オス単:2006年3月の日記より


 このページは、「OHPの日記から、その月に読んだ単行本の中でオススメのものをピックアップする」というコーナーです。文章の中身は、すべて日記からのコピー&ぺーストです。加筆・改稿等は原則として行っていません

 なお、ここで取り上げる単行本は「その月の日記で取り上げたもの」です。「その月に発売されたもの」ではありません。だから古い本でも入ってくることがあります。ピックアップした単行本は多少分類してますが、これはあくまでページを見やすくするための便宜上の分類です。かなり適当に割り振ってますのであんまり気にしないでください。あとシリーズものの途中の巻は、取り上げないことが多いです。


▼強くオススメ

【単行本】「さんさん録」1巻 こうの史代 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 愛妻に先立たれて、息子夫妻の家で同居することになった参平じいさんが、妻の残したノートを片手にいろいろ家事にチャレンジしていくというお話。不器用な参平が慣れない家事に挑む様子はユーモラスだし、日常生活の中での家族のドラマが丁寧に描かれているのも良い。無愛想なようでいてけっこう情に厚い、参平さんはいい男だなあといつも思う。あと参平の息子をヘッドハンティングしようとしている仙川さんも、なんかしっとりした色気のある良いキャラ。基本はコメディ調なんだけど、ここぞというところで大ゴマの美しい情景描写を入れて、叙情的なシーンを演出する作画力、画面構成力もさすが。ギャグは楽しいし、しみじみ心に染み入ってくるものもある佳作。

【単行本】「ブロッケンブラッド」 塩野干支郎次 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 自らの血液を作り替え魔女の能力を得た錬金術師の子孫である美少年・守流津健一くんが、毎回心ならずも女装させられて変態チックな敵をどうにかするというドタバタギャグ。まあなんつってもこの作品の魅力は、女装美少年・健一くんのかわいさ。嫌がってるにも関わらず、強引な従姉妹のねーちゃんによって変身させられて敵を退治。その魔女っ娘姿だけでも十分恥ずかしがってるのに、事件が起きるまで潜入捜査とかいって、さまざまな格好にコスプレまでさせられてしまう。メイド服やスク水、なんかやけに露出度の高いナース服など、バリエーションは多彩。まあそんなわけで女装少年萌え〜というのと、賑やかでドタバタアクションを堪能できる一作。単行本はこの1冊で終わりだけど、ノリが良くて勢いもあって、なかなか楽しかった。

【単行本】「カタリベ」 石川雅之 リイド社 B6 [bk1][Amzn]

 ついに単行本化。現在は「もやしもん」が好評の石川雅之だが、この作品はヤンマガ赤/青BUTAで1998〜1999年あたりに連載された作品。明王朝に滅ぼされた豪族の末裔である御曹司の少年が、その残党の村が倭寇に襲われ、一族が惨殺されたのをきっかけに数奇な旅をしていくことになる……という海洋冒険活劇。このころから石川雅之の作風は完成されていて、細部まできっちり描き込まれた作画は達者。またハードでシビアな物語もずっしりした読みごたえがある。密度の濃い作品なので、B6の判型だとごちゃっと詰まった感もあっていくぶん読みにくく感じられる部分もあるけれども、作者の力の入れようは存分に伝わってくる作品。この1冊でいちおう一区切りついてはいるけれども、残念ながら御曹司の少年の運命を最後まで語りきることは出来なかった。そこは惜しい。

【単行本】「イカロスの山」1巻 塀内夏子 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 塀内夏子が描く久々の登山モノ。塀内夏子の登山モノとしては「おれたちの頂」という初期の代表作があるが、こちらもさすがに漫画作りはうまくて面白い。かつて大学時代に名コンビとして鳴らしたクライマー・平岡と三上。平岡は大学を卒業しても山にこだわり続けたが、医者となった三上は山を封印。しかしヒマラヤに新たな未踏峰が発見されたというニュースを目にして、三上の山への情熱は再び燃え上がり始める……といった感じの展開。

 1巻の時点では、登山シーン自体はあまりなく、平岡と三上のコンビも再結成には至っていない。その分、平地でのドラマが濃い目に描かれている。とくに二人を学生時代から知る三上妻が、昔から秘めていた平岡への想いに揺れるあたりはやけに力が入っている。もともと塀内夏子は、人間ドラマはけっこうウェットに描く人だが、この作品ではさらにベタなメロドラマ風味をググッと増量。こうやって本格的に山に登り前のドラマを濃密に描いておくことで、本チャンの登山シーンをより劇的にしようという腹づもりもあるんでしょう。

 最近はちとハズレ気味の作品が多かった塀内夏子だが、久しぶりに原点に立ち返った感のある本作はやはりしっかり面白い。今後の盛り上がりにも期待したいところであります。

【単行本】「陰からマモル!」1巻 作:阿智太郎+画:まだらさい メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]

 アニメ版はかなり呑気な作品で面白かったが、漫画のほうもなかなかよろしいです。こんにゃく作りの名人の血筋の少女・紺若ゆうなと、先祖の代から400年、彼女の家系を守り続けてきた忍者の子孫・陰守マモルを中心とした、ドタバタコメディ。マモルは普段はパッとしないめがね君だが、実は凄腕の忍者で、ゆうなに気づかれないように彼女のことを陰ながら守り続けている。ゆうなはとにかく天然なトラブルメーカーなので、彼女を守るマモルもいろいろ苦労するが、まあけっこう楽しく明るく、日常は推移するのでありました……ってな感じ。

 原作小説のほうは読んでいないのだけど、これはなかなか和む作品に仕上がっていて面白い。ゆうなの異常なまでにのんびりぽわぽわした天然娘ぶりが見てて面白いし、サブキャラもそれぞれかわいくて賑やか。何よりカラッと明るくて、嫌味がないのがいい。頭のネジが何本か外れているかのごとき、ゆうなのアホっぷりは笑えるし、それに振り回されるマモル、ツンデレ娘の沢菓さん、剣術娘の椿ら、サブキャラも見ててそれぞれ面白い。この巻に収録されたコミックフラッパー連載分では山芽、ホタルの2人は出てこないけど、続きはメディアファクトリーから新たに創刊される漫画雑誌(詳細は不明)に収録される予定であるらしい。ラブコメ的にはこれからが本番って感じなので、早く続きが始まってほしいところ。


▼一般

【単行本】「東京トイボックス」1巻 うめ 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 「ちゃぶだいケンタ」を描いたうめの最新作は、ゲーム業界を題材とした物語。とあるゲーム会社に出向することになったOLの月山星乃は、そこで凄腕だけどガンコなゲーム屋・天川太陽に出会い、そのはためいわくだけどアツいゲームへのこだわりにしだいに感化されていく。そして「おもしろいゲーム」を作るため、太陽・星野、それからゲーム会社のスタッフの面々が悪戦苦闘を続けていく、ってな感じのストーリー。

 たかがゲーム屋、されどゲーム屋。「おもしろいゲーム」を作りたくてしょうがない奴らのアツさとかは伝わってきて、まあまあ面白い。天川太陽は1972年生まれの33歳という設定で、自分とは同い年なんで、ドルアーガがどうこうとかいったディティールや、ゲームに目覚めたころの気持ちとかはとてもよく分かる。あとやり手OLでありながら戦隊モノが好きな星乃さんとのラブコメ的な部分も、ほのかな甘味あり。ものすごくってほどではないものの、まあわりと楽しく読める。あとうめはまた絵が洗練されてきてますなあ。

【単行本】「チョコレート」 しおやてるこ 竹書房 A5 [bk1][Amzn]

 まんがタイムきららで「Pocket」(→レビュー@にゅーあきば)を描いていたしおやてるこの最新作。「Pocket」は小学男女の日常や恋愛模様をほのぼのかわいらしく描いた作品だったが、「チョコレート」で描かれるのは田舎の村の中学生。主人公であるユキヒロが通う中学校の4人しか生徒がいないクラスに、ある日東京からカワイイ転校生がやってきて、ユキヒロはドッキドキ、といった感じ。こちらも登場キャラの行動が初々しくて、心がほこほこ暖まる作風。恋愛方面についてはちゃんと描かれているものの、あまりベタベタすることなくほんのり甘いといった感じ。その品の良さと暖かい描写が好ましいです。それにしても「Pocket」の2巻出してくれないかなあ……。

【単行本】「グリムのような物語 トゥルーデおばさん」 諸星大二郎 朝日ソノラマ A5 [bk1][Amzn]

 タイトルどおりグリムを元ネタにしつつ、諸星大二郎ならではのアレンジをきかせた物語を展開。この中では「トゥルーデおばさん」が個人的には好き。変わった人であるという評判のトゥルーデおばさんの家に行った少女が、そこで全身が青・黒・赤の色をした3人の男たちに出会い、彼らに止められたり、行く手をじゃまされたりしながらもトゥルーデおばさんの元を目指していくという話。この男たちの存在の不可解さ、お話全体を覆う薄気味悪さが秀逸。また「Gの日記」もこれまた不条理な展開。元ネタはなんだろう……と思ったが、あのお話をこういうふうに料理するとは。そのほかの作品も元ネタのひねり方が独特で面白く読める。一風変わってるけどそれを飄々とやってるところがカッコイイです。

【収録作品】「Gの日記」「トゥルーデおばさん」「夏の庭と冬の庭」「赤ずきん」「鉄のハインリヒ または蛙の王様」「いばら姫」「ブレーメンの楽隊」「ラプンツェル」

【単行本】「ファッションリーダー今井正太郎」1巻 西山佑太 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 ものすごくダサいファッションのせいで告白した相手にフラれた少年・今井正太郎が、カッコ良くなろうと一生懸命あがく……という学園ドタバタコメディ。なんだか非常にゴチャゴチャした感じなんだけど、それが妙な存在感を発揮していて気になる作品。絵にしてもお話の展開にしても、なんだか独特のセンスに満ちている。

 冒頭の告白シーンからして、正太郎は「オータムいも」とか書かれた、誰の目にもダサいトレーナーを着用。「今井正太郎のファッションセンスがダサい」ということは十分に伝わるが、それにしてもこれはダメとかいう以前に、「どこでこんな服買ってきたんだ?」というレベル。電車男初期バージョンでも、これと比べればイケメンクラスというくらいの調子っぱずれっぷり。その後も、正太郎が珍妙な格好でオシャレ街に繰り出したり、生徒会長女子が制服廃止を宣言するシーンでジャニ系美少年どもが踊りまくったり、得体の知れないテンションの高さを発揮。

 というわけで奇抜な作品ではあるのだが、すごく頑張ってる感もあって、どうも憎めない。正太郎の幼なじみ女子・のん坊が出てきてからラブコメ的にもそれなりに楽しくなってるし。漫画としては読みにくい。トーンや細部の構成要素がうるさいほどで、詰め込み過ぎな感じ。でもその空回りっぷりは微笑ましく感じたりもする。今でもヘンな面白さはあるが、普通に面白くなりそうな期待感もある。今後の推移を見守っていきたいと思います。

【単行本】「乙女ウイルス」1巻 鈴菌カリオ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 IKKIで連載している若手作家。作風的にはジョージ朝倉チックで、メリハリのハッキリした作画と、ちょっと強引に笑いなりトキメキなりに読者を引っ張り込んで来る作風が持ち味。この作品では、オムニバス形式でちょっと変った感じの女の子や男の子の話を展開。片想いが次々と連鎖しててて、最後に輪を描く第1話「輪になってくるくる回ったら宙に浮いてUFO」とか、勢いがあって、コミカルながらも恋愛風味が濃厚でなかなか面白い。あんまりちっちゃくまとめたりせず、奔放に才能を伸ばしていってほしいなあと思います。

【単行本】「夜は千の眼を持つ」 上野顕太郎 エンターブレイン B6変型 [bk1][Amzn]

 コツコツ続いてきたこだわり派ギャグ漫画連載。単行本になって良かった。毎度のことながら、あふれ出てくる下らない発想の数々、そして思いついたら労苦とコストパフォーマンスを厭わずやっちゃうギャグ漫画家根性に感心させられる。さすがに「5万人」ほどのインパクトのあるネタはないものの、常にいろいろギャグにこだわり続けていく姿勢はさすが。爆笑というよりは、ニヤニヤさせられるタイプの作品。

【単行本】「うれっこどうぶつ」 濱元隆輔 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

 けっこう楽しい。美少女漫画家の今泉テルヒ子さんのところにやってきた、アシスタントネコの関根&M根が、テルヒ子さんの迷惑顧みず好き勝手する……ってな4コマ漫画「うれっこどうぶつ」が中心。まあいわゆる最近の萌え絵系な絵描きさんとしては、濱元隆輔は面白い絵をしてるのでけっこう気に入ってます。とくに最近の、光に溶けた感じの非常に細いシャカシャカした描線は独特な質感があっていいなあと思います。漫画としては今のところ単行本になったものでいえば、「UG☆アルティメットガール」が一番好きかな。「うれっこどうぶつ」も何気にギャグがけっこううまくて、面白く読めた。自分キャラをぬけぬけと萌え萌え美少女として描いたりしてるのも良いです。

【単行本】「向こう町ガール八景」 衿沢世衣子 青林工藝舎 B6 [bk1][Amzn]

 ちょっとシャレた感じで少しヘンな漫画を描く、衿沢世衣子の短編集。最初のほうはわりとガーリッシュな感じの作風だったけど、だんだん落ち着いた、肩の力の抜けた作品を描くようになっている。スッキリとした絵柄とスッキリしたコマ割で読みやすく、お話にも適度なくすぐりがあって楽しく読める。収録作ではアングラっぽいバンドにハマっている女の子と、その知り合い男子のなんとなくな感じのつながりを描いた「サブリ」と、体育嫌いな主人公少女とヘンな外人のやりとりが面白い「BALL」あたりが良いかなと思いました。

【単行本】「乱飛乱外」1巻 田中ほさな 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 頭に角が生えているということで村八分にされていた少年・雷蔵が、実はとある戦国大名の御落胤であったことが判明。そして彼に使えるくノ一たちとともにお家再興の旅に出る……という物語。というと何やらガチな時代劇っぽいけど、別にそんなことはなくてかなりお気楽なコメディ。作者は週刊少年サンデーで「暗号名はBF」を描いていた田中ほさな(田中保佐奈)。雷蔵が殿様の血筋であることを初めて知った女忍者かがりは、殿に見られているとパワーアップする忍術の使い手。見られると興奮……というあたりのくだりが、サービス精神たっぷりに色っぽく描かれているし、色っぽいねーちゃんが乙女のごとく(実際生娘だけど)顔を赤らめてもじもじする様子は、ラブコメ的にも具合がいい。またかがり以外にも、クールビューティだけど雷蔵にメロメロな如火、女装くノ一である姫丸と、見てて楽しい色っぽいキャラがどんどん出てくる。軽いノリで気楽に読めるんで、けっこう気に入ってます。

【単行本】「QUOJUZ」1巻 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 イケメンな主人公ミキオが、金銭的な都合もあって長く離れていた父の家に居候することになったが、そこにいたのは男運のない腹違いの実姉3人組。東京で彼女を作って青春を謳歌したいという気持ちとは裏腹に、姉たちのお色気アタック、それからバイト先で親しくなってカノジョとなった千葉さんと姉たちの間で争いが置き、ミキオは振り回されるばかり……といったドタバタコメディ。柏木ハルコは前作の「鬼虫」がかなりハードでガチンコな作品だったが、今回は笑いありお色気ありの、かなり軽いノリで攻めて来ている。まあ元々こういう性欲ムラムラ状態にある男女をネタにしたお話はうまい人なんで、この作品も気軽に楽しく読める。姉やその他の人々の行動がしょうもなくて笑えるし、カラッとしたノリでいいんじゃないでしょうか。

【単行本】「愛・水族館−柏木ハルコ作品集」 柏木ハルコ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 柏木ハルコもう1冊。こちらはあちこちで描いた短編を集めた単行本。収録作品は「教師失格」「エンドレス山田」「すずめ」「梅沢かりん(32)の場合」「海女唄」「ふたりは空気の底に」「ぷにぷに」「小悪魔ボーイ」「ロケット・フラワー」。

 こちらもドタバタコメディ系の作品が多いが、個人的には「エンドレス山田」が好き。とにかく感じやすい身体を持つ不倫相手のおっさんに、ぞっこん惚れ込んじゃっている女性の話。おっさんは顔は三枚目でけしてかっこよくないんだけど、感じやすい彼をいじりまくって興奮する主人公の様子が面白い。あと「ぷにぷに」も柏木ハルコらしい作品。クラスでは人気No.1なかわいい女の子が、幼なじみの女友達のぷにぷにした身体を触りたいという欲求を抑えきれずに悶々とするというお話。どの作品も、欲情の汗がむんむん来るけど、けしていやらしくなりすぎない感覚が柏木ハルコらしくてユニーク。

【単行本】「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」1巻 高橋脩 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 まあ例によって学園エヴァなラブコメ漫画。学校でシンジ、アスカ、レイが三角関係をやってるというのはまあおなじみのパターン。レイがシンジに接近して、幼なじみアスカがヤキモチを焼くというアレです。まあ全体にほのぼのしてて楽しいし、キャラクターもすでに掴めているので、安心して読める。


▼エロ漫画

【単行本】「虹色探偵 小春チェンジ」 北河トウタ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 北河トウタの品が良くてキュートだけど、甘くてエッチさも十分ある作風はこの単行本でも健在。表題作全4話は、ドジなめがねっ娘・小春が1億円の借金のカタに、変人な探偵さんによってコスプレ探偵をやらされちゃう……というドタバタHコメディ。小春ちゃんが初々しくてかわいいし、エッチになるとけっこうノリノリになっちゃう様子も良い。あとそのほか「リモ魂」「グリーンカーテン」「私小説」の読切3本も収録。「リモ魂」では北河トウタにしては珍しくツンデレ娘さんを描いており、これがまたツインテールで吊り目とまあベタではあるけど、きちんと萌えるツンデレさんに描けてて良かった。あと「グリーンカーテン」は、保健室のカーテン越しのエッチというアイデアがなかなかエロチック。「私小説」は図書室でのめがねっ娘エッチ。北河トウタはめがねっ娘を描くことがけっこう多いけど、どの娘さんもいい感じだなあ。

【単行本】「底なし汁だくクリニック」 RaTe 富士美出版 A5 [Amzn]

 ふたなり女の子ネタだけで1冊。掲載作品の中では、全7話掲載されているNFC(日帆里ふたなりクリニック)シリーズが良いです。ふたなりであることをクラスメート男子に知られた女の子が、彼によってさんざんイタズラされて、恥ずかしい目に遭うという内容。この女の子がそもそも、ちんこのほうで1日に5回とかヌカないともうダメっていう絶倫さんなんだけど、それが「ヌイちゃダメ」とかいわれてビッキンビッキンになって悶えている様子がたいへんエッチ。そしてためにためて放出したときの、気持ち良さげな様子が素晴らしい。量もたっぷりで、「ああ、こんなふうに派手にぶっ放せたらさぞかし気持ち良いだろうなあ」と憧れるものが。女の子としての快感についての描写もあるけれど、極上な射精の快感を描こうとしているのが、ちんちん持ちとしては肉体感覚に訴えかけてくるものがあって素晴らしいなと思います。あとRaTeの特徴でもある、女の子の身体のもちもち感はもちろんこの作品でも健在。

【単行本】「おねえちゃんといっしょ」 池上竜矢 コアマガジン A5 [Amzn]

 なんだか独特のハイテンションなエロ漫画を描く人で、個人的にはけっこう気に入っている。基本的には妙齢のおっとり顔のめがねっ娘さんが、かわいい少年にムラムラしちゃって襲ったりかわいがったりしちゃう的な話が多い。表題作の「おねえちゃんといっしょ」はOLさんが年の離れた実弟とやりまくっちゃう話だし、コミックメガストアに掲載された「〜先生気をつけて!」シリーズはかわいくて巨根な男子生徒を女教師3人で奪い合うといった具合。伸びやかな絵柄でカラッと明るく、ドタバタ楽しいエロを展開してくれていて、気軽に楽しめるのがいい。ちょっとギャグ色が強いので抜き目的にはいくぶん向かないところもあるかもしれないけど、それでもエロシーンも濃密ではあるので使おうと思えば使えそう。

【単行本】「DAYBREAK」 天竺浪人 三和出版 A5 [Amzn]

 今回は天竺浪人にしては比較的軽めな内容かな。単行本のメインとなる「飼い主の責任」は、同じクラスの委員長女子を主人公が飼い主として調教するという内容。二人とも変態だけど案外ラブラブ。あとつげ義春のパロディっぽい作品もあったり。全般的に力が抜けてて気楽に読めるが、天竺浪人らしい尻へのこだわりはやはり伝わってくる。あとこの人のAV女優に対するコラムはけっこう好き。最近自分は返しに行くのが面倒でめっきり見なくなってしまいましたが……。

【単行本】「みるく・ぱい」 BENNY’S 司書房 A5 [Amzn]

【単行本】「ちぇりー・ぱい」 井ノ本リカ子 司書房 A5 [Amzn]

 井ノ本・BENNY’Sコンビの単行本が司書房から同時発売。この二人は現在はポプリクラブで主に描いているけど、以前はドルフィンなどの司書房系で描くことが多かった。というわけで司書房系の雑誌やらコミックマナ(三和出版)などに掲載され、これまで未収録だった作品に、再録少々をプラスした単行本となっている。どちらも再録は少なく、ほとんどが初収録なのでお買い得感はあり。

 この二人の描く作品の魅力は、やっぱり女の子の身体がたいへん柔らかそうであること。以前はBENNY’Sのほうがパッツンパッツンで元気の良い作風、井ノ本リカ子のほうが白っぽくてより柔らかめな絵柄でリリカルな作風という感じだったけど、年を経るに従って両方の作風がより似てきた。自分としてはどちらも華やかかつ実用性も十分あるので好きです。

 とくに最近は二人とも年上のおねいさんものを得意としてて、そういう系統の作品では、女の子たちの優しげな表情と包み込むようなふんわかおっぱいの描写が威力を発揮。甘ったるいお話作りもうまい。「みるく・ぱい」「ちぇりー・ぱい」には2001〜2004年の作品が入り混じっているので、ファンな人はその間の絵柄の変化とかを楽しむのもよろしいかと。

【単行本】「ふぇちっしゅ(><)」 岸里さとし 茜新社 A5 [Amzn]

 以前は火野聡司名義だった岸里さとしの最新刊。この人の絵は前はけっこうクセが強かったけど、近作はずいぶんキャッチーになってきている印象。目の描き方がスッキリしてキャラの顔立ちもだいぶ萌え系な感じになってきているような。冒頭の「中一ふぇちっしゅ!(><)」の絵柄は、ちょっと琴義弓介っぽいかなあ。それでいつつストッキングだのスク水だの、肌にピッチリ貼り付いてむちむち感を強調するような衣装へのこだわりは相変わらず。あとこの人の描くコギャル(死語ですかね)は、ナマイキそうだけど愛敬があって好きだったりします。


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