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magazine さくいん(更新停止中)

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若竹七海「プレゼント」
伊島りすと「橋をわたる」
鯨統一郎「ミステリアス学園」
大石圭「殺人勤務医」
我孫子武丸「少年たちの四季」
桐生祐狩「剣の門」
法月綸太郎「頼子のために」
浦賀和宏「眠りの牢獄」
novel さくいん

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オーバーマン キングゲイナー 第26話「ゲイン オーバー」(最終話)
魔法遣いに大切なこと 第10話「魔法の行方」
魔法遣いに大切なこと 第11話「折れてしまった虹」
魔法遣いに大切なこと 第12話「魔法遣いに大切なこと」


 2003/3
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03/03/22(SAT)

○【ANIME】 オーバーマン キングゲイナー 第26話「ゲイン オーバー」 (→公式

 これにて大団円〜♪ シベ鉄の線路通じて世界中をオーバーフリーズさせるという作戦に出たオーバーデビル(コールドゲイナー+コールドシンシア+コールドサラ)でしたが、という展開で、ゲイン兄さんが聞き分けのない弟ゲイナー君に説教に行く、みたいな感じでした。ごくごく普通に巨大化してみせたゲイナー君とエンペランザが肉弾戦繰り広げる兄弟喧嘩なんざ聞いたことないですけどね(w アスハム兄さんの妄執はいったいなんだったのか? カリン妹のほう素直に追っかければそれだけですんだような、情けない…… あの大演説はなんだったんだ、と思いますね。私怨ウザ、という感じでした。 「人の話をろくに聞かないで突撃するお兄様を連れ戻すためでしょ」 ヘコ〜 「未練を振り切ってエクソダスか…… ああぁぁぁぁ」 こっちもヘコ〜 ケジナン&エンゲの副総裁うんぬんは当然なかったことになんだろな、口約束だったし、と思いました。とほほほ。最前線で踊るという危険な任務なんとかねじ込むためにミイヤ嬢におべっか使いまくる五賢人、とかそういうとこにも細かい笑いが散りばめられてて楽しいですね。ラストの〆についてはアナ姫のアレと第1回のミイヤ祭りの再現の2択だったのかな――とか思いました。たぶん。アナ姫ダンスの後ろでひょっこり顔覗かせるジャボリさんなんかも、彼女らしい感じ。シベ鉄崩壊後はちゃっかりエクソダス参加しそうですね。(ケジナン+エンゲも)
 しっかし、「キングゲイナー・オーバー!」が流れはじめてからの怒涛の展開は心の底から燃えまする。 オーバーヒートだ! ただ、フェードアウトで終わるのはちょっとがっかり〜 気が抜けました。とんがりリーゼントことペロー君の髪の毛つかんでひっぱるとかいう細かいギャグもさりげなく用意されてたりしました。何気に彼は出番多かった…… リマンメガロポリス(でいいの?)にいないはずのキャラについてもカーテンコールみたいなのがきちんと用意されてて素晴らしい。 「あ!」 さいきん珍しい、動いて動いて楽しいだけの作品でした。サイコーでした。

コールドゲイナー君&コールドサラ嬢溶けた!ヤーパンの天井のエクソダスはまだまだ続くYO!

03/03/25(TUE)

■book【単行本・小説】 若竹七海「プレゼント」 中公文庫 [bk1][amazon]

若竹七海「プレゼント」 「じゃあ、なにが望みなんだ」
「さあ、それがわかれば苦労はしません」 (p.38)


 ハードボイルドな魂を胸にフリーター稼業を続ける女、葉村晶と、娘から借りたピンクの自転車でよろよろ現場に駆けつける市警察刑事課警部補・小林舜太郎の2人が交互に探偵役を務める連作短編。「海の底」、「冬物語」、「ロバの穴」、「殺人工作」、「あんたのせいよ」、「プレゼント」、「再生」、「トラブル・メイカー」の8編を収録。

 とても、とても面白かった。欠片も望んでいないのに、なぜか事件の渦中に叩き込まれてしまうトラブル・メイカー体質の葉村晶パートのほうがどちらかといえば楽しめたような気がします。探偵役の職業柄からか、事件関係者(犯人含む)視点から事件が描かれ → 警部補登場で真相が明らかになる、という形式をとっている小林舜太郎パートよりも緊迫感があるからでしょうか。何より、そんな自分の体質を嫌いぬいてそうなのに、いかし否応無しに巻き込まれてひどいめに会ってしまう葉村の生き様から目が離せません。また、そんな悲惨な状態なのにあくまで魂は高いところに、ハードボイルドな姉さんであるところがたいへんに素晴らしいです。ひさびさに今後を追っかけたくなるキャラですよ。

 個人的に評価が高いのは、幻の新人ハードボイルド作家の失踪を巡る物語である「海の底」、人間のすさまじい悪意がシステムとしてあらわれる「ロバの穴」(タイトルセンス秀逸)、すべてを他人に転嫁できる人間にまつわる、この人らしい嫌話「あんたのせいよ」かな。ほとんど伏線しかなくて、真実がぽーんと投げ出してある大胆な構成の「海の底」をベストに推しましょう。

 女性殴殺事件の関係者が1年ぶりに集まって、その直前に彼女と面会していた犯人と目される人間、「面白い人」の正体を暴くという表題作「プレゼント」は、狙いはわかるのですが、いかんせん現実味に欠けるので評価が下がります。全員の証言から類推してるから謎として成立してるだけで、その場に居合わせれば一目瞭然のような気がします。関係者諸兄も警察の皆さまもさすがにぼんくらすぎるのではないでしょうか? しかし、葉村さんはつきあう人間をもっと考えるべきだな、とは思います(w

 杉田比呂美のイラストあしらった装丁のセンスはすばらしくよいですね。いい本、という感じです。

03/03/26(WED)

■book【単行本・小説】 伊島りすと「橋をわたる」 角川ホラー文庫 [bk1][amazon]

伊島りすと「橋をわたる」  大学も休みに入った夏のこと、時給の高さに惹かれた僕は塾講師のアルバイトをすることになった。教えるのは小学5年生の算数、ぼくは「砂漠地帯」と呼ばれる最低レベルのクラスを受け持つことになった。
 夏期講習最後の朝、自分自身の新たな発見も交えながら彼らに「逆算」の意味を講義したぼくの目の前で信じられない出来事がおこった。女生徒の1人が手に持ったシャーペンで自分の顔を突き刺しはじめたのだ。それは、なんどもなんども続いた。彼女はなぜそんなことを? ぼくは特殊能力を使って事件の真相を探りはじめた……

 他人の血液によるサイコメトリー能力を使って教え子の自傷事件の裏に潜む謎を探ろうとする塾講師の物語で、「橋をわたる」という言葉がさまざまな意味で用いられているあたりが面白いです。マーガレット・ミラーに「これよりさき怪物領域」という作品があって、それと似たような意味合いなのかな? と思っていたのですが、ちょっとちがいましたね。もっと広い意味なのかも。
 血液をめぐるエロティック・ホラーとして秀逸な出来で、原稿用紙にして250枚弱という長めの中篇といった分量ながら、印象に残る作品だと思われます。表現にしても展開にしても抑制が効いているところがこの人らしいですね。その点もあってか、(どちらかといえばタガが外れた作品のほうが好み)熱狂的なファンにはそんなになれそうもない作家さんなのですが、読むたび読むたび巧いなあ……と感心させられるのもまた事実です。ジャンル差別する意図は毛頭ありませんが、ホラーというジャンルにとどまらず活躍の場を広げそうな人ではあります。そのうち文芸小説にも進出しそう。日本ホラー小説大賞にて、たまたま世に出てしまっただけなのかも。

 P.4〜5半ばの記述は(個人的には)余分かも、と思いました。〆でさらっと言ってしまったほうがきれいにオチたような気が。ラストの植物イメージはなかなかよくて、「ジュリエット」にもこういうのありましたが、まあ、好きなのかな。

03/03/27(THU)

○「固いか? たまらじ! 鯨、また書いたか」

 鯨統一郎「ミステリアス学園」のレビュを昨日の朝アップしたら夕方に御本人から 「あまりにも酷いです」 との苦情メールが届いて驚きました。 「あまりに悲しい気持ちになり、矢も楯もたまらずメールいたしました」 ともあって、「ああ、悪いことしたなあ……」と、心の底から思いました。すみません。
 もちろん、罵倒だの誹謗中傷だのする意図は毛頭なかったわけですが、新刊「ミステリアス学園」の内容に衝撃を受けて、ついつい筆がすべってしまいました。反省しないと…… 「心のこもってない小説書かせたら右に出るものなし! な鯨統一郎新刊」 これはたしかにひどいですね。
 ↓に、表現について改めたバージョンのレビュを用意しました。作品の評価については変わっていません。

■book【単行本・小説】 鯨統一郎「ミステリアス学園」 カッパ・ノベルス [bk1][amazon]

鯨統一郎「ミステリアス学園」 「これ一冊で、ミステリのすべてがわかる!?」 という鯨統一郎新刊。えーと、学研ひみつシリーズ「本格ミステリのひみつ」ノベライズという感じでしょうか。

 ミステリアス学園ミステリ研究会に入部した、読んだミステリといえば松本清張「砂の器」ただ1冊、なミステリ初心者、湾田乱人(わんだらんど)が研究会の先輩たちと「本格定義」、「トリック」、「密室」、「アリバイ」、「ダイイング・メッセージ」などミステリ談義を繰りひろげながら、気がつくと部員が死んでいるという「そして誰もいなくなった」のような別の趣向のような、連作短編集。

 内外のミステリ作品に関する薀蓄や独自の本格定義、密室講義、アリバイ講義、ダイイング・メッセージ講義が提示されて、そして死体が発見されて、と盛りだくさんの内容ながら、淡々と進行していくいつもの感じ。それぞれの要素が絡みあってるわけでもないので物語としての盛り上がりには欠けます。もうちょっと見せ方に工夫すればいいのに、とは思います。たとえば、東野圭吾「名探偵の掟」あたりと読み比べてみるとふたりの作家性のちがいが浮き彫りになるかもしれませんね。

 用いられているトリックに関してはすべて無理矢理なものですが(とくに第6話、最終話、ここは笑うところかな?)、まあ、強引なのもいつものことでしょう。

 劇団LEDの方々起用したビジュアルの見せ方はなかなか上手いです。(ただし、ロゴはちょっとダサい気が)
 ・「ミステリアス学園」スペシャルページ(劇団LED公式ページ) 小倉部長役がたぶん御本人なのではないかと……

03/03/29(SAT)

■book【単行本・小説】 大石圭「殺人勤務医」 角川ホラー文庫 [bk1][amazon]

大石圭「殺人勤務医」  さわやかな、ひたすらさわやかな、シリアルキラー小説。

 柔らかな物腰と甘いマスク、理性的な言動から、多くの人望を集めている産婦人科医の古河は、一部の人間からは蔑まれ、忌み嫌われてもいた。彼は国内でもほとんどいない、人工妊娠中絶手術専門の医者であるからだ。「あなたは人殺しです。地獄へ落ちなさい」などと書かれた差出人不明の手紙を毎日毎日何通も受け取り、分娩台の上の母体から今日も胎児を掻きだす。3年間で大量殺戮された胎児の数は1,100体弱にもなった。
 古河は同時にシリアルキラーでもあった。食べ物を粗末にした女、公園の池に合成洗剤を振り撒いて鯉を殺した男など、彼が死に値すると判断した人間たちを地下室の檻に閉じ込め、次々殺していく。彼らにふさわしい死にざまを与える。

 やっていることはひたすら酷いのに、清涼な一陣の風が吹き抜けていくような(それは言いすぎ)爽やかな印象を受けるのは、主人公であるシリアルキラー古河の行動に一貫性が感じられるからでしょうか。反撃の機会が与えられない弱者に対する虐待を許さないという古河の思考パターン、行動が幼少時に受けた心の傷に起因しているという見せ方はややわかりやすすぎるきらいはあるものの、なかなか上手いと思います。

 よく考えてみると、ぼくの好みであるところの「歪んだ人間のひとり語り」小説なわけで、比較的高めの評価がついているのはそういう理由もあるのかもしれません。アーヴィン・ウェルシュ「マラボゥストーク」(→感想)の妄想アフリカ旅行パートを地下牢での拷問パートに置き換えたものと似ているといえば似ていて、内省的な語り口で、主人公がひどい人間にもかかわらず、感情移入が容易な作りになっているあたりが理由なのかも。デイヴ・ベルザー「It(それ)と呼ばれた子」 [bk1][amazon] + 「ザ・ハングマン」シリーズという身も蓋もない形容もできるかな。

 満足に餌も与えられないまま、鎖につながれて放置されてる雑種犬を解放していっしょに駆け出すくだり、その後、飼い主に与えられる凄まじい罰(「ギルティー!」)のあたりは読んでいてわくわくします。のカタルシスの解放、思わず応援したくなったりする(w ジャック・ケッチャム「老人と犬」(→感想)みたいな味わいもありますね。

■book【単行本・小説】 我孫子武丸「少年たちの四季」 集英社文庫 [bk1][amazon]

我孫子武丸「少年たちの四季」  普通の文章書かせたら我孫子武丸は上手いなあ。ゲームのシナリオ担当させるなら、やっぱりこういう資質の人が向いてるのかもしらん、と思いました。

 ジャンプJブックスから「ぼくの推理研究」、「死神になった少年」という名前で発売されていた2冊を1冊にまとめて文庫化したもので、「ぼくの推理研究」、「凍てついた季節」、「死神になった少年」、「少女たちの戦争」の4作を収録。「四季」とあるものの、春夏秋冬を舞台にした作りにはとくになってません。
 大人なのにマンションの部屋でゲームばかりしている謎の人物、萩原さんを探偵役に、少年少女たちの思春期の悩みを描いたミステリ連作で、ジュヴナイルということもあってか、トリック的にはわかりやすいものばかりではあるけれど、その時期特有の感情の暴走を痛々しく、しかしやりすぎない程度の匙加減でという筆致のコントロールが絶妙。やはり読ませます。びっくりはしないけれど、上手い、ミステリ要素よりは思春期小説のそれが強い、という印象です。

03/03/30(SUN)

■book【単行本・小説】 桐生祐狩「剣の門」 角川ホラー文庫 [bk1][amazon]

桐生祐狩「剣の門」  女優を目指しニューヨークの学校に留学している圭子のもとに14才になる妹の瑛が訪ねてきた。他人の言うことはなんでも鵜呑みにしていいように使われる 「生まれつきの犠牲者」 瑛のことが圭子は心配でならない。姉の心配をよそに、危険に満ちたニューヨークの下町で無邪気に振舞う瑛。一方そのころ、生きたままの肉体をまるでケーキのように切り分ける異常殺人鬼、通称「ケーキサーバー」の報道が連日ニュースを賑わせていた……

 けっこう前に読了して、たいへん面白いとは思ったものの、感想をどう書けばいいのかわかりませんでした。説明がむつかしすぎるストーリーであります。デビュー作である「夏の滴」(→感想)もそうなんですが、この人の作風は、 わりと身近なイヤ感覚描写(苛めとか) + なぜそうなるのか理解できない荒唐無稽かつ無理矢理な展開 + インモラルにも程がある結論の堂々たる提示 のような気がして、読んでいて驚かされることが多いですが、「けっきょく、なんだったのか!?」 と問われると答えにくい。面白かったんだけどね…… という非常に奇妙な読後感なのです。

 物語序盤における、地雷地帯を目隠しで駆け抜けるかのような瑛の行動にものすごく苛々させられて、 「お姉ちゃん…… ごめんね。あたし、なにをあやまっていいかわからない、どうしてわたしが悪いのか、どうしてもわからない。でもごめんね。なにがごめんって言えなくて、ごめんね。あたしがあたしで、ごめんね」 みたいな瑛の台詞から圭子と完全シンクロしている自分に気づいて、そしてその後につづく驚愕の展開! 「善良なだけの人間はそもそも死ぬ運命にあるのだ」 みたいなスゴい結論、そして、あのエピローグ、描写としてはさほどどろどろしていないものの、内に秘めたインモラルさ加減では最近の角川ホラー作家屈指のレベルのような気がします。
 小林泰三が理系インモラルの雄で、こっちが文系インモラルの雄かなあ。かなりトンデモですけど、楽しいホラー作品。

■book【単行本・小説】 法月綸太郎「頼子のために」 講談社文庫 [bk1][amazon]

法月綸太郎「頼子のために」  愛娘を殺された父親が、単純な通り魔の犯行として事件を片付けようとする警察を頼らずに真犯人を自力でつきとめ、娘の仇を打ったのち、そのまま自殺を図った。依頼を受けた法月綸太郎は彼が残した手記を読み、独自の調査を開始する。やがて、そこには驚愕の真相が……

 たいへん苦しんで書いたのだろうな、というのがうかがえる作品で、若くしてこういうテーマを扱うのは精神的に厳しい部分があったのかもしれません。たぶん、そうとう生真面目な人なんだろうし。たとえば、重いテーマを比較的若いころ書いた作品という共通点のある貫井徳郎「慟哭」(→感想)なんかとくらべても、こちらを書くほうが大変そうであります。(「慟哭」はオチがオチだから、という気もするけれど)

 個人的にはもっとパズルパズルしてるほうが好みなので、たいへん面白い作品だという高評価にはなるものの、この後に書かれた「一の悲劇」(→感想)のほうがもう若干上になるかも。部外者である法月綸太郎が知らなかっただけ、というあたりもちょっと気になります。しかし、ダークなお話で、読了後にはじめて気づくタイトルセンスの秀逸さも◎。

■book【単行本・小説】 浦賀和宏「眠りの牢獄」 講談社ノベルス [bk1][amazon]

浦賀和宏「眠りの牢獄」  透明なガラスの向こうで彼女は眠っている。階段からの転落事故により亜矢子は昏睡状態に陥った。僕がはじめて書いた小説も読まないままに――
 そして5年の時が過ぎた。メフィスト賞を受賞して、なんとか作家としてやっていけるようになった僕、浦賀をふくめた3人は、亜矢子の兄に呼び出され、そのまま核シェルターの中に閉じ込められる。「彼女を突き落とした犯人は誰なのか」 脱出条件はその告白だ。シェルターの外ではメールによる交換殺人計画が進行する。事件の真相は如何に?

 原稿用紙200枚くらい、比較的長めの中篇というボリュームながら、いろいろ工夫が凝らされていて楽しめる作品だと思います。閉じ込められた3人の精神が少しづつ荒廃していく様子をもっと書き込んだほうが自然ではあるような気がしますが、その唐突感こそがホワイダニットの鍵になるような気もするので、むつかしいところかな。ここをあえてあっさりと書いてしまう(書けてしまう)躊躇のなさがこの人の作風という気がします。登場人物たちの異常にすぐ流れる精神という設定を用いて力技のトリックを強引に成立させてしまうあたりかな。細かいものから大ネタのバカ伏線までいろいろ使われていて楽しい。趣味がいいとはいえないので人を選ぶ悪ノリ作品だとは感じますが、浦賀抗体を持っている人にとっては気軽に読める作品なのかも。

03/03/31(MON)

○【ANIME】 魔法遣いに大切なこと 第10話「魔法の行方」 (→公式

 サボってたからまとめて書く。けっきょく誰も彼もが無神経なんだよな…… 悪循環の輪が閉じている。ユメたんがはじめて直面する魔法への無力感、みたいな展開なのですが、 「頼むんじゃなかった……」 は、まあ、ありえる発言としても、(勝手に)足治した善之助をサッカー部に訪ねたユメたんに対する邪険な扱い、「しつけえなぁ! テキトーにどっかで遊んでんじゃねえの?」 ショーウィンドウ直した商店街魚屋の台詞、「魔法なんかじゃ根本的な解決にならないってことだよね」 い、意味がわからん…… 魔法で犯人つかまえれば根本的解決になるような気がするんだけど…… 人が見てるところでいじけてみるユメたんの行動にしても、まあ、困ったものです。 「魔法遣いでない人に相談しても」 ひ、ひえ〜 人の心のわからぬ人々ばかりであります。消防車のサイレン。電車に乗ってでかけたような気がしないでもないけれど…… ずいぶん遠いところから出発する救急チームであります。死んじゃうがな〜 しかも、まだ燃えている! 不信な点はいつ見つかったんだ! いつのまにか隣にいる小山田先生とか、やっぱり、すごい。 「人の気持ちに踏み込まないことです……」 魔法遣いうんぬんの問題でもないような。

○【ANIME】 魔法遣いに大切なこと 第11話「折れてしまった虹」 (→公式

 国家で決められた資格なんだと思ってたんですが、認証試験のテーマ、ギンプン局長が勝手に決めてましたね。そういうものなのか…… 前回ラストの火事で病院に運ばれた高橋さんは面会謝絶、事故の経緯がわからず凹んでるユメたんでありましたが、なんか、わかったようなわかんないような…… その後もユメたんに対する精神攻撃は続き、東京はこんな荒んだ人ばかりじゃないYO! と思わず擁護してしまいました。ユメたんが泣けば、アホ毛も揺れる〜 回想パート! 「そうじゃないよ、ぼくが多佳子を殺したんだ」 え、これみる限り事故なんでは!? 自分の魔法力が足りなくて救えなかったことを悔いてユメたんに生命を魔法でいじるな、と教えているような。ユメたんかアンジェラたんくらい強力な魔法遣いならば、今からでも多佳子さん甦らせかねない気もします。ホラーですね! 自分で答えをみつけるどころか、その危険性に今まで思いあたらなかったようなデンジャーな存在を野放しにするな、とはいいたい。それにしても、渋谷に対する異常なこだわりを感じるけれど、なぜなんでしょうか!? 魔法を使わないつもりならば、獣医でも探してつれていけばいいのに…… 嫌なフラッシュバック連発にて〆〜

○【ANIME】 魔法遣いに大切なこと 第12話「魔法遣いに大切なこと」(完結) (→公式

 いよいよ最終回。ユメたんは帰ってこなかった! 埋めている! 酷すぎる! 猫埋めた公園でいきなり善之助と出会ってみる。ここはどこなんだ? 渋谷の街を彷徨って、その後どこに向かったのでしょうか? 「ユメの腕の中で死んでったんだろ? その猫、最期は幸せだったよ……」 ずいぶんとテキトーなことを善之助くんは抜かしてみる。 「じゃ、今度は話きけ」 正論である。珍しい。足治した時はぜんぜん善之助たんの話聞かなかったけどね! わざわざ出してくれたんだから車使えよ! 「やっぱり歳だわ」 それだけ? ( ゚д゚)ポカーン 高橋さんが今まで面会謝絶だった理由もぜんぜんわからないな…… 唐突なるケラさんのリタイア宣言とか。そもそも研修自体受ける前だしな…… いよいよ認証試験〜。マンツーマンでオッケーなのか。 「心を込めて……」 よりによって多佳子さんの未来ヴィジョンを勝手に投影してみせるユメたん、あれ? 小山田先生死んでるYO! そして続く悪夢攻撃、うへえ。脚本、演出:菊池ユメならひどすぎるよね、と思ったんですが、これはどこからあらわれた幻影なのでしょうか。また、ずけずけと他人の心の中に踏み入るようなことを…… 善之助くんの時から何の進歩もない。ただいま、BGMで誤魔化されております。 「よい魔法でした」 そうですか! うわ、終わった! それっぽい音楽バックに流せばどんなシナリオだってなんとかなるもんだ! と実感した作品でありました。OPの2人がけっきょく出なかったのもすごかったけど、アンジェラに告白された犬君も出てこなかったな―― 結論:魔法遣いに大切なこと = スクランブル交差点で人とぶつからないこと。 そのままJRに乗り換えて東京駅出ればいいのに。

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