June

茂る草の葉から水がしたたって、やわらかな大地に注いでいて、
ここが河の始まりと老人は言った。




2005.06.26 過ぎし日のやるせなき思ひ出はまたかげりゆく
家人から教えてもらった情報「鈴木昭男 点音(おとだて)プロジェクト in 和歌山」。鈴木昭男と一緒に市内の点音ポイントをめぐる点音ウォーク(各回定員10名)もあるらしい。和歌山県立近代美術館、田辺市立美術館、熊野古道なかへち美術館とパフォーマンスがあるらしく、どれかに行けないかなあと悩み中。鈴木昭男と"音のたどり"ウォーキングしたーい!

書肆 砂の書にてCDを購入。MAX NEUHAUS は前から欲しかったCD。

・MAX NEUHAUS「The New York School:Nine Realzation of Cage,Feldman,Brown」
・ZNR「BARAICADE 3」

MAX NEUHAUS のほうは「テキサス出身の実験打楽器&電子音楽奏者、マックス・ニューハウスによる1964-68年音源集。ケージ、フェルドマン、ブラウンのニューヨーク・スクール一派作品の演奏を収録」とのこと。ニューヨーク・スクールとは「第二次大戦直後の1940年代後半から50年代にかけて、ニューヨークを拠点として活動したJ・ポロック、W・デ・クーニング、B・ニューマンら、一群の抽象表現主義作家たちの総称。そもそもはモダニズムやアヴァンギャルドの超克を目指した動向」とどこかに書いてあったけど後半の部分がこれにかかるのかな。少ない音に冴えわたる音響でとても好み。今回購入した ZNR はたぶん聴いたことのない盤で、これから聴こうと思う。

家人がどうしても『なおきのぱん工房 ぶぅらんじぇ』の105円カツサンドが食べたいと言うのでなんばのお店へ。なんばのお店てなんか不思議でなんばにあるだけでお店の中までなんばぽい。若者ではなくおじさんが座り込んで競馬新聞読んでる雰囲気がそのままなんば全体に満ちている(分かりにくいけど)。画像みたいにいっぱい買ってアイスコーヒー200円、アイスオーレ250円含め合計975円也。非常にリーズナブルで満足度が高い。



ユニクロでイーリーキシモトのTシャツを1枚だけ買う。欲しかった黒の格子柄(?)はサイズが既になかったので別の柄。セールで1000円。確かに実際見ると微妙なものもある。いまいちはしゃげなかった。

モスの玄米シェイクを食べながら靱公園を歩いているとギター、マンドリン、クラリネット、ドラムという編成のバンドがゆるやかなオシャレ音楽を演奏していて、ふと立ち止まる。公園の緑の木々の中で雰囲気を壊さないナマ音楽、散歩中にたまたま聴いた音楽、なんかこういうのっていいなー。


2005.06.25 かげりゆく日のあゆみたまゆらに明ると見つつ
ジム・ブラック(Jim Black)て面白いかな。

久しぶりに行ったことのないパン屋さんへ行こう、と思って『パン工房 麦の花 夕陽丘店』(大阪市天王寺区夕陽丘3-30)へ。行く途中でBMWのオープンカーに乗った池乃めだからしき人物を目撃。行ったり来たり何度も見たのでおそらく池乃めだか。関西の芸人さんはお金持ちだなー。で、麦の花は『東京パン屋ストリート』にもあるパン屋さん。お店の雰囲気は町の人に愛される地元のパン屋さん。種類も豊富で目当ての食パンもしっかりたくさんある。パン屋さんのにおいていいにおい。食パンを2斤とおやつのイチゴのブリオッシュを購入。

どうにも暑くて千日前のカフェ Chilinn(チリン)で休憩。1階は雑貨というか服屋さんで、2階がカフェスペース。難波あたりでこれほどゆったりしたカフェをほかに知らない。ドトールの倍の値段だけど(倍でも安いけど) チリンで休みたい。道具屋筋やジュンクをうろうろしたあと帰宅。

そういえば18時を過ぎくらいにブーランジェリー タケウチの前を通ったら非常にめずらしい光景を見た。まだお店が開いていてカウンターには商品が残っていた。店内に人もいない。最近はいつも開店前に200人くらい人が並んでいる光景に慣れていたのでちょっと驚く。普通にゆっくり買えるじゃん、とふらふらお店に寄って行ったら「今日はもうパン買ったから」と家人に諭された。

夜は近所のおいしい焼肉屋さん。うまい!



2005.06.21 黒猫はひそやかにそのかげをゆく
<東京の夏>音楽祭2005に際してシュトックハウゼンが2005年6月23日-26日に来日。アートスフィア天王洲アイルてとこでしか演奏会はしないみたい。東京だけかー残念・・・。

サークルKサンクスでお弁当のキャンペーン中のTIMのゴルゴ松本とレッド吉田を見た。ゴルゴは意外とちいさな人だったよ。

映画『ペイネ 愛の世界旅行(Le Tour Du Monde Des Amoureux Du Peynet)』(チェザーレ・ペルフェット/1974/フランス、イタリア)。レイモン・ペイネの意外とサイケでロックでファンタジックでアヴァンポップなヘンなアニメ。英語版で見たせいもあって雰囲気はいまいち。サイケぽいけれどそれ以上ではない。音楽はエンニオ・モリコーネとアレッサンドロ・アレッサンドローニ。エンニオ・モリコーネはパゾリーニから「荒野の用心棒」「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」までものすごい幅の広さで映画音楽を多数手がけているなんでもできる現代音楽家(いま調べたらNHK大河ドラマ『武蔵-MUSASHI』も手がけていた!幅広すぎ・・・)。エンニオ・モリコーネいい感じ。

映画『下妻物語』(中島哲也/2004)。面白い!深田恭子も土屋アンナもキュートすぎ!



2005.06.19 黄に光るザボンの実ぽつかりと夕日に浮かび
京町堀にある Aのテーブルでランチ。オーガニックな野菜や肉はオーストラリア産と日本産で、フレンチでもイタリアンでもなく、これらの食材を使用した創作オーストラリア料理は京町堀ではちょっとモノ珍しい感じ。はじめて行ったのだけど、オーストラリアとうたっているだけに?一皿が意外にビッグサイズでものすごいおなかいっぱいに。おいしかったし量もあるし、1200円でもお値打ち。



中之島・graf にお茶しに行ったついでに graf media gm で志賀理江子個展「Lilly」を見る。そういえば以前見たことがある写真家さんで鮮明に覚えているわけではないけれど、前の展示のほうが引き込まれる感じがしてよかった気がした。気分の問題かもしれないけれど。そういえば gm で開催されていたシアタープロダクツのワークショップに行くの忘れてた。ハンカチを結んで服を作るって面白そうだと思ってたのに残念!


2005.06.18 古ぼけ和蘭陀自鳴鐘取りおろし拭きつつあれば
久しく音楽のネタを書いてないけれど Musical Baton を受け取ったので書いてみる。わーなんか流行の渦中にいるみたいでうれしい。

■コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量

・200Mbくらい?あんまり持ってない・・・

■今聞いている曲

・Christina Kubisch "Dreaming Of A Major Third"

■最後に買った CD

・Fanfare Ciocarlia "Gili Garabdi"

■よく聞く、または特別な思い入れのある5曲

・Anthony Moore "Catch a Falling Star"
・The Velvet Underground & Nico "Femme Fatale"
・John Fahey "Horses"
・La Monte Young "The Well-Tuned Piano"
・Cornelius Cardew "Treatise"

■バトンを渡す5名

ここでは割愛。


本町にある flame へ和室の照明を見に行く。家人といろいろ相談して購入。うちの和室がいい感じになるといいな。みつばち堂で休憩しながら夢を語る。

うめだ阪急の「建て替え前の世紀の売りつくし」。先日は大好きなお洋服を4割引で上下ゲット。今日は地下グルメをのぞきに。佃の佃煮、サラダやら"中村さんちのパン屋さん"の食パンやらを購入。鮮魚のコーナーを見ているだけでもデパ地下て面白い。大阪に住んでデパートによく行くようになった。


2005.06.17 夕まぐれ、たれこめて珈琲のにほひに噎び
うつほ日記さんのトコで見かけた VIS coffee TOSABORI を発見。発見したついでに人気NO.1(と書いてあった)のアイスラテを買う。Sサイズ100円というお手軽値段。てくてく歩きながら飲む。トドールみたいな苦めなコーヒーは苦手でスタバのラテくらいが好きなんだけど、VIS coffee TOSABORI のラテはスタバ系でおいしかった。また利用しよう。

今週は家人と二度ほど外食。平日の夜に一緒に外食というのはまれなのでうれしい。豆富ダイニングと和食ダイニング(違いが分かりにくい?)。そこではじめて食べた「豆腐の味噌漬け」。チーズみたいなでも味噌味、口のなかに広がる風味がたいへんにおいしくて、日本酒にもワインにもいけそうな味。帰って検索してみるといろいろ出てきた。そんなメジャーな食べ物を知らず過ごしてきたとは。そもそも豆腐の味噌漬けとは『800年もの昔から平家の落人たちが食べたと伝えられる保存食』と。作れるらしいけれどおいしいのを通販で買ってみるのもいいかなあ。

映画『人間の約束』(吉田喜重/1986)。ボケはじめた祖父母とその息子夫婦、そしてその子供という三世帯が同居する家族構成。痴呆性老人問題という重いテーマに絆や愛や迷いが絡み合う。失禁するシーンが多々あり老人でありながら女であることを望みささやかな乳房をアップで映し出す。たとえば美しい純粋な子供のような痴呆を描いた『ポーリーヌ』のような作品よりも何倍も強烈で真摯な作品。細野晴臣の音楽が耳に残る。


2005.06.12 ほんとにさびしいひとはさびしがらない
ハービスエント・大阪四季劇場にて劇団四季のミュージカル『マンマ・ミーア!』を観賞。たまたまペアチケットが当たったため家人と行く。四季を見ていると、宝塚のほうが100万倍くらい好き、と思うんだけど、それはなんでだろう。歌もダンスも上手だとは思うけれど、宝塚と違いハマれない理由として、ミュージカルのストーリー、四季の人々についての無知、求めるものの違い。断然違うのは「幻想」があるかないか。でもそれは人それぞれで、『マンマ・ミーア!』はそれなりに楽しめたし、何より隣の席のおばあちゃんがABBAの音楽に手拍子しながら身を乗り出して見ていて、そういうのっていいなあと思った。ようは楽しみ方の問題。

ZUCCAの秋冬がヤバイ。かわいい。雑誌を見ながら「ヤバイよー」と口走っていたら家人があわててやってきて「なにがっ?」と聞くので「ZUCCAの秋冬ー」と返すと怒られた。すいません。でもZUCCA秋冬イイ。カッティングにギャザリングに立体的。そーゆうのだいすき。(年齢的に)そろそろダメかと思いつつ手に入れたい。もっとNGラインになったらアルベルタ・フェレッティあたりに転向とか(できたらいいなと夢を見る)。

先日買った富岡多恵子『わたしのオンナ革命』を読み中。書かれた時代が時代だけに共感はしにくい。オンナだからってそんなにガンバッテ肩ひじはらなくてもーみたいな。富岡多恵子は(エッセイより)小説のほうが面白いかも。

ヒットチャートをにぎわす過去の恋愛について歌う後ろ向きな暗いラブソングというのが苦手。いつまでも忘れないとか、あの頃のぼくたちはどうだったとか。恋愛ブログもそうだけど。みんなこーいうのに共感するのかなー。


2005.06.11 おまえが私を好きで、わたしがおまえを好きだったなら、
どんなにわたしはおまえが好きだろう

いま朝食にしているのは丸ビルにある PANCANTE(パンカンテ) の食パン。天然酵母のパンだけどぱさつきは少なく、そして控えめで地味な味。ボンヌママンのアプリコットジャムの味にじゃましない(主張しない)やさしい味わいのパンカンテの食パン。

江戸堀に新しくできた BISTROT LE PICHET というフレンチで1000円ランチ。BISTROT だけに入りやすいファンシーな雰囲気。しかしこのあたりはほんとにフレンチが多い。帰りに建築図書専門店 柳々堂に寄る。

映画『キャラバン(Caravan)』(エリック・ヴァリ/2000/フランス、ネパール、スイス、イギリス)。北ネパール。ヤクに塩を積み麦と交換しに行くキャラバン。かなりスポ根であまり感銘は受けず。と書いてこの映画をなぜか二度見ていることに気づいた。一度見ても二度見ても感想は同じだった。


2005.06.05 君が手を伸ばして葉に触れ、水滴が滴った。地に降る涙のように。
インターネット上で発見した天神橋筋にあるお豆腐屋さん『前田豆腐店』。お豆腐1丁500円とかするこだわりの高級豆腐店。家人が豆腐好きなのでいっしょに行ってみる。お店のおじさんの怒涛の小話を聞いてたら"まぼろしの豆乳"(1500円もする)を試飲させてもらった。この豆乳、ものすごくきれいな味がして驚く。市販品の豆乳は後味とにおいが苦手で飲めないのにこの豆乳は飲める。結局300円と500円の絹ごし豆腐を購入。



阪神百貨店の「めんそーれ沖縄 味と技展」。首里そば、ジャンボチーズバーガー、紅芋ソフトクリームなどを食べて満足。でも大行列のサーターアンダーギーも食べたかった・・・。沖縄行きたいなー。

ドライブミュージック用にタワーで Fanfare Ciocarlia「Gili Garabdi」を購入。ロマ・ブラスバンド。下に書いてあるエミール・クリストリッツァをぼんやり見ていた影響(『白猫、黒猫』『アンダーグラウンド』を思い出して)。ロマ音楽といえばトニー・ガトリフて誰を使っているのかな。家に帰って聞いてみると映像がないとそんなに面白くないかなあ、ていうことはクリストリッツァやガトリフの映像があってこそ?とかまたぼんやり考えた。車の中ではいいかなあ。

OS劇場にてテオ・アンゲロプロス『エレニの旅(Trilogy:The Weeping Meadow)』(2004/ギリシャ、フランス、イタリア、ドイツ)を鑑賞。観客の年齢層は非常に高め。『永遠と一日』から6年ぶり。2時間50分の長丁場。時間の流れ、人物の名前すらもはや意味をなさない、ワンシーンワンカットでつづる「水」を軸にした大きな詩。出発、別れ、人生は水のように、難民のエレニは運命に流される。ギリシャ現代史を下敷きにしたシーンひとつひとつの意味を理解できないもどかしさ。吊り下げられた羊を見て『アレクサンダー大王』を思い出し、船での出発は『シテール島の船出』を思い出す、そういう行為自体に意味はなくてもアンゲロプロスの大きな流れに身をゆだねる面白さ。「いつか君と河のはじまりを探しに行こう」

映画『SUPER8』(エミール・クリストリッツァ/2002/イタリア、ドイツ)。ノー・スモーキング・オーケストラというバンドについての映画。演奏はほんとに上手いし、やっぱりクリストリッツァの走る列車の撮り方なんかはすごく好きだし、挿入されるドタバタ劇も好き。ただ、バンドのライブ映像やインタヴューにそれほど興味が持てなかった。

映画『ラストサムライ(The Last Samurai)』(エドワード・ズウィック/2003/アメリカ)。なかなか面白かった。親切すぎる明快な説明つきの映画が逆に新鮮。