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#50
01/06/21〜
【単行本・漫画】(漫画)
栗原まもる「太陽の玻璃(てぃだのガラス)」
/ 小川彌生「きみはペット」2巻 / 植芝理一「夢使い」1巻
/ みやすのんき「AV(あぶ)ない奴ら」2巻
/ 加藤四季「高校天使」3巻(完結)![]()
【単行本・漫画】(小説・ノンフィクション)
【雑誌】
アフタヌーン 8月号
/ アワーズライト 8月号
/ サンデーGX
7月号![]()
【etc.】
01/06/21(THU)
起源
「ふん、自分が客に何を食わせているのかもわからんとはな……」と海原雄山に嘲られたのはカレーショップ「マイダス王」主人、栃川だっただろうか。その行為が日常的になっていく、生活の中に埋没していけばいくほど、わたしたちはそれをするとき、疑問を感じることが少なくなっていく。ましてや、その起源を探ろうなどとは思わなくなっていくのではないだろうか。
ネット上に自分のページをかまえ、拙作の文章をそこに発表するようになってからはや1年と3ヶ月ほど経った。カウンタも90,000を超えて回っている。このことはとりもなおさず、名も知らぬ多くの方々に、これらへだらな文章を読んでいただけているということにほかならず、それはとてもありがたい。
しかしながらインターネット自体が僕の妄想の産物である、もしくは世界全体が僕ひとりをハメようとしている、「これは何かの陰謀じゃよ!」なケースも数パーセントの可能性として残っていると思うのであるが……。
まあ、それはいい。つまりはインターネットの起源について何も知らない、というのはちと問題ではなかろうか、と思った次第。むかし、「インターネットとはダイエー系の企業が中心となって運営してるネットワークシステムのことです」なんていう冗談があって、個人的にはなかなかいいな、と思ってたんだけど、まさかそんなことはないだろう。馬鹿馬鹿しいにも程がある。昨日にひきつづき、知らないことはサーチエンジン使って調べてみる。
総務省地域振興課が中心となって昭和63年度から開始された「ふるさと創生1億円事業」という計画事業のことはご存知だろうか。時の首相、竹下登の意向によって全国3,300余りの市町村に自由に使える1億円の事業費が配られ、この予算を使って各々の市町村に町おこし、村おこしをしてもらいたい、との計画のことだ。大規模なプロジェクトを起こすにはてんで足りず、かといって使わないでおくには勿体無いというあまりに中途半端な金額のせいか、やくたいもつかない記念碑などの建造費にあててお茶を濁してしまった町や村も多かったようである。
越後の国は米どころ、新潟県は越後平野の北辺に位置する寒村、稲田村は商工会議所青年部の面々が、農家間の情報交換を目的に「ふるさと創生資金」1億円を使ってつくりあげた草の根ネットワークシステム「稲田ネット(いねた・ねっと)」こそがインターネットの前身であった。
たとえば、いわゆる俗語、スラングなどはその民族の歴史、風俗などを内包しているものだと思うのであるが、「(笑)」のかわりに「(藁
」などという表現使うのはかつて農家同士で作付けの時期などを相談した際につかわれたことばのなごりであろう。そう考えてみるとプロクシのことを「串」と略してると思っているのは実際には逆で、稲田ネット内ではIP秘匿のための代理サーバのことをもともと「串」と表現していたのであり、それが外国へと広がっていくにあたって、日本語のままでは何かと都合悪いとのことで無理やり「proxy」という英単語を当てはめて外国用の表現としたに違いない。やはり「串を差す」なんていうのかといえば、ほら米どころだし、団子でしょう。「Firewall」はずばり、火に強い土蔵建築からきた名称であった。となると、ネット初期に多大なシェアを占めていたネットスケープ通称「ネスケ」とは「根、鋤け」、つまりコンバインによる刈り取りのことであろうか。
ふだんなんとなく知らないままにしている多くのこと。それらをひとつひとつ丹念に調べ、自分の中にある世界像にくさびのように点を打ちこんでいく。そして天空に輝く星たちを線と線で結び、その中にさまざまな物語をみつけた古代ギリシャの人々のように、それらをつなぎあわせていく。目に見える映像をクリアにして、世界を立体化する。
情報をあるがままにほおっておくのではなく、きちんと自分の頭で分析し、組み立てること。あまりにちっぽけな存在に過ぎない我々が途方もなく大きな世界に対峙するとき、そのことこそがもっとも重要なことなのではないだろうか。
僕は、そんなふうに考える。
01/06/22(FRI)
岩手からやってきた男
「なんだこりゃ、これじゃ1台のバスに乗れないよ!」
小林泰三「密室・殺人」を読みながらバスが来るのを待っているとき、不意に背後から響いたその声に僕は吃驚した。振り向くと、ひょっとしたらアングロサクソン系とのクォーターとかなのかもしれない、妙に色素が薄く、顔立ちの彫りが深い、しかし、エスパー伊東にも似た面持ちの男が立っていた。ぱっと見、30代後半くらいだろうか。服装はブルーグレーのジャケットにスラックス、つまりはまともな格好で、服装で人を判断するのはどうかと思うけど、やはり結構当たるので、「なんか、酒でも飲んでるかな……」ときめつけて「密室・殺人」の世界へと戻った。始まって80ページにもなるのに、探偵助手である四谷さんはまだ現場にも到着しないで電車に揺られてたりするし、同じ車両に乗り合せてた老人たちは口々に「モノは暴れ出している」「やっとのことで封じ込めた」「モノはバラバラ」「バラバラ……」などととてもミステリとは思えないようなことを言い出しはじめたので「やっぱ小林泰三だなあ」と呆れはじめた僕がなんとはなしに後ろの様子を伺うと、生け垣の周囲をぐるっと回ってるガードレールの低いやつに(なんていえばいいんだ?)足をかけて、マドロス気取りのポーズをとっている男の姿が視界の片隅に入った。その姿はまるでこれから外国回り、世界1周に船出する船員のようで、懐からパイプでも取り出してゆるり燻らせそうな雰囲気だった。「このひとは何してるんだ?」現実世界でも呆れた。
みたび「密室・殺人」へともどる。また背後から大きな声が響く。
「見ろ、あんな若い人がぎょうさん来て、あれは何かな、コンサートでもあって、それが終わってあんなにたくさんの人が出てきたのかな」
サンシャイン通りの信号が青になっただけだった。
耳をそばだてて聞いていると(流石にじろじろ見られない)どうやら年配の婦人と会話してる様子で、「なんだ、この人は特におかしなひとじゃなくて、思ったことをすぐに口に出す人なんだな」と納得した。ご婦人は別にいつもこれくらいの人通りですよ、みたいなことを男に伝えたらしい(婦人の声はほとんど聞こえない、というか男の声がばかでかい)。
「それじゃ、いつもこんなに人がいるのか!私は何か、コンサートでもあって、それが終わったんで、あんなに若い人がぎょうさんやってきたんだと思った」
「コンサートがあるわけでもないのに、こんなに人がいるのか、さすがに東京は違うなあ」
なんで、そんなにコンサートにこだわるのか。
やがて、バスが来て、僕は座って帰るためにもう1本待つことにしたのだが、男の隣にいたご婦人はさっさと乗り込んでしまったのに、男はそのままそこにいる。「あれ?」とか思ってると、こんどはその後ろにいたおばさんに話しかけ始めた。
どうやらさっきのご婦人とはここで初対面だったようだ。
やがて男は「バスってのはだいたい何人くらい乗れるものなのかな」と、誰とはなしに大声で尋ねると、「ひい、ふう、みい、よお……」と、男は列の先頭から人数を数え始め、その3番目くらいの位置にいた高校生くらいの女の子を見ると、「あれまあ、東京のお嬢様ってのは本当にバイオリンなんかやってるんだねえ。あれが本当のお嬢様っていうんだろうねえ。岩手にはあんな娘は、いないね。私はぜひ、あの子の隣の席にすわりたいねえ。ちょっと待ってよ、私とあの子の間に10人くらい人がいるよ、それじゃあ、無理かも、しれないねえ。残念だねえ」などと大声で言いはじめたので、僕は、とてもとても面白かった。このころはもう、「密室・殺人」は読んでるふりだけだった。男にくびったけであった。
「うわあ、変なのにひっかかった〜」というような顔をしてるだろう(あんまりまじまじとは見られないので)おばさんに「あなたの靴はとてもいいねえ。いったいいくらぐらいするものなのかな」と唐突に聞いた。初対面でしかもどう判断すればいいものやら……な男にいきなり持ち物の値段の話をするのはためらわれたのであろうか、おばさんは「貰い物なのでわからない」と言った。すると、男は「それは、おかしいなあ。貰い物なのにサイズがピッタリ合うのかな」にんまりと笑うと、「嘘でしょ」と言って、「本当は5万くらいかな」と言った。僕は本当に嬉しくなって、「なんだこれ、録音したい!」と思った。
バスがやって来て、前から3人目のお嬢様(池袋からバスに乗るお嬢様ってのもないと思うけど……)は当然一人がけのシートに座って、それを見た男は心底残念そうな顔をして後ろのほうの席に座った。隣の席に座ったらなにかあるとでもいうのだろうか。降りるときに男の姿を見ると、お嬢様のことはすっかり忘れたのか、上機嫌でひとり煙草を燻らせていて(当然禁煙だ)、まさにゴーイング・マイウェイ!という感じ、どてらいやつであった。
春が近づいてくるにつれ、これからも岩手から池袋駅にすごい男がやってくるのだろうか。岩手から池袋駅にやってくる男たちにはこれからも期待したい。
【単行本・漫画】
栗原まもる「太陽の玻璃(てぃだのガラス)」 講談社KCデザート
冗談ではなく、沖縄の大気にはほんの何パーセントか魔法の成分が含まれているのかもしれないなと思っていて、知らないうちに身体の中にすべりこんでくるそれは、ある日、不意にその姿をあらわす。そんな空間を舞台に物語を紡ぎつづけてる作家のひとりに池上永一がいて、彼の原作を栗原まもるが漫画化した「バガージマヌパナス」は、そんな沖縄の空気感をみごとに表現した作品だったと思います。
で、「太陽の玻璃(てぃだのガラス)」。
「16歳になったら、あたしをニンシンさせてよ」
お隣に住んでるニーニー(お兄ちゃん)・陸に昔っからぞっこんだった砂那枝が昔した約束。4年前、東京の大学に行くため本土に渡った陸も、戻ってきて海人(ウミンチュ)になって、さて、あとは陸ちゃんの女になるだけ……だったはずの16歳の誕生日。咲子という謎の美人を海で拾った陸ちゃんは彼女に恋をしてしまう。
第1話タイトルからして「ロストヴァージンに最適な日!?」で「わお!KCデザート!」と思ってしまうんですが、実はものすごく激しい恋物語でしかも美しいファンタジーだったりするんで驚きます。なんだろう、栗原まもるの描きたいものは一目瞭然、誰にでもわかる感じで、池上永一が好きってのはものすごくわかる、そんな感じなんですが、作者的に描きたいものとデザート本誌読者層の望んでるものとの兼ね合いの関係なのかな、と思いました。女子高生の純愛→初体験な流れから急激に変化するストーリー。お話が進むにつれ、その中にどんどん魔法が広がっていくのがわかります。
そもそも栗原まもるって実力のわりには地味なポジションにいる作家で、ここ最近は「思いっきりHな恋」とかいまいちよくわからないオムニバスに参加してるくらいで音沙汰なかったような感じでした。デビュー当時から画のタッチもぜんぜん変わったけど、自分がどういう作品描けばいいのかでも迷走してる作家さんですね。「素肌の放課後」「……青春中!」あたりのセンス先行ギャグ路線からくらべると、いつのまにか、本当に直球勝負の作家になっていました。
じつはこの本もなんだか地味な感じは拭えない本なんで、ちょっと損してるなあ……と思ったりしますが、内容はとても素晴らしい。沖縄少女の純愛話(魔法風味)の傑作です。こういうのってだいたい物語の終焉とともにそこにあった魔法が消えたりしてしまう場合が多いんですが、マジックリアリズムってほどではないんだけど、このお話は終わったあとにもずっとそこに魔法があって、それと一緒にずっと生活していく感じがいいかなあ。そう、思います。
【単行本・漫画】
小川彌生「きみはペット」2巻 講談社ComicsKiss
「小川彌生、化けた?」とか思ったりして。
2巻から紹介ってのもなんなんですが、これはなかなかええです。
才色兼備なキャリアウーマンのもとに生活能力なさげな青年がころがりこんで、ペットとして飼われはじめる……と書くとなんだかサイコな恋愛もの連想するかもしれませんが、じつはそんな感じぜんぜんない作品で、ほのぼのしてたりします。
傍から見ると自立してて毅然とした大人の女だけど水面下では必死に足をじたばたさせてて誰にも甘えられないんで内心血反吐はいてる……みたいな設定はたとえば広田奈都美「私は戦う女。そして詩人そして伝道師」(すごいタイトルだ)とちょっと共通してる感じがして、これは結局そういう主人公に感情移入できる読者層が存在するってことなんだろうなあ、と思ったりするんですが、甘えられる存在としてただ可愛いだけの役に立たないペットとしての青年を設定したところがこの作品のすごいところかも。主人公の巌谷にはちゃんときちんとしたステディもいて、ペットはペットなんで性的な関係も何もなくて、でも同居してペットらしくお風呂に入れてたりする、そんな奇妙な関係がなんだかいい感じに成立してたりするのです。
愛だとかそういうもんでは補えない類の、完全なるなごみ空間が別の層にあるって感じかなあ。ある日女神が空から落ちてきて(なぜだか)自分の恋愛成就のために尽力してくれる!みたいな少年・青年(考えてみると情けない)向け漫画の逆転パターンなんですが、恋愛についてはできてるんでそれよりは心に平穏を与えてくれよ!そんな感じでしょうか。
01/06/24(SUN)
遠回り
「素敵なサムシングでも見つけよう」
そんなことを考えた日曜の昼下がり、なぜか秋葉原にいた。
探せども探せども見つかるのはパーツばかりで、エロゲーはたぶん素敵なものだけど、今日の目的はそれじゃない。それを買うわけにはいかぬ。うろうろしながらいろいろ買いこんだけど、それが素敵なものなのかはわからないまま。
しかたなく買いこんだもの両手にぶらさげたまま帰宅した。
Duronの900MHzって、今買うにしては控えめスペックだけど、いきなり高いの買うのって自信ないので。「ヒートシンク固定用の金具、なんでこんなに固いんだ?」と疑問に感じつつ、こんなレベルで早くも挫けそうな予感(ダメダメだ)。でもがんばってはめた。もう2度とできない。
先週もやったような最小セットアップにて動作確認。とりあえずBIOSセットアップ画面ぐらい見たいものだ……と起動してみるもデジャ・ヴュ〜。同じだ。
「これ、何か別の問題があるんじゃ……」
5分悩んで結論が出た。前使ってたマザーボードがATXで先週ダメだったマザーと今日買ってきたマザーボードがMicroATX。ATX用に取りつけられたスタンドナットがそのままになってて、それがショート起こしてたみたい。それ外してスタンドナット+スペーサで固定する構成にしたら1発OKでした。ひどくつまらない理由。
周波数比にして3倍、メモリも3倍、HDDの容量も3倍、赤く塗れ!とか思ってたら、FDISKしてFORMATしてさっきまで書き込み読み込み全然OKだった富士通のドライブ、いきなし認識しなくなったぞ、なんでや。
思えば軽い気持ちで増設用の45GHDD買っただけだったのに、気がついてみるとせっかく買った45GのHDDは初期不良と勘違いして修理に出して(まだ返ってきてない)さらに40GのHDD買ってマザーボードとP3の600MHz貰ってグラフィックボード(GeForce2の安いの)買ってついでにキーボードも新しくしてあげく今日Duronの900MHz買ってマザーボードも買った。実はもう1台組める。
そして肝心の結果は未だHDDの容量据え置きのまま、というのはどういうことなんだろうか。いったい、どこまで、遠回りすれば気がすむのだろう。
01/06/26(TUE)
カウンタ
とびっぱなしだなあ、と思ったら、データファイル、lockしとくの忘れてた。
げんなり。
【雑誌】 アフタヌーン 8月号 講談社
鶴田バージョンのアフタ「アベノ橋☆魔法商店街」と出口竜正バージョンのマガジンZ「アベノ橋☆魔法商店街」なんだけど、全然違うよコレ!つーか、鶴田バージョンって「NieA_7」になるんじゃないの?とかいったりして。一方の出口竜正バージョンはまんまあかほりテイストな感じ〜というか、絶対この人のってあかほり脚本を大幅に凌駕したくだらなストーリーになるとみた。個人的には鶴田謙二は作画に徹してもらって原作は山賀博之+田中哲弥でやってもらえばいいと思う。そのほうがまだ落とさない。あかほりは出口竜正バージョンにしか手を出しちゃダメ!正直言うとあかほり+出口って、「MOUSE」あかほり+板場広し以上の超強力タッグだと思った。鬼頭莫宏「なるたる」。結局竜の子って「子」ていうくらいなんで幼体のうちはリンク者の精神力で制御できても進化するにつれ、それが難しくなってく、という感じなのかなあ。上位存在である竜骸がリンク者の精神を食って成長する、っていうイメージでとらえてるんだけれども。ホシ丸は最初から単独行動する変異体。植芝理一「夢使い」。美砂子さんは橘のツッコミ役としてこれからも登場しそうなんで嬉しい。もう、あいかわらず変態でサイコー!見開きからあと、スゴイことだね!芦奈野ひとし「ヨコハマ買い出し紀行」。アルファさんが寝てるとこ〜素晴らしい〜。黒田硫黄「茄子」。無理難題申しつけられ宮仕えは辛い……な田舎侍の話。変幻自在ってのは独特な台詞回しセンス+ちょっとずらしたようなアングル、コマの使い方なんでしょうね。橋のシーン、「え、ここで見開き!」とハッとする。北道正幸「ぽちょむきん」。これ、じつは今月のベストなんじゃないの?な、かけだしボランティア奮闘記(笑)。すげー!このエピソード、こういう風に描くか――。富沢ひとし「ミルククローゼット」もカッコいいことだ。あさりよしとお「細腕三畳紀」。にはみんなダマされるな!結局、ジャンル:鉄砲玉な話で「中央線やくざブルース」とかそんな感じ?ホント、ほくそえんで描いてるに決まってるんだからこんなの。あざとさここに極まれり、だね!四季賞2001年春準入選作、五代英輔「君の言葉がききたい」。前々から方言+青春模様というのジャンルには開拓の余地がある!と思っているのだがそうでもない?そんなの日本映画見ればゴロゴロ転がってる、って言われればそれまでだけど……。講談社漫画賞選評、七味太郎の「ラブひな」に対するコメント。「ある人から一杯ひっかけ、リラックスしてから読むことをすすめられそれに従うとまんまとハマる。」に大爆笑。そこまでして、読むな。ある人って誰だろう。
【雑誌】アワーズライト 8月号 少年画報社
まったく、困ったものだな……な大石まさる「魔法の海賊 ときめきマリン」。なんでも魔法少女にすりゃええってもんでもないぞ。どざむら「魔法少女 本願寺美礼」。また魔法少女か!でもむくわれないダメ感がけっこう好きなのです。そしてダメだとかそういう次元でないただごとでなさっぷり、あびゅうきょ「『ぜ』は絶望の『ぜ』」。本物でなければつけられないタイトルだな(笑)。影男の煉獄巡りシリーズ第3弾なんだけど、台詞ひとつひとつがすばらし――!小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」。めがねっ娘教団エピソード。とにかく最低ネタを最高のボケツッコミテンポでやらせたら、この人、今No.1かな。巻中オールカラー、山名沢湖「電話線」はオールCGによるショートコミックなんですが、あえてスキャナ使わないで描いた描線がたどたどしくって、ちょっとドキドキします(山名さんご本人からの投稿がBBSにありました。丸ペンスキャナ取りこみで描いた作品だったそうです。↑の記述はこちらの勝手な解釈でした。訂正。どうもすみません)。あと、青山陽一ももういい年だよな〜と思った。
【雑誌】 サンデーGX 7月号 小学館
7月だったり8月だったりホントは6月で、もうややこしい!原作:梁慶一 作画:尹仁完「新暗行御史」。カラーページ、バックはやっぱり水墨画っぽいのね、って思った。小野敏洋「ネコの王」は「なんでそこでスクール水着の尻破くかな?」って思った。A:小野敏洋だから。いや、委員長はやっぱりかかせないでしょう、単行本出たら買おうっと。陽気牌「ロケハン」。大学生自主映画サークルもの。やはりこの人の漫画、出てくる女の子の絶妙なダサさ加減が素晴らしいと思うのだが、どーか。奇妙なリアル感。
01/06/29(FRI)
【単行本・漫画】 植芝理一「夢使い」1巻 講談社
アフタヌーンやりたい放題作家3人衆のうちの1人に名を連ねてるなあ、と個人的に考えてる植芝理一最新作。
ちなみにあとの2人はいわずとしれた「なるたる」の鬼頭莫宏と「ミルククローゼット」の富沢ひとし。
ヒロイン戸川の、「わたしはどうして松笛くんを好きになったんだろう」という、明確な答えが出ないことを前提とした命題を中心に、物語がその周囲を衛星起動でぐるぐるまわるような堂々巡りストーリーだった前作「ディスコミュニケーション」とくらべると、「あら、またずいぶんね」と言わざるをえない、ある意味直球作品。
前作「ディスコミュニケーション」においても植芝理一特有な「キミ、またYMOか!」「スネークマン・ショーか!」「マグマ大使か!」「バロムワンか!」「キミ、いったいいくつや!」という感じの無節操かつ特に意味なしレトロアイテム散りばめ技は冴えわたっていて、それが奇妙な展開の物語とあいまって、なんとも絶妙な「スコシフシギ」感覚を醸し出していたわけですが……今回は「スコシフシギ」どころじゃないよ!
「ディスコミュニケーション 精霊編」から登場の三島塔子、燐子姉妹を中心に、ロリコン男、橘ら「夢使い」たちの活躍を描く物語は謎の中心に向かってまっすぐ向かっていくもので、謎自体も解かれることを前提としたもの。ホントに直球なんだよね。
ストレートなストーリー+「俺はもう、描きたいものしか描かないんだ!」という思いで満ち溢れた画面構成の、まさに植芝センス全開の内容。だいたい、連載第1回目のモブシーン1コマ目に「おジャ魔女」はづきちゃんが確認できたりするのはどーかと思う。
ひらたくいうと、中等部の女の子たちが男の子になってちんちんすりすりして変形して、それと同じように変形した夢使いたちが彼女たちとバトルするお話ですね。「ロリコン属性伝奇アクション
included レトロ玩具 +なつかし特撮+ ドキンちゃん +
おジャ魔女」って感じでしょうか。
まったく、すごいよねえ。
あとがきによると「ディコミュニケーション 精霊編」とはパラレル世界設定、だそうです。あと今月のアフタヌーンで「担当N塚がコメットさんに浮気してうんぬん……」みたいなコメントがあったけど、これで来月の話の中にコメットさん出てきたら笑うな〜とか思った。でも、植芝理一ならありそうだよ。
「変態編」、じゃなくて「内宇宙編」に単行本未収録作品あったような気がするんだけど、それはどうなるんでしょうかね。載ってたアフタヌーン捨てちゃった。
【単行本・漫画】 みやすのんき「AV(あぶ)ない奴ら」2巻 集英社
10年に1回くらい「みやすのんきってすごいなあ」と思うことがあって、それは漫画の内容というより(天国城の亡霊あたりは凄かったけど)単語のセンスだったりします。「やるっきゃ騎士(ないと)」って最高レベルじゃないか?
というわけでみやすのんきの新刊。「AV(あぶ)ない奴ら」っていうタイトル通り、AV製作会社舞台にした内容で、はっきりいって「冒険してもいい頃2001」だったりするんですが、この連載ってたぶん、だいたい毎回出てくる「リストラチンポ」って単語思いついたから始めたような気がします。なんだよ「リストラチンポ」って……。
有名大学→一流銀行に就職というエリートコースを歩みながらも業績不振からリストラ、なんでかAV男優に転職した主人公・新井健太くんがこの「リストラチンポ」なんですが「基本的にくだらないにもほどがある」ストレートな犯るだけ展開が空虚なハートに響きます。しかも半分くらいのエピソード、写真とかで脅す→撮影だったりして爽やかどころじゃなくてズバリ犯罪なんですが、それでも後味悪くなってないのはやはり青年エロ漫画、匠の技術といえましょう。
この2巻中心エピソードは「VS
エリートチン○」、つまり銀行時代の同僚とのバトルだったりして、えらいわかりやすいなあ。あとはプッチモ○とか、レースクイーンとか。
実は「AV(あぶ)ない奴ら」、全部で4話、分量的に半分くらいしか載ってなくて、あとは10年くらい前、たぶんビジネスジャンプ初登場くらいの読みきりが3本収録されてたり、(じつは画柄の変化にけっこう驚いた。昔は描きこんでたんだなあ。内容は変わらず、というか昔のほうがいらない工夫をしていた)、1巻と同様に「表紙の娘っ子いったいだれ?」で、こんな娘本編にまったくでてこなかったりするんで(というか女の子のレギュラーキャラいないんだよね。全員犯り捨て)「これは立派な詐欺です!JAROに電話を!」という感じもちょっとしますが、まあ、いろいろです。
みやすのんきの漫画に対して本気で怒らないよ、さすがに。
そういえば、「冒険してもいい頃」とこの「AVない奴ら」を読み比べてみると世界がどれだけ刹那的になってきたのかがわかる気がしますね。
これは半分冗談で半分本気です。
それにしても、考えなくていいって、素晴らしい!
【単行本・漫画】
加藤四季「高校天使」3巻(完結) 白泉社
気がついたら終わっていた。
4コマ連載で全3巻出してるくらいなんでキャリアも別に短くないだろうに、あいかわらず高校の文集に載ってるようないい味の作品を描く作家さんです。なかなか絶妙にいい味のつたなさ、というか。読んでて、たいへんなごみます。
見た目小学生くらい、しかしホントは三十路オーヴァーな高校生物教師こまっちゃん(小松)と元ヤンキーの事務員しょうこちゃん(松子)との恋愛話を軸に、個性的な生徒たちとのとぼけた日常を描いた学園4コマ!というコメントはぜんぜん間違ってないと思うんだけど、なにかが足りないような……。きっと、あなたが想像してるよりもずっとずっとしょぼくてとぼけてる感じの作品です。
ところでこの表紙!もういい歳なんだから(推測)得体のしれないロボットを堂々と単行本表紙に描くのはやめましょう!しかもこんなの出てこないよ!みやすのんきもそうだけど、作品の中にないものを表紙に描く作家が多すぎる! 出て来てた! スミマセン!!