吉田戦車

吉田戦車トップ / OHPトップ / 掲示板 / メール / リンク

■作家名でオンライン書店を検索: bk1 / Amazon.co.jp


「象の怒り」 エンターブレイン A5 [bk1][Amzn]

「象の怒り」 ■シリーズ:ビームコミックス
■巻数:全1巻
■本体価格:780円
■初版:2002/04/05
■ISBN:ISBN4-7577-0806-8 C0979

 ある日、世界で象がタイヘンなことに! というわけでいきなり知能を持って人間たちに牙、というか鼻を向け始めた象たちを巡り、スパイである夏助が大活躍するという物語。最近の吉田戦車にしては珍しく1巻まるまるのストーリーもの。

 まあいってみればスパイものなのだけれど、どうにもまったりしているのが味。夏助は世界各地を飛び回りながらも日本にいる妹や弟にしれっとFAXを送りつけてくるし、スパイならではの技もなんか間が抜けている。そもそも象って段階でなんだかユーモラスだ。まあ象でなくてキリンでもユーモラスではあろうし、実際に起こったらユーモラスどころの話でないことは間違いないのだが。正直いって派手な面白さはあんまりない。スペクタクルといえばスペクタクルなんだけど、常にどこかのんびりしてるし。でもその分、お茶でも片手に象の凄さ、スパイの必殺技の数々を堪能するのにはいいと思う。あと、象の総合栄養食である草パンとか、象用キーボードとか、細かいアイテムも味わい深くて好きだ。