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原作:森博嗣 作画:スズキユカ「女王の百年密室」
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グレッグ・イーガン 訳:山岸真
「祈りの海」 |
02/01/01〜02/01/04
新年明けましておめでとうございます
→MHK帰省中より
・ 01/01
・ 01/02
・ 01/03
・ 01/04
02/01/05(SAT)
【単行本・小説】 グレッグ・イーガン(訳:山岸真)
「祈りの海」 ハヤカワ文庫SF

帰省したときにちょこちょこと感想書いたけど、まとめておく価値はあるのではなかろうか、と思ったので。
「貸金庫」、「キューティ」、「ぼくになることを」、「繭」、「百光年ダイアリー」、「誘拐」、「放浪者の軌道」、「ミトコンドリア・イヴ」、「無限の暗殺者」、「イェユーカ」、「祈りの海」の11編を収録。グレッグ・イーガンの作風変化も見えてくるのではないか、と思うのでここでは発表年代順に感想を書いていくことにする。
・ 「キューティ」 <インターゾーン>1989年5+6月号
いかにも初期短編らしいワンアイデア作品。
彼女にふられたもののどうしても自分の赤ん坊が欲しい男が「キューティ」なる製品をネットから購入、産み、育て、ともに暮らしはじめる……というストーリーで、同じアイデアが使われた製品について私たちはすでに知ってしまってるぶんインパクトは薄れてしまってるかも知れないが、文字通り自分の血肉から産まれた分身であるところがインパクトあると思う。でも、やっぱり一発ネタ。
・ 「ぼくになることを」 <インターゾーン>1990年7月号
なかなかいい。
記憶、思考パターンそのほかをバックアップするための宝石を脳の奥深くに持つ人類たちのお話で、ある一定の時期を過ぎて生体脳が衰退を始める前に彼らは<スイッチ>と呼ばれる手術を受ける。つまり脳から宝石への自分自身の<切り替え>。では自分は人間なのか? 宝石なのか? という物語。SFアイデアを持ってアイデンティティの問題を扱うといった、グレッグ・イーガン作品の典型的手法を使って書かれた作品だろう。まあ、わかりやすすぎ、という話もあるけど。
・ 「貸金庫」 <インターゾーン>1990年9月号
素晴らしい。
とても信じられないような奇妙な宿命を背負った男を主人公に、自分自身とは一体何かという問題について描いた思考実験的な作品。ものすごいアイデアに満ちた設定も素晴らしければ、過酷な運命を淡々と受け入れる男の心情描写も上手い。そして、いちばん感心したのは幼少時の男の世界認識についての描き方だ。とにかく洒落ていると思う。よい。
・ 「無限の暗殺者」 <インターゾーン>1991年6月号
S常用者たちの手によって世界をシャッフルがされはじめた時、事態を正常に覆すために派遣される男の物語。時空を超越して平行世界がかき回され、<渦>となった時の描写が面白い。たとえば、建物は別世界のそれと混ぜ合わされキメラ化した状態でやがて倒壊していくという感じ。読んでいて眩暈を感じる。
・ 「放浪者の軌道」 <インターゾーン>1992年7月号
アトラクタと呼ばれる思想体系の影響から逃れるために彷徨を続ける男女の物語。またもアイデンティティー。
発想としては面白いけどいささか思考実験的にすぎるような気がして、もうすこし映像として見えるものがあればなあ、という気がした。
・ 「百光年ダイアリー」 <インターゾーン>1992年1月号
ものすごくよい。
これと「貸金庫」だけでじゅうぶん元とれた(貧しい発想だ)という気がする。
百光年の光学距離を有したハザード・マシンによって時間逆転銀河と交信することで未来からの伝言を受けられるという設定、使われてるアイデアがまず素晴らしい。その日何が起こるのか、未来の自分が書いた(たった128バイトの)日記を読む現在の自分、間違いなくそこに書かれているとおりのことが起こる――では自分の意志による決定というものはそこに存在するのか? といった思考実験もので、とにかく魅力的なお話だ。
引用になるが、「時間の中を前後に流れる情報の衝突が生み出す定常波」と、自分の人生をあらわした言葉の使い方など、光る表現が多い。素晴らしい。
・ 「繭」 <アシモフ>1994年5月号
胎児期アルコール症候群、コカイン中毒児、胎盤というバリアをたやすく通過してしまうさまざまな毒素から胎児を保護するために研究・開発されている強化合胞栄養芽層細胞、通称<繭>。その研究施設が何者かの手によって爆破された。いったい誰が何の為に? 動物保護団体、人体に変容を加えることを良しとしない宗教団体、ライバル会社。そのどれもが、標的にふさわしい他の何かを持っていて、胎児バリアの研究施設をわざわざ破壊することの意味は見出せない。しかもデータバックアップは万全で研究の進展には何の支障もなかった。こんなことをいったい誰が?
「新本格2001」に収録してもいいようなミステリ仕立ての作品で、真相についてはあからさますぎてそんなにサプライズはないけれど、やはり上手い気がする。
・ 「誘拐」 1995 書き下ろし
長編「順列都市」と同様のテクノロジーが発展した未来を舞台にした最新形の誘拐物。ワンアイデアだけど。
・ 「ミトコンドリア・イヴ」 <インターゾーン>1995年2月号
ミトコンドリアDNAに内包された情報を解析することで人類のイヴを見つけ出そう! という<先祖戦争>の話。意外にもドタバタなムードで楽しめた。
・ 「イェユーカ」 <ミーンジン>No.1 1997
テーマが個人から社会へと拡大されている。ここらへんが瀬名秀明好みなのだろうか。
衛星を介した電子免疫システムともいえる、ヘルスガード社の指輪型ユニットが普及した未来。しかしそれは先進国だけのことで、アフリカの小国ではイェユーカと呼ばれる融解伝染病によって人々が次々と死んでいる。自ら進んでウガンダ支援グループに加わった一人のオーストラリア人青年医師の葛藤と決意を描いたドラマ。前述したように社会を描こうとしているぶんSFトピック的なサプライズは薄まってしまっているように感じる。しかし、短編としては上手いと思うのでかなり個人的な評価は高い。しかしイーガンらしいかというと……うーむ。
・ 「祈りの海」 <アシモフ>1998年8月号
上手い。でも長い。上手いんだけど、長い。
「イェユーカ」もそうなんだけど、心に響くような描写をもうすこし加えないとあかんのでは、という気がする。読んでて真相に驚くってことがないんだよなあ。
長すぎた……。読んでて思うところがたくさんあったのでだらだら書いてたらこんな分量になってしまった。とにかく失敗でした。
【単行本・小説】 貫井徳郎 「慟哭」 創元推理文庫
なるほど。
連続する幼女誘拐事件。遅々として一向に進展を見せない捜査、若手としては異例の昇進を果たした若手キャリアの自分に対する警察内部のやっかみ、容赦ない世論の批判、それら板挟みの重圧により窮地に立たされる、冷徹かつ優秀な警視庁捜査一課長と、癒されない心の傷を埋めるべく新興宗教に自己を埋没させていく男の姿を交互に描いた作品。
何がやりたいのだろうか、ということについてはすごくわかりやすく書かれてるし、すれたミステリ読みの人なら中盤前に作者の意図は読めてしまうかもしれません。でも、そこらへんワンアイデアで押してくるあたりの直球さ加減ふくめてよく出来た作品かなあ、と。
社会派サスペンスっぽい文章の質感、現代社会が抱える人々の心の闇をモチーフとして扱っているところなど、「え、そんな問題を読者騙しの手段として扱うんだ?」という部分で批判を受けるかもしれない作風だという感じがしてけっこう危険? とか思いました。ずっしりとくるテーマの作品なんですけど、「でも、それも含めてトリックなんでしょ?」と、思ってしまう人もいるかも。大技マジックショーと感動の同時成立は可能なのか? という問題。
たとえば、あきらかにサイコな殺人者を主人公に据えた「ハサミ男」と比較して、読み終わった後に複雑な気分になるのはたぶんこの「慟哭」のほうで、人間の善悪だとか、パズラーとして余分な部分に思考をめぐらせる必要性が生じない分「ハサミ男」のほうが読後感すっきりしてるのではないでしょうか。構成とかきれいなんだけど、なんかもにょもにょした感情が心に湧いてきます。
たしかに構成は上手いし筆致は力強いし(貫井徳郎がこれ書いたの20代半ば。信じられない……)、とにかくデビュー作とは思えない完成度で、おすすめできるとは思うんですが、やっぱ微妙にあざとい感じがするなあ。犯人の心の葛藤なんか描かれない「ゴー!ゴー!殺せ殺せ!」タイプのミステリのほうが僕は好きです。ある意味そっちのが安心して読める。
しかし、この本の装丁は美しいですね――「慟哭」というフォントの右下が赤く染まってるあたりとか、抜群のセンスです。
02/01/06(SUN)
【単行本・漫画】 原作:森博嗣 作画:スズキユカ
「女王の百年密室」 幻冬社コミックス

サエバ・ミチルとそのパートナーであるロイデイ、ナビゲータの故障により現在位置を見失った二人は、奇怪な装いの老人、マイカ・ジュクに導かれ、小さな街を訪ねることになる。
世界から独立し、完全なる自給自足システムが確立したこの街は他所との交易も通信も必要ないようにデザインされており、創設以来住民の流出もない。つまりここは、女王に統治された百年の密室なのだ。死の概念すらないこの街では、人々は誰も死ぬことはない。冷凍カプセルに封印され、永き眠りにつくだけ。
パーティーの夜、女王の塔の頂上に位置する展望室の中、何者かに首を絞められてジュラ王子が殺害された。殺人事件という概念を持たないこの街の中、完全密室だった部屋の中で一体誰が王子を殺したのか?
「すべてがFになる」に引き続いての森博嗣原作コミカライズ作品。
原作の小説版についてはどうも文章の内容密度が薄く感じられて(あまりにもスカスカにすぎる印象)、正直高い評価をしていないのですが、この漫画版についてはなかなか良いと感じました。
物語の中に楔を打つように心に残るフレーズを配置して組み上げる、絵にして映える展開を見せ場にきちんと用意する、といった森博嗣の作風は映像化にとても相性がいいし、がちがちの描写で読者に強固なイメージを想起させない分、作画を担当する人間にとっては自分の個性が思う存分生かせるタイプの物語だといえそうな気がします。この作品では、繊細かつ現代的で切れ味鋭い画を描くスズキユカを作画担当として起用することで原作小説にに足りなかった部分を補えているのではないでしょうか。
さて、ミステリコミックということで、ある程度焦点になるだろう密室トリックについて。じつはけっこう古典的なトリックの応用編とも取れるものなのですが、なぜそのトリックを使ったのか? という理由に一貫した思想があるように感じられるので、小手先で作られたお話、という印象は受けません。物語全体がそのようにデザインされているかどうか(森っぽい言い回し?)というのはコミカライズに限らず、ミステリを映像化する際に実はとても重要なポイントなのではないか? と思ってます。
そして、密室トリック解明に続く多段階サプライズ、不思議な余韻を残すラストシーン。とても美しくまとまっています。
ただひとつだけ贅沢を言うならば、180Pくらいのボリュームゆえに展開が駆け足にすぎるように感じます。伏線についてはきちんと張れているのですが、やはりもう少しページ数使って描いてもいい話だったような気がします。
【単行本・漫画】 竹本泉 「トランジスタにヴィーナス」 3巻 メディアファクトリー

未来でSFでいろいろアレな女スパイ漫画。キスしたりキスしたりキスしたり。
Mission 12、イーナスが全寮制女子高に教師として潜入する「少女の園」がいいかも。
手がかりは背中の印、正解の御褒美はキスそして大人のキス、生徒にねだられて裸婦モデルやってみたり、とにかくちゅーちゅーしてる(藁
ずばり、それだけだ!! うじゃうじゃ。
02/01/07(MON)
威嚇候補報告会
土曜日は新年会。
参加メンツがなかなかすごかったような気もするけど、リンクとかそこらへんは、ムネカタさんこと「え、インターネットと言えば俺のことだゼ?」氏におまかせしたい(リンク張るのが面倒なので今まで書かなかった)。男は楽しく接続しているうちに自分がムネカタであることを忘れてしまった。いったい、彼がインターネットの夢を見ているのか? インターネットが彼の夢を見ているのか?
それはおいといて。午後2時から某御宅でスタート、だったんですが当然のように遅刻して(すみません)駅に着いた時点で3時近かった。そもそも電車の発射時刻からしてとうに2時過ぎているんだけど……。遅れておいて手ぶらで行くのもなんなんで、スモークサーモンとか生ハムとかモッツレラチーズ&トマトサラダとかチーズケーキやらモンブランやら買っていった。すべて自分の好きなものだ。少し前からちらちらと姿が見える人、隣りの車両にいる人が新田さんな気もするけど、ひとちがいだったらせっかく座れたのが無駄になってしまうので気がついてないふりをした。やっぱり新田さんだった。いっしょに会場まで向かう。
いきなりアッパーだったからなあ。初対面の方もそんなにはいなかったし。何話したかもそんなに憶えてないんですけど、思い出せる限りでは、
・ 黒田洋介脚本、そしてつんくの楽曲。パーツの段階で壊れたもの使って作品を組み立てる感覚こそが現代では重要なのかも? (作品の完成度はあえて無視することがポイント) → その後、つんくプロデュースのメロン記念日「This is
運命」という凄まじい楽曲を聴いて彼の天才性を再確認。
・ SIGHT10号第3特集「BOOK
OF THE YEAR 2001」。コミック部門担当の荷宮和子! 2001年のベストコミック2位があいかわももこ「コスメの魔法」かよ! 面白いけど2001年総括でこれ? ほかに何かないんか? とか、挙句5位、土山しげる「どぶ」だしな―――すごい、すごすぎる、これがいわゆる個性的ってやつ? とか。
・ 新年会ではなくて、会場への道すがらのこと。新田さんとの会話で1/3における大食い番組ラッシュのことがなんでか話題に上った。気まぐれに調べてみたら、大食いの人たち(フードファイター? びみょうなセンスの言葉だ……)に関するページはネット上にごろごろ存在することがわかった。出演する番組、イベントなどの予定が載っている公式ページの存在はともかく、ファンページの数がかなりあるのには驚いた。
公式ページ 「皇帝」岸義行 /
「激辛超特急・弾丸ファイター」新井和響
/ 「平成のビッグウェーブ」(マイケル)高橋信也
ファンページ としては、「大食いプリンス」小林尊、「巨人」白田信幸、「尾張の荒武者」(ドクター)射手矢侑大、「フードバトルサイボーグ」立石将弘、そして上記の(マイケル)高橋信也(全員敬称略)あたりのが主流なのかな。「お茶の間の大食いファン」トップにあるリンクから辿ればいろいろ行けると思われます。そういえば、岸さんページの掲示板に小杉あやさんの書き込み見つけたので少し驚きました。ほんとにファンなんだ。
・ 明智抄始末人シリーズの魅力を説明しようと思ったけど、酔っていたせいもあってうまくいかなかった。ここらへん読んでそのシュールテイストを想像してみてください。
・ 「え、あんなページが、アクセス数そんなに稼いでるの?」 ―――胸に渦巻く殺意の波動。
・ SF JAPAN も、SFマガジンも高いよ!
ほかは忘れた。
12/26の答 日記サブタイトル↑とうとつに変えてみました。こっちのがじつは楽かも〜。翻訳ネタは変換しないと面白いかどうかわからないからなあ。ボツが多かったです。
02/01/08(TUE)
「嘘!」 忌々しい姉妹、埋葬。
たわむれに毎晩呪ってただけなのに……。
気まぐれ巡回してたら韓国の漫画事情がわかりそうなサイトを発見したのでここで御紹介します。
ドメイン名もそのまんま、cartoon.donga.com
というサイトで、ハングルのままだと読めなかったので、netomo.com
の韓国語翻訳サービスを通して読んでみました。→こんな感じ。(注:重いです)
まず右下に目をやると、2001年12月5週の国内漫画ランキングトップ10の表が目につきます。
1. スルレムダンクワンザンパン
韓国漫画の知識はさすがにないな――と思ったりしますが、じつはこれ、「スラムダンク」だったりして。「ワンザンパン」って何だ? 追記:メールにてご指摘いただきました。どうも。「完全版」ですね。しかし、それぐらい自分で気づけ!
ちなみに2位以下は、
2. ワンピース
3. ボンシンヨンの (藤崎竜「封神演義」)
4. H2
5. 父はコック
6. どきどきフレーズ (新條まゆ「快感フレーズ」)
7. Let's Go! この後タックグブ
8. フルツバスケット (高屋奈月「フルーツバスケット」)
9. 空には赤い川岸 (篠原千絵「天は赤い河のほとり」 なるほど。)
10. THE FIGHTING (韓国オリジナル)
じつに上位9作品が日本の作品で、オタク文化的には先端を走ってる国なんだな――と再確認。ところで、タイトルそのまんまな「ワンピース」、「H2」はともかくとして、7位「Let's
Go!
この後タックグブ」がなんだかわかるでしょうか? 見当すら僕はつきませんでした。
正解は古谷実「行け! 稲中卓球部」。なるほど、そう言われれば……。
じつは5位「父はコック」すらもちょっと悩んでしまったのでした。こっちの正解はうえやまとち「クッキングパパ」。そのまんま。
そういえば、「快感フレーズ」のジャンル区分が 漫画>国外漫画>純情 だったのはいいのかな? って思ったけど、これはきっと「純情」というジャンルが日本でいうところの「少女漫画」を意味してるということなんでしょうね。
【ANIME】ぱにょぱにょデ・ジ・キャラット 第1話
「さいしょのおはなしにょ!」
アメリカのポストモダンはいまだ動物化しておらんので、こんな感じがよいのです、な、デ・ジ・キャラット新作アニメ。
等身低めのカートゥーンテイスト極限シンプルデザイン、バニーさんなうさだはリストラして新キャラ「りんな(Rinna)」と「みけ(MeeK)」を追加。ストーリーからも完全に毒々しさ抜いて、わっかりやすいお気楽テイストに――とずいぶん変わってる。
物語の舞台はでじこが地球にやってくる2年前のデ・ジ・キャラット星。退屈もてあまして「事件はお城でおこってるんじゃないにょ!」とか言いはじめたでじこ王女が世直しのためにいろいろ頑張る、とかそんなふうな展開で、5分くらいのショートストーリーだから可能なんだろうけど、音楽と完全シンクロしたカット割りが見ていてとても気持ちいい。ラップみたくセリフのかけあいするとこなんかもあるし〜。トピックスで昨日リンクしといた「Di Gi Charat
」海外版CMとか、「Dejiko Dejiko〜」って擬音でてくるとこなんか見てもわかると思うんだけど、海外展開を見据えたものになっていて、ストーリーはひたすらわかりやすく(というか、ない)、動きを見てるだけで楽しいものになっている。OPのデキも激すごくて、「ぱ・ぱ・ぱ・ぱにょぱにょ・ぱ!」というでじこ声がクセになる榎本温子歌うテーマ曲「HAPPY!
SMILE! HELLO!」自体もリピート必至の楽曲だし、見ていてとにかく気持ちいい。このお気楽極楽なノリはどこかで知っている……とか思ったら、シリーズ構成・脚本は「ギャラクシーエンジェル」と同じく井上敏樹だった。なるほど。1話単位でチェックするよりはBGVとして10話くらいまとめてえんえんリピート再生しとく、みたいな見かたすればきっとものすごくドラッギーで気持ちいいんじゃないかなあ、そう思います。
無印でじこみたいな、わかりやすく毒々しいオタクテイストはもう流行らないんじゃないかなあと個人的には思っていて(ほかの作家で例をあげると田丸浩史の作品とか)、これからは見た目ふつう、内容はひたすら空虚、よく考えてみると(考えなくても、でもオッケー)やってることはおおまちがい、そんな感じがええのかも、と思ってます。
とにかく、東浩紀だけはチェックしておくべき作品でしょう。これが明日の糧に!
そういえば、「ちゃお」で連載してる漫画版はひな。が担当してるのだった。でも、まだ読んだことない。



【単行本・漫画】 うすた京介
「ピューと吹く! ジャガー」 2巻 集英社
なに書きゃいいんだ。
ミュージシャンをめざしてたような気がするピヨ彦(清彦)は、謎の笛リスト・ジャガーさん(本名:ジャガージュン市)となぜだかいっしょに寮生活を満喫していて、元ヒップホップ術講師のハマーさん(本名:エンプティー浜)はピヨ彦ルームの屋根裏で現在修行中。なんでそうなったかは、まあわりと、どうでもいい。
テコ入れ? なぜかLOVE話が多くなってて(藁 「米は桃色☆」でハマーさんが眼鏡っ娘に恋してみたり、「気分はいつでも海開き」にて海で恋してサーファー化したりした。無駄なのにね……。そういえば高菜ちゃんとかいうアイドル志望の女の子もレギュラー化してたりして、これもそうなのか? とてつもないアガリ症のクセに思いきるとやることすさまじい高菜ちゃんのキャラはたいへん素晴らしくて、素晴らしすぎて、僕の心はたいへんに癒された。本当か?
やっぱうすた京介は天才だなあ、と思う。
02/01/09(WED)
「突起物と粒」キット
いちおう組み立ててはみたものの何のための物なのかは皆目見当つかず。
【単行本・小説】
牧野修 「だからドロシー帰っておいで」 角川ホラー文庫

あいかわらず、すごい。
惚けかかった義母からもらった赤いエナメルのハイヒールを履き、一度も袖を通していないピンクのワンピースに着替え、念入りに化粧をしてから、彼女はこう言った。「お義母さん、ちょっと出掛けてきます」
その言葉を契機に、内気で平凡な主婦、伸江の世界は変貌した。異装の人々が住まい、異形のものたちが跋扈する奇怪な世界へと。
「困ったことになったら、小津さんを訪ねるのよ。きっと力になってくれるから」
我が家に帰るため、伸江はこの奇妙な世界を旅することになった。目的地はオズノ王の地だ。
白い餅のような不思議な生き物・コト、ミロクと名乗るもじゃもじゃの髪をした小柄な老人、生きた禁忌となった挙句死ぬことも適わなかった死体であるクビツリ、ブリキで出来たような改造人間・地蔵、奇妙な同行者も増えた。
異世界を旅しながら生き生きと成長していく伸江であったが、現実世界においては狂気と血に塗れたもうひとつの物語が進行していた。伸江が家に帰るとき、いったい何がはじまるのか……。
誰もが知ってる「オズの魔法使い」をモチーフに牧野修が描くアシッドロマネスク異世界ファンタジー。
じつはハリー・ポッターだった「呪禁官」といい、最近の牧野修はどうしたのだろうか……と思ってしまいそうになるが、それは早計というものだ。異世界における伸江の冒険、そして
real
と銘打たれた断章で語られる現実世界の出来事は交互に描かれ、そこに見えてくるものはまさに彼しか書きえないだろう、奇怪に捻じくれた残酷な世界だ。
たとえば、異世界での冒険が現実の世界に影響を与えるという構成、主人公が主婦であること、彼女が心の傷を抱えていることなど、ジョナサン・キャロル「月の骨」との共通項が多いように感じられるこの作品であるが、その材料の料理の仕方はまさに電波・妄想がキーワードになるマキノ流。牧野修が非現実の現実への侵犯を描くならば、これ以外の答えはない! そんな感じだろうか。たぶん、これはコロンブスの卵。
唾女(つばめ)と呼ばれる、首のない全裸の女のようにみえる乗り物、蚊を使って会話するハシリダンゴ、モジウオなど、奇妙な生態と名前を持つ生物たちで散りばめられた異形世界は「王の眠る丘」以来かもしれないひどく真っ当なファンタジー世界で、そこを舞台に描かれる冒険の内容も瑞々しく嘘のように爽やかである。
―――え、また爽やか路線? と思ってると足元をすくわれる。まったく、なんて表現すればいいんだろうか、ファンタジーパートを読んだときにきっと感じるだろう清々しさそのものが読者に対するトラップというか。ここらへんは読めばすぐわかることだろう。
まるで可憐な少女のように感じられる伸江の無垢さ、イノセンスもじつは思考放棄によるものであり、ひたすら状況に流されたり、思いつきで行動しているあたりに起因している、というのもポイントだ。
書店で最初に見たとき吃驚したカバーイラスト(読み終えたあとには内容にピッタリだということがわかる。しかし、これで売れるのか……!?)、「え! そんなふうに終わらせるの!」と驚くラストシーン、いろいろ思うところはあるけれど、やはりこんな物語書くのはこのひとしかいないだろうなあとしみじみ思う。めちゃめちゃに麻薬的で、すさまじく性格が悪い。この人の本でまた驚いてしまった。ちっ。
02/01/10(THU)
野茂だけ獣 → 野茂家除け者
当然の帰結と言えよう。
【単行本・小説】
乾くるみ 「塔の断章」 講談社ノベルス

赤く尖った屋根を抱き、まるで天空を突き刺すように屹立した塔から落ちたのは一人の女―――小説「機械の森」をゲーム化するために集まった八人が湖畔の別荘で過ごした問題の一夜。石畳の上、落ちて砕けた女は妊娠していた。果たしてこれは自殺か? 他殺か?
うーむ。まったく、困ったものだなあ(;´Д`)
冒頭、塔の序章の中において描かれるのは男によって塔から突き落とされる女の姿であり、それに続く塔の断章の中で、八人の男女がいかに出会ったのか、どのように問題の一夜が過ぎたのか、そして落下事件後の捜査状況が描かれます。
小さな断片に切り分けられた物語は時系列もばらばらにシャッフルされていて、頭の中でジグソーパズルを組み立てるように読み進めなければなりません。どう考えたって仕掛けあるに決まってるし、書かれてること全てを疑って、ありとあらゆる可能性を考慮しながら一生懸命読みました。あんなこともこんなことも考えて、……そのオチがこれ?
たしかに吃驚はするしやられた気分にはなるんですが、いまいち釈然としないものが心に残るのはきっとラストで判明する真相がそんなにたいしたものじゃないからで、推理できることの幅がやたら広い(ように感じられる)だけに、読者が強いられることになる苦労には見合わないレベルの驚きだからとでも言いましょうか。
ジグソーパズルの最後の一片をはめこんだ瞬間、今まで見えていた世界がばたばたと反転していって、そこにはまったく違った世界があらわれる、その瞬間の快感こそがミステリの魅力だと思うんですが、この作品の読後感は、頑張ってパズル組み立て終わった瞬間、不意にあらわれた作者の手によって「そんな必要ないんじゃ! ボケ!」と全部崩された感じに似ていると思います。あんまり気持ちよくはないよね。(ネタバレしないように書くのはむつかしく、これでもかなりギリギリです)
しかも、単に考えられる可能性が多いだけで、肝心の問題自体もさして魅力あるものではありません。
麻耶雄嵩の短編集「メルカトルと美袋のための殺人」には「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」という短編が収録されていて、この作品の中で行われていることを僕は非常に高く評価しているのですが(注:トリックその他まったく関連してません)、では、そっくりそのまま同じ材料使って長編化されたらどう思うかというと「え、これがオチ?」と怒りだすような気がします。この作品に対する評価もそれとまったく同じで、乾くるみ短編集の中の一作品としてこの作品が収録されていたなら評価はかなり高かったでしょう。約60〜70ページくらいのサイズでまとめれば。
ネタにはそれにふさわしい長さというものがあるように感じます。それだけです。
「SFバカ本」とかで書くのがこの人の資質にいちばん合ってるような気がしないでもないなあ。
【単行本・漫画】 陽気婢 「身想心裡」 講談社
1993年から2000年にかけて発表された単行本未収録作品をまとめた短編集。
「MY TURN」、「あんぐる 〜YOUR EYES ONLY〜」、「Lonely Vamp」、「おでこ」、「ナンパオ」、「カリソメ」、「振り返れば僕がいる。〜Personal
Complex '95〜」、「極限の愛」、「SF恐怖のイソギンチャク人間」、「永遠の少年」の10編を収録。
ぎこちな――い。なんでここまでぎこちないのか。
足かけ8年にもわたる作品群なのに、そこらへんぜんぜんかわっていない。男女の関係の描き方もふくめて、ここまでぎこちないと、これはもう芸の領域だ。
精神感応で他人の視覚情報読み取りながら普通に毎日過ごす盲目の女の子主人公にした作品、「あんぐる 〜YOUR
EYES ONLY〜」(93年9月発表)にしても、処女童貞喪失した直後爆発的に成長する奇病に人類が冒されている世界を舞台に、女の子だけ大人化してしまった中学生(だよね)カップルの姿を描いた作品、「永遠の少年」(97年11月発表)にしても、ものすごく好きなんだけど、もうちょっと上手く描けないものだろうか……と思ってしまいます。でも、上手だったら陽気婢じゃないかなあ。そこふくめて愛すべき作家です。
とにかく、設定はきちんと生かせるようになっています。「あんぐる」は読んでてとても不思議な話でした。
なかなか良いのではないでしょうか。
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