OHPトップ > オスマントップ > 2007年11月の日記より
このページは、「OHPの日記から、その月に読んだ単行本の中でオススメのものをピックアップする」というコーナーです。文章の中身は、すべて日記からのコピー&ぺーストです。加筆・改稿等は原則として行っていません。
なお、ここで取り上げる単行本は「その月の日記で取り上げたもの」です。「その月に発売されたもの」ではありません。だから古い本でも入ってくることがあります。ピックアップした単行本は多少分類してますが、これはあくまでページを見やすくするための便宜上の分類です。かなり適当に割り振ってますのであんまり気にしないでください。あとシリーズものの途中の巻は、取り上げないことが多いです。
▼強くオススメ
【単行本】「駅から5分」1巻 くらもちふさこ 集英社 新書判 [bk1][Amzn]
えーと、たしか雑誌掲載時とは、収録順番を変えてきてますよね。改めて読んでみてもやっぱりすごくうまいなあ……。駅から5分の花染町というごく平凡な町を行き交う人々の間で繰り広げられるドラマを、一話完結で描いていくオムニバス形式の連作ストーリー。主人公は話ごとに変わるけど、以前の話で出てきた人物が別の話にもさりげなく登場してきてり、ある話内で起きた何気ない出来事が別の話で重要な意味を持っていたりと、改めて単行本でまとめて読むと構成の妙にうなる。そしてどれか1話だけ切り出してきて読んでも、それはそれでキレ味抜群だったりするのも素晴らしい。描写の美しさ、感情の切り出し方のうまさにすごく感心させられます。空間の使い方と、時間の描写も素晴らしいっすね。
【単行本】「ガンオタの女」1巻 左菱虚秋 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
パッと見はすごい美人で仕事もバリバリできるけれども、素顔はズブズブのガンダムオタクというOL、賀ノ多さんの日常を描いていくコメディ。なかなか面白いです。賀ノ多さんはいちおう普通に暮らす気はあるものの、ジオン派でありシャアファンでもあり、着る服や携帯電話などはついつい赤いモノで揃えちゃったり、自分の部屋にガンプラをためこんじゃうような業深きオタク。その周囲の人たちも壺大好きな真壁さん、その後輩の浦賀さん、イケメンの岸利くんなど、ガンダムキャラをモデルにした人たちがわーっと揃っており、賀ノ多さんと彼・彼女らがしょうもないやりとりをドタバタ繰り広げていく。
この作品でいいなあと思うのは、ガンダムネタを豊富に盛り込みつつも、あんまりくどくないってところ。ガンダムネタで笑わせようっていうよりは、あくまでガンダム好きの人たちの行動の面白みで笑わせようとしてるってのが大きい。だからガンダムネタに対する知識がある程度薄くても、「そういうものなんだー」って感じで受け止めたうえで、キャラのしょうもない行動を見て楽しめるようになっている。
あとオフィスもののギャグ漫画として面白いってのもあるし、全体の雰囲気がほのぼのしている点も魅力。何よりキャラに面白みがる。とくに賀ノ多さんのおともだち話とかは楽しい。あと賀ノ多さんが、ララァみたいな子供を預かることになってからは、さらにほのぼの感が増している。なかなかええ案配で推移してると思います。
▼一般
【単行本】「化け猫あんずちゃん」 いましろたかし 講談社 B6 [bk1][Amzn]
最末期のコミックボンボンに掲載された、いましろたかしの珍しい子供向け作品。長生きするうちに化け猫になってしまった「あんずちゃん」と呼ばれる猫の二途上をまったり描いていく。
で、化け猫といってもあんずちゃんはとくに珍しいことをするわけではない。言葉をしゃべったり、人間みたいに立って歩いたりはするものの、それ以外はごくフツー。メシを食ったり仕事をしたり遊んだり。物腰もなんだかやたら落ち着いていて、猫の着ぐるみかぶったおっさんが日常生活を営んでいるといった具合。お話的にも事件らしい事件は起こらない。でもこれがなかなか面白い。とにかく飾ることのない、肩の力の抜けた作風が妙に心地いい。「癒し系」というのもなんだけど、なんかものすごくラクな気持ちでスーッと読めるんですよね。あんずちゃんもパッと見「カワイイ」ってタイプでもないんだけど、見てると心が安らかになってくるというか。味のあるいい漫画です。
【単行本】「とある科学の超電磁砲」1巻 作:鎌池和馬+画:冬川基 メディアワークス B6 [bk1][Amzn]
超能力開発がカリキュラムに組み込まれ、住民の大半が超能力者という学園都市で繰り広げられる物語。超能力をガンガン使って、さまざまな事件を解決していくのがメインではあるものの、まあ1巻の段階では電気系の超能力者を凄い勢いで使いこなす女の子・御坂美琴の生活を中心にお話が進み、けっこうのんびりしたところもある。
で、この作品でとくにいいのは冬川基の作画。ときに鳴子ハナハルを思い起こしたりもする華のある絵柄で、キレ味もかなり良い。お話自体はまださわりの部分かなーって感じは受けるものの、テンポ良く進んでいくのでスルスル読んでいくことはできる。かわいい女の子たちが元気良く動いているので、見てて楽しい。お話的にも今後盛り上がっていってくれると良いんですが。
【単行本】「魔女の騎士 ヘクセン・リッター」 二ノ瀬泰徳 秋田書店 B6 [bk1][Amzn]
なんだか無駄にエロい、剣と魔法系ドタバタギャグ。パッと見ロリっ娘だけど実は大魔女であるピーンに気に入られた少年コーディが、その口づけを受け、彼女に仕える騎士として忠誠を誓うことになる。そんでもってコーディはなぜか女装させられ、さまざまなピンチに巻き込まれたり、ピーンにかわいがられるなどして、エロエロな目に遭わされてしまうのだった。
二ノ瀬泰徳はこれが初単行本ということもあり、絵自体はまだ垢抜けない感じなんだけど、これが妙にインパクトがある。女装少年コーディが触手にうねうねからまれて喘いだりする様子は、掲載誌がいちおうエロ雑誌ではないチャンピオンREDだったこともあって、かなりやりすぎ感にあふれている。やはり過剰なモノはそれだけエロく感じるってもんで。触手がにゅるにゅる乳首にからみついたり、ドロドロ粘液を出したりする様子は、その手のネタが好きな人にはグッとくるはず。あんまり絵がうますぎない点もかえって味になっていると思う。
まあストーリー面を期待する人には向かないかもしれないけど、この元気の良さ、勢い、ほとばしる触手愛とかは好きな人は好くと思う。一芸のある面白い人なんで頑張ってほしい。
【単行本】「まちまち」1巻 かがみふみを 双葉社 B6 [bk1][Amzn]
相変わらずなんともういういしい。背が高いことがコンプレックスな女の子・高木さん、逆に背が低いのを気にしている男の子・古賀くん。幼なじみでもある二人が、少しずつ距離を縮めて、恋人同士としてラブラブになっていく様子を描いていくラブコメ。前作「ちまちま」は、男の子がデカくて、女の子が小さい身長差ラブコメだったけど、今回はその逆。
恋愛のステップについては、「ちまちま」が手をつなぐのが精一杯ってな感じだったのに対し、「まちまち」はもうちょっと先まで踏み込んでいく感じ。でも甘ずっぱさ、ラブラブ度は相変わらずで、絵もキャラ作りもたいへんかわいくて、読んでいると思わず顔がニヤけてきてしまう。初恋感バリバリ。若いって素晴らしい。
【単行本】「てるてる天神通り」1巻 児玉樹 角川書店 B6 [bk1][Amzn]
「Canvas2」の漫画版を描いた児玉樹の、初のオリジナル連載。主人公・天使は、6年ぶりに故郷の町に戻ってきたが、そこでいきなり町内会長に任命されてしまう。その町の町内会長には、つけると「福の神」が見えるようになるバッジを与えられ、神通力も仕えるようになる。その力で天志は町のさまざまな厄介事の解決、というか雑用を押しつけられることになるのだが……。
お話としては、ほのぼの暖かい雰囲気の中で、すごく賑やかに物語を展開している。素直で明るい絵柄のおかげもあって、まずまず楽しめる。現時点では、ちと賑やかすぎてとっちらかった感もあるので、これからお話を進めていくうえで、どのようにまとめていくか、絞り込んでいくかがカギになってくるかなーという感じです。
【単行本】「Ordinary±」 高橋慶太郎 小学館 B6 [bk1][Amzn]
現在サンデーGXで「ヨルムンガンド」を描いている高橋慶太郎の初連載作品。女子高生でありながら殺し屋をやっている少女・的場伊万里が、「学校」にはびこる悪を銃でもって討ち果たしていく。このころの高橋慶太郎の作風は、今と比べるとだいぶ荒削り。エッジのきいた鋭い絵柄はカッコいいけど、ちょっとゴチャゴチャしていて読みづらく感じられるところが多い。また「学生でこんなことやらんでも」という感じもしてしまう。とはいえガラスの破片みたいな剥き出しの鋭さ、危険さを感じさせる画風は刺激的であり、現在につながる片鱗は感じさせる。この人の描くキャラは、目に独特の力があるのがいい。それは本作の主人公・伊万里にも見られる大きな魅力だと思う。
【単行本】「スピリチュアルぱらだいす」1巻 小野寺浩二 小学館 B6 [bk1][Amzn]
オカルトがらみの事象に迫る部活「スピリチュアル研究会」の面々の活動を描いたドタバタスクールギャグ。主人公の玉置は、彼が自殺するもんだと思い込んでいきなり放しかけてきた少女・美月に一目惚れする。しかし彼女は、霊感がまったくないのにものすごく霊を見たがってて、他人の目なんかおかまいなしに、自ら部長を勤めるスピリチュアル研究会の面々を巻き込んで霊探索活動を続ける、とってもイタイ少女だったのだ……というところからお話はスタート。
玉置自身は美月とは逆に、霊感がすごく強くて、霊がバンバン見えちゃう体質。だけど怖がりなので、美月は何も感じない心霊スポットでいちいち怖い目に遭ってしまう。今のところ、心霊スポットにいっては騒動……という展開の繰り返しだけれども、とりあえず賑やかな様子と、報われない玉置の想いを描いたラブコメ模様が楽しい。
【単行本】「スポーツポン」1巻 吉田戦車 小学館 A5 [bk1][Amzn]
こちらはビッグコミックスピリッツでやってる連載。「フロマンガ」と同じように、スポーツとその周辺物をネタにしてギャグを展開。まあそんなわけで似たテイストだけど、スピリッツでやっているということもあり、固定キャラもいろいろ出てくる。かわうそやら、「殴るぞ」に出てきた犬やらも頻繁に登場(まあ「フロマンガ」にもときどき出てくるけど)。吉田ファンにとっては、懐かしい友達に出会ったような喜びに浸れるのではないでしょうかー。
【単行本】「花輪和一初期作品集」 花輪和一 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]
タイトルどおり、花輪和一の初期作品をいろいろと収録した短編集。現在の作風とは違うけれども、花輪和一は初期のころからすごくうまかったんだなあと感心させられる。妖美な色気を持ちつつ、偏執的な雰囲気を漂わせた作風で、個々の作品は短くても読みごたえがある。作者自身による作品解説によると、このころは「毒婦を描こう」という意識が強かったそうで、女の怨念がからむ業の深い話が確かに多い。
収録作品の中では、個人的には「戦フ女」が最も印象に残った。愛する男を徴兵に行かせまいとした女が、彼を自宅の軒下に生き埋めにして飼育するという内容。女の尿まみれの飯などを与えられるうちに、頭がおかしくなっていく男の様子がかなり印象的。イカれた目つきで楽しそうにヘンな歌を歌っている顔とか、たいへん愉快。
【収録作品】「肉屋敷」「怨乳」「怨獣」「赤ヒ夜」「猟人」「復讐 とかげ女」「復讐 ゴキブリ男」「かいだん猫」「捨子物語」「豚女」「戦フ女」「塗込め蔵」「日本妖怪おごろ草子」「垢嘗」「六富道」
【単行本】「吉田家のちすじ」1巻 中島守男 講談社 B6 [bk1][Amzn]
吉田家の爺・義父・夫・義理の息子、4人の男たちと一緒に生活中の奥さん・多香子さんの生活を描いていくホームコメディ。吉田家の男たちは皆あんまり要領は良くないが、天然なセクハラ体質の持ち主。多香子さんは必要以上にむっちりしたボディの持ち主ということもあり、吉田家の男たちの視線はついつい多香子さんに集中してしまう。そんな状況に多香子さんが困っている状況を面白おかしく描いている。
まあこんな感じだと、昨今のエロ漫画なら即ヤリなところではあろうけれども、吉田家の男たちは基本的にはチキンなのでそういうことにはならない。多香子さんの着替えを除いたり、尻を見つめたりと、その行動はかなり他愛ない。肉体をいじられるわけではなく、あくまで「ちょいとスケベ」「大人のスカートめくり」とでもいった感覚。
基本的にはエロスを感じる情景をネタにしているにも関わらず、けして生々しくなることはなく、あくまで軽い調子で推移するのがこの作品の良いところ。おもろい家族の観察漫画といった感じで楽しめる一作。
【単行本】「よみがえりんね♪」1巻 森見明日 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
女の子に告白しては玉砕しつづけてきた主人公・主人公(もろと・あきら)が、ある日突然、モテ始める。しかし彼に告白してくる女の子は、皆彼と前世で恋人だったという「前世女」ばかりだったのだ……というドタバタラブコメ。主人公がなんだかモテモテになって、あっちでもこっちでもトキめくという内容は、ラブコメ的にはまずまず楽しい。まあ、設定が突飛すぎるきらいもあるけれども。あとストーリー面でいえば、個人的には前世女たちでなく、主人公をずっと見つめてきた幼なじみ娘さんが気になるところ。ていうかまあこの話の作りでは、彼女が気にならざるを得ないんですが。
【単行本】「モテかわ★ハピネス」1巻 青木光恵 祥伝社 A5 [bk1][Amzn]
大人気モデルだけど、スッピンだと全然目立たない、あまつさえ漫画家志望で持ち込みまでしてるという女の子・河合モネが主人公のコメディ。ものすごくモテるのに、それを自分では全然意識しておらず、ごく自然体。とにかく天然なモネがたいへん魅力的に描けていて楽しい作品。まあここまで天然だと普通だったらわざとらしいんだけど、読んでてそういう不自然さをあんまり感じさせない、カラッと明るい作風がこの作品の長所。モネ周辺のきらびやかな人物たちもけっこうヌケてるとこがあって面白いし、気楽な感じで楽しめる一作。
▼エロ漫画
【単行本】「小指でかきまぜて」 雨がっぱ少女群 茜新社 A5 [Amzn]
COMIC LOの持ち込み大賞の初代受賞者であり、その後も精力的に作品を発表し続けている期待の注目株の初単行本。背景までしっかり描き込まれた美しい作画と、ときにページを大胆に使う表現力がこの人の魅力。アフタヌーンの四季賞作品っぽい雰囲気のある、叙情的な画面作りが何よりの特徴。
とくにこの人の特徴がよく現れているのが、この作品の最後に収められている「ソラを渡る円盤」。エロ漫画としては非常に珍しい、エロでないシーンでの見開き2連発はとにかく印象的。信じていた年上の男に裏切られた少女の悲しい気持ちが胸にしみいるような、大胆なページ構成が素晴らしい。作画クオリティ、叙情性、風景の美しさなど、この4ページのインパクトは本当に凄くて、作者の持つ高い表現力をビンビン感じさせてくれる。
とはいえ、単行本通しで読むと「すごくうまい」とは思うものの、案外物語に入っていきにくいなという印象も受ける。達者な絵を生かしてエロさで見せていくか、それとも萌え系に走るか、町田ひらくみたいな路線に行くか、それとも四季賞的な方向に行くか。どの方向に行ってもやれそうなだけに、作者自身も試行錯誤しているかのような印象を受ける。まあどれでも面白ければ個人的にはオッケーなんだけど、どの路線に行くにせよ、ストーリーを読ませる力を持ってて損はない。今後はキャラを印象づけ、お話を読ませる力をもっともっとつけていってほしい。素材はすごくいいと思うので、より高いレベルでの熟成を期待します。
【単行本】「絶体絶命教室」 ゴージャス宝田 コアマガジン A5 [Amzn]
けっこう待たされたけどやっと単行本化。この単行本には「CRUSH!!」全6話と、「ANGIE」「HEART MAKER」の全8本を収録。この中でメインとなっている「CRUSH!!」だが、なかなかに読ませる力作となっている。お話のほうは、学校の課外学習中に大きな地震が起きたせいで、男性教師・凪原と、5人の少女たちがガレキの下に閉じ込められてしまう。いつガレキが崩れてきて死ぬとも分からない状況の中、凪原と少女たちは一人ずつ交わっていくことになる……というのが大まかなストーリー。
ギリギリの極限状況の中ではあるが、本作に登場する少女たちはけっこうたくましい。危機の中で腹を括って、好きだった先生と愛を交わす姿は頼もしくさえある。またすぐ死ぬかもしれないというのに、将来の夢を語ったり、笑いさざめき合ったりする姿はキラキラ眩しい。そしてそんな彼女たちにどんどん惹かれ、惚れ込んでいってしまう先生の姿も、ロリコンだなんだってのを越えて清々しいものがある。
もちろん外から隔絶された状況における、少女たちとのガチエロ、ハーレム状況というのはドリーミングな妄想とはいえるんだけど、それ以上にきちんと読者に響く物語を作っているのがエラい。キャラの発する言葉が力強く、愛を感じさせる。タイプの違う女の子たちを、それぞれ魅力的に描いているのも素晴らしい点。ロリエロを濃くやりつつ感動もさせてくれるゴージャス宝田は、やっぱりスゴい。
あと「CRUSH!!」以外の2作も良い。「ANGIE」はヒロインが幽霊少女、「HEART MAKER」は心臓の弱い少女ということで、どちらもセンチメンタルな要素を含む。それが軽々しくなることはないけど、かといって「かわいそう」なだけで終わったりしない。キャラはしっかりかわいいし、エロ行為もしっかりやっている。描かれる対象となるキャラを愛しく思う気持ちが、アツく、ストレートに出ているのが良い。12月14日発売予定の「キャノン先生トばしすぎ」に向けて、早くも気持ちが盛り上がってきてます。
【単行本】「いつも君を感じてる」 葉雨たにし コアマガジン A5 [Amzn]
この人も単行本化をけっこう楽しみにしてました。たぶんコミックフラッパーで「すいむ。」などを描いていた谷澤史紀と同一人物だと思うんですが、ちょっと淡い感じの叙情的なタッチが特徴的。垢抜けないけど、青臭くて暖かみのある作風が心地よい。
ここに収録された作品は、コミックメガストア、メガストアHに掲載された作品ということでもちろんエロ。少年少女が主人公のほの甘い青春エロストーリーが多く、しみじみした味わいがある。元々リアル志向な絵ではなく、どちらかというと爽やかなタイプの絵柄なんで、さほどエロいって感じではないものの、最近はエロ描写についてもだいぶ頑張ってるなと思う。局部描写とかもじょじょに細かくなってきてるし、全体に肉感的になりつつある。派手ではないけど、しっとり手になじむ作風の持ち主。田舎の風景の描き方とかはとくに良い。本来の持ち味である叙情性や青さ、爽やかさを保ったまま、どこまでエロ方面を伸ばしていけるか。けっこう好きな人ではあるので、これからも頑張って活動し続けてもらいたい。
【単行本】「ぴんくぱんつぁー」 あかざわRED マックス A5 [Amzn]
かわいいい萌え絵とノリの良さがええ感じのあかざわREDの新刊。大人なんだけどロリ体型のおさななじみ姉ちゃん、それからその家族たちとラブラブエッチライフを繰り広げるドタバタコメディ「ろりあね」全6話、お嬢様と彼女によって女装させられてるかわいい少年の物語「絶対少女ism」全3話、それから読切作品の「おくちからのこいびと。」を収録。いずれもぷりぷりした萌え絵で元気良く、賑やかにお話を展開。かなり華のある萌え絵ながら、エロもみっちり濃密にやっているのが特徴的。ロリあり巨乳ありでいろいろこなすし、何より躍動感があってノリノリなお話作りが楽しい。サービス精神旺盛で、面白い作品描く人だなあと思います。、
【単行本】「あねてぃ」 綾乃れな 茜新社 A5 [Amzn]
たいへんぷよぷよした女体が印象的な綾乃れなの新刊。なよっちくてかわいい少年が、おっぱい大きめなお姉さんキャラ(姉とは限らず)とやるのが基本。おっとりした顔つきのお姉さんキャラがかわいいってのもあるんだけど、触感が気持ち良さそうなのがこの人の作品の特徴。あんまりエロ的にはハードってほどでもないのだけれど、もっちりした体つきはいかにも触り心地良さそう。そのおかげでエロ的にもけっこうソソるもんがあります。コンスタントで当たり外れの少ないタイプでもあり、手堅く良い仕事してるな〜という感じです。
【単行本】「ろーてく 輝くぬめりの宇宙へ」 大見武士 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]
「ろーぷれ」に続くローションぬらぬらエッチ漫画シリーズ第2弾。「ろーぷれ」は毎回ローションエッチをするカップルは変わっていたけれども、「ろーてく」ではメインキャラ固定。とあるマンションの管理人になった青年・松太郎と、彼を色仕掛けでたらしこんで家賃をタダにしようとするお姉さん・深見さんをメインにお話は進行。この作品でも毎回ローションは使っているものの、キャラのドラマのほうに目が行きがちで、ローションの存在感自体は前作のほうが上だったように思う。その分、ラブコメ度はこちらのほうが高いかな。回を重ねるごとに、深見さんが松太郎へのデレ度を高めていく様子はなかなか甘美なものがあって良かった。