![]()
![]()
03/04/02(WED)
【ANIME】 エアマスター 第1話「飛べ! エアマスター」 (→公式)
これ、全何話予定なのかな? ヤングアニマル連載、柴田ヨクサル原作のアニメ化なんですが、ものすごいスピードでエピソード消化にかかる模様。第1話の今回からして、いきなりルチャマスター出てきて空中戦やってたからなあ。月雄とかチャリの子とか、異常に老けた受験生(名前忘れた)とか筋肉ライフセーバーとか、あそこらへんは登場するのかな? と思いました。あ、そうだ、浦木、山木田だ。OP前に渺茫出てきたり、いきなし深道(CV.子安)いたりと、深道ランキングバトルロワイアル編までやる気まんまんですが、果たしてどこまでいけるものやら。すっごく端折りそうな予感があります。
ビルの屋上にてルチャがわけがわからない闘い哲学をえんえんと披露して、しかもマキはぜんぜん聞いてないあたりはいかにもヨクサル節でたいへん堪能いたしましたが、原作知らないで観てる人は( ゚д゚)ポカーン かな、とも同時に感じました。そういえば「エアマスター」って、大失敗する危険性おかしても実写でトライして欲しかった作品No.1だったんですよね。まあ、キャスティングの段階でほぼ不可能計画なんですけど……
マキ@朴路美 (正確には王+路)はなかなかよかった。金田朋子の超音波ボイスも蓮華といえば蓮華のような。次回の崎山登場、そして坂本ジュリエッタ登場ぐらいまではとりあえずみるかも。
03/04/08(TUE)
【単行本・小説】 ジョー・R・ランズデール(訳:鎌田三平)「ムーチョ・モージョ」 角川文庫 [bk1][amazon]
7月の東テキサスは地獄さながらの暑さ。そんな中、レナードの元に訃報が舞い込んだ。レナードの叔父であるチェスターが心臓病で急逝したというのだ。葬儀もとどこおりなく済み、おれ(ハップ)とレナードはチェスター叔父さんから相続された家を掃除していた。遺産と家のほかにレナードに遺されたのは、新聞の切り抜き、期限切れのクーポン券、「吸血鬼ドラキュラ」のペーパーバック、そして謎の鍵。死ぬ直前の叔父の行動に何か奇妙なものを感じたレナードはハップとともに家中を徹底的に洗った。そして、腐った床板の下に金属製のトランクを見つけた。開けるとその中には児童ポルノ誌にくるまれた子供の骸骨があった。警察に通報しようとするハップにレナードを止めて、そしてハップとレナード、ふたりだけの捜査がはじまった。
ハップ&レナードシリーズ第2作。第1作「Savage Season」については未訳。この本の中でも言及されているハップの前妻であるトルーディを巡るエピソードがそれなんじゃないかと想像しているのだけど、訳されていない。なぜだろう。
腕っぷしこそ立つものの40過ぎて臨時雇いの仕事しかしてないダメ白人であるハップと、同じく定職無しで黒人でゲイという世間の偏見に晒されている身の上ながら、直情的でキレたら何するかわからない危険人物レナード、ふたりの無頼者を中心にしたバイオレンス・アクション、と書くとちょっと語弊があるかな。さまざまなジャンルをまたにかけて作品を発表してきたランズデールらしく、アクションだったりクライム・ノヴェルだったりホラーだったり、ジャンル・クロスオーヴァーなごった煮小説ウエスタン風味に仕上がっていて、しかも描かれるのは白人でストレートなハップと黒人でゲイのレナード、このふたりの友情、というちょっと不思議な味わいのシリーズであります。
ミステリ的な要素の強い今回の話なんか、ダイイング・メッセージものの変形とも言えなくもなくて、(チェスター叔父さんがほんのメモ書き程度でも残しておけばそれで一瞬解決したような気もしないでもないけれど)本当になんでもあり。(衝撃! という感じでもありませんが)全ての真相が明らかになったあとでハップとレナードが語り合うところとそれに続く幕引きは、2人のスタンスのちがいが浮き彫りになって、しかも余韻を残すとてもいいラストですね。
【単行本・小説】 ジョー・R・ランズデール(訳:鎌田三平)「罪深き誘惑のマンボ」 角川文庫 [bk1][amazon]
ハップ&レナードシリーズ第3作。この作品がランズデール日本初紹介作らしい。なぜなんだ……
テキサス東部の街グローブタウン。人種差別と暴力が渦巻くこの街で起こった黒人獄中自殺事件の真相を追って潜入捜査をしていた黒人女弁護士フロリダが消息を絶った。元恋人の危機を救うため、ハップはレナードとともに、警察さえも手出しができない閉ざされた狂気の街へと乗り込む。
なるほど、隣家への放火とはそういうことか。どことなくミステリ風味だった前作「ムーチョ・モージョ」から一変、人種差別というテーマを全面に押し出した暗いトーンのサスペンスとなってます。クー・クラックス・クランの分家みたいな組織が暗躍する白人の街グローブタウンにおいては、レナードのジョーク、歯に衣着せぬ物言いなどはほとんど命がけなわけで、しかしそれでも、自分の危険省みずスタンスを変えないまま押し通してしまうところに譲れないポリシーを感じます。
しかし、このシリーズの時代設定は本当に現代なのだろうか? と思わずにはいられません。ベトナム戦争兵役拒否で40代というハップの設定考えるに、第1作発表の1990年くらいの設定だと思うのですが、とてもそんな印象は受けない、奴隷解禁されてないと言われても信じてしまいそうな雰囲気であります。マキャモン「遥か南へ」(→感想)の時も感じたのですが、アメリカ南部って、それだけでもう異界なのかな。まるで世界の終わりの前兆のように降り止むことなく続く記録的豪雨など、悪天候がそのままホラー的な演出として機能してちょっとした神話テイストを醸し出してるあたりもすごい。
やりきれないような、どうしようもなく暗い雰囲気が全編を貫いている作品ですが、警察署長のキャラクターがちょっとした救いとしてアクセントを効かせているあたり、非常に上手いですね。
【単行本・小説】 ジョー・R・ランズデール(訳:鎌田三平)「バッド・チリ」 角川文庫 [bk1][amazon]
ハップ&レナードシリーズ第4作。
沖合油田の仕事を終えてひさしぶりに街に帰ってきたハップを迎えたのは、恋人ラウルとの破局を迎えて落ち込んでいたレナードとリスの襲撃。狂犬病が蔓延して森には口から泡を吹いた動物がいっぱいらしい。しかたなく入院したハップのもとにまたも新たなトラブルが…… ラウルの新しい恋人であるバイク乗りがショットガンで頭を吹き飛ばされた死体になって発見され、しかもその直前、バイカーたちのたまり場に乗り込んでショットガン片手に大暴れした黒人がいたらしい。それはどう考えてもレナードだった。事件の容疑者となったレナードを救うため、病院を抜け出すことにしたハップだったが……
うーん、ハイテンション。前作「罪深き誘惑のマンボ」がダークなトーンの1冊とすれば、こちらはライトなトーンの1冊かも。まあ、ライトとはいうものの、下品なジョーク、くだらないギャグ、死屍累累積み重なっていく狂気に満ちた展開など、悪ノリの究極系ともいえる内容なのですが(狂犬病リスエピソードが後半に生きてくるんだろうな、とは想像できましたが、まさかそれプラスαがあるとは……)、前作に見られた重苦しいテーマがなりを潜めているぶん、ゲラゲラ笑いながら物語の暴走に乗っていける感覚でしょうか。戸梶圭太、小川勝己あたりの作品のノリに近しい部分もありますね。ハップの入院先に勤める看護婦ブレットとのロマンス感覚と、狂気の殺人者によるジェイソンばりのホラー感覚の緩急が効いて、しかもそこにケタ外れの天候が超自然的な災厄として襲いかかる…… と、なんかスゴいお話であります。物語としてのバラエティの豊かさ(深みはないけど)でいえば、シリーズNo.1かも。探偵ジムは「凍てついた七月」(未読)からのゲスト出演らしいです。そういえば、睾丸小説でもありますね。電気のところはさすがに読んでて縮み上がりました(w
寺田克也の手によるカバーは毎回ものすごくいいのですが、今回リスが描いてないのはいまいち納得できないような。
【単行本・小説】 ジョー・R・ランズデール(訳:鎌田三平)「人にはススメられない仕事」 角川文庫 [bk1][amazon]
ハップ&レナードシリーズ第5作。
前作ラストで壊滅的な痛手を受けたものの、ハップの生活は少しずつ安寧を取り戻してきた。しかし、そんな日々は長くは続かなかった。恋人ブレットの娘で娼婦のティリーが「何か面倒なこと」に巻き込まれているらしいのだ。ティリーを救い出すため、ハップはレナード、ブレットと共に車に乗り込んだ。目指すは売春宿のあるフーティ・フート、危険な街だ。
今回はガンアクション中心のずばりウエスタン。車とか飛行機とかだけなんとかすればそのまま西部劇のシナリオとして使えそうな展開ですね。これ、本当に現代のシリーズなのか!? と疑問に思わないでもないお話であります。
殺しや傷害はもとより、銃を携帯することにすら抵抗を感じるハップと、そういう局面ならばなんら躊躇も遠慮もしないレナードのスタンスの違いというのはこれまでもたびたび対比されて描かれてきましたが、今回の物語には、我が子を救い出すためには手段を選ばない母親モードのブレットが加わるわけで、いささかハップの分が悪いと言わざるを得ません。好戦的な人間ばかりであります。レナードの義理の息子ボブ(w 連れて旅に出ればちょっとはちがったかもしれませんが、かわりにパーティに加わった人間が人間なだけに、なんかこう殺伐とした雰囲気になっています。前作「バッド・チリ」から続く大騒ぎエピソードではあるんですが、なんか、こう、「ブレット、キッツイな〜」とか感じてしまって、ちょっとショック。 ……なんとなく今回限りという気もするし、まあ、いいか。
今回のカバーイラストはまさに内容ピッタリで素晴らしいです。(ちょっとそのまますぎ?)
03/04/09(WED)
「壜ジャムと怪物」
目の前に広がるのはミルクよりも透明に輝く白い海。ふりそそぐ光を乱反射させて、細かな粒子がきらきらとその表面に浮かぶ。白の海の中ほどには突然の赤色があらわれて、鮮やかなその赤は粘性と重力の板挟みになって揺れながら、ゆっくりと広がっていく。ねじれたような奇妙な形。じっと見つめる。白の海とねじれた赤は視界の中で大きさを変える、どこまでも広がっていく。もちろんそれは錯覚で、錯覚で、錯覚で……
気がつけば、器に鼻先がふれるくらいの距離で見つめていた。テーブルクロスにあごをのせて、そのまま両手をテーブルの上いっぱいに伸ばすというだらしのない格好で幾夜はボウルの中味をじっと見つめる。
幾夜は中学一年生の少女で、彼女の見つめる透明ガラスボウルの中には、苺ジャムを真ん中にたらし、その上にたっぷりの粉砂糖をふりかけたプレーン・ヨーグルトが入っている。ジャムとヨーグルトと粉砂糖をバランスよくスプーンですくうと、無造作にそのまま口に放り込んだ。
テーブルの向こうに見えるテレビの中では貧相な顔をした気象予報士が、「今夜夜半過ぎから大雪の可能性が出て来ました。すでにちらほらと降りはじめている地域もありそうです」などと言っている。首を横に向けて四角く切りとられたカーテン越しの薄暮れに目をやれば、街灯の照らす球体の中にはらはらと舞い散る白いものが見えた。窓に近寄って大喜びしたり、犬のように庭駆け回るほど、元気でも子供でも動物でもない幾夜はそのままの姿勢でしばらく眺めると、ぶるぶるっと震えて、手元のリモコンでエアコンの温度設定を二度上げた。だいたいここはマンションの十二階で、雪のはかなさを愛でる気持ちなど、なかなか来ないエレベーターの待ち時間で萎えてしまうだろう。
そんなだらしない幾夜にきっと小言の一つも言うだろう母親はここにはいない。精神を人間の存在と考えるならば、彼女はもうどこにもいないかもしれない。マンションの非常階段から足を滑らせて二十段あまりを転がり落ちた挙句にコンクリートの壁で側頭部をしたたか打ちつけた幾夜の母親は、頭蓋骨陥没により病院の集中治療室の中にいる。手術は成功し一命は取りとめたものの、頭蓋内の損傷個所、出血個所があまりに多かったため、このまま意識は回復しないかもしれないそうだ。青ざめた顔で立ちすくむ父親のジャケットの裾をぎゅっと握りしめながら幾夜は聞いた。小刻みに身体を震わせる幾夜を見かねたのか、父親はそっと幾夜の肩に手を伸ばし、そっと抱きよせようとした。「いやっ!」その瞬間、身をよじるように激しく幾夜は拒絶して、父親を突き飛ばした。なぜ、あんなに嫌な気分になったのか、幾夜にはわけがわからなかった。あれはきっと夢の中にあの怪物がではじめたころで、だからひときわナーヴァスになっていたのだろうとのちに幾夜は解釈した。
微睡みの底からぺたぺたと這いずってあらわれる、ぬらぬらと不気味に光る液体で覆われた漆黒の全身、吸盤のついた指、巨大ミミズのような舌をカメレオンのように自在に操ってこちらに迫るあの怪物には、相対するたび嫌悪感がつのり、目覚めた後も恐怖感から身体がしばらく動かない。しばらく続く鈍い頭痛と身体の底に澱のように溜まった倦怠感に悩まされる日々は続いた。
あの悪夢で目覚めた最初の朝、そのあまりのおぞましさをキッチンに立つ母親に訴えてみた。母親は皿洗いの手を休めることもなく「え? 学校休みたいの?」と言った。そういうことじゃない、と幾夜は答えたが、「それじゃ何?」と問われ、返す言葉がなかった。不快ではあるけれど、たしかに夢でしかない。
しかし、それからしばらくして、いつになく心の動揺を露にした母親が、「幾夜ちゃん、やっぱりあれからあの夢、見る?」と尋ねてきたのは意外なことだったし、「それなら、しばらくお母さんといっしょに寝る?」と申し出たのはさらに仰天した。「お母さんの部屋で寝てもいいし、幾夜ちゃんの部屋に私が行ってもいい」などとも言う。
幾夜の両親はすでに寝室を別にして長い。とくに不仲なわけではなく、どこか淡白な部分のある母親の気質のせいだった。過剰なスキンシップを求める父親とはまったくの正反対だ。父親のその傾向は酔うとますます顕著になり、頬へのキスをなかば強要する父親には幾夜もうんざりさせられる。
そんな母親の申し出はたいへん奇妙なものに感じられたし、なんだかいまさらな気さえした。
「いいの、だいじょぶ。ひとりで寝るから」結局、幾夜はやんわり断った。「そう……」母親は心配そうな表情を浮かべながら幾夜のほうを見ていた。母親のこんな表情をみるのはほとんどはじめてだったので、幾夜も動揺した。しかし、結局そのままだった。
その夜もまた幾夜は悪夢を見た。粘り気を帯びた咀嚼音を口元から響かせながら、白濁した唾液をまとわりつかせた舌をべろべろと動かしながら、怪物は床を這いずってくる。下水で腐った魚の死骸の臭いのするその唾液が頬に降りかかった時、幾夜は自らの叫び声で目覚めた。頬がそのまま腐ってしまう気がして、学校に遅刻するぎりぎりの時間まで、一時間以上も洗面所で顔を洗った。母親は何も言わなかった。そして、父親も。
翌日、幾夜が学校から帰ると、子供部屋のドアノブが取り替えられて、部屋の内側から鍵がかけられるようになっていた。業者に頼んだようだ。「だから、鍵をかけて寝るようにしなさい」なぜ「だから」なのかはさっぱりわからなかったが、幾夜はそうすることにした。悪夢はぴったり収まった。
それからしばらくして、母親は非常階段から転げた。
また、まどろんでいた。窓の向こうに見える雪は勢いをまた増したようだ。
父親が職場近くの自然食品店で買ってくるこの苺の壜ジャムは本当に美味しい。心なしか、このジャムを口にするようになってから、あの真夜中の悪夢に耐えられるようになった気がする。
ちがう。それはごまかしだ。このジャムを食べなければ、あの夢には耐えられない。ぬらぬらと鈍い虹色に光る油膜に全身を覆われた黒色の怪物が、酸味を帯びた腐敗臭をまきちらしながら私のベッドへとやってくる。
気がつくと私の横に仕事帰りの父親の姿があった。不自然なくらいに身体と身体を密着させていとおしげに私の髪の毛を撫であげる父親の手の感触はなぜだかとてもおぞましくて、私は「お風呂には入ってからもう寝る」、と言った。「さっきはひどくうなされていたようだけど、身体の調子でも悪いのか?」と、父親は心配そうな表情を浮かべ、「そうだ、新しいジャムを買ってきたから、また食べなさい」と言った。父親に撫でられた場所をお風呂でごしごしと洗って、本当は飲み込みたかったジャムも口の中に残し、歯磨きのときに洗面所に吐いて流した。そして、ベッドの上で寝たふりをする。
真夜中が近づいて、ドアのノブが小さな音を立てて回った。
真っ暗の部屋の中、闇をまとった怪物がそろそろと私のベッドに近づいてくる。そしておずおずと私の身体に手を伸ばす。その指先は興奮で打ち震え、やがて大胆に奥のほうまで滑り込んでくる。私は悲鳴をあげて飛び起きる。
「なに叫んでるんだ、幾夜ぁ、お父さんだぞぉ、怖くなんかないだろ」息が酒臭い。
「親子のスキンシップだよ、スキンシップ。もとは俺のもんだろぉ、ちょっとぐらいさわらせろよ」じりじりとにじりよってくる。
「素直じゃないからお母さんあんなふうになっちゃったんだぞぉ、だからもうお前しかいないんだよぉ」
父の手の中で月光を浴びてこの部屋の鍵がきらりと輝く。
反復横飛びのような奇怪な動きをしながらの距離をつめてくる父親をかわすことができないまま、私は窓のほうへと追いやられる。逃げる場所を失った私は窓を開けてベランダへと飛び出す。吹きすさぶ風が部屋の中で猛然と渦を巻き、青白い月の光を浴びて青白く輝く数多の雪片が部屋の中で舞い踊る。
叩きつけられるような吹雪を真正面で受けながら、ひるむこともなく、父親は嘲るように笑った。
「ほら、下に落ちるか、おとなしくこっちに来るかの二択になったじゃねえかよぉ、おとなしくこっちこいや。それとも、上に飛んで逃げるとでもいうのかぁ」
しばしの沈黙。「……さむいじゃねぇか! とにかく閉めろおぉ」こちらにむかって突進。そしてつんのめり、手をついた先は雪の降り積もるベランダの手すり、バランスを崩して手すりの向こう側に傾く父親の身体、目の前を通過するその足を私は跳ね上げる。
余韻の軌跡を描いて、重力に引かれ落ちていく父親の叫びも、自転車置き場のトタン屋根への衝突音も、雪の薄化粧をしたアスファルトへの再落下音も、そのほとんどは雪の結晶の隙間に溶けて消えた。街灯の丸い光を浴びて、ねじれた父の横たわる雪のステージがきらきらと輝く。
目の前に広がるのはミルクよりも透明に輝く白い海。ふりそそぐ光を乱反射させて、細かな粒子がきらきらとその表面に浮かぶ。白の海の中ほどには突然の赤色があらわれて、鮮やかなその赤は粘性と重力の板挟みになって揺れながら、ゆっくりと広がっていく。ねじれたような奇妙な形。じっと見つめる。白の海とねじれた赤は視界の中で大きさを変える、どこまでも広がっていく。もちろんそれは錯覚で、だから現実の出来事ではないのだけれど、その錯覚はどこまでも現実に近づいて、近づいて、近づいて……
【ANIME】 エアマスター 第2話「吠えろ! 崎山香織」 (→公式)
ということで、永遠のライバル、崎山香織登場の巻。またひとりキティガイが追加された…… 作画はすでにヤバくなってきてますが、この作品に関しては無問題といえましょう。雑魚キャラ以外全員娘さんでAパートのほとんど水着であまつさえパンテーラまで完備されてるのにきわめて平常心〜 しかし、萌えない女たちだ。
それにしても崎山は弱い。はやく女子プロ編までいってほしいものであります。ところで、感動のあまり落涙するエアマスターみたいなカットがあって、なんか新鮮だった。漫画のほうでは戦闘三昧だからなあ。こういう日常話はひさしぶりなような。自己顕示欲と上昇志向の塊でかなり強烈なパーソナリティ誇る崎山香織なれど、じつはわりかし凡庸で常識人で努力家だったりするするあたりの描写もきちんとできててよかった気がします。 「み、見るな〜 あっちいけ〜」 とか。
【ANIME】 妄想科学シリーズ ワンダバスタイル 第1話「プロジェクト始動」 (→公式)
童謡、演歌、フォーク、ロック、各ジャンルよりすぐりの売れ残り娘さんたちよせあつめユニット「みっくすJUICE」、そんなの売らなきゃいけないマネージャーの苦肉の策が少年マッドサイエンティストの月面到達計画に彼女たちを身売りするとか、そんなの。 「カス芸人ですうぅぅぅ」 という4人の涙声はよいなあ…… とか思ったら、それに続くとうとつなエロ演出はなんなのだ。企画系安女優さんたちの物悲しさをギャグにする、みたいな展開はなかなか面白いな、と感じました。まあねらってるんだろう全編つらぬく一昔前センスを受け入れられるかどうかがポイントの作品でしょうか。ぼくはけっこう楽しめました。パチンコ方式でロケット打ち出してるのに途中加速してたりするのは、まあ「妄想科学」なんでしょうね。ネタとしてワンダーはないけれど、科学公証がどうのとかはどうでもいいような気が。宇宙題材にするととたんに厳しくなる人は多い。EDテーマ「MOON de GO! GO!」(作曲:かまやつひろし)はひどくインチキくさいセンスでわりと好きであります。
【ANIME】 金色のガッシュベル!! 第1話「魔界から来た電撃少年」 (→公式)
うーむ、問題なく面白い。そもそも原作からして面白いし、予算もそれなりに余裕ありそうで超安定な出来になることはこの段階から予想できそう。このアニメ化を契機にして、師匠である藤田和日郎を超えるブレイクを果たしてしまうかも。少年と魔物のコンビが戦いを通じて絆を深めていくという師匠作品「うしおととら」ゆずりの設定ながら、バトルロワイヤルというさらに展開がわかりやすくなりそうな要素を導入してみたりと、ほんとうに巧い。ただ、原作読んでるから毎週毎週追いかける気にはそんなにならないという弱点もあって、フォルゴレとキャンチョメコンビは好きだからこいつら登場の回はチェックして、あとはまあ気が向いたら。
about this file
■ InternetExplorer5.5
/ Netscape6 で確認しています。
■この日記へのリンクについて
□ 日にちにリンク:ページ上部のカレンダー、リンク張りたい日にちにカーソルを合わせ、「新しいウインドウを開く→アドレスに表示されるURLにリンクしてください。
□ レビュにリンク:MONO INDEX / QUICK REFERENCEからリンクしたい項目にカーソルを合わせ、「新しいウインドウを開く」→アドレスに表示されるURLにリンクしてください。