August

澄みきった水晶の静かな光
しかもよく見ると、そこに幽かな人目につかぬ一条の割れ目のはいっている光



2006.08.23 人間の声、雑音、雰囲気音、音楽
tsubiのデニムてミッドウエストで買えるのね。いいなーちょっと興味があるので調子のいいときにでも見に行ってみたい。

映画『黒い瞳(Oci Ciornie)』(ニキータ・ミハルコフ/1987/イタリア)。ミハルコフがイタリアに招かれて撮った作品。ミハルコフの映す風景はとても好みだし、主演のマルチェロ・マストロヤンニは相変わらず大好きで、調子に乗ったマストロヤンニもかわいくて仕方がない。話が無駄に行き交う感や唐突な展開はマストロヤンニのどっちつかずの夢見心地の心境そのまま。全員白の衣装をまとったイタリアの湯治場でのシーン、自宅の広大な庭の真ん中で椅子に座るマストロヤンニ、物悲しいイタリアの子守唄、まとまらない断片の人生は美しい。



2006.08.22 濃きに過ぎたる煩悩の色
相変わらず不調なのだけど斎藤くんと田中くんをかなりの至近距離で目撃。わーい。携帯で写真はむずかしい・・・。ナマかっこよかったよー。



2006.08.21 省線の出入りが四囲を硝子箱のように軋ませている
体調が悪い日々を過ごし中。

甲子園の決勝・早実 vs 駒大苫小牧は面白かったー。ハンカチ王子・斎藤佑樹くんの涙に思わず私もじーんとした。

最近おもむろに読んでいた杉浦日向子のマンガ。『百日紅(上)』『百日紅(下)』『合葬』どれも面白い。こんなマンガ杉浦日向子にしか描けないよね、と感心。

映画『恋のミニスカウエポン(D.E.B.S.)』(アンジェラ・ロビンソン/2004/アメリカ)。タイトルからしてしょーもないけど内容もはてしなくしょーもなくて制服ミニスカのお姉さんたちを観賞するというただそれだけのなんかすごいどうでもいいノーテンキな映画。デヴォン青木のミニスカから伸びるとてつもなく長く細い足。

映画『妻』(成瀬巳喜男/1953/東宝)。『晩菊』『浮雲』『めし』と同じく林芙美子原作、子どものいない倦怠期の夫婦の話。相手の女を本当に好きか嫌いか分からない流されるがままの夫を上原謙。『めし』と同じく優柔不断な夫といえば上原謙の公式。さびれた食堂の窓側で妻と愛人が対決するシーン、近くの高架で電車の通り過ぎる影が二人の顔をかすめる演出にしびれる。縁側の風景がとてもいい。最後まで修復されない夫婦の関係がなんともやるせない。



映画『乱れ雲』(成瀬巳喜男/1967/東宝)。加山雄三、司葉子主演。成瀬巳喜男の遺作。幸せ真っ只中の暗転。世間的にも許されない純愛に苦しむ二人を描くメロドラマ。今のメロドラマとは違い説明しすぎない話の展開、そして(やっぱり)幸せにはならないラスト。風光明媚な十和田湖畔、主演の司葉子の上品で歳相応の美しさ。繊細な役の加山雄三をはじめて見た。タクシーの中でおびえながら距離をあけて座る二人にものすごい抑えた官能がうずまいている。これぞメロドラマの空気感。



映画『放浪記』(成瀬巳喜男/1962/東宝)。 林芙美子の出世作の自伝的映画。"林ふみ子"役の高峰秀子がふてぶてしい憎たらしいけれど愛嬌もある始終しかめっつらでおかしな顔をしたへちゃなブス役を作りこんだのがすごい。行商人の娘からやがて作家になるまでの人生を描く。成瀬巳喜男作品の、雨を映したシーンだとか、部屋から外を映したシーンだとか、そういう何気ない風景の数々が好き。「花のいのちは短くて、苦しきことのみ多かりき」『浮雲』でも使われていたこの短歌、『放浪記』では一層真実味を増す。

映画『いつか読書する日』(緒方明/2004)。田中裕子と岸部一徳はそれだけでいい。静かな静かな日常の小さなさざなみ。50歳の秘めた想い。丁寧で美しい映画。坂と階段の長崎の街の風景がきれい。

映画『素晴らしき哉、人生!(It's a Wonderful Life)』(フランク・キャプラ/1946/アメリカ)。主演のジェームズ・スチュワートは『スミス都へ行く』(1939)でも主演している俳優。私はどうも、細面のほっそり長身別にかっこいいわけじゃないのになぜか美女にモテまくる彼自身(映画の中で)があんまり魅力的に映らない。そして良くも悪くもアメリカンなストーリー。なんだか映画自体が優等生すぎるのかな。

映画『蛇イチゴ』(西川美和/2003)。宮迫博之、つみきみほ主演。西川美和の監督デビュー作。『ゆれる』という作品の断片をテレビや雑誌で見かけるので見てみたくなった。思ってたよりもいい感じで面白かった。


2006.08.06 強烈なブザァの音 青い閃光 強烈なジャングルスタカットの音
献立を考えていたとき、ふと共働きのフランス人の主婦て事前に献立とか考えるのかな、だいたいスタンダードに何を作ってるんだろう、と心はフランスに現実逃避。ネットで探してみたら、フランスではほとんどのカップルが共働きなので"夕食もパンとチ−ズ(サラダ或いはヨ−グルト)程度の軽食"と書いてあった。ほんと?夕食がパンとチーズとサラダで終わるなんていいなーと口にしたら家人に「えーおなかすいちゃうよー」と却下された。ちなみにアメリカでは料理にマメな女性が少ないらしく3パターンくらいしかメニューのバリエーションがないみたいな話とか、イタリアの主婦が節約の為にスイスで買い物をするとかどこまで本当?

ジュンクで立ち読み。クロエジュースやらくだもんやYUKKOやらで最近身体に良さそうなジュースを飲んだのでジュースに興味がわいてきた。『おいしいデトックスドリンク33』とかファスティングダイエット関係のものがたくさんあるのね。中身をぱらぱら読むとどうも長続きしなそうなレシピ・・・。自分で作れる健康的かつ簡単なジュース、なんかあるかな。

映画『亀は意外と速く泳ぐ』(三木聡/2005)。話はどうでもいいのだけど、上野樹里が mina perhonen を着ていた。クレジットにも"衣装: mina perhonen"(mina だけじゃないけど)を確認。

映画『JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ(Jazz Seen: The Life and Times of William Claxton)』(ジュリアン・ベネディクト/2001/ドイツ)。フォトグラファー、ウィリアム・クラクストンの半生を綴ったドキュメンタリー。ヘルムート・ニュートンとの対談が面白い。このドキュメンタリーの中に一部出てくる、ルディ・ガーンライヒとペギー・モフィットと製作したファッション映画『BASIC BLACK』(もちろん監督はウィリアム・クラクストン)。すごいアヴァンで面白そうな内容。全部見てみたい。



2006.08.05 表面すれすれへの、軽い接触、戦慄、たまゆらの愛撫
アメ村にあるタワーレコード心斎橋店が今月で閉店してしまうと聞いてびっくり。ニューミュージック・アヴァンギャルド系があんなに充実している大阪の店舗はないのに。だいたい無駄に大きくてなんの特色もない茶屋町のタワーより必要?なんばのタワーより必要?でも悲しいけれど欲しいCDもあったのでなくなってしまう前に行ってみる。ニューミュージック・アヴァンコーナーではワゴンセールがあって下記5枚を救出。ぜんぶ半額。

・STEVE RODEN - Airforms
・JOHN CALE - Dream Interpretation : Inside The Dream Syndicate Volume Two
・IANNIS XENAKIS - Musique Electro-Acoustique
・GAVOUNA - Stings & Dum Machines
・STOCKHAUSEN, KH - Bassetsu-Trio, Mittwochs-Abschied

欲しかったCDも無事発見。

・KIYOSHI MIZUTANI - Scenery of the Border: Environment and Folklore of the Tanzawa Mountains

水谷さんのこのCDはもうすごい私にとってド真ん中のストレートでレビューをちらっと見かけた瞬間に恋に落ちた感じでネットで注文かけたものの音沙汰がなかったので発見できてうれしい。丹沢山でのフィールドレコーディング音のCD2枚組。風が揺らす木々のざわめき小鳥のさえずり水の流れ、岩の質感まで再現したかのような、決してメルヘンチックではないストイックな音の数々。だいすき。元メルツバウだけど癒し系CD。

どうも10年前くらいからほんとに買うCDが変わらないけど、でもやっぱりこういう方面が好きで、私にとってはとても心地よい癒しCD。メルツバウといえば秋田さんも今はたいぶエコでロハスでベジタリアンだし水谷さんだって Bird Songs とかいう野鳥の鳴き声を前にCD化してるし、なんかロハスで落ち着く場所ていいなー。ここ以上にいい場所が見つかればいいのだけど、10年間くらい見つからないからこうしてぬくぬくぼんやりしている気がする。ぬくぬく。

新町の、元ロカリテというカフェのあったところに美味しそうな果物屋さんカフェができたということで(最近雑誌でもよく見かける)「くだもんやYUKKO」へ。夕方行ったのでジュースしか飲んでないけど、"フルーツちらし寿司"を代表に?食事メニューも豊富。パフェも超おいしそう。ジュースは濃厚だけどべたべたしてなくてとってもおいしかった。とってもいいお店だったのでまた来たい。

映画『愛と希望の街』(大島渚/1959/松竹大船)。当時27歳大島渚の記念すべき第一回監督作品。松竹が決めたこのタイトルより大島渚脚本時の『鳩を売る少年』というタイトルのほうが意を付いていた。裕福である者と裕福でない者の隔絶。生活の為に、帰巣本能のある鳩を何度も売る少年。詐欺まがいの行為で許されないと少年を雇わなかった大人。裕福な家の少女は助けたい一身で少年の鳩を撃ち殺す。それぞれのかみ合わない想いと善意と皮肉。「大島渚」の片鱗が見えるこの作品はまさに出発点。27歳でこんな作品を撮った大島渚はやっぱりすごい。




映画『女が階段を上る時』(成瀬巳喜男/1960/東宝)。高峰秀子主演映画。銀座でホステスをする女の生き様。脇役が豪華で森雅之、加東大介、中村鴈治郎などが固める。精一杯の努力と節約をして銀座の女としての顔を保つが、貧しい実家に手のかかる兄の家族と口のへらない母親。金を無心する周囲に「私はこうしてみんなに食い物にされていくのよ」と嘆く姿は、高峰秀子の自伝そのものと重なってしまった。この作品では衣装担当は高峰秀子。衣装選びの大変さや楽しさを綴っていた文章を思い出した。ヒロインはどうしても幸せになれない成瀬映画。切ない。



2006.08.02 私は私の中の蛇をみな退治しよう。
先日椅子の高さの問題について日程とか云々のため再度 graf へ。こんなしょーもないことをわざわざ graf に頼んでみたりしてなんかだんだん申し訳なくなってきた。しかも椅子は graf製じゃない・・・。いい人たちだからってずうずうしかったかな・・・。でも早速明日見に来てくれる模様。ありがとうございます。

ついでにgraf media gm 内 tenants のガーデンスペースにある"ヤング荘"の小屋に入ってみる。縮小された和室(畳もふすまも小さくしてある)で私は巨人のよう。上の小さなふすまを開けると小さな人の別世界。こんな隠れ家楽しいかもしれない。

クロエジュースに関心の高い家人(私と一緒に2回行ってて事情を知ってるので)が教えてくれたヤフオクでのクロエジュースのグッズ転売事情。Weekly Color Set の出てない色を予約販売みたいなカタチで売りに出していたり、なんというかものすごいせこい(金額も度量も)転売。始まったばかりの週と違っていま Weekly Color Set て発売初日の月曜の午前中に行かないと買えないらしくて、転売する人たちが買い漁ってるのか?

寝る前本として読んでいた杉浦日向子『4時のオヤツ』を(字がおおきくゆっくり読むタイプの本なので)あっさり読みきったのでちょっと寂しい。おやつをテーマにした33話は、ゆったりしてうろ覚えの夢のようでそれぞれ実在するお菓子やパンなのにどれもまったく主役にも主張もしないお話。アラーキー撮影の各写真もお話の雰囲気と上手にかみあった、でもアラーキー写真。

映画『リンダ リンダ リンダ』(山下敦弘/2005)。ペ・ドゥナてたぶん『子猫をお願い』でしか見てないけどなぜか一発で覚えた女の子。ペ・ドゥナの空気感は好き。甲本ヒロトの実弟・甲本雅裕が先生役だー。