◆ 2000年4月下旬 ◆
4/21〜30
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4/30(日)……夢のてんぷら
オツアン4月「復刻希望の絶版単行本」は本日をもって投票締切。総投票数は415。タイトル数は177。結果詳細はこちらを参照のこと。小原愼司「ぼくはおとうと」と須藤真澄「アクアリウム」が最後まで抜きつ抜かれつだったが、結局両者譲らず同数1位。上位10作品中6作品と、講談社勢の多さは最後まで変わらず。
で、5月のテーマは「漫画にしてほしい他メディア作品」に決定。「これを漫画で読んだら面白いだろうな〜」と思える作品を投票してくだされ。ジャンルは小説、映画、劇、歌などなんでもOK。コメント欄に「この人に作画してほしい!」という希望や、元ネタのデータやどんな作品なのかも書いておいていただけると幸い。ちと奇をてらった感のあるテーマに思えるかもしれないけれど、漫画好きの人が好む他メディア作品っていうのは、けっこう刺激的なもんだと思うんす。
5月はこんなもん買うッス。雑誌とかも含めると購入スケジュールのCGIのような感じ(定期購入雑誌については、プログラムで自動処理されているので休みとかは考慮されていないけど)。
日 | タイトル | 作者 | 出版社 |
上 | 貧乳法典 | アンソロジー | あまとりあ社 |
1 | スピリッツ増刊Manpuku! | | 小学館 |
2 | 度胸星(1) | 山田芳裕 | 小学館 |
2 | ブラブラバンバン(3) | 柏木ハルコ | 小学館 |
2 | カケル(12) | 竹下堅次朗 | 小学館 |
2 | シーソーゲーム(1) | 原秀則 | 小学館 |
2 | どいつもこいつも(3) | 雁須磨子 | 白泉社 |
6 | チョコの歌(4) | 架月弥 | ソニー・マガジンズ |
6 | レンアイアレルギー(4) | 藤枝とおる | ソニー・マガジンズ |
8 | アゴなしゲンとオレ物語(4) | 平本アキラ | 講談社 |
8 | しあわせ団地(1) | 蓮古田二郎 | 講談社 |
8 | ヤンジャン漫革 | | 集英社 |
9 | 0リー打越くん(4) | 桑原真也 | 講談社 |
10 | アレルギーの特効薬 | 北方国明 | 司書房 |
10 | 沸点1000度 | 中田ゆみ | ワニマガジン社 |
10 | アフタヌーンシーズン増刊 | | 講談社 |
11 | BMネクタール(1) | 藤澤勇希 | 秋田書店 |
11 | 悟空道(12) | 山口貴由 | 秋田書店 |
12 | 恋愛ディストーション(1) | 犬上すくね | 少年画報社 |
12 | みずいろ(1) | 大石まさる | 少年画報社 |
12 | イケてる2人(8) | 佐野タカシ | 少年画報社 |
12 | トトの世界(3) | さそうあきら | 双葉社 |
中 | ウェンディ | 松本次郎 | 太田出版 |
中 | へろみの夏休み | キクチヒロノリ | 青林堂 |
17 | ぷるるん娘 | KASHIみちのく | 司書房 |
18 | 女装社員薔薇のヴァネッサ | しりあがり寿 | マガジンハウス |
18 | おまかせピース電器店(18) | 能田達規 | 秋田書店 |
19 | けだもの会社(2) | 唐沢なをき | 集英社 |
19 | 01 ZERO ONE(3) | 奥浩哉 | 集英社 |
19 | ピエタII | 榛野ななえ | 集英社 |
19 | スロップマンションにお帰り | 高尾滋 | 白泉社 |
24 | ほんとうに怖い童話 | | ぶんか社 |
24 | BET(2) | 押川雲太朗 | 講談社 |
24 | なるたる(5) | 鬼頭莫宏 | 講談社 |
24 | ディスコミュニケーション精霊編(2) | 植芝理一 | 講談社 |
24 | ひまあり(1) | 上野顕太郎 | 講談社 |
24 | ぶっせん(2) | 三宅乱丈 | 講談社 |
25 | 幽玄漫玉日記(3) | 桜玉吉 | エンターブレイン |
25 | 銭ゲバ | ジョージ秋山 | ソフトマジック |
25 | DARLING2 | 飛龍乱 | 富士美出版 |
27 | 軍鶏(8) | たなか亜希夫 | 双葉社 |
27 | BARレモンハート(16) | 古谷三敏 | 双葉社 |
27 | CURA(1) | 六田登 | 双葉社 |
29 | きりきり亭のぶら雲先生(4) | きくち正太 | ソニー・マガジンズ |
29 | スカートさん(1) | 吉田戦車 | ソニー・マガジンズ |
30 | モラトリアム | うらまっく | 海王社 |
30 | e | Rate | 海王社 |
30 | 演歌の達(9) | 高田靖彦 | 小学館 |
30 | ギャラリーフェイク(19) | 細野不二彦 | 小学館 |
30 | SS(1) | 東本昌平 | 小学館 |
30 | ビールとメガホン | 細野不二彦 | 小学館 |
30 | 最終兵器彼女(1) | 高橋しん | 小学館 |
31 | 彼女とデート | 有川祐 | エンターブレイン |
下 | 夏草子 | おかざき真里 | 飛鳥新社 |
下 | 地獄組の女(1) | SABE | 久保書店 |
下 | 鋭利菊単行本 | 鋭利菊 | 心交社 |
下 | ジンバルロック | 古泉智浩 | 青林工藝舎 |
下 | 夢幻(1) | ふくしま政美 | ソフトマジック |
下 | 未来の恋人たち | 犬上すくね | 大都社 |
松本零士「新宇宙戦艦ヤマト」。古代家に伝わる羅針儀に導かれ、古代進32世はヤマトへ向かう。「ヤマトへきたれ」。これから始まる旅と戦いに向けて期待が高まる。羅針儀が物語る歴史の重みなどなど、ゾクゾクするなあ。橋口たかし「シザーズ」。熱血美容師漫画。達者な絵柄で熱く物語を盛り上げている。西条真二の新連載「藤太参ります」がスタート。かつて剣の天才と呼ばれ、現在はナンパ千人斬りを目指しているへらへら男、藤太が主人公。ふらふらしている藤太の前にある日、日本刀を持った女の子が現れ勝負を挑んでくる。なにやら彼女は、自分が藤太のいいなずけであるというが……といった感じの出だし。女の子も出てくるわりとカラッとした剣劇ものになりそうな気配。
【単行本】「STAND★BY み〜ちぇ!!」1巻 永野のりこ 講談社 B6
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泣くと怪獣を出現させてしまう難儀な体質のみ〜ちぇが、学校でハブにされているメガネくんの谷(通称タニシ)と出会い、お友達になる。怪獣、メガネくん、かわいい女の子、孤立する人たちなどなど、いかにも永野のりこなアイテムがつまったお話。基本的に明るくコメディタッチで進むので気軽に楽しく読める。まあマンネリっていえばそうなんだけど、それが楽しいんだからいいじゃないですかといったところ。
【単行本】「月下の棋士」28巻 能條純一 小学館 B6
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紆余曲折のあったA級リーグもい最終戦、氷室vs.刈田、佐伯vs.天空が決着。そろそろ最後の大一番に向けてお話が盛り上がってきている。どんどんテンションを上げるべし。
【単行本】「オートバイ少女」 鈴木翁二 筑摩書房 A5
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帯の言葉によれば「'70年代から現在まで熱烈に支持されてきた鈴木翁二の代表作品集」とのこと。俺が生まれたころ(1970年代前半)に描かれた作品がけっこう含まれていて、俺程度の若僧では正直、その時代の感覚を共有しきれないし、俺より上の世代の人たちが読んできたようには読めないところもたぶん多々あるのだろう。でも、じめじめとむさ苦しいアパートの一室に住まう男たちの生き様は、どこか懐かしく肌になじむ。作品に込められた詩情が、切ないような暖かいような感覚を呼び起こす。
【単行本】「夢の温度(夏祭り)」 南Q太 祥伝社 A5
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1冊めは宝島社からの発行だったが、2冊めは祥伝社から。
今回の巻では、1冊めで中心的な役割を果たしていた女の子の竹田さんの兄、それから彼の担任の女教師・原町子サンの二人の恋がメインとなる。むしろ町子サンが主役といっていい。生徒と教師であり、若いけれど大人っぽい彼と年上だけどオクテだった彼女の関係をしっとりと描いている。描写は静かだけれども、彼女のトキメキととまどいが、さりげなく、そして巧みに表現されている。南Q太いは、恋人たちの、微妙な距離感、いろいろなステキなものや思惑をはらんだ空気を描く腕前が抜群だ。つくづく面白い。お見事。
4/29(土)……上海スパンキング
↑ふと思いついて「いつか使うこともあるかな」とメモしておいたシャレが使えてちょっとうれしい。「おはよう!スパンキング」って手もあったか。スパンクスパンク大好きよ。
【雑誌】漫画ホットミルク 6月号 コアマガジン B5平
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今回は面白い作品が多くて、かなり満足な出来。コミックジャンキーズはおしりコミック特集。しのざき嶺のインタビューも掲載。漫画のほうも、狙ってかどうかは知らないが、おしり重視なものが多くていい塩梅。
まずはおしりってことで、砂「尻の道」。左右対称に近い画面がドバーンと目に飛び込んできてヴィジュアル的に迫るものがある。壮観。涼子に下される指令ワードも修行的雰囲気でビシッと決まっている。面白かった。それからMARO「愛のイニシエーション」もおしりを駆使。MARO節全開で俺にバカウケ。この物語は「まったく信じられないバカ女だぜ」「亭主に内緒で3千万円もカルト教にお布施しちまうなんて」というセリフから始まる。その後、奥さんがズンズンやられまくるのだが、ベタベタで奇妙にズレた感じのセリフの連打がもうおかしくておかしくて。「奥さんのA感覚は大したものだ!」。なるほど、そうなんですか! 第3回コア漫画大賞 特別奨励賞の宮咲都志幸「まにあくす」もお尻系。女教師の尻に、お腹がパンパンになるほど大量のグリセリン液注入。ダークな雰囲気かつ水っ気のある絵柄で、雑誌によってはすぐに活躍できそうな感じ。上月まんまる「スパンキングメイドクラブ」はメイドさんのお尻をひっぱたきまくり。いつもより画面が黒々。この人はなかなか絵もうまいしセンスあるなあと思う。
天竺浪人「甕」は前回の続き。物語の深みという点では、天竺浪人にしてはもの足りなく感じはするけれども、エロ描写は巧みだしやはりうまい。田沼雄一郎「G街綺譚」。今回は続きモノ。いよいよ本格的にホットミルク復帰かな。瓦敬助「菜々子さん的な日常」も毎度グッド。菜々子さんのボリューム感のあるあけっぴろげなお色気、それから瓦くんの学生生活がディティール細かく描かれていてノスタルジックな雰囲気もあって良い感触。菜々子さんと瓦くんのラブストーリーになったりしないところがまたいいねえ。
なお、p.300の我執院譲治筆のペイントロボ「秘密戦隊アワレンジャー」のレビュー、「テンポ良くギャグを繰り出されるギャグが」は「テンポ良く繰り出されるギャグが」の間違い。よりにもよって、今回レビューした本の中でもかなり面白い部類だったので、この書き間違いは痛い。申しわけない。
【雑誌】アックス Vol.14 青林工藝舎 A5平
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第二回アックス新人賞が発表。マンガ評論新人賞は、石原進吾さんの文章が、選外ながらも参考作品として掲載。石原進吾さんは、たしか一度だけお会いしたことがある。この評論新人賞で求められているようなタイプの評論は俺にはピンとこないし、自分が目指す方向とは恐らく正反対ではあろうけれども、こうして知っている人が頑張っているところをみると方向こそ違えど刺激になるし「よし俺も」という気持ちになれる。
で、漫画のほう。まず古泉智浩「真夜中の聖火ランナー」。クラスの嫌われ者二人が、オリンピックの聖火ランナーになるがやはり失敗。頭の悪そうな男子二人の姿を味わい深く描いていて面白い。島田虎之介「エンリケ小林のエルドラド」は、草サッカーをやっている小林くんのバイクからお話が始まり、そのバイクの来歴を語る。単純な絵柄で淡々とお話が進む。そのリズムがなんだか心地よい。泉昌之「食い改め候」。ジャンクフードをこよなく愛する現代に生きる侍(本当にちょんまげ結って着物を着ている)が、コンビニで買ったカップやきそばを賞味。カップやきそばのあの安っぽい風味のイメージが駆け巡り、思わず食いたくなってしまう。こういう食品について語らせると、泉昌之は抜群に強い。
秋山亜由子「赤岩」。本を読んでつい興味を持った青年が、山中深くに打ち捨てられた廃村を訪れる。地味ながらも、細かく描き込まれた画面で、肌にしっくりなじむ。とてもいい雰囲気。松井雪子「眠るおねえさん」。おねえさんの見る夢と現実がぐちゃぐちゃに入り混じる幻想的なお話。いつもよりだいぶ描線が細かく、こちらも夢に取り込まれていくような読み心地で面白かった。はなわかずいちは、いつものけいむしょまんがしりーず「むしょのしょくどう」。「よいこえばなし」形式で描かれていて、4ページながら描写が細かい。この視線のねちっこさは迫力がある。
【雑誌】オースーパージャンプ 5/25 集英社 B5中
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週刊少年ジャンプで「ボンボン坂高校演劇部」とかを描いていた高橋ゆたかが登場。タイトルは「世界一さお師な男 伊達千蔵」。かっこいいさお師が今まで一度もイッたことがないというアイドルの心を癒す。高橋ゆたかは、ギャグもやるけど、女の子を描いたときはとくに描写が繊細でキレがあってうまい。この作品も女の子が魅力的に描けている。まあお話的には無難にまとまった感じだけど。高見まこ「美弥の恋」。「ロマンス」同様に、大正浪漫な雰囲気で、きめ細やくエロスを描いていて艶めかしい。
佐野未央子「君のいない楽園」が掲載。60ページ。今はなき写真家の娘である少女と、その写真家の弟子である青年の、恋愛未満な物語。佐野未央子の描く女性キャラ、とくに少女は描写が細かくて、キラキラしていて魅力的だ。男はちとのっぺりし過ぎてて、美男だけどもの足りなく思えてしまうが。
【単行本】「マウス」1巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6
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普段は生徒にもからかわれ、美人教師三人組にもイジメられている新米非常勤講師である無音宙太。だが彼は、実はどんなものでも盗み出す怪盗・マウスだった。そして、学校では彼をイジメている美人三人組は、マウスの忠実な召し使いであり肉奴隷であったのだ……。
それなりにかっこいい盗みのアクションをやったと思ったら、次のページでいきなり美人三人組が全裸で「ああ〜ん好きにしてご主人様〜」とくる、ものすごい頭の悪さ、落差に圧倒される作品。エロ漫画でもブイブイいわせていた板場広志ののどごし滑らかな絵柄も、おばかさんでサービスたっぷりなお話にジャストフィット。ダイナミックな馬鹿さ加減で脳味噌をトロトロにしてくれる。
【単行本】「羽生生純の1ページでわかるゲーム業界」 羽生生純 エンターブレイン A5変形
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タイトルを見ると分かる通り、ゲーム業界が1ページで分かる漫画である……というわけではもちろんなく、羽生生純がゲーム会社を取材してあまり取材した意味がないようなことを描いたり、ゲームに関する妄想をたくましくしたりする漫画である。
で、実際読み進めてみると、これがあんまり面白くない。1ページものの漫画をまとめているということもあって、密度が高すぎて細かく読む気がせず、一冊の単行本としてはテンポもあまり良くない。一番面白いのは、「恋の門」の特別篇だった。一回一回はそれなりにいいので、単行本で読むよりも、むしろほかの記事と同列にこれが雑誌に1ページ載っているという形態のほうが面白く感じられるタイプだと思う。
【単行本】「恋の門」1巻 羽生生純 エンターブレイン A5
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羽生生純2冊同時発売。コミックビーム連載の本作はとても面白い。A5単行本の4分の3くらいの幅を占めるぶっとい帯がまたかっこいい。アスキー/アスペクト/エンターブレインの単行本は装丁がかっこいいものが多くて好きだ。
「恋の門」は、「漫画芸術家」を名乗り石を紙に貼り付けた漫画ともいえないような前衛的な漫画を描き続ける男・蒼木門と、美人であり同人作家でコスプレイヤーでもある証恋乃の二人の、恋と愛と青春の物語。周囲に合わすことのできない不器用な門と、コスプレ系女子である恋乃を結びつけるのは、愛か、それとも打算なのか。羽生生純の暑苦しくゴツゴツした切羽詰まった絵で描かれた物語は、青臭く、唐突で、やたらとテンションが高い。異様だが、顔を背けられない。デブで似合わないコスプレを「普段着」として着こなし恋乃を追いかけ回すデブのストーカー女など、登場人物たちの業の深さは圧巻。
4/28(金)……検察エンジン
台湾取材用にデジカメ購入検討中。携帯性が良く、画質もまあまあ、200万〜300万画素クラスを希望。とりあえず、撮影枚数がかなりなもんになるからスマートメディアだと64MBが最大なんで話にならない。マイクロドライブは必須。となると、キヤノンのS10あたりかなあ。でも電池が汎用の奴じゃないし、保ちもあんまり良くなさそうだし……。すでに1世代前の機種(後継機はS20だけど画質があんまり良くないらしい)だけに、も少し安くなってくれればって感じではあるんだが。うーん悩む。本当はカシオのXV-3が良さそうなんだけど、発売が6月23日に延期されたので取材時には間に合わないし。
ゴールデンウィーク前ラッシュ。購入済み未読分は以下のとおり。これに加えて、今日は手に入らなかったが羽生生純「恋の門」、雁須磨子「いちごが好きでもあかならとまれ。」あたりも出ている模様なので、明日にでも購入予定。まあゴールデンウィークは長いし、せっせと備蓄しておこう。
【雑誌】コーラス 6月号 集英社 B5平
【雑誌】週刊少年マガジン5/23増刊 マガジンFRESH 講談社 B5平
【雑誌】GOTTA 6月号 小学館 B5平
【雑誌】オースーパージャンプ 5/25 集英社 B5中
【雑誌】COMIC裏モノJAPAN 鉄人社 A5平
【単行本】「マウス」1巻 作:あかほりさとる+画:板場広志 白泉社 B6
【単行本】「センチメントの季節」5巻 榎本ナリコ 小学館 A5
【単行本】「羽生生純の1ページでわかるゲーム業界」 羽生生純 エンターブレイン A5変形
【雑誌】ヤングキングアワーズ 6月号 少年画報社 B5中
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巻頭カラーで作:佐藤順一+画:美夜川はじめ「STRANGE DAWN」が新連載。オタクチックではあるものの軽快なノリで、アワーズにはしっくりなじんでいる。平野耕太「ヘルシング」が掲載。今回もハッタリがズバズバ利いていてかっちょいい。黒々とした画面がビシッと決まっている。ただ、今回はお話的にはつなぎのあたりなので、ダイナミックな展開はこれからって感じ。
【雑誌】ヤングアニマル 5/12 No.9 白泉社 B5中
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文月晃「藍より青し」。あっま〜い。二人がお互いの「好き」を確認しあって、もうトロトロ。これだけ真っ正面から「大好き!!」とかいうとは。ちょっといまどき珍しいほどの直球勝負である。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。うーん、エッチだ。上品でありつつ色っぺえ。田中ユタカ「愛人[AI-REN]」。今号も泣かせる展開。田中ユタカのエキスが凝縮されている。さて次は。
【雑誌】ビジネスジャンプ 5/15 No.11 集英社 B5中
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作:一色伸幸+画:おかざき真里「彼女が死んじゃった。」が巻頭カラーで連載スタート。まさかおかざき真里がビージャンに出てくるとは。意外。ラブホテルの待合室で出会った男女(もちろん別のパートナーを連れていた)が、意気投合して名前を名乗るよりも前に身体を重ね、やりまくる。おかざき真里のキレ味の鋭い作風が生きていて、なかなか鮮烈な印象。面白くなりそうで期待。作:近藤雅人+画:有賀照人「警視総監アサミ」。萬田警部補が上司にいいように操られていることをしってしまった、アサミの相棒の原田。そして、やはりエロシーンはお約束どおり繰り広げられるのだった。この脈絡のなさは異様で、スパイシーでさえある。甲斐谷忍「ワンナウツ」。渡久地の策略にハマって、どんどんゲームが壊れていく。掟破りの行為の連続だが、これぞ頭脳プレー。まさに狡智って感じで数ある野球漫画の中でもちょっと類を見ない展開。連載再開してからすごくいい。作:夢枕獏+画:谷口ジロー「神々の山嶺」。ググッと読みごたえのあるぶっとい面白さ。谷口ジローの精密な作画による岸壁の迫力、骨太な山男の鋭い眼光。腰が据わっていて凄みがある。さすが谷口ジロー。素晴らしい。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/15 No.10 白泉社 B5中
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「演歌の達」の高田靖彦が新連載。タイトルは「ざこ検マルチョウ」(マルチョウは○の中に潮)。新米検事の成長物語といった雰囲気。ポジティブでハツラツとした雰囲気は「演歌の達」同様。作画もしっかりして地力のある人だけにこの連載も期待できそうだ。聖日出夫「だから笑介」がついに最終回。最後はやはりズッ。お疲れさまでした。
次号から作:鶴岡雄二+画:永松潔で「孫正義物語 孫がゆく」がスタートするらしい。今日発売のビジネスジャンプでも、井上篤夫の小説「志高く−孫正義の青春−」がスタートしてしまった。今、ビジネスマン系月2雑誌で、孫戦争が勃発? まあどうでもいいんだけど、個人的には漫画雑誌でまでこのおっさんの話を聞くはちとうっとうしい。会社でだけで十分なり。
陽気婢「ママゴト」。年上の女性と一緒に暮らす少年のお話。マジメそうにしているけど、やりたい盛りな彼は、日夜Hな妄想で悶々としている。そんな彼を包み込んでくれる優しいおねえさま……という感じ。相変わらずのスマートな作風で、甘くとろけるような読み心地。お話としては大きくないけど、きれいにまとまっている。やはりこういう甘い風味を描かせると、陽気婢は強い。ピロンタン「ウシコ印牛乳」(「印」は本当は○の中に印の字)。酪農を志す成年と、人間的外観を持つ牛のウシコちゃんの愛と牛乳の物語。牛がみんな人間の女の子の外観というへんちくりんな世界が、ごく当たり前のように繰り広げられていてナイス。第6回快楽天新人漫画王奨励賞受賞作家、くどうひさし「大雪山奇譚」が掲載。絵柄的にはG=ヒコロウのフォロワーといった感じ。女の子はちとうらまっく的。とりあえずイキは良さそうだし、楽しくまとまっているのでいいんじゃないでしょうか。かるま龍狼「人妻姫」第2話。あくまでコミカルでありながら、ロリ系メイド、それから王妃さま(もちろん人妻)と、エロスなあたりも押さえていてご立派。絵柄のプリチーさといいナイスセンス! 初登場、峠比呂「珍世界より」は、不治の病に侵されている女の子が、コールドスリープで治療法が確立する未来へとワープ。5世紀後に目覚めて病気を治してもらうが、そこは人々が全員下半身丸出しで、下半身を隠す者は問答無用で犯されるというクレイジーな世界であった……というお話。アッサリした絵柄でキャラクターはわりと魅力的。雰囲気も楽しく、まあまあ面白く読めた。
最近、かなり馬鹿馬鹿しく突っ走った作品を描いていて注目中の祭丘ヒデユキ。今回の「レ研」は、プリティー大学ゲルドルバキャンパスで活動するレイプ研究会のお話。「Oh!レイプ最高」の略である「オーレ!」という挨拶がグッドな味わい。今回も随所でイカれたことをやってて面白い。第1話めとしては上々の滑り出し。「気がむいたらつづく」らしい。桂よしひろ「はたらけ奥さん!」は、以前掲載された人妻・加奈さん凌辱モノの続き。この人は作画的にも達者だし、物語で読ませる話も、実用寄りの話もしっかり描けていて良い。今回は実用寄り。
4/27(木)……仁王タイムリー
DDIポケットが配布している「H"向けアプリケーションソフト」(DDIポケットのページからダウンロード可能)が、ようやくサン電子のH"用USB接続通信ケーブル「U-Cable typeP1」に対応。ついでにU-Cable typeP1のファームウェアアップデートプログラムもサン電子のWebからダウンしてきて、ファームウェアを書き換え。これでようやくPCからH"の電話帳を編集できる環境が整った。あとは電話帳に電話番号を登録するトモダチを増やすだけだ!
【雑誌】週刊少年チャンピオン 5/11+18合併 No.23+24 秋田書店 B5平
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能田達規「おまかせ!ピース電器店」。月影アイちゃんがケンタローに色仕掛けせむとて激しくアタック。アイちゃん&モモコ好きにはたまらない。能田ギャルの健康的なかわいさを満喫。高橋葉介「学校怪談」は、九段先生がお幸せになりそうな……ってな感じのところでまたトラブル。そして次号で最終回。あらまあ。
【雑誌】ヤングサンデー 5/11+18合併 No.22+23 小学館 B5中
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山本英夫「殺し屋イチ」。泣きながらの殺しっぷりが、生臭くてかつ痛快。ズバッと足が動き、血がビュウビュウと噴き出す。カタルシス抜群。いわしげ孝「新・花マル伝」。花マルと世界ジュニア王者・アランの手に汗握る攻防。試合のシーンが、スピード感たっぷりで、激しく熱い。
【雑誌】モーニング 5/11+18合併 No.22+23 講談社 B5中
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山下和美「天才柳沢教授の生活」は、柳沢教授が小学生のころの想い出の人に出会うために遠出する。美しく、そしてほろ苦くもある想い出のワンシーンを鮮やかに切り取り、今の想いもスウッと気持ち良く昇華させる。とても良いお話。揺るぎのない話運び、高い完成度、決めのシーンの美しさ。毎度うならされる。作:亜樹直+画:的場健「サイコドクター」。心理カウンセリングを営むサイコドクターが主人公の、精神分析推理モノのシリーズ。今号から5週連続登場。真っ向から精神分析をやっているが、いささかベタベタでもある。とはいえ、キレの良い描線で作画品質は高いし、やはり読ませるだけの魅力はある。高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」は、インドまぐろ子vs.カレー子の、肉で飯を洗う料理対決の様相。今回はマウスは食う役だが、インパクトの面では完全にインドまぐろ子に食われている。圧倒的に脂っこい有無をいわせぬ展開が、馬鹿馬鹿しすぎてジャイアント面白い。女体盛りは、ニョ・タイモーリ男爵がティアードロップをしながら食べるために発明したものであり……。三宅乱丈「ぶっせん」も相変わらず馬鹿馬鹿しくて、カラリとした楽しさ。いがらしみきお「ガキおやじ」はほのぼのと最終回。
【雑誌】ヤングジャンプ 5/18 No.22+23合併 集英社 B5中
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井上雄彦「リアル」2nd.が掲載。周りと合わずバスケ部を退部させられたけど情熱は燃えさかってもんもんとしている大男と、車椅子バスケの天才。この二人の男を軸に回るバスケ漫画。2号後のヤンジャンNo.25に続編が掲載予定。毎度、乱れのないガッチリとしつつシャープな絵柄で、読みごたえのある話を作る。今回はこれからの展開に向けての助走って感じ。次回以降も要注目。月イチシリーズ、作:相田公平+画:佐藤久文「アンファン・テリブル」。佐藤久文の絵はなかなか達者。沙村広明とか奥瀬サキとかに近めな雰囲気(もちろんその二人には及ばないけれども)。ただ、今回はお話がちと唐突すぎる感あり。見せ方はうまいし、雰囲気は好きだけど。読切、神田かずき(「かず」はさんずいに闊、「き」は毅)「足下の鬼」。新撰組の土方歳三と遊女のお話。壬生ロビンといい、なんか新撰組がヤンジャン的マイブームか。「足下の鬼」は、作画などはけっこう骨太でしっかりとしているが、もう少しひきつけるものが欲しいという印象。
4/26(水)……シュラフフフ
社屋移転に備えて引っ越し準備中。この機会に、長年のつき合いで俺臭がかなりキツいレベルでしみ込んだ寝袋を廃棄。最近Webマガジンになってから、毎日忙しいけど、泊まりは減ったのでたぶんしばらく必要ないだろうし。ともあれ1800円とかで買った奴のわりにはよく働いてくれた。会社で寝るのに使う場合、寝袋は蓑虫型のやつよりも封筒型のほうが使いやすい。中に入ることもできるし、開いて一枚ぶとん状態にして使うこともできるので。
【雑誌】フラミンゴ漫画大賞作品集4 三和出版 A5平
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とてもワクワクしながら読んだ。これだけアクの強い漫画賞というのもなかなかほかにはあるまい。絵的にはヘタなものがほとんどなんだけど「俺はコレを描きたい」という情熱があふれている。そしてその成果は激しく畸形である。フラミンゴ本誌掲載作品よりも完成度は劣るが、どろどろした原始的な情念においてはむしろこっちのほうが強力といってもいい。かなりの破壊力があるので、フラミンゴ本誌でもウッとくるという人はやめておいたほうが無難。逆にフラミンゴ本誌を読んでも「もっともっと」と思える人はぜひ。熱いぜ、この本。
10本ほど作品が掲載されているが、巻頭3作がとても素晴らしい。まずは掘骨砕三「むしさん。」。キュートなかわいらしい絵柄で、最初は「おおかわいいじゃん」って感じなのだが、そこからがすごい。顔は女の子、身体は虫と人間が入り混じったようなむしさんに捕えられた少女が、むしさんによってアナザーワールドに引き込まれていく。かぶと虫の幼虫や、黄金虫の幼虫みたいなのが無数にでてきてうぞうぞ蠢き、膣内をひっかきまわすさまはかなり壮絶。でもキュートな絵柄であるため、不思議と軽やかでもある。生理的にダイレクトに訴えかけてくるその読み心地はビリビリしびれる。
それから並平凡人「ある星の人々」は、野蛮なまでのパワーを感じる作品。とても美しい星で暮らす人間たちのお話。ここでは女はみな妖精のように美しく争いもなく平和に暮らし、男はぜんぶ畸形に進化、野生化して生息している。絵は正直いって下手な部類。でも人をひきつけるものがある。とくに男の描写がすごい。全部が全部、一人として「まともな生き物」でない。その造形の奇怪さ、そしてその男たちに女が犯され、ときには内臓を引きずりだされていくさまは読んでてクラクラしてくる。しかも驚くべきことに後味が爽やかなのだ。
さらに新宿悪夢「おチンチン使いピュッピュッ」。この人はこの賞の常連らしいのだが、これがまたむちゃくちゃにハイテンション。自分を凌辱した男たちに復讐するため、おチンチン使いピュッピュッに力を貸してもらうよう依頼した眼鏡娘。ピュッピュッの力でこの娘に上半身と同じくらいのデッカさのちんちんが生え、それを駆使して彼女は男どもを成敗する。線の激しさ、いびつなパワーのほとばしり。ぶちのめされるような作風である。スゲエ。
あと、新人ではないが、やまたのをろち「おひる」も生理的にウッとくる。精液の匂いが、ツンと鼻をつく。
というわけで、一部の人にはスバラシイ作品集に仕上がっている。フラミンゴがなくなったあとも、作品の募集は続けるそうなので、ぜひまたこの作品集の続刊が出ることを望む。私事になるが、実はこの作品集の1〜3は買い逃している。できれば入手したいので情報ありましたら掲示板にでも情報お寄せいただけますと幸い。
木崎ひろすけ「A・LI・CE」は一話ずつだと話が分かりにくいので、単行本が出たらまとめ読みするとして(出なかったらキリヌキをまとめ読む)。吉崎観音「ケロロ軍曹」は好調。キュートなキャラクターと楽しいドタバタ。カエル、女の子、男の子、それぞれが造形的にイカしている。木下さくら「天然ワンダフルライフ」。エスパー少女の恋物語。キャッチーな絵柄でなかなかいい雰囲気。ひな。「1ねん3くみ桃ちゃん先生」は、今回もロリロリ。よく考えるとかなりイカれた世界なのだが、そこがまた良し。
【雑誌】週刊少年サンデー 5/10+17合併 No.22+23 小学館 B5平
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あだち充先生の待望の新連載「いつも美空」がスタート。たぶんいつもの感じになるのではないかと予想される。
【雑誌】週刊少年マガジン 5/10+17合併 No.22+23 講談社 B5平
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藤沢とおる「GTO」。最近かなり切羽詰まった感じで物語が大きく動いている。シリアスな展開も、ギャグノリでも、どちらでもしっかりこなせるのは地力がある証拠。本島幸久「Teeing off」。「空の昴」連載前の序章。本格連載は5月10日発売号から。弾道が長ズボンになってしまいぽっかり穴が空いてしまった半ズボンゴルフ少年漫画界に、期待の新星登場って感じか。とりあえず主人公には水をぶっかけるといいと思う。
【雑誌】COLORFUL萬福星 Vol.11 ビブロス B5平
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最初のころはいまいちな印象があったが、ここにきてずいぶん作家陣の粒が揃ってきて、とても良くなっている。全般にクオリティが高い。作品ごとのボリューム感はちと足りなめだが、それを補うだけのセンスの良さを見せつけてくれる。
まず氏家もく「Sister In Law」。ロリ系の絵柄の義兄妹もの。妹の誘うようなまなざしに色気がある。絵も完成度が高い。あるまじろう「流れ星老人」後編。この人の整った絵柄は好き。乳が良い重量感。後味のさっぱりしたお話もいい味わい。TAGRO「宇宙のリボンちゃん」。今回は激しくムチャやっている。しんみりしたのもいいけど、こういうのも勢いがあっていい。ちと内輪的なところがあってわからんという人もいるかもしらんけど、パワーで吹っ飛ばせていると思うのでOK。知っていればよりニヤリとできるが、知らなくても十分。ひぢりれい「S.C.E」。やっぱこの人はうめえなあ。克明なタッチで、さらに最近はエロエロなこともやってくれていて実用度も上がっている。藤岡タマヱ「西條礼子の悲劇」。なめらかなタッチでけっこうエロい。美人仲居さん、よいものですな。
春沢一「華人」。漫画的には見にくくもあるのだけど、細かく描き込まれた、柔らかみのある乾いたタッチは実に雰囲気がある。メカッぽさの中に、ファンタジーなところもあってとてもうまい。篠房六郎「ヌポ根」。萬福星ではすっかりおなじみになってきた、馬鹿スポーツモノ。これだけの達者な絵柄で、これだけ馬鹿なことをやってくれると、なんだかウキウキしてきますな。A-10「Lord of Trush」やおかのはじめ「少女のタマゴ」も、見事な作画。
【雑誌】MEN'Sドルフィン VOL,10 司書房 B5中
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うさぎのたまご「レンタルメイド」。借金のカタに、彼氏の友達に一日メイドとして売られちゃった女の子。うさぎのたまごは淡い絵柄なんだけど、やってることはけっこうムチャでノリノリ。イキが良くて楽しくて好きだ。桂よしひろ「種子」。江戸時代あたりを舞台にしたちと怪奇譚っぽさの漂うお話。この人の伸びやかでポーズがダイナミック。繊細な描写もできるし、線が洗練されていてうまい。毎度クオリティ高し。BENNY'S「プライド」、それから井ノ本リカ子「パートタイム」は、柔らかな線でわりとH。とくに井ノ本リカ子は、しっとりとした風情があっていいなあ。
室町時代末期、瀬戸内の海で勢力を誇っていた三島水軍の姫君・鶴が主人公。男勝りで、遠く海の向こうに夢を馳せる彼女だが、戦国の世は彼女の雄飛をなかなか許さない。しかし、彼女は強い意志をもって、島を束ね世を生きる。
このお話は、森秀樹には珍しく女性が主人公だ。鶴は天真爛漫で、強く、そして美しい。生きたキャラクターたちを縦横無尽に動かし、骨太に物語を進める。確固としてゆるぎない、強い面白さを持った作品。森秀樹の作風は地味だけど、読み込むとものすごく面白いし、ハズレがない。このお話も第1巻の時点ですでにいいセン行ってる。きっとこれからもグイグイ読ませていってくれることと思う。期待大だ。
4/25(火)……四つ葉の苦労話
「貴様はかっこよすぎるので国外に出すわけにはいかぬ」。そんな通告を受けてしまうやもしらぬとドキドキしつつ、パスポート申請のため、有楽町のソレらしいところに行ってくる。あえていうならば、6月の頭に取材のため台湾出張ってことになったので、偽造、もしくはモノホンのパスポートが必要になってしまったのだ。そんなわけでその期間は、1週間くらい更新が止まるであろうことを早くも予告しておく。現地でもインターネットには接続セザールを得ないので更新しようと思えばできないこともなさそうだが、さすがに現地で漫画は読めないと思う。たまには漫画から離れて仕事するのもよかろうて。まあ帰ってきたら1週間分の漫画がどちゃ〜っとたまってて(購入は兄に委任する予定)、たいへんなことにはなるんだろうけど。
四季大賞発表。大賞の元町夏央「橙」は、筆ペンっぽい黒々としたペンタッチでなかなかの画力。期待を持たせるけど、掲載予定が書いてないなあ。それから今回の四季賞では、わりといろんなところをさすらってるギャグ漫画家、神原則夫が四季賞(大賞の次)を受賞しているのが微笑ましい。佳作で気になるのは、山本昌幸ときづきあきら。きづきあきらのは同人誌で読めたからいいとして。掲載誌によっては、けっこう速攻でデビューできそうな気もするのだけど。5/10発売のシーズン増刊に掲載される草原与雨子「飴と澱」も楽しみ。今月号に掲載されていたうえやまとち特別賞受賞の大石普人「HAPPY END」は、いいとこなしのイジメられっ子の少年・ノボルの恋の物語。彼はひょんなことから、年上のお姉さんに出会って恋に落ちる。彼女は実は目が見えない人なのだが、それでも健気に生きている。そんな二人の物語を、後味爽やかに暖かく描く。絵自体はぎこちないけれども、シンプルである分、物語が頭に入ってきやすい。なかなか面白く読めた。
それから今月号は、もみじ拓「キリエ」の前編がいい。前編だけで74ページあり読みごたえはかなりのもの。高校に入ったばかりの平凡な男子・紅葉は、親と接するのがうっとうしくてたまらないトシゴロ。そんな彼と同じクラスになった、ちょっと変わり者の少年・青木。彼は文化祭で屋上から、ノートに記された自作の詩とも日記ともつかぬ文章を絶叫するようなエキセントリックなヤツだっだ。そんな彼の、どうしていいのか分からぬような、ジタバタした青春模様を描いている。もみじ拓は絵の技術はそんなにうまくないが、想いを物語に乗せるのがうまい。画面からあふれ出るものがビシバシ感じられて気持ちがいい。後編にも期待大だ。
沙村広明「無限の住人」は、天津の立ち回りが見事。ダイナミックな決めポーズがビシッと決まっている。植芝理一「ディスコミュニケーション」。三島塔子がかっこいい。こういう展開をするとはねえ。
【雑誌】ヤングチャンピオン 5/9 No.10 秋田書店 B5中
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岩明均「剣の舞」。着実に物語を組み立ててきて、戦に突入。地道に面白い。江口賢一「キャスト」は今回で最終回。曽田正人ノリな釣り漫画でありました。
【雑誌】漫画アクション 5/9+16合併 No.19+20 双葉社 B5中
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山本直樹「テレビばかり見てると馬鹿になる」。ゴミやら荷物やらがとっちらかった部屋で、ずっと寝っ転がってテレビばかり見ている女の部屋で起こることを、定点カメラ的な視点で描写。カメラは動かず、時は止まることなく過ぎて行く。物語的にものすごい動きがあるってわけじゃないが、淡々と時が流れていく風情はなんだか読んでいて気持ち良くもある。作:森高夕次+画:あきやまひでき「おさなづま」。「めぐみのピアノ」の快進撃は止まるところをしらず。想像を超えるトントン拍子ぶりが楽しい。国友やすゆき「幸せの時間」。なんか脳味噌がトロけそうなほど、安くてベタベタなお話がたまらない。ポマードの匂い漂うムッとくる脂っこさだ。
【雑誌】ヤングキング 5/15 No.10 少年画報社 B5中
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新連載、市川智茂「ナデシコ平九郎」がスタート。弱ッちいめがね君と、その幼馴染みで町道場のバカ強娘。この道場が火事で崩れようとしているときに、バカ強娘を助けようとして命を落としためがね君に、道場のご先祖様の霊が乗り移り、めがね君はガラッと変わって復活……といった感じでお話はスタート。小池田マヤ「聖★高校生」。いろいろなことがあって家出した神保は、ファッションヘルスで働く女性・華ちゃんに拾われる。自ら招いたこととはいえ、身も心もズタズタになっていた彼だが、華ちゃんと暮らすうちにしだいにいやされていく、という感じ。人の情けが身にしみる、ちょっといいお話。
【雑誌】CUTiE comic 6月号 宝島社 B5平
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今号はいまいちテンションが低い。
その中で、初登場の羽海野チカ「ハチミツとクローバー」はなかなかいい。学生ばかりのボロアパートにおいて、周りを引っ張り回す暴虐先輩と後輩たちの日常。サッパリとした絵柄でコミカルなノリ。女の子の作画は繊細で美しい。朔田浩美の読切「いばら姫」は、バラ農家でバイトを始めた女の子と、その家の息子(美少年)のラブもの。女の子がキュートに描けていて、なかなかイキもいい。
津田雅美「彼氏彼女の事情」は、京都修学旅行編がスタート。わいわいがやがやと楽しそう。俺の母校は修学旅行しないとこだったんで、ちょっとうらやましい。なかじ有紀「ビーナスは片想い」。誰もが想像した通りの二人が前回でくっついたと思ったら、新たなライヴァル登場。大学生なのに、ほぼ初恋ノリであるところが微笑ましい。2000トキメキ獲得。
4/24(月)……ゴッド・マーブ
なんか本日は雑誌集中砲火って感じで、さすがに読み切れぬ&書き切れぬ。しかも大物が多いし(まあ読むだけならば全部読むのは難しかないんだけど)。ゴールデンウィーク前のラッシュが火ぶたを切りおったわい。まあどうせ、ゴールデンウィーク中は本が出ないんだし、ためといてちびちび読むですぞ。
以下購入済み未読物件。
【雑誌】CUTiE comic 6月号 宝島社 B5平
【雑誌】LaLa 6月号 白泉社 B5平
【雑誌】ヤングキング 5/15 No.10 少年画報社 B5中
【雑誌】COMIC CUE Volume8 イースト・プレス B5平
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テーマは「愛」です。
……という書き出しは各所で使われていそうで申しわけない。今回の号もハイクオリティ。激しさ、熱さという面ではちと弱い点もあるものの、役者が揃っており、さすがに読ませる。
そのなかでも、地下沢中也「預言者ピッピ」シリーズが素晴らしい。正式タイトルは「兆−Sign−」になったようだ。地震に関わるあらゆる情報を入力されて、非常に高い精度で地震予知を行っていたロボットのピッピが、一緒に暮らしていた親友のタミオの死をきっかけに暴走を始める。そして、ピッピをめぐってさまざまな思惑がうごめく。世論は地震以外のことを予知させようとし、すべてが予知されてしまうことを危惧する地震予知研の研究者でタミオの父・瀬川博士らはそれを押しとどめようとする。人類に突きつけられる、万能の予知という、未知の力。ギャグ作家というイメージの強い地下沢中也だが、これだけのシリアスなお話を、実に真っ正面から堂々と描いている。ギャグを描ける人は、えてしてほかのジャンルにも強いものだが、それにしても見事だ。
巻頭カラー、おおひなたごう「死神魔球」は、人を食ったギャグの連発がナイス。高野文子「sewing」。セリフなしでお話は進行。次々に幻想的なイメージを、静かに軽やかに繰り出してくる。鮮やか。吉田戦車「F1」。どこにもなさげで、妙にディティールがリアルな田舎を描かせると吉田戦車は抜群である。このじんわりと漂うおかしみは吉田戦車ならでは。黒田硫黄「象の股旅」。18世紀。ベトナムから日本にやってきたゾウと、ゾウの持ち主の親父、女性の物語。墨が匂い立つような筆致で、東南アジア的雰囲気を見事に描写。ものすごく大きな展開があるわけでもないのに、読者を物語にぐいと引き込む。貞本義行+たかはまこ「System of Romance」。センチメントな雰囲気でございます。キレの良い作画がやはりかっこいい。
小原愼司「GP異聞」。おお、面白いじゃないっすか。ガチャポン職人を父に持つ少女が、ガチャポンの不思議な世界でアドヴェンチャー。ツリ目な少女がとてもキュートであるのがまずよく、そして彼女の振る舞いがまたビシッと決まっていて、さらにイキなセリフなどディティールもうまい。オチも気が利いてて「やられた」って感じ。しりあがり寿「ネックレス」。コミカルな絵で描かれた掌編ながら、平凡な恋人たちの今生の別れが、ロマンチックに描かれていて泣ける。水野純子「ドリーム・タワー」も例のキュートでグロテスクな風味の絵柄で、クオリティ高し。
あと、漫画じゃないけど「ブッチュくん体操」が掲載されているのもうれしい。そのほかの作品も全般的に良くて、捨てどころがない。満足満足。
【雑誌】ヤングマガジン 5/8+15合併 No.21+22 講談社 B5中
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福本伸行「カイジ」再開。1ページめからガツンと強烈なメッセージ。つかみはバッチリ。古谷実「グリーンヒル」最終回。ちとこの連載は盛り上がりがいまいちだったようにも思えるが、ローテンションの極みな終わり方はなかなか味わい深かった。そして、最近なんだか注目集まり中な阿部秀司「エリートヤンキー三郎」。どうにも野蛮でパワフル。妙な面白さがビシバシだ。今ヤンマガで最も熱い漫画といえよう。なんか単行本出たら買っちゃいそうで怖い。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/8+15合併 No.21+22 小学館 B5中
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曽田正人「昴」。苦悩する昴だが、自分を突き詰め、弟の病床で一人踊り続けて得たものを思い出し始める。昴の才能が一気に開花するか。ダイナミックな描写と力強いストーリー運びで次回以降も楽しみ。
ところで唐沢なをきが描いているNHKのPR漫画が、NHK相手でもいつもの調子でいい味わい。
【雑誌】モーニング新マグナム増刊 5/10 No.14 講談社 B5中
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佐藤マコト「サトラレ」が抜群。今回の主人公は、固い意志をもって医師を目指すサトラレの青年。告知の問題などから、監視する人々はサトラレが医師になるのを防ぐため手を尽すが、彼の決意は固い。閑職に回されたり妨害を受けていた彼だが、ついに重大な手術を任されることになる……といったところで、これ以上ネタをバラすと野暮なので書かないでおくが、ここからの展開がすごくいいのだ。サトラレの天才性、そして外に漏れ出してきて伝わる彼の想いが、切々と心に響く。いいお話である。たまらん。泣いちゃう。きちんと物語を作り、演出し、そして読者に呈示する確固たる実力がある。見事。
巻頭カラーで安彦良和「蚤の王」が新連載。謀略によって宿敵・野見宿禰との戦いに破れ殺された当麻蹴速。そして残された当麻の一族の行く手を描く……って感じになりそう。安彦良和は、作品ごとに当たり外れの激しい人だが、この作品は吉と出るか凶と出るか。なんとなく後者っぽそうな気もするんだけど。原案:木葉功一+画:佐藤純也「GOD'S MARBLE」も新連載。佐藤純也は「Planet Football」で第35回ちばてつや大賞を受賞した人(モーニング 1999年6/17 No.27に掲載。感想は1999年6月3日の日記参照)。木葉功一はいうまでもなく「キリコ」の人だし、「Planet Football」もかなり面白い作品だったので期待できそう。「GOD'S MARBLE」は、トレジャーハンターだった放蕩ジジイの残した手がかりをもとに、孫娘・雅が宝探しの旅に出る。巻末の編集者コメントでも「アニメのルパン三世を想起させる」と書かれているが、たしかにそんな感じ。技術的にはまだ至らないところもあるんだが、イキが良い点は買える。佐藤純也はなかなか伸びそうだと思う。安田弘之「ちひろ」。う〜ん、粋だ。おもしろうてやがてかなしき……といっていいのかどうかは知らないけど、鮮やかな余韻を残す。
冬目景「文車館来訪記」。最終回なのだが、絵が荒れている。凜として情感あふれる絵柄が最大の持ち味である冬目景だけに作画が荒れるとつらいところ。八代富士男「女優ミドリ」。役作りのためならなんでもやる魔性の女優ミドリの物語。暑苦しくてワイルドな作風がイカしている。村上達也「MATCH」。絵も話もしっかりしていて面白かった。ボクサーに一歩も引かぬ攻めを要求し続け、ついにはタイトルマッチでボクサーを死なせてしまったトレーナー・ハルオ。その後干されていた彼のもとに、彼を上回るような怖いモノ知らずなボクサーが現れ、ハルオは昔の輝きを取り戻していく。60ページと長めの作品だが、一気に読ませる。
【雑誌】別冊ヤングサンデー 5/24 No.3 小学館 B5中
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ヤンサンの別冊枠は、大漫王のころから本誌のテンションに比べていまいちイキが悪く感じる。この号もそう。もう少し、別冊ならではの好き放題さ加減というか、ワイルドさが欲しい。
その中では新鋭・旭凜太郎「ルーズランナー」が、わりとアクションが派手めで目立つ。作風は萩原玲二に近め。作:鍋田吉郎+画:藤原芳秀「コンデ・コマ外伝」、阿部潤「プチ」あたりは手堅く楽しめる。田中圭一「近未来しげのぶ」も相変わらず馬鹿馬鹿しくて下品で楽しい。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/8+15合併 No.21+22 集英社 B5平
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かずはじめの読切「− ジュウト −」が掲載。宇宙から落ちてきた隕石から来たウイルスによって遺伝子が組み替えられた人間「アルカノイド」。旧来の人類は彼らを蔑視しており、アルカノイドは差別待遇を受けていた。そんな世界で旧人類に反抗し続け、抹殺することを生きがいとするアルカノイドの少年・ジュウトが主人公。SF的(というあいまいな言葉を使うのもどうかって感じだが、まあご勘弁を)な世界で繰り広げられる、アクションもの。見せ場をきっちり作って、きれいにまとまっている。ただ、読切としてはインパクト弱め。連載向きっぽいが、これだけではちと安い感じもする。
【雑誌】きみとぼく 6月号 ソニー・マガジンズ B5平
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これにて休刊。架月弥、藤原薫、植木家朗、藤枝とおると、イキのいい作家が揃っていて、少女漫画の中ではかなり好きな雑誌だっただけに残念。ただ、今年7月から季刊の新雑誌「コミックKB」が創刊され、連載作品のいくつかはそちらに引き継がれていくそうだ。
まずは藤原薫描くところの表紙がえらくかっこいい。気品があって、かつミステリアスで。今回の読切「地平線ギリギリまでの空の果て」も、6ページと短いながら、いや短いだけに澄み渡った表現が鮮烈に印象に残った。藤田貴美「温室舞踏会」も12ページでこちらも短いが、女子校の社交ダンス部の二人を、サラリと美しく描写。一つ一つのコマがバッチリ決まっている。
今回は休刊号ってこともあってか、全体的にテンション低めな印象。
【作品集】「アフタヌーン四季賞 '94秋のコンテスト優秀作品集」 アフタヌーン編集部 講談社 B5平
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【作品集】「第27回ちばてつや賞 優秀作品集」 モーニング編集部 講談社 B5平
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両方とも、編集部や入賞作家さんといった関係者のみに配られる、新人賞の入賞作品を集めて製本した冊子である。今回、とあるルートから借用、読ませていただいた。レアものなので羨ましいと思う方もいるかもしれないが、借り物なので俺に「貸してくれ」「入手ルートを教えて」とかいった要望を寄せるのはなしにしてもらいたい。
四季賞のほうは'94年秋のコンテスト(=第31回)のもの。黒田武弘「機械夫のいた街」が四季大賞、成人功「いんちき」、岩瀬昌嗣「カーム・ブレイカー」が四季賞を獲得している。そのほかで目立つ名前としては、岩原ゆうじ、弐瓶勉、阿萬和俊が佳作に名を連ねる。こうやってみると、さすがに雑誌に掲載された作品は出来が際立っている。
ちばてつや賞のほうは、'95前期コミックオープンのときのもの。松田洋子「お散歩」「薫の秘話」が大賞、安田弘之「ショムニ」が準大賞と、なかなか豪華。
賞の性格からか、全体にちばてつや賞のほうが平均点的にまとまっていて読みやすい作品が多く、四季賞のほうは光るところもあるがアンバランスな感じの作品が多かった。一つの冊子としては、ちばてつや賞のほうが読める。四季賞のほうは、つまらないものはかなりつまらないしページ数も多いので、読んでて飽きる。
どちらを見ても分かることだが、雑誌に掲載されなかった作品については、掲載されなかっただけあって商業誌で使うには作画、演出、ストーリー、まとまり、迫力などなど、欠けている部分が多い。まとまってはいてもパンチがなくて退屈なばかりのものとか、つかみが足らんものとか、バランスが悪すぎなものとか。現在アレだけの画力を持っている弐瓶勉にしても、この時点ではやはり全然掲載レベルにない(逆にいえば、その後の成長ぶりがすさまじかったってことだ)。これなら掲載されなくても無理はない。さすがにプロの目は確かだなと思う。読者としては「選には洩れたけど、実はスゴイのもあるかもしれない」などとロマンチックなことを考えがちだが、この2冊を読んだ限りにおいては別にそんなもんでもないらしい。ただし「選には洩れた人がやがて落選したときとは比べものにならないほど伸びてくる」っていうのは十分にあり得るケースなことも確かなようだ。出てくる人はいずれ出てくるもんであり、出てきたらそれをしっかり読めばいいのであろう。読者的にはそれで十分。
4/23(日)……ちょっとだけりすぺくたあ
このところ、どうものどが痛い。とくに起き抜けはガラガラだ。そろそろ声変わり? そういえばのどぼとけも出ている。
【雑誌】Judy 5月号増刊 YOUNG Judy 恋愛・結婚がいっぱい!! 小学館 A5平
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なんだかラヴとかブライダルがたくさんあふれていそうな感じの増刊だが、いけだたかしが掲載されているということで購入。ザ・掲示板の#2830で作者のご友人の方から情報をお寄せいただいたおかげで買い逃さずに済んだ。どうもありがとうございます。
というわけで、いけだたかし「三月/四月」。高校の卒業式を終えて帰ってきた女の子。彼女の表情は何やら寂しげで割り切れなそうな風情。そして彼女は思い出す。三年前の、中学の卒業式の後のこと。そのころ、そして今までずっと好きだった彼のことを。センチメンタルで清潔感のある美しいお話が、いけだたかしの端整な絵柄によって生きている。じんとするいいお話。いけだたかし作品の中でも、かなりよくできた部類だと思う。この1作品のためだけでも、590円払ってこの雑誌を買う価値はある。
【単行本】「軍鶏」7巻 作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫 双葉社 B6
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菅原直人との対戦を実現するため、手段を選ばぬリョウ。圧倒的なダーティ・ヒーローと化したリョウが、究極の空手家でありベビーフェイスの菅原を挑発する。今回はアクションシーンはほとんどないのだが、これからの展開に向けて着々と物語は進んでいる。
【単行本】「秘密の花園結社リスペクター」vol.2 松田洋子 扶桑社 A5
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調子こいてる芸能人をねちねちと誉めまくり。底意地は悪いが、サバサバした読み心地でカラッと読める。「ボクらSPA!世代」は必読というか。
【単行本】「おさなづま」3巻 作:森高夕次+画:あきやまひでき 双葉社 B6
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おさなづま描くところの「めぐみのピアノ」はさらに作品のクオリティを高め、少女ラブリー大躍進の原動力となっていく。そんな中、仕事をじゃまして変態プレイをしかけるだんなさまがじゃまになってきて、編集部はほかの漫画の原作をやらせて、おさなづまに目を向けるヒマをなくそうという作戦に出るが……。「めぐみのピアノ」に感動する編集者の情熱的な喋りっぷりに心を打たれつつ、だんなさま仕掛けるところの女体盛りとかも珍妙な味わいがあり、とんとん拍子に進む「めぐみのピアノ」のサクセスストーリーが気持ち良かったり、新キャラも含めてあれよあれよと転がっていくお話も楽しかったりと、一粒で何度も美味しい。さらにそういった違った種類の面白さを、なじみやすい絵でまったく違和感なくくるりと包み込んでいる。3巻めだが、不思議な面白さはまったく衰えない。コンスタントに持続しているって点も素晴らしい。
【単行本】「イエスタデイをうたって」2巻 冬目景 集英社 B6
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冬目景に関しては、時代モノよりも現代青春モノのほうが好きだ。青さを漂わせ、逡巡したり悩んだりする青春を、クオリティの高い作画で爽やかに描いている。キャラクターがイキイキしているのも良い。ときどき絵が荒れることがあるので、クオリティを落とさないで済む適度なぺースで描いていってもらいたい。やはり絵が一番の持ち味だと思うので。
【単行本】「ドラゴンヘッド」10巻 望月峯太郎 講談社 B6
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最終巻。大作ではあったものの、最後はちと消化不良気味であることは否めない。連載開始当初のテンションでズバズバ突っ走ってほしかったところだけど、ちゃんと面白かったのも事実。まあ無難な着地ともいえる。序盤がすばらしかっただけに納得いかないところもあるけれど、そこまでが面白かったことはやはり評価したい。最初っから最後までまったく面白くない作品だって山のようにあるんだから。
4/22(土)……とんにゃん、シャー、ペッ
大学の新歓コンパシーズンでごったがえす新宿にて漫画家さんのインタビュー。雑誌の企画内容を発売日前に書いちゃうのもなんなので、誌名と作家名は伏せておく。インタビュー経験はほとんどなく、あんまりうまいことまとめられなかったのだが、漫画家さんのほうが随所でこちらの意図を察してフォローしてくださっていろいろ助かった。インタビュワーとして指名していただいたことも含めて、感謝の念でいっぱい。
インタビュー後は、その漫画家さん、それからインタビュー後に駆けつけてくれた砂さんと一緒に飲みに行く。インタビューの時間内ではしゃべれなかったことまで含めていろいろとお話。個人的にはとても楽しかった。インタビューも含めていい経験になったと思う。あとは、原稿をいいものに仕上げるべく頑張るのみ。
帰りに駅の構内で、ばったりムネカタさんとさくらのりたかさんに遭遇しびっくり。時間がなかったうえ混雑していたためゆっくり挨拶できなかったのは残念。
三和出版で新漫画雑誌を作るとのことで、漫画家募集の告知が掲載されていた。なんでも今度は成年漫画誌ではないらしい。
海明寺裕「奴隷立國」。敗戦した帝国が、奴隷を礎とした国家に生まれ変わった瞬間を描いている。終始一貫して、入念に世界の体系を作り込み続ける粘り強さは実に立派。天竺浪人「便器」はツッパってるように見えて、実はけっこうピュアな下田サンがかわいい。この作品は、最終号までの間にきっちり完結させていただきたいところ。蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」は、「アノマロカリスの章」が最終回。異形だけれども、実は壮大な愛の物語であった。このシリーズは今回でとりあえず中断。次の「マーレラの章」は美少女誌では発表しないとのこと。次の発表先がどこになるのかは書かれていない。上記の新雑誌に掲載されてくれるといちばんうれしいんだけど。それから駕籠真太郎「まぼろしのレアアイテム」。最近、駕籠真太郎作品は画面6等分のコマ割りとかがけっこう多かったが、今回は枠線を描かないで本来だったら別のコマに入るべき絵を重ね合わせてみたりといった、見ていて面白いトリッキーな画面構成が多様されていて、くらくらするような読み心地。お話的にはわりとフツーめな終わり方だが、見せ方が巧みで面白かった。あと白井薫範「とんにゃん」は、毎度ぎちぎちテンションが高くてスゴイ。ヴォリューム感が抜群だ。
【雑誌】コミックドルフィン 6月号 講談社 B5中
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今号は火野聡司が巻頭カラー。「メルヘンブルグのバカ奥さま」。Hなことが大好きなバカ奥さまと、彼女に雇われているメイドさんがやりまくり〜なお話。女体のラインの柔らかさとか、火野聡司は最近かなり伸びている。けっこう好みなのだ。吉田蛇作「秘密の桜ちゃん」。ヒロインの肉付きが良くて垢抜けない感じのOLさんがかわいい。稲葉晃次「〜INJECTION〜」は、巨乳の人妻が媚薬を塗られて輪姦と、好みパターン。なかなかエロい。それから天崎かんな「爆乳キャスター 安西さん」は、巨大乳ポロリ系な女子アナのお話。このヒトはちと絵はもったりしたところはあるが、イキの良いエロを描いていてわりと好き。
4/21(金)……喜劇江戸前虐殺
infoseekで、ウチのページにリンクしているところを検索してみたら(「link:picnic.to/~ohp」で検索)面白いもの(もちろん俺にとって、だけど)発見。なんか学生さんが研究を! このレポートの評価はいったいどんなもんだったんだろうなあ。
【雑誌】別冊ヤングマガジン 5/2 No.008 講談社 B5中
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前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」。片タマをつぶされた破武男が、タマ復活めざしてダイナミックな治療法にチャレンジ。このダイナミックな馬鹿っぷりは素晴らしい。ああん、しかも。ミミガーズのホームページが出来てるじゃないですか。さあ、キミもミミガーズFCに会員登録しよう!(僕もしてきたゾッ!) 天野明「ぷちぷちラヴィ」。もうすこしやみくもさとキレが出てくると、うさぎにグルーヴ感がでてきてもっと面白くなるのだが。
駅の階段にて拾得。わりと美品。
連載モノはここまでのお話を知らないんでなんともいえないのも多いんだけど、お話的に単純なものが多いので案外読めてしまう。三田紀房「クロカン」は野球の醍醐味をオーソドックスに描いていていいし、それから作:川辺優+画:山口正人「我王の乱」は「三国志」を極道ノリでやってて異様な味。でもこの号で一番楽しかったのは、作:九十九森+画:さとう輝「江戸前の旬」。寿司職人の旬が、外人さんに刺身の素晴らしさを教えるのだが、外人さんのが今どき珍しいくらいへっぽこな外人しゃべり。「でもボブ ベリー頑固ね…」「ボブ 旬の握りはデリシャスよ… 一コだけでも食べてみろよ!!」「オウ そうね まさにワンダフル!!」。なんかうれしい。
いよいよ、この物語もクライマックスに向かっている。犬神たちの最終審判がどのように下るのか。この巻では直接的なアクションシーンこそないが、空気は人間にとっての不吉さをはらみ、息苦しさが増していく。そんな中、史樹と23も秘かに何か決意を固めていく。そろそろ犬神の全貌も明らかになりつつあり、これからの展開が楽しみ。
ところでこの作品、内容はとてもシリアスでありながら、毎度カバーの折り返し部分が「うちのワンちゃんかわいいでしょ〜」的なコーナーになっててフヌケているあたり、味がある。
【単行本】「無限の住人」10巻 沙村広明 講談社 B6
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百琳の拷問から始まって、尸良 vs.万次+凶の戦いまで。だいぶ長い話になってしまたが、物語の要所要所はビシッと決める。決めのポーズが随所でえらくかっこいい。あと沙村広明の拷問描写は、情け容赦がなくって痛そうで実にいい。百琳が輪姦された後、放置されて監視がゆるくなった隙に逃げるためのアクションを起こそうとしているシーン、尻を浮かせたときに体液のガビガビで「ビリッ」と音がするあたりなんざ生々しくていいですなあ。
【単行本】「バガボンド」6巻 井上雄彦 講談社 B6
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宝蔵院胤舜に負けて恐怖を知った武蔵が、再戦を目指して自らを鍛え直す。この巻では、武蔵が雌伏し力を蓄えていくさまを描いていく。そして、武蔵の旧友・又八もまた別の道を歩む。今回はアクションシーンとかは少ないが、精巧な作画と迫力のある演出で、骨太に面白く物語は進んでいる。リズム、テンポ、作画、演出、いずれも見事。
【単行本】「鉄腕ガール」1巻 高橋ツトム 講談社 B6
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戦後間もなく、進駐軍の命もあって男女平等が叫ばれていた日本を舞台に立ち上がった女子プロ野球リーグ。その舞台に引っ張り出された、元はGI相手のホステスをしていた女性・加納トメが主人公。最初わけも分からない状態だったトメだが、ホンモノの女子プロ野球選手との勝負を通じてマジになっていく。この作品で特徴的なのは、女子プロ野球という題材もそうだけど、高橋ツトムのシャープでかつ荒々しい迫力もある達者な作画だ。端麗な容姿と、しなやかさ、強さを兼ね備えた女性たちを描き出す。彼女たちは、背筋がビッと伸びて凜としている。女性ならではの華やかさと、鋭利さを持っている。あと、野球のシーンにおける投球フォームなど、決めのポーズがいちいちカッコイイのも特筆もの。
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