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ガロについて「マイナー作家の発表の場として貴重な存在」云々と語る人の中で、実は最近の作品は全く知らないという割合は高いのではないかなぁ、と勝手に想像している。ガロは貴重だとか言うわりに、そこで発表される作品の貴重さには注意を払わない。食わず嫌いで済ませる。それって本末転倒なんじゃないか? それはさておきガロ以外ではまずデビューできなかっただろう逆柱いみり初の単行本『象魚』。 女子小学生の夏休みの風景描写「鯉」や、珍妙なキャラクターが登場するものの密かに自由を謳歌する少年の喜びを描いてちょっとノスタルジーをかきたてる「金魚」などの作品もある。しかし強烈に印象に残るのは、ストーリーらしいストーリーはなくグロテスクが生物続々登場しておしまいの「動物園」や、不衛生で鬱陶しい工場の風景をこれでもかとばかりに描きまくる「血痰処理」などだ。細部まで描きこまれたコマを追っていくのがなんとも楽しい。 自動書記的な先の読めない感じが、脈絡も説明もないところが素敵、と思うのだけれども、こうしたセンスまかせの作品というのは好き好きなので強くはすすめない。だけど、もしかするとあなたはこれを好きになれるタイプの人なのかもしれないし。 青林堂 判型:A5
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不定形で、分裂して増殖したりする一つ目の猫のような人のような正体不明の主人公をガイドに、湿り気を帯びた香港的な悪夢の街ぶらぶら散策ツアー。ディテールは鮮烈なのだけれど全体像は不明なこの作品世界は「夢の中のリアリティ」に満ちている。 川上から流れてきた金魚の腹にはアメリカがいっぱい詰まっているのだし、アメリカは増えすぎるとよくないから駆除しよう。そのためにはニンニクとタマネギが必要だ。わかってる。まったく当然の話だ……。こんな論理も夢の中でならきっと納得できるはず。南伸坊が解説で「私の夢」を逆柱いみりに思い出された、みたいなことを書いているがまさにそんな感じだ。 言葉による説明は極力排除され、『象魚』収録作品よりもさらに意味を削ぎ落とされたシュールな傑作。単行本一冊分丸々こうした世界を描いたというのは、偉業といってもいいと思う。 夢の続きを見たいな〜というあなたにオススメ。つげ義春の「ねじ式」を面白くよめたあなたなら大丈夫。 青林堂 判型:A5
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98年のガロに掲載された「馬馬虎虎」に描き下ろしの完結編を加えたものと 『馬馬虎虎』に収録された「道楽者の海」を加筆の上再録。 その他描き下ろし短篇を収録した箱入り超豪華装丁、双六や版画等のおまけ満載のマニア向け限定単行本。 「道楽者の海」は謎めいた街をバイクが走り続けるというただそれだけのマンガだが、画面の隅々まで埋め尽くす異様な風景に圧倒される。判型が大きくなった分だけトリップ感覚は増加。とても気持ちいい。 有限会社DANぼ 限定500部 発行:1999年2月 本体価格:\10000 判型:B5 |
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「ケキャール社顛末記」は限定単行本『夢之香港旅行』に収録された「馬馬虎虎」を大幅に加筆、というか改変したもの。社長が目覚めて以降の筋がまるっきり違う。 というわけなので限定版を持っている人も安心して買ってオッケー。 両方を続けて読めば、見覚えのある風景がだんだん歪んでいく妙な感覚を味わえるかもしれない。 青林堂 判型:A5
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