遠藤浩輝
Hiroki Endo

EDEN

アフタヌーン1997年11月号から連載開始!

右の画像はアフタヌーンのプレゼントでもらったテレカ

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 すごく楽しみにしていた遠藤浩輝の新連載。ついに始まった。遠藤浩輝は、俺としては1996年に出てきた最高の新人だと思っている。今までにたった4作しか作品を発表していない。しかし、初めての連載でいきなり4色カラー、そして「あの遠藤浩輝」というあおり文句を付けられてしまうくらいだから、いかにアフタヌーン編集部も期待しているかということが感じとれるだろう。

 今まで発表された作品の中では、とくに96年3月号に掲載された「きっとかわいい女の子だから」は素晴らしかった。95年冬のコンテストで大賞を受賞した作品で、山本直樹を思い出す深みのある作風で俺をガーンと打ちのめしてくれた。
 母を亡くし、父に裏切られ、祖父は手の届かないところに行ってしまい、友人や好きな人がいても、それでも世界の中で一人取り残され不安定な精神状態にある少女のやり場のない切なさ、やるせなさ、悩みを淡々と描写している。悩んで迷って何かを捨ててしまった少女。
 絵といい、話といい、画面構成、演出、すべてにおいて新人の描くものとは思えなかった。今読んでも身体中にトリハダが走る。

 そして新連載「EDEN」である。今までは現代を舞台にした作品だったが、今回は未来。SFである。こういう路線でくるとは思っていなかったが、やはりのっけから楽しませてくれる。丁寧に描き込まれた画面、最初のカラーページからいきなりゾクゾクッときてしまった。
 ウイルスのため、そのほとんどが死に絶えてしまった人類。ある孤島で暮らす、少年エノアと少女ハナの二人。そして、彼らをここまで育ててきた科学者のレイン。レインもウイルスに犯され、死を迎える。そして二人きりになったエノアとハナ。この二つの生命から、次なる世界が作り出されていく……。
 といったところから、物語は始まっていく。遠藤浩輝ほどの描き手が腰を据えて描いていくSFというのはどんなものになるのか。これからの展開が非常に楽しみだ。ぜひこれを読んでいる人も刮目して見守って行ってほしい。

●遠藤浩輝作品リスト
カラスと少女とヤクザ アフタヌーン1996年2月号
きっとかわいい女の子だから アフタヌーン1996年3月号
プラットホーム アフタヌーン1996年11・12月号
神様なんて信じていない僕らのために アフタヌーン1997年4月号