博内和代
Kazuyo Hakanai

チャックのある風景

アフタヌーン97年10月号掲載。四季賞97年夏のコンテスト大賞受賞作品

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 四季賞は毎度毎度レベルの高い新人を世に送りだしているが、これもまた実にいい。話作り、描画技術、どれをとっても一級品。あとは、画面が若干ゴチャゴチャしている感じがするので、そこらへんを直せば完璧。
 ちなみにこの人、絵から判断するにどうもエロ漫画家をやっていた世棄犬くさい。絵を見れば見るほどそう思う。世棄犬はエロ漫画を描いているときから、その実力は大したもんだと思っていた。この人が世棄犬なのだかどうかはさだかではないけど、いずれにしろこれからがすごく楽しみなことは確かだ。

 なお、世棄犬の単行本には
「DOG MAN」
司書房
ISBN4-88725-090-8 C9979
初版:1996年6月25日

がある(右にあるのがその表紙)ので、この作品で興味を持った人は手を出してみてもいいかもしれない。この単行本はバリバリのエロ漫画なので、エロ漫画もOKという人のみお勧めする。

【「チャックのある風景」あらすじ】  ある日、突然少女の瞳にチャックが映り始める。それは道端、電信柱、人間の背中、いたるところに存在した。しかし、少女以外にそれを気にする人は誰もいない。中に何が入っているのか気になる少女は、道端の電信柱のチャックを開けてみるが中身は空だった。少女はそのほかのチャックも開けてみるが、どのチャックを開けてみても空っぽの中身が待ち受けていた……。