(木)……バクニュヤング
雑誌の読み方は人それぞれだと思うが、俺は基本的に最初から最後まで、掲載順に全作品に目を通すタイプ。雑誌は基本的に、頭から読むことを前提にして作品の並び順も設定されでいるはず。重たい作品の次にほのぼの系の作品を配置したり、ところどころに読み飛ばしてもOKな軽い作品を配置してスピードアップさせたりといった感じで、作品の並べ方に編集者の作為が込められている場合もあるかもしれない。雑誌は総合バランスが大事と常々思っているが、作品並び順もまた総合面での腕の見せどころの一つ。そう多くはないだろうけど、並び順通りに読むことによって得られる快感があるやもしれないし、快感は多ければ多いほど良いので、まあ期待するってほど意識してはいないけど、なんとなく習慣として最初から読むようにしている。
もちろん、これが正しい読み方だというつもりはさらさらない。面白いものから先に読む人もいるだろうし、単行本になるまで読まないでおくって人もいるだろう。こういうのは、ショートケーキのイチゴを先に食うか後に食うかの違い程度のもので、それぞれの流儀に従ってやればいい。読み方は一つじゃないし、それぞれの人にとって正しい読み方は、読む人の数だけあっていい。まあ正直なところ、他人がどのように読んでいるかなんてどうでもいい。他人の読み方なんてまったく気にならないし、ましてや意見するなんてとてもとても。そんなことより、自分が納得できる読書をすることのほうがはるかに大事なのであります。
会社に2泊して今日はようやく帰宅。おふろが気持ちいい。今日でだいたい仕事が片づいたので、週末あたりからは原稿書きに取りかかれそう。そろそろおうちのマシンのHDDをいっぺんフォーマットして、OSなどの再インストールをしたいとこだが、しばらくそんなヒマはないかな。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/23 No.16 秋田書店 B5平
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能田達規「おまかせ!ピース電器店」。東麗子の婦警姿が良いですな。山口貴由「悟空道」。お話はいよいよクライマックス。三蔵の告白で一挙に盛り上がる。今後どのように展開していくのか楽しみ。
【雑誌】モーニング 3/23 No.15 講談社 B5中
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巻頭カラーで守村大「花のうた」がスタート。最初は一瞬「考える犬」の続きかとおもったが、もちろん全然別の物語。北海道でバクチ打ちの父と農場の娘である母の間に生まれた少女・歌。その後、彼女はスクスクと育つが、中学校卒業後、唯一、一緒に暮らしていた祖母を亡くして一人になり、東京へ出る。親がいない環境で育ちながら、彼女は非常に清らかで健全な魂を持つ女の子に育っていた。東京ではいきなりサイフを盗まれるなど、さんざんだったが、スカンピンだった彼女が生き倒れていたところを浮浪者たちに助けられる。花の発する言葉はまっすぐで確信に満ち、そこに含まれる美しさは人々を癒していく。守村大の描くキャラクターは、表情が実にシャキッとしている。迷いのない視線と、淀みのない意志、力強い言葉は見ていて気持ちがいい。第一回めは非常に面白かった。次号以降も期待できそう。この人は地味ながらも実力はかなりのもので、なかなかにいい作品を描く。ただ、長編になると一話一話の印象が弱まってしまいがちなところはあるので、一度全10話くらいの短期集中連載で、持てる力のすべてをそこに集中するみたいなことをやってほしい。きっとスゴイの描くと思う。井上雄彦「バガボンド」。今回も武蔵、胤舜は動かない。それでも空気はピンと緊張感に満ち、ググッと期待が高まってくる。
山下和美「天才柳沢教授の生活」。今回は柳沢教授の、「突き詰めるまで思考し答えを出す」という己のやり方とは正反対の「感覚だけで物事を判断し、わからないものはわからないままでよろし」というスタンスに対する葛藤を描く。相変わらず柳沢教授は考える。そして安易な方向に逃げることはない。山下和美の作風そのままに、凜としている。かっこいい。シビれる。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。ギャンブルシーンが盛り上がってきたかと思うと、突然予想もつかない展開をして唖然とさせてくれる。ラストのオチも凄い。突如、奇行に及ぶこの珍妙で濃厚なノリは素晴らしい。スコーンと気持ち良く、想像する範囲を超越して度胆を抜いてくれる。
【雑誌】ヤングサンデー 3/23 No.15 小学館 B5中
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竹下堅次朗「カケル」。次号で第一部完結ということでクライマックス。印象的なカットやセリフをちりばめ、確信を持ってお話を進めている。戸田尚伸「バタフライ」が新連載。遊んでいる途中、死体を遺棄しようとしている男共を目撃してしまい、廃屋の地下に監禁されてしまった少年3人組。細かいペンタッチでなかなか達者な絵柄。うまく盛り上がってくれるとうれしい。山田芳裕「度胸星」は、火星上で宇宙飛行士が未知と遭遇中。次に何が起こるか分からないスケールの大きさが感じられてワクワクする。山本英夫「殺し屋イチ」。ジジィの正体の片鱗がまた一つ。いよいよ、強烈にキャラの立ったキャラのみが残され、それ以外の雑魚は完全に排除された。このターゲットの絞られた状況で、どのような殺人芸術が生まれてくるのか。注目である。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。トシモンがまたしても街に出て、なんら理由もなく、あっさり命を踏みにじっていく。理由やら必然性など皆無な状況で、淡々と生産されていく死。物語はハードに、スキなく進んでいる。
【雑誌】ヤングジャンプ 3/23 No.15 集英社
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山口譲司「BOiNG」。ボインマスター、大富豪にボインの正しき楽しみ方を指南する。世界のボインコレクション。うーむ、馬鹿馬鹿しくて素晴らしい。
3月28日に別冊ヤングジャンプ発売の報あり。
【アンソロジー】「ブラジャーコンプレックス」 桜桃書房 A5平
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爆乳系アンソロジー。といっても、そういうアンソロジーにありがちな、人間離れしたデカイ乳は出てこず、基本的にはまあ常識の範疇内でおっぱいの大きなおねいさんたちがメイン。
巻頭カラー、NEO GENTLEの「ショーガイブツ競争」がなかなかイカれていて良い。はちきれんばかりのおねーちゃんが障害物競争をしているのだが、もたもたしていると後ろから、人間の腰から下の部分だけが存在し、ちんちん丸出しな「ういんなーくん」が追っかけてきてねじこまれてしまう……というかなり不条理な設定。さらにその障害が、ちんちん型をしたスケベなウナギの沼が下に用意されている平均台だったりと、なんだかどうにもクレイジーな設定。この競技がどこで行われているのか、だれが見ているのか、実況はだれがしているのか。そういったことはいっさい描写されない。描写はエロいが、かなりシュールで、かつパワフルな作品である。
【単行本】「らぶシャワー」 尾木千波矢 英知出版 A5
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わりと妹モノ系が強そうなタイプ。実際に出てくる女の子たちは妹でない人たちが多いのだけど、小柄で甘えてくる感じがあり、妹的性質を持っている。まとまりのいい絵で安心して読めるタイプ。
【単行本】「背徳のアラカルト」 T.郁弥 一水社 A5
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ぱっちりおめめで、おっぱいぼいんぼいん。過剰なところはないけれど、気軽に読めてけっこうHなこともしている。ハードな雑誌の中ではちょっとほのぼのとしたアクセントにもなるし、ソフト路線でもそぐわなくはない。強烈な固定ファン層はつかないかもしれないが、それなりにボリューム感はあるタイプの作風なので、雑誌的に見ると使い勝手が良さそう。
【単行本】「秘密の部屋へようこそ」 松任知基 松文館 A5
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前半はライトな絶倫AV女優&男優エロコメ。後半ではうってかわって誘拐監禁凌辱モノもあり。女の子はぷりぷりピチピチと肉感的で、実用面もちゃんとサポート。エロもコメもダークサイドも、いずれもきっちり仕事をしている感じ。
3/8(水)……州都の衆徒の舅は囚徒
職場の前にあるコンビニが酒を置き始めた。仕事が終わらなくて泊まりつつうだうだいっている中、エネルギー充填のため、ビールを1本買って飲む。俺はぐでんぐでんになるほどでなければ、飲んだほうが目が冴えてくる(つまり眠くならない)タイプなので、ビールあたりは喝入れにちょうどいい。本日はサッポロビールの新製品、グランドビアとかいう奴を試しに飲んでみた。ドライのような舌触りで、麦の味を濃くしつつ、後味をサッパリさせた感じか。けっこう特徴のある味でまあまあイケる。普通に売っているビールで一番好きなのは、サッポロ黒ラベル
なのだが、サッポロ系は全般に相性がいいような気がする。
……といった感じで、食ったもの飲んだもの日記もたまにはいいかなあと。
【雑誌】YOUNG YOU 4月号 集英社 B5平
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榛野なな恵「Papa told me」が巻頭カラー。今回は宇宙に対して想うことなどが、軽やかな言葉に乗せて語られる。で、それはそれとして、ついに「ピエタ」の単行本が4月19日に発売されることが決定したらしい。しかも1、2巻合わせて。かなり力の入った物語で読みごたえはバッチリ。そろそろ出ないかな〜と思っていたとこだっただけにうれしい。今号と次号で、鴨居まさねの「オカメと巻毛」前後編80ページが掲載。隣同士で、子供のころから一緒だった、地味めなおんなのことバカチンなおとこのこの物語。前編は幼少から思春期くらいまで。ゆるゆるとした開放された雰囲気が気持ちよい。来月号では山下和美だ。わーいわーい。
【雑誌】FEEL YOUNG 4月号 祥伝社 B5平
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三原ミツカズ「DOLL」。洗練されているけど装飾もしっかりした絵柄で、DOLLを手がかりにして人の心の側面を鮮やかに切り出していく。喜び悲しみに、ちょっぴりの皮肉をエッセンスとしてプラスして、お話をきっちりまとめあげる腕前は見事。こいずみまり「CUT×OUT」。会社をやめて実家に戻ることになった女性が、これを最後に会えなくなってしまうオトコの家で残りのときを過ごそうとする。なかなかドラマみたいにはかっこよくは行かないが、それもまた切り口によってはドラマになる。カラリと明るいノリのいい作品もいいけど、こういう静かなお話もまたいいですな。
【雑誌】週刊少年マガジン 3/22 No.15 講談社 B5平
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巻頭カラーで、大島司「シュート!」が再開。今度は「〜新たなる伝説〜」とのこと。左足にこだわり、左でしかサッカーをしないけどそれでも奇跡的なプレーを連発するマジカル・レフティなキャラクターが今回のメイン。こいつが掛川の前に立ちはだかったりするわけなのかな?
【雑誌】週刊少年サンデー 3/22 No.15 小学館 B5平
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西森博之「天使な小生意気」。元男な美少女、恵がどんどん女の子らしくなっていてよろしいなあ。ヌルさが増してきている。あさっての方向にいったままなかなか帰ってこない、石渡治「パスポート・ブルー」。膨大な盗撮写真満載のハードディスク。おさかんですなあ。
3/7(火)……フィーティエイターズ
どうも夜にならないと仕事がはかどらない。というかここの文章も、夜にならないと気が乗ってこないので、夜中の3時からとかにならないと書き始めないことが多い。まあ午前1時くらいに家に帰ってきて、そっから風呂入って漫画読んでとかなると、どうしてもそういう時間になるとかいうのもあるんだが。おかげで睡眠が1日4〜5時間程度なので、会社に着いたばかりだと仕事がはかどらず、また夜までいることに……とかいう事態になりがち。こういう流れをどっかでリセットして、生活改善しないとなあ。目指せ1日8時間睡眠。まあ世の中にはもっともっと睡眠時間を削って、いろいろ強まっている人はいっぱいいるわけで、あんまり贅沢もいってらんないんだけど。
【雑誌】増刊ヤングチャンピオン 4/15 秋田書店 B5中
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グラビアに力が入っている分、490円とちょっと高め。前田愛&亜紀は可愛くてええけど。本誌連載作品のうち、葉月京「恋愛ジャンキー」、作:宮崎克+画:高岩ヨシヒロ「松田優作物語」が掲載されている。
今村夏央「はたち」。すかんぴんなロクデナシのチンピラが、昔の彼女に再会。メシをおごってもらったり情けない状況だが、ヨリを戻すのをちょっと期待してしまったり。「ファイヤーキャンディ」以来の、美少女系の柔らかい絵にゴツゴツした骨っぽさをミックスした力強く細密な絵柄で描かれる青臭い物語。ググッと読ませるイキの良さ。田口雅之「アクター」は第2話。第1話は前回の増刊ヤングチャンピオンに掲載。飄々として弱っちそうだけど、実はスゴ腕な殺し屋の男の物語。いつもながらに脂っこく、アクションはきっちり迫力をもって見せる。こむら孝久「音速天使ヨギー」。乗るヤツが次々と死んでいくという死神伝説を持つバイク「チューンドCBX」の8人めの主がこの物語の主人公。なんかものすごいことをしでかしそうでありながら、バイクを愛する気持ちを描いて意外と静かに終わる。ただ、この暑苦しくてしっかりと描き込まれた絵柄には惹かれるものがある。ページの使い方の大胆さとか、スコーンと抜けた構図の取り方とか、見せ方がなかなかダイナミックで効果的。かなり面白い作品を描けそうな人と感じた。井荻寿一「ただ今修業中!」。ああ〜、もう井荻寿一の描く女の子は可愛すぎる。上品でほんのり薫る色っぽさもあって。しっとりとした触感のある絵柄には毎度やられっぱなしだ。漫画における女の子絵としては、俺としては最もヒットする作家の一人。
【雑誌】漫画アクション 3/21 No.12 双葉社 B5中
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おお、なんか面白げな企画が。夢枕獏の小説「魔獣狩り」を漫画化するにあたり、作画者を公募するのだそうだ。「魔獣狩り」の中から好きな場面を20ページの漫画にし、それを審査して作画者を決定。発表は2000年12月発売のアクションとダ・ヴィンチにて行う。最終審査は紀伊國屋ホールで一般公開ありで行うそうだ。これが成功するかどうかはまあ応募作品しだいだと思うけど、こういった意欲的なプロジェクトを仕掛けてくる姿勢は買える。最近のアクションは全体的に面白いが、これまたやる気を感じさせる企画だ。ここ数ヶ月で、この雑誌はすごく良くなっている。注目中。
作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」。相変わらずメキメキ面白い。ほかに類似する作品があまりなく、親しみやすい垢抜けない絵で、ぐいぐいと物語を進める。「めぐみのピアノ」は、今、読んでみたい作品のかなり上位。もう5巻まで出ているそうだが……。
【単行本】「イッパツ危機娘」6巻 原田重光 講談社 B6
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これにて完結。最後までジェットコースター的に危機的状況を、ドタバタ下品に描きつけ、馬鹿馬鹿しくて楽しかった。途中で少しテンションが落ちた時期もあったが、この巻はまたけっこう面白くなっていた。タイトルどおりイッパツネタ的漫画ではあるが、それだけにうまいことツボにハマるとおかしくて良い。
【単行本】「闘破蛇烈伝DEI48」 前川かずお 講談社 B6
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この巻からは、別冊ヤングマガジン掲載分が収録。3巻での闘いの後、記憶を失っていた破武男が猛々しく復活。一見力強い格闘モノでありながら、その実は狙いまくった馬鹿漫画。筋肉ムキムキのふんどし尻穴七兄弟である「毒尻七兄弟」と、アゴなしゲン的なボウボウの体毛を利用した発電を武器とする痺 電丸がこの巻では飛び抜けてナイスキャラ。下品でマヌケで力づくなアクションに、毎回爆笑させられる。馬鹿漫画って素晴らしいですな。
3/6(月)……わー、王様が働いてるー
横綱が煙草をすっているー。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 3/20 No.14 集英社 B5平
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岸本斉史「NARUTO」。今回は表紙を飾っているが、なかなか好調に推移しているように思える。アクションにハッタリが利いてるし、キャラクターについてもいい表情を描く。読切、鈴木信也「POOL SHOOTER」はビリヤード漫画。冒頭のシーンのコンビネーションショットが、あんまりすごくなさそうに見えるのだけど……。9ボールだったら当たり前のような。桂正和「I''s」。インターネットで伊織ちゃんをレイプ予告メッセージが。うおー。いいぞー。良い子はマネするなー。どうしても伊織ちゃんのような娘がヤラれているところが見たかったら、胃之上奇嘉郎の単行本がオススメ!(既刊は松文館「ブラックマーケット」、ヒット出版社「OVER FLOW」)
【雑誌】ヤングマガジン 3/20 No.14 講談社 B5中
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笠原倫「ジェンマ THE PASTAMAN」。ジェンマが作ればうどんもパスタ。ジェンマに強力なライバルが出現したが……というところで以下次号。大げさなノリがステキ。すぎむらしんいち「超・学校法人スタア學園」。今回はコキジのアクションがすごく面白かった。あとそれだけで笑わせてしまう表情の付け方も絶妙。抜群の演出力が、ギャグにふんだんに注ぎ込まれていてたまらなく面白い。天野明「ぷちぷりラビイ」は今回で本誌登場はいったんおしまい。というわけで次は4/20発売の別冊ヤンマガで。
ヤンマガでは今度「Mr.ヤンマガ2000」のオーディションをするらしい。フツーの美男子ではなく、とにかく個性的な人を求むとのこと。ヤンマガだけに、スッゴイのが来そうだなー。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/20 No.14 小学館 B5中
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曽田正人「昴」。顔ちいせー。手足ほせー。なげー。相原コージ「相原コージのなにがオモロイの?2000」は、なんかだんだん面白くなってきている。今回のもけっこうイケる。ボケ挿入のリズムが良い。
【単行本】「球魂」7巻 岩田やすてる 小学館 B6
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熱血卓球漫画。この巻の主役は、貧相な顔のゼッペキカットマン・鎌田くん。妙に目をキラキラさせて、ボールに話しかけながらカットしまくる姿はけっこう異様。ではあるが、しかし打球するシーンは迫力があって、面白く読めてしまう。岩田やすてるは、パワフルで微妙にハズすノリが味わい深い。そしてスグル vs.鄭の頂上決戦もスタート。こちらはガチンコの好勝負。
【単行本】「WORKING ANGELS」 尾山泰永 桃園書房 A5
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おおきめなおっぱいはそれなりにキャッチー。まあ全体的に可もなく不可もなく、あまり印象に残るタイプではない。お話は安易なものもけっこうあるけれど、手堅くHを入れてまとめてそれなりにオカズカットも用意してある。エロ漫画におけるごはん系といったところ。
【単行本】「好きだけど好きだから」 ぢたま某 ティーアイネット A5
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新装版。1994〜95年に掲載された、ぢたま某デビュー作である長編連載作品。一心同体でお互いに依存しあってずっと暮らしてきた姉・香穂と弟・清一郎だが、弟が彼女を作ってしまう。それを知った姉は、弟への愛、依存が強かっただけに不安定な精神状態に。その姉を元気付けるため、清一郎は香穂を再び抱くが、その現場に彼女が居合わせてしまい……。お互いに相手を想う、姉、弟、彼女の気持ちが絡み合いながら、物語は緊張感をもって進む。もう5年前の作品だが、ライトな絵柄ながらストーリーはシリアスで力が入っており、今なおぐいぐい読ませる。新装版には、作者による解説などなどいろいろお遊びが収録されてて、そんなあたりも楽しい。
【単行本】「濡れてる理由」 つるぎ基明 東京三世社 A5
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かなりトロトロ。ヒロインはだいたい、二筋だけ触覚っぽく髪の毛がぴよんと跳ねていて、長めの袖から手の指から先だけ覗かせ、ちょっとおどおどと初々しい態度の女の子。言葉遣いは「〜ですぅ」(違うのもあるが)。なんかHなことを仕掛けられても、「だめですだめですぅ」とかいいながら応じてしまう健気さ。オタク的に骨抜きなノリが充満しており、かなり魂腐れていて良い。おおむね女の子は少女系ロリで(幼女系ロリではなく)、大きなおにいちゃんがダメになっちゃう感じですよ。
【単行本】「天然!! NATURAL "B"」 戸浦きゅら 東京三世社 A5
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絵も話もそんなにうまいわけじゃないんだけど、なんか味わいがある。エロ漫画だが、ノリは一昔前の少女漫画といった感じ。一昔前は少女漫画を読んでなかったのにこんなこというのもなんだが。今どき性的な知識を持ってないウブな看護婦さんだとか、やることはやってるわりに妙に浮き世離れしている。硬めな線や端々の描写がどうにも古くて、それがかえって味になっている。なんか面白く読めてしまった。
3/5(日)……ダイヤを混合
本当は休んでる場合じゃ全然ないんだけど、手持ちの原稿はすべてさばいてしまったうえに、なおかつ残りの原稿がまったく来なくて出社してもすることがないもんだから心ならずもお休み。困ったものよのう。
強姦系のアンソロジー本。漫画執筆陣は銀星王、ゴブリン、三菱そあら、鷹那優輝、葦原将軍、小林かずみ、みずい、DELTA・M、塩屋舞子、葉月獅子丸。銀星王はグルグルおめめな女の子の、顔を歪めた泣き叫び顔が嗜虐心をソソる色っぽさがあっていい。小林かずみの人妻モノ、塩屋舞子の電車内凌辱モノなど、全体的に問答無用で男のストレートな肉欲を爆発させる作品が多く、実用度は高め。あ、あとゴブリン先生がいつもの調子でガングロのヤマンバ系コギャルを理不尽に懲らしめていらっしゃるのも頼もしい。
【単行本】「ロマンス」9巻 高見まこ 集英社 B6
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この巻でいちおう終了。吾郎と、新しい想い人の逃避行は悲劇的な結末に。うーん中途半端な終わり方になってしまった。巻末に「ロマンス」のエッセンスを凝縮した、ダイジェスト版的な読切「夢旅人」が掲載されていて、いちおう結末らしきものを呈示しているけれども、やはり本編をきっちり最後までやってほしかった。とくに「ロマンス」の初期、吾郎少年時代あたりは浪漫的雰囲気があふれていてすごく良かっただけに残念。
【単行本】「月下の棋士」27巻 能條純一 小学館 B6
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A級リーグは残り1戦を残すのみ。氷室が刈田に勝ち、佐伯が大和天空に負ければ滝川への挑戦権を賭けてプレーオフにもつれ込むという展開。毎回いうけど長くなりすぎた感じがする。もっとスパッスパッとお話を進めて、10巻程度にまとめてくれれば文句なく名作だったと思うんだけど。
【単行本】「陰陽師」9巻 作:夢枕獏+画:岡野玲子 白泉社 A5
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スコラ版バーズ掲載分が入ってない白泉社メロディ版「陰陽師」はこの巻から。岡野玲子の精密でかつ自然な描写は、すでに揺るぎない風格。全12巻刊行予定はメロディに移っても変わっていないようなので安心。
【単行本】「ダイヤモンド」8巻 青山広美 小学館 B6
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最終巻。プロ野球界を席巻した替え玉4番打者・種田の物語は幕を閉じる。野球漫画としては、ピッチングフォーム、打撃フォームがぎこちないところもあったのだが、しかし速い球を思いっ切り振り切って遠くまで吹っ飛ばすことしか頭にないような野球は、単純だが見ていて素直にカタルシスを感じるし、気持ちいい。とくに種田と、200勝目前の名投手、浜野の対決のくだりは背筋がゾクゾクするような迫力があった。
【単行本】「天上天下」4巻 大暮維人 集英社 B6
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実は1〜3巻は買ってないんだけど。ジャンキーズのレビュー用。ウルトラジャンプでは全話読んでるのでまあ大丈夫だろう。必要となったら1〜3巻もちゃんと買う。
格闘系高校生バトルモノ。エロ漫画雑誌からウルトラジャンプに移籍して連載を始めた当初は、話がいまいち見えず、エロ漫画のほうが面白かっただけにもったいなく思えたものだが、「天上天下」も回を重ねるごとにキャラクターが立ってきてどんどん面白くなってきた。ばいんばいんな女の子を瑞々しい絵柄で描く作画クオリティはやたらと高いし、ところどころにサービスカットも挿入し、飽きずに読ませる。アクションシーンも派手だし、エンターテインメントしてて面白いじゃないですか。それにしても大暮維人の描く乳は、ゆさゆさと重たげでいいですのう。
【単行本】「愛のカタチ」 百済内創 オークラ出版 A5
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2冊めの単行本。まだ2冊しか出してなかったというのはちと意外。女の子の身体をむちむちと柔らかそうな質感で、キャッチーな絵柄で描く。滑らかでまとまった描線は、すでに相当に完成度が高い。ライトな作風だけど、きっちりHだし。メジャー系の雑誌(ヤングチャンピオン)に引っ張られるだけのことはある。この人の描く乳も質感があって好み。
【単行本】「甘い素肌」 前田健二郎 富士美出版 A5
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前田健二郎については、以前コミックジャンキーズが独立したムック形式で発行されていたころVol.4でレビューしたことがある。その当時は「背景が全然描かれてない」とか、「お話に入っていけない」とかけっこう酷評してしまったのだが、今回の単行本はなかなか面白かった。もともとペンタッチはキレが良かったが、お話、絵ともに進歩している。とくにいきなり「やってもいない前回までのあらすじ」から始まる「Event Magic」なんかは小技が利いてて面白かった。まあ背景がうまくないというのは変わってないのだけど、ヘタにトーンを使ったりせず、省略したりうまいことごまかしたりしてそんなに気にならなくなっている。
【同人誌】「新 戦え!筋肉番長」1〜3巻 加藤礼次朗 <大日本番長連合製作所>
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アスキーコミックに発表する予定で描き貯めていた原稿を同人誌化したものとのこと。これで1999年12月時点で存在する「筋肉番長」の原稿は、ほぼ全てなんらかの形で印刷されて頒布されたことになるそうだ。
このシリーズでは、番長金バッジを争って、筋肉番長たちと将軍番長陣営が激突する。筋肉番長については今さら説明するまでもないかもしれないが、代々の番長一家に生まれた虚弱体質の主人公が、ナース派手の調合した特殊な薬液によってムキムキの番長に変身し、ほかの番長たちと対決する……というお話。荒唐無稽だけど豪快、パワフルに読ませる。やたら濃厚で変態的なキャラクター、暴走するアクション、大げさだが実は馬鹿馬鹿しい設定などなど、ゴリゴリとエンターテインメントする剛腕ぶりに毎度感心させられる。コミッククラフト、コミックジャスティス、アスキーコミックと掲載誌は次々なくなってしまったが、そんなこと気にすんな! 3巻の段階ではまだ物語は途中なので、ぜひ続きが読みたい。
3/4(土)……闘え! ブレーメンマン
そういえば、眼鏡っ娘アイドルっていないのかなー。世の中にはそういう人もいるかもしれないけど、ある程度名前が知れててそういう人は、残念なことに知らない。漫画・アニメの中ではあんなにたくさんいて、なおかつかなりメジャーな存在なのに、なぜ現実にはそういういい感じの物件がメジャーシーンに出てこないのだろう。眼鏡、三つ編みちょっぴりドジな女の子。登場のたびにコケてペロッと舌を出してみたり、スタジオの掃除をさせられてみたりするのだ。このご時世ならウケると思うんだけど。少なくとも一部の層の熱烈な支持は取り付けるに違いあるまいて。
【雑誌】アックス Vol.13 青林工藝舎 A5平
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今回の特集は、アテナ映像のAVでもおなじみ平口広美。新作の「鬼坂」という漫画も紹介されている。漫画とは全然関係ないが、平口広美は容貌は非常にナイスなのだけど、AV男優としてはちんちんが柔らかそうでいまいちヒットしない。なんか雰囲気的に笑わせてしまうものが多いので、ガッチリ実用目的なときには避けるようにしている。
花輪和一「免業日」。おなじみの刑務所漫画シリーズ。今回は、刑務所内での作業を免除される日「免業日」の囚人たちの生活を、例によって例のごとくな執念深いタッチで描く。刑務所に入っているというのに、日々の食事や昼寝にこのうえない充足感を抱く花輪和一の幸せそうな姿ときたら! 甘いものを食べているときの至福の表情なんて、もうこたえられないほどに「ええ顔」である。河合克夫「ブレーメン2000」。いつもの倍ぬるくなっているそうだが、実際このナンセンスさは素晴らしい。泥臭くて飄々として、得も言われぬ味わい。清水おさむ「美しい人生(後編)」。女装趣味を持つバリバリ課長の生き様を、劇画系の脂っこい絵柄で濃厚に描く。バッときてグッときてガッとしかいけない男の、女装に賭ける意気込みは業が深いけどまっすぐで痛快。高密度なエネルギーがビンビン放射されててステキだ。
【雑誌】ホットミルク 4月号 コアマガジン B5平
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瓦敬助「菜々子さん的な日常」が巻頭カラー。菜々子さんはあけっぴろげでぷりっぷりしててかわいいねえ。こののんびりした健康的なムード。いい。是非単行本にまとまるくらいまで続けてほしい作品。田沼雄一郎「G街奇譚」。今号も登場。以前よりいくぶん絵はシンプルになった。探偵助手のお嬢さまが、和服姿でかわいいぞ〜。最初はけっこうおてんばだったのに、ずいぶんいじらしくなったような。シャーク闇鍋「コタツ娘DEテケテケテ」。この人の絵柄は、全体としては瑞々しいけど、ペンタッチ自体は乾いてて、ぽってりとした肉付きのキャラクターなどなどかなり特徴的。イキが良くてけっこう好きな作風である。それからみかん(R)「YOUR SONG」。白と黒のコントラストのしっかり利いた、細密なペンタッチが美しい絵柄で今回も目を惹く。暗めなお話と絵柄がよくマッチしている。少女の表情や身体つきなどがとても生っぽいのが良い。
コミックジャンキーズ、今回は斉藤0子ホットミルク初代編集長のインタビューが読みごたえあり。15年間も続いている雑誌だが、この本は本当に作家の入れ替わりが激しい。それだけ新しい才能をどんどん発掘し新陳代謝しているというのもいえるし、作家が居つかない雑誌ともいえる。もちろんほかのところから引っ張られてしまうような、実力のある人を見つけてきているというのもあると思う。やはりこれだけたくさんの才能を輩出したエロ漫画雑誌というのもあまりないだろうし、特筆されるべきであろう。俺はたしか田沼雄一郎「PRINCESS OF DARKNESS」が終盤に差しかかったころから読み始めた。田沼雄一郎、末広雅里、天竺浪人、りえちゃん14歳といった、今でも大好きな作家たちの作品を初めて読んだのもこの雑誌だし、エロ漫画の中では個人的に最も思い入れの強い雑誌である。まさか自分がその雑誌で原稿書くことになろうとはねえ。今までさんざん楽しませてもらったご恩返しという意味も込めて、頑張って書かせていただきますぜ!
【雑誌】コミックフラッパー 4月号 メディアファクトリー B5平
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駕籠真太郎「パラノイアストリート」。今回のテーマは「恥」。ちと大人しいかな。伴ルツキ「魔法のエンジェル グリグリビューティー」。近藤るるるに似たキュートな絵柄。こちらのほうが線が細かいのはうれしい。ショタっ気も満載だし。雑君保プ「そして船は行く」は、メタクタなノリで展開する回転のいいギャグが楽しい。
筆尾悟「渚 NAGISA」。巨乳な女の子がライフセイビングに挑戦するという新連載。浮力がたっぷりありそうなデカい乳だ。大石まさる「みずいろ」外伝。2色カラーが美しい。今回は、後輩の女の子のかつみちゃんがメインな活劇モノ。暖かい絵柄ながら、胸やら脇やら、二の腕やら股関節やらの描き方がなにげに色っぽい。そこらへんが作品に滑らかな手触りを与えていて良いですな。むは。なめぞう「遠足」。読切で描く、父と息子の物語。父はチョコレート菓子を万引きをしてしまった息子を叱りはしないが、彼を旅行に連れていく。チョコレートの原産国、アフリカはガーナへ! 微笑ましい話なんだけど、どうしてもやりすぎなくらいのことをやっちゃうあたりがなめぞうらしい。でもやはり、次はそろそろ怒れるオヤジの物語「ハイライト」の続きが読みたいぞ。
【雑誌】花とゆめ 3/20 No.7 白泉社 B5平
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日渡早紀「宇宙なボクら!」。主人公の女の子がかわいい。モジモジしてて、意志が弱そうなところが良い。高尾滋「ディアマインド」は連載第2回め。借金のカタに金持ちに引き取られて、10歳の小僧の婚約者にされることになってしまった女の子。柔らかく暖かいタッチの絵柄は好感度高し。
【単行本】「ブレーメン」 河合克夫 青林工藝舎 A5
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いやあ面白い。絵は地味なのだけど、どんどんお話をあらぬほうへあらぬほうへと転がしていき、読者を煙に巻く軽妙なノリは実に見事。とくに60ページ近くある「月の砂漠」は読んでいてクラクラするほど。ソバージュにしてくださいという女性を丸刈りにしてソバを頭にぶちまけ、最終的にはカミソリで頭を割って殺してしまうイカれた美容師のところからお話は始まり、オフィスでタコを丸呑みにする課長、その部下のOL、月の砂漠を行く主従……などなど、まったく関連のなさそうな場面が説明もなく入れ替わり立ち替わりし、脳髄をとろかすような不可思議なハーモニーを繰り広げる。異様なことをやりつつも肩の力は抜けており、その流れに身を任せているうちに、見知らぬところへと誘われてしまう。かっぷくのいいブリーフと白くつしただけの外人男の写真を大胆に配置した表紙にメゲず、ぜひ一読してみることをオススメする。
【単行本】「殺し屋イチ」6巻 山本英夫 小学館 B6
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この巻は、主役であるイチは登場しない。もっぱら、垣原と暴力双子兄弟たちが中心。主役が出てこないにも関わらず、面白さは減少するどころか増大している。それだけ、山本英夫の描くキャラクターたちは個性が強い。暴力やレイプにおいても張り合わずにはいられない凶悪双子もいいが、SM、痛みを物語として捉え、究極の痛みに向かって自らを高めていこうとする垣原は、近年まれに見るいいキャラクターだ。彼らに圧倒的なパフォーマンスを授ける、その演出力、描写力はまことにもってスゴイ。暴力はかくも理不尽で支配的なものなのだ。
3/3(金)……休憩付き
今日は丸尾末広「笑う吸血鬼」を読んだのだが、この単行本でうれしかったのは判型が雑誌と同じB5だったこと。やはり美麗な絵はデカい判型で見たい。漫画の場合は、手で本を持って読んだときに、見開きだとちょうど視界を埋め尽くせるくらいのサイズが適当だと思う。文庫や新書判サイズというのは好きでない。元はB4だかの用紙に描かれている原稿をそこまで縮めてしまうのは、なんぼなんでも乱暴だと思うからだ。もちろん単行本にならないよりはマシだけど。でも漫画業界的に考えると、ゲームなどに対抗するには携帯性がカギになってくるだろうし、単行本小型化は必要なことなんだろうなあ。
秋重学の読切に惹かれて初購入。
今号の目玉は松本零士「新 宇宙戦艦ヤマト」がスタートしたこと。主人公は古代進32世。あのヤマトの時代から1000年経った世界での話だ。1ページぶち抜きで宇宙に浮かぶ地球。ゆっくりと姿を現す宇宙船。おおお、宇宙だ宇宙だ。銀河! 星雲! ブラックホール! ワープ! なんか一つひとつのアイテムが、俺の少年的スピリットを刺激する。実際お話も、まだ最初のところだけだが相当に面白くなりそう。いいじゃないですか。舞台の壮大さに、すでにワクワクしている自分がいる。大風呂敷って素晴らしい! こういうノリって、最近なかなか見られなかっただけに、読んでてとても嬉しくなった。橋口たかし「シザーズ」。美容師を目指す少年の青春モノ。貞本義行ばりの洗練された絵柄と、しっかりとお話を作って読ませる少年誌らしい展開。なかなか良い感じ。カサギヒロシ「ナインハンドレッド」。「逃走鉄馬バイソン」などのカサギヒロシである。スケボーもの。この人のクセのある、泥臭い絵柄はけっこう好き。ドタバタとしたノリも心地よい。そして秋重学「タンデム」。普段学校では無口だけど、一人バイクに乗り回している間はイキイキとしている少年。彼が、町で同じクラスの女の子、鮎川にバッタリ出会う。鮎川のペースに乗せられて、結局二人乗りで海を目指してゴーということになるが……。少年&少女の触れ合いが、実にキラキラと眩しく描かれている。キャラクターたちが青い空に溶け込んでいくような、スカッとした構図取りが印象的。爽快感にあふれる佳作。
といったわけで通しで読んだのは初めてだけど、全体にきちんと少年誌を作ろうとする意欲が伺え、充実していると思った。今回が第3号で、1号2号も立ち読みしたけど、今号は前2号に比べてもだいぶ充実した印象を受けた。案外読める作品が多く、面白かった。
【雑誌】ヤングジャンプ 3/18 No.14 集英社 B5中
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壬生ロビン「バラ餓鬼」は第3話め。歳三の恋はやはり悲恋に終わりそうな気配。線は上品だけど、激しさも出せるのでお話に幅を持たせられる。今までの短編が単行本に収録されてくれるといいんだけど。
桂よしひろ「ドラゴン・ヒート」。この人はかなり絵が達者。とくに今回の、巻頭4ページ4色カラー、それから2色ページなどは相当クオリティが高い。キャラクターのポーズの付け方とかがとてもダイナミックで、線に伸びがある。あとは草津てるにょ「〜夢幻画境〜」。奥様が身体にHになる薬を塗られた状態で、主人の実家のお茶屋さんの店頭でパートをさせられるとことか、いいですな。草津てるにょは線が滑らかで、熟れた人妻がなかなかトロトロに描けている。ここらへんは俺の性的嗜好にマッチしているがゆえに誉めている。催淫ローション系のお話は好きなんだよう。人妻はいうにや及ぶ。
【雑誌】エンジェルクラブ 4月号 エンジェル出版 B5平
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今号はしろみかずひさ「精液便所」が掲載されていない。次号予告にも名前なし。たぶん、単行本作業のためなのだろう。雑誌全体的に見て、ガツガツと実用性を追求するパワフルな誌面は、今号も勢いがある。怖いもの知らずである。
巻頭カラーは吉良広義「ボトムノック」。かなりビキビキで血管浮きたつ邪悪なちんちんを描くので最近けっこう気になっている。女性も体格はしっかりしていて、いかにも荒淫でありそう。厚ぼったい唇といい、アイテムが全体に濃い。クセはあるけど、線自体はキッチリとしていてなかなかうまいと思う。あずき紅「朧月都市外伝・夜の方程式」。おっぱいがデカくて汁気が多く、ちんちんもたくさん。激しく形を変えてばゆんばゆんと揺れる乳の描き方など、実用目的をガッチリ満たす一作。はるきゲにあ「監禁凌辱2000」。監禁されてレイプされている女性の前にやってきた変態コギャル。空気により膨張するディルドーで、かえるよろしくお腹をぱんぱんに膨らましてガクガクいうくだりは圧巻。奴隷ジャッキー「凌辱回廊」。いいねえ。ほっぺたのむっちりしたキャラクターたちの、ダイナミックに変わる表情が印象的。救いのない妄執漂う暗いムードも良い。
【単行本】「笑う吸血鬼」 丸尾末広 秋田書店 B5
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ヤングチャンピオンに掲載された作品。関東大震災のころ、その容貌から鬼婆と呼ばれて人々にリンチされて殺され、吸血鬼として復活を遂げた老婆により吸血鬼にされた少年が主人公。光を避け、闇の中で少年の瞳が怪しく輝く。連載当時は掲載ペースが何話かやっては休みという感じでもどかしかったが、こうやって一気に読むと、なるほどかなりに面白い。人外の者と化して肌は蒼白くなり、眼光だけは逆にギラギラと光を帯びてくる少年。そして彼に選ばれた少女との二人だけの世界は、血みどろで不吉で、病的に美しい。世界を丸尾色で塗りつぶす筆力は圧巻。
【単行本】「悟空道」10〜11巻 山口貴由 秋田書店 新書判
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悟空たちの旅は続き、11巻後半でようやく天竺一歩前というところまで到達。天竺の下りはかなり気合いを入れて描かれそうな気配なので楽しみ。ずいぶん長くなった感はあるが、ここからどのような決着に持っていくのかに注目。当方に迎撃の用意あり。
【単行本】「砂の巨人」 諸星大二郎 朝日ソノラマ A5
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古本。初版は昭和59年だからえーと1984年。リビアのあたりに流された海賊たちが砂漠を行く「ロトパゴイの難船」と、アフリカのサバンナ系の土地で暮らす原住民の少年と、白人の少女の物語「砂の巨人」が収録。すでに15年以上前の作品なのだが、今読んでも十分な読みごたえがある。諸星大二郎の絵が、今でも古びない迫力を持っているとうのがやはりデカい。はるか遠くの世界へ心を飛ばす想像力をかきたてる作風は、やはり一流である。絵物語であることは承知していつつ、手を伸ばせば作品世界に触れられそうな存在感も同時に感じる。
3/2(木)……となりのポポロ
会社の上司から、「こねこといっしょ」とのトレードで「ポポロクロイス物語II」をゲット。ちょっとわらしべ長者気分。面倒くさいからしばらくポポロIIはやらないと思うけど。とりあえず気合が入るまでほっておく。やり始めるのはいつになることやら。
【雑誌】モーニング 3/16 No.14 講談社 B5中
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井上雄彦「バガボンド」。武蔵と胤舜が死闘を前に対峙する。まだ二人はにらみ合っている段階だが、その間合いの空気は手でつかめるんでないかと思うほどに恐ろしく濃密で、緊迫感があふれる。紙に印刷されているんだから見逃すはずはないんだけど、それでも「目を見開いて次の瞬間をけして見逃すまい」などといったことを考えてしまうほどに、一触即発な気配が充満している。高橋ツトム「鉄腕ガール」。巻中カラー。女子プロ野球開幕。選手の女性たちが、強く美しく、そしてまたかっこいい。諸星大二郎「鳥を売る人」。モーニング初登場。地下のシェルターらしき空間に住みつき、地上に出ることもなくなった人類。人々は空を忘れたまま、毎日を過ごしていた。そんななか、とある街にやってきた雑貨屋。彼は「鳥」という生き物をかごの中につれていたが、誰も鳥という生き物がどんなものか分からない。空を忘れて人類にとって、鳥に関する知識も失われた情報の一つであった。人々はそれをどう扱っていいものやら戸惑い続けるが……。最初の2〜3ページだけで、実にうまいこと世界観を呈示し、諸星大二郎的SF世界に読者をググッと引き込んでくる。そして地に足のついた語り口でじゅんじゅんと物語を進めていく。そこで語られるものは、現実離れはしていても、手触りはしっくりと肌になじむ。ラストの開放感も見事で、さすがと思わずにはいられない。貫禄を感じさせる面白さ。MANGA OPENの青木雄二賞、杉作「イモウトヨ」は、筆のようなタッチの描線がなかなか良い雰囲気の猫物語。猫の視点で描くというのはまあありがちといえばありがちだが、わりと面白く読めたし、きちんと自分のタッチを持っているので連載を持ってもけっこうやれそう。というかむしろ連載向きという感じもした。
【雑誌】ヤングサンデー 3/16 No.14 小学館 B5中
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かわぐちかいじ「バッテリー」が連載に。甲子園を沸かせた海部と、彼とバッテリーを組んでいたが、プロではライバルとなる武藤。二人の野球人の物語。山田芳裕「度胸星」。火星の大地における地球人類と幾何学的な未知の物体の遭遇劇。壮大な宇宙ロマンが繰り広げられそうな展開に心踊る。山本英夫「殺し屋イチ」。今回はジジイが大活躍。肉体を鍛えているのはイチだけでない。ジジイの殺しに賭ける美学や狂気が見え隠れする。さらに物語は深まりを見せる。ますます次の展開が楽しみになってきた。
そして次号から、松永豊和「バクネヤング」がついに復活、第3部スタート。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 3/16 No.15 秋田書店 B5平
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園田ともひろ「オバコブラ」が新連載。どこからどう見てもおばさんである外見と、オバサン的メンタリティ、バイタリティを持つ気合はいりまくりな女子高生「オバコブラ」が主人公のギャグもの。なんか妙にパワフルで、力づくで笑いをとるタイプ。激しさは買い。能田達規「おまかせ!ピース電器店」。今回はケンタローとモモコがデート。ケンタローは暴走し、それに悩まされつつもやっぱりモモコはついていってしまう。仲睦まじきさまが微笑ましい。
3/1(水)……萌えプロン
TINAMIXデビュー。「漫画的男子しばたの生涯一読者」という連載を執筆。毎月1日更新号に掲載される予定。今回のテーマは「1999年の漫画を振り返る」。書いてるときはメチャクチャな文量が多いように思えたし、一年分の日記からネタをピックアップしてくるのはけっこうな手間だったのだが、実際にページデザインされてみるとそんなに長くもない感じ。短編作品や雑誌についての感想など、書き漏らしたことも山ほどあると思う。でももうアップされたものだし言い訳はナシ。納得できない部分は、そのぶん次回の原稿を良くすることでリベンジってことで。
【雑誌】週刊少年サンデー 3/15 No.14 小学館 B5平
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椎名高志の新連載「MISTERジパング」がスタート。信長、秀吉、家康、光秀あたりがからむ、ドタバタコメディアクションモノといった趣。安西信行「烈火の炎」。ロリでメイドかー。
【雑誌】週刊少年マガジン 3/15 No.14 講談社 B5平
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平沢たかゆき「プレイステーションを創った男達」。タイムリーに、そしてガツガツと、こういう作品を投入してくる貪欲さはさすが少年マガジン。作品は安っぽいけど、こういうのもきっと必要なのだ。上条明峰「SAMURAI DEEPER KYO」。おお、魔女っ子ヘアー。巻いてます巻いてます。
まんがタイムファミリー4月号増刊。志村貴子、橋本ライカが載っているので購入。基本的には4コマ誌だが、全体にまんがタイムジャンボと同じような構成で、ところどころに4コマでない普通のコマ漫画が入るといった形式。志村貴子、橋本ライカも4コマでないほうで掲載。
まずは志村貴子「楽園に行こう」。教え子の中学生に告白されてドギマギしている教育実習中の女性のお話。「敷居の住人」でも見られるような、巧みな描写がこちらでも遺憾なく発揮されている。達者な絵柄と、一定の間隔をもってセンスよく配置されるセリフの数々。どんどんうまくなっているなあ。橋本ライカ「ラクじゃないよね」は、女二人のお気楽なコメディもの。雑誌カラーに合わせてか他愛ない作品に仕上げてきている。それから非4コマではもう一人、今井美保「オンリー・ミー!」もサッパリとして柔らかみのある絵柄でけっこう良かった。4コマでは小本田絵舞「マニアな彼女」が、相変わらず軽やかにいい仕事している印象。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 3/15 No.6 小学館 B5中
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東本昌平「SS」。静かな描写ながら、切々と主人公の想いが伝わってきていい。「僕は頑張ったでしょうか?」。響くなあ。読んでてホロリと来た。いわしげ孝が読切で登場。「透明人間のノイズ」。他人と触れ合うのがイヤで、透明人間的ヒーローに憧れる男。自分の殻にとじこもり、他人に無関心。まあ読ませるのだが説教くさく、キャラクターの性格が類型化されてて分かりやすすぎるような。作:坂田信弘+画:かざま鋭二「でんでん虫」が最終回。そして、次号では高田靖彦「演歌の達」も。最近雑誌のロゴも変わったが、じょじょに雑誌のカラーを変えにかかってきた感じがする。次号では新田たつおの新連載がスタート。新田たつおはスペリオールで前に描いていた人だから今までの枠内ではあるのだが、やはり全体にリイドコミックとか、そこらへんのオヤジ向け雑誌に近い方向にシフトしつつあるような印象は受ける。
【雑誌】ビジネスジャンプ 3/15 No.7 集英社 B5中
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2話一挙掲載の小泉すみれ「アイドルと恋に落ちる方法」がなかなか良かった。No.1男アイドルと恋に落ちてしまったフツーの女の子。アイドル男のほうは、実はけっこう普通のやつだったりするのだが……。状況的にはそれなりにドラマチックなのだが、それをのんびりとした雰囲気で読ます垢抜けない作風が気持ち良い。作:近藤雅之+画:有賀照人「警視総監アサミ」。今号も唐突に、意味もなく出てくるエロが味わい深い。そういえば、以前この作品の原作者を間違えて「近藤唯之」と書いてしまいました。ごめんなさい。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 3/15 No.6 講談社 B5中
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一色まこと「ピアノの森」。最初はこにくらしかったピアノ少女が、今回はどんどん可愛くなってきた。髪をほどいてから後はもうたまらぬ。しっかりキャラクターを作ってあって面白く読めた。地下沢中也「毛付き!! フラン健DX」。童顔でダイナマイツバディの妻と、変態夫が、ドエロ道を突き進む。性欲に忠実すぎるくらい忠実な、ダメ人間な夫婦の姿がとてもナイスに描かれている。どうしようもなくていいなー。桑原真也「0(ラヴ)リー打越くん!!」。回を重ねるごとに、加速度的に京花さんがタイヘンなことになってきている。かなり煮詰まった展開。さてここからどう持っていくか。相変わらず先が読めない漫画である。
いやあ、面白いじゃないっすか、今月号は。出来の良い作品が多かったッス。
まずはかるま龍狼の新連載「人妻姫」。巻頭カラー。タイトルからしてもう素晴らしいのだが、本の表紙をめくった瞬間に「やられた!」とおもった。「人妻専用エプロン」と書かれたエプロンにより裸エプロン状態な人妻と、王子様が笑いさざめきながらお花畑を駆け巡る! これだよ、俺が欲しかったのは! ビバお花畑! ビバ人妻! かるま龍狼は人妻を描くのがたいへんうまい人だが、その集大成をこの作品で発揮してもらいたい。OKAMA「スクール」の最終回も実に天晴れ。前号まででギチギチと主人公を追い詰めまくり、今回はさらにハッピー・エンドっぽくありながら、底意地の悪いラストを呈示する。見事なまでに読者の裏をかき、気持ち良く放り投げてくれた。絵のセンスは相も変わらず抜群だし、お話も非常に戦略的で、ラストも素晴らしい着地を見せた。今まで読んだOKAMA作品の中では、これが一番好き。分かりやすいし。それから陽気婢「ハッピーバースデー・トゥー・ミー」。最近不調気味とか思っていたけど、ごめんなさいって感じ。出張ヘルスを呼んだ男の部屋にやってきた女の子。部屋の中で一緒に過ごすうちに、二人はじょじょにいいムードになっていく。今回は恋愛スタート時のういういしさが実に気持ち良く描けていて、ボーイミーツガールなトキメキがあった。やっぱりいいときはいいですなあ。SABE「阿佐谷腐れ酢学園」。根性のねじくれたキャラクターによるねじくれたギャグが楽しい。伊藤真実「LAD:UNA」。細身のヒロインが健気で可愛らしくていい。絵の達者さはいうに及ばず。
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