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03/03/11(TUE)
【単行本・小説】 西澤保彦「リドル・ロマンス」 集英社 [bk1][amazon]
依頼人の願いをかなえるという、”ハーレクイン”と名のる衆目美麗な男を狂言回しに据えた連作短編シリーズで、「小説すばる」誌掲載の8短編「トランス・ウーマン」、「イリュージョン・レイディ」、「マティエリアル・ガール」、「イマジナリィ・ブライド」、「アモルファシス・ドーター」、「クロッシング・ミストレス」、「スーサイダル・シスター」、「アウト・オブ・ウーマン」に加え、「―――解説に替えて あるいは西澤さんごめんなさい」と添えられた、篠田真由美による贋作(?)「murderous authoress」を収録した1冊。
探偵役の名前が「ハーレクイン」、作品名が「リドル・ロマンス」もしくは「迷宮浪漫」ということで、驚くなかれ、西澤保彦としてはたいへん珍しい「癒しの物語」となっています。しかも多くの場合、悩みを抱えた女性依頼者が、心の内側にある真実、自身の抱える問題の真の解答を与えられることで、心の安らぎを与えられるという内容で、まさに西澤流ハーレクイン・ロマンスと呼んでもいいような作品なのです。
謎の男が依頼者の願望をかなえるというまるで「笑うせぇるすまん」みたいな設定を使って、これまでの西澤作品にはみられないほどに後味が爽やかなお話に仕上げているところがポイントで、たとえばチョーモンイン(神麻嗣子)シリーズみたく、人間の秘められた悪意が露になって終わる、みたいな〆にはなっていません。まったく、なんて天邪鬼な人なのでしょうか!
ただ、安心して読める半面、西澤作品に特有の強烈に後を引く嫌〜な読後感もまたないので、そこにハマっているような中毒患者には物足りない部分があるかもしれません。登場人物全員、珍名揃いというのは相変わらずですが。喪黒福造みたくハーレクインをあくまで謎の存在にとどめることで様々な手続き省略を行ってるあたりはうまいです。枚数節約テクニックですね。
どれも安定した出来ですが、しいていうならば「イマジナリィ・ブライド」、「クロッシング・ミストレス」、「スーサイダル・シスター」、「アクト・オブ・ウーマン」あたりがいいかな。解説を兼ねた篠田真由美の贋作(?)についてはいちばん最後に読むのがいいと思われます。
【単行本・小説】 西澤保彦「複製症候群」 講談社文庫 [bk1][amazon]
文庫落ちした時に買おうかどうか迷った挙句、あまりの装丁の酷さに棚に戻した1冊。色センスもフォント選択もすべてダメ、という印象です。しかたないから買いました。SF本格に分類されるだろう西澤作品はこれでコンプリートかな。
触れた生物をそのままコピーしてしまう七色の円筒<ストロー>内部に高校生たちが閉じ込められ、そして極限状態の中、連続殺人が発生する、というお話で、「人格転移の殺人」(→感想)のような頭の体操的パズラーなのかと予想していたら、ずいぶんちがいました。自分とまったく区別がつかない、同一なアイデンティティを有した存在が生まれてしまうという悪夢状況の中に登場人物を放り込みたいがために、<ストロー>なるSFギミックを用意した西澤流(=正確悪)青春小説ともよべそうな味わいの作品であります。読後感としては神林長平の作品と近いものがあるかも。
推理するには材料が足りていないような気がしますが、ラストの展開を予測するのは可能でしょう。それにしても西澤保彦、鬱屈した精神を抱えたり、呪縛に囚われたりした若者(もしくは大人になれない大人)の心情を描かせたら天下一品ですね。
ちなみに、講談社ノベルス刊のSF本格ランキング(神麻嗣子シリーズ除く)としては、「七回死んだ男」=「人格転移の殺人」>「完全無欠の名探偵」=「瞬間移動死体」=「複製症候群」=「殺意が集う夜」=「解体諸因」>「死者は黄泉が得る」かなあ。
「完全無欠の名探偵」、「殺意が集う夜」の個人的評価がちょっと高めになってるのかもしれません。
【単行本・小説】 米沢穂信「愚者のエンドロール」 角川スニーカー文庫 [bk1][amazon]
すべてにおいて地味だけれど、そこがよい、という感じでしょうか。
夏休みも残り1週間となった8月のある日、活動不明団体「古典部」部長、不思議テンポのお嬢様キャラである千反田えるが言った。 「ところで、みなさん、これから予定はありますか」 千反田とは正反対で向こう気の強い伊原摩耶花、ホームズマニアの福部里志(ホームジストって、シャーロキアンとどうちがうのだろう?)、そして語り手であり探偵役でもあるぼく折木奉太郎の3人は千反田に誘われるままに視聴覚教室である映画を観ることになった。それは2年F組が文化祭展示用に作ったもので、その映画のラストはひとりの少年が密室と目される状況の中、腕を切り落とされて横たわっているというシーンで終わっていた。そしてそのまま。すべての結末を明らかにしないまま、心労で倒れた脚本家にかわって、尻切れトンボで終わったミステリ映画の結末探しに乗り出すことになった「古典部」メンバーであったが……
失われた映画の結末を解き明かすという、我孫子武丸「探偵映画」と同趣向の作品で、しかし、撮影陣の誰も事件の真相を知らないまま撮られた映像をヒントに結末を予想しろというのは推理材料的にはちょっとあやふやにすぎるような気がしないでもありません。だいたいこの映画、ミステリ作品といいながら探偵役が決まってないって、それはサスペンスやホラー含めた広義のミステリと呼んでもまるで問題ないような気が…… この作品の中で推理可能かどうかというよりは、それを聞いた上で依頼を受ける気になるか、という問題ですね。登場人物たちに推理合戦をさせるような作りになっているわりには中心となる謎のピントがいまいち合っていない気がして、ラストの展開を考えるとそれは必然なのですが、どうも釈然としない部分は残ります。うーん。
平凡な人間の心の闇を暴き立てることで、ともすれば何人も人が死ぬ作品よりも後味が悪くなる日常推理を題材にして、ほどよく抑制の効いた筆致で爽やかな後味の物語を書くということについては評価できるのですが、ミステリとしては若干の弱さを感じます。「毒入りチョコレート事件」やりたい人、多いんだなあ……
そういえば 「WHY DIDN'T SHE ASK EBA?」 という英題が伏線として機能しているのはなかなか洒落ていると思いました。読んでる最中、ずっと疑問でしたよ。
【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第39話「なかなかオチない中オチ」 / 第40話「ふるふるプディング」 (→公式)
はげしくサボっていたので、ここらへんで挽回しておきたい。
・ 第39話「なかなかオチない中オチ」 →ストーリー紹介
この話はなかなかきれいにオチていると個人的には思うのだけれどな…… 教育係として派遣されてきたハリー大佐のあまりの完璧っぷりに人格崩壊を起こしそうなエンジェル隊面々がなんとか彼の欠点を探し出そうとやっきになるお話。柔道の訓練なのに刃物を持ち出すウォルコット中佐の非道っぷり(ハリー大佐が殉職したとて自分が昇進するわけでもあるまいに……)、突如展開するや○い的シチュエーションに興味シンシン耳ピクピクさせるミントさん、世にも珍しい頬染めフォルテさんカットなどがポイントかも。ハリー大佐のCVは山寺宏一なんで、ヴァニラ&ノーマッドのかないみかと夫婦共演というわけですね。ハリー大佐の奥さん役もやればよかったのに。ところで、そんなヴァニラさんのラストの台詞は何を示しているのか? と勘ぐってみたりします。爆破したのは彼女かな? ちょっとホラーな〆も悪くない出来。個人的な感覚では、これは投げっぱなしではないですね。
・ 第40話「直送岩おこしの詰め合わせ」 →ストーリー紹介
こっちのゲストキャラ、惑星破壊男モリヲのCVは若本規夫。特A級犯罪者であり惑星キヌサヤをたった1人で壊滅させたと噂される惑星破壊男モリヲの護送任務を受けたフォルテとマリブの2人であったが……というお話で、ロードムービー風のちょっと変わった展開ながらラストのオチだけは何回みてもわからない。いったいどういうことなんだろうか? 困ったものであります。
【ANIME】 第3期ギャラクシーエンジェル 第41話「魔法のつぼ焼き」 / 第42話「極寒のホットホットドッグ」 (→公式)
・ 第41話「魔法のつぼ焼き」 →ストーリー紹介
「3つの願い」エンジェル隊バージョンともいえるお話で、ハクション大魔王の壺みたいなのが願いを叶えてくれる本物の魔法の壺で、ミルフィーユさんのおこぼれをいただくべく、黒ガラクシの3人がへーこらしまくる。奥さんの鼻にソーセージつけて取って、という展開をとんでもないものに変えたところが素晴らしい。日曜の朝っぱらからスプラッタなミルフィーユさんも、ひそかに造形能力ばつぐんだったヴァニラさんもいい感じ。デフォルメキャラにころころ変わるエンジェル隊メンバーの描き方も悪くないし、全体的に高位安定な出来の回だと思われます。ただ、投げっぱなしのオチについてノーマッドに言いわけさせるあたりは自分の芸の説明する芸人みたく、ちょっといただけないと感じます。えーと、なんとか落とせなかったものでしょうか?
・ 第42話「極寒のホットホットドッグ」 →ストーリー紹介
戦争で負った心の傷から極寒の惑星にひきこもり続ける軍人を救出に向かうミルフィーユさんのシリアスストーリー。冬山仕様のミルフィーユさんの格好がたいへん可愛らしい。犬の足スタンプに押した帰還命令書が「Go Home! Mr.Battler」以外ぜんぶローマ字なのも可愛らしい。しかしながらラストの展開にいまいち説得力がないような。なんとなく良さげに〆てしまったような気がします。
03/03/12(WED)
【単行本・小説】 牧野修「ファントム・ケーブル」 角川ホラー文庫 [bk1][amazon]
第2短編集。さまざまな媒体で発表された短編に書き下ろし1作を加えて1冊にまとめたもので、「ファントム・ケーブル」、「ドキュメント・ロード」、「ファイヤーマン」、「怪物癖」、「スキンダンスの階梯」、「幻影錠」、「ヨブ式」、「死せるヨセクを糧にして」の8作品を収録。
そもそも伏線張ってどうのこうのといったミステリ的手続き踏んだ物語を書こうとはまったく思わない人なので、ホラー風味の短編ばかり集めるとどうしても味わいが似通ってきてしまう気がします。内容的には決して悪くないんですが、この本にまとめられている短編群は牧野修という作家のあくまで一側面にすぎないので「これ以外にもあるんだぜ!」といいたくなってしまう部分はありますね。異形コレクション掲載のホラー短編とSFマガジン掲載のそれよりもちょっと自由な短編がバランスよく収められた第1短編集「忌まわしい匣」のほうが牧野修初心者向けかもしれません。SFマガジン掲載の「月世界小説」、「探偵/物語」、「バロックあるいはシアワセの国」、「SFバカ本」掲載のとぼけた言語実験SF、「2001」掲載の「逃げゆく物語の話」あたりのどれかをバランスよく収めればよいアクセントとして生きた気がしますが、版権の問題やらでむつかしかったのでしょうか。収録作品のどれも水準以上の出来ではあるのですが、ちょっと一本調子な印象を受けるかも。
「怪物癖」は、比較的短めながら最も幻想性が高い作品だと思われます。ただ、苛められっ子少女の妄想が現実を侵犯するという内容が「ファイヤーマン」とかぶっていて、しかも続いて並んでる。この構成はなんとかならなかったのかな――という気はしてしまいます。逆ナンAVの撮影旅行をロード・ホラー小説に仕立てた「ドキュメント・ロード」は前半部分の尺をぎりぎりまで長くしたほうが効果的だったかも、と思いました。ひょっとすると、タイトルがシャレなのかもしれない「幻影錠」は「ラジオライフ」誌掲載作品らしく、ピッキングを題材にした幻想ホラー小説。不注意から大切な存在を死へと追いやってしまった人間たちの物語「死せるヨセクを糧にして」はいかにもジョナサン・キャロルが書きそうなお話でちょっとびっくり。しかし、このタイトルセンスは最高であります。書き下ろし「ファントム・ケーブル」については、えーと…… 「忌まわしい匣」における表題作くらい意味があるのならばよかったのですが。
【単行本・小説】 小林泰三「家に棲むもの」 角川ホラー文庫 [bk1][amazon]
こちらは第4短編集。なんと、半分くらい書き下ろしなので驚きます。「家に棲むもの」、「食性」、「五人目の告白」、「肉」、「森の中の少女」、「魔女の家」、「お祖父ちゃんの絵」の7短編を収録。
幻想文学を立脚点としている牧野修、倉阪鬼一郎あたりの作品とくらべると小林泰三のホラー作品はジャンク・ホラーの味わいがするような気がします。簡素な文体を淡々と積み重ねて恐怖を演出する筆致としては、たとえば同じく角川ホラー文庫から発表されている小林恭二の短編集「したたるものにつけられて」にも近いものがありますが、インモラルな領域への足の踏み入れ方がもっと乱暴というか。頭の悪い人間の厭な描写をさせたら、なかなか右に出る人間はいないと思われます。(桐生祐狩あたりがわりと近いかな)なんだろ、このDQNな会話は……と思いながらもなぜか惹きこまれてしまいます。
この中で印象に残ったのは、ある意味衝撃のラストを迎える表題作「家に棲むもの」、まるで「美味しんぼ」捕鯨論争みたいな展開が笑える「食性」(最後の一文が……)、女ふたり、ファミレスでの会話がなんでこんなにグロいのか、タイトルそのまんまな内容が凄まじい「肉」、もう、なんか嫌だなあ、というお祖母ちゃんのひとり語り「お祖父ちゃんの絵」あたりですね。「五人目の告白」はちょっとパターンかも。
出来としてはちと粗めの作品ばかりな気もしますが、読んでるととても楽しい。惹かれるものがあります。
【単行本・小説】 阿部和重「無情の世界」 新潮文庫 [bk1][amazon]
文庫落ちしたので読みました。「トライアングルズ」、「無情の世界」、「鏖(みなごろし)」の3作品を収録。
げらげら笑いながらあっという間に読了してしまったのですが、それは人間的にまずいのかな? とてつもなく頭が悪く、しらじらしく、嘘臭い記述に溢れていて、とても愉快な作品群でした。「無情の世界」、「鏖(みなごろし)」の2本は、中原昌也に戸梶圭太を混ぜた感じ、つまり「ダメという概念」+「激安犯罪」をアッパーテイストで仕上げたという印象であります。
「公園に行けば露出マニアの女の人がエロい格好してるかも。ドキドキ♥」みたいな、つつけば汁が飛び出そうな妄想童貞思考がえんえん展開されてあげくとんでもなくなる「無情の世界」、店のロレックス・エクスプローラーII(旧タイプ)パチものにすりかえて自分のものにしたのバレて追われてるけど逃げるの面倒だからデニーズに行くしかない! というダメ人間思考があらぬ惨劇を生む「鏖(みなごろし)」にしても、たいへん素晴らしい。
しらじらしすぎる小学生の言葉によって語られる「先生」の純愛がいつしかストーキングにすりかわるダメ恋愛理論も悪くはないのですが、「膨れ足」というあだ名=オイディプス、ライオンに似た「追跡者」=スフィンクスというメタファーに気づけなかった、しかも気づいたところでそれがどんな意味を持つのか理解できないという問題によって、ちょっとダメだった気がします。自分自身が無知だったというショボーンな理由であります。
「インディビジュアル・プロジェクション」も「ABC戦争」も積読なので、探して読もうかと思います。ハードカバーで使用した常盤響写真そのまま使ったほうが装丁としてはよかったかも。ロレックス・エクスプローラーII(旧タイプ)あしらった文庫版装丁も悪くはないんですけどね。
03/03/16(SUN)
「ミステリ裁判・完売・去りて・済み」
うーん、イマイチ。
ぎりぎり大丈夫かな、と思ったら遅刻してしまった。出かけた先はMYSCON4。
会場となる鳳明館森川別館のやけに急な階段を下って大広間に足を踏み入れんとしたら拍手の音が響いて、「おお!」と一瞬錯覚して(まだ襖を開けてもいないのだ)、恥ずかしくなって、若竹七海インタビューのはじまりだった。後ろのほうからこそこそ入る。
メモ取らないで聞いてたから記憶違いのところもあるかもしれないけれど書いちゃおうかな。この時点ではまだ酒飲んでなかった。「心の中の冷たい何か」、「水上音楽堂の冒険」と東京創元社から出た初期の2作品が文庫化されないのは、今読み返すとどうしても直しを入れたくなるから、そしてそれはたいへん手間だから、ということらしい。なるほど。あと、携帯電話の普及によって使えなくなったシチュエーション(たとえば登場人物たちが分断されるとか)が増えたことについてはたいそう御立腹のようだった。これもなるほど。「サム・ホーソーンの事件簿」みたいだな……と感じた、イギリスの不可能犯罪事件ドラマは観たいなあと思ったけれどタイトルを忘れてしまった。すべて「ありえない!」解決だそうであります。
そういえば、ノワールの悪口ならば一晩中でも語れるそうで、ちょっとビターな後味の作品ばかり書いているような印象のある若竹七海発言としては意外な気もしたけれど、「犯罪者が書いたミステリ」(本人定義)であるところのノワールと、結果として後味悪くしあがった作品とではまったく別物ということだろうか。コージーミステリの定義を「小さな町を舞台とし、主として誰が犯人かという謎をメインにした、暴力行為の比較的少ない、後味の良いミステリ──これすなわち、コージー・ミステリです」(これも本人定義)とするならば、たしかに正反対ではある。
休憩 → 買いだしに。実はこの頃すでにへろへろ。だめだ、アルコール入らないとマトモに話もできない、と思って、ビールなどひたすら買い込む。あとは蒟蒻畑とかりんごチップスとかフルーツゼリーとか野菜ジュースとかレーズンチョコレート。やったらヘルシー。宿に帰って政宗九さんほかにご挨拶。 「なんか、意外に普通で驚いた」 みたいなことを政宗さんに言われて、「え!?」とか思う。いったい、自分はどんな人間だと思われていたのか…… というより、どんな人間が来ると思ってたのかを聞きたくなった。そりゃ、会ったら普通ですよ。むしろこちらが意外に感じたくらいで、今回はじめてお会いしたミステリ系の方々の多くが文章から勝手に想像していたイメージと実際の本人キャラが一致しておらずなかなか驚いたのであります。政宗九さん、深川拓さん、フクさん、蔓葉信博さん、shakaさん、ここらへんの方々は全員意外でした。漫画系、SF系の方々とあった時でもそんなに意外に感じることは少ないのですが、さすがミステリ系の方々はどんでん返しが得意だと思いました。へーそーなんだ。(ここらへんから酒を飲みはじめます)
政宗さんの部屋で「六とん」の蘇部健一さんともちょっとお話できて、これもたいへん面白かった。講談社青い鳥文庫から来月発売になる新刊はスニーカー文庫の乙一作品も手がけている羽住都がイラスト担当で、見せていただいたラフ画はたいそう可愛らしかった。絵で騙して買わせる作戦らしい。そのほか(書いていいのか)2ちゃんミステリ板の蘇部健一スレを読んでいて 「自分でよっぽど本当のことを書いてやろうかと思った」 発言には大爆笑した。いやあ、いい人でした。乙一が大好きというのも作風にあってない発言でたいそう意外で面白かった。24時間営業してるJR渋谷駅前山下書店で「六枚のとんかつ」文庫がやたら売れてる、手作りポップまで置かれている、との目撃情報を話したらたいそう喜んでもらえてよかったような。確かめに行くかもしれないらしいです(w
ダイイング・メッセージ企画。3つ子の楽志さんが死んでいて、それぞれ不可解な記号を血文字で書き残している。証拠写真1枚目と2枚目が与えられてそれに3枚目のメッセージを追加、犯人推理を披露する、という班別対抗企画で、ぼくはshakaさんの班であった。若竹七海さんの旦那さんでもありバカミス関連で有名なミステリ評論家の小山正さんをゲストにむかえていろいろ考えて、いらんアイデアを出して、なぜかそれがそのまま通って、でも演じる人間がいなくて、だんだん(自分にとって)悪い状況になっていった。アイデアとしては悪くなかった気がするけれど演るのはな――、「やってしまった」感は大だったけれど、深夜になったらさらに「やってしまった」人が増えたのでよかったよかった。相対的に記憶の底に埋もれるであろう。(そうでもないかな?) 襖の裏でずっと出番待ちしてたので他の班の発表は半分くらい聞けませんでした。それは残念。それにしても、語りの本職である講談師・旭道南湖さんがいた班はそれだけでズルいな、飛び道具だもんな、とかちょっと思った。面白かったです。
「法月綸太郎の功績」読書会いったらあんまり人がいなくて驚いた。初心者企画に人が流れていた模様。細部にわたって語ろうと思えば語れるけれど、たとえば、本格かそうでないか? など、心情的な部分で物申したくはならない作品だからかもしれません。収録作品では「中国蝸牛の謎」が大不評、「ABCD包囲網」が無理筋すぎで不評、残りはおおむね好評、という感じでした。それぞれが支持する作品は「=Yの悲劇」、「都市伝説パズル」、「縊心伝心」でバラけた感じ。ちなみに、僕は「縊心伝心」でした。ちょっと酒が切れかかり。
「やってしまった」のか、そうでないのか? 大広間にて突如開幕したゲリラ企画、「MYSCON爆笑クリニック」とは仮のイベント名、実際は「MYSCON裁判」なのだった。というわけで、(たぶん本人も気づいてないような気がするけれど)オークションの裏でフクさんが殺害されて、その容疑がみすらぼmatsuoさんにかかったのだった! 客席からいきなり連行されてるmatsuoさんに黄色いバラをくわえた探偵おがわさんの乱入もあって波乱に満ちた展開。我が身を捨てたハジけっぷりが堪能できて個人的には救われました。えかったえかった。ネタ的には今の半分くらいまで削ってみたほうがインパクト大だった気がします(えらそう)。痴情のもつれ、ですか……
上方講談師・旭堂南湖さんの探偵講談。御題は海野十三「蝿男」。プロは喋りはやっぱりちがうな、と思いました。しかし、部屋が暑かった。アルコール残量もゼロに近づき、ずいぶんとしらふでした。さすがにちょっと睡魔が襲ってきて、第1部探偵講談終了後、大広間へと離脱。その後に続く古典講談、新作講談も聞いてみたかったけれど無理でした。すみません。あ、CDは完売だったそうであります。
大広間でぐだっとして、SF系の方々でできたコロニーに混じって、「社長」をキーワードにサイトウマサトクさんをいじって楽しいひとときを過ごしたりした。 「いや、真剣に「月下工房#社長系」にサイト名改名すべきだと思うんですけど……」 しかし、マサトクさんは面白い。心から尊敬申し上げているのであります。(再びガソリンを補給)お隣ではミステリ談義がえんえんと行われていたのに、こっちの話題は「ハチミツとクローバー」とかマサトクさんとか、そんなの。あ、一瞬だけ舞城話があったのかな。
話題が進んでお隣では、若い人にミステリを読ませるのはどのあたりからがいいのか? みたいなことになってて、電撃・富士見・角川スニーカー・白泉・徳間デュアルという名前が挙がっていた。いつのまにか、「暮らしに萌える 点と線」みたいな不思議キーワードが出ていて驚いた。どこにいっても萌え話になる昨今。「サプライズとしての叙述トリックを盛り込んだ作品は多いけれど、推理合戦とかそういうのあつかったものが少ないのは問題かもな――」とちょっと感じました。瞬間のサプライズは受け入れられるけれど、えんえんと続く論理思考みたいなものは面倒に感じちゃうんじゃないかな。
片づけしてあっという間に閉会式 → 撤収。AM7:00前に解散というのはすごいですね。とにかく疲れきっていて、即行で帰って駅前でうどんと高菜丼のセット食べて部屋に帰ってちょっと更新して(ここらへんが強迫観念のなごり)泥のように眠りました。MYSCONの終わり。
03/03/17(MON)
【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第25話「氷の中で」 (→公式)
え〜!? マジ〜!? なんか、やってられないなあ…… というラス前大混戦。
ひとりひとりに過剰なキャラ立てがなされていて(だからラストでのヤッサバ復活を待ち望む声やザッキたんの安否を気遣う声が聞かれる)しかも登場人物いっぱい出てくるこの作品をして、これほど見事に展開させた脚本もなかなか書けないでしょうね。キャラほとんど全員をきちんと登場させたうえでそれぞれの見せ場を設定する手腕は見事の一言です。エクソダスとか、そういう細かいこと(w についてはなんとなくうやむやのうちに終了しそうな気もしないではねいけれど、物語が動いていてとにかく楽しい。
わりとあっさりオーバーデビルに取り込まれてしまったゲイナー君を必死で呼び戻そうとするサラの思い、これもオーバーデビルに取り込まれて暴走するヤーパンの天井ユニットやら、アデット先生の大活躍、きわめて唐突にあらわれたリュボフ(役立たず)教師の見せ場など、驚きの展開目白押しでありました。やってられないのは、あの通信教育忍者ガウリのことであります。くそ! くそ! くそ! あ――、ラストにヤッサバ隊長降臨しないかな〜 そしてあのあっさり負けたデビル忍法にダウン攻撃仕掛けて去るのだ。あの忍者と、というのだけはどうにも納得いかね――!!
しかし、やっと出てきたよ、カリン嬢、というのはありました。年齢に見合わないアナ姫の大説教(五賢人の立場は……)と、さらに痛いところついてくるコールドゲイナーのツッコミもよかったです。聞きたくない言葉ではあるけれど、それは一片の真実でもあるわけで。
ところで、次回最終話の予告に出てきたゲイナーはちょっとはっちゃけすぎている気もしました。楽しみ。



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