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山名沢湖「いちご実験室」
comic さくいん

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magazine さくいん(更新停止中)

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ジェラルド・カーシュ(訳:西崎憲ほか)「壜の中の手記」
ドン・ウィンズロウ(訳:東江一紀)「ストリート・キッズ」
R・D・ウィングフィールド(訳:芹沢恵)「クリスマスのフロスト」
小川勝己「彼岸の奴隷」
有栖川有栖「双頭の悪魔」
アントニイ・バークリー(訳:大澤晶)「最上階の殺人」
novel さくいん

etc.

2003年の初夢
第3期ギャラクシーエンジェル 第27話「ピュルリクマジカルステーキ」/ 第28話「気になるバウムクーヘン」
ストラトス・フォー #01 「INITIAL POINT」
MOUSE[マウス] 第1話「その名は“鼠”(マウス)」
らいむいろ戦奇譚 第1話「戦艦の中の女学校」


 2003/1
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03/01/01(WED)

■book【単行本・小説】 ジェラルド・カーシュ(訳:西崎憲ほか)「壜の中の手記」 [bk1][amazon]

ジェラルド・カーシュ(訳:西崎憲ほか)「壜の中の手記」  奇想と呼ぶにふさわしいとんでもない物語をねじれたユーモア感覚でしあげた異色短編集。南洋の小島や南米大陸など、どこか秘境ムードの漂うところも面白い。「豚の島の女王」、「黄金の河」、「骨のない人間」、「壜の中の手記」、「死こそわが同志」など、12作品を収録。

 これはなかなかすごい出来の短編集で、グロテスクなユーモアに彩られているという点でいえば、エリック・マコーマック「隠し部屋を査察して」(→感想)あたりに近い感覚はあると思うのですが、猟奇的な描写はさほど登場しないし、どこかあっけらかんとした部分があって、息苦しさはとくに感じません。これは南米大陸や孤島など異郷を舞台に据えることで、ホラ話のテイストを付加しているからだと思います。
 また、戦争を糧に強大な権力を手に入れていく死の商人サーレクの生涯を描いた「死こそわが同志」のように、あまりに嘘臭く馬鹿馬鹿しい展開の中にわかりやすい寓意性を忍ばせてみたり、贈られた人間に災いをもたらす指輪を巡る物語「破滅の種子」のようにシンプルなオチを用意したりと、たしかに奇妙ではあるものの、基本的に万人受けする作りの作品ばかりでもあり、一読した印象よりもずっととっつきやすい作品集だったのは結構意外でした。

「豚の島」と呼ばれる南海の孤島で見つかった、発見当初は人間の亜種ではないかと思われた奇怪な4体の人骨に秘められた、世にも奇妙な愛憎の物語「豚の島の女王」は美しくも物悲しいイメージに満ちた作品で、この単行本の最初を飾るのにふさわしい傑作。わずか12ページながら異国情緒+奇想+最後の一撃という贅沢な作りの掌編「骨のない人間」、「そんなわけないだろ!」とか「この話でそんな教訓かよ!」と叫びたくなるトンデモストーリー「ブライトンの怪物」、なんともいえない後味の「ねじくれた骨」、オショショコと呼ばれる3本首の壜に入っていた50年前の手記の内容が米文学最大の謎と強引に結びつく力技的ダーク・ファンタジーの表題作「壜の中の手記」、この5作品が特に気に入りました。

 いろんな意味において大雑把で泥臭いところが楽しいですね。装丁もなかなかよいです。

03/01/02(THU)

■book【単行本・小説】 ドン・ウィンズロウ(訳:東江一紀)「ストリート・キッズ」 [bk1][amazon]

ドン・ウィンズロウ(訳:東江一紀)「ストリート・キッズ」  2002年最後に読んだ本がこれ。じつはドン・ウィンズロウのデビュー作でもあるこの作品ふくめ、「仏陀の鏡への道」、「高く孤独の道を行け」と邦訳されているシリーズ全作を持っているのだけれど、今まで積読のままだった。もっと早く読んでおけばよかった。

 ハードボイルドの手法を導入した青春小説ともいえるような作品で、物語の根底を流れるどうしようもない青臭さが読んでいてひどく心地よい。とくに、ナイーブな内面がそのまま減らず口へと跳ね返っているような主人公ニールをはじめとした主要登場人物たちの会話シーンがとにかく洒落ていて素晴らしい。

 大学で18世紀文学を学ぶかたわら指令を受ければ探偵組織「朋友会」の一員として仕事を全うする元ストリート・キッドの青年ニールが、家出中で消息不明の娘を選挙戦までに連れ戻してほしいとの副大統領候補の依頼を受けて調査を開始する……という物語で、事件としては地道な調査がほとんどなきわめてオーソドックスなものながら、物取りをして生活していたかつてのニール少年が、親代わりであり探偵としての師匠でもあるグレアムと出会い、探偵としてのイロハを叩き込まれながら人間として成長していく過去パートと、家出娘捜索の進展が描かれる現在パートとが交互に描かれるという構成によってニールやその周辺の人々に無理なく感情移入ができるようになっているのはたいへん上手い。
 また、読者に与えるべき情報の調整についてもかなり意図的になされているようで、たとえばグレアムと同期のレヴァインとニールの確執の原因、ニールが欝になった原因でもあるハルペリン家の事件の詳細など、おぼろげにしか語られていない部分は多く、かえって読者の想像力をかきたてるような作りになっているし、過去の挫折(母親の麻薬中毒を治せなかったこと、自身の失敗で調査対象を失ってしまったこと)をニールが克服することが主題になっているあたりのストレートさもいいと思う。ひねくれてない小説を久しぶりに読んだ気もします。
 それにしても、第3部「心臓の鼓動が聞こえる場所」で描かれる情景は切なくてよい。素晴らしい。

 たとえば国内作品でいえば「池袋ウエストゲートパーク」シリーズあたりの雰囲気にかなり共通しているところがあって(西口公園という場に集まる人々に物語のウェイトが置かれているあたりはちょっとちがうけど)、石田衣良がこのシリーズを意識したというのはひょっとしたらあるかもしれません。

03/01/03(FRI)

○「元旦から感嘆が……」

この回文をなぜ元旦に思いつけないのだろう……

 眠い。こんな夢を見た。初夢。

 東欧らしき町を彷徨っている。石畳の敷き詰められた道を行き、中央広場の噴水を横目で眺めながらぶらぶら町を散策する。どこか間抜けな雰囲気が漂っているのは立ち並ぶ建物すべてがパステルカラーに塗られているからだろうか。
 歩いているうちに行列に出くわす。何のための行列なのかわからないが、なんとなく並んでみる。
 ぜんぜん動かない行列に痺れを切らした私は、自分の1つ前に並んでいる女の子に、
「これは何の行列なんでしょうか?」
 と、尋ねてみる。しかしなぜか無視されて振り向いてさえもらえない。口の中でぶつぶつと呟きながら順番が来るのをじっと待つ。
 そうこうしてるうちに先頭が見えてきた。そこはどうやらオモチャ屋で、この行列は限定レアアイテムを買うためのものらしい。ショーウインドーの中にはけばけばしい蛍光色のパッケージがうず高く積まれていて、「グタグタグッタリ君」と悪趣味なロゴで書いてあるのが見える。
 レジの横には電気仕掛けのプラスティック人形が置いてあって、どうやらこれが「グタグタグッタリ君」のようだ。
 ミニチュアの診察台に横たわった「グタグタグッタリ君」はときおり思いついたように目玉をピカピカ光らせながら全身を痙攣させ、スプリンクラーのように口から緑色の液体をまき散らす。緑色の液体はそこらじゅうに飛び散って、レジ打ちのお姉さんの全身は緑色に染まっている。
「うわあ、こりゃたまらんなあ」
 と、思わず口にすると、振り返るそぶりも見せなかった1つ前の女の子が突然こちらを向いて、
「いまさらぎゃあぎゃあうるさいわよ! だいたい並ぶんなら、もっとこぎれいな格好してきなさい!」
 と怒りだした。
 この娘、どこかで見たことあるなあ……と思ったら、綿矢りさだった。

03/01/04(SAT)

○「党か、区が借り切って、てっきり科学買うと……」

 今年の正月は実家で雑煮が出なかった。両親も自分もすっかり忘れていたような気がする。でも、餅だけはやたらに食べた。
 最初はプレーンにそのままオーブンで焼いて醤油つけて海苔巻いて食べて、でもすぐに飽きて、今度は溶けるチーズを乗せて焼いてみた。
 なかなかいけるのだけれど、いまいちパンチが足りないのでチーズ以外にもトッピングを加えてみることにした。

 ○ ピザソース 不味くはないけれど、あまりにピザそのものなので面白くはない。
 △ シラス干し 乗せる意味を感じない。
 △ 岩海苔 チーズとは合わないような……
 ◎ 鮭フレーク ほのかな塩加減が味のアクセントになる。塩鮭など、塩味が強ければさらに良し。

 辛子明太子などあればもっとよかったのだが、家にはなかった。当然、冷蔵庫の中のものだけで試すのがポイントであって、このためにわざわざ買い物なんか行くものか! 絶対行かない。そういえば、実家にはごま塩以外の塩がなくて、これはどういうことなのだ……!? と思った。両親とも調理師免許を持っている人間のはずなのだが……

 納戸の中からダンボール箱が見つかった、これは捨てていいものなのかと母親に聞かれたので、中身を見てみたら小学校〜中学時代に自分で作ったプログラムが録音されているカセットテープだった。カセットですよ、カセット。
 あまりに懐かしく、かつ面白かったので、いくつか紹介してみたい。

・「ボクシグゲームン」
 対コンピュータのボクシングゲーム。3Dどころか左右移動だけの完全1Dゲーム。ジャブ、アッパーなど、ボクシングの知識皆無のまま作ったので、なんとストレート1本だけというたいへん男らしいゲーム。なんと、ラウンド制すら採用されていない。ヒットポイントという概念は…… あったかなあ?一撃必殺だったかもしれない。アバウトに耳コピしたロッキーのテーマが物悲しい。
 ボクシングのスペルすらあやふやなままタイトル画面を作ったのでしばらくの間「BOXIG GAME」となっていた。友人に指摘されて慌てて「N」を付け足したが、レイアウトの調整が面倒で適当にやったら「BOXIG GAME N」と表示されるようになったのがタイトルの由来。


・ 「ザ・サハラ」
 地雷を踏まないようにフィールドを抜けるのが目的のマインスイーパみたいなアクションゲーム。なぜにサハラ砂漠が舞台なのか作った本人にもわからないところがポイント。地雷に囲まれたフィールドに足を踏み入れるとピコピコやたらにうるさく、たいへんストレスがたまる。

・ 「原田知世ゲーム」
 たぶん原田知世の似顔絵CGを表示したかっただけの理由で作ったゲーム。今思えばとりみきっぽいことをやっていた。ゲーム部分はあからさまに手抜きでプレイヤーキャラが画面からはみだすとエラーが出てそのまま終了といういい加減さであった。「時をかける少女」映画館で観た直後につくったのかな? あまり憶えてないし、思い入れもない。

 ちなみに機種はPC-6001(mkII)で、ここらへんで紹介されてるゲームPC-6001WORLD)の出来を10倍ショボくした感じだ。MSX/MSX2で作ったゲームもいくつかあるはずなのだが、さて、肝心のフロッピーはどこにあるのだろうか……

03/01/05(SUN)

○【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第27話「ピュルリクマジカルステーキ」/ 第28話「気になるバウムクーヘン」 (→公式

 新年会から帰ったばかりで、OP流れてる時トイレ行ってたんだよね―― ビデオで見直して驚愕しました。「なんだ、このどこかで聞いたようなお姉さん声は……」(堀江美都子とエンジェル'03)と思ったら第27話だけのためのネタ振りだったのね。まったく油断のならない作品であります。

・ 第27話「ピュルリクマジカルステーキ」 →ストーリー紹介

 で、その問題回。魔法スティックのかたちをしたロストテクノロジーを巡るたいへん恥ずかしいお話で、エンジェル隊全員が活躍する話ながら、羞恥そして周囲に与える違和感レベルからフォルテの姐御中心エピソードと言えなくもない。 「お前ら、殺――す!!」 それにしても、ウォルコット中佐の大物ぶりには驚くね…… 彼がめっちゃ真剣なところ、そしてそれに続く展開は第2期の合体ロボットネタ回(→感想)から引き続く感じ。そもそもあんまり動かない話だし、止め絵作画さえもときどき怪しいなあ…… と思いながら見ていたら、なるほど、そういうことですか。中佐の扱いで匙加減を誤った気もします。5人だけくらいでちょうど良かったかも。

片眼鏡の魔法少女なんかいません……

・ 第28話「気になるバウムクーヘン」 →ストーリー紹介

 無一文になって辺境の惑星で野宿するハメになるミント蘭花コンビを襲った悲劇(えらいことになるのは一方的にミントさん)というエピソードで、人間と樹木の時間感覚の相違をテーマにした壮大なSF作品だったのには驚く。リアルタイムで今朝観た時には 「なんだ、このキチガイ民話は……」と思ったのですが、存外深いお話(それは嘘)。鳩がそれなりな伏線として機能していたのには驚いたけど、アレな石版飛来させて歴史早送りさせなくてもよかったような…… あれ? ノーマッドの耐久年数残り700年くらいだったか、じゃあ、しょうがないなあ(w 一言、日曜の朝っぱらから頭のおかしなエピソードでありました。このアニメが「幼稚園」で連載されてるんですか? とほほほ。

「とんでもねえ、オラあ神様だ」

03/01/07(TUE)

■book【単行本・漫画】 山名沢湖「いちご実験室」 講談社 [bk1][amazon]

山名沢湖「いちご実験室」  山名沢湖、デビュー5年目にして初のコミックス。これはめでたい。特設ページはこちら(各作品のライナーノーツみたいなものも読みたいな……とちょっと思うけど、そういうの恥ずかしがってダメな性格な人の気もする)

「リリカル・シュールの新旗手」だの、「リアル大阪の(「あずまんが大王」)描く漫画」だの、いろんなキャッチは(勝手に)思いつくけれど、この人の作風って、淡い恋心もしくはそれすら未満なキ・モ・チがテーマになっていながら、ラブとかメルヘンとかが全面に出すぎていない、ちょっとヘンテコなシュールセンスが先行しているところがポイントなのかなあ…… と思ってます。

 ツインテールな女の子、ミソラちゃんと、そのお隣さんなマッドサイエンティスト、ハカセがいろいろ奇妙な発明品をくりだす表題作「いちご実験室」(「Amie」連載)中盤以降のキレっぷりなぞはかなりすごいと思われます。サカナ、黒ネコ、虹を越えて、そして、「ハカセって、概念なのかYO!」と吃驚。うわあ、主役なのに……

 少年画報社じゃなくてもいいから、アワーズライト掲載作もどうにか1冊にまとまればよいのだけれど。

■book【単行本・小説】 R・D・ウィングフィールド(訳:芹沢恵)「クリスマスのフロスト」 創元推理文庫 [bk1][amazon]

R・D・ウィングフィールド(訳:芹沢恵)「クリスマスのフロスト」  薄汚れたレインコートとよれよれズボンに身を包み、こよなく愛するのはエロネタとグロネタのお下品ジョーク、重度の仕事中毒で、でも遅刻魔で、とにかくいい加減ですべてに於いて行き当たりばったり、直感頼りの推理にしても数打ちゃ当たる……な、名物警部フロストが続発する奇妙な事件相手に一大奮闘する警察小説シリーズ第1弾。
 読んでただ楽しいだけの小説ではあるのだけれど、それにしても楽しすぎです。

 クリスマスを10日後に控えた雪降る12月のある日、日曜学校から帰途についたはずの8歳の少女がそのまま行方をくらますという事件に端を発し、この物語の舞台となるイギリスの田舎町デントンでは大小問わずさまざまな事件が持ち上がり、ただでさえ人員が足りてない市警察署員たちはおおわらわになります。そんな状況の中、主人公のフロストが、強引かつアバウトな捜査を展開して大概えらいことになる様子を描くのがこのシリーズのすべてかな。

 同時多発的に発生する、いわゆるモジュラー型警察小説という形式をとりながら、個々の事件捜査はたいへん大ざっぱでまちがいぱなしというところがこの作品の特色なのかもしれません。フロストの直感推理は当然のようにたいてい大ハズレな結果に終わるのですが、そこで浮上した新たな手がかりによって事件の様相が二転三転する展開はたいへんスリリングです。また、いくつもの事件を同時並行で描くことによって、事件の真相がいつ提示されるのかわからないという状況になるのも発見でした。1つの事件にスポットを当てた作品の場合、「推理合戦もので、最初の推理が当たってるはずない」とか、「残り100ページもあるならば、こいつは真犯人ではないのだろう」など、そういうこと考えてしまうのはままあることなので……

03/01/08(WED)

○【ANIME】 ストラトス・フォー #01 「INITIAL POINT」 (→公式

 彗星群の太陽系通過による未曾有の危機に見舞われた西暦2XXX年の地球を舞台に、彗星の地表落下を阻止する任務を担う迎撃パイロットを目指し日夜訓練やら実務やらに励む若者たちの日々を描いた作品。

「ナジカ電撃作戦」の山内則康によるキャラクタデザイン+「ヴァンドレッド」のもりたけし監督で、2D/3Dパートの乖離具合とか、オペレータがなぜか全員娘さんとか、なんだかそのまんま…… 「ロケットガール」みたく乗り込むのは女の子だけ、という感じ課と思ったら、ちがった。主人公の女の子4人組はエースパイロットでもなんでもなくて、彼らが打ち損じた彗星のお掃除役にすぎないメテオスイーパーのしかも補欠だったりするあたりがちょっといいです。第1話の内容からして、講義 → 待機 → バイトのとことん地味な内容で、でもそこがポイントかも。
 ただ、ボディラインがくっきり浮き出る女性用スーツはともかくとして、サブリミナル的に淡々と挿入される着替えカットやパンモロ、下方向からのアングル、バイト先ではチャイナ服コスなどの視聴者サービス展開は評価分かれるところかなあ。個人的にはそんなにいらなくて、地味ならば地味のままでヘンなあざとさが入らないほうが好みではあります。さまざまな要素の組み合わせが微妙に中途半端に感じられるのがネックになるかもしれません。

 ところで、(そもそも最初は誰がメインなのかもわからなかったのですが)覇気が感じられないことだけは伝わる美風@かかずゆみよりは、やる気全開な元気っ娘な彩雲@菊地志穂のほうが好みだったりします。

OPから意味なくみじゅぎ。なんですか、これは?美風@かかずゆみ以外がいいかも(w

03/01/09(THU)

■book【単行本・小説】 小川勝己「彼岸の奴隷」 角川書店 [bk1][amazon]

小川勝己「彼岸の奴隷」  小川勝己の横溝正史賞受賞後第1作。漫画「殺し屋1」、もしくは三池崇史監督作品(「DEAD OR ALIVE」とか)がそのまま小説になってると説明するのがいちばんわかりやすいかも…… という作品で、タイプの異なる刑事コンビを主人公としながらも、ひとりは暴力団幹部と癒着している元マル暴のアウトロー、もうひとりは人間的な感情が欠落したコミュニケーション不全のガンマニアだったりします。というか、加害者も被害者も追う側も追われる側もまともな人間がただのひとりも登場しません。

 ようするにこれはサム・ライミが「死霊のはらわた」において、残酷描写はある1点を越えれば笑いへと転ずるという理論をもって「スプラッタ・ホラー」なるジャンルを作り上げたのと同じで、クライム・ノヴェルにおける暗黒描写を極限まで増幅させると展開がひどく馬鹿馬鹿しいものに転ずるということを示した作品なのではと思います。いうなれば、「スプラッタ・ノワール」かな。(ちなみにいえば、この作品の英題である「Evil Ecstasy」は「死霊のはらわた」の原題である「Evil Dead」から取ったものかもしれません)

 やはり考えれば考えるほど前述の「殺し屋1」と感覚が共通しているところは多くて、ドライヴしていく残酷描写が行き着く先が傍から見れば非常に間抜けな幕切れを迎えるところや(ラストの銃撃戦前後の展開はイチと垣原の一騎打ちにも似たドタバタである)、改竄された記憶や妄想が各人の行動原理になっているあたりなど、挙げはじめればきりがないような気がします。

 これはあくまで想像ですが、小川勝己本人には暗黒小説やらノワールやらに対するこだわりはほとんどなくって、物語を構成するパーツを破綻ぎりぎりまで歪ませたうえで「スプラッタ・ノワール」として再構成してみせるという実験をやってみたかっただけなのではないでしょうか。第2章冒頭における世界一くだらない死体発見シーンなんかは「本気で書いてませんよ――!」という作者からのメッセージのようにも思えます。とんでもない展開が矢継ぎ早に起こって、ページを手繰る手が止まらない麻薬のような作品ではあるのですが、どうにも作り物っぽく、醒めた部分も同時に存在します。

 ジャンル批評を内包してみせるような作品の作りは殊能将之あたりとも近い感覚があるような気がするけど、殊能将之ほどは皮肉っぽくなくて、どこまで自覚的なのか判断ができない。本人的にはノリノリで直球投げてるつもりなのかもしれません。ヘンな人だなあ。

■book【単行本・小説】 有栖川有栖「双頭の悪魔」 創元推理文庫 [bk1][amazon]

有栖川有栖「双頭の悪魔」  前作「孤島パズル」(→感想)で描かれた事件の真相で心に深い傷を負いひとり旅に出たマリアを、彼女の両親から依頼を受けた英都大学推理小説研究会が連れ戻しに出かける。マリアが世話になっている芸術家たちのコミューン木更村と、アリスたちが宿を取った対岸の夏森村でそれぞれ殺人事件が発生する。おりしも暴風雨の影響による大水で橋が決壊、ふたつの村は互いに隔絶された空間と化す。木更村に取り残された江神・マリアコンビと夏森村のアリス・織田・望月の3人はそれぞれに捜査を開始するが……

 クイーンの国名シリーズが本当に好きなのだな…… という印象の作品で、木更村パート、夏森村パート、そして事件の全貌と、3回にもわたって読者への挑戦状が挿入されるという趣向もなかなか面白いと思います。ただ、ミステリとしてフェアであろうとするあまりか、登場人物紹介のところで詳細なデータがいきなり提示されたりと、小説としてみるには構成が淡白なのではという気もしました。ちょっとわかりやすすぎるのでは。

 すれ違いつづけるアリスとマリア、しかもその2人が恋人同士でもなんでもないあたりの見せ方はたいへんに上手くて、クローズド・サークルもの×2という構成をこのように物語の中で生かすとはなかなかの発明だと思います。有栖川有栖の個人的な印象は、パズラーとしての小説構成を青春小説のそれに転化させる名人、されどその本格観はちょっと相容れないものがある(法月綸太郎のほうが圧倒的に好み)というもので、この作品についても、たしかによい出来の作品ではあるのですが、ミステリとしてフェアであろうとするあまり、妙にあっさりとした作りになってしまってると感じました。内容とボリュームのバランスでいえば、前作「孤島パズル」のほうが好みかもしれません。

03/01/10(FRI)

■book【単行本・小説】 アントニイ・バークリー(訳:大澤晶)「最上階の殺人」 新樹社 [bk1][amazon]

アントニイ・バークリー(訳:大澤晶)「最上階の殺人」  マンション最上階のフラットにひとり暮らしていた老女が殺害された。室内は荒らされ、貯めこんでいたと噂の金品は根こそぎ奪われていた。スコットランドヤードは現場に残されていた痕跡からプロの物取りの仕業だと断定、その手口からただちに容疑者を絞込んでしまう。一方、モーズビー主任警部とともに事件現場へと出向いた作家ロジャー・シェリンガムは警察当局が見落としたいくつかの点について疑問を感じ、独自に捜査を開始するのだったが……

 マンション住人たちに対する聞き込みやアリバイ崩しなど、物語全編にわたってロジャーの事件捜査しか描かれていないにもかかわらず、事件自体にはさほど趣きが置かれていないのが奇妙なところで、必死で事件の推理をしながらも、なりゆきから衝動的に秘書として雇ってしまった被害者の姪、ステラのことが気になってしかたないロジャーの心情がさりげなくずっと描かれているのがポイントなのかも。美人ではあるもののセックスアピールが皆無なステラに対する自分自身の複雑な感情に無自覚のままに、事件のこと考えつつもステラにちょっかいかけたりするロジャーの行動はたいへんに微笑ましいです。

 また、論理的なようにみえて 「詩の朗読にたいへん感銘を受けたから」 とかそういう理由で容疑者を除外してしまうロジャーの捜査自体もかなりものすごくて、それに過剰な想像力の産物である妄想がくわわって、なんとも現実味に欠けた推理が展開されます。ステラに小馬鹿にされるのも頷けようというもの。

 比較的地味な展開の物語ながら、ミステリにおけるジャンル的装置としての括りから探偵という存在を逸脱させようという意志が感じられてなかなか刺激的でした。次は「試行錯誤」か「ジャンピング・ジェニィ」でも読んでみようかな。

○【ANIME】 MOUSE[マウス] 第1話「その名は“鼠”(マウス)」 (→公式

 同僚女教師3人組にいじめられてる冴えない非常勤美術講師の裏の顔は「この世に盗めないものなし!」な、怪盗マウスで、前述の3人を忠実な下僕にしてあんなことやこんなことをするというお話。あかほり原作の漫画とほぼ同額に安い。高くなりようもないけど……

 やけにコブシの回った桃井はるこのOP曲「マウス Chu マウス」もいい具合に安くて素晴らしい(誉めてます)のと、メイ@井上喜久子お姉ちゃんが熟れまくってるとか、乳担当の2人はともかく、尻担当の葉月@中原麻衣はヤバすぎる! とかいろいろ考えた。それは嘘です、すみません。アルコールか何かで脳が死にかけてる時にBGVとして流しておくとめでたくていいかも。眼鏡乳担当の弥生@福井裕佳梨はなんだか怖いかも…… ヴォコーダーボイスが印象的なED曲も悪くないかも(こっちもモモーイ)。期待すべき要素がまるでないので逆に安心して観られます(w

わかりやすく激安エロアニメ

○【ANIME】らいむいろ戦奇譚 第1話「戦艦の中の女学校」 (→公式

 ワーオ! 激・衝撃! それにしても安かった―― 「G-on らいだーす」の悲劇ふたたび、という感じでしょうか。ちなみに、こっちもあかほり。
 時は日露戦争の最中、戦艦の中に女学校があって、全員が全員頭の痛い子だった! そして、僕は途方にくれた、というお話。狂人のパンチラでも萌えるのか〜 ま、わかりやすく「エロゲ大戦」なんですが、それにしても安いなあ、オイ…… どうやら、木綿くんのパンチラ解禁回だったようですな。からくり人形スタンドみたいなの操って戦ってましたよ。うーむ……

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