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03/02/02(SUN)
【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第19話「リオンネッターの悪夢」 (→公式)
「俺は人じゃない…… お前らと同じ、ケモノだ……」
ケナガゾウ狩りに赴いた雪原の中で独り言呟くゲインさん。「アホですか、あなたは!」 と思ってたら、ポストモダンとは別の意味での「ケモノ化(野生化)」がエピソード主題としてきちんと使われていて驚き。まったく、ソツのない出来であります。
ゲイナー君決死の告白もすっかりほとぼりが冷めてしまったようで、いちどはラブで結ばれたヤーパンとガンガランのピープル間に再び確執が生じる。 「ケナガゾウだって、意外なんてもんじゃなくって、美味いんだゾウ! にへ♥」 アデット隊長のあんまりな駄洒落センスによって火に油が注がれる。(もっともだ) その暴動の背後にはシベ鉄による陰謀の影が見え隠れして……
かつて失敗に終わったエクソダスにおけるゲインの相棒エリアルの不意の来訪、ゲインの新オーバーマン・エスペランザの登場、姑息な作戦引っさげてまたも登場のカシマル部長最後のはっちゃけ大暴れからニセ王冠ゲイナーの出現まで、見どころは限りなく多い。 「なんて、密度が高い作品なんだ!」 と心の底から感心します。いやあ、本当に素晴らしい。
巨大ナメクジや巨大蛙の幻影に怯え悶えるアデット姐さんサラ嬢なんかのコミカル演出と、エクソダスの悪夢から逃げられないでいるゲインそしてエリアルの心の叫びに代表されるシリアス演出、演出における統一感はまったくないのですが、荒唐無稽で混沌としたその雰囲気がどうしようもなくカッコよいものとして昇華されているというこの奇跡、いや、本当にスゴいと思ってます。珍しくクローズアップされてたチビっ子メカニックのコナ嬢やら、行き場がどんどん失われていきそうでちょっと不安なジャボリ嬢まで、脇を固めるキャラにしてもたいへん魅力的であります。ゲインの旧友エリアルさんもカッコ悪くて心底カッコよかったですよ。パワー充電完了したのか(スタッフの)、シンシア嬢とのリアル対面+ドミネーターとの再戦があるらしい次週にも大期待! であります。



【ANIME】 魔法遣いに大切なこと 第4話「夏の夜と魔法遣い」 (→公式)
だめだ、この作品の魅力にもう、メロメロですよ……
マジ? そんなこと誰が望んだの? 先生? 江戸っ子ツインテール? ユメたん? 存在感まるでない残りの約1名? 小山田師匠? それとも視聴者? と思ってしまうブットビ展開に超驚愕〜 精一杯やっても迷惑なことは迷惑だろ! 仮にも教育者の端くれならこの娘の暴走を止めろ! と思ったりしますが、いやあ、とにかくスゴいです……
退任間近な担任教師に月食を観測させてあげたい、ってとこからまずわからないのですが(べつに次の機会でいいんじゃないのか?)、しかもまたなんでこんなトンデモ展開に…… いい感じのBGM流せばそれでオッケーなわけがない気がしますね。常識的なストーリー展開をことごとくハズす無軌道っぷりには驚きを禁じ得ません。今回の件で無期懲役とかになっても誇りを持って服役するんだろうな! ユメたん! とかツッコミ入れたくて入れたくてしかたがない。これは本当にいいお話なのだろうか……!? 「おら、魔法なんていらね」 YOU! 第1話から依存しまくりじゃないかYO! 思わせぶりな小山田師匠の行動にしても、いかにも怪しげな「局長」なる新キャラにしても、「でも、どうせ何も考えてないんだろうな……」と達観の心持ちであります。江戸っ子ツインテールなる設定をこの世の誰が喜ぶというのか…… 心底どうでもいいこんな物語を国際問題レベルにまで発展させてしまうそのブットびっぷりは真似しようと思ってもなかなかできません。 「自分の責任で魔法を遣いました。誇りをもって自分の出来る魔法を精一杯遣いました」 ユメたん得意の自己正当化台詞に脳みそクラクラ、大ショック! もう、誰も愛せない! アホ毛で宇宙電波を受信しろ! 矛盾と破綻のタペストリーですね。来週もぜったいみます。

03/02/04(TUE)
【ANIME】 ストラトス・フォー #05 「GO AROUND」 (→公式)
スケジュール的な意味やら何やらでまあ必要なんでしょうね…… という感じのエピソードつなぎ回。
前回しでかした大ポカの代償として沖縄本島で行われる査問委員会への召集を受ける美風さん、というストーリーで、一方的な戦犯尋問になるかと思いきや、委員会の連中には別の思惑がありそうで、事実をべつの方向に捻じ曲げようという意図の感じられるねちねちといやらしい展開になる。宇宙をめざす若人がそれとは別次元の大人の事情とやらに翻弄されるというあたりもまた王道という気もするけれど、映像で出てきた事態のそれなりな深刻さ考慮に入れると「やはり娘さんだけにまかせるのはどうなんだろう?」という当たり前の疑問も心に浮かんできたりする。むつかしいですね。
査問委員会の興味がどこにあるのかを明確に示さないままに天の助け的な力で事態を強引に集結させてみたりとか、勤務地も役目もちがうのだから敵対する理由もとくに生じないだろうコメットブラスターさんたちの性格設定をあんなふうにしてしまうのも演出的にちょっとちぐはぐな印象を受けます。死ぬほどわかりやすいお話にしたいんじゃないのかなあ。
【ANIME】らいむいろ戦奇譚 第5話「もう一つの故郷」 (→公式)
木綿くん成長回。やはり激安な作りではあるんですけど、それでも見られないことはないのは、低いレベルで材料の味に統一感があるからでしょうね。「美味しんぼ」のハンバーガー回をちょっとだけ思い出しました。「高台からの眺めならば天乃原からいつも普通に見えるものなんじゃないのか?」とも思いますが(ふだんは雲の上なんだろうけど)、そこらへんあんまり考えてもしかたないかなあ。
木綿くんのキャラ造形はじつはわりかし現代的で(現代の物語じゃないんだけど)、駅前でスカウトされてなんとなくAV出演(それも企画物とか)にハマってくタイプの娘さんなんだと思います。らいむ隊全員きわめてウザいうえに妙な部分でリアルだったりして困ります。これって、萌えるための性格設定じゃぜんぜんないような……
【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第35話「予知三昧菖蒲酒」 / 第36話「ふるふるプディング」 (→公式)
・ 第35話「予知三昧菖蒲酒」 →ストーリー紹介
蘭花さんショタ眼鏡の占いオカルトデジタル対決の巻。
エンジェル隊のみなさんに対する愛情がまったくもって足りてないのでガラクシファン的にはあんまり嬉しくないエピソードですね。SF的なオチをつけること自体はべつに問題ないと思うのですが、各キャラに対する表層的理解とか、肝心のオチが笑いをスポイルしてしまってるという物語構造上の問題から「うーむ……」という印象でした。
・ 第36話「ふるふるプディング」 →ストーリー紹介
えーと、どんな話でしたっけ……!? それにしてもメアリー少佐は使いどころがむつかしい。いっそのこと彼女ひとりだけ出演のエピソードとか用意したほうがいいんじゃないのかな。
03/02/05(WED)
【単行本・小説】 アーヴィン・ウェルシュ(訳:渡辺佐智江)「フィルス」 アーティストハウス [bk1][amazon]
究極の鬼畜警官小説。買ってあったものの長らく積読だったのを手にとってみた。読んでみた。素晴らしい!
「ブルース・ロバートソン、こっちにいらっしゃい」と彼女が命令する。
この淫売は、的確な表情、声の高さ、調子を披露する。メイジーが見事に指導したんだ。おれたちは強引に従わせる。おれたち? おれだ。おれ。「はい、先生」とつぶやく。
「あなたは面汚しよ、ロバートソン。この地球を歩いたなかで、最も陰険で、邪悪で、卑しい、取るに足りない人間の糞よ……」
「そうかもしんないです」とおれたちは同意。おれたちは面汚し。おれたちみんな。
小便もらす。熱い小便が太ももをたらたら流れ落ち、湿疹がひりひりする。
「……それなのに、矛盾しているけど、わたしをこんなにも性的に張りつめた興奮状態にする子はいないわ……… あなたが教室に入ってくると、ヴァギナのびらびらが震えて広がるのよロバートソン……」とあえぐ。すげー。(P270)
こんなのがえんえん500ページ弱続きます。(これでもけっこうマシな部分、とほほほ……)
主人公のスコットランド人刑事ブルース・ロバートソンは股間と肛門に湿疹を抱え、腸にはサナダムシ飼ってる不潔中年、かつ、女性差別・同性愛者差別・人種差別主義者で、趣味は職権乱用の範疇を超越した犯罪行為に同僚・友人を陥れるための裏工作、コカイン・アルコール・安カレー中毒で女とみればイレチンしたがる(この単語……)究極の変態鬼畜警官。管轄で起きた黒人ジャーナリスト殴殺事件を担当することになったブルースだったが…… とはいうものの、主人公であるブルースの鬼畜っぷりがえんえんと続き、事件捜査ほったらかしに、対同僚のトラップ設置と職権悪用した甘い汁吸いに尽力してたりするので始末に終えません。
国内作家でいうならば「彼岸の奴隷」(→感想)あたりの小川勝己、登場する犯罪がすべて激安という点では戸梶圭太、スピードと混沌が同居した文体という点では舞城王太郎あたりでしょうか。まあ、現代的センスとブラック・ユーモア混じりの安ノワール、と評するのがわかりやすいかもしれません。
しかし、そんな物語をただ不愉快なだけのものに終わらせないのがアーヴィン・ウェルシュらしいところで、「またキャロル?」(P416)からはじめる、熱に浮かされたような文体で綴られたどうしようもなくやるせなく切ない展開はこの人独自の味わいでしょう。どう考えても共感できない主人公の一人称描写でこんなふうに書けてしまうのは正直、すごいです。読んでて久しぶりに震えが来ました。(クライマックスに向けての伏線、意外にきっちり張ってあったりするのだ、これが。)
以前、掲示板にて、『死ぬほどいい女』→『マラボゥストーク』、『ポップ1280』→『フィルス』と対応しているような気もする との指摘をOK’s Book Case のOKさんより受けたのだけれど、それはたしかに言えている気がして、たとえば普段は馬鹿を装っている(女、クスリ、サッカー、クロスワードの話題しかない)主人公がときおり妙に哲学的な考察をしたり、無法の限りを尽くすのかと思えば躊躇なく人命救助する二面性などは「ポップ1280」(→感想)の主人公である保安官ニックの行動につながるところがあります。また、損得勘定関係無しに周囲の人物に仇なそうとする悪意のだだ漏れっぷりや、そんな物語が思いもよらなかった地平に向かっていき、驚愕のラストを迎えるあたりも共通しています。ひょっとしたら、現代版「ポップ1280」を書こうとして生まれた作品なのかも。
この人の作品の特徴として、登場人物の内面を描くにあたって奇妙な工夫を凝らすというのがあるのですが、妄想アフリカ旅行使った「マラボゥストーク」(→感想)、主人公の人気作家が書いているハーレクインロマンスっぽい小説の内容がだんだん歪なポルノに変貌していく「ロレイン、リヴィングストンへ行く」(→感想)に続き、今回は主人公の腸内に巣食うサナダムシの内省ひとり(?)語りが地の文の上を横断していくという破格の手法が用いられています。サナダムシが語ってる下に書いてあることは読めません。こういうアホなことを実験意識とかそういうんじゃなく(たぶん)単なるサーヴィス精神でやってしまうところもこの人の魅力だと思います。結果、どうしても安くなるところがポイント。
03/02/07(FRI)
【単行本・小説】 若竹七海「スクランブル」 集英社文庫 [bk1][amazon]
積読になってる若竹七海作品をすこしずつ読んでいこう計画第1弾。これはものすごく面白かったですね。
名門女子高校のシャワールームでひとりの少女が殺された。
事件は解決しないままに時間は経過して、文芸部員6人はのどに魚の小骨が刺さったようなすっきりとしない日々を過ごし、15年の時が過ぎる。仲間の結婚披露宴でひさびさの再会を果たしたひとりの頭の中に事件の記憶が甦る。断片は組み合わさって、そして、迷宮入りした事件の真相も、犯人の名前も、すべてが判明する。犯人は、金屏風の前に座っていた。
未解決の少女殺害事件を内包した、ちょっと居心地悪そうな学園生活の回想に、現在目の前でとりおこなわれている結婚披露宴の状況が挿入されるという構成をとった作品で、各章ごとに視点人物を切り替えることによって、お嬢様学校のどこか閉塞した毎日を立体的に見せるという工夫が凝らされている。なかなか上手いです。また、主人公たちのほとんどを「アウター」と呼ばれる高校編入組にすることで、どこか浮世離れしている学園内部の状況に対して醒めた視点を与えているのも巧みな設定だと感じました。
謎解きに必要な要素が最初に与えられるわけではないため、犯人当てという感じの作品ではありません。誰が犯人なのかどころか、誰が探偵役になるのかすら書けないため、かなりあやふやな紹介になってしまうのが心苦しいですが、しいていうならば、17歳の少女がみる世界と、15年の時が過ぎ、かつての少女となった主人公たちの世界の見えかたのちがいに関する物語かなあ。杉田比呂美による表紙イラストも雰囲気ぴったりでとてもよいです。
「実はあたし……。『ドグラ・マグラ』読んだんだ」
全員が机につっぷした。
濃い口の本ばかり読んでは熱に浮かされたように呆けてみる文芸部部長宇佐(ラビ)さんのキャラがええですね。ラスト近くにはちょっとしたサプライズもあるし。ちょっと前に読んだミステリの内容にもろ影響受けた推理をにわか探偵役が披露して、新事実発覚によって瞬間否定されるあたりのお約束(?)ギャグも面白いです。ちょっとバークリーっぽい。
03/02/08(SAT)
【単行本・小説】 古橋秀之「
古橋秀之、電撃文庫としては2年ぶりの新作。電撃hpでちょこちょこ書いてるから、こちらもそのうちまとまるだろう「タツモリ家の食卓」シリーズ(→感想)ではなくて、新シリーズ、「IX」と書いて、ラテン語の「9」、「ノウェム」と読みます。
「ブライトライツ・ホーリーランド」(→感想)があんなふうに終わって、「今度は東方編があるんじゃないか……」と思ってたら、こんなふうにはじまったのでした。
あとがきにも、「んで、えー、今回は”武侠”小説っぽい感じで」 とあるように、架空の中華世界を舞台に”剄力”と呼ばれる超能力を自在に操る達人たちが丁丁発止とチャンバラ繰りひろげるお話で、内なる野生の力をもてあまし爆発寸前の少年がいて、何かに引かれあうように少年と巡り会う運命の少女がいて(どこにいるんだ? とか最初は思う)、容貌魁偉にして豪胆無類、かつ冷酷非情な狂気の敵キャラが登場して……というひどく正しい冒険アクション小説で、雰囲気としては、現在上映中の映画「アウトライブ」あたりの雰囲気に近いかもしれません。
魅力的なキャラたちのひとりひとりに見せ場が用意されていて、主人公のふたりには淡くて甘酸っぱい展開があって、さらには小説的なサプライズもあったりして、とても200ページ強の作品とは思えません。ストーリーにまるで無駄がなくて、ぎりぎりまで最適化された物語だと思います。この人は本当に巧い小説を書くな――といつも思います。
しいてあげるならば、少年少女コンビが主人公で強烈な敵が登場して、と構成が比較的似ている過去作「ブラッドジャケット」(→感想)ラストにおける幻想味をおびたような狂騒的な描写はなりをひそめ、すべてがすっきりしすぎているように感じられるのが弱点といえば弱点かも。これで続刊がどんどん出るのならば安心なのですが……出るんでしょうか? ちょっとだけ心配です。いや、本当に。
そういえば、古橋秀之がハマったという武侠小説作家、金庸の作品について紹介しているページを発見しました。(→金庸の武侠小説)
03/02/09(SUN)
「アカルイミライ、オイラミイルカア?」
渋谷はシネアミューズにて映画「アカルイミライ」(監督:黒沢清)観てきました。
徹底したディスコミュニケーションの光景が、厳しい現実の隣のようなリアルな描写とギャグすれすれのほとんどありえない描写の間で揺らぎながら映像として収められていて、えーと、まあ、ほとんどの方ご想像のとおりかと思われますが、ちっとも明るくなさそうな未来を予見させるような作品でありました。
自分が何やってるのか時々わからなくなるおしぼり工場労働者、雄二を演ずるオダギリ・ジョーと、彼の上位存在となる同僚の守を演ずる浅野忠信、離婚した守の父親で、家電のリサイクルセンターを営む真一郎演ずる藤竜也、この3人の役者の存在感がものすごかったですね。
見ていてこちらがはらはらしてしまうほどに不安定なオダギリ・ジョーにしても、善も悪も超越したところで不敵に微笑んでいるように見えて、でも、感情のほころびからは時折高密度の狂気が噴出して、という怪物キャラ演じた浅野忠信にしても、差し伸べた手のすべては空振って、外見上は飄々として、でも内面には鬱屈とした抑圧された自我を抱え込んで、という哀切に満ちた中年役を演じた藤竜也にしても、見ている人間の不安をかきたてるような凄まじいレベルの好演だと思いました。ぜんぜん悪い人間じゃないのに、あんなにアレなおしぼり工場社長もすごかったですね。いやあ、嫌なものをみました。
序盤30分のストーリー展開を書くだけで致命的なネタバレになりかねないんで、詳しいことは何も書けないに等しいです。そもそも公式ページのストーリー紹介だって実際の内容とぜんぜんちがう。これ書いた人、本当に困ったんだろうな……と推察されます。
人を殺せる猛毒を有するアカクラゲを部屋の水槽で飼う守・雄二も、クソみたいな仕事だと思いながらもリサイクルショップの仕事を続けざるをえない真一郎にしても、底無しの絶望の先にあるもののメタファーとして彼ら3人が描かれていて、共感どころではない結びつきがあったはずの守と雄二にしても、両者の間には壁があらわれたりする。真一郎の車を真正面から捉えたカットにしても、運転席と助手席の間に真っ黒なスペースが意図的に挿入されていたりする。世代的だったり、そもそも個だったり、ここまで徹底的な断絶をビジュアルでは見せながら、シナリオとしては何かの結びつきが存在するような演出がなされる。さまざまな矛盾がそのままメッセージとして成立している、そういう種類の作品だと感じました。
パンフレットの黒沢清インタビュー読んだのですが、物語としての据わりの良さを極力排除しようとしてああいうラストにしたようですね。まさか、彼らを使ってこの物語の幕を引こうとは誰も想像しえないはず。
客観的にみればわけわかんないカットばかりなのに、これほどまでに心に堪える映画もなかなかないですね。すごい作品だと思います。
・ 蓮實重彦の「アカルイミライ」評 かなりネタバレしてるので注意、というかほとんどあらすじ書いてるだけの文章のような……
03/02/10(MON)
【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第20話「カテズで勝てず」 (→公式)
む・む・む・む。ゲイナー・サラコンビと、シンシア・レーンの初遭遇(ネットゲームでとか、シンシアサイドから一方的に観察とか、そういうのはあったけど)、そして自在変形型オーバーマン・ドミネーターとキングゲイナーとの再戦という物語の山になりそうなエピソードでありながらも、脚本、作画ともに若干低調かも。ドミネーターの動きについても第14話からのバンク+新カット構成にてなんとかやりくり頑張ってました。
特に、いままでさんざん好き放題暴れておきながら、自分の行動の結果を眼前に突きつけられたくらいで激しく凹んでみせるシンシアさんの覚悟の足りなさっぷりはちょっと意外でしたね。母親もオーバーマンで戦死してるはずなのになあ。まるでザッキたんのことは記憶消去したかのようにあっさりシベリア鉄道に鞍替えしてみせたアスハム兄さんの厚顔っぷりもくわえ、敵側に一本筋が通った悪役が必要ではないかと思われました。男一匹ヤッサバさんの不在がもったいない……といまさらながら思ったりします。 「大人だからやれんだろう!!」(第1話:アデット姐さん) みたいな名台詞吐く敵キャラはやっぱり必要かな。
ケジナン、エンゲの三下コンビがモップやカッポン手にしたまま追跡を続けるあたりの細かいギャグは好き。なんだかんだいってこいつらが死んだらけっこう哀しいかもしれません。そういえば、「オーバーマンって何?」 みたいな根源的な疑問にはっきりした解答示さないままここまできてるんだよなあ……と気づいてちょっと驚愕。 「オーバーデビルの眷族」 機械であるはずのオーバーマンに眷族関係が成立するというのは、いったいどういうことなんでしょうか? 「忍法カラテ」ってのもよくわからない。


【ANIME】 魔法遣いに大切なこと 第5話「エプロンとシャンパン」 (→公式)
うーむ。ブッ飛び魔法で〆という展開がないとこうなっちゃうんだよなあ…… と感じてしまう、普通なエピソードでした。たしかに、そこはかとない違和感、唐突感を覚えるシナリオではあるんですが、盛大なツッコミがネタとして機能するほどにはハジけてはいない。下手に感想書くとレビュワーの性格の悪さのほうが逆に露呈してしまいそうで、こちらとしてはちょっと困りますね(w
前回、生身で月世界旅行回(→感想)から登場の江戸っ子ツインテール(瑠奈)が 「奉公に出ます」 と書置き残して家出、ヒステリックなママンとユメたんが魔法使わず、瑠奈たん見つけてメデタシメデタシというエピソードなんですが、これまでの回すべてが、魔法を遣わないほうがいい終わりかたできた / 魔法の遣いかたに著しい問題があった話しかなかったので、「いまさらこう結論づけられてもなあ……」 と戸惑います。その、いちばん肝心な点を躊躇なくひっくり返してしまうのか……
また、 「エプロンとシャンパン」 なるサブタイトルが示しているように、この話の視点中心は、「おっかさん」 とかいう得体の知れないフレーズで呼ばれてみたり、いかにも胡散臭いサルサ・バーに出入りしはじめたりと(家に連絡入れさせるなり、小山田師匠も配慮してやればいいのに……)、自分の娘が理解不能な存在になりかけていて、感情的にいささか不安定になっている瑠奈たんママンにあるのです。
だから、 「たとえ親として当たり前のことであっても、やっぱり誰かに誉めてもらいたい!」 という、いささか唐突にも思えるシャンパンでの乾杯シーンで象徴される主張こそがこの脚本の主題であり、瑠奈たんとの親子仲がどうなったとかは単なる結果報告にすぎないんだと思います。(瑠奈:落語 → 映画、ママン:クッキー → おはぎ と双方の歩み寄りが描かれてる点は評価できます) 結局最後まで父親が登場しなかったという事実を考慮するに、家族の問題を描こうとしたわけではないのでしょう。 「もっと、私を誉めてよ!」 ある意味シンジくん的なのかも。


【単行本・漫画】 原作:山田典枝 作画:よしづきくみち 「魔法遣いに大切なこと Someday’s dreamers」1巻 ドラゴンコミックス [bk1][amazon]
えっと、いまごろ読みました。
漫画版に関してはきちんと成立していると思います。(うわあ、なんてえらそうな物言い) アニメに関していえば、やはり魔法局の取り扱いでどこかちぐはぐな演出になってしまってるのだと感じますね。設定自体はありえない、でもなんとなくよさそうな雰囲気の作品、という点ではちょうど掲載誌も同じな(そういえば、電撃大王誌でした、まちがえた――)「ココロ図書館」あたりの匙加減でやるべきだったかもしれません。
善之助のエピソードについても、善之助自身きちんと心情吐露していて、ユメが勝手に彼の心を覗いた、みたいな演出がなされているアニメ版よりもモラル的な配慮がなされてますし、「有名になりたい!」女のエピソードにしても、リアルティが希薄なぶん決定的な違和感は生じていません。無から札束作れるユメが小山田の宝くじ当選魔法(実際はちがう)に驚くなど、いまいちよくわかんない点はあるんですが、それはささいなことでしょう。違法魔法で魔法局タイーホにユメたんが怯える描写があるのも○。月世界酒盛りエピソードについても、 「……そう……これが……私の……本当の……願い……!」 (……多いぞ! そんなこと願うな!) みたいな台詞がきちんと挿入されててソツがありません。第1巻のラストを飾る婆さん若返り魔法エピソードについてですが、たしかに、「これは、自殺幇助かな?」 と思えなくもありません。ただ、それが依頼人の願いであれば、手を汚すのも仕事のうちやで! みたいな、ある意味「カバチタレ!」的ビジネスの厳しさをユメたんに叩き込むためのお話なのでは、と思うことはできます。しかし、いかんせん唐突にすぎないか? という気はしますが。
これ読んだうえで考えるに、エピソード内で端折っちゃいけない台詞・描写がアニメ版ではあまねくカットされてるような気が…… なぜなんでしょうか。
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