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02/07/01(MON)
【ANIME】 HAPPY★LESSON 第13話「ウルウル☆秘密見ちゃった!?」(完結) (→公式)
→第13話ストーリー詳細
いきなし尻スタートか! 「……というか、自分で言ってて意味がぜんぜんわかんない」 ママたちとの同居がふみつき(委員長)にバレてしまった(今までバレなかったのが不思議なのだが……)チトセだったが、さてどうする? という最終話。そんなわけで委員長の「不潔よ〜!!」が連発されて、トラップ(なのか?)の露払い役となったカンナの存在で、ついに尾行も成功、自宅までバレちゃったという展開。
最終話らしく「HAPPY☆LESSON」という単語も登場してきたりして、おお、なんとなくキレイにまとめそうだ! しかも委員長バレしたの判明して大騒ぎになるもんだと思ってたら「ま、いいや、いつものことだしな」とかいってママさん連中、はづき姉、みなづき全員参加のパーティー平気で続行だったりして緊迫感はないな……ハピレスらしい展開といえばハピレスらしいんだけど。と思ってたら「同居生活にピリオド&ママ解散!?」みたいに急激に緊迫したりしはじめたりして驚く。そんで公園の池のほとりでいきなし委員長告白タイムになるんだけど、「これって、口止め料がわりにOKしろっていう腹にも思えるよな――」とか、ちょっとひっかかる。意外と計算してるのか――この眼鏡っ娘は――― そして唐突極まる展開。脚本担当の吉岡たかを自ら日記に書いてるみたいにデウス・エクス・マキナのアレで、池からカンナ登場して今までの展開すべてリセットしてしまう。 ガ━━(゚Д゚;)━━ン! でもまあ、いいんじゃないの……ハピレスだし、何らかの形で続編あるんでしょ!? みたいな幕引きでした。ED曲、中川亜紀子「夢の都 TOKYO LIFE」終了後はCV担当した皆様方のカーテンコールみたいのがあったりして(はづき、みなづき、カンナもいればいいのに……)、どうせならコスプレしててもええのに……思ったりして本当にラスト。
最終話の作画が最悪だったりしたのには驚いたけど(みなづきの顔が怖! レベルにまでなってた。目がデカすぎ!)まあ、なんだかんだいって楽しめた作品だったな……と思いました。ママ+ティーチャーと考えるから設定が異様に感じられただけで、1子多ママ制の擬似家族形成をテーマにした作品としてみればそんなに変でもないのかも……!? やっぱし無理あるかな……


02/07/02(TUE)
「RATS & STAR 」
回文だったのか……
そっか、回顧企画というのはありなんだ……と革命見て思ったので、真似してみました。
■「点取り占い100連発」
ちなみに、今まで黙ってたけど、どろパレスのここのパクリだったりします。この事実に気づいても、胸の奥にそっとしまってくれた親切な人、どうもありがとう!

ゴツボ×リュウジ 「ササメケ」 1巻 [bk1][amazon]
じつはサッカー漫画なんですよ……装丁だけではぜったいわかんないと思うけど。帯だけ見たら「浅田弘幸はずいぶん画が変わったね……」と思うかもしれないけど。(すごくでっかく載ってて、ゴツボ×リュウジの名前はその帯に隠れて見えない。いったい誰の本なんだ……) とほほほ。
元・天才サッカー少年が調子にのってイタリア留学。でもやっぱり夢破れて普通の県立高校のイチ生徒と成り果てるのでありました。 「……ダメだこりゃ」 そういうお話で、いろんなことがメンドーになって、「もうサッカーやめや〜」となった失望男子が、理由不明かつ有無も言わせぬ絶対暴力ふるってみる金髪女子に出会って一瞬だけサッカーしたような、しないような? そんな不思議きわまる展開見せる学園漫画であります。登場人物ほとんどが奇人変人で物語の先がぜんぜん読めません。きちんとどこかに着陸できたらなかなか面白い作品になると思うのですが、でも、まだちょっと未知数かな。

熊倉隆敏 「もっけ」 1巻 [bk1][amazon]
多田克己が帯で激賞してる。そういえば、この人、最近めっきり妖怪方面ばかりでDAPHNIA方面はないものになりそうだな……
妖怪が見えたり憑かれたりする姉妹とそれを祓ったりする祖父の日々の生活を描いた、思春期女子ミーツもののけマンガという感じの作品。「ウバリオン」、「オクリモノ」、「ナガレイズナ」、「ミノムシ」、「スダマガエシ」、「ワライヤミ」の6話を収録。
常人の目に見えない存在が視えたり、それに干渉できたりする作品といえば、今市子「百鬼夜行抄」、そして、川口まどか「死と彼女とぼく」連想したりしますが、この世にあらぬ存在である妖怪や死者を扱ってる前述2作のように人間の心の闇の領域、たとえば他者に対する怨みやら妄執やらが描かれてない分ライトな仕上がりになってる気がしていて、それが作品全体をどこかほのぼのとしたものにします。絵柄とマッチしたその雰囲気が心地よいです。妖怪漫画に萌え要素を加えるとしたら、という答えの1つがこの作品なのかも、とちょっと思いました。前述の2作は萌えるかっつーと、ちょっと違うからなあ。(「百鬼夜行抄」の律は? というとどうなんでしょうね……少なくとも物語の中では全く男扱いされてない人ですが) 反抗期や思春期の悩みといったトピックを妖怪と結びつけるというストーリーテリングはなかなかの発明だと感じました。
個人的にはもうちょっとどろどろしたほうが好みなんですが、コッチのが一般受けするだろうなと思います。絵と内容が一貫してるというのは重要だしね。
ところで、Bk1ではなぜ「死と彼女とぼく」が全4巻になってるのだろうか…… 正解はこちらです。「やさしい悪魔」は正直わりにどうでもいいので、こちらを再開してくれないかなあ。

田丸浩史 「ラブやん」 1巻 [bk1][amazon]
どんな片思いでも完全成就させる愛の天使ラブやんがなんとなくラブセンサーに導かれた相手は、ロリ・オタ・プーの限りなく犯罪者に近い男、大森カズフサ。こいつは想像以上だぜ! というお話。
物語途中からラブやんの天使の輪と背中の羽が取れて普通の女子になってしまうという展開にまず驚いて、そんなのが部屋の押入れで寝泊りしてるならそれでオッケーじゃん、とかなりそうなものなんですが、なんせ人間失格ボーイ(25だが)のこと、ロリor眼鏡じゃなきゃ願い下げだ! とか言いよる。なんだよ、その2択は…… そうか、こういう人間主人公にすれば女ドラえもん的展開が長持ちするんだ! と目から鱗でしたよ。
ところで、そんなに手持ちのネタがなかったのか、いきなりカズフサ&ラブやんが漫画の新人賞に応募する話とか、近所のアメリカンレストランに飯食いに行くだけの話が出てくるところが危うくていいと思いました。

山下和美 「不思議な少年」 2巻 [bk1][amazon]
時空を超えて地球上のさまざまな時代、さまざまな空間に現れては消える不思議な少年を狂言回しにした人間ドラマシリーズ。「鉄雄」、「ソクラテス」、「タミラとドミトリ」、「レスリー・ヘイワードと山田正蔵」の5話を収録。
「知らないことを知る男」である「ソクラテス」編、そして灯台を守りぬくという一族の命を受け、人里離れた森の中でふたり暮らすララ族の夫婦の姿を描いた「タミラとドミトリ」編、この2話がなかなかすごかったと思います。
山下和美の作品って、自分の中では東野圭吾作品と同じ位置にあるな――と感じていて、読めば超安定で外れがないんだけど、強力に惹かれる部分もそんなにないというか、全てに於いてソツがなさすぎて、傷らしい傷がないから逆にそう思うのかなあ。まあ、贅沢な言い分であります。
ボンクラーズ結成の巻。「ノーガード戦法」、「S」、「中間テスト」、「結成」、「能力」の5話。
そろそろ期末テスト。すごい! ゆかりティーチャーが教師っぽいこと言ってる! その視線の向かう先は→→→→とも 演出意図がよくわからん、なぜ画面が揺れたのだ? 上流はどこ? という問題。とも+よみ漫談。 「かたいこといいっこなし、ふたりの仲でしょ〜」 よみ爆発 → 横走りで大慌てなちよすけ。演出意図がわからん〜 小学生にしたり顔で忠告されたら腹立つよね〜 「なるように、なるさ〜」 狂ったように笑う。とも+よみ漫談ふたたび。 「つっこんでみな〜」 左アッパー。 「忘れることなら負けへんで……」 ヤシチ化する大阪。なんだかしらないけど、なにやら、なし崩しにボンクラーズが結成されるようだ。 今日のコンテ書いた人間、怒らないから出てきなさい。 なんかもう、めちゃめちゃなんですけど…… 「ズ」に気づかない神楽、大阪。とも以下か。よみ以外に聞けばいいじゃん。ボンクラーズ勉強会。唐突な不毛会話。ツッコミがいないなあ。「中間テスト」 あれ? 期末じゃないの? 神楽「わからん」の嵐。射殺。大阪、不毛な質問。とも、発狂。このクラスは馬鹿ばかりなのだろうか…… クラス内の成績ヒエラルキーが明らかになるイベント。平均点激しく高そうだな…… 神楽、孤独…… と、思ったら仲間がいたよ。で、結成。「見せっこしましょ〜」とかいって100点見せる女、ちよすけ。ひょっとして(しなくても)嫌なヤツ? 足した、勝った、解散。うわあ唐突な展開だな〜 コンテ書いた人間、怒らないから出て来い。 先週はよかったのにね……


来週はえろえろか……
02/07/03(WED)
「殿堂の味覚、神のうどんで」
回顧企画第弐弾
■「右端文学」
要は縦読み。字数そろえたところにだけこだわりを感じます。内容はでたらめであんのじょうすぐ飽きた。

アルコ 「ラブレター」 [bk1][amazon]
「スターレスブルー」に続くアルコ第2作品集。格段に上手くなってて驚いた。このひと、このまま成長していけば、いくえみ綾クラスの作家になってしまうのではなかろうか。
陸上部の三浦先輩に憧れる中学生女子の心情を綴った表題作「ラブレター」がとにかくよくて、可愛らしいことこの上ない。あどけない表情もいいし、ジャージ姿でお掃除とか、中学生っぽい行動も心なごむし、デフォルメ画も味があるし、よく見ると凝ってるのに自然に読めちゃうコマ割りはセンス良しだし――ということで、いくえみ綾とか片岡吉乃とか冬野さほとかの良いところ全部吸収してアルコセンスでまとめあげた、みたいな印象を受けました。まだ能力的に発展途上でどんどん良くなってく人だと思うのですが、アルコ作品でしか見られない味わいみたいなものがもっと強くなればいいなと思います。
そういえば、ちょっと三宅乱丈っぽかったタラコ唇が最近作では普通に薄くなったようでよかった。こっちのが好き。

土塚理弘 「マテリアル・パズル」 1巻 [bk1][amazon]
「清村くんと杉小路くんと」の土塚理弘が満を持して放つファンタジー巨編。そもそもこの人、ドラゴンボールやらジョジョやりたくてやりたくてしかたない人なわけで、学園脱力ギャグであるはずの「清村くんと杉小路くんと」においても突然キャラがスーパーサイヤ人化したり、何ページにわたってオラオラしてみたりしてた。ムチャクチャです。そんなこんなで物語の舞台をファンタジー世界へと移しての新作、これでこころおきなく天下無敵のスーパーバトルできるというものですYO! と、思ったら、「あれ? 清村くん、君、髪黒く染めた?」 「試練とかいって、丸い木の実蹴ってる………それ、サッカーじゃ?」 「あれ、この展開どこかで見たような……デジャ・ヴュ?」……エトセトラエトセトラ………「え、とうとう杉小路まで!?」(表紙画参照)
やってることぜんぜん変わらないじゃないか!! いいかげんにしろ――!!
いや、面白いんだけどね…… 対極にある作風にも思えるんですが、実は「魁!!クロマティ高校」の野中英次と共通してる部分多い人だと思われます。反復中心のギャグとか、同じネタ平気で何回も使うところとか、使い減りしなさそうなところとか。それでもアウトプットされるものが異なるのは、疲れ果てた中年(野中)と勢いだけはすごい若者(土塚)の差なのかなあ。なんとまあ、失礼な!
本そういち「新フリー雀荘最強伝説 ワン」。夏だ! 海だ! 巻頭カラーだ! ということで、水着ギャル&裸。素晴らしい! ともすればヤクザだ代打ちだなんぞでオヤジ臭く殺伐としてしまいがちな近代麻雀誌面を潤すという意味において、まあ重要。「赤の伝説」続けてたほうがよかったよ…… しかしやっぱしビーチで麻雀するのね……みたいな。 橋本俊二「剣師 −刃上の渡世人−」。第2回。テキトーに描いてるなあ…… 片山まさゆき「牌賊! オカルティ」。弱者殺しの打ち筋話なんですが、1,9牌殺されたら2,8牌が老頭牌レベルにまで機能低下するという現象を明文化したのはえらい。場の状況によって不必要になる可能性の高い牌に待ちを合わせる感覚ですね。 天獅子悦也(原案:安藤満)「むこうぶち」。今回もいい話っぽいな……ガッカリ。人鬼話が見たいよ! 原作:花村奇跡 作画:旭凛太郎「騙し屋」。第一部完、という感じ。つーかこれ、麻雀する必要ぜんぜんないよ……しかもその後に続くギャフンオチ。ついさっき考えたんじゃないだろうな!
02/07/04(THU)
【単行本・小説】 ジャン・ヴォートラン(訳:高野優)「パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない」 草思社 [bk1][amazon]
この人の作品は「グルーム」しか読んだことなかったのだけれど、たまたま目にして購入。なるほど、こっちも面白いなあ。草思社ロマン・ノワールシリーズから同じく発売されてる「鏡の中のブラッディ・マリー」も注文してみたのでそのうち届く。読んだら感想書こう。
物語の舞台はパリ郊外の団地。団地に付属した教会の入り口で式を済ませたばかりの新婦が何者かによって狙撃される。彼女が握り締めていた1枚の紙切れにはこう書いてあった。 「ネエちゃん、おまえの命はもらったぜ!」 捜査を担当するシャポー刑事はそのメッセージに残されていた犯人の署名を見て立ちすくむ。ビリー・ズ・キック。彼が愛娘のために創造した、夕食後のドラマの主人公―――ビリー・ザ・キッドをもじって命名された、秩序を破壊するためだけのために人殺しをする、でたらめな快楽殺人者の名前がそこにあったからだ。現実の世界にあらわれた彼はいったい何者か? 次々と犯行を繰り返すビリー・ズ・キックは、物語の中同様に捕まらない……
とても面白いですね。
あまりにヘンテコ、しかし存在感にあふれる魅力的な登場人物たち―――<スーパー刑事>になることを夢見てやまないちびのシャポー刑事、その愛娘であり、おちんちんとかあそこを見たくて見たくてたまらない覗き魔の7歳児ズリー=ベルト、ズリー=ベルトとつきあってる精神分裂症の元教師イッポ(27)、立ち退きに最後まで抵抗を続ける老人アルシッド、その他いろいろ、一見てんでばらばらの方向を向いているように思える展開全てがラスト1点に収束していく巧みなプロット、軽妙な文体で綴られるその文章、どれも文句ないです。
どうしようもなく鬱々としていた「グルーム」とくらべると、かなり軽やかなストーリー展開を見せる作品だと思います。そのぶん深みのある味わいに欠けるかもしれませんが、これぐらいのほうが普通の人におすすめできるような気がします。この作品だけとってみると、同じくフランスの作家であるダニエル・ぺナックあたりと共通したテイストなのかも。(こちらのほうが強烈に歪んではいるけど)
国内作家の作品でこれに近いものをあげるとするならば、たとえば、同じく郊外の団地を舞台にした津原泰水「少年トレチア」の設定そのまま使って中原昌也あたりに書かせればこんな作品になるのではないかと思います。
しかし、いちばん近いのは漫画サンデー連載中の小田扉「マル被警察24時」、ここ最近のシリアス展開だと感じていて、けっこう人が死んだりしてるのに唐突にそれとぜんぜん関係なさそうなエピソードが挿入されたり、説明がつかないようなとっぴょうしもないことが起こるあたり(とくに今週とか)の呼吸はそっくりではないかと思います。「マル被警察24時」って、ロマンノワールだったのか、知らなかった……
ところで「グルーム」の時もそう感じたんですが、「私の名前は……(以下、自己紹介)」ではじまる一人称パートが多すぎるような気がして驚きます。笑っちゃうんだけど、いいのかなあ、そんなの。「グルーム」感想もそのうち書くつもりです。
【単行本・小説】 歌野晶午「館という名の楽園で」 祥伝社文庫 [bk1][amazon]
4人の男たちのもとに招待状が届く。大学時代、探偵小説研究会の仲間だった男から届いたその手紙の中には「格別探偵小説を愛している皆様へ」とあった。単なる新居お披露目パーティーと思っていた男たちの前に迎えのリムジンがやって来る。そのリムジンが向かう先は―――そう、「館」だった。
執事、メイド、料理人たち。探偵小説に登場するような「館」、三星館と名付けられた巨大な西洋館の主となった男は、探偵小説愛好家である4人の男にある提案をする。それぞれが殺人者、被害者、探偵役になって行う<殺人トリック・ゲーム>をしようというのだ。百数十年前にイギリスで起きた、とある事件を再現したというそのゲームをはじめた時、「館」で奇怪な現象が起こる。「館」に秘められた謎とは……!?
歌野晶午作品って「正月十一日、鏡殺し」と「安達ケ原の鬼密室」、「放浪探偵と七つの殺人」しか読んだことないから、どんな作風なのかいまいちわかんない……短編集と異色作の組合せだからなあ。物語の展開が感傷的なところでしょうか。
探偵小説を愛するあまり、そんな作品に出てきそうな「館」を作り上げてしまった男とその友人たちの宴の記録であるこの作品も多分にセンチメンタルな物語であります。事件の幕引きとなるカーテンコールパートの内容はけっこう心にぐっとくるものがあるのではないでしょうか。これは殊能将之が「鏡の中は日曜日」でやった内容とまったく逆で、異形の建造物である「館」を舞台にした数あまたの名作たちへの素直なラブレターとも言える作品ではないかと思います。そしてこの作品は同時に、ほろ苦い青春ノスタルジア小説でもあるのです。素晴らしいですね。
ただ残念に思うのは「このネタだったらもっと枚数費やして仕上げてもよかったんじゃないかなあ……」と思ってしまうことで、これは祥伝社400円文庫で良かったと思われる作品に共通の特徴ですね。長編としても通用しそうな贅沢なネタをざっと使ってしまってるように感じられるというか。ミステリ作品で中篇にふさわしい内容というのは長編ネタ考えるよりもむつかしいのかな、と思いました。「闇雲A子と憂鬱探偵」の中で体言止め多用して、実質内容を圧縮させた麻耶雄嵩の戦略はけっこう正しかったのかもしれません。が、割には合わないと思います……
02/07/05(FRI)
【単行本・小説】 ミッシェル・フェイバー(訳:林啓恵)「祈りの階段」 アーティストハウス [bk1][amazon]
長編第1作である「アンダー・ザ・スキン」において、スコットランドの自然美を叙情的に描き出したその精緻な筆致、主人公イサーリーの暗い精神をそのまま反映したかのような鬱々とした物語展開、そしてその背後に広がるとんでもない奇想ともいうべき歪んだ世界設定、これらをひとつにまとめあげ、なんとも迫力に満ちた独創的な物語を紡ぎだしてみせたミッシェル・フェイバーの長編第2作。とはいっても1段組で150ページ強なので、長めの中篇と呼べるサイズの物語です。しかし、内容はなかなか濃い。
物語の舞台はヨークシャー地方の港町、ウィットビー。7世紀に聖ヒルダが建立したウィットビー大修道院の廃墟で発掘作業に従事している修復士のシーアンは、この地に来てから夜ごと恐ろしい悪夢にうなされる。見知らぬ男に喉首を掻き切られ、汗びっしょりで目覚めるのだ。
高台にある修道院を目指すには199段の石段を登らなければならない。ある朝、階段の中頃でジョギング中の若い男性、そして彼が連れているきれいな犬と知り合った彼女は、彼、マグナスの父親の遺品であるというガラスの小瓶を手にすることになる。その瓶の中には丸められた手紙が入っていて、それは18世紀の昔に書かれた秘密の告白書だった。シーアンの手によって少しづつ明らかになっていくその内容――そのはじまりはたいへん衝撃的なものだった……
なるほど、こういう物語なのか……「アンダー・ザ・スキン」もそうですが、ミッシェル・フェイバー作品の特長の1つとして、かなり読み進めていても、その物語がどこに着地するのか、それどころか何のジャンルに分類されるものなのか、判断がつきにくいというのがあるんですよね。
この「祈りの階段」も、最初は猟奇的な悪夢から始まり、その後、マグナスそして彼の愛犬ハドリアヌスと出会ってからの展開はラブロマンスだし、ドラキュラ伝説で有名なウィットビーを舞台に18世紀のとある悲劇の顛末を巡る歴史ロマンとも言えるし、過去の事件がきっかけで内面にこもっているひとりの女性の心の動きを描く内省的な小説にもなってるし……よく150ページでおさまってるものだと(挿画代わりのカラーフォトが何点かあるので実際にはそれ以下)感心します。過不足ない描写、そして抑えに抑えたその筆致が心地良いです。前作「アンダー・ザ・スキン」における、わけのわからない迫力と「え! なにそれ」みたいなサプライズはない作品ですが、たぶん万人に勧められるのはこちらなのではないでしょうか。
幻想と現実、過去と現在の交錯する様が美しく、主人公シーアンの辛い過去の思い出、そして未だ傷の癒えることはない現在の心情、それにともなう毎夜の悪夢、マグナスに対する複雑な思い、それら相反するいくつもの感情を、判読作業の信仰にともなってしだいに紐解かれていく18世紀の捕鯨船員の告白書の内容に絡めて描いていく物語構成はたいへんに技巧的で舌を巻きました。
しかし個人的には、異様かつもうちょっとボリュームある作品を書いてほしいと思います。短編集も邦訳されないかな。
ところで、ミッシェル・フェイバーって、わりと男性苦手な人なんでしょうね、たぶん。実はこの物語、吉野朔実がたいへん描きそうなお話なのです。
【ANIME】 藍より青し 第12話「接吻 〜せっぷん〜」 (→公式)
あれ? 悪くないよ……いい出来。「朝霧の巫女」やら「地球防衛少女なんちゃら」の存在すっかり忘れてて正解だったかも。
悪意なき(タチ悪!)妙子たんの言葉で激しく動揺する葵たん、「薫様、これはいったいどういうことですか……」 無言のまま人知れずリストカットとかしてたらヤダなあ……
「いいんだね……」 「はい、いいです……」 ギャフン! でも笑うことに繭@成田紗矢香の声にちょっと萌えてたりする、困ったものだな>俺 「繭は花菱様と寝ますもん!」 「繭、わるい子だから……いけないことしたら叱って」 犯っちゃえYOったら、犯っちゃえYO! 回想パート。なぜかパーティに参加してる薫様、なんでかうさぎのうっさー人形劇ショーを開演してみる。 「ぼくはもう二度と……パパやママと会うことはできないんだ」 しんみりさせましたな。しかし、すごい16歳だ…… 「俺も闘う漫画でヤングアニマル出たいなあ」 「VF」とかね! 朝帰りのまま大学に向かう薫様。 「花菱先輩、夕べはお盛んだったから……」 「薫!」 すごい心象風景描写@ティナ ニコニコクッキングのお時間。「キスです!」(リフレイン) 葵たんは、ハッ! と飛び起きてみる(w あくまでもただの挨拶と言い張る薫様、そんなわけないやん…… 稲妻走る薫様。ヤケ酒のあげく「薫〜キスばしよっか〜」と迫りまくるティナ。意外と可愛いんだよな…… そしてベランダ。怖! 黙って背後に立つなよ! 「葵のワガママを一度だけきいてくれますか?」 そんで、きれいに〆。
あれ? 以外に正統派萌えアニメになってないか!? あまりに予想外なんでドッキリしましたよ。でも、そこまで信じられたりするのもかえって恐ろしいとか思ったりする。うーん……



02/07/06(SAT)
「うどん粉も混同」
回顧企画第参弾
■「アナザ・グリン・ヘヴン」
いまではとうてい信じられないが確かにこの頃はこんなに麻雀をしていたのだ。

記伊孝 「犯罪交渉人峰岸英太郎」 2巻 [bk1][amazon]
1巻(→レビュ)の続き。臨床心理士の酒堂アイさん投入(自殺志願者の眼鏡っ娘も一時期いた)そして等身低めなちんちくりんデフォルメキャラがちらほら見えはじめる。絵柄的に試行錯誤してるのかもしれません。1巻のハイジャック話にエピソードにおける華奢、童顔、目つきちょっと悪い英太郎が個人的には好みなんだけどな――
地下トンネル銀行強盗事件(ただし失敗したから交渉班出動)、そしてさらなる意表をつく展開(w が楽しめるこの巻ですが、やっぱ楽しいなあ。犯罪の最前線に立ちながらも(ネゴシエイターだからね)どこか飄々とした雰囲気が漂ってくるのがいいですね。画の勝利かな。
読みきり時代最後の作品「君と暮らせたら」を同時収録。チンパンジーのジョセフ君と暮らすことで少しずつ変わっていく家族の姿を描いた作品で、絵文字を使ったチンパンジーとの意思の疎通がネタとして使われてるあたりに「犯罪交渉人……」の原型を見ることができるような気がします。会話が物語の中心にあるんですよね。

関崎俊三 「ああ探偵事務所」 1巻 [bk1][amazon]
ホームズに憧れて探偵になったものの、推理は当たらない、依頼人はやってこない……という妻木探偵とその押しかけ助手井上涼子の活躍を描いた作品です。しかし、ヤングアニマル連載とは思えないまっとうなコメディだなあ。関崎俊三という人は、ものすごく生真面目な人なのではないかと作品読みながら思ってるわけですが、たぶんそこらへんの人柄が出ているんでしょうね。
アニメセル盗難事件の回を筆頭に、なぜだか知らないが変な顔の人がいっぱい出てくる話でもあるのですが、ひょっとしてオモロ面の人を出すのが読者に対するサーヴィスだと勘違いしてないだろうか……とちょっと思ってしまってます。まさか……いや、なんとなくありうるような気が……
【単行本・小説】 フレッド・ヴァルガス(訳:藤田真利子)「死者を起こせ」 創元推理文庫 [bk1][amazon]
それぞれ専攻が異なり、互いに全く相容れない趣味だと思っているのにもかかわらず、奇妙な友情で結ばれている、若く貧しい3人の歴史学者たち――中世専門のマルク、先史時代専門のマティアス、第1次世界大戦専門のリュシアン、そして、殺人犯を故意に逃がしたかどで警察をクビになった元刑事であり、マルクの叔父にあたるヴァンドスレールを加えた4人が1軒のボロ館を借りて共同生活をはじめた。
理想は高く、しかし仕事はない暇な毎日に飽き飽きしていた彼らのもとに、ある日奇妙な依頼が舞い込む。1本のブナの木の根元を掘り返してほしいというのだ。依頼主はボロ館の隣家に住む引退したオペラ歌手の婦人で、彼女の話では、ある朝突然見知らぬ木が1本庭に植えられていたらしいのだ。しかしそのブナの根元には何もなかった。奇妙に思うのも束の間、今度は依頼主である婦人が失踪した。いったい何が起こっているのか? 事件の謎にボロ館の4人が挑む。
初邦訳のフレッド・ヴァルガス作品であり(ちなみに女性)、フランス・ミステリ批評家賞を受賞したという作品。とても面白いです。
魅力あふれる人物造形の巧みさにまず舌を巻きました。登場する全員がとても親しみやすく生き生きと描かれています。
先史時代専攻が理由なのかはわからないけれど(そんなバカな)大柄な身体に太古の落ち着きと本能を持ち合わせた狩猟民族マティアス(愛称聖マタイ)が服を着るのが苦手で裸でいるのが好きな男だったり、第1次世界大戦と自分にしか関心がない天才と馬鹿、有能と無能の間をせわしなく行き来するやたらめまぐるしい男、リュシアン(愛称聖ルカ)は「警戒警報発令、退避せよ」みたいな口調でずっと喋る。探偵役であるマルク(愛称聖マルコ)は比較的まともだけれど多分にセンチメンタルで激情家ですぐにカッとなる。そして彼らのまとめ役ともいえるダンディな老人ヴァンドスレールは元刑事の経験とコネを生かして謎の究明に役立たせるが、彼の警察然とした態度がマルクをいつも苛立たせる。どこかエキセントリック、しかし人間味にあふれる彼らの魅力的なふるまい、ウィットとユーモアに富んだ掛け合いは読んでいて本当に楽しいです。細かいところですが、「食べてる人間は怖くないから」と言って、マティアスとリシュアンがむりやりパンを食べるシーンなんか、ほのぼのとして、笑ってしまいました。
「パズラーか?」と問われれば、「フランス・ミステリです」と答えるだろう、かの地の作品らしいストーリー展開ですが、1晩でいきなり庭にあらわれたブナの若木とか小道具の使い方は非常に印象的で素晴らしいと思います。読み物としてとても面白いですね。
続刊が出れば買うんじゃないかと思います。出て欲しいなあ。
02/07/07(SUN)
【単行本・小説】 アーヴィン・ウェルシュ(訳:池田真紀子)「アシッドハウス」 青山出版社 [bk1][amazon]
どうしてもUNDERWORLD「Born Slippy」が頭の中に鳴り響いてしまう気がする、映画のイメージがひどく強い「トレインスポッティング」原作者アーヴィン・ウェルシュの短編集。この人の作品はほとんど読んだことなくて前述の「トレインスポッティング」も読んでないし、唯一読んだことあるのは中篇集「エクスタシー」だったりする。しかも3編中、2編しか読んでないような…… 長編「マラボゥストーク」と「フェルス」注文したついでにこちらも読んでみた。
「銃口」、「ユーロトラッシュ――ヨーロッパの有閑族」、「ストーク・ニューイントン・ブルース」ほか、21短編を収録。
ほとんどの作品が、ヨーロッパを舞台に、麻薬中毒、フーリガン、変態セックス、失業など、若者たちの病んだ生活を扱ったものとなっている。とはいっても悲惨な現実をそのまま描写したものにとどまってはいない。袋小路の状況から逃避するためのドラッグがもたらす幻想――現実と悪夢が溶け合うあたりをどこまでも高いテンションで描ききったものになっている。
特に印象に残った作品は「ユーロトラッシュ――ヨーロッパの有閑族」、「VAT'96」、「カモ」、「スナッフ」、「おばあちゃんの宝箱」、「二人の賢人」、「ザ・グランストン・スターの利益」、そして表題作の「アシッドハウス」。
ドラッグを抜くためアムステルダムまで逃げてきた男と、男がバーで出会ったバーテンのリチャードと彼と付き合ってるクリッシー、この3人を巡る物語である「ユーロトラッシュ――ヨーロッパの有閑族」は、一見そのタイトル通り、アムステルダムに流れ着いたヨーロッパのクズ(ユーロトラッシュ)たちの悲惨な生活を描いただけの物語に思えるが、ラストの処理がひどく感傷的で心に深い印象を残す短編であるし、どこまでが悪夢でどこまでが現実なのか判断がつかない「VAT'96」も、わずか6ページとは思えない不思議な読後感が残る掌編だ。
「ハリウェル映画ガイド」に載っている全てのビデオ作品をチェックすることに人生の全てを懸けている男の歪んだ日常を描いた「スナッフ」における主人公への同僚の問いかけ、「全作品を見終わったら、何が起きる?」なんかは、日本におけるヲタクの現状と地続きな感覚である気がして、それを考えるとそのラスト処理にはいろいろ思うところがある。また、お互いに譲り合うことのない長年にわたる議論に終止符を打つべく、第三者に判断を仰ぐことにしたふたりの大学教授が招いたとんでもない状況を描いた「二人の賢人」は皮肉とユーモアが効いた洒落た短編だし、彼女に逃げられ、家を追い出され、街で暴れて留置場行き、カフェでボラれ、ボコられたかと思えば仕事もクビに、これ以上ない最悪の状況に神様までがやってきて天罰で一匹のアオバエに変えられた悲惨極まるボブの数奇な一生を描く「ザ・グランストン・スターの利益」も馬鹿馬鹿しくてよい。
表題作である「アシッドハウス」における2階層文字レイアウトによる混沌と混乱渦巻く精神世界描写見てもわかることであるが、基本的にアーヴィン・ウェルシュはひどくサーヴィス精神旺盛な人間なのだと感じる。もちろんそれは、この人なりのサーヴィスなのだが……
前述の「ユーロトラッシュ――ヨーロッパの有閑族」など、まるでゴミ溜めみたいな悲惨な状況の中から、美しくセンチメンタルな光景が不意に浮かびあがってくるあたりの感覚は、Spacemen3、そしてそれに続くソロ、Spectrum、E.A.Rの中で発表されたSonic Boomの音楽とちょっと似てるな、と感じた。ドラッグ中毒者にしか作れない、悪夢世界の流麗なタペストリー。(「Angel」のムービーなんか、すごくそんな感覚)アシッドハウス的なものとはちょっと異なっている気が個人的にはしていて、ハウス的なビートよりもむしろカオスなアシッド・ロックに近い感覚であろう。
この人の長編についても読んでみたいと思う。
02/07/08(MON)
「神のみ個人技で吟仕込み飲みか」

いしいひさいち 「ほんの本棚」 [bk1][amazon]
多分に乱読気味なので、どこからどこまで書けばいいのかわからないが、「ヒトラー・ムッソリーニ往復書簡」から「課長バカ一代」までと書けばその読書傾向の幅が知れるだろうか、という書評+パロディ4コマ本。
いしい作品レギュラーキャラである、タブチコースケ、藤原ひとみ、広岡達三の御三方が書評を担当しているという形式で、著者略歴の「トリックの破綻もプロットの破綻もその人柄で乗り越える」、「無責任なほどのスケールと文体で読む者を圧倒」、「(いずれも絶版)」のコメントも凝っていて面白い。文体はとくに変化させてないようだが………
書評だけを取りだしてみると、600字という制限のわりに内容説明に字数を費やしてしまっている感があり、若干物足りないものを感じてしまうが、そこらへんは4コマと足して内容を測るべきものなのだろう。
双葉社文庫しおり漫画「しおりでGO! GO!」、「しおりの編集日記」も面白いです。

長谷部百合 「ぼっちゃまはイジワル」 1巻 [bk1][amazon]
ある雪の夜、捨てられた少女を拾った少年は、少女をミケと名付け、メイドとして飼う事にしたのでした……
警察届けろYO! こらまた知能指数低いマンガだね――と思ったら、案の定コミックCheese! 連載でした。まったく、計り知れないな、この雑誌は…… そんで、このおぼっちゃまは、メイド兼女子高生のミケ(本名)をお世話役としてメイド服で学校通わせてみたりする。黒板での紹介も「ミケ」2文字。シ、シドイ……彼女に人権はないのか…… しかし、そんなミケもやっぱりお馬鹿で、「あたし ぼっちゃまの前では一生メイドです!」とか宣言してみたりする。即行ミケに手を出してみたりしてるおぼっちゃまがやたら彼女のおパンツにこだわり見せてるのもよくわからなく、中身は手に入れてるのにね……と思ったりします。フェティシズムという感じでもないんだよなあ。しかし、誰が対象なんだろう、この漫画…… 少女版デスエロス漫画の風情を漂わせる1本なり。

大石まさる 「泥棒猫」 2巻 [bk1][amazon]
泥棒猫のマック、そして元スパイでマックと組むことになったユーリ、この2人のコンビが活躍するタイトル通りのシリーズから、忍者ネズミの蛍を中心とした、伊賀と甲賀みたいなネズミ族種族間抗争学園漫画(?)「くの一はおデコだせ!」に主人公も登場人物たちもストーリーも物語の舞台もいっさいがっさい唐突にチェンジした(それは別の作品である)驚愕の1巻から、無事に大団円迎えて、「泥棒猫」シリーズにいきなしリターンしてみる、これまた驚きの2巻。
はっきりいってしまうと「くの一はおデコだせ!」はストーリーがちょっとよくわからない、未整理な出来だと思えて、なんでまたこっちをはじめたのかひどく疑問がつのる印象でした。そんなだから巻頭ストーリー紹介「この話は?」における大石まさるの苦しすぎる言い訳「それだから、作者的にも主人公を変える決意を……」の謎さ加減にも衝撃を受けます(w なぜ「それだから」なんだ! 作者に長いこと忘れられていた挙句、長い長いブランクを経て突然主役にカムバックしたマックとユーリの当惑模様がひどく楽しいですが、やはり、大石まさるの考えてることはさっぱりわかりません。
02/07/09(TUE)
「逃亡乞う暴徒」

介錯 「円盤皇女ワるきゅーレ」 1巻 [bk1][amazon]
アニメはまだ。TVKで観ればいいのかな。(→公式ページ) そっか、介錯で少年ガンガン連載なのか――と思いました。そういえばこの人、ASUKAで「十字架(くるす)トライアングル」描いて、ひそかに少女誌進出してたりとかして、意外と戦略的に作品発表してるのかもしれません。………まあ、出てくるものはどこでも全くかわらないんですが。
ところで、肝心のストーリーなんですが、あれ? ウルトラマンっぽい? とか思って、驚く。政略結婚させられそうになって母星から家出してきた王家のお姫様ワルキューレ(18)が円盤ごと銭湯に不時着、主人公の時野和人はその時轢かれてお亡くなりに。彼を生き返らすために魂を分け与えたワルキューレはロリ形態のワるきゅーレ(8)にチェンジしてしまい、彼女はそのまま居候決め込む。次から次へといらない人々がワルキューレを追っかけて時乃湯にやってきて、大暴れして、和人は死んで(w みたいな感じ。キスしたあとのほんのわずかの間だけ、ワるきゅーレは大人形態ワルキューレにチェンジできるのです。ネコミミメイド星人(終末感……)の真田さんがいいですね(w

星里もちる 「本気のしるし」 5巻 [bk1][amazon]
わーお、終わってる。
とめどなく続く自己正当化、そして虚ろなる精神の彷徨、という感じですね。辻君の社内での立場が危うくなってきたり、新キャラとして「社長」が投入されたりして、ますます酷いことになっております。いくらなんでも、そんな偶然ないだろう……と思ったりしますが、なんだろうなこの泥沼空間は…… 引越し屋の一件でも明らかなとおり、登場人物全員が自分に都合良く現実を捻じ曲げて認識してるような人間ばかりなのがいかんのでしょうか。自己を客観視できてるのが自分を悪人だと知ってる脇田だけなんですよね。ひどく虫唾の走る女、みっちゃんがとっても嫌〜な感じにラストを締めてくれます。本当にこの女、殺したい! 細川さんのが100倍マシだよな――(怖いけど)と思ったりしました。

ヒラマツ・ミノル 「アグネス仮面 」 2巻 [bk1][amazon]
マチルダ仮面登場の巻。図体だけはデカいけど何の役にも立ちやしない超ボンクラがマスクマンとしてレスラー人生再スタート! ワリを食ったのはアグネス仮面! 怒り心頭、ブチ切れですよ!! みたいな展開なんですが、大の大人がダダっこのように泣き叫んで暴れてボコられてるだけのストーリーでこれだけ読ませるのもスゴイですね。ヒラマツ・ミノルの有無を言わせない漫画力がなければこんなことできないな…… あ、そういえば、虎嶋社長と奥さんの異様な迫力も素晴らしいです。
【単行本・小説】 ルース・レンデル(訳:小尾芙佐)「ロウフィールド館の惨劇」 角川海外文庫 [bk1][amazon]
ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである。
冒頭の1行が物語の展開全てをあらわしているという稀有な小説です。名作の誉れ高い作品なんですが今まで読んだことありませんでした。
田舎住まいながらロウフィールド館という広壮な屋敷に住み、イギリスの典型的中流の上階級の生活を営む、カヴァデイル家の人々が雇い入れたユーニス・パーチマンという名前の家政婦――非常に有能ながら無表情かつ無感動な召使、彼女がひた隠しにしてきた秘密が暴かれはじめた時、運命の歯車が破滅へと向かって回転をはじめた……というお話なんですが、意外に下世話に書かれてる気がしてたいへん驚きました。なるほど、こんな話なのか。文盲という現代社会において致命的とも言える欠陥を抱えたひとりの女が運命の悪戯で凶悪犯罪に手を染めてしまうみたいな展開の物語なのかと思ったのですが、ユーニスは人間以前、動物というよりもむしろ昆虫レベルに描かれてます。
彼女にとって印刷物や書物や手書き文字で満ちている世界は脅威だったから、それを見せようとする人間との交流も避け、法律の存在も知らないから善悪の区別も満足にできない(恐喝が独創的な発明だとすら彼女は思っていた)、人間的なぬくもりや愛情、情熱から隔絶されたため、情緒や想像力そして他者の気持ちを鑑みるという能力全てが欠落してしまう。時折交えられる回想シーンにより、彼女が経てきた数奇な運命が丹念に辿られるため、ユーニス・バーチマンという女が、なぜこんな感情のない怪物とも呼べる存在になってしまったかが飲み込めるようになっています。つまり、問題は無知のみならず、感情面のさまざまな欠落により、心の奥底で育まれたドス黒い闇にある、ということ。ストーリーの進行に伴ない、カヴァデイル一家のユーニスに対する認識と読者のユーニスに対する認識が完全に同調するような構造になっていて、それは非常に上手いと思いました。
ただ思うことは、3人称によって叙述される物語に時折神の視点にある作者自身の先のストーリー展開に関する言及が加わるので、個人的にはそれが少々うるさく感じられました。これはたとえば、カヴァデイル一家の悲惨な運命に対する「もし○×ならば、あの虐殺は避けられたかもしれない……」という類の言及やら、「カヴァデイル家の人々にとっては最後に見る花」とかそういう記述で、もちろんこれは先に何が起こるのか、物語冒頭ですでに明らかになっているこの作品だから有効な記述ではあるのですが、もう少し抑えてみてもよかったかなあと思います。少々表現があざとい気がします。
ただ、これはある種の先入観が働いたためかもしれなくて、つい先頃読んだ、同じく登場人物のひとりが文盲であるということがカギとなる作品(ネタバレになるため具体的な作品名は書けません)の抑えに抑えた筆致で淡々と綴られる物語世界がひどく印象に残っていたからかもしれません。
しかし最後まで一気に読んでしまったことを考えると、やはり相当に面白かったのでしょう。さすが名作と謳われるだけのことはあります。
02/07/10(WED)
【単行本・小説】 倉阪鬼一郎「青い館の崩壊 ブルー・ローズ殺人事件」 講談社ノベルス [bk1][amazon]
まあ、なんと申しましょうか…… 何書いていいのか、久々に困る作品です。
「赤い額縁」、「白い館の惨劇」に続くゴーストハンターシリーズ、らしいのですが、「白い館の惨劇」は未読で(このシリーズだということも知らなかった)「赤い額縁」はオチを忘れてしまってる体たらくなのでした。思い出しながらのんびり読みました。ゴーストハンターと黒川という現代に生きる吸血鬼コンビを探偵役としたシリーズものです。
吸血鬼原理主義者が日本に上陸してきてるらしい。吸血鬼らしく邪悪な存在たれ、という彼らと反目する立場であるゴーストハンターは、原理主義者たちのアジトと目される怪しげなマンション近くに引っ越して監視をはじめた。その「ブルー・ローズ」なるマンションは、奇怪な装飾を施され、変に歪な構造をしている面妖な建築物で、顔の溶解した霊が目撃されるという話もあるという。その最初の所有者は、異形のミステリ「青い館の追憶」を発表した後、失踪した。ブルー・ローズに隠された秘密を暴くべく調査を続けるゴーストハンターと黒川だったが……
しかし、まともな文章が少ない小説ですね…… 作中作として挿入される前述の「青い館の追憶」にしても、同作者の手による童話「青い目の人形」にしても、ゴーストハンター自ら暇を持て余して(死なないから)書きはじめた原稿用紙50,000枚にて完結予定の世界最長ミステリ「(題未定)」(w にしても、読んでて頭が狂いそうになります。これをきちんと読んでる人、いるのかなあ。
間違いなくこの人にしか書けない種類の小説で、この人の作品に出てくるものはすべてこの本の中にある気がしますが、うーむ…… つまらなくはない、むしろ面白いと思うのですが、一言、なんですか、これ……!?
相反する要素を持つ2つのジャンル、本格ミステリと怪奇ホラーを融合させるというのはなかなかむつかしいような気がするのですが、本作ではそれをカーとかが用いた手法とは異なった形で実現させようとしている気がしました。
しかし、ゴーストハンターたちのどうでもいいような日常を描いたギャグパート(ゴーストハンター+黒川=倉阪鬼一郎なのは明白だろう)、甘味食べながら猫耳少女(また出た)がミーコ姫とたわむれるようなそれと、サイコでなく怪奇、電波でなく狂人、といった風情のミステリパート、この2つが水と油のように乖離して、なんとも奇妙な味わいです。そもそも、倉阪鬼一郎がどこまで本気で書いてるのかいまいち見当がつかない変な小説なので、その目論見が成功してるのかどうかの判断はたいへんむつかしい。どうなんでしょうか……
奇妙な読後感でいえば、たしかにすごいものがあります。しかし、普通の人におすすめするのはちょっと気が引ける、そんな作品であります……
「おかいもの」、「集合」、「うみー!」、「捕獲作戦」、「大人の世界」の5話。しかし、イマイチ安定しませんね……
なんかこう、微妙に顔がちがう人々。ちよすけ別荘で夏合宿2周目+「えろえろよ〜!」の回であります。ネタのセレクトがよければそれなりによくなる、というのはわかるが、それにしても作画があやしい。
神楽黒いなあ。 「そういう遊びとは、ちょっと、ちゃうねん」 ゆかりぐるま。やっぱ、ゆかりしゃだよね……(個人的見解) トラウマ。さめざめと泣くかおりん。そして木村(w 別荘到着。知らない人が自慢気。鍵1コしかないのか。ナイスコンビネーション。海。一般人がいる。てっきりプライベートビーチかと。神楽の日焼け跡…… 水母のように漂う大阪。「ねこ↑こねこ↑」 「ねこ↑こねこ↓」じゃないのか…… ところで、にゃも先生は運転手役として来たの? 「4年前の押入れに隠したアレ」 なんだろう…… よいではないかゴッコ。射的の榊嬢、顔がヘンだよ―― 「メガネ……」 無礼講でエロエロトーク、手酌で! 「えろえろよ〜」 風鈴 → 雷門 → 2001年 → 定吉さんと戯れるちよすけ いったい何なんだろう? 子供だからわかんない〜 大阪、性に興味津々なお年頃。にゃも先生、1夜明けたら尊敬の的に。うーん、作画が……


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