吉田戦車
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海の中のウニ学校に通うウニのこどもたち、それから彼らの親、そして先生たちの姿を面白おかしく描いた作品。吉田戦車としては唯一の少年誌連載。ウニ先生の身勝手な独白がこの作品の最大の目玉。それから海の生き物たちの妙な行動も見ていて楽しい。少年誌向けという意識もいい方向に働いていて、たいへん下らなくも面白い作品になっている。初期バージョンは「ちくちくウニウニ」と「超ちくちくウニウニ」の2冊構成。後に「ちくちくウニウニ 全」となって1冊にまとめられた。
個人的な話になって申し訳ないのだが,この作品、というかこの作品の登場人物のウニ先生には、これまでの人生において多大な影響を受けている。もともと他人の話を全然聞いちゃいない人間である自分としては、ウニ先生の「私だけが幸せになれ」という哲学には感動したし、自分に都合のいい願望を口に出すときの彼の悪びれることなき態度にも敬意を覚えた。あと「自分だけ良ければいい」といいつつ、悪いことはしないのもいい。せいぜい天女の羽衣を盗んだりするくらいで、罪はあんまりない。でもまあ実際には、彼そのまんまな生き方が得かといえばそうでもなかったりする。まったく自分の都合だけ優先すると他人から憎まれたりするので、まわり回って損になる。そのようなリスクは最小限に抑え、自分には都合のいいように持っていこう。そんなことを信条に生きていたので友達は少ない。当然モテないので30歳を過ぎても独身である。やっぱりあんまり得してない。でもまあいいかとも思っている。
シリーズ:少年サンデーゴーゴーコミックス
初版発行:2003/04/01
ISBN:ISBN4-09-186739-1 C9979
価格:905円+全
判型:B6