山田芳裕単行本リスト

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■作家名:山田芳裕(やまだ・よしひろ)
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「ザ・プライザー」

■原作:末田今日也/末田雄一郎(旧版では末田京也、新装版では末田雄一郎と記載)

「ザ・プライザー」 <旧版>
■出版社:双葉社
■シリーズ:ACTION COMICS
■巻数:全1巻
■判型:A5
■ISBN:ISBN4-575-93267-1 C0079
■価格:780円(本体757円)
■初版発行:1991/08/26

「ザ・プライザー新装版」 <新装版>
■出版社:双葉社
■シリーズ:ACTION COMICS
■巻数:全1巻
■判型:A5
■ISBN:ISBN4-575-93624-3 C9979
■価格:1000円(本体952円)
■初版発行:1999/06/27

 山田芳裕には珍しい原作モノ。  主人公の渥美中郎は大学生だが、父の死をきっかけに収入がなくなる。働く気もない彼は「ザ・プライザー」として生きていくことを決意する。ザ・プライザーはようするに賞金稼ぎのことだ。といっても賞金首を殺すとかそんな物騒なものではない。雑誌の懸賞や、美術展の一等、仮装大会などの賞金を狙って金を得るのだ。
 職業として懸賞を当てる以上、偶然や幸運は一切排除。確実に取れる賞を見つけ、それに対する戦略を立て、最大限の演出をして確実に獲りにいく。それがザ・プライザーだ。例えば雑誌の懸賞では、名前のフリガナを書くようになっていないことからコンピュータ抽選でないことを見抜き、選ぶ人に最大限のインパクトを与えるべくスルメに切手を貼って応募するといった手段を用いる。そのほかの賞でも、賞のこれまでの傾向、開催される背景、スポンサーの都合、審査員のプロフィールなどを調べ確実な戦略を練っていく。「これならば絶対に穫れる」というものにしか手を出さず、獲物を決めたらそれに向かって全力を尽す。

 懸賞以外に定職を持たぬ身ながら、渥美は日本で暮らす英国人女性ビッキー(渥美は「光子」と呼ぶ)と同棲さえする。懸賞の稼ぎで彼女まで養おうというのだ。ときには金がなくなることもある。何日もまともな食事を摂れない日々さえある。でも、懸賞のみで食うという基本スタンスはけっして崩さない。武士は食わねど高楊枝を、剣ではなく懸賞にかけてまんま地で行くこだわりは実に粋であり、原作モノでありながら山田芳裕らしくもある。ちょっと性格はキツイが、それでも渥美を信じようとする光子も健気で魅力的なキャラだ。

 この単行本は、1991年に双葉社から発売され、1999年になって装丁を変えた新装版が発行された。新装版には最初の版に収録されていた「ザ・プライザー」1〜9話のほかに、読切の「ザ・プライザー」が収録されている。読切のほうは、渥美がイギリスを旅行中に光子と出会ったという設定になっているなど、連載とは少々違った構成になっている。

●収録
(読切の「ザ・プライザー」は新装版のみの収録)
タイトルターゲット
第1話「血」葉書懸賞
第2話「ザ・プライザー」競馬
第3話「トップ・オブ・サンライズ(前編)」ビル登り
第4話「トップ・オブ・サンライズ(後編)」ビル登り
第5話「京友賞市民美術展」美術展
第6話「犬探し」犬探し
第7話「カラオケ大会」カラオケ
第8話「ブックメーカー」選挙戦
第9話「銀ちゃんの仮装大賞」仮装コンテスト
「ザ・プライザー」漫画新人賞