■出版社：講談社■シリーズ：少年マガジンコミックス
■巻数：全29巻
■判型：新書判
現在では「塀内夏子といえばサッカー漫画」という感じだが、その始まりとなったのがこの作品、「オフサイド」だ。第1巻が出てからすでに10年以上が経っている。ということは塀内夏子はすでに10年以上サッカー漫画を描いているってことだ。
「オフサイド」の主人公・熊谷五郎は体格に恵まれたゴールキーパー。最初はサッカーの名門校、横浜南（通称ヨコナン）を目指していたのだが、不慮の事故により受験に間に合わず、その隣の私立川崎高校に入学することになる。この高校はサッカー部は弱小だったが、中学時代に対戦した好敵手、薬丸、佐藤の二人が入学してきて、じょじょに強くなっていく。五郎も後にGKからフォワードに転向。全国でも屈指の選手に登り詰めていく。
「オフサイド」では熊谷五郎が入学してからの3年間を丁寧に描いている。奇矯な必殺シュートや大げさな描写は一切は出てこず、地道なトレーニングとチームワークで構成されている地味めな漫画ではあるが、脇役まで含めてしっかりと描かれたキャラクター、地に足のついたストーリー展開で、サッカー好きな人にもそうでない人にも広くオススメできる。高校サッカー漫画の名作の一つといっていいんじゃないだろうか。