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スクリーントーンは全く使わない、オリジナリティあふれるデフォルメ、迷いのない確立された描線。 誰の目にも明らかなその絵の魅力は編集者をして「ひとつ、こいつに賭けてみよう」と思わせたに違いない。 新人ながら月刊マンガボーイズの目玉ともいえる扱いでデビューした木崎ひろすけ。 そのせいもあってか『GOD-GUN世郎』はえらく力の入った作品だ。 「都市消し(まちけし)」と呼ばれる銃を操る少年・世郎、人間を狩り、自らの肉体を異形のものに変えてまでなにかをなしとげようとする女・ラセツ。神を自称する美青年・観世音。次々に登場するいわくありげな人物達とほのめかされる謎。作品の舞台も世界創出の野心が横溢した、レトロフューチャーなものだった。 しかしながらひろげた大風呂敷を畳む間も与えられず、掲載誌の月刊マンガボーイズは潰れた。物語の全貌の予想すらできないままに、未完となっている。 徳間書店 シリーズ:マンガボーイズコミックスペシャル 判型:A5
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オーバーラップするコマ、連続した動作を細かく切り取る小さなコマ、枠線をはみ出て描かれるオブジェクト、斜めの構図。いずれも木崎ひろすけが頻繁に使う手法だが『GOD-GUN世郎』ではそうしたギミックがうるさすぎるように感じられた。おそらくはそうした手法を用いて描かれるものが、異世界の文物や馴染みのないキャラクターだったためだ。 しかし、アスキーのマニア雑誌コミックビームでなんと、カリブ・マーレイ(狩撫麻礼)の原作つきで発表された『少女・ネム』ではその印象は一変する。 登場人物がなぜか皆猫だとはいえ、基本的には現代日本のありふれた光景を描いているのであり、「描かれているものはいったい何なのだ?」という疑問を抱くことなく読み進めていけるからだ。台詞の少なさとの相互作用で上記の手法は濃密な時間を表現し始める。 マンガ家を夢見る少女・ネムを追うストーリーは彼女が高校を卒業し、東京で働きながらマンガ家を目指すことになったところまで綴られたが、木崎ひろすけの事情により連載は中断されたまま今日に到る。マンガの実作者として自家中毒を起こしかねない題材だったせいでもあったろうか。 アスキー シリーズ:アスキーコミックス 判型:B6 初出:月刊コミックビーム1996年5月号〜12月号
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