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comic

雁須磨子「ピクニック」 
comic さくいん

novel

novel さくいん

magazine

近代麻雀 8/15
magazine さくいん

 

 

 ■2001/07

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01/07/11(WED)

ヒトマンを巡る謎

 このところ漫画系サイト掲示板を中心として不可思議な現象が続発していることをご存知であろうか。

 いくつものサイトの掲示板に同時多発的に同様の謎に満ちたメッセージが投稿され、仮にそのサイトの管理人がメッセージにレスを返したとしても、何の反応も返ってこないのだ。
 「これはわれわれ人類に対する、未知の存在からの警告文なのかもしれない………」
 掲示板に遺された痕跡などから存在が確認されている個体は全部で4種類。それぞれ、アフロ犬、さえこ、るるる、ヒットマンガとの名称によって区別されている。
 彼らを同一個体と認識できるのかどうかはまだ研究半ばであり、ここでは行動パターンから彼らを未確認宣伝生物、略してUAA(Unidentified Advertising Animal)と呼称することにしたい。
 現在、彼らからのメッセージが確認されている掲示板は

ザ・掲示板OHPIonisationすきまぺーじMHKの共同掲示板) さえこ、アフロ犬、るるる名義で順番に発言番号:4030/4049/4108。 全部で5回(!)投稿されたらしいが残り2発言は削除されてしまったらしい。残念である。
m h k b o a r d 2 n d MHK) ヒットマンガ名義。同名義による(…)2001/07/10午後の投稿を削除。しまった……。
Gekka BBS月下工房#書評系) るるる名義。
マンガとか雑談BBSふぬけ共和国・マンガ) るるる名義。「よかったらチェキラッ!!」(;´Д`)
コミックス情報BBSコミックスページ by WestRiver) ヒットマンガ名義。プレオープン?
MANGA NEWS old17:010401〜010631「B館」--極私的マンガウォッチング--) るるる名義。投稿された日時は6/15、この段階ですでにオープンしてるはずなのだが(6/1オープンじゃないの?)……。
なび堂・コミック掲示板月刊・特選コミック情報) ヒットマンガ名義。
フリートーク掲示板同人誌生活文化総合研究所) ヒットマンガ名義。「いきなりですが」の題名で投稿。ほんとうにそう。三崎尚人さんほか、真面目なレス2つつくも音沙汰なし。
コミックステーションのオアシスコミックステーション) るるる名義。

 の計8ヶ所、10発言。発言削除により痕跡が消滅した掲示板も含めるとかなりの数にのぼることが推察される。
 先の「彼らを同一個体と認識できるか否か」という我々の疑問に対して決定打とはならないものの、非常に興味深い結果が見つかったのでここで報告したい。これは彼らの残したメッセージの痕跡から発見されたDNAの一部である。
<!--remote_host:pc2.ad-dentsu-tokyo-unet.ocn.ne.jp-->
 これはm h k b o a r d 2 n d におけるヒットマンガ名義での投稿ログから抽出したものであるが、なんとGekka BBSにおける、るるる名義での投稿ログから抽出したDNAの一部↓と完全一致したのである!
<!--remote_host:pc2.ad-dentsu-tokyo-unet.ocn.ne.jp-->
 ad-dentsu とはいったいなんだろうか……。
 なお、その後の調査でザ・掲示板から抽出した3種類のDNAも完全一致することが確認された。
 もちろんDNAが一致したからといってこれら4個体を同一のものと断ずることはできない。しかし、種としては同じものであろう。
 ここでこの種の学名として「ヒトマン」と総称したいと思う。

 地道なフィールドワークによって謎の生物「ヒトマン」の存在は確認できたと思う。しかしながら、未だ彼らが我々に向かって投げかけるメッセージについては皆目検討がつかないままである。

    マンガに関する情報を一挙に検索できる「ヒットマンガ」がオープンしました。
    よかったら遊びに来てください。
    http://www.hitmanga.com


 これらの文章はいったい我々に何を伝えようとしているのだろうか?わからない……。
 とくに最後の http://www.hitmanga.com という文字列の謎については永遠に解き明かされることはないような気すらしてくる。
 このなんとも不可思議な文字列が指し示すものはいったいなんなのだろうか?
 南米コスタリカの巨大石球、ペルー南部ナスカの地上絵、バミューダトライアングル。
 人類が解き明かすことができないままの謎は地球上にまだまだ存在する。このhttp://www.hitmanga.comもそんなものの一つなのではないだろうか。
 だから、けっして近寄ることはなく、謎は謎のままにとどめておくのが正解なのかもしれない……。
 そんなことを考えた。

01/07/12(THU)

ヒトマン目撃情報最新報告

 漫画系サイト周辺を生息地とし、標的となるサイトを見つけるや否や音もなく忍び寄って掲示板に謎のメッセージを残し、たちまち闇に紛れて消え去る未確認宣伝生物(Unidentified Advertising Animal)ヒトマン。
 昨日の日記において、幻の動物ヒトマン目撃情報を募集したところ、予想を超える数のあらたなる情報が寄せられたのでここに公開してみようと思う。

今週の一番 / 閑話喫茶 / 電視の部屋 (漫研
 すべてヒットマン名義。
 ここを参照してもらえればわかると思うが、上の掲示板3つはすべて漫研という同一サイトに設置されているものであり、それら全てにまったく同じ文面の内容を投稿している。
 まずは「今週の一番」における投稿に注目してみたい。掲示板タイトルからも伺えるように、この掲示板の目的は少年誌4誌(ジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオン)の中でもっとも素晴らしかった作品、そのシーンなどを語り合うというものであり、当然ヒトマンがここに残したメッセージは前後の発言から浮きまくっている。TV番組についての話題中心の掲示板「電視の部屋」についてもまったく同様だ。当初、ある種の知的生物であろうと推察されたヒトマンであるが、これらの行動からは知的な側面を伺うことはまったく出来ない。
「ヒトマンと我々人類の間にはコミュニケートが成立しないのではなかろうか……」そんな疑念が胸の中に渦巻く。
 アフリカ北西部に生息するある種のフンコロガシは球状に丸めた牛糞を自らの巣の中に運びこむ際に奇妙なダンスのような動きをする。その時フンコロガシの前足が地面に残す奇妙な軌跡は、チェロキー文字と呼ばれる現地先住部族の使う表意文字の形状と酷似していたため、その部族の間でフンコロガシの軌跡は非常に長い期間「神のお告げ」とされ、部族の未来を予見するものだとされてきた。
 ひょっとすると、ヒトマンが残すメッセージは単にそのような種類のものではないだろうか。もしそうであるなら知的生命体であるとの前提からはじまっている今回の調査は全て水泡に帰すことになるのである。

 また新たな個体が発見された。
Manga Link BBS (マンガLink) 2001年6月4日付けの投稿
明(めい)の掲示板しのらとマンガとTCと!
 キックボクサーなるこの個体が、先に発見されているヒットマンガ、さえこ、るるる、アフロ犬など4種類の個体と同一種族であることは
<!-- Remote Host: pc2.ad-dentsu-tokyo-unet.ocn.ne.jp, Time: 991666929 -->
 を持ってその証拠としたい。
 また、
後楽園の壁2001青空プロレス)における名義はピチューである。
 メッセージ投稿の際、単純にピチューのイメージを選んだからこの名義なのだろう……と推察されるが、ならばヒトマンは多少なりともポケモンに関する知識を持っている生物であると断定できるだろう。ならばそこには1点の知性は存在するはずだ。先ほどふと頭をよぎった「ヒトマン=フンコロガシの行動軌跡」説はやはり単なる思い過ごしなのかもしれない。そして
みんなの掲示板・改My Comic Cafe) さえこ名義による従来パターン書き込み。投稿日時が6/1であることを考えると、ひょっとして現存する最古の書き込みであるかもしれない。
 また、少女漫画サイト「ときめきくらぶ」コンテンツ、少女漫画掲示板においてもヒットマンガ名義での投稿が確認された。なぜさえこでないのだろう?また、まったく同じメッセージが隣にあるHP宣伝掲示板でも当然のように確認された。

 今回新しく見つかったヒトマン発見情報は以上である。情報を提供してくれた方々にはつつしんでお礼を申し上げたい。

01/07/13(FRI)

ダメトークアゲイン

 放送が始まる2時間くらい前に待ち合わせして、打ち合わせがてら食事でもしましょう、とのことだった。
 なんとか時間通りにホワイトドーム前に到着すると、しばたさんと新田さんはすでに来ていて楽しげにお話してた。しばらくそこで「とっても!ミニモニ。」新田さんに見せてもらったり、師走の翁「シャイニング娘。」シリーズのすごさについてしばたさんまじえて語ってみたりしていた。
 その後、イロンデルさん以外の参加メンバーまじえてガーデンプレイス内の中華料理屋でネタ合わせ……のはずが、当然のように酒飲んで単なる雑談はじまって気がついたら放送開始時間10分前で慌てて移動したりする。もうこの時点でスズキ、しばた、新田の3人はけっこう酔っていたような気がします。
 だって、仕方ないんだよ!周りにビヤガーデンしかないのが悪いんだ!こんなところでウーロン茶だのなんだの頼めるか!……というのがいいわけ。
 そんなこんなでなし崩しに放送突入、なんかダメ――ってのは昨日も書いたけど、じつは中華屋での雑談が一番面白かったというのはないしょだ。漫画単行本話題限定とかの縛りがないぶん、予想もしないような話題がポンポン飛び出してきて面白いんだよね。

 話題になった内容、思い出せるぶんだけなんとなく列挙してみました。

 こやまゆき「とっても!ミニモニ。」の子猫拾ってくる回「動物かわいいピョン!」のすごいオチ / →阿ウン連載、師走の翁「シャイニング娘。」シリーズのトンデモさ / 澤井啓夫「ボーボボボ ボーボボ」の作品構造 / 侍伝説、ザ・掲示板降臨 / 新ガロの装丁 / コミックバンチ、坂本タクマ「屈辱er大河原上」の連載2回目ホッチキス話はけっこうよかった / →坂本タクマ「ぶんぶんレジデンス」100人麻雀の阿呆らしさ / 佐藤友哉「フリッカー式」 / →最近のメフィスト賞は痛すぎる / 「野獣警察」vol.1 酒池肉林編(←いいセンスだな〜)の素晴らしさ / 80年代風ツッパリバンド「氣志團」 / →「死ね死ね団」まだやってるよ! / 「攻殻機動隊2」 / →ギブスン的サイバーパンクとルーディ・ラッカー的サイバーパンクの違い / →ロボ娘サイト / →アンドロイド娘に萌えるのか? / →「HAND MAID メイ」のUSBプラグ / コメットさん☆メテオさん★ / 「ぷにぷに☆ぽえみぃ」 / →黒田洋介最近仕事 / 沼田さん的サンデーは「漫画サンデー」/ 橋口隆志「ヒナに胸キュン!」/ →ダチョウ倶楽部肥後、イエローキャブ社長の物真似

 まだありそうなんだけど、忘れた。

 続いて全員が用意してきた単行本について。忘れてるのもありそう。(◎が放送でとりあげた作品)

新田五郎さん
出口竜生「女大太郎」/ こやまゆき「とっても!ミニモニ。」/ 澤井啓夫「ボーボボボ ボーボボ」/ 原作:西塔紅一 作画:みね武「野獣警察」vol.1 酒池肉林編/ 三家本礼「ゾンビ屋れい子」
しばたさん
玉川敏秀「ハヤ子サケ道をいく」/ ◎古谷三敏・ファミリー企画「BAR レモンハート」/ 能田達規「おまかせ!ピース電器店」
koujiさん
◎佐藤秀峰「海猿」/ ◎大石まさる「みずいろ」/ 士郎正宗「攻殻機動隊2」
・イロンデルさん
◎諸星大二郎「栞と紙魚子シリーズ」/ ◎車田正美「リングにかけろ2」/ ◎上村一夫(原作:小池一夫)「修羅雪姫」
・蛭馬にあさん 
あびゅうきょ「ジェットストリームミッション」/ 有吉京子「ニジンスキー寓話」/ くらもちふさこ「いつもポケットにショパン」/ 萩尾望都「トーマの心臓」
・沼田さん
◎こやまゆき「とっても!ミニモニ。」(なんで2人も持ってるんだろう?)/ とんぼはうす「 ああ!男泣き塾 」本田健の植民地)/ 原作:倉科遼 作画:勘崎順次「銀座女帝伝説 順子」/ 原作:倉科遼 作画:東克美「ネオン蝶」/ 原作:西ゆうじ 作画:田名俊信「蔵の宿」
・俺
◎原作:花村萬月 作画:さそうあきら「犬・犬・犬」/ 鬼頭莫宏「なるたる」/ 植芝理一「夢使い」/ ますむら・ひろし「アタゴオルは猫の森」/ G=ヒコロウ「不死身探偵オルロック」/ 新井理恵「LOVELESS」/ 新井理恵「タカハシくん優柔不断」

 この中ではやはり沼田さんのチョイスセンスに注目したい。しかし、とんぼはうすなんてどれくらいの人が知ってるというのだろう?そのあとの→「順子」→「ネオン蝶」→「蔵の宿」コンボに理由があるところなんかもスゴイ。
 これやってもらえばよかったなあ、とすごく後悔。
 koujiさんは佐藤秀峰、4回連続四季賞準入選データとか用意して来てくれてとてもありがたかった。プログラムが引き締まった感じがしました。

 見てもらえれば用意に想像つくと思うけど、どう考えてもバラエティに富み過ぎなラインナップなんでどうやっても話として繋がらなかったのが反省点であります。
 プロデューサー的視点からみればどの作品を話題にしているか番組としてわかりやすいという利点があるぶん、作品中心での番組構成のほうが視聴者向きといえるかもしれないんだけど、結局Webでやってる作品レビュの発表会みたいになって、やってる当人たちからするとそんなに楽しくないというか。前回のほうが盛り上がったような気がします。
 一応ほとんど1回は目を通したことある作品だったけど、急にふられて気の利いたこといえるものでもないんだよな――。思い出せないし。「BS漫画夜話」が1作品限定でやってるのはわかる、と思いました。しかし、絶版物多い。

 反省ばかり多かったです。前回、今回のプログラム、録音したものをMP3化してもらったんだけど、前回の分は聴き返せても今回の分、恥ずかしくて聴けないですね。

 終わってから反省会。また飲んで、やっぱりこっちのトークのほうが面白かった。とほほ。

01/07/14(SAT)

普通な日記

 前回(7/13)の日記が唐突にはじまっているように感じるのは導入部ともいえるパートをすっぱり削除してしまったからだ。
 普通な日記だったはずがなぜか書いてるうちにノリノリになってきて、血も凍るような惨劇がホワイトドーム内で発生、あげく恵比寿ガーデンプレイス地下水路に潜む巨大水棲生物の群れに自分が食われて死んでしまったりした。
 ……おかしいな。
 さすがに日記の書き手が(この世から)退場したら進行できない。収拾つかなくなって困り果てた。とかくこの世はままならぬ、まさかこんなことが現実に起こるなんて……。
 夢オチ爆発オチ電波オチどこかここでない世界に旅立ちオチジャンプ10週漫画打ちきりオチなど総動員させてなにごともなかったように話修正してもよかったんだけどあまりにありがちなんでその部分ぜーんぶ消去。最近そこらへん自分が書くものの制御まったくできなくなってる。すべてはこの猛暑のせいだろうか。「まったくあち――さて、人でも撃つか……」異邦人!?カミュ、カミュ!!
 ツクモ電気からテレホンコールがあったんで秋葉原へと出かけてみた。
 連日の猛暑、茹だるような熱帯の空気の中出かけるのは正直厭なんだけど今日行かないと下手したら1週間遅れで取りに行くことになるからなあ……とぎりぎりまで部屋でうだうだしての出発。結局出たの午後6時過ぎていた。これで営業時間に間に合わなかったら単なる馬鹿だ。
 使ってるマザーボード古すぎで認識しなかった(情けない)のにヨワヨワHDDの濡れ衣着せられたあげく瞬間で修理出されたWESTERN DEGITALの45GHDDが長いお勤め終えて出所してきたのだ。
 思えばこのHDDがそもそもの元凶でこれ買ったが故に「まだまだ現役のはしくれ」レベルだと思ってた自分機械の構成がとんでもなく古マッシィーンだと気づいてしまったのだった。CPUにデュロンの900MHz買って(ひかえめスペック)それに合わせてマザボも交換、グラフィックカード、メモリも買って、ついでにNキーがチャタリング気味だったキーボードも新しいのに換えた。それでも肝心のHDDの容量そのまま据え置きだったりして「なんだかなあ……」でもそんな憂鬱な毎日にも今日でオサラバ、やった――!
 サポートセンター着いて30分近く待たされる。筐体持ちこみしてる前の客、傍から聞いててもかなり変なこと言っててぜんぜん話の終わりが見えてこない。やること特にないのでぼーっと待ってる。やっと終わった。自分のターンは2分で終わり。引渡しだけなんでこんなもの。
 驚いたことは渡すとき容量45GだったHDDが返ってきたら60Gのになっててさらに保証書も新しくついてたことだった。3日見ないとそういうこともあるんだなあ。出世した。ハマチがブリになって帰ってきた。
 部屋でつないだらまるで何事もなかったようにあっさり認識されてついでにIE6入れて消したら不具合でまくりなシステム全部インストールしなおしてなんとかこんな文章書いてる。
 しかし、長かった。ただ気まぐれにHDD買っただけだったのになんでこんなに時間やら何やらいろいろかかったんだろう。迷走の極み。
 ちなみに、今現在使ってるHDD容量調べてみたら、HDD2台合わせて70G中の4Gだった。
―― 完 ――

01/07/16(MON)

ズビズビズー

 まったくあち――。
 こうも暑いとしっぽのスイッチ引っ張って機能停止したくなります。でも、しっぽない。エアコンはすでにフル活動だけど、なんせ部屋が狭いぶん直接冷気が吹きつけてきてなんとも身体に悪そう。電源切ったら切ったですぐに蒸し風呂みたくなる。頭がぼおっとしちゃってどうにもならない。
 どうせ身体だるくなるんなら、せめてラウンジミュージックでもかけて、そんなダルダル気分楽しむかね……と思って、いまバックではソフィア・ローレンが「ズビズビズーズビズーズビズー・ミゼ・アイラビュー・ズーズビズー♪」とか歌ってるとこなんですが、文字で書いても雰囲気わからんかも。
 なんとも絶妙的脱力トラックなこの「ズビ・ズビ・ズー」なんですが、色々調べてるうち、ピチカート・ファイヴの小西康陽がプロデュースした細川ふみえの「スキスキスー」はこの曲に対するオマージュだったらしいことがわかりました。
「だから何?」って言われたら別に何も言い返せないような役立たね――マメ知識。ギュッと優しく抱いて墓まで持っていきます。
 どうにもやるせなくなってじたばたして寝る。

【単行本・漫画】 雁須磨子「ピクニック」 太田出版

雁須磨子「ピクニック」 なーんか、何か起こったような起こらないような。
 読者が期待するようなことは少なくとも何も起こらなかったり、お話が動いていたとしても主人公サイドではないどこか別なところでだったりするのは、いつもの雁須磨子節なんですが、そこらへんの呼吸がわからないと、この人の作品はピンとこないかもしれないなあ………そう思います。
 一見普通に見える物語も、こちらが予想できるような場所にはけして着地せずに、ほとんどはぐらかしでできてるようなそのストーリー展開は奇妙な感触を残して気がつくと見たこともないような地平へと我々を誘っていくわけですが、それでいて幻想にいかないあたりがスゴイですね。
 「マンガ・エロティクスF」、「フィール・ヤング」、「ZIPPER COMIC」、「小説JUNE」と、掲載誌はバラエティに富んでいる……というより節操ない感じですが、噛み合わない台詞回し、不思議な間、先のまったく見えない展開など、どれを取ってもこの人にしか描けない唯一無二なもので、まあ、独特です。載った本によってジャンルをおおまかに分けると、ノーマルラブ(?)、エロ、ボーイズ・ラブとなるのは明らかなんですが、ボーイズ・ラブ、そしてエロのほうがお話の展開がストレートでわかりやすかったりするのは面白いですね。フィール・ヤングとかの読者層に合ったものを描くのがいちばん苦手なんじゃないのかなあ、じつは。とか思います。
 隣町の中学生に告白された38歳独身のコンビニ店長のお話、「春なのに……」読んだあとに残る奇妙な余韻。 白いダッフルコートの後輩・ピートと映画見に行ったりしてるうちに「あれ?これって俺が思ってるような関係じゃないのかも……カップル?」そして寿司が宇宙をとびかって肝心の物語は別な位相で流れて終わる話(説明がむつかしい……)、「あこぎなたましい」の半端さ加減、最後はぶどうか!そして高校教師と関係を持つ男子校生を主人公にした「あたたかいところ」のほのぼのオチなんかが心に残りました。この中では、「あたたかいところ」のラストだけが意味あるようなオチらしいオチなんですけど、唐突に出てくる三好達治の詩、「雪」をめぐる妄想そして主人公の幼い時の回想、国語教師とのシュールエロな会話などが渾然一体となった物語中盤はキテレツ極まりなく、そこがなんとも好きであります。なんでその他大勢の男子たちはひらひらと舞い踊っているんでしょうね。

【雑誌】 近代麻雀 8/15 竹書房

 うーん。片山まさゆき月1連載にして「スーパーヅガン」リメイクさせたのは痛かったような。福本伸行「アカギ」だって復活してからずいぶんたつのにストーリーまったく進んでないありさまだし読み応えある作品が現在皆無なんだよなあ……。巻頭カラー、まずは福本伸行「アカギ」。なんだこの鷲巣の歪みっぷりは……よだれ垂れ流しだけじゃおさまらなくてもはや完全フリークス状態、これ放送禁止だよ、という塩梅であります。「キィキィキィッ………!」って言ってるよ!気になるのは押川雲太郎「頑固なペンチーピン」天獅子悦也「むこうぶち」くらいかなあ。ほかはほとんどハッタリ漫画になってしまいました。久々登場、大滝鉄也「無敗王(ムテキング)」は下ネタじゃないんでダメ(笑)。でも、結局なぞなぞ勝負漫画になってて、こんなの現代の日本じゃなかなか読めない。ソコだけには注目したいですね(;´Д`)読みきり、沖圭一郎「野獣打つべし」。やっぱパチンコになるのか………もう、どうしようもない。

01/07/17(TUE)

ペンネーム考察

 ペンネームについていきなり考えてみた。
 僕がこの世の中で一番素晴らしいペンネームだと考えているのは森山塔で、この名前眺めてるだけで1時間くらいは暇がつぶせる。これは本当の話だ。
 まず「森」、「山」、「塔」、この3つの漢字全てが物の形そのままをかたどって見えるあたりが素晴らしいではないだろうか。勿論、厳密に言えば「森」は象形文字ではなく会意文字だし「塔」だって形成文字だ。しかし、この漢字3文字をじっと眺めているうちに「鬱蒼と茂った森を抜け、切り立った山々が天頂に向かって聳え立つ光景が眼前に広がる。その山の麓には長い年月打ち捨てられ荒れ果てた塔があるのだ……」みたいなストーリーが頭の中に展開してしまう。こういうのって僕だけなのだろうか?

 森を抜け、白馬に乗った王子がやってくる。
 ベルベットとサテンで仕立てられた上着は日光を受けてきらきらと輝く。ただし下半身は学校ジャージだ。
 唐突に説明口調で語り始める。
王子「ああ、囚われのローラ姫。今ごろ姫は悪漢どもの手によって口では言い表しようがない程の酷い目にあっているやもしれぬ」
王子「(無表情に)早く助けに行かなければ」

――塔の頂上。東京汚物団の手によって囚われの身のローラ姫。いろんなことをさんざやられたりやらされたりしている。
ローラ姫「お、お願い……食べ物を……」
東京汚物団団長「お前が口にしていいのは、目の前にぶらさがってるものだけだ」
ローラ姫「(目に涙を浮かべ屈辱に打ち震えながら)………」
東京汚物団団長「さんざっぱらやってきたことじゃねえか。いまさらかわいこぶるんじゃねえよ」



 残念ながら想像力の限界です。中盤から「甲州街道はもう秋なのさ」のモロパクリになりました。が――ん!しかもこれ、森山塔じゃなくて塔山森名義だな……。ま、いいか。こんな感じでイメージは広がっていくんであります。説得力ないなあ。

 他の作家についていえば、赤江瀑なんか自身の作風とぴったり一致する絶妙なペンネームであると感じますし、泡坂妻夫というペンネームも、本名のアナグラムながらトリッキーな作風の奇術作家そのまま表したような印象を受ける名前であります。最近の作家の中では恩田陸も素晴らしいペンネームだなと思います。黒田硫黄もいいなあ。
 講談社ノベルスで書いてる作家のペンネームってじつはのきなみヲタ臭くて、そうでないのって古処誠二と新堂冬樹くらいじゃないかなあ。京極夏彦はいかにも同人ジャンルになりそう、でもヲタ臭さが鼻につかないギリギリのラインを見計らってつけたネーミング、清涼院流水はそのラインを平気で踏み外した、ある意味堂々としたネーミング、霧舎巧は島田荘司に文句言ったほうがいいのでは、書いてるものとはばっちり一致のネーミングだけどさ、そんな感じです。

レビュ書かない本

 最近読んだ本についてざっと書いてみます。
 RYU-TMR「封霊士マーコ」 激漫連載作品なんだけど、びっくりするくらいにエロがないね!少年エース連載のはずの天王寺きつね「エデンズボゥイ」9巻の内容に負けてたよ(藁 あ、話が飛んだ。「封霊士マーコ」。ヲタネタ、ブラックな展開、すべて全開でやりたい放題してるドタバタマンガです。ある意味ワニマガジンから出るギャグマンガの傾向を示してる作品だと思います。そんで天王寺きつね「エデンズボゥイ」9巻。エース桃組掲載の外伝的オマケストーリーがエロいですね。終わり。……えーと、面白いんだけど、前巻からトーナメント入っちゃっていつ終わるんだろう、って思ってます。津田雅美「彼氏彼女の事情」11巻 こっちの気持ちも知らないで勝手に弟ラブラブなつばさちゃんにどーすんだーって感じの一馬君エピソードだったんですが、サブキャラの話なわりにはこの巻で終わらなかったな……とちょっとビックリ。一馬の様々な心理的葛藤を描こうというのはわかるんですけど、主人公二人ほったらかしのまま長いなあと思いました。津田雅美、物語全体のコントロールは出来ない人だなあ。紺野キタ「あかりをください」 個人的にこの人にはファンタジーor寄宿舎ものしか描いちゃダメ!といいたい。切ないお話ばかりで出来としてはやはり素晴らしいものがあるんですが、紺野キタの描く世界の間違いなくトップレベルな完全無菌っぷりは特殊な閉鎖空間を舞台に設定することではじめて生きるような気がしてなりません。征矢友花「トッペンカムデンへようこそ」3巻 1巻ラストからの続き、ってことで今度はレジーサイドのお話。死の呪いを解くべくトッペンカムデンを後にする……んで実はぜんぜんトッペンカムデンへようこそな巻じゃありませんが、ちゃんとローラ姫出演するんでご安心。同じく王国舞台にしたファンタジーものとしてはTONO「カルバニア物語」がちょっとひねてるぶんだけ、たぶん今現在のベスト作品なんじゃないかなあと思います。いいエピソードばっかしの作品なんでもっと知られてもいいような気がしますね。なんでレビュ書かないかというと、まっとうすぎるんで逆に書くのがむつかしい作品なのです。スマン。森恒二「HOLYLAND」1巻 アングアニマル連載。格闘技漫画の場合には戦術を科学的に描いた作品数多くあるような気がするんですけど、これはストリートファイトの戦術についてリアリティあふれる実践知識まじえて描いている作品です。根性だの仲間を思う心なんかで闘ってない分、ひんやりと冷たい感触が漂ってます。元ひきこもりのいじめられっ子に視点が置かれていて、完全に閉塞した状況からの突破口を繁華街でのストリートファイトに求めるあたりじつは拳奴主人公にした同じくアニマル連載の「拳闘暗黒伝セスタス」と同じだったりします。自由を追い求める精神の叫び。しかし、内容はすごくいいんですけど装丁でかなり損している気がしますね。

RYU-TMR「封霊士マーコ」天王寺きつね「エデンズボゥイ」9巻津田雅美「彼氏彼女の事情」11巻紺野キタ「あかりをください」征矢友花「トッペンカムデンへようこそ」3巻森恒二「HOLYLAND」1巻

01/07/18(WED)

普通な日記

 そろそろ蚊との同棲生活も厭になってきた(3日目)ので、アースリキッド詰め替えパックを買いにコンビニまで出かけた。
 60日蚊取り詰め替えパックが890円で、アースリキッド本体+60日蚊取りのセットが970円という価格設定はいったい何なのだろうか。本体は80円?なんとなく本体付きのを買ってしまいたくなる貧乏性な性分なのだが、それやると部屋にアースリキッド本体だけが3つも4つも並んでいくので詰め替えパックのほうをおとなしく買って帰る。

赤松健「ラブひな」12巻 「ラブひな」12巻とかTV.Brosとかついでに買っちゃう。コンビニで「ラブひな」単行本買うのって、なぜかものすごく敗北感があるのであるが、それは気のせいだろうか?(いや、そうではないはずだ) 表紙がたぶんにアレだし〜。景太郎帰ってきてお兄ちゃん萌え萌え可奈子大暴走なこの12巻、ひょっとしてもしなくても内容はジャストそれしかないな……。毎週毎週20ページ単位で快楽原則スタンピードさせるだけさせて→そのままうやむやラストで引きの余韻も何にもないマンガなんで1冊にまとまるとガチャガチャ放題やな〜よく講談社漫画賞取ったなあ、誰だこんなの推したの……とか思う。良きにつけ悪しきにつけ、今っぽい作品でしょう。

 「TV.Bros」は普通。浅草キッド「お笑い男の星座第二部」ダチョウ倶楽部編がやはり面白い。今回は必要もないのにただただ肉体だけ鍛え上げ続ける芸人、寺門ジモンのこと。

ボリス・ヴィアン「心臓抜き」 ボリス・ヴィアンってじつはあんまり読んでなくて(「日々の泡」くらい)、ハヤカワepi文庫から出てる「心臓抜き」って作品をここのところちょっとずつ読んでいます。
 わたしは精神科医で、去年産まれた / 断崖に沿った小道を走っていると、ふいに叫び声が聞こえたのでその家へと侵入した / 家の門から寝室の中まで1本の赤いリボンが張られていた / 部屋の中には妊婦がいた / 私は子供をとりあげる準備をはじめた
………なんだこのシュールな物語は。○×クイズにしたらこれまでの展開すべて×だよ。
 あげく、三つ子を出産したばかりの妊婦クレマンチーヌには、「……あなたや別の男の人がきて、わたしを押しつぶし、男のきたないものをかけ、そしてもういっぺんはじまって、わたしがぐあい悪くなり、重くなり、血を流したりするために……出ていって!出ていって!」とか追いたてられるし。偶然通りかかった精神科医ジャックモールであるわたしが産婆役をなぜか引きうけるはめになって無事やり遂げたというのに何ゆえこんなシドイ扱いを受けねばならんのだろうか?
 この「心臓抜き」、ヴィアンの作品の中でも相当に奇怪な部類に入るのでしょうか。噛み合わない白々しい台詞、奇怪な展開、ここまで奇妙な物語なかなかないです。あと原書読んでないんであまり強くは言えないのですが、滝田文彦の訳がそんなによくない分わかりにくく感じるのもあるんじゃないかなあ。この形容であってるんだろうか?と不思議になる表現が多いです。

恩田陸「三月は深き紅の淵を」 文庫落ちした恩田陸「三月は深き紅の淵を」も同時並行で読んでいて、さすがにこれは格段に読みやすいですね。……ヴィアンを比較対象にするな、という気もしますが。幻の本「三月は深き紅の淵を」を巡る4中篇がラストで結び合わされるという構成みたいなんですが、まだ第一章「待っている人々」の途中、読み始めたところなので感想は後ほど。

 プラスなぜかナンシー関×町山広美「隣家全焼」とか読んでたりして。「CREA」掲載の言いたい放題対談。最初のほう96年の対談だったりしてちょっと時代感じたりしますが面白いです。マーク・パンサーとか言ってる(;´Д`) 文庫版あとがきでは(長嶋)一茂の代わりに松岡修三注目!とか「実は英語ペラペラな修三は修三じゃないみたいだ」とか「ヤワラ、ミニモニ入んないかなあ。」とか言ってる。無茶言うな。
ナンシー関×町山広美「隣家全焼」 「隣家全焼」とは関係ないような関係あるような話だけど、元シャインズの片割れ東京プリンってユニット組んでて、それが今香港で大人気らしく、東野幸二が司会やってる深夜番組ゲストに来たとき、自慢気にぺらぺらしゃべってた。香港No.1ホテルで支配人自らのお出迎え&VIP待遇受けて、自分のサイン、マライア・キャリーのサインの隣に飾ってもらったとか。「『名探偵カゲマン』のテーマ歌って子供人気もゲットですわ〜」みたいなことも言ってた。腹立つ〜。てっきり、トレンチコート・マフィアが唐突に画面に登場してきて奴を蜂の巣にする、四方八方からボウガンの矢が飛んでくる、などの小粋な番組演出があるもんだとばかり思ってたらそんなことはぜんぜんなかった。
 この世に正義はないものだろうか。

 今日こそお洗濯したいなあ。

―― 完 ――

01/07/19(THU)

ネタバレ上等サイト

 書評・感想中心のページ運営するのならやっぱり自分が書いてる内容がネタバレになるのか否かの部分には敏感であるべきだよねえ……というのはすきまページ−ときどき日記 7月17日ぶんについての感想だったりします。つまり、ここでとりあげられてる「ヒカ碁」ネタバレ問題で唾吐かれる筆頭はウチのページ、ということ。
 当然、雑誌中心チェックしてる人と単行本単位でチェックしてる人の間には数ヶ月のタイムラグが生じるわけで、そこらへん完全に考慮した文章書くのにはどうすればいいんでしょうかね。たぶんジャンプで毎週チェックしてる人にとっては今週の展開は予想の範疇内、時期的にはずいぶんと早かったけどね……という印象だと思うんですが、たしかに単行本でチェックしてる人にとっては晴天の霹靂だったかも。
 こんな驚愕展開の時、どのような言葉を使ってそれを書くかで、そのサイトの作品に対する配慮の深さ、文章表現というものに対する自覚の度合いがそのまま浮き彫りになると思ってるのですが、その点うちのページは論外、昨日のはひどかった〜反省。
 ただ、たとえば続きものの途中1巻だけの感想書くのにネタバレ完全にしないまま書けるかっていうとそれもむつかしいよなあ……と。たとえば01/07/17「トッペンカムデンへようこそ」3巻の紹介文だって明らかに1巻ラストの展開のネタバレですし。
 正式発売日の夜以降だったら多少内容に触れてもかまわない、ただしミステリの真犯人・真相・トリックなど論外なもの、もしくはそれを流すことで作品の楽しみが失われる可能性がある情報をのぞく、というスタンスで感想は書いてるのですが、「ひょっとしてネタバレしたほうが売れるんでは?」と思える作品については迷うことも多く、これはたとえば、小林泰三「αΩ」、殊能将之「黒い仏 BLACK BUDDHAなどなのですが(読んだ人ならわかるはず)、こういうのは非常に判断に困ります。
 (これは勿論小田中さん個人に向けての言葉ではありません)そもそもネットに繋いでサイト廻ったりサーチエンジン検索してまで情報を欲してる人間が、そこで見つけたネタバレ情報に対して怒るというのはわけがわからない……というのは黒くて山羊の角が生えてる俺がぼそり呟いた言葉でありますが、そもそも全ての情報がダイレクトに見える、というのは便利なようで実は不便なのかも。情報に踊らされることなくいられる人間は少ない。
 ふと思いついたのですが、Proxomitron なるローカルプロクシアプリケーションがやってるのと同じような方法で現在見たくない情報に関する記述を全て反転しないと見られないようにするアプリなんかあったらいいかもしれませんね。

追加した

松本零士「新宇宙戦艦ヤマト」2巻 アンビエントやな――とか適当なことを呟いてみる松本零士「新宇宙戦艦ヤマト」2巻。ヤマトがあって月があってヤマトがあって月があったよ。あ、あと、まほろば(藁。
 手法的にみるとコピー切り貼りしまくりな漫$画太郎とほとんど変わらない……とか、いやいや「Be-bop-Highschool」なのだよ、とかほざいてみるけど、実はループの組みかたが違うだけだったりして。えらく壮大でスペーシーなれどあとに残るものがぜんぜんなくていわゆる雰囲気ものだったりするから、やはりこの作品をアンビエントテクノととらえるのは間違いではないと思う。だからどうなんだ、と言われると返す言葉はないんだけど……。

こやまゆき(原案協力:永野ゆかり)「とっても!ミニモニ。」 さて、じつはコッチもだる――な1冊、こやまゆき(原案協力:永野ゆかり)「とっても!ミニモニ。」。
 さすがに学年誌(「小学二年生」〜「小学四年生」)掲載の作品読んで「おもしれ〜!!」とか言ってたらマズいっつー話ですわ(→俺が)。
 集中線などの漫画表現すべてがゆる〜い感じだったり、ミニモニ。含め登場人物全員がなんだかふにゃふにゃしたポーズだったり、驚愕の展開がとくに用意されてるわけでもない、おざなり起承転結ストーリーばかりだったりと、とにかく全てゆるゆるな1冊。
 そういえば昨日「ナンシー関が柔ちゃん『ミニモニ。』に加入させたらどうか」と言ってたって「隣家全焼」の感想で書いたけど、矢口が実際に誘おうとしてたやん!現実はナンシー関を超えている!と驚き。あと卓球少女の愛ちゃんも「ミニモニ。」メンバー候補だったらしい。ふ――ん(ぜんぜん気がない)。今からでも遅くないから加入してもらえばいい、そう思います。やれるもんならね!

大石まさる「泥棒猫」1巻 とくに書くこともないんですが、大石まさる「泥棒猫」1巻。泥棒+元スパイのオスメス猫コンビ、マック&ユーリのそのまんまタイトル「泥棒猫」からいきなりネズミなくの一、蛍を主人公にした「くの一はおデコだせ!」に作品チェンジしてしまう驚愕の1冊。シリーズ変更した理由も皆目見当つかないんだよね(;´Д`)「ひょっとして、等身もっと下げたかった?」とか「ユーリの年齢設定間違えた?」とか思ったりしますが、楽しいことは楽しいです。ぜんぶスケール的にちっちゃくやりたいのかな?
 次は「泥棒猫」2巻なの?

ディヴィッド・ピース(訳:酒井武志)「1974ジョーカー」 ディヴィッド・ピース(訳:酒井武志)「1974ジョーカー」。馳星周が帯に推薦文寄せてる、というと想像つくかもしれないんですが、犯罪を猟奇的にしてそこはかとないひ弱感を加えたジェイムズ・エルロイという感じです。作者であるディヴィッド・ピースがイギリス人だからそんな雰囲気になったのかな。
 ノワール、いわゆるクライム・ノヴェル、暗黒小説というジャンルはまだまだ開拓の可能性があるものだと思っていて、前述の馳星周、講談社ノベルスその他で活躍中、元その筋っぽい新堂冬樹らが書くようなものとは別の形のものも生まれる余地があるのではないでしょうか。たとえば最近の作家さんでは「煙か土か食い物」でミステリ・ノワール書いた舞城王太郎とか。ただ、ノワール書いたつもりでもなぜかサイコ痛々小説になっちゃう人、若手作家に多そうな気がするなあ。日本人だとそうなるのか。

01/07/20(FRI)

下↓の追記

追記:ちなみに、「瀬名秀明の博物館」新着情報2001.7.19 にて引用されていたのは floating voice 7月18日の日記。それにたいするふぢーさんの反論はこちら。 前述の野尻抱介氏の意見もそうなんだけど、このような意見の食い違いが生じた原因は、(これはあくまで僕の想像です)瀬名氏の「SF作家が個性豊かで実りある仕事をするためにはその作品の出来と見合った収入が得られるだけの土壌作りが必要である、そのためにはSF購買層を広げるだけのベストセラーSF作家の存在が必要不可欠」という考えと、ふぢーさんの「そんなことより個々の作家が頑張って良い仕事すればいいんじゃないの?」という考えの相違にあるのだと感じた。つまり、SF作家がおかれている現在の状況をなんとかしようとしている瀬名氏に対して、「そんなこと、してもしなくてもどっちでもいいよ」とSFファンから返事が来たという感じかな。だから瀬名氏の

 編集者がこういう意見を見たら,SFを取り上げようという気力すらなくなるぞ。

というのは編集者がどうのというよりは瀬名氏自身が脱力した、ということなんでしょう。

 個人的に、瀬名氏の「印税から1500万円使って朝日新聞に5段抜き広告を出す」との提案は作家自ら大金投じて広告打つ、とのことで一時期は話題になったり、マスコミで取上げたりするかもしれないが、1回限りではさして効力もないだろうし、SF業界全体使っても定期的にそんな広告打つだけの余裕はないだろう。名乗りをあげる出版社が現れる気もしない。さすがにもう少し効果的な展開方法はあると思うのだが、ではどうすればよいのか、というと具体的にはわからない。

 あと、ふぢーさんの

 たしかにここ数年の間,SFのベストセラーは出ていないし,ベストセラー作家もいない(瀬名秀明が"外部"であるならば,と書いておいたほうがいいかもしれないが),と,とりあえず言ってもいいようだ。しかし,その中からも,北野勇作『かめくん』,小林泰三『AΩ』(超・ハード・SF・ホラーだが),野尻抱介『ピニェルの振り子』,秋山瑞人『猫の地球儀』,菅浩江『博物館惑星』などなど,才能ある作家による個性豊かな実りある仕事は,確実に生まれている。

 という主張に対しては、「それは勿論事実であるのだけれど、ここで挙げられている作家全員が、その個性豊かで実りある仕事に見合うだけの報酬を得ている気はしない」と僕は感じています。瀬名氏がやりたいことは、SF業界全体を底上げすることで、余裕持って次回作の準備ができるだけの収入が作家にいきわたるような環境をつくることなのではないでしょうか。
 実際、SFオンリーで作品を発表している作家さんの中には(経済的な理由だけではないかもしれないが)兼業作家という形でしか出来ない人もいて、執筆量は当然のように少なくなるし(たとえば秋山完とか)、専業でやってる作家さんの中にも、カツカツの経済状況の人は多そうに思えます。

 瀬名氏の主張、そしてやろうとしていることは言葉は悪いけれどドン・キホーテ的なものではあります。しかし、状況を打破するために個々の作品の質に頼るのではなく、外部へ働きかける何か別の力を使う、たとえばプロモーション展開など、といった発想は方向性としては間違ってる気はしません。たしかにこのままほっておいても実りある仕事はこれまでと同様に確実に生まれてくるのでしょう。ただ、その実りある仕事に満足なリターンも返せない状況で、高いレベルの作品を要求するってのも負担の皺寄せを作家に押しつけるみたいで、どうにも心苦しい気がします。そもそもそんな因果な道を自ら選んだSF作家の人に責任がある、と片付けてしまうこともできるのですが……。

門外漢の考えるSF

 瀬名秀明さんがSFやめるそうです。

 なぜかといえば、せっかく作ったSFセミナー講演録にウェブからの反応がぜんぜんないから。
 なんせこの講演録、PDFファイルにして248ページもある大ボリュームなので流石に読んでる人が少ないというのも頷ける気がするのですが、たしかにほとんど見かけません。みんなFFXの真っ最中で忙しいのかな?

 講演録、そして講演後の反響、最低この2つのファイル(ともにPDFファイルなんでAcrobat Readerが必要です)を読めば、瀬名氏の大意は最低限つかめると思います。これならば計42ページ。さして苦労もしないはずです。

瀬名秀明「パラサイト・イヴ」 瀬名秀明氏がこのようなテーマで講演を行おうと思ったそもそものきっかけは、「パラサイト・イヴ」に対するSFファンからの「これはSFではない」との批判でした。
 「パラサイト・イヴ」はそもそも第2回日本ホラー大賞受賞作だし、文庫として世に出たのも角川ホラーからだ。SFとしてこの作品を宣伝したことは一度もないのに、なぜそんなことを言われなければならないのだろう……
 『「SF」とのファーストコンタクト ――瀬名秀明、SFに対するアンビバレントな思いを語る――』と題された講演の内容は、自分自身とSFファンとの間に感じたこの深い溝のような違和感とはいったい何なのだろう?という瀬名氏の疑問に端を発しています。
 「瀬名秀明とは何者か」というSFファンに対しての自己紹介から始まる講演は、自分自身とSFファンの間にあると感じるディスコミュニケーションは果たして解消可能なものなのか、もしできるならばその接点はどこにあるのか、違和感の正体はいったい何なのか、についての瀬名氏自身の分析に続き、そしてアンケートから導き出されるSFファンの実像について、SFの本質であるという「センス・オブ・ワンダー」とはいったい何かについての考察、そして講演後半パートの内容は「SFを売るためにはどうすればいいのか」について各出版社編集者のアンケート回答から得た意見、そして瀬名氏自身の意見を交えての考察、というものでした。
瀬名秀明「ブレイン・ヴァレー・上」
 長くなりそうなので以下、読んでいて感じたことを箇条書きにて。

・「SF」は「ミステリ」「ホラー」などと比べてわかりにくいところがジャンルとして弱いと感じる。たとえば「ミステリ」なら「謎があって、解かれる」、「ホラー」なら「怖いことが書いてある」など、いわば機能、効能がどの作品でも共通している、というメリットがあるけれど、「SF」にはそれがない。「ファンタジー」にもこれと同じようなことがいえると思う。「宇宙」だから「近未来」だから買うという層も少なそう。
瀬名秀明「ブレイン・ヴァレー 下」・「SF小説は売れない」という言及は曖昧で具体的でないような気がする。たとえば「ハヤカワ文庫SFは角川ホラー文庫より売れてないが、ではどうすれば売れるようになるのか?」とか。
・「SF」ジャンルでキラーソフトとなりうる作品がないのが問題。たとえば鈴木光司「リング」シリーズ、貴志祐介「黒い家」のように映画化されて何十万部単位のヒットを飛ばすようなものがジャンルとして必要なのでは。そういう作品があればレーベルの牽引力となり、他の作品も売れる。
・それを考えると、予算の関係上から映画化が難しいという点でも「SF」は不利かも。「ファンタジー」にも同じことが言える。アニメ化だったらむしろ有利だと思うけど……。
・どちらかといえば、コード逸脱作品に対するパッシングの強烈さではミステリマニアのほうに軍配が上がる気がします。
・ジャンルとメディアについて。たとえばミステリ漫画とミステリ小説、ホラー映画とホラー小説ではそれぞれ別の味わいがあって、メディアが変わればまるで別ものな気がします。つまり、コアなホラー映画マニアがホラー小説読んでいる気はあんまりしない。ところがSFファンの場合、求めてるものの一部は映画、アニメ、ゲーム、漫画などのメディアで代替が効くのではないだろうか。小説であることにそんなにこだわりなく、出来さえよければ映像、静止画でもOK、というか。
・日本SF新人賞と日本ホラー大賞の賞金格差が5倍ある(SF新人賞は大賞100万、日本ホラー大賞は賞金500万)というのはいかがなものだろうか。ちなみに、例えは悪いがTBS「フードファイト」大食い特番優勝賞金は1000万だった(藁
・ヤングアダルト小説の分野にもSFマインドを持っていると感じる作家は何人もいる。たとえば電撃文庫の秋山瑞人、古橋秀之、朝日ソノラマの秋山完など。しかし彼ら全員、実力はともかく、所属レーベルの中で売れてる存在ではまったくないので、ヤングアダルト→SFファンという流れはないに違いない。あったとしても無視できるくらいの変わり者なんで考慮に値しないだろう。

 これは別に小説というメディアに限らず、これからはもう機能性食品みたく効能が明らかにわかりやすいソフトウェアからしか大ヒットは飛ばせないだろう、そのほかはすべてマニアうけに終わる、と考えていて、それは静かな絶望ではあるんだけど、まあ仕方ないかなあ……と思ってます。

瀬名秀明「八月の博物館」 ところで「講演後の反響に対して」とまとめられた文章の中で瀬名氏は、

 そこで私が提案したいのは、少なくとも最初のまとまった資金だけは、私(瀬名秀明)が提供しようというものである。幸いにしてこれまでの印税は全て貯蓄してある。朝日新聞に全5段の広告を出すのに1,500万円ほど必要だと聞く。それなら瀬名が1,500万円を提供しようというのである。


 と、太っ腹にも程があることを言っていて驚きました。
 ところが、ウェブアンケートに回答した当のSFファンたちの意見の多くが「別にSFが売れてないとは思わない」ので「このままで別にいい」だったり、「SFオンライン」上における野尻抱介氏の意見が「現状のSFでちっとも困っていないので、よしやろうという気にはなれなかった」だったため、暖簾に腕押しな結果に終わりました。
 あげく、「瀬名秀明の博物館」新着情報2001.7.19 において、

 SFに関しては、今度のSF大会を最後に、しばらく離れようと思っています。

 との記述が出るに至りました。

 どうやら、瀬名氏の本気の度合いが伝わらなかったみたいですね。
 唐突にすぎたのかなあ。読み手と作り手の意識の差が出たのかも。たぶん、この人真面目なわりにはちょっと不器用な性分なのかもしれません。

 ところで、講演録の中に「SF系日記更新時刻一覧に載ってる日記全て1年分通して読んだ」との瀬名氏の記述があるんですが、ここも読まれたのかなあ、と驚きです。きっと、何も得るものはなかった気がします。どうもすみません……。

 

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