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講談社 シリーズ:アッパーズKC 判型:A5
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白い恋人 前後編 Uppers創刊号、NO.2掲載 |
花束を前にビニール袋を頭にかぶっている不審な男。彼はボール遊びをしていた少女に誰何され、十数年前の思い出を語り始める。 容姿端麗で頭脳明晰な同級生・西洋子にあこがれていた彼、井上は、ちょっと優しい言葉をかけてもらったのを勘違いして告白しようとするが、あっさり振られてしまう。 傷心の彼にいじめられっ子の少女、小田原が近づく。彼女は彼に一度やさしくされたことをきっかけに好意を抱いていた。小田原のことなど眼中になかった彼だったが、振られた腹いせに彼女の頭にビニール袋をかぶせて犯す。 その後も学校では無視しつづけるものの彼女を慰み者にしつづける彼。小田原もそれに応えていた。 しかし二人の奇妙な関係は、西の失恋をきっかけに崩れる。井上は小田原に惹かれている自分を認めない。小田原は井上を自分のものにしたい。 小田原は井上の心を永遠に独り占めすべく、自殺する。 ビニール袋をかぶって表情を見せない女の子、という設定が実に効果的。 |
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PETS 前後編 Uppers No.3,4掲載 |
「白い恋人」に続き、女心のわからない男が受難する話。 主人公・岡田は年上の嫉妬深い彼女に息苦しさを感じている高校生。 心だけなら浮気じゃない、と彼は「心の愛人」を二人作り、彼女たちの私生活を双眼鏡で覗く。やがてふとしたきっかけでその二人と仲良くなるのだが、そのうちの一人、遠藤理奈が公園で何者かに襲われる。直後、彼女を襲った目出し帽の犯人と同一としか思えない人物がもう一人の心の愛人である同級生の安西を襲う。 傍から見れば犯人が岡田の彼女・京子であることは容易に想像がつくのだが、とことん鈍い主人公は気づかない。 その鈍さゆえに、事件の後「心の愛人」たちは愛想をつかして去っていく。京子の思惑どおりになったわけだが、おめでたい岡田はなぐさめられたりヤらせてもらったりなどしてすっかり京子に満足してしまう。 そんなある日のこと、岡田は京子をびっくりさせようと箪笥に隠れる。岡田が留守だと思った京子は、岡田の部屋中を漁って自分以外の女の痕跡がないかどうかを確認する。その執念深さに、箪笥から覗いていた岡田は心底恐怖する。 「心の愛人」に対する覗きと「実際の恋人」に対する覗きがまるっきり逆の意味を持つ構成が秀逸。そして「心の愛人」となどといいながら全く他人の心に思い至らない主人公のキャラクターもよくできている。 |
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夏の日々 前後編 Uppers No.5,6掲載 |
声のかわいい新米女教師に惹かれる杉少年だったが、彼女の方は彼のことなどなんとも思っておらず、彼の友達で問題児のかっこいいモリオのことが好き。 杉少年はそれでもいいと思っていた。モリオを口実にして彼女の近くにいられればそれだけでいい、と。 そんな杉の神経をズタズタに苛む事件が起きる。モリオは先生を体育倉庫に呼び出し、セックスする。意地の悪い彼は行為の後で洋服を取り上げて放置し、彼女を脅し、泣かす。 見張りを頼まれて、その一部始終を見ていながら杉は何もできなかった。何もできなかったどころか、彼女には知られてはいないとはいえ、事実上の共犯者となってしまったのだ。 モリオの悪ふざけはエスカレートし、それがきっかけで先生は怪我をしてしまう。入院した彼女を見舞いつづけた杉はやがて彼女と結ばれ、形の上ではハッピーエンドを迎える。 しかしそれを導いたのは、まったく精神的なものを欠いた、記号的な「やさしさ」の応酬だ。 問題児の教え子を憂えるとみせかけて先生は結局モリオと火遊びしたかっただけだったし、杉も「彼女を守る」ために共犯者になったと自分では考えているようだが、実は単にスケベ心の果てにそういう事態になっただけ。 一見いい人の先生も杉も実は思いやりがない。行為の裏に潜む意図を解そうとしない。逆にいかにも曲者で意地悪そうなモリオの方がよほど心細やかであることは、蝉の死骸を丁重に扱ったりする場面などで示唆されている。 モノローグの主体である、いかにもナイーヴな杉少年のセンチメンタルな自虐に感情移入させる話かと見せかけて、それをもうひとつ外の視点から眺めるスタンスにシフトしていく芸当はなかなかに見事。 |
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egg Uppers No.7掲載 |
理科のレポートのために蛇の卵を孵化させようとする中学生の龍。お隣さんの娘、小学生のみどりは彼を慕っており、レポートに協力することを申し出た。幼いみどりが無自覚に発する女の匂いが龍にいたずら心を起こさせ、彼は蛇の卵を彼女の性器で孵化させようと試みる。 憧れのお兄さんのいいなりに従うみどり。彼女は次の日も頬を赤らめながら、卵を温めにやって来た。しかし、龍は同級生の女の子に夢中でみどりをうとんじはじめ……。 小学生とはいえ産む性であるみどりの異様な色気が印象的な短篇。 |
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strange love 前後編 Uppers '98No.17, '99No.1掲載 |
菊池はしばらくふみかの家に逗留することになっていたが、年頃のふみかはそれが気にいらなかった。 菊池は兄の友人で、幼い頃はよく一緒に遊んでもらっていたのだが、記憶の中の彼と8年ぶりに会う、大学生になった彼はあいかわらずかっこいいのだけれども印象はだいぶ違うものだった。そして、彼に関してはなにか大事なことを忘れているような気がしてしょうがない。 その夜、ふみかは干してあった下着をいとおしげに抱く菊池の姿を目撃してしまう。その行為に幻滅を感じたものの、菊池の弱みをにぎった彼女は女王様のように彼をいびりはじめる。 なにをされても菊池は困りこそすれ怒りはしない。菊池はふみかのことが好きで好きでしょうがない。ややヘンタイじみた表現ながら、彼は切々とその気持ちを語る。 彼がそこまでふみかに執着する理由は8年前の事件と関係しているらしい。 8年前、菊池が引っ越す前の日に何があったのか。 ずっと思い出せないでいたふみかだったが、いよいよ菊池が帰るという日になって記憶とともに、当時の幼い恋心が甦る。 8年前と同じように、菊池をひきとめようとしてふみかは彼にケガを負わせる。 フェティッシュな愛情表現に彩られた、ミステリアスなラブストーリー。 |
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メスマライズ ヤンマガ赤BUTA NO.7掲載 |
主人公・久保は「オカマ」と呼ばれている、ちょっと軟弱な少年。同級生で幼なじみの萩原は男勝りの少女。彼女は自分のことを女らしさなど全くないと思い込んでいる。しかし、久保の方では萩原に女の魅力を感じている。 萩原が制服がわりにいつも着ている体操着は生地が薄くて乳首が透けてしまうのだが、彼はそれが気に入らない。それは彼女が女らしく振る舞うことをしない原因の象徴であり、「幼なじみ」という関係から抜け出す妨げのように思えたのだ。だから彼は萩原の体操着を盗み続ける。だれが盗んでいるかバレているにもかかわらず。 「恋を知る頃」を妙な切り口から描いた作品。 |
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春の仔羊 ヤンマガ赤BUTA NO.4掲載 |
残念ながら雑誌を買い損ねてしまい未読。 |
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海の近くで暮らしてみれば ヤンマガ赤BUTA NO.5掲載 |
今にも崩れそうな海辺のアパートに住む、職を失った20歳のプータロー青年。金がないのにつけこまれ、年増のホステスのおもちゃにされそうになったり、それを目撃されて彼女にも逃げられたりと踏んだり蹴ったり。 貧乏のあまり浜辺の魚を拾い食いした彼は、あわれ食中毒。通りすがりの女子中学生・美砂に胃薬を恵んでもらったことをきっかけに知り合いになり、朝夕食事を一緒にとるようになった。彼女もまた、孤独だったから。 青年はやがてアパートを去り職につき、一応の生活ができるようになった。しかし一人では何を食ってもうまくない、何かが足りない。 懐かしい海辺に帰ってみるとアパートは取り壊されていたが、懐かしい顔の女子高生がいつものあの場所で一人で食事をしているのだった。 と、あらすじを書くと結末があまりにも都合がよすぎるようだが、実際に読んでみれば寡黙に待ってくれる少女・美砂の微妙な表情と、徐々に心が通じ合っていく二人の描写がそう感じさせない。現実にはありえそうにないが、ありえてほしいような、爽やかなラブストーリー。 シンプルかつ繊細な描線も魅力。 |
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ALIVE ヤングマガジン97年NO.35掲載 |
全寮制の女子高が舞台。下級生に慕われるお姉様、生徒会長の乙羽さんが最近気になっているのは同室の高橋さん。 機械に明るく煙草の匂いのする彼女の生活スタイルは乙羽さんとは全く違っていて興味をそそらずにはいられない。 女同志の、恋愛のようなそうでないような淡い感情を描写した小品。 |
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