コミックビーム
1998年

※”▽”はハートマークの代用。「4C」は4色カラーの略。
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●98年12月号
作者タイトル備考
桜玉吉幽玄漫玉日記含4C
須藤真澄おさんぽ大王
柳澤一明真・女神転生カーン
竹谷州史PLANET 7
永野のりこ電波オデッセイ
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
志村貴子敷居の住人
榧野友博エンゼルの計画
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
画:梁慶一+作:平井和正死霊狩り
カネコアツシBAMBi含4C
上野顕太郎夜は千の眼を持つ新連載
羽生生純恋の門
うすね正俊砂ぼうず
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
小池桂一ウルトラヘヴン
鈴木みそオールナイトライブ
いましろたかし釣れんボーイ
堀池さだひろジ・ガレガレ
大越孝太郎フィギッシュ(後編)
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
ゆうひらゆきのりときめき▽カップル
桃吐マキル+福耳ノアルエロい山脈
金平守人マジカルポップ ちょりー

 今月のビームはかなり充実していると思う。でも売れまいな。
 馬頭ちーめい「BREAK-AGE」は作者の腱鞘炎悪化のため落ちる。奥村編集長のお詫びの文章に男気を感じた。榧野友博「エンゼルの計画」はその穴埋めだと思われる。こうやってレギュラー陣がポコポコ原稿を落としてくれるおかげで、風変わりな新人の作品がちょくちょく読めるのがビームの魅力の一つだと思う。皮肉なことに。「エンゼルの計画」では、人類が死後の世界に友人探査機を派遣するのだが、その探査員が死後の世界を混乱させた罪で追い立てられる。逃避行の中で出会った少女との触れ合い……といった内容。どこかで見たような絵であんまりオリジナリティは感じられないものの、まあそれなりに楽しめる。
 桜玉吉「幽玄漫玉日記」はヤケクソな'80sへの逃避的回帰漫画。殴り描きの勢いに圧倒される。竹谷州史「PLANET 7」は、ぶっとくて力強い線を駆使したダイナミックな画面作りがいい。物語はだいぶ佳境に近づいてきた感じ。志村貴子「敷居の住人」はだんだんと面白くなってきている。それぞれのキャラクターが生きてきたなという感じ。脇役の保険委員系地味メガネ娘が健気でいい。平井和正+梁慶一「死霊狩り」もよくなってきた。黒人看護婦のおねーさんが色っぽい。
 カネコアツシ「BAMBi」。プラチナ・マスクの過去と現在のバンビとの死闘をオーバーラップさせながら話が展開する。強すぎて醜くて、そして脆い心を持つプラチナ・マスクの叫びが悲痛である。上野顕太郎「夜は千の眼を持つ」は、短編連作ギャグ漫画になるらしい。ネタをバラすことになるので詳しくは書かないけど、相変わらず下らない。「やりよるな」という感じではあるが、オチはもうひとヒネリ欲しかった。小池桂一「ウルトラヘヴン」はドラッグをキメているかのごときイメージが、次から次へと送り出されてくる。かなり病的な感じもするが、目は吸い寄せられる。いましろたかし「釣れんボーイ」。ほんっとーにやる気がない作風。こりゃだめだーと叫びたくなるような日常を、なんのクライマックスもなく、淡々と描き続けるところがすごくいい。大越孝太郎「フィギッシュ(後編)」。フィギュア界にうごめく、さまざまな妄執を描いたちょっとサイコホラーっぽい作品。まあまあかな。絵は文句ない。ゆうひらゆきのり「ときめき▽カップル」は、女の子が唐沢なをきの描くところの女の子みたいな感じでけっこうかわいい。前から思っていたのだが、唐沢ギャルはかわいいのだ。
 そして次号では、園山二美「蠢動」が再開!単行本も11月25日に出る!買う。買いまくる。買わずにいられるものかよ。

●98年11月号
作者タイトル備考
柳澤一明真・女神転生カーン連載再開・含4C
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
永野のりこ電波オデッセイ
志村貴子敷居の住人
竹谷州史PLANET 7
馬頭ちーめいBREAK-AGE
画:梁慶一+作:平井和正死霊狩り
鈴木みそオールナイトライブ
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
桜玉吉幽玄漫玉日記含4C
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
須藤真澄おさんぽ大王
小池桂一ウルトラヘヴン
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
うすね正俊砂ぼうず
高野聖ーナ秋のマンガ祭
カネコアツシBAMBi
羽生生純恋の門
大越孝太郎フィギッシュ(前編)
堀池さだひろジ・ガレガレ
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
いましろたかし釣れんボーイ
上野顕太郎タイトルを探せプレ新連載
金平守人NHK

 永野のりこ「電波オデッセイ」。原と野川さんが、いよいよヤバいところに追い詰められようとしている。この二人が救われるのはなかなか難しそう。う〜ん、切ない。漫画読んでるときは「俺が守ってやりてえ!」とか思ったりもするが、実際にこういう立場の人たちが目の前にいたらそっけない俺としてはただ傍観しているだけ、っていうかその人が苦しんでいることにも気づかず淡々とした日常を送ってしまうのだろう。竹谷州史「PLANET7」。黒々とした画面は今回もいい。とりあえず描写に力があるってのは強い。しりあがり寿「弥次喜多 in Deep」は弥次さんが死姦をして、何やら面倒なことになりそうな雰囲気。それにしても弥次さんって両刀なんだねえ。桜玉吉「幽玄漫玉日記」は、桜玉吉が奇妙な踊りを踊りまくり。俺も毎日1時間くらい踊りたい気分だが(ダイエット効果もあるそうだし)、最近踊りに割く時間がない。しかも叫びに割く時間もない。嘆かわしいことだ。
 すがわらくにゆき「魔術っ子!海堂くん!!」は、海堂くんがアニメ宗教の教祖様に。相変わらずの開き直った展開だなあ。うすね正俊「砂ぼうず」は、砂ぼうずと正反対な正義漢のメチャ強男登場。次号とか盛り上がりそう。高野聖ーナ「秋のマンガ祭」。現代社会で、町の発明おじさんとしてヘンな人扱いされるエジソンのお話がなかなかいい感じだった。子供に「今日はニワトリの卵あっためないの?」とかいわれて、馬鹿にされているところがグッド。こういうネタは、そういう人には悪いんだが好きでたまらない。実物の話は、非常に申しわけないがもっと好きだ。羽生生純「恋の門」。恋乃につきまとっていたストーカー女が、やたらめったら濃くてすごく良かった。邪悪&醜悪。禍々しくて最高。
 それから、大越孝太郎が登場。タイトルは「フィギッシュ」(前編)。売れっこで、モデルにした女の子を食いまくっているプロモデラーの話。女の子の身体の描き方がいやらしくて良かった。さて、後編でどうオチをつけるのだろうか。いましろたかし「釣れんボーイ」。この無気力な作風。素晴らしい。ラストの情けない生活感漂うオマケ漫画もいい。上野顕太郎も登場したが、今回はちょっとあんまり面白くない。タイトルは「タイトルを探せ!」。でもこれは「プレ新連載」とあるので、評価は本編が始まってから。金平守人「NHK」。今回もいろいろ仕掛けてあって楽しい。なお、単行本「金平劇場(仮)が10月24日に発売とのこと。金平守人&たけくらヤマトファンは通常買うでしょ。

●98年10月号
作者タイトル備考
近藤るるる新ハイパーあんな最終回・含4C
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
画:梁慶一+作:平井和正死霊狩り
竹谷州史PLANET 7
鈴木みそオールナイトライブ
馬頭ちーめいBREAK-AGE
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
小池桂一ウルトラヘヴン新連載
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
羽生生純恋の門
桜玉吉幽玄漫玉日記含4C
須藤真澄おさんぽ大王
うすね正俊砂ぼうず
カネコアツシBAMBi
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
永野のりこ電波オデッセイ
いましろたかし釣れんボーイ
志村貴子敷居の住人
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
堀池さだひろジ・ガレガレ
長沢克泰ネメシス サイト第一部完
金平守人FRUSTRATION

 近藤るるる「新ハイパーあんな」が最終回。ちともの足りない感じがしないでもないラストだが、まあこんなもんかな。コミックビームのメールサービス(単行本に付いている葉書で申請すると送ってくれるようになる)によれば、これで近藤るるるがビームから去ってしまうわけではなく、ちゃんと次回作も載る予定らしいんでファンの人はひとまず安心してもいいだろう。
 それから小池桂一が新連載。タイトルは「ウルトラヘヴン」。同じくビームのメールサービスによれば、現在4話分原稿があがっているのだが、その執筆にかかった期間が1年半とのこと。前回の登場以来ずっとかかりきりだったみたいだ。筆は遅いけど、さすがに画面のクオリティはすごい。読者の視点が登場人物の視点とシンクロするような圧倒的な構図、緻密に描き込まれた細部のディティール。さすがだ。次回以降、とりあえず4話分は読めるはずなので楽しみだ。竹谷州史「PLANET7」。バサバサとしたかすれたようなタッチで描く、黒々とした画面は迫力があってかっこいい。第3回目だが、今のところなかなかいい感じできている。
 羽生生純「恋の門」。かなり病みまくっていて業の深い世界。やっぱりいい。いましろたかし「釣れんボーイ」は死ぬほど淡々と日常を描写している。この、なんのクライマックスもなくカタルシスもない展開がたまらない。金平守人「FRUSTRATION」は、ある物語がスタートしたと思ったら、すぐさまその物語の脇役が主人公になり、その視点に移ったと思ったらまた違うものが主人公になる……というのを繰り返す構造の漫画。毎度いろいろと仕掛けをしてきて面白いなあ。

●98年9月号
作者タイトル備考
馬頭ちーめいBREAK-AGE4色カラー含む
竹谷州史PLANET 7
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
近藤るるる新ハイパーあんな
画:梁慶一+作:平井和正死霊狩り
鈴木みそオールナイトライブ
うすね正俊砂ぼうず
桜玉吉幽玄漫玉日記4色カラー含む
肉柱ミゲルイヌガヨ
須藤真澄おさんぽ大王
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
志村貴子敷居の住人
永野のりこ電波オデッセイ
羽生生純恋の門
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
カネコアツシBAMBi
いましろたかし釣れんボーイ
堀池さだひろジ・ガレガレ
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
長沢克泰ネメシス サイト
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝最終回
金平守人代原

 迫り来る最終回の嵐。まずは「くるぶし武勇伝」が今回で最終回。次号では「新ハイパーあんな」が最終回で、「BREAK-AGE」もあと6回とのこと。各作品のファンの人にとっては悲しいかもしれないが、自分が好きな作品を描いた作家さんがまた新たな作品を描けるチャンスが来たとポジティブに考えるべし。
 竹谷州史「PLANET 7」は第2回め。なかなかいい感じで来ていると思う。ラフさが気持ちいい描線で、キャラクターもイキイキしている。肉柱ミゲル「イヌガヨ」。唐突な展開が良かった。今までの肉柱ミゲル作品の中では一番いいかも。少年と犬が合体して生まれた奇跡の巨大ヒーロー、イヌガヨがうちゅうじんを惨殺するというお話。
「敷居の住人」(志村貴子)は脇役のメガネっ娘がなかなかかわいくていい。最近だんだん面白くなってきたような気がする。羽生生純「恋の門」。相変わらずのあぶなっかしい展開。イッちゃってるなあ。いましろたかし「釣れんボーイ」は盛り上がりもなくカタルシスもない作風がたまらない。金平守人「代原」は毎回毎回いろいろ仕掛けてきて飽きない。
 そして次号は、なんと小池桂一が連載開始!……といっても一般にはまったくといっていいくらい知られてない作家だとは思うけど。とにかくすごい作画力を持った人なんで要注目。

 あ、それと前号と今号を買った人にはポストカードの読者全員プレゼントがある。近藤るるる、桜玉吉、馬頭ちーめい、梁慶一、竹本泉、須藤真澄の6枚がセットで。というわけで欲しい人は申し込むべし。俺としては、新谷明弘、金平守人、安井誠太郎、羽生生純、茶谷明茂、竹谷州史とかいう組み合わせだったら超絶欲しいところなんだけど。

●98年8月号
作者タイトル備考
竹谷州史PLANET 7新連載・4色カラー含む
永野のりこ電波オデッセイ
志村貴子敷居の住人
近藤るるる新ハイパーあんな
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
作:平井和正+画:梁慶一死霊狩りイラストのみ
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
高野聖ーナ夏のマンガ祭り
羽生生純恋の門
肉柱ミゲルぴょん太のエロスのひかり
桜玉吉幽玄漫玉日記4色カラー含む
須藤真澄おさんぽ大王
堀池さだひろジ・ガレガレ
うすね正俊砂ぼうず
カネコアツシBambi
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
いましろたかし釣れんボーイ
鈴木みそオールナイトライブ
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
長沢克泰ネメシス サイト
松本充代眠る空最終回
鮪オーケストラ裏刑事ブルース最終回
金平守人金平劇場マンガ大賞選考結果発表!

 今号と次号の応募券を集めた人に桜玉吉・須藤真澄・近藤るるる・竹本泉・馬頭ちーめい・梁慶一のポストカードを全員プレゼント。赤字覚悟、でもやるんだよ。男ですなあ、コミックビーム編集部。
 新連載、竹谷州史「PLANET 7」。前からカッチリとしてラフで肉太なペンタッチは好きだったけど、今回もそれは健在。作画が好きなんで安心して読める。あと話をどう盛り上げていくか。1回めはヒロインの女の子の笑顔がなかなか良かった。
 今月は最終回二つ。松本充代「眠る空」。うーん、イマイチ。なんかあっさり終わらせすぎな気がする。主人公がブッ壊れまくってるのはいいんだけど、もっともっと追い込んでも良かったのでは。鮪オーケストラ「裏刑事ブルース」はなんか謎めいた終わり方。こんなもんかな。次の作品に期待。
 作:平井和正+画:梁慶一「死霊狩り」。連載2回めにして早くも落ちる。国を越えた複雑なやり取りが原因らしいけど、まあどうでもいいや。羽生生純「恋の門」。二人のエゴと打算、執着が混じり合っていい感じ。濃くて素晴らしい。いましろたかし「釣れんボーイ」。淡々と盛り上がりなく話は進んでるけど面白い。好調。しりあがり寿「弥次喜多 in Deep」は毎度ジーンとさせてくれる。スゴイなあ。 あと金平守人。いつも遊んでるねえ。

●98年7月号
作者タイトル備考
作:平井和正+画:梁慶一死霊狩り新連載
鈴木みそオールナイトライブ
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
志村貴子敷居の住人
うすね正俊砂ぼうず
羽生生純恋の門
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
いましろたかし釣れんボーイ
桜玉吉幽玄漫玉日記4色カラー含む
須藤真澄おさんぽ大王
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
松本充代眠る空
永野のりこ電波オデッセイ
カネコアツシBambi
堀池さだひろジ・ガレガレ
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
長沢克泰ネメシス サイト
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
新谷明弘未来さん最終回
鮪オーケストラ裏刑事ブルース
金平守人漢卍字

 今月最大の話題は平井和正新連載……じゃなくって、どうみても新谷明弘「未来さん」最終回と、単行本近日発売の報でしょ。最後まで面白かった。とくに今回、今までのお気楽ムードから一転。深く染み渡ってくるような静かな終わり方だった。素晴らしい。というわけで単行本出たら即買いを命ずる(俺に)。
 で、新連載の「死霊狩り」。前号の予告で見たとき、「どっかで見たような絵柄だな」とは思いつつも、どこで見たのかはけっきょく分からなかったんだが、分からないわけだ。韓国の巨匠さんだとのこと。
 先月始まった連載3本。いましろたかし、松本充代、羽生生純。いずれもいい感じ。いましろたかしの「どうしたんだ?」って感じの淡々とした味わい、松本充代のあふれる閉塞感、羽生生純の相も変わらぬイカレっぷり。いいっす。「弥次喜多 in Deep」もその名のとおりディープ。それから永野のりこ「電波オデセイ」もかなりクる。キタモリの煮詰まりっぷりが心をズビズバ揺り動かしまくり。うすね正俊「砂ぼうず」。砂ぼうずがようやく牙をむき出してきた感じで面白くなりそう。
 そして次号は久々登場の竹谷州史が新連載。気になる絵柄の人なんで、かなり楽しみ。今度はきなみなみあたりに連載させてくれるとすごくうれしいなー。それにしてもアスペクト。曽田正人、村生ミオ、五十嵐浩一と次々に意外な面々の単行本を出してくるなあ。これってやっぱり編集長・奥村勝彦人脈?

●98年6月号
作者タイトル備考
桜玉吉幽玄漫玉日記4色カラー含む
須藤真澄おさんぽ大王
うすね正俊砂ぼうず
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
永野のりこ電波オデッセイ
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
鈴木みそオールナイトライブ
志村貴子敷居の住人
いましろたかし釣れんボーイ新連載
作:ヴィクトル・ユーゴー+画:上野顕太郎レ・ミゼラブル
松本充代眠る空新連載
羽生生純恋の門新連載・4色カラー含む
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
カネコアツシBambi
堀池さだひろジ・ガレガレ
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX4色カラー含む
長沢克泰ネメシス サイト
鮪オーケストラ裏刑事ブルース
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
肉柱ミゲルメルヘン魂'98 星雲篇
新谷明弘未来さん
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
餅月あんこねずみめくり
金平守人バ科学と学習

 まずはなんといっても桜玉吉……よりも俺的には新連載3本。羽生生純、いましろたかし、松本充代という、一部の人には超豪華なメンバー。ますます売れなくなりそうな顔ぶれだが俺はうれしい。羽生生純「恋の門」は、「漫画芸術家」を名乗る前衛系で煮詰まった男と、コスプレマニアの女のラブ・ストーリー……になるのかなあ?羽生生純だけに予想がつかない。松本充代「眠る空」はクスリで頭がイカれて自暴自棄な行動を取る少年が主人公。またしても暗そう。いましろたかし「釣れんボーイ」はたぶんいましろたかし自身がモチーフの、淡々とした日常漫画。何やら脂っ気が抜けてしまってどうしたって感じの作風。どれも一癖も二癖もある人だけにすごく楽しみ。  それから表看板、桜玉吉「幽玄漫玉日記」が復活。いつものとーり。相変わらず濃い。永野のりこ「電波オデッセイ」。今度はキタモリが煮詰まりまくり。くぅ〜、心の奥がちくちくするぜ。すがわらくにゆき「魔術っ子!海堂くん!!」。力が抜けて身もふたもない展開が楽しい。  しりあがり寿「弥次喜多 in Deep」。今回も飛ばしている。弥次さんの夢の中に閉じ込められてしまった喜多さんはどうなるのか。楽しみ。肉柱ミゲル「メルヘン魂'98 星雲篇」。だいぶよくなってきた感じで、唐突な展開がなかなか面白い。わりとぶっとんだナンセンスなギャグ。新谷明弘「未来さん」は次号で最終回。そろそろ単行本に……。  なお、5月発売予定だった羽生生純の「ワガランナァー」は6月25日に発売延期。松本充代の「DROP BY DROP」は5月25日発売。
●98年5月号
作者タイトル備考
須藤真澄おさんぽ大王4色カラー含む
近藤るるる新ハイパーあんな
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
高野聖ーナ春のマンガ祭
岡本一広オセッカイ先生
うすね正俊砂ぼうず
堀池さだひろジ・ガレガレ
志村貴子敷居の住人
安井誠太郎アマラの火
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
永野のりこ電波オデッセイ
唐沢なをきヌルゲリラ単行本発売記念
鈴木みそオールナイトライブ
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX4色カラー含む
長沢克泰ネメシス サイト
すがわらくにゆき魔術っ子!海堂くん!!
カネコアツシBambi
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
鮪オーケストラ裏刑事ブルース
中島あつき鮮紅街
新谷明弘未来さん
餅月あんこねずみめくり
金平守人×-FILE

 載るかどうか心配だった安井誠太郎「アマラの火」がちゃんと載っていたので一安心。やっぱりいい雰囲気だなー。でもしばらくまた載りそうにない感じ。どうもコメントを見ているとかなり煮詰まっている模様。
「おさんぽ大王」(須藤真澄)はついに巻頭カラー。今月はあのジャイアントな男との出会い。高野聖ーナと岡本一広は例によって穴埋めかな?ビームは連載陣が落とすことが多いので、こうやってイレギュラーで掲載される作品があるのはうれしい(その連載のファンにとっちゃうれしくないだろうけど)。
「電波オデッセイ」(永野のりこ)ではキタモリが煮詰まりまくり。いやー、いい。すがわらくにゆき「魔術っ子!海堂くん!!」はきちんと復活。もっと下品だともっとうれしい。「弥次喜多 in Deep」(しりあがり寿)は素晴らしい。なんで、こんな描き殴りみたいな背景に、ここまでトリハダが立つんだろう。涙が出そうになった。
 ロンリネス(作:東京ローカル+画:仲能健児)は本多の化けの皮がはがれつつある。さて、これからどうなっていくんだろう。これもそろそろ単行本になってほしい。そして単行本出してほしいといえば! 新谷明弘「未来さん」。前回の話とはこうやってリンクしていたのね。金平守人「×(ペケ)-FILE」はアニメ絵と写実絵、どちらもちゃんとした金平タッチで、面白く見せている。うまいなー。
 あと巻中カラー、桜玉吉挿絵、ビロボン筆の小説。非常に爽やかならざる世界が展開されていてステキ。

●98年4月号
作者タイトル備考
志村貴子敷居の住人4色カラー含む
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
うすね正俊砂ぼうず
近藤るるる新ハイパーあんな
唐沢なをきヌルゲリラ単行本発売記念
永野のりこ電波オデッセイ
柳澤一明真・女神転生カーン
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
須藤真澄おさんぽ大王
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
鈴木みそオールナイトライブ4色カラー含む
カネコアツシBambi
上野顕太郎苛む者ども
鮪オーケストラ裏刑事ブルース
堀池さだひろジ・ガレガレ
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
長沢克泰ネメシス サイト
新谷明弘未来さん
新井国夫近代物怪録鬼姫様最終回
きなみなみ15の夏のむこうがわ
餅月あんこねずみめくり
金平守人ごたく君とむじゃきさん

 今月はなんといってもきなみなみ「15の夏のむこうがわ」。白血病で闘病生活を送っていた少年が、自らを助けてくれる存在として、ヒトの形をした想念のカタマリ「タルパ」を生み出してしまう。最初は救けとなっていたタルパだが、闘病が終わり少年が救けを必要としなくなった後も、少年を束縛し続けようとする……って感じのお話。均一な太さの、一筆描きみたいな描線がなんとも雰囲気があっていい。これからが楽しみ。
 金平守人は人を食った展開がステキ。「電波オデッセイ」はいつもながらいい。元気づけられるけど、世の中はそんなに甘くもないってことで。「弥次喜多in Deep」は先月あたりから飛ばし始めている。新谷明宏「未来さん」も毎度毎度いいなー。丁寧に仕掛けられたお話。単行本単行本単行本……。
「近代物怪録鬼姫様」は今回で最終回。個性的な絵柄で雰囲気はあったが、あんまり受けないだろうなーって感じだったので仕方ないか。それからすがわらくにゆきは今回は休載。で、2号連続で上野顕太郎が載っかってるのには因果関係があるのかな?それと上野顕太郎の単行本がアスペクトから発売になるとのこと。唐沢なをきの単行本は4/25発売。

98年3月号
作者タイトル備考
近藤るるる新ハイパーあんな4色カラー含む
須藤真澄おさんぽ大王
上野顕太郎シカイノキカイオン
鮪オーケストラ裏刑事ブルース新連載
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
長沢克泰ネメシス サイト
堀池さだひろジ・ガレガレ
永野のりこ電波オデッセイ
カネコアツシBambi
柳澤一明真・女神転生カーン
桜玉吉幽玄漫玉日記4色カラー含む
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
志村貴子敷居の住人
すがわらくにゆき魔術っ子! 海堂くん!!
しりあがり寿弥次喜多 in Deep
鈴木みそオールナイトライブ
新谷明弘未来さん
しょうばやし・F・としお戦国異志”鼻忍者”
夜野権太ポヨンチョポヨンチョ最終回
うすね正俊砂ぼうず
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
新井国夫近代物怪録鬼姫様
餅月あんこねずみめくり
金平守人し/あ/わ/せ?

 まずはあんまり良くないお知らせ。馬頭ちーめい「BREAK-AGE」は、作者の体調が優れないためしばらく連載休止。表紙には名前があるので気をつけるべし。上野顕太郎はたぶん穴埋め的な掲載なのだろう。今回はちょっとヒネリが足りない感じ。
 そして、最近なんだかしだいに面白く感じるようになってきた「ポヨンチョポヨンチョ」が最終回。なんかもうビームでは描かないみたいなことをほのめかしているけど、さてどうなる?

 で、今度はめでたい話題。ヘンな漫画を描くので最近注目していた鮪オーケストラが新連載。だが、出だしは大人しめ。もうちょっと奇をてらってもいいような気がする。
 今月は全体的にちょっとテンション低めかな、って感じがした。そんななか「弥次喜多 In Deep」は面白かった。ビームに載るようになってからでは一番いいのでは。あと「未来さん」もいつもながらに面白い。
 次号はちょっと気になっていたアスキー漫画大賞入選作家、きなみなみが44ページの読切。けっこう楽しみ。

98年2月号
作者タイトル備考
桜玉吉アイロンプリント
長沢克泰ネメシス サイト新連載・4色カラー含む
永野のりこ電波オデッセイ
志村貴子敷居の住人
鈴木みそオールナイトライブ
おおひなたごう関白宣言
しりあがり寿弥次喜多 IN DEEP
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
柳澤一明真・女神転生カーン
鮪オーケストラ類まれなるリンダ〜眼球愛〜
餅月あんこねずみめくり
桜玉吉幽玄漫玉日記4色カラー含む
すがわらくにゆき魔術っ子! 海堂くん!!
須藤真澄おさんぽ大王
近藤るるる新ハイパーあんな
堀池さだひろジ・ガレガレ
カネコアツシBambi
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
うすね正俊砂ぼうず
新谷明弘未来さん
新井国夫近代物怪録鬼姫様
夜野権太ポヨンチョポヨンチョ
金平守人COMING SOON

 新連載・長沢克泰「ネメシス サイト」はいきなり劇画タッチ。SFがちょっと入ったハードボイルドアクションって感じ。わりと面白いが、なんでいきなりこんなもんが、って気がしなくもない。
 読切では鮪オーケストラがすごく良かった。前に掲載された作品も「地球外おやこ刑事世襲編」(97年10月号)良かったが、これも素晴らしい。地元の英雄に毎日のように「少女A」から貢ぎ物が届く。いつも「少女A」と書いてあるのだが、贈り主は姿を現さない。最初はアパートのドアの前に置かれた3本のちくわぶから始まり、しだいにイノシシや、腐った人魚の死体、果ては部屋いっぱいの巨大オムライスへとエスカレートしていく。姿の見えない少女Aに次第に恋心を抱いていく英雄だったが、ある朝起きると英雄の眼球が盗まれていた……。という話。何がなんだか分からないだろうが、何がなんだか分からない話なのだからしょうがない。突拍子もない道具立てと展開に圧倒されてしまう。とにかく面白いのでまあ読んでみろって感じ。

 それから連載陣では永野のりこ「電波オデッセイ」は相変わらず面白い。どんどん煮詰まっていく少女たち。出口はどこに? 桜玉吉「幽玄漫玉日記」は今回は編集長O村と、冗談愛人募集に応募してきた女の子の会見の模様。非常にさわやかならざる展開がすごく笑える。カラッと笑えるのがすがわらくにゆき。今回は4コマ。すがわらくにゆきのジャイアンねたはすげーおもしれー。
 須藤真澄は今回は発明王・ドクター中松を取材している。いいなー、中松。新谷明弘「未来さん」はなんかシリアスな展開だなーと思っていたら、なんとこのオチは……。いつも面白い。というわけで単行本化すごく希望(しつこいようだが)。

98年1月号
作者タイトル備考
桜玉吉幽玄漫玉日記新連載・4色カラー含む
須藤真澄おさんぽ大王
志村貴子敷居の住人
しりあがり寿弥次喜多 IN DEEP
柳澤一明真・女神転生カーン
有口かしはっさくさん
ユウジローユウジローのブライダルキック2本立て
永野のりこ電波オデッセイ
金平守人斬−ZAN−
うすね正俊砂ぼうず
近藤るるる新ハイパーあんな
堀池さだひろジ・ガレガレ新連載・4色カラー含む
すがわらくにゆき魔術っ子! 海堂くん!!
カネコアツシBambi
羽生生純ワガランナァー最終回
竹本泉てきぱきワーキン▽ラブFX
新谷明弘未来さん
作:東京ローカル+画:仲能健児ロンリネス
鈴木みそオールナイトライブ
馬頭ちーめいBREAK-AGE
夜野権太ポヨンチョポヨンチョ
新井国夫近代物怪録鬼姫様
くるぶし卍佐助くるぶし武勇伝

 まず大きな話題としては桜玉吉の復活が挙げられる。なんかいろいろと怠惰かつ健康的な生活を送っていたようだが、今度はどんなふうに展開していくんだろうか。また、「ジ・ガレガレ」も新連載。堀池さだひろは絵の雰囲気は非常にいい。とくに4色ページは美しかった。これで話とか演出とかがもうちょっと磨かれればなあ、と思う。今回も現在のシーンと過去に戻るシーンの区切りをしっかり見せないと、読者が混乱すると思うのだが。

 それから羽生生純「ワガランナァー」は最終回。実に面白かった。ヘンな話なんだけど、最後の最後、しっかり盛り上げてきれいにしめた。素晴らしい。早く単行本になってくれー。
 「魔術っ子!海堂くん!!」はいつも面白い。キャラクターたちがそれぞれに壊れてていいなー。あと、「未来さん」。いつもプリミティブな科学ゴコロを刺激してくれる。西岸良平的な味わいが実にいい。カネコアツシ「Bambi」もアクションでバイオレンスで、アクが強くて面白い。この人って最初はよくある松本大洋のマネっこ的人かなーとか思ったけど、独自のモノを築きつつある。

 そのほかでは「電波オデッセイ」「ロンリネス」「砂ぼうず」なんかも面白く読んだ。やっぱりこの雑誌は98年もレベルが高そうだ。

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