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県立の進学校に通うエリ子は、生きとし生けるものすべてを慈しむような心優しい娘。 ある日、花を見ようと足を踏み入れた森で、エリ子は奇怪なイモ虫に刺される。 屍骸を解剖してみると、その虫は、従来の生物観を覆すような前代未聞の生物であるらしいことがわかった。そして、エリ子を刺したのは、体内に胚=胎児を産みつけるためだということも。 胎児を宿したエリ子には、周囲の人の心が読めたり、制御できない人格が現れたりなどの現象が降りかかる。そして彼女に付き従うように現れる虫の群。 当然周囲は彼女を遠ざけようとする。それでもエリ子は変わらず、元凶ともいうべき胎児を愛しつづける。 一方、虫たちの活動は活発に。 学校の配管を通じて神出鬼没。邪魔するものたちに凄惨な攻撃を加える。戦略的・組織的に行動する虫たちに対して、学校関係者の対応は後手後手に回る。そうこうするうちに学校の地下には巨大な巣が完成する。 原始的ながらも発声器官すら備え、言葉らしきものを発する。生理的な嫌悪、否、恐怖すら感じさせる悪夢的な「虫」。虫たちはいったい何をしようとしているのか。そしてエリ子はいったい何を生むのか。 怖いのだけれども、読まずにはいられない。 また、決して怖いだけに終わらない。虫が生まれてきた背景や、奇妙にすら思えるほどのエリ子の博愛の奥に潜む思想は興味深い。 「裏・風の谷のナウシカ」ともいうべき虫愛ずる姫の物語。 人物画にいささか古さを感じさせるが、緻密な背景や虫の描きこみ、超現実的描写はオツリが来るほど濃厚だ。重いテーマを描いてはいるが、真面目一辺倒というわけでもなく、あちこちに力の抜けるジョークもちりばめられていて、楽しめる。 でも、やっぱり気持ち悪いのは確かなので、単行本2巻3巻の裏表紙を見て「なんとかイケそうだ」と思えたらチャレンジして欲しい。 講談社 シリーズ:アフタヌーンKC 判型:B6
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「読者への挑戦」(犯人当て)があるなど、古式ゆかしい推理小説風。 原作付きということもあり、型にはまっている印象。人物の邪悪な表情や丁寧な背景などに小川幸辰らしい雰囲気は感じとれるものの、持ち味を十分発揮しているとは思えないので、おすすめできかねる。 原作:青木吾郎 講談社 シリーズ:アフタヌーンKC 判型:B6 |
| 単行本タイトル | ISBN | 初版発行 | 本体価格 |
| 栄光館殺人事件 | 4-06-314154-3 C9979 \520E | 1997/06/23 | \505 |
| 孤島館殺人事件 | 4-06-314169-1 C9979 \524E | 1998/01/23 | \524 |
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