OHPトップ > オスマントップ > 2007年6月の日記より
このページは、「OHPの日記から、その月に読んだ単行本の中でオススメのものをピックアップする」というコーナーです。文章の中身は、すべて日記からのコピー&ぺーストです。加筆・改稿等は原則として行っていません。
なお、ここで取り上げる単行本は「その月の日記で取り上げたもの」です。「その月に発売されたもの」ではありません。だから古い本でも入ってくることがあります。ピックアップした単行本は多少分類してますが、これはあくまでページを見やすくするための便宜上の分類です。かなり適当に割り振ってますのであんまり気にしないでください。あとシリーズものの途中の巻は、取り上げないことが多いです。
▼強くオススメ
【単行本】「GAMBLE FISH」1巻 作:青山広美+画:山根和俊 秋田書店 新書判 [bk1][Amzn]
週刊少年チャンピオンでやっているギャンブルもの。物凄いキレ者の転校生・白鷺吐夢がエリートが集う学園に乗り込み、1か月で100円を100億にするとブチ上げ、学園で次々ギャンブル勝負を繰り広げていくという内容。本当に学生で100億なんてことが可能なのか……というのはともかくとして、その額に代表されるように、とにかくハッタリが利きまくっているのが面白い。濃いめの絵柄で画面構成とかもダイナミック。
原作者は麻雀漫画「バード」など、ギャンブルものでも秀作をモノにしている青山広美。この人は自分で描かせてもけっこうな漫画巧者なのだが、ここに山根和俊の作画も加わって、本人作画とはまた違ったキレが出ている。とくに面白くなってくるのは、マジシャン少女の月夜野由佳が登場してくるあたりから。吐夢を目の敵にする悪役先生の前で実力を証明するべく、マジックを披露するが、そこでいきなり自分から全裸になっちゃうあたりは驚かされた。あとこの悪役先生の邪悪な表情とかもなかなか良い。ものすごく分かりやすく悪役している。
1巻の時点では立ち上がり段階で濃さがまだ出きってない部分はあるものの、連載のほうはその後どんどん上り調子になっている。月夜野由佳戦が決着するあたりの強引すぎる展開には引き込まれたし、お色気系のサービスもなんかドバーンとあられもなくやっててとにかく印象に残る。この調子で行けば今後も面白くなっていきそうということで、期待の一作。
【単行本】「クリスティ・ハイテンション」1巻 新谷かおる メディアファクトリー B6 [bk1][Amzn]
これはなかなかいいですよ。正直なところ、今さら新谷かおるでこんなに萌えるとは思ってなかった。なんかもうおみそれしましたすみませんという感じで。
お話のほうは、シャーロック・ホームズに姪がいたという設定で、10歳ながらも該博な知識と明晰な知能を持つ少女・クリスティが、さまざまな事件を解決していく。このクリスティちゃんがかなりカワイイんですよね。ウェーブの盛大にかかったブロンドのロングヘア、パッチリしたおめめ、ちょっとイタズラっぽい表情など、いずれもキュート。それと推理のキレ味の良さ、機転の利きっぷりなど、やたら賢いところもこの娘さんの場合チャームポイントとなっている。あとシャーロックおじさんに推理で先回りされたときの悔しがり方とかも無邪気で実にかわいらしかったり。
それからクリスティお嬢様に仕えるメイド、アンヌマリーとノーラ、後に家庭教師になるグレースさんなど、クリスティを見守る大人の女性たちもなかなか芸があって面白い。とくに普段はしつけに厳しいのに、いざとなるとピストルを取り出して大立ち回りを見せるアンヌマリーが個人的にはけっこう良かった。ざっくばらんな姐御肌のノーラ、優しいお姉さん的なグレースもそれぞれ持ち味を発揮してるし。てなわけで華やかな気分で楽しく読んでいける一作に仕上がっている。
【単行本】「∀ガンダム 月の風」 あきまん(安田朗) 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
やっと出ました。ガンダムエースで連載された「∀ガンダム」の外伝的ストーリー。テレビアニメ本編の主人公であるロラン君は、物語開始時に月から地球へと送り込まれてきた少年だったけれども、「月の風」では送り込まれる前、ロラン君が月で兵士として訓練されていたころのお話が描かれる。
といってもガチガチの軍隊モノって感じではなく、ロラン君とおともだちが、訓練の過程で大活躍といった趣で雰囲気的にはわりと和やか。で、この作品でいいのがなんといってもロラン君がかわいいところ。丸っこい人なつこい顔つきで、ほんわかした雰囲気を醸し出していて、なんかもうすごく和む。「弟にしたい少年No.1」って感じ。あと彼とその同僚連中とのやり取りも、なんか子供っぽい無邪気さがあって楽しい。あきまんのぼやーんとした感じの、独特のタッチの絵柄が素晴らしいです。
【単行本】「累〜かさね〜」 1巻 田邊剛 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
現在コミックビームで連載中の和風ホラー、つまり怪談モノ。三遊亭円朝「真景累ヶ淵」を題材に取り、ゾクゾクするような世界を展開している。
時は江戸時代。三味線の美人師匠の元で下働きするようになった、きざみ煙草の行商人の新吉。新吉はやがて師匠と愛人関係になるが、師匠は過去の因業に祟られたか顔にできものができ、それが悪化して、日増しに醜い姿に変わり果てていく。それと共に彼女は新吉に対する妄執を強め、彼を自分の元に縛り付け、三味線の弟子である若い女に強い猜疑心を抱くようになっていく。
というわけでたたりに見舞われた熟女の怨念がドロドロと描かれていくわけだが、これがかなり怖い。田邊剛の画風は写実的。最近のオタク向け漫画的な漫画表現は全然使わず、脂っ気を極力削ぎ落としたものすごくストイックな絵柄となっている。その画風で丹念に描き込まれた画面は、実に迫力がある。まさにホラーものとはベストマッチ。日常の何の変哲もないシーンでさえなんだか薄気味悪いのに、物語が緊迫してくるとさらに不気味さが増していく。とくに師匠の崩れていく顔と、新吉に迫っていく恨みがましい目つき、若い女に向ける嫉妬のまなざしなど、かなり恐ろしい。
そして怪談的な本番はまだこれから。新吉に超常的な祟りが降りかかりだすのも2巻以降になる。今後どれだけ恐ろしい世界を展開してくれるか、とても楽しみ。
【単行本】「改訂版 猫谷」 花輪和一 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
で、花輪和一もう1冊。改訂版というところからも分かるとおり、1989念10月に発売された作品集を再編集したうえで、これまで未収録だった作品3本を追加。追加されたのは「ギボゴヤ」「ゆげにん」「背中の国」の3本。
こちらの単行本は掲載雑誌がガロが中心(「不倫草」のみ漫画ゴラク)ということもあって、「不成仏霊童女」と比べても、さらに濃い目の作品が多く、花輪節バリバリ。奇妙な生物とかがいろいろ出てきて、すごく刺激的。「慈肉」なんかはかなり素晴らしく、仏様のような姿形をした生物が捕らえられて、牢内で飼われているというお話。仏様が無表情なまま、メシをガツガツ貪りくらい、うんこをぼとぼとひり出す様子は、実に異様でユーモラス。「猫谷」に出てくる、水の中に住まうテラテラ黒光りした謎のキャラもいいなあ。
この人の描くモノは、グロいといえばグロいんだけど、見てて嫌悪感はあまりなく、むしろ愛しさがこみ上げてくるというか、妙に心地よいものがある。それとお話のほうもキレがあってイイ。きっちり因果応報な話があるかと思えば、別段善人が報われるでもなくバッサリ終わっちゃったりする話もあるし。結末が良きにつけ悪しきにつけ、サクッとぶったぎってくれるんで気持ちがいい。とても楽しい。
【収録作品】「猫谷」「慈肉」「不倫草」「萩」「へそひかり」「生霊」「唐櫃の中」「ギボゴヤ」「軍茶利明王霊験記」「背中の国」「ゆげにん」
▼一般
【単行本】「ベクター・ケースファイル」1巻 作:藤見泰高+画:カミムラ晋作 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
以前週刊少年チャンピオンで連載したムシバトル漫画、「サイカチ」のアナザーストーリー的作品。今週のにゅーあきば.comのレビューでも取り上げた。「サイカチ」の主人公は昆虫大好き少年の真夏くんだったが、「ベクター・ケースファイル」では真夏の闘虫における師匠格の女子高生・榎木稲穂が主人公に。彼女がその豊富な虫知識を生かして、虫にまつわるさまざまな事件をズバズバ解決していくという筋立て。
というわけで今回は完全に稲穂がメインで、「サイカチ」時のキャラはほとんど出てこず、独立したエピソードとしてお話を展開。稲穂はいつも汚い白衣を着て髪もボサボサだが、異様なまでの虫好きであるほかは、けっこう純情でかわいい女子高生。「サイカチ」の中でも人気キャラだったが、それを今回は前面に押し出している。虫知識のほうも、カブト・クワガタだけでなく、より広範になり、身近に存在する虫の話題が増えたことでウンチク面でも強化。ただ虫がまつわる事件を解決するといっても、一方的に虫を悪者にすることなく、ちゃんと虫との共存を訴えている。虫好きらしい気持ちが伝わってきてなかなか好感が持てる。
また、掲載誌が週刊少年チャンピオンからチャンピオンREDに移ったこともあり、ちょっぴりエッチなサービスシーンも増えた。もともと「サイカチ」のときから、意味なくエロっぽい扉絵など煩悩度の高さは定評があったけど、今回はそれが進化している。とくに第4話「痴漢電車のアイドル」なんかは、アイドルやってる女の子が虫の毒を使うストーカーのせいで、電車内でハァハァ悶えまくったりしてて取り分けエロっちい。またおまけ漫画では、「ベクター・ケースファイル」および「サイカチ」に出てくる女性キャラが集結し、温泉で裸でダベるなんてことをやっていたりする。
チャンピオンREDという、比較的自由にやれそうな場に移行したことで、虫の描写だけでなく煩悩描写も盛んになっていて、お楽しみは増えた。てなわけで今後の展開にも期待したい。それにしても「ベクター・ケースファイル」になってから、完全に無視されている「サイカチ」時の男性キャラ陣はちと不憫。まあおまけ漫画にはちょっとだけ、おまけのおまけって感じで出てましたが。
【単行本】「アウトサイダー」 田邊剛 エンターブレイン B6 [bk1][Amzn]
「累〜かさね〜」1巻と同時発売の短編集。こちらはラヴクラフト「アウトサイダー」、チェーホフ「中二階のある家」、ゴーリキー「二十六人の男と一人の少女」、それからオリジナル作品である「呪画」シリーズ5話を収録。
こちらについては「中二階のある家」「二十六人の男と一人の少女」はホラーというわけではないが、田邊剛の持ち味は十分発揮されている。この人の良さは、作品からもビシビシ伝わってくる、創作に対する真摯な姿勢だと思う。本当にストイックすぎるくらいストイックで、漫画的な表現技法を使うことで省力化しようとかいったことはいっさい行わず、とにかく細部までしっかり描き込んで、まったく手抜きが感じられない。
正直なところ、器用な作風ではないと思う。この骨太でけれん味のない作画は、現在のマニア向け漫画雑誌においても、目立ってしまうくらいに華やかさや甘味、萌え成分的なモノがない。松本次郎とかなら女性が色っぽいし、諸星大二郎だって独特の愛敬がある。同じくホラーものを手がける御茶漬海苔あたりでも、もう少し遊びはある。その点、田邊剛は絵的にはとてもうまいし、表現力も凄いのだけど、ストイックすぎるほどにストイックで、いい意味での「遊び」的な要素を一切排除している。
そのようなわけで技量は文句なく高いが、ちょっととっつきづらい作風ではある。恐らく好き嫌い分れるところではあるだろう。しかしそういう妥協のない作風だからこそ到達できる高みもあるはず。この求道者的なものさえ感じさせる才能が、ここからどんな作品を作り上げていくのか、気になるところではある。
【単行本】「呪街」1巻 惣本蒼 講談社 B6 [bk1][Amzn]
現在アフタヌーンで連載中の作品。日本のどこかにある、さまざまな方法で人間を呪い殺せる力を持った呪力者たちが集められた「呪街」。そこで繰り広げられる力を持つ者たちの戦いを描く。
というと派手な超能力モノっぽく思えるかもしれないけど、本作品における呪力の描写はわりと地味。光線を発したりすることはなく、呪力者のいるところに近づくと人間がふらふら倒れて死ぬとかいった具合。絵柄のほうも地味めで、古林仁史の絵をスッキリさせて、ちょっとかわいくしたような感じ。お話のほうはまだ序盤だけど、けっこうクールな語り口でつづられる物語には、不吉で不穏な気配が濃密に漂う。呪力の描写にも独特なモノがある。お話のテンポも小気味よい。ちょっと気になる新鋭といえる。
【単行本】「ホワイトカオス」1巻 濱元隆輔 双葉社 A5 [bk1][Amzn]
ある日突然、平凡な主人公女子・七種ナナミちゃんが悪魔にされちゃって、善行づくしだった前世とのバランスをとるべく、悪行を重ねなきゃいけないことになってしまう。まあそんな状況で、ナナミと、彼女に罪の教育を施すちょいとアホウな善悪管理課の人たちとのドタバタコメディが展開されていくといった具合。
濱元隆輔の作画はいつもながら非常にかわいい。光を透かしたような独特のタッチは、美しくもありキュートでキャッチー。ギャグのほうも小回りが効いててノリもよくなかなか楽しい。まあ絵だけでもけっこう満足できるけど、それだけじゃなく、読んでてきっちり面白い作品になってると思います。
【単行本】「UFOおねえさん」 小野寺浩二 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
中学一年生の主人公・陸のおとなりに住んでる姉貴分的存在・そらは、宇宙人がらみの話題が大好きで、自分は宇宙から来たスペースパトロールであると語る電波娘。……だと思ってたら、彼女のいってること全部本当だったよどうしましょう、ってなとこから始まるドタバタラブコメ。
まあいつもながらの元気が良くてノリノリで楽しい小野寺ワールドが展開される作品だけど、これはかなり面白かったです。宇宙人やUMAをいじり倒してギャグにしたお話は勢いがあって楽しい。オカルト的ネタは自分の場合、「世界謎と不思議大百科」などで読んだ、通りいっぺんの知識しかないものの、それでも料理の仕方がうまいなーというのは感じる。
そして何気にラブコメとしてもよくできてると思う。ヒロインのそらのキャラが見ててとても楽しいし、陸に何かとまとわりついてくるベタベタに甘ったるい部分も心華やぐ。陸もそらも力いっぱい相手のことが好きな様子が気持ちイイ。あと陸に片想いしているクラスメート女子のめがねっ娘さんも、賑やかで楽しい存在。ラストもお祭り騒ぎ的な賑やかさで、おめでたく、そして後味良く締めくくってくれている。あと巻末収録の読切作品「おにぃちゃんといっしょ」も、アホな兄妹に存在感があって面白おかしく読めます。
【単行本】「おもいで」 二宮ひかる 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
短編集。今回は「年下の男の子」がテーマだったそうだけど、どの作品も相変わらずスッキリとした甘さに満ちていて、なおかつ色っぽさも十分で読ませる。ベタベタすることはないけどドライでもない。読んでいる者の心にしっとり貼り付いてくるような、滑らかな肌触りの作風が心地よい。作者後書きでは「けっこう長いこと、マンガを描けなくなっていた」とあるけど、最近ではじょじょに復帰しつつあるようで何より。やはり稀有な才能だと思うんで、余計なお世話かもしれないけど、やっぱり少しずつでもいいから描き続けていてほしいもんです。
【単行本】「成城紅茶館の事情」 スエカネクミコ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
なんだかごちゃごちゃ賑やかなドタバタギャグ。主人公の少年・士乃が、片想い相手の女子が親友の彼女になってしまったことで落胆。とある喫茶店でヤケ食いしていたところ、そこで出された紅茶がなんかヘンなものだったせいで、紅茶を飲むと女になってしまうという体質になってしまう。ところが片想い相手の女子は実はレズだったことが判明。士乃は女になった状態で彼女に惚れられてしまうし、親友のほうもばいんばいんな女バージョン・士乃に欲情……とたいへん困った状態になる。
てなわけで性別入れ替わりモノのドタバタギャグとなっていて、けっこう面白く読めた。絵が華やかだし、女体化したシーンは色気も十分。ドタバタ感たっぷりで、行き当たりばったりに展開するお話も勢いがあって愉快。あと巨乳党の私としては、女バージョンの士乃の乳が良かったこともプラス要因。
帯には「ド変態漫画です。覚悟して読め!!!」とか書いてあるけど、個人的な感覚でいえば、そんなでもないかなーといったところ。そこまでディープだったり濃かったりすることはないです。別に三和出版系の変態漫画と比べるまでもなく、このくらいは最近の漫画ならアリだと思うし。スカトロとかアナルファックとか出てくるわけでもないですしのう。まあそんなわけで本当にド変態な作品を読みたいという人が帯見て買うと肩透かしかもしれないけれども、テンポ良く読めて華もある作品なんで、楽しく読めるんじゃないかと思います。
【単行本】「amato amaro」 basso 茜新社 B6 [bk1][Amzn]
basso(オノ・ナツメ)の新刊。ボーイズラブではなくメンズラブとなっております。メインとなっているのが、経済学者であるヴィットーリオ・コンティ教授とそのボディガードのアルマンド・パガーニ。それからヴィットーリオの友人であるメディア王・ジーノ。いずれもちょいと色気のある大人の男たちのやりとりを、小気味良く描いている。そのほかの短編についても小粋。
メンズラブといっても肉体関係ズンズンって感じではないし、ベタにラブラブというふうでもなく、濃密であるけれどもしつこくならないさじ加減が憎い。絵柄も相変わらずシャレていて小粋。きっちり男連中のチャーミングさも描いている。抑えめな表現の中からも、作者が「自分はここに萌えてるんだよ!」っていうのはしっかり伝わってくる。やっぱうまいなあと感心させられる。
【単行本】「メガネ×パルフェ!」 きづきあきら+サトウナンキ スクウェア・エニックス 新書判 [bk1][Amzn]
白衣でメガネの先輩に一目惚れして「白衣メガネ部」とも呼ばれる科学部に入部した少女・みさおだが、その相手である先輩・究太朗はたいへんサディスティックな変わり者。彼はみさおの好意を知りながらも、彼女を「人は条件が整えば恋愛に落ちるか?」という恋愛実験の実験台にし、自分の弟である欧次朗をその恋愛対象として起用するのだった……。
といった感じで進行する、いっぷう変わった学園ラブストーリー。みさおちゃんはとにかく一生懸命で、究太朗を一目見るやパニック状態になってしまうほど彼のことが好きなのだが、その気持ちを究太朗は手ひどく弄ぶ。しかも欧次朗が、みさおのことを好きだと知っていて、その気持ちも利用するのでタチが悪い。そんなイジワルな兄・究太朗と、自分のことをまっすぐ好いてくる弟・欧次朗に挟まれて、みさおの気持ちはぐらぐら揺さぶられまくる。
てなわけでけっこうお話としては人が悪いんだけど、少女の気持ちがあっち行ったりこっち行ったり、ぐらぐら揺さぶられるお話はスリリング。また欧次朗のメロメロっぷりが見ててかわいかったり、究太朗のサディスティックな行為に秘められた気持ちのほろ苦さも興味深い。相変わらず心の隙間やトゲトゲした部分などを、ねちっこく突いてくる作風は健在で刺激的。ちょっと最初のほうは、みさおのテンションが高すぎ、絵柄のはっちゃけた感じもあってとっつきづらく感じる部分はあるけれど、甘さと痛さが入り混じった、読ませる作品に仕上がっていると思う。キツめの苦い部分と、甘ったるいデレデレ部分が、両方の味をより鮮烈に際立たせている感じ。
【単行本】「バス走る。」 佐原ミズ 新潮社 A5 [bk1][Amzn]
オムニバス形式の短篇シリーズである表題作と、その他数本を収録した作品集。「バス走る。」シリーズは、停留所から始まる恋物語を描いていく作品。佐原ミズの品の良い透明感のある絵柄で、爽やかな甘さのあるお話をそれぞれ作っていて、なかなか気持ち良く読める。そのほかの短篇についても安定したクオリティ。スッキリしててトキメキも十分あって、よくできてると思います。
【単行本】「ジジジイ −GGG−」1巻 小山宙哉 講談社 B6 [bk1][Amzn]
物凄い快速で町を駆け抜ける怪盗ホープ。なぜか彼の盗むモノは、うまい棒とか歯ブラシとか、誰も見向きもしない安いモノばかり。でも逃げるときは誰も追いつけない俊足と跳躍力で、町を自由自在に駆け巡る。そんなホープの正体は、悠々自適に世を生きる、自由闊達な爺さんだった……というストーリー。
まあそんなわけで、主人公・ホープの設定は、「鉄コン筋クリート」の爺さん版という感じ。奔放な行動とかも似ている。でもお話は基本的に明るく爽やか。イキで心優しい爺さんが、イキなことをして回るといった感じの筋立て。小山宙哉の作画は、前単行本の「ハルジャン」のときよりも洗練されてきており、各話もきっちりまとめてあって完成度は高い。ただちょっとイキに見せよう、いい話にまとめようといった部分が鼻につく部分があり、ホープのキャラも少々わざとらしく感じられる。個人的には「ハルジャン」のほうが、主人公がバカで小さくまとまろうとしてなかった分、好感が持てたかな。現在のほうが腕は上げてきてるとは思うんですけどね。
【単行本】「この恋は実らない」1巻 武富智 集英社 B6 [bk1][Amzn]
イケメンでヤリチンで、大学生ながら女の子食いまくりだった主人公・黒杉輝。それまで女とヤリはすれど、恋はしたことなかった輝が、ある日公園で犬を散歩させていたすごく清純そうな女の子・百合子に一目惚れする。しかし遊びで女の子を口説いたことは山ほどあれど、真剣に恋をしたことはない輝は、初めての経験に戸惑いまくる……という感じで展開されるラブストーリー。
武富智のキレが良くて潤いもある画風は、ここぞという見せ場のシーンではたいへん効果的で、パッと目を吸い寄せられる魅力がある。ストーリーのほうは今のところもう一つピンと来てないかなー。主人公・輝がイケメンのヤリチン君なので、男的にはちと感情移入しにくいキャラ(イケメンでヤリチンな人にとってはそうでないかもしれませんが……)。まあそういうキャラが、思春期の少年のごとくあたふたするさまは面白くはあるけれど。これからお話を進めていく中で、輝にどこまで親近感を持たせられるかがカギかな。
【単行本】「悪魔とドルチェ」1巻 鈴木ジュリエッタ 白泉社 新書判 [bk1][Amzn]
「カラクリオデット」の鈴木ジュリエッタがザ・花とゆめでやっているシリーズ連載。友達作りが下手でクラスでは孤立している女の子・小倉マユリと、彼女が間違って召喚してしまった甘いもの大好きな悪魔ベルゼビュートが、一緒に過ごすうちに惹かれ合っていくというラブコメ。最初はマユリがお菓子を作って、ベルゼビュートが願いを叶えるという形だったけど、だんだん契約関係抜きに一緒に過ごすようになる二人の様子がなかなか微笑ましい。スッキリ爽やかでほの甘い、鈴木ジュリエッタの絵柄も見てて心地よいものがあり、コンスタントに楽しめる一作といった感じ。
▼エロ漫画
【単行本】「わすれな2」ハイグレード版 ゼロの者 一水社 A5 [Amzn]
どうしようもなく惹かれ合ってしまう兄と妹の愛の行方を描いた長編連載もこれにて完結。ゼロの者としては初長編だったけど、個人的にはすごく面白く読んだ。妹が人妻になってからのお話と、兄妹の少年少女時代のお話をそれぞれみっちり展開していく構成のおかげで、熟れた人妻の肉感と少女の初々しさを存分に味わうことができた。また兄妹という禁じられた関係ゆえの、甘さ切なさ背徳感などを実に色濃く描けていたと思う。エロシーンも、相変わらずの汗に濡れた、柔肉の描写がむっちりしていて、とてもエロチックだった。
何より兄と妹のどうしてもお互いをあきらめきれない、濃厚な結びつきの描き方が素晴らしかった。ハッキリとした言葉を口にはしないものの、兄を誘う妹の艶やかな肢体。兄がその想いを断ち切ろうとするたびに見せる、とても切なげな瞳の光。とにかく強烈な吸引力のあるキャラだった。胸を締めつけるように切なくあると同時に、トロトロに甘美な一作だった。作者自身、「自分の中で描きたかった近親モノの集大成」とあとがきで書いているけど、そう語るだけのモノはある一作だったと思う。
【単行本】「エロイネコ」 野良黒ネロ コアマガジン A5 [Amzn]
初単行本だけどなかなかいい感じ。野良黒ネロの特徴は、なんだかとてもぷにぷにもちもちした絵柄。体つきのほうも肉がもっちりしてぴたぴた貼りつくような質感なんだけど、ヒロインのキャラもほわーんとした表情で、天然ぼけっぽいゆるめな雰囲気を醸し出している。あえぎ顔も口のはしっこからよだれがたらんと垂れて、ふよふよした独特の表情を見せる。作風全体に漂うユルさ、しまりのなさみたいなのが心地よい感触となっている。
そういう作風でありながら、エロ度は案外高い。柔らかい線で描かれるむっちりもっちりした肉が吸いついてくるような感覚はなんとも気持ち良さそうでソソられる。あえぎ顔も変化に富んでいて、なかなか目を引き寄せるものがある。お話は明るく脳天気な感じのが多い。こういう絵がユルくてお話もほんわかした人は、エロのほうものんびりしたものとなってヌルくなりがちなんだけど、この人はちゃんと実用性も両立できてるのが良いと思う。
収録作品では、妹・彼女・先輩女子と3連コンボとなる「デスパレート・ボーイ」「ガールズラプソディー」「メガネっ娘クライシス」の印象が強い。最初は主人公と妹のエッチを目撃して圧倒されていたが、開発されてエロエロモンスターに変身し、底なしでやりまくっていく主人公彼女のキャラが見ていて楽しい。あと先輩女子のパイズリシーンなんかも乳が実にやわっこそうで、作者の絵柄の特質が生きていると思う。実用度では、お父さんがこっそりつき合っている娘の親友とプールサイドHしちゃう「ここなと♥」なんかも、彼女の舌使いがねっとりしてて良かった。
まあ基本的に上記のようにユルめな絵なので、キッツい鬼畜系な話はないし、明るく楽しく読んでいける。乳サイズはおおむね巨乳。そんなわけで、やわらかそうなむちむちもっちり系な女の子が好きな人にオススメ。
【単行本】「ご近所のもんすたあ」 みた森たつや コアマガジン A5 [Amzn]
「亜人種」と呼ばれる、人外の者の血が入った人たちが普通に存在する世界を舞台に展開される、甘ったるくてラブラブなエッチ物語。この世界の亜人種は極端に出生率が低いのだが、亜人種同士だと極端に血が濃くなってしまうため、なるべく人間とするのが推奨されているのだけど、亜人種を妊娠させやすい体質の「適合者」はごくわずか。その血を持った主人公・育守飼人と、同級生で亜人種のこいちゃん、まやっち、それから保健医の中野林先生のラブラブエッチ模様が描かれていく。
という感じでまあ主人公と、女の子3人のハーレムラブコメ状態なんだけど、全体にものすごーく甘ったるく仕上がっていて、その手のラブラブな作品が好きな人にはとても楽しめる内容となっている。亜人種は基本的にみんなエッチは好き。それにつけこんで性欲解消している男も多いのだが、主人公・飼人は彼女たちの弱みにつけこんでヤルことを肯んぜず、本当に好きな娘としかやろうとしない。そのストイックさがより3人を引きつけ、ベタ惚れ状態にさせていく。
まあそんなモテモテ状態の主人公をやっかんだ、学校のほかの連中にはボコボコにされたりすもするけれど、その分3人とのエッチは濃くて甘ったるい。貞操観念はあれど、いざやるとなったらたいへん頑張るし、精力も強い。飼人と一緒にいると、真っ赤になって照れたりはにかんだりする3人の様子も見てて楽しい。3人娘は、こいちゃんは人なつこく愛敬たっぷり、まやっちはツンデレデレ系(ツンデレなんだけどデレがすごいという意味でこんな表現に)、中野林先生は大人の女性に見えて飼人に対しては少女のごとく恥じらう。それぞれ違った味のかわいらしさがあって良い。個人的には中野林先生のメロメロっぷりが一番好みだなあ。
お話としては1冊まるまるの続きモンなんで、ボリューム感もある。まあストーリー部分での盛り上がりというか、浮き沈みはさほどもなく、ずっと幸せラブラブエッチ全開状態ではあるけれども、そういう甘ったるいのが好きな人にはたまらないものがあると思う。亜人種だけど体毛もわもわとかではないし、けものみみはあんまり目立たないので、けもの度は低め(そもそもまやっちは半分ヴァンパイアなのでけものでもないし)。というわけでけもの系に抵抗ある人でもさほど気にならずに読んでいけるはず。
こういう甘ったるい系で長めのお話でしっかり見せることに関しては、みた森たつやは抜群の腕前を誇る。エロも濃厚だし、何よりキャラがみんなかわいくて愛情たっぷり。みた森たつやの作品は、なんていうか潤いがあってハードなエロやってても読んでて癒されたりするんですよね。つい繰り返し読んじゃう。充実した楽しい一作です。
【単行本】「ツンデレさん」 猫玄 茜新社 A5 [Amzn]
猫玄はエロ系ではもうすっかりベテランながら、衰えることを知らず、安定した萌えエロを供給し続けていていつも感心させられる。この単行本も実にいい仕事。とくに表題作である「ツンデレさん」はイイ。
ヒロインは、主人公男子のみならず学校中から「ツンデレさん」の相性で呼ばれている女の子。偉そうな命令口調で主人公に接してくるが、彼に対しては「キミの事を愛しく思っている」だのハッキリ明言。ロリロリな容姿と偉そうな態度、情の濃さなどが相まって、見てて楽しいキュートなヒロインさんに仕上がっている。ラブラブだしイタズラ心もたっぷりだし、オチも悪くない。
そのほかの短篇もいずれも手堅く、キャラ作り、シチュエーション設定、話運びなどなど抜かりなくきっちりまとめている。これで単行本は28冊目ですか。熟練の技がますます光ってますな。
【単行本】「妹バカ一代!」 くどうひさし 司書房 A5 [Amzn]
やっぱくどうひさしの絵はいいねえ。線はシンプルなんだけど、すごく甘酸っぱい味わいのある絵柄で、女の子たちがとてもキュート。またラブコメ系のお話の爽やかな甘ったるさがたまらない。独特のグラデーションのついたトーンで赤ほっぺを表現する、スッキリした絵柄が心地よい。今回はそのタッチになる前の、ちょっと古めの作品も一部含んでるけど、これはこれで。くりっとした大きなおめめも特徴的ですな。エロ漫画としての実用度は高くないんだけど、エッチありの青春ラブコメとしての出来は上々。
ただちょっと肩透かしを喰らうかな、と思うのが単行本タイトル。「妹バカ一代!」とあるけど、純粋に妹モノなのは1本しかないという点。残りは姉モノだったり女教師モノだったり幼なじみモノだったり。まあこの人の作品は、妹モノ以外も楽しいし、とくに幼なじみ純愛ストーリーが良かったりすることが多いので、「妹じゃなきゃイヤだ!」って人でなければ読めばそれなりに楽しめるのではないかと思うけど。
【単行本】「さわやかアブノーマル」 町野変丸 桃園書房 A5 [Amzn]
ものすごく久しぶりの新刊。この前に出たのが2004年3月発売の「ザ・ファミリー家族」だったかな? こんなに間が空いてしまった理由はズバリ、町野変丸が漫画家をやめてしまったから。その件については噂には聞いていたのだけど、この単行本では作者コメントで表明している。その記述によると、「2004年くらいにマンガ家やめたので(けーぞく中の仕事はやってるけど)」とのこと。現在、このほかの仕事はネットでCG集を売るのみとなっていて、「町野変丸CG集」を検索すると取り扱いショップがヒットする。
町野変丸といえば、ウチのページでも単行本リストページを作っていたくらい(もう4年くらい更新してませんが。スミマセン)で、非常に思い入れの深い作家さん。複乳、複チン当たり前。体中からおっぱいやまんこ、ちんこを無数に生やしたり、文字通り体の外と中を裏返したり、胴体よりもデカいちんこやまんこなどを描いたり……と、ありとあらゆるエロ漫画の限界に挑み、ギャグにした作風は唯一無二。まさにエロ漫画史に残る天才だったと思う。自分としては、この人の作品を読んで「ああ、漫画ってこんなこともできちゃうんだ! あんなこともやっていいんだ!!」と何度も思わされた。自分の凝り固まった狭い了見がガシガシ拡張されていくようで、すごく気持ちが良かった。こういう感覚を体験させてくれた漫画というのは、エロ漫画のみならず一般漫画を見回してみてもそう多くはない。
ただ、今の萌えと実用に特化したエロ漫画界では、この才能を差し挟める隙間が非常に少なくなっているのも事実。中には町野変丸的なことをやりたいと思う作家さんもまだまだいるかもしれないけど、その壁は非常に高く厚い。さらにあれだけムチャクチャやって、なおかつキャッチーさを出すってのは至難の業。エロ漫画誌以外でこれをやれるはずもなし、後継者は出てくるまいなあ……などと思ってしまう。
まあ湿っぽいことを書いてしまったけど、単行本の内容は相変わらずものすごいぶっとびぶりで、やっぱオモシロイ。エロエロモンスターゆみこちゃんが巨大金玉を生やしたり、全身子宮人間になったり、体中穴だらけになったりやりたい放題。あと素晴らしかったのは「普通ゆみこちゃん♥」。外見が普通の体だってのがネタになっちゃうってのがスゲーよなあ。あとゆみこちゃんが、まんこから兄を体の中にすっぱり収納しちゃう「ANIANA♥」も素晴らしい。
久々に町野変丸ならではの奇想をたっぷり味わえてシビれた。久しぶりだったせいもあってか、感動に近いものさえ感じちゃいましたよ。あー、この人がもう漫画描かないのか……。惜しいなあ。ちなみに町野変丸は既刊単行本はいっぱいあるけど、町野変丸未体験の人にはぜひチャレンジしてみてほしい。今見ても古びてないどころか、現在のエロ漫画にはないものだから、きっと新鮮に感じると思う。
【単行本】「女体解剖授業」 氏賀Y太 松文館 A5 [Amzn]
この人もさすが。スゴい。いつもながら氏賀Y太らしく内臓ドバドバな漫画が繰り出させるわけだけど、この単行本は内臓自体は少ないかな。とはいえシドいこと自体はガンガンやっているけれども。
とくに読みごたえがあるのが「マテリアル」シリーズ。最初はドタバタ学園コメディ調で始まった物語は、ページが進むにつれてヘビーに。人間をモノとして売買する連中によってとらわれた親友・かすみを助けるため、勝ち気な少女である主人公・いずみが、四肢切断され「肉枕」に改造され、その状態で陵辱され暴力行為に晒される。それでもなお彼女の心は折れないが、その身は下衆なおやじの所有物となったり、ゴミ捨て場に落ちたり、浮浪者に拾われて客を取らされたりと、悲惨な運命をたどっていく。ようやく再び出会った親友・かすみの肉体もまた見る影もない姿に。
このようにたいへんグロく、強烈に刺激的な展開を見せるにも関わらず、最終話では万感こみ上げるようなラストに持っていっており、思わずジーンと感動しちゃったりもする。激しく悲痛で、なおかつ心動かす百合的ストーリーに仕上がっていたりして驚かされてしまうのだ。氏賀Y太が、単なるグロ系の作家に止まらず、非凡なストーリーテラーであることを再確認させてくれる。
あとそのほかの短篇もやはりスゴい。人体破壊系の作品はグロさとあいまって圧倒的な迫力があるし、そんな中にブラックなユーモアを織り交ぜていく独特のセンスもさすが。本来自分はスプラッター系の作品はそんなに好きなほうではないけど、この人の作品は別。読んでてひでーとは思うものの、ただ殺伐とするばかりでもないし、読者を引き込む物語性もある。グロ耐性のある人にはぜひオススメしたい。
(追記)この単行本は2002年9月発行「デスフェイス」の復刻版です。
【単行本】「イヌコロリ」 川崎犬太朗 茜新社 A5 [Amzn]
パッと目をひく、華のあるロリ絵を描く川崎犬太朗の初単行本。細いスラリとした線と、パッチリとした大きなおめめが愛くるしい少女の造形が特徴的で、なかなか美しい絵柄です。タッチとしてはokamaを思い起こさせるところがある。そういう可憐なロリっ娘たちがあられもない姿でエッチに耽る姿は、快活でありながら艶めかしいものを感じさせてくれる。ただ彼女らとからむ男キャラはかなりイヤな風味な、べっとりとしたいやったらしい外見をしてるのが多いので、その点がネックになる人はけっこういるかも。あとストーリー面、キャラ立ても今一つ弱いかな。
最大の魅力は幼女キャラのかわいさ。これについては素晴らしい。とりあえず初単行本としては、それだけで合格点が出せると思う。今後はそれ以外の武器も身につけ、磨いていってほしい。