コージィ城倉
Kozy Jyokura
U・G・メジャー
1巻〜(講談社)。ヤンマガ増刊赤BUTA掲載作品
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ワイルドな新人の起用の多いヤンマガ増刊赤BUTAの中で唯一といっていい、コンスタントに面白く読める作品(といっても連載作品自体あんまりないんだけど)。
作者自身が「アストロ球団にインスパイヤされて描いた」といっているだけあって、豪快でかつ馬鹿馬鹿しいナイスな野球漫画に仕上がっている(といっても俺自身はアストロ球団は読んだことないんだけど)。
ストーリーはこんな感じ。
20世紀末、アメリカンマフィアが「何かガッポリ金のもうかるエキサイティングなギャンブルは作れんもんかのう」というわけで考案したのが、人間を超えた人間、超人間による賭け野球であるU・G・メジャー。
超人間は特殊筋肉強化剤を常用し、体に機械を埋め込むことまで認可されている。そのプレイの一つ一つが賭けごとの対象となっていて、全世界の裏のギャンブラーがそのプレイに金を賭けている。時に2015年、そのU・G・メジャーリーグに突如として現れたルーキー、ロッキー・バレンシア。ロッキーが魔球を駆使して、魔打と対決するというもの。
この漫画の何がいいかというと、不必要なまでに力の入った馬鹿馬鹿しい必殺技とどうしようもなくベタベタなオチ。そして全編にこれでもかとばかりに盛り込まれている過剰な描写。例えば、魔打(間抜けないい方ではあるが、まさにそんな感じなのだ)の例を挙げると、バットとボールが接触する直前にバッターが口に含んだガソリンを吹き出して球に浴びせそれにバットの強烈な摩擦で火をつける「ファイヤー打球」、バットとボールが当たる寸前にスパイクを蹴り上げ、そこにボールを命中させてスパイクごとピッチャーにぶつけるという「スパイク打球」などなど、とにかく馬鹿馬鹿しい。そして、それを打ち取るための手段もまた異常に力が入った、かつヘナヘナするようなものだったりする。
この作品の中でとくにナイスなのが、主人公ロッキーのライバル、ロイ・ブリーデン。現在、出ている単行本1巻でも大活躍なのだが、未収録部分ではさらにサイボーグになって背中にアンビリカルケーブルを付けたり、ロッキーの恋人を麻薬で性の奴隷にしたりとやりたい放題。ロッキーも強烈だけど、こいつもまた言語道断な感じで素晴らしい。
といった感じで、アストロ球団にみたいな強烈で妙ちきりんな魔球漫画を読みたいという人はぜひどうぞ。
※作者名、「コージィ」と「城倉」の間にはハートマークが入る。
●単行本データ
巻数 | ISBNコード | 初版発行 | 価格 |
1 | ISBN4-06-336661-8 C9979 | 97/04/04 | 530円 |