April

もう一度だけ辞任しない存在、
けっして降伏しない存在に心を動かしてください。




2006.04.30 私の欲望だけで質料化されたように、突然そこにある
焼き物好き家人が念入りに計画した丹波篠山へ。篠山城下町としての街並みを残す伝統的建造物群保存地区にある丹波古陶館。丹波焼きの創世記から江戸時代末期までの古丹波を見る。荒々しいけれど素朴で力強い(違うタイプももちろんあるけれど)。何に使っていたのか、どんな風に使っていたのか想像しながら見て歩く。



お昼は篠山市内にある大手新丁で篠山産山の芋を使用した"むぎとろ大手御膳"。どかーんとものすごい量。ものすごい量のとろろをでも食べきったらおなかいっぱい。とろろおいしい。ごはんとか食べきれない分は家人に託す。



移動して兵庫陶芸美術館での開館記念特別展2『バーナード・リーチ展』へ。昨年にオープンしたばかりの兵庫陶芸美術館はなぜか駐車場がものすごい少なくて(まわりにすごい敷地があるのに)そして思いがけずすごい人。バーナード・リーチの足跡とともに、同時代の作家の作品を集めた展示。こんなにたくさんナマのバーナード・リーチ作品を見たのははじめて。こうして見てみると、初期の作品の奇抜なオリジナルさがバーナード・リーチの真骨頂(失礼かも?)だったような気がした。大皿にヘンな生き物とか大タコとか自由に楽しく書いてあるのがとてもいい。後期のうまくなってしまった勢いのない(これも失礼?)リーチの作品より断然初期から中期が面白い。初期や中期の隙がありまくりのバーナード・リーチの作品はなんだかとてもかわいくてでも誰にもマネできないような。濱田庄司や河井寛次郎みたいな難癖つけようのない圧倒的なセンス(迷いのない筆の運びとか)に及ばないところの秀才て気がした。その天才・濱田庄司や河井寛次郎をマネしたような作品もたくさんあるのだけど、面白いなー、なんだか絶対及ばないのにボク陶芸好きだからがんばってみる、みたいな愛おしさ。でも濱田庄司のほうが断然好きなんだけれど。いろいろ見られて楽しい展覧会だった。



兵庫陶芸美術館からそんなに遠くないよね、三田にある本店のパティシエ エス コヤマ(es-koyama)でお茶したい!という私のワガママを聞き入れてくれたので、わくわくしてエスコヤマに向かう。コヤマロール買っちゃおうかなーバウムクーヘンかなー小山ぷりんかなーと、お店に到着したとたん唖然。なにこの行列?なにこの人だかり。警備員も何人かいて駐車場は満車だし置いてある車のナンバーは神戸ナンバーじゃないし(三田も篠山も神戸ナンバーらしい。ちょっとずるい)。私たちも神戸ナンバーじゃないけど。とにかくお店の外の行列も店内もすごい人で入店するまでに軽く1時間はかかるらしかったのであきらめる。住宅街のお菓子屋さんがこんなことに・・・。エスコヤマの人気を侮っていた・・・。無念。


2006.04.29 もっとも隠れたスイッチを見つけること
怒涛の4月ももう終わり。午前中は二度寝をしてつぶしてしまう。

あまから手帖に日清フーズ「青の洞窟 シェフズコレクション」の記事。ポンテベッキオの山根大助シェフ監修"4種チーズと赤ピーマンのポモドーロ"が新登場とのこと。わー、ポンテベッキオのレトルトー、おいしそう!と思って早速購入。ライフ価格365円(1人前)。ふたりでも720円。ポンテベッキオだと思うと破格の値段。De Cecco の No.10 Fedelini(近所のスーパーでなぜか一袋170円という安さ)を使って食べて見る。濃厚でおいしーい。また食べたい。



母の日のプレゼントを買いに大丸へ。ついでに久しぶりのポールボキューズでパンをまとめ買い。家人はあいかわらずベーコンエピ。さらにスティック状のパンにベーコン巻きつけたベーコン巻き?という似たようなものを欲しがる。いつかフール・ドゥ・アッシュよりもおいしいベーコンエピに巡りあえるといいね(なぜか行くと開いてないフール・ドゥ・アッシュでなかなか買えないから)。



夜、graf media gmで開催される"THEATRE MUSICA の「映画館」"を見に行く。THEATRE PRODUCTSから派生した音楽を媒体とする催しの企画をしたりするTHEATRE PRODUCTSの新規事業。今回は飯田竜太のカラクリ楽器と阿部海太郎のピアノによる生伴奏つきの無声映画『東京行進曲(短縮版)』(溝口健二/1929/日活)の上映と、DJによる音付きの無声映画『月世界旅行(Le Voyage dans la lune)』(ジョルジュ・メリエス/1902/フランス)、『アリババと40人の盗賊(Ali Baba et les quarante voleurs)』(フェルディナン・ゼッカ/1902/フランス)の上映。フランスの2作品は1902年製作とは思えないトリックとわくわく感と、完成度もアヴァンギャルド度も高い作品。ジョルジュ・メリエスとフェルディナン・ゼッカの作品をもっと見てみたい。『東京行進曲』は本来105分の作品ということらしいけれど、現存しているのは25分のみという小唄レビュー映画。フランスの映画雑誌『cine'ma 05』の付録についていたというもので(蓮實重彦氏がどこかで書いていた)、字幕はフランス語。それぞれの映画がすごいだけに音楽はそれなりに面白かったけれど若さあふれる感じのする音(演奏者が若いから?)。帰り際、ドイツ・ミュンヘンの音楽レーベルWinter&WinterのCD『AudioFilm/Cabaret Modern』(ノエル・アクショテ監修)を買ってみる。なかなか楽しい夜。

映画『お父さんのバックドロップ』(李闘士男/2004)。中島らも原作の大阪の南部を舞台にした作品。神木隆之介くんちょうかわいい。繊細でがんばり屋さんな神木くんが泣いたら私も泣いてしまう。

映画『恋は五・七・五! 全国高校生俳句甲子園大会』(荻上直子/2004)。監督が『かもめ食堂』の荻上直子という一点のみで観賞。タイトルはなんだけど、関めぐみも蓮沼茜もかわいかった。


2006.04.22 千の夜に星を輝かせたのは君だ
4月は22日が土曜日ということで四天王寺に行く。四天王寺では毎月21日は弘法大師の縁日、22日は聖徳太子の縁日で境内に約500店の露店が並ぶ。土日の可能性はそんなに高いわけではなく、そういえば私は行ったことがあっても家人は行ったことがなくて、今日はふたりで出かける。行ったらたまたま「聖霊会舞楽大法要(しょうりょうえぶがくだいほうよう)」という聖徳太子の命日に行われる舞楽大法要をしていて、大勢の見物客と一緒になかなか見られない光景を見て喜ぶ。面白かった。



骨董やらガラクタやらいろいろと物色。スタート値が高いのに加え、普通のフリマと違って四天王寺の露店のオバチャンやオッチャンは値段交渉しにくい(生粋の関西弁でない私にとっては)ので悩む。オシャレ古着カップルもたくさんいたりして若い人も多い。巣箱やミツバチ堂で出てきそうなコップやガラスのお皿。見てるだけでも楽しい。



帰り道に Boulangerie parigot(ブーランジェリー パリゴー) を発見して寄ってみる。パンを買うと同じような写真になるのは私が食パンが好きなのと、家人がベーコンエピとパン・オ・ショコラが好きなため。小さめの上品なパンが並ぶちょっといいトコのレストランのようなきれいなお店。



家人も私も今週はなかなか忙しかったので(もちろん家人の方が忙しいけど)、夜は慰労会。Natural Dining&Cafe Mugwort が1周年を記念して贅沢コース5000円→3000円で食べられるというので行ってみる。夜のマグワートは初めてだったけれど、近所のオッチャンやも気軽に来るような気さくなかっこつけないお店でいい感じ。ものすごくたくさんのお料理でおなかいっぱい。イベリコ豚のステーキ、豆腐とクリームチーズの牛肉包み揚げとかおいしかった。

映画『サマリア(Samaria)』(キム・ギドク/2004/韓国)。援助交際をする女子高生をキム・ギドクが撮りました作品。父親の復讐シーンより、ヨジンとジェヨンの部分がもう少し見たかった。キム・ギドク得意の人間の本質や罪、愚かしさという部分では比較的分かりやすい。ちなみに「サマリア」とは聖書に登場する名もなきサマリア人の女性のことで、"罪の意識のために隠れるように生きてきたが、イエスと出会い罪を意識することで生まれ変わったように信心深く生きた人物"なんだそう。ところで、他人に「お酒でもどうですか」と誘われてついていったり、他人を家に入れてから「どちら様?」と聞いたり、韓国の人て他人に対して間口が広い人が多いんだなあと思った。



2006.04.21 皆は尋ねるだろう リラの花はどこだ
久しぶりの北新地・聖庵の天然酵母のパン。場所柄、夕方でもいっぱいパンがあるのがいい感じ。飲みに行くサラリーマンたちや出勤するホステスさんたちをすり抜けすり抜け買いに行く。明日の朝が楽しみ。



聖庵の帰りに肥後橋の Calo Bookshop&Cafe へ。かわいらしい小さな規模の第3回古本フリマ開催中。雑誌『季刊 子どもと昔話 25』を古本価格で買ってみた。小沢健二の小説「うさぎ!」の連載の初回が載っている雑誌。オザケンは人生の中で一度も通ってないけれど、なんとなく読んでみたくなった。今日寝る前に読む予定。どんなかな。



2006年5月13日(土)-19日(金)のシネ・ヌーヴォ。『Edge in Osaka-スタジオ・マラパルテによる映画史』を見に行きたい。『リュック・フェラーリ―ある抽象的リアリストの肖像』が大阪でもかかることを知ってうれしい。ジョナス・メカスも見たーい。

●上映作品
<5/13(土)>
グリーンポイントからの手紙 A Letter from Greenpoint
2004年/アメリカ/DVCAM(オリジナルHi-8)/80 min. ジョナス・メカス作品

talklive:宮岡秀行(映画作家/スタジオ・マラパルテ主宰) 聞き手:海老根剛(大阪市立大学講師/カイエ・デュ・シネマ ジャポン)

<5/14(日)>
『リュック・フェラーリ―ある抽象的リアリストの肖像』
『ほとんど何もない―リュック・フェラーリと共に』Presque Rien avec Luc Ferrari
2005年/フランス/DVCAM-PAL/50min. 監督:ジャクリーヌ・コー、オリヴィエ・パスカル 出演:リュック・フェラーリ、エリス・キャロン

『リュック・フェラーリと ほとんど何もない』出版記念講演:椎名亮輔(音楽美学)

<5/15(月)>
飛之夢〜fly fly away〜
ポリティカル・トリロジー Trilogi politik
2005年/インドネシア/DVCAM(オリジナルベーカムPAL)/30min. 監督/ナレーション:ガリン・ヌグロホ
*2005年度ロッテルダム国際映画祭公式出品作品

<5/16(火)>
ポトとカベンゴ Poto and Cabengo
1978年/アメリカ/DVCAM(オリジナルBetacam)/73min. 監督:ジャン=ピエール・ゴラン 出演:グレース&ヴァージニア・ケネディ、アレクシア・ロメイン

今、海はあなたの左手にある

<5/17(水)>
MaMa
1987年/日本/16mm(オリジナル8mm)/48min. /横浜美術館収蔵作品 監督/出演:江口幸子
1987年イメージフォーラム・フェスティバルフィルム部門大賞受賞作品

母モニカ―for a film unfinished

<5/18(木)>
LIVE at the SCENE―Architect Ryoji Suzuki
フラット・コージンツェフ A Flat Kozintsev
1998年/S-VHS(オリジナルBetacam-PAL)/45min. 監督:アレクサンドル・ソクーロフ 出演:コージンツェフ夫人

talklive:中谷礼仁(建築史家/歴史工学家) 聞き手:西原多朱(スタジオ・マラパルテ)

<5/19(金)>
HOTEL CHRONICLES(ホテル・クロニクルズ)
Celebrate CINEMA101


映画『オランダの光(Dutch Light)』(ピーター=リム・デ・クローン/2003/オランダ)。フェルメールやレンブラントという17世紀のオランダ絵画の巨匠たちの"光"の扱い方をテーマにしたドキュメンタリー。反射する光、空と雲。しかしジェームズ・タレルが飛行機に乗って登場するシーンのインパクトの方が大きかった。ジェームズ・タレルの劇中未完成の作品をもう少し見たかった。



映画『男と女 アナザーストーリー(And Now Ladies and Gentlemen)』(クロード・ルルーシュ/2003/フランス、イギリス)。大人の恋愛映画。ふたりが出会うまでのひっぱり方がまた大人。作品の中盤になってようやく二人は出会う。クロード・ルルーシュがパトリシア・カースを好きなのか、パトリシア・カースのための映画。


2006.04.16 言葉に降り注ぐ雨はどこに?
ちょっと前から欲しかったせいろ。なんばの道具屋筋でついに購入。やった。家人がなぜか勧めた竹のざるも購入。新しい道具ていいなあ。



ほぼ毎日作るお味噌汁の具材はあんまり考えることがない。なのでだいたい定番というかいつも一緒。大根・わかめ・油揚げとかが一番多い。先日料理に関してあまりクレームを言わない家人が「・・・味噌汁の具に飽きました・・・」と意を決して語った。これは一大事、と思って本日ミナミの古本屋さんで飛田和緒『毎日のみそ汁100』(幻冬舎)を買ってみた。いろんな組み合わせのお味噌汁。実用性を求めて買ったけれど、ぱらぱら見てるのも楽しい。"とうもろこし・牛乳・バター""じゃがいものすりおろし・バター・チーズ"とか発明的なそもそもそれって味噌汁?みたいな微妙なのもあるけれど、組み合わせはパズルみたいで面白い。"チンゲンサイ・かまぼこ"とかいつでも出来そう。



ついでに古本で買ったもう一冊は同じく飛田和緒『いつものおむすび100』(幻冬社)。その名の通り100種類のおむすびが紹介されている癒し系の本。なんだか最近料理関係の本が増えていく。

久しぶりにアメ村タワーでCDを物色しようかと思ったけれど今日は本が読みたくなって帰宅。本といっても浦沢直樹x手塚治虫『PLUTO 第3巻』。1巻から読み返し同じところで泣く。早く4巻読みたい。中学生くらいの頃と較べると圧倒的にマンガを読んでない。面白いマンガもっと読みたいなあ。

本日の夕食も滋味深い夕食。れんこんと大根と人参の炒めなます、スライスした椎茸とタケノコのあんかけ焼きそば。ほんとに滋味だ。

映画『マンハッタン(Manhattan)』(ウディ・アレン/1979/アメリカ)。ウディ・アレンのNY大好き映画。ウディ・アレンの饒舌な洒落を盛り込んだ都会に住む男女の小粋な恋愛映画。ベルイマンが大好きでその中でも「第七の封印」が大好き。彼は天才!て役名忘れそうになるくらいウディ・アレンそのものの主人公が愛おしい。



2006.04.15 君のためにどんな歌を歌おう
家人の頭は天パーのくるくる。そしてでっかい黒フレームメガネ。いま髪がのびてきてまさにJad Fair。下の写真より(下の写真はJad Fair本人なのであしからず)アルバム Jad Fair and Daniel Johnston『It's Spooky』のジャケットのJad Fairに似ている。なんだか不思議に自然体のオシャレ。思わず『It's Spooky』を聞いた。



来栖けい『美食の王様パン―絶対おいしい92店厳選の210種』という本でのパンランキングを立ち読み。総合ランキング1位のルセットは別格(ネットの有名高級パン屋さん)として、2-4位がブランジュリ タケウチ、Le Sucre-Coeur(ル シュクレ クール)、Four de h(フール・ドゥ・アッシュ)。わーなんか大阪のパン屋さんが上位にくるとうれしい、しかも知ってるところ。ちなみに4位の麻布十番にあるポワンタージュが気になってネットで見てみたけれどHPもなければ通販もないぽい。残念。ところで最近(タケウチはだいぶ前からあの行列で行く気にならないけれど) Four de h が定休日でもないのに空いてるのを見ないのは人気で売り切れてるから??

クウネル的夕食。焼きなすの汁かけごはん、椎茸グリル。クウネル的に言うと「慈味深い味」。なんとも質素。ものたらなくてさらなる慈味深い料理 素パスタを(これは家人が作った)食べる。慈味深いけどおなかいっぱい。

映画『トラベリング・ウィズ・ゲバラ(Traveling with Che Guevara)』(ジャンニ・ミナ/2004/イタリア)。「モーターサイクル・ダイアリーズ」のメイキング・ドキュメンタリー。ガエル・ガルシア・ベルナルを堪能。目の保養。ジュード・ロウを越える男前になるのを想像。

映画『コーヒー&シガレッツ(Coffee and Cigarettes)』(ジム・ジャームッシュ/2003/アメリカ)。コーヒーとタバコの11のエピソード。イギー・ポップとトム・ウェイツのとりとめのない気まずいやりとり、"Coffee and Cigarettes"のタイトル、イギー・ポップの「Louie Louie」が頭の中を流れてる。



2006.04.10 すべての深い内的視覚
久しぶりの有名店パン。兵庫・ 西宮にある Boulangerie Monsieur H(ブーランジュリー ムッシュアッシュ)のパン各種。スペイン製の石窯を使った添加物一切なしの食事パン。少しづつ食べてみたけどなかなかおいしい。クランベリーやレーズンを使ったパンが好き。



映画『エイプリルの七面鳥(Pieces of April)』(ピーター・ヘッジズ/2003/アメリカ)。家族の再生ドラマ。家族のために食事を作ること。どんなカタチであれ、家族が食卓をかこむというのは楽しくなくては。


2006.04.09 重要でないということをよく理解すること
のんびりデー。家人と靱公園に散歩に出かけるとお花見の客が先週より一層多かった。すごい人ごみのなかどうしてバトミントンやキャッチボールをするのか謎。早々に退散して久しぶりに靱公園のまわりをうろうろしてみる。靱公園の南に、家人の好き系の古本屋さんが南船場から移動していて寄ってみる。店員のお兄さんはとてもいい人でなごむ。そこでちょっと面白そうだったのはバービー人形関係の本。英字の図録みたいのもあるし、文化史の中でどう影響したかという論文など様々。こういうジャンルは面白そう。人形史て興味がわく。私は小さな頃バービーではなくジェニー派だったけれど、今ならバービーのほうがいいなあ。



昨日弘前で買った「青い花のスウィートポテト」のスウィートポテト。さつまいものペースト+カスタードクリーム+焼き芋の土台の3層がたまらない。はじめて食べたのだけど、芋好きにはたまらない一品。



映画『ダーリング(Darling)』(ジョン・シュレシンジャー/1965/イギリス)。恋愛至上主義で男を踏み台にしてのし上がっていく女の物語。「本当の恋」「本物の愛」、いつの時代もこういう言葉を口に出す自己陶酔した男や女ているんだなあと感心。ローレンス・ハーヴェイが尾藤イサオぽかった。



映画『タッチ・オブ・スパイス(A Touch of Spice)』(タソス・プルメティス/2003/ギリシャ)。ギリシャとトルコの複雑な歴史をベースにした、少年とおじいちゃんの交流物語。ギリシャで映画史上第2位の興収を樹立した作品(ちなみに1位はタイタニック)。数多くの料理のシーンがとてもおいしそうできれいで面白い。加えてトルコの街並みのきれいなこと。ストーリーより映像を楽しむ映画。


2006.04.08 弘前3日目
弘前3日目。

朝から雪。窓から見る女子高校生たちは超ミニにナマ足のローファーという格好で自転車に乗っていた。なぜ?寒くない?雪だよ?弘前の人々の格好を見ていると若い人ほど薄着。寒さに慣れるのかそれとも薄着がオシャレなのか分からないけれど、私たちは防寒してても寒い。そういえば高校生たちの津軽弁も半分も聞き取れない。濁点にすべきところを濁点にしない、と勝手に解釈してみた。たとえば「せんだい(仙台)」は「せんたい」。違うかな。津軽弁てむずかしい。

ちょっとぐずぐずしながら弘前城へ向かう。途中、洋菓子&パン屋さん「マタニ」へ寄り各種パンを買い、弘前公園へ。このコースは『来森手帖』に載っていたもの。弘前公園のベンチでマタニのパンを食べることを夢見ていたけれど、寒さに負けてあったかい休憩所の窓から弘前公園を眺めることに。



楽しみにしていた弘前城は、あれっ?地元のお城より小さくない?と思いのほか小さかった・・・。雪景色の弘前城はきれいだったけれど、天守閣もあっという間に登れてしまって、なんだかおかしかった。弘前城は愛らしいお城だったんだ。



観光館・旧弘前市立図書館・山車展示館などを見て弘前をのんびり満喫。買い物もたくさんしたりいろいろ見たし楽しかった!


2006.04.07 弘前2日目
弘前2日目。

津軽塗りのお店をぶらぶらして、津軽塗りの作業の様子を見る。長い過程の中でいい色合いや模様ができるんだと感心。思わずいろいろ欲しくなるけれど、津軽塗りはすごく高い。津軽塗りで何か買うなら家人が選ぶことになっていたので、家人はもんもんと悩んでいた。そのあと弘前教会・弘前カトリック教会を見物。ペンキ塗りたてのようにぴっかぴかになっていてあんまり関心が向かず。

お昼は津軽そばを食べさせてくれる「野の庵」。座敷から見えるお堀や並木道。熱いお蕎麦も冷たいお蕎麦もとってもおいしかった。お昼からちょっと贅沢。



旧伊東家・旧梅田家・石場家など仲町伝統的建造物群保存地区を見てまわる。途中で入った喫茶店のアップルパイが最高においしくて弘前はアップルパイのレベルが高いと想像。しかもアップルパイ安い。そういえばどこのお店に入ってもりんごジュースが安い。



津軽物産販売所でやっといい物が見つかったらしい家人。七々子塗りのぐい呑み2つ。でもちょっと気になる箇所があったので直してもらうことに。直してもらうのにも販売所のお姉さんはものすごく親切な対応。やっぱり弘前の人はみんないい人。で、弘前で気になるパン屋さん2軒に寄って各種パンを購入。さらにパン屋の店員さんもいい人でタクシーまで呼んでくれたりして、万が一パンが美味しくなくてもまったく気になりませんという気持ちに(あとで食べたら3割増しくらいでちゃんと美味しかった)。

弘前公園内三の丸にある弘前市緑の相談所。前川國男建築。これが嫌がったという斜め天井かー。ここはわりと後から人の手が加えられていてちょっともったいない。弘前公園の中になじんでいるこの建物はそのままだったらもっときれいだったのかな、と思う。



前川國男建築の続き。青森県立弘前中央高校講堂。学校なので当然立ち入り禁止。不審者のように校門から撮影してみた。どんなふうになってるのか見たかった。



2日目の夜は郷土料理のお店で舌鼓。おいしい!


2006.04.06 弘前1日目
民藝旅行記『来森手帖』(福田里香、束松陽子)に感化され、『Ahaus』 創刊号の"建築家・前川國男と弘前"特集をかかえて家人と青森県弘前市へ。

伊丹空港から青森空港まで約1時間20分。飛行機の窓から見える青森はまだ雪が残ってた。青森空港からバスで1時間弱で弘前市内へ。弘前駅前のポストの上のりんごがかわいい。



『来森手帖』を見てお昼ごはんでどうしても行きたかった「常寿し」。特製太巻き(2-3人用)最高!こんなにおいしい太巻きははじめて。感動。



吉井酒造煉瓦倉庫。内部は非公開なので見れない。奈良美智が今度「YOSHITOMO NARA + graf AtoZ」展をするとか。以前も展覧会をしていたようだし奈良美智お気に入りの場所だと思われる。



早速おやつタイム。最勝院五重の塔のすぐ近くの「戸田うちわ餅店」。地元の超有名店。たっぷりのゴマ入り黒蜜だれをお店のおばあちゃんにかけてもらってひとつ100円。やわらかくって懐かしい味。最勝院はとてもきれいな場所。





本日のメインは「弘前こぎん研究所(木村産業研究所)」。ル・コルビュジェのもとから日本へ帰ってきた前川國男が最初に設計した作品。建物自体は古くなっているけれど、雑誌で見てるのよりいい。入り口の天井に塗られた朱色がなんとも前川國男。前日予約してこぎんを刺すところも見せてもらった。雑誌でみるあの優しそうなおばちゃんが目の前でこぎんを刺してくれて、しかも私にも刺させてくれて、いろんなお話を聞いて(カチャラズの意味とか)、とても楽しい体験。



前川國男建築巡り続き。弘前市役所・弘前市民会館・弘前市立博物館。市役所の天井の青もいい。でも弘前市民会館がいちばん好き。最も後から手が加えられていない現存してる前川國男の建築ぽく感じた。ピロティにある深緑のドア、深い色合いの色とりどりの椅子、階段と黒の窓枠の大きな窓。







あけび蔓細工「みかみ工芸」であけびつるのかわいいバッグを購入。お店のおばちゃんにオマケであけびでできたりんご型の鈴をつけてもらう。うれしい。そのうえお店のおばあちゃんに弘前の本物のりんごもいただく。弘前の人てなんていい人たちばかりなんだろうと感激。ルネッサンス調の洋風建築・旧第五十九銀行青森銀行記念館を見て今日は終了。津軽三味線のライブが聞けるお店で地元料理に舌鼓。



2006.04.02 時間と空間の中での関係の無限の増幅
dadanndannちゃんとaozorafactoryちゃんと梅田で待ち合わせ。aozorafactoryちゃんとは初対面。待ち合わせの1時間前くらいから緊張して家人に弱音を吐く。無事3人集まったところで行ってみたかった阪神百貨店のグリルベーカリーアラスカへ。谷崎潤一郎「細雪」の中や、小林一三が通ったのは朝日新聞ビルの本店・アラスカで、阪神はその支店。コースのランチはオードブル盛り合わせ3種、真鱈とベーコンのロールキャベツ仕立て、自家製パン(食べ放題)、アイスやガトーショコラ各種がワンプレートになったデザート、コーヒー。おいしくて満足。全員150cm前後のちびっこで、途中席をはずして戻ってきたときに、明らかにdadanndannちゃんとaozorafactoryちゃんが(他の席の人たちより)相当ちっこくてちんまりしてて面白かった。またみんなでゴハンしたいなー。

お別れしたあと、家で仕事中の家人に電話すると梅田に出てきて誕生日プレゼントを買ってくれるとのこと。やってきた家人の第一声は「aozorafactoryちゃんの写真撮ってきた?」だった(dadanndannちゃんには会ったことがある)。撮ってないよー、と言うとものすごく残念そうだった。ごめんね。で、プレゼントはいいなーと思ってた KOKOBUKI のワンピースが意外とすける素材だったので断念して、A.P.C.でワンピースを買ってもらう。ありがとう!

お礼?にタリーズをゴチしようといつものオフィス街のタリーズに行くと今日は合同説明会かなにかあったのか初々しいリクルーターでいっぱい。みんな同じ格好。いまの時期だと大学3回生?たいへーん。

思いつき夕食デー。突如おいなりさんを食べたくなったので(そして明日のお弁当にも持っていきたくて)、どーんといなり寿司を作ってみた。酢飯には桜えび入り。なかなかよい。今度はひじきや干ししいたけとかも入れてみたい。



2006.04.01 神さま、私の曙となりますように。
今日から靱公園の鉄柵がとりのぞかれて入れるようになった。家人と散歩がてら靱公園の様子を見に行ってみる。子連れ犬連れ花見客で靱公園は人でいっぱい。桜はまだ半分も咲いていないけど焼肉のにおいを漂わせる花見客。時々桜がちゃんと咲いてる種類の樹もあったので写真を撮ってみる。テイクアウトしたコーヒーを飲みながらのんびりしようと思ったけれど、コーヒーを飲んでもやっぱりまだ寒い。早々に退散。




家人がお仕事のため夕方より神戸へ。というわけで映画1000円デーを満喫するべくいそいそと向かったのは梅田ガーデンシネマで上映中の『かもめ食堂』。が、なんと本日すべて満席。大人気。がっかりしながら大淀のカフェ巣バコ2号店へ。前にも書いたけど『かもめ食堂』公開記念で期間限定で映画に登場するメニューを出してくれるカフェ。たまたま空いてた奥のソファ席でシナモンロールセットを注文。映画は未見で原作を読んだだけだけれど、巣バコはかもめ食堂にはならないなーというのが正直な感想。シナモンロールもこれは巣バコのであってかもめ食堂のじゃない。とかカタイ言わなくてもいいのだけど、なんかちょっとアレだったので、石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を黙々と読んでいると順番待ちの人がたくさんになってきたので巣バコを出る。




ハービスをうろうろウィンドウショッピングして帰宅。ひとりゴハンはパスタにチューハイ、そして映画『ロスト・イン・トランスレーション』。ひとり暮らし気分を満喫。

映画『ロスト・イン・トランスレーション』(ソフィア・コッポラ/2003/アメリカ、日本)。いまよりだいぶぽっちゃり(役作り?)している歌うスカーレット・ヨハンソンがかわいい。HIROMIX(ちょっと懐かしい)や藤原ヒロシも登場。南禅寺や平安神宮や富士山が出てくるだけで日本の映画になってしまう不思議。