■出版社：講談社■シリーズ：KCスペシャル
■巻数：全6巻
■判型：B6
■本体価格：621円
「おれたちの頂」に続いて、この作品のヒットによって塀内夏子は一気にブレイクした感がある。
「フィフティーン・ラブ」は明朗快活テニス漫画。主人公の松本広海（通称ヒロ）は、陸上部のエースだったくらい足の速い少年。彼がテニスを始め、さまざまな人々と出会いながらついにはウィンブルドンで優勝するまでになっていく姿を描いている。
全速力で走りながら相手のボールのバウンド際をたたき、そのままネットにつくというヒロの必殺技「ヒロミ・スペシャル」は、当時一世を風靡した（と思う）。とにかく走って豪快にぶったたいて、というテニスが見ていて非常に気持ちいい。そして、この漫画のいいのは脇役キャラが非常にイキイキしていることだ。ライバルの「黒豹」デビー・コステン、兄貴分のビリー、嫌味なバグジー・アーロンなど、細かく描き込まれていて読んでいて非常に楽しい。
実に少年漫画らしい爽やかなテニス漫画。巻数も豪華本で6巻とダレないちょうどいい長さ。塀内夏子作品の中では、俺はこれが一番好き。