◆ 1999年7月下旬 ◆

7/21〜31
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7/31(土)……漫画ゲラク

 8月のお買い物予定。ピックアップしてみて気になったのが1日発売の竹本健治「入神」。竹本健治って、あの「匣の中の失楽」を書いた小説家なのだろうか。リストの間違いかも? ちなみに「匣の中の失楽」は、俺が読んだ推理小説の中では一番好きな作品なので、興味があったらぜひ。衒学的な知識の数々と、特異な構造で、恐ろしく面白いのである。中井英夫「虚無への供物」の路線にありながら、アレをさらに進化させたような小説。発行は講談社。新書サイズの講談社ノベルズ。
 あと逆柱いみりの新刊が出るってえのはまことにうれしいことじゃあございませんか。

タイトル作者出版社
1入神竹本健治南雲堂
5おまかせ!ピース電器店(14)能田達規秋田書店
5美姫−うつくしひめ−おおしまひろゆきコアマガジン
6イッパツ危機娘(4)原田重光講談社
6ドラゴンヘッド(8)望月峯太郎講談社
6王道の狗(4)安彦良和講談社
6歌麿(3)六田登双葉社
6スクールOKAMAワニマガジン社
7からくりサーカス(9)藤田和日郎小学館
7ARMS(9)皆川亮二小学館
9めしべのアルバム海明寺裕三和出版
10モーニング新マグナム増刊講談社
10快楽天星組ワニマガジン
10零式東京三世社
11オリジナル9月増刊号小学館
17スピリッツ増刊Manpuku!小学館
19アガルタ(3)松本嵩春集英社
20うしろまでヌルヌルみかりん一水社
20仏師下村冨美小学館
23ヨリが跳ぶ(18)ヒラマツ・ミノル講談社
23BLAME!(3)弐瓶勉講談社
23神戸在住(1)木村紺講談社
25子午線を歩く人須藤真澄アスペクト
25観光王国須藤真澄アスペクト
25BAMBi(3)カネコアツシアスペクト
25バラ色の明日(5)いくえみ綾集英社
25漫画の鬼AX(10)青林工藝舎
26天使の近親相姦月角松文館
26ハッピーニュース井ノ本リカ子松文館
26カラフル萬福星ビブロス
28きりきり亭のぶら雲先生(1〜3)きくち正太ソニー・マガジンズ
28FLOWERS(1)奥瀬サキソニー・マガジンズ
28隣人13号(1〜3)井上三太ソニー・マガジンズ
28羊のうた(1〜3)冬目景ソニー・マガジンズ
30太陽が落ちてくる(2)咲香里笠倉出版社
30月下の棋士(25)能條純一小学館
30宙舞(そらん)(3)小林信也/秋重学小学館
30奈緒子(22)坂田信弘/中原裕小学館
30ONE&ONLY(1)山田貴敏小学館
30センチメントの季節(4)冬の章榎本ナリコ小学館
子供の森 完結編もりしげオークラ出版
ケキャール社顛末記逆柱いみり青林堂
好きさ好きさ好きさ小野塚カホリ宝島社

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/15 No.16 小学館 B5中
 高田靖彦「演歌の達」。タツのライバルになるかと思われたサンゾーが昔発掘した女優の行動のせいで、せつこたちのライブはむちゃくちゃに。手ごわいライバルとして、これからサンゾーが君臨するのかなあと思っていたら、意外とアッサリ引っ込んじゃってそこらへんは残念。

【単行本】「太陽が落ちてくる」1巻 咲香里 笠倉出版社 B6
 ZetuManに掲載された表題作と、「あの娘のエッチ」シリーズ4話を収めた単行本。注目はやはり「太陽が落ちてくる」シリーズのほう。母親が死に、父親と住むことを肯んじなかった女子高生のつかさが、母親が言い遺した男・霧島のもとへと転がり込む。しかし彼はAV監督で、そのマンションもAVの撮影に使われていたりしてつかさはパニックに。でもまあそれがなんとかなって一緒に暮らしているうちに、つかさは霧島に惹かれていく……というお話。咲香里は最近Uppers連載の「春よ、来い。」でメジャーシーンにも進出しつつあるが、その完成度の高い華やかでキュートな絵柄はパッと目を惹く。CGで描かれているらしいカラーページも美しい。難をいうなら、あまり慣れていない長期連載のせいか、設定等にぎこちない面も多少見られる。霧島をAV監督にした設定は今のところさほど生きてないし。ただやはり、絵はきれいだし女の子たちもかわいい。そこらへんにホクホクしながら読むといいかな、という感じ。雑誌連載のほうは現在、今回の収録分よりもだいぶシビアな展開になっているが。

【単行本】「青空」3巻 原秀則 小学館 B6
 中学生のころから天才投手として名を馳せていた少年・天野光一が、幼いころから慕っていた年上のおにいちゃん・三雲氷介、おねえちゃん・雪ネエとの約束を守るため、野球部が廃部になっていた母校に新たに野球部を作ろうとする。土地の権力者のあからさまな妨害もあって、前途は非常に多難。次々と主人公の前に苦難を用意する、ある種ベタベタな展開ではあるが、根性的野球漫画としてはそれなりにまとまっている。きちんと野球部が運営できるようになって、野球のシーンが増えてきてからが勝負……と思っているうちにもう3巻。長く少年誌・青年誌でバリバリにやっているベテランだけに、どんな話でもそれなりに読ませるようにまとめてくる手腕は職人芸的。あざとくはあるけれども、それでも読ます。そしてコンスタント。きっちり仕事しておるわい。

【単行本】「くらげ」 道満晴明 ヒット出版社 A5
 どこかズドーンとした、セルロイドっぽい画風がこの人の特徴。エロ漫画の体裁をとっているわりに実用的ではないが、お話をくるくる転がしヒネリをつけて読ませてくるあたりは秀逸なセンスを感じさせる。全4話収録されていて、この単行本の中心となっている「はらいそ」は、子供に乱暴に扱われているおもちゃたちの物語。片足がもげてしまったおもちゃの兵隊ルクと、頭の綿を抜かれてしまった人形のユエの、優しい愛を描いたお話である。日常的なギャグから、この「はらいそ」みたいなロマンチックなものまできっちりこなせる力量は大したもの。

【単行本】「持病のシャタク」 藤野美奈子 小学館 A5
 1ページ程度の非常にこまごまとしたお話を中心に集めた短編集。中心となっているのは、社宅に住む家庭の奥様方が、細かいことを契機に調子っぱずれの暴走をするシリーズ。所帯じみたみみっちい発想から出てきた妄想を、軽やかに料理する手際は手慣れたもの。爆笑というほどでもないけど、巧みに読者をくすぐってくれる。


7/30(金)……メンドルフィン

【雑誌】ヤングアニマル 9/5増刊 「ふたりエッチ」サマースペシャル 白泉社 B5中
 収録作品は白泉社のページも参照のこと。克・亜樹「ふたりエッチ」はまあ傑作選という感じで、総集編なので普段読んでいる人はとくに読み返さずとも良し。むしろ後半に収録された読切群が気になる。マニア筋はたぶんほとんどがそっち目当てで買うのでは。「ふたりエッチ」で客寄せしといて、個性的な読切をまぎれこますという手法は、雑誌を採算ベースに乗せつついろいろ試すのには、とても効果的だと思う。なかなか充実した一冊に仕上がっている。
 宇仁田ゆみのデビュー10作目(らしい)「すきなひと」。物語の語り手である男子の彼女、あみは学校の中で浮いている。彼女がただ一人の女友達と話している姿を見て、彼は彼女の今まで知らない表情を見る。彼女のさまざまな表情に、彼はぞっこんだ。脇役の女の子たちはすべて紙袋に頭を突っ込んだ状態で描かれる。見分けがつかないような、無個性さを象徴させているのだろうけど、紙袋をかぶったままの女の子が山ほど出てくるさまはかなり印象的。ラストは中途半端な感もあり、ちょっと読み足りない気はするが、爽やかな読み口は後味が良い。
 中田ゆみ「コムスメエブリデイ」。OLとエロ漫画家を兼業中の女の子が主人公のコメディ。主人公の女の子が、健気だけど嗜虐心をソソるフェロモンを出してて魅力的。描かれていることは中田ゆみ自身がモデルかなーと思ってしまう生っぽさもあり。うらまっくがペンネームを変えて登場。こちらでは「増田剛」と名乗っている。タイトルは「もっかあたため中!」。奥さんが妊娠した夫婦の幸せなコメディ。手堅くまとめてはいるが、飛び抜けたところはなく大人しい。一般誌系ということで気兼ねしたか? 西川魯介「SF/フェチ・スナッチャー」。主人公の女の子と、奇妙な形の宇宙人。彼らがなんだか愛し合ってしまう物語。非日常的で無機的な宇宙人と、おさげみつあみ眼鏡娘が愛し合って身体を重ねまでするミスマッチが楽しい。あと、こいずみまりやあさりよしとおといったところも、いつもどおり力を発揮している。

【雑誌】コミックラッツ 9月号 司書房 B5中
 今回はいまいちパッとしない印象。
 きゃらめる堂「ドレスレス」で、人妻が男に引きずり回されて、道端でマンションの窓から何人もの人たちに見られながら凌辱されるあたりのシーンは濃厚でソソる。また、かかし朝浩「タナボタ!」は、公園で偶然出会ったくたびれたサラリーマンとコギャルが、ひょんなことから付き合い始めるというお話。きれいにさわやかに、そしてサッパリと後味良くまとまっている。かかし朝浩は漫画うまいなあと思う。

【雑誌】コミックメガストア Volume 01 コアマガジン B5平
 新創刊。メガストアの増刊枠で、エロゲーのコミック化がメイン。俺としてはエロゲーはほとんどやらんので、正直なところあんまり興味ない。そういうこともあってか、イマイチ元となったエロゲーの世界に入っていけなかった。独立した物語として見た場合にも、出来は良くないものが多い印象だが。各エロゲーの世界が前提にあるようで、門外漢にはちと厳しい雑誌ともいえる。
 とかいいつつ買った理由は目黒三吉「東京九龍」が掲載されているから。絵はさすがにすごくうまい。お話は単体で読むと人間関係とかがふわふわした落ち着かない感じでもある。絵では路杏るう「Girl To Love」はわりと好み。実用面では、やたらデカいちんちんがガラスの容器の中でビッキビキになり精液を搾り取られる、黒荒馬双海「魔法のススメ」がよろしい。血管パッツンパッツンな肉棒はやはり雄々しい。

【雑誌】MEN'Sドルフィン VOL,01 司書房 B5中
 司書房から新月刊誌創刊。というわけで第1号である。誌名から見るに、ドルフィン本誌よりは若干上の年齢層をターゲットにした雑誌であるようだ。美少女系の作家をコアにしつつも、年齢層を考えてか若干脂っこい。巻頭カラー、間垣亮太「こちら杉並支店営業二課」。お話はどうでもよい感じだが、とにかく乳の重み、質感に力を注ぎ込んだ作風。面白いお話ってわけではないが、実用性は十分。デカ乳好きな人に。伊駒一平「婦長の休日」。お堅い婦長さんが、休日になると公園で少年を漁って変態的なプレイに溺れているというお話。伊駒一平にしてはノーマルな変態モノ。花見沢Q太郎「おひさま」。他愛ないお話だが、そこらへんのかわいらしさがさすが。トウタ「渚にまつわるエトセトラ」。これは連載モノ。トウタは前は「上杉秀彦」というペンネームだった人。まとまりの良い絵柄はわりと好感が持てる。乳はボリューム感があってやわらかそう。
 全体的な印象としては、それなりのお仕事はしているがインパクト的には弱いかなという感じ。司書房的には、美少女漫画の資産を生かして、さらに対象ターゲット層を広げていきたいというところだろう。革新的なところはほとんどないので、マニア層にはあまり受けないかな。個々の作品の出来もとりたてて良いというほどではないし。実用方面でもストーリー方面でもいいので、一つ大きな武器は欲しいところ。ところで誌名がどうにも泡沫っぽい感じがしてならないのだが。

【雑誌】ヤングキングアワーズ 9月号 少年画報社 B5中
 巻頭カラーで藤倉和音「What A Shiny Day」がスタート。全ページ4色カラー。透明感のある色遣いがとてもきれい。大石まさる「A FAR STEP」。若きメディア王とその妻でもあった二人が事故で死亡。その娘・カリンが、父母の友人であり今は荒れた生活を送っていた男・マーティのもとへとやってきた。年齢はそれこそ親と子ほども離れている二人だが、そのまま一緒に暮らし始める。最初はとまどっていたマーティだが、瑞々しいカリンと触れ合うことによって昔のようなイキイキとした心持ちを取り戻していく。今回は32ページとボリュームがあって満足。9月27日には大石まさるの初単行本も発売されることが決定したそうだ。めでたい。

【単行本】「戦国子守唄」1巻 森秀樹 小学館 B6
 織田信長配下の軍にあって、うだつのあがらない雑兵3人。彼らが、浅井長政の遺臣に、長政の末男・万菊丸を託される。織田側は長政の遺児を皆殺しにするため、その行方を追う。赤子を守りながらの、雑兵3人の逃避行が始まる……といったお話。一読して描写の骨太さ、力強さ、シブさに圧倒される。きれいなねーちゃんなぞ一つも出てこず、汗臭い雑兵のおやじたちがひたすら描かれる。広く知れ渡るような名もなく、戦のてゴマに過ぎない雑兵たちの意地、そしてその生き様はたいへんに泥臭く、また人間臭い。

【単行本】「国立博物館物語」3巻 岡崎二郎 小学館 B6
 これにて完結である。単行本データなどは岡崎二郎ページのほうを参照のこと。スーパーコンピュータ「スーパーE」の中でシミュレーションされた、恐竜の進化、そして地球の未来といった大きな軸のほかに、身近な生活の中から博物的なアイテムを見つけ出してキッチリまとめあげたエピソードなど、どのお話を読んでも手堅い。博物的観点から、人類の現在・未来を、あるときはポジティブに、あるときは危惧をもって見つめる。含蓄に富む作風は職人芸的。お見事。


7/29(木)……ユカタン半島

 東北のとある町に一軒しかない本屋。この本屋にいつも2冊ずつ入荷する青年漫画雑誌。本来の発売日は月の第1第3水曜日だが、流通事情からこの地方では入荷が金曜日となる。その2冊を買っていくのはいつも同じ二人。その本屋から一番近い公立高校の3年生の男子と1年生の女子だ。その一人、清水さちこは別にこの雑誌が好きというわけではなかった。大好きな先輩と同じ本を読んでみよう、そんな気持ちから購入している。それをきっかけに彼に近づきたいなどという大それたことを考えているわけではない。同じ本を読んでいる、それだけで十分だった。
 さちこの父は近所でも有名な厳格な人間である。娘が漫画を読むのもあまり快く思っていない。少女漫画ならまだしも青年漫画などもってのほかだ。だからさちこは、いつも父が眠りについてから、自分の部屋を暗くしてデスクライトの灯りを頼りに雑誌をめくるようにしていた。しかし、その日だけはうっかりして雑誌を買ったまま机のうえに出しっぱなしにしてしまい、父に見つかり没収されてしまった。さほど読みたいわけでもなかったが、さちこの心はちょっぴり痛んだ。
 父はさちこから没収した雑誌を自分の職場に持っていき、食堂の雑誌入れに差し込んでおいた。東京に出張の用事があった同僚の一人が、電車内での暇つぶし用にそれを持っていったのが火曜日。東京へ向かう新幹線の中で彼が読み終え、網だなの上に置き忘れていったその雑誌は、その後さまざまな人が読んでは網だなに置き……といったことを繰り返し、結局田園都市線の長津田駅のごみ箱に捨てられ、俺が拾ってくることとなった……などということがあったらステキだな、とかときどき考えながら駅のゴミ箱をあさったりしている俺だ。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/12 No.35 集英社 B5中
 いつもはあんまり読みどころのない雑誌だが、今回はヤンジャン系では最も期待している新鋭、武富智が登場して一気にコストパフォーマンスアップ。タイトルは「3ペイジ」。2週連続の読切で、今回は前編。学校の先生に憧れる女の子と、彼女に恋する二人の男子。中学生三人の思春期物語。サッパリとして、どこか淡く、それでいて色気もほのかに感じさせる、丹精な画風が新鮮。技術的にはすでに申し分ないし、お話を作る力もけっこうある。もっと作品をたくさん読んでみたい人。あとはやはり、広末の浴衣が見どころであろう。

【雑誌】モーニング 8/12 No.36 講談社 B5中
 ヒラマツ・ミノル「ヨリが跳ぶ」。ヨリとヒロコの最終決戦は初っぱなからヒートアップ。このテンションをベースラインにどんどん高めていくとなると、ピークはさぞすごかろう。楽しみである。高橋のぼる「リーマンギャンブラー マウス」が新連載。離婚をきっかけに人生を踏み外しはじめたとあるサラリーマン。不思議な美女に導かれて、ギャンブルの世界に没入していく。脂っこい絵柄と描写に抵抗がある人も多そうだが、それだけに一種独特の迫力はあるので面白くなるやもしれない。鄭問「始皇」。なんかあっさり第二部・李牧編が終了してしまった。絵柄が激情的で圧倒的に濃いわりには淡泊なような。もう少しまとめて読みたかったところ。

【雑誌】ヤングサンデー 8/12 No.35 小学館 B5中
 山田芳裕「デカスロン」。長い闘いもついに終了。そして次号で最終回。レースが終わった後の歓喜のさまは、いかにも万吉らしく馬鹿馬鹿しくてパワフルで良かった。思わず顔がほころぶ馬鹿っぷり。爽快。遊人「桜通信」。冬馬と麗が二人で海のそばの別荘に……と思ったら、そこに冬馬とかつて関係を持った女の子たち3人も集結。またしてもなんも考えていなさそうな、どうしようもない展開。ああ、なんてどうでもいいんだろう。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/12 No.36 秋田書店 B5平
 西条真二「鉄鍋のジャン!」番外編。「蘇州双龍譚 悪い奴ほどよく喰らう!」。秋山階一郎と五番町睦十がの青春時代。戦前の中国を舞台に、伝説の二人の料理人が大暴れする物語。少年時代の大谷日堂も登場。本編に勝るとも劣らず、むやみに力が入っていて乱暴な展開がステキである。おおひなたごう「おやつ」。ない字を作ってしまうひらがな融合ネタに心惹かれる。

【雑誌】快楽天 9月号 ワニマガジン B5中
 かるま龍狼「ゴローダイナマイ!」が巻頭カラー。コミカルで開放的でショタありギャグありホモありと、サービス満点。少年はかわいいし、女の子はHだし、いつもながら巧み。朔ユキ蔵「私の愛したコロッケじじい」。ああ、ええお話じゃのう。町では「コロッケじじい」として馬鹿にされている浮浪者のおやじと、コロッケじじいにまんこをいじらせるのが病みつきになった少女との、奇妙なつながり。ほとんど無条件に蔑まれている浮浪者オヤジの、孤独な心が切ない。ちょっと哀しい読後感を残してお話は終わっていく。線の鋭さ、シャープさは気持ちがいい。 ていうか俺は浮浪者が出てくる漫画って好きだ。それが汚らしくて、ちょっと頭がラリってて近所の子供たちに「ボブ」とか呼ばれてイジメられていたりするともう最高。子供ならではの容赦のない残酷さが俺の心をピシピシと苛んで、マゾヒスティックな快感が。
 SABE「阿佐ヶ谷腐れ酢学園」。なにやらかなり終わってるヤケクソな展開がすごく楽しい。なんかもうたいへんだ。松本耳子「あほちん」。普段は大人しいのに、酒を呑むとやたら鬼畜で性豪な人に変身するナイスガイ。ざっくばらんでサバサバした感じの絵柄で、肩が凝らずに楽しく読める。イサカミナミ「ワタシ進化論」。お話そのものよりも、ガシガシ描き込まれた背景に感心した。ゴチャゴチャしててサイバーで、ちょいとレトロで。


7/28(水)……あ、いやん

 アクセスカウンターが20万を突破したそのころ。俺は秋葉原を歩いていた。ゴツい鉄の棒を背負いながら。あらためていう必要もあるまいが、鉄は重い。

【雑誌】週刊少年サンデー 8/11 No.35 小学館 B5平
 作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!」。ダンドー少年の顔面に液体ぶっかけ。描写や構図のあざといショタっぷりなど、力業な魅力。さすが坂田信弘。ゴルフの勝負もちゃんと面白いし。サッカーものの新連載、草場道輝「ファンタジスタ」がスタート。初っぱなからポストプレーとセットプレーを間違っているらしいあたりがお茶目だ。とりあえず正統派のサッカー漫画をやろうとしているのは分かるので、盛り上がってくれるといいなと思う。久米田康治「かってに改蔵」は、最近かなりノッている感じ。リアル電車ごっこや不吉な遊び「絶望」など、クサイところをついてくる。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/11 No.35 講談社 B5平
 ジャンプで「幕張」を連載していた本多康昭がマガジンで復活。新連載、タイトルは「泣くよウグイス」。女の子に弄ばれて捨てられた男・千石が、その女の子が付き合っている高校球児な男を打倒するため、野球を始めるといった感じの話になるようだ。あらすじだけいうと普通の野球漫画っぽいが、濃厚な描写と暑苦しくて力づくなギャグは健在。マガジンの、ジャンプとはまた違った荒っぽい雰囲気にもけっこうマッチしている。というわけでわりといけるのではなかろうか。石垣ゆうき「MMR」。Xデーは8月11日。遺伝子情報をイジられたくない人は要チェック。

【雑誌】コーラス 9月号 集英社 B5平
 よしまさこ「うてなの結婚」。今回は50ページ。今回はモテるのに重度のファザコンのまま30歳になってしまったうてなの姉・あのんが主役。絵のタッチもお話も軽やかで上品。そして楽しく読める。「1丁目の楽園」も掲載されているので、今号はよしまさこは2本立てというわけだ。くらもちふさこ「天然コケッコー」。そよの妹分的な二人、伊吹と篤子がそよと同じ高校に入学してくる。彼女たちが発信源となり噂が流れ、大沢とそよの仲はまたこじれそうな気配。この先どうなるのだろうかと、余計なお世話的興味がつのる。


7/27(火)……うなまん象

【雑誌】激漫 Vol.21 ワニマガジン B5平
 今号からリニューアル。B5平とじになってボリューム感アップ。まず目玉は巻頭カラー。天竺浪人の読切一挙54ページ。タイトルは「SLEEPLESS NIGHTS」。自分を馬鹿にした淫乱な兄嫁をズブズブに犯し抜く男。それにしても天竺浪人の最近の作品は、熱に浮かされたようないやらしさがある。なんというか心根の部分がどうにも淫らなのだ。今回はこの読切に加えてお気楽エッセイ風漫画「笹暮草」も描いているので天竺浪人ファンには一冊で二度おいしい。三部敬(たぶん瓦敬助と同一人物)「砂時計」。子供のころから、明るい性格の双子の妹と対照的に優等生的に振る舞い、その結果抑圧していた自我がときに制御が利かなくなって破壊衝動として表出する姉。彼女の視点からお話は語られるが、現実と夢想の境目があいまいになる幻惑的な展開を見せる。彼女の不吉な目つき。全体に漂う薄暗さ。肉感的で影のある絵柄はなかなか個性的。この人の作品はけっこう好きだ。馬場康士「LIZARD KING」。今回ザビタンはプラモデルを作っているだけ。彼に関係なくお話はズンズン進む。相変わらずエロはなく、汗臭くかつパワフルなギャグを連発。ダイナミックに楽しい作品。

【雑誌】マガジンZ 9月号 講談社 B5平
 作:富田祐弘+画:美樹本晴彦「BABY BIRTH」が新連載。今回は序章。まあなんか予告編みたいなもんだと思えばよろしい。ページ数は10。美樹本晴彦らしく絵は華麗なので、今回はそれを楽しみながらキャラクターの名前を覚える程度。マイケル原腸が2号連続で登場。タイトルは「多摩川超殿堂倶楽部」。オカルト方面に偏向する高校の郷土史研究会。女先輩と下っぱ男子の活躍を描くドタバタ。こういう系統の作品では実績のある人だけに、安定した面白さ。徳光康之「濃爆おたく先生」。ガンダムおたくな先生が、自分の好き勝手な主張を生徒に押し付ける。そういう漫画。暑苦しいギャグがけっこう楽しい。2本掲載されている2本めがとくに。

【雑誌】ヤングチャンピオン 8/10 No.16 秋田書店 B5中
 最近盛り上がり気味な、作:宮崎克+画:高岩ヨシヒロ「ふりかえればアイツがいた! 松田優作物語」。「探偵物語」編に入ってますます好調。しかも、次号では表紙・巻頭グラビアも含めて松田優作大特集号をやるらしい。ファンはぜひ。富沢ひとし「エイリアン9」。大谷さんは無事復帰できるのか。予断を許さぬ展開。それにしてもこの絵柄とは裏腹な確信犯的にハードな作風は、なんとも刺激的であることよ。それから「ジャイアンツ」などの柴田芳樹が登場。タイトルは「鰻漫(うなまん)」。男と鰻と少女の、ちょっとホラーっぽいお話。まとまってはいるが、今回はあまりジャイガンスティックというわけにはいかなかったようだ。も少しキレてくれるとうれしいところ。
 ところでヤングチャンピオンってけっこうコラム記事が充実していて好きなのだが、最近のお気に入りは西条真二が挿絵を描いている「金儲け評論家」M・R・LINKの「ゴールド・アップル」である。やたらに威勢のいい大ざっぱな金儲け理論が痛快。従おうという気にはあまりならんけど。

【雑誌】ヤングキング 8/16 No.16 少年画報社 B5中
 手堅くお仕事している雑誌。ヤンキーものが多いのは確かだけど、ジャンルに抵抗なければそれなりに読める作品が揃っているし。突出した作品はないのだけど、どれもわりと気楽にスラスラと読める。小池田マヤ「聖★高校生」は、このところどんどんハードな展開になってきている。恋慕と友情と性欲がからみあって、かなりやりきれぬ状態に。有村しのぶ「HOPS」。主役男女が二人で旅行に出掛けて、Hな下着ファッションショー状態。他愛なし。

【単行本】「気まぐれナイチンゲール」 井荻寿一 竹書房 B6
 ああ、それにしても。井荻寿一の絵はいいねえ。清楚な感じでありながら、にじみ出して来るようなHさ。アッサリしていてかつ風情がある。しっとりと濡れたような、キメの細かさがたまらないのだ。「いかにもやりそうな人がやる」というよりも、「普段はあんまりしなさそうな人がしている」って感じがソソる原因の一つなのではなかろうかと思う。この単行本は竹書房の「Dokiッ!」に掲載された作品を集めた短編集。表紙の可愛らしい看護婦さんの絵が気に入るようだったら買っちゃってOKかと思う。

【単行本】「HAPPY END OF THE WORLD」 うらまっく ふゅーじょんぷろだくと A5
 ダークな話ありお気楽な話あり。いずれも出来が良くって大したものだなと思う。この人はホントにうまくなっている。職人芸的。この単行本の中では、ちょっと頭が弱くて常に男に抱かれていないと生きていけない女の子とその彼氏の、愛あれど哀しい日常を描いた「理子はよくいなくなってぼくを困らせる」がとくに好きだ。笑顔の向こうにある切ない哀しさ。あと娘を亡くした男が町中でさらってきた女の子を監禁し、彼のアパートの部屋という閉鎖した空間で繰り広げられる悲しいお話「いつかみたそら」も陰鬱なムードでズッシリとした読みごたえ。惜しむらくは中表紙が透けてしまうほどの薄っぺらい紙のカバーに代表される紙質の悪さだが、原価の問題でたぶんしかたないのだろうなあとは思う。紙質を上げることによって本が出なくなるよりは、出てくれるほうがなんぼかいいし。


7/26(月)……うしろのプチフラワー

 なんかどうも最近まともな時間に眠くなる。前は朝5時くらいまで起きててWebを更新してから寝る感じだったのだが、最近では夜の1時くらいに眠くなってしまい、一度寝てから3時か4時くらいに起きて漫画読んで更新というパターンが増えてきた。眠くなる時間はわりと人並みになってきたのに、生活はかえって不規則になっているような気がしないでもない。

【雑誌】プチフラワー 9月号 小学館 B5平
 巻頭で諏訪緑「時の地平線」がスタート。諸葛亮孔明を主人公とする「三国志」モノ。行儀の良い上品な絵柄で手堅く読める。「三国志」モノが好きな人はけっこう楽しめるのでは。眞部ルミの作品が2本掲載。第108回PFコミックスクール努力賞受賞作「ハウス・サンプル」と、第110回PFコミックスクール佳作受賞作「種と風船」の2作。パッと見て絵柄が非常に特徴的。西洋の絵本にでもありそうな、ペンで精密に描き込まれたファンタジックで上品で耽美的な絵柄。作品の幅は限られてきそうな絵柄ではあるが、お話の内容ともマッチしていて完成されてはいる。けっこう面白いので一読の価値はあり。奈知未佐子「留守猫」。今回も手堅く心暖まるショートメルヘン。この人の作品は、動物がらみの話のときはとくにいいと思う。コンスタントにいいお話を描いている。

【雑誌】ヤングマガジン 8/9 No.34 講談社 B5中
 古谷実「グリーンヒル」。今回はストーリーの本筋とは全然関係なさそう。浜辺で倒れていた女性を拾って悶々たる気持ちになる、それだけのお話。ラストの投げ遣りさが爽快。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。ゲンさんの馬鹿っぷりとうっとうしさは今日も炸裂。周りの市民たちもなぜかやけにノリが良い。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/9 No.34 小学館 B5中
 巻頭は作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。もうそろそろ終わりにしちゃってもいいかな、と思っていたが、次号から新展開な模様。山本康人「僕」。主人公、鈴木ひろしの普通コンプレックスパワーが暴走気味で面白くなってきている。脂っこくて濃厚な味わいも良し。山本直樹「ビリーバーズ」。『オペレーター』さんと『副議長』さんの性衝動は止まらず。過去にあったらしい『第三本部長』さんとの一件が気になるところ。それはそうと艶めかしくて淫らだなあ。吉野朔実「瞳子」。プチフラワーでも掲載されていたので、本日2本め。友人の身内の死をきっかけとして、自分の存在やら父親たちとの関係について考え直す瞳子の心の揺れを描く。きっちりまとまっていて手堅い出来。そして今号ではなんといっても、柳沢きみお「SHOP自分」。この安っぽいグルメ的うんちく、人生観。「日本人は概してブランド好きだが、人間性が貧弱なヤツほどそうなるんだよな」だそうだ。柳沢きみおの描く安っぽい説教って、そんなこと分かり切ってるし本当にどうでもいいんだけど、このどうでもよさがたいへん心地いい。この酔っ払いオヤジの繰り言的な味はほかの人では出せない。柳沢先生バンザイ! ビバきみお!

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/9 No.35 小学館 B5平
 作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。ヒカルと佐為たちは、インターネットでの対局に熱中。世界に向かってブイブイいわしまくる。いつの間にやらたいへんなことになりつつあって楽しい展開。「身海魚」を以前連載していた田中加奈子が読み切りで登場。タイトルは「三獣市」。アクの強い半人半魔な感じの奴らによる、ガンアクション「西遊記」モノ。絵柄はたいへん個性的なのでちょっと気になっている人ではあるが、スムースに読者を引き込むには何かが足りないような。

【雑誌】パイク Vol.21 葉月 ふゅーじょんぷろだくと A5平
 加藤礼次朗の新連載「最終少女兵器ちかチャン」がスタート。全世界を巻き込んだ戦争から12年後の世界。もうすぐ12歳になる宝田千歌(愛称ちかチャン)は、寄ってくる変態もアーミーナイフやマシンガンで撃退しちゃう元気な女の子。そんなちかチャンだが、転校してきた美少年のあたる君を巡って大の親友ひずみチャンとの仲にヒビが入りそうに……。というわけで以下次号。加藤礼次朗の作品が1本入ると、だいぶ誌面の印象が違う感じ。例によって過剰な展開がありそうで期待。TAGRO「BUNNY HIGH!」。おなじみバニーさんもの。今回はエロなしだが、キャラクターがイキイキしていて魅力的。ポーズやら表情やらがピシッと決まっていて気持ちがよい。あめかすり「201号室の眠気」。女性がレイプされているところから始まる短編だが、その後の展開は実に淡々。そしてなんとも人を食っている。つかみどころのない面白さがステキ。

【単行本】「ひな菊」 雁須磨子 オークラ出版 B6
 同性を好きになってしまう男の人たちのお話。といっても表現自体はハードではなく、非常にのんびりしている。熱愛といった感じではないのだが、友情が深化して愛に変わるといったより日常的なノリで、それだけにかえって根深い印象も受ける。微温でゆるい表現はこの人ならでは。あとがきで登場人物たちを「この人たちも好きあってる恥ずかしい人たちです」などと、サラリと語ってしまうセンスは好きだ。


7/25(日)……広告の志

 怠惰だけどそれなりになにかした一日。ドラクエモンスターズってやっぱ面白いわ。エミュでPCのディスプレイに表示してやると画面もきれいだしー。

【雑誌】CUTiE comic 9月号 宝島社 A5平
 おかざき真里が読切で初登場。タイトルは「草子のこと」。友達の彼氏に片想い中の女の子・萌子が、犬の散歩の途中に野原で出会った地面から生えている女の子。彼女は自分のことを「草子」と名乗る。草子に水をあげたりしているうちに、萌子はすっかり草子と仲良しに。16ページと短いが、爽やかに読ませる作品。余白の枠がない変則的なコマ割りも効果的。かわかみじゅんこ「どうか、わたしを」。喫茶店でかわいい女の子を見ながら妄想にふける女医の話。現実との継ぎ目を意識させずゆるやかに妄想に入っていき、しばらく行ってから揺り起こすリズムが良い。お話は他愛ないけど楽しんで読める。絵の手触りがなめらかなのもいい。オーツカヒロキ「ナンパでGO!!」。彼氏が欲しくてしょうがなくって浜辺で逆ナンゴーゴーな女の子二人。勢いがあってテンポもいい。魚喃キリコ「南瓜とマヨネーズ」は今回で最終回。クールであってもほんのり暖かい後味を残してしめやかに終わっていく。後味の良い終わり方だった。次回作も期待。近日単行本化の予定だそうだ。
 で、次号はなんとびっくり。吉本蜂矢登場らしい。落ちなければ、の話ではあるが。

【雑誌】デザート 9月号 講談社 A5平
 巻頭カラー、栗原まもる「ペットボトルラブ」がいい。裸になるのが大好きで、彼氏といるといつでもどこでも服なんか脱ぎ捨ててしまいたくなる女の子のお話。この女の子は、別にSEXしたいとか露出狂ってわけではない。性的な意味合いはとくになく裸になってくつろぐのが好きなのだ。もちろん彼氏はヤリたくなってしまうのだが、彼女はそんなつもりではない。カラッと明るく気持ちよいコメディ。木村千歌「カンベンしてちょ!」。絵は簡潔でアッサリしているのに、なんかH。さわると意外としっとりしている感じ!!

【単行本】「幽玄漫玉日記」2巻 桜玉吉 アスペクト A5
 相も変わらず漫画家一人と編集者二人、男三人がうだつのあがらぬ日常を、ハイテンションあるいはローテンションに生き抜いていく。日記漫画にあるまじきほどの激しい浮き沈みと生々しさで、異様な迫力を持っている。
 それはそうと巻末の「玉屋『ビーム』救済四コマ」で、O村編集長による広告募集の告知を見て、「友だちみんなでお金を出しあってなんとかなりますか」と問い合わせてきた「若い読者」というのがあったのだが、アレってまず間違いなく俺のことだと思う。実はあの告知を見てすぐ、そういう問い合わせメールをO村編集長に出したんだよね。「気持ちはありがたいけど無理はしないでください」とお返事もらったので、こちらもお金が集まったら……という感じでそのときはお話が終わったのだけれども。だいたい10万円くらいはかかるとのお話だった。
 ビームが休刊ということはちょっと前の「噂の真相」の一件でも分かるとおり、とりあえずしばらくはないようだ。しかしガロなどのときのように、自分の好きな雑誌が消えていくのを何もできないまま指をくわえて見ているのは、俺はもういい加減イヤになっている。ちょっとしたタニマチ気分を味わってみたかったというのもある。無理はしないまでも、自分にできることから一歩一歩。何もできなくなってからじゃ遅い。広告の件、相乗りしたいって人がいたら「ビーム1ページジャック計画」を再開してみてもいいかな、とか思っている。

【単行本】「おさんぽ大王」3巻 須藤真澄 アスペクト A5
 まあ今日も平和におさんぽして、見学して、人と会って、酒飲んでという須藤真澄の日常。ほのぼのとかわいい絵で、ちょっとダメな成人女性の日常が繰り広げられるという感じ。ちまちまと箱庭的にかわいいものを作り上げる腕はいつもながらに大したもの。もうデッカいファンタジイはあんまり期待していないので、これはこれで楽しんで良しとする。

【単行本】「スリーピース!!」1巻 安彦麻理絵 秋田書店 A5
 男勝りの長女、イケイケの次女、地味でオタクっぽい三女。三姉妹の華やかでなく野暮ったい日常を描く作品。この作品を読んでいて思ったのだが、安彦麻理絵は不細工な男や女もきちんと描けるのがいい。三女の人なんてとくに。空想癖があったり、妙に自省的だったりするところも親近感が持てる。清濁併せ呑むことによって深みと広がりを持った、生活感のある生暖かい空気が心地良い。

【単行本】「なるたる」3巻 鬼頭莫宏 講談社 B6
 今回はアクションシーンやら大きな展開はなく、これからに向かってせっせと物語の種を蒔いているといった状態。そのためすごい面白いってわけではないが、画面に充満したピンと張り詰めた雰囲気はええ感じであるなあと思う。

【単行本】「運び屋ケン」2〜3巻 深谷陽 集英社 B6
 アジアンな空気をイキイキと描く。アジア系の地方を中心にどんな「ブツ」でも運搬する男(武器や麻薬は除く)、「運び屋」のプロ、ケンの物語。ストーリーや舞台設定だけでなく、絵柄もちゃんとエスニック。日射しの暑さ、熱さまで感じられる描写力の高さ。お話は基本的に1話か2話くらいで完結する形式だが、それぞれのエピソードが人情ありアクションありでしっかりとまとまっている。女性たちを中心にキャラクターも魅力的。鮮やかな手際で爽快な読後感が残る。


7/24(土)……えむぼま

 ワビテイ。22日の日記でみやびつづる「艶母」がまだ続くようだとか書いちゃったけど、ちゃんと終わっていた。「14話完」とあるページから2ページ飛ばしてエピローグがあったことに、そのときは気づいてなかったってわけよ。申しわけないッ!

【雑誌】アフタヌーン 9月号 講談社 B5平
 四季賞'99夏のコンテストが発表される。今回は四季大賞が出た。クリハラタカシ「アナホルヒトビト」という作品。これは次号に掲載。今回の発表で気になったのは、準入選のおがわたかし「鯨神」。商業誌だと、ビッグコミックスピリッツ掲載「木の時間」などを描いていた人だ。読みたいなあ。で、今回は四季賞受賞の森川未知留「CLOSET」が掲載。母親の情事の間、クローゼットに閉じ込められていた少女。クローゼットの中には、大きなライオンたちが出てくるファンタジイな世界への入り口などではなく、単なる孤独と苦い思い出の場だった。母親が彼女を閉じ込めたまま出て行ったある日、その扉を開けた空き巣。彼女はその空き巣に盗まれていき、その娘として暮らすようになる。一緒に暮らすうちに彼女はその空き巣の男、スガノが好きになっていくのだが……というお話。絵は若干堅さがあるが、物語を構築する能力はしっかりしていて読ませる。暗いクローゼットの中から始まった二人の触れ合い。すごく幸せではないが、ぬくもりと懐かしさのあるお話。佳作。
 作:浅田次郎+画:ながやす巧「鉄道員(ぽっぽや)」が掲載。一挙173P。映画がどうとかこうとかで、まああんまり期待してはいなかったんだけど、描写はしっかりしているしガッチリ泣かせる。ベタベタなほどではあるのだけれどたまにはこんなのもいい、とか思った。遠藤浩輝「EDEN」。ケンジと強敵とのスピード感のある格闘。張り詰めた空気がかっこよい。アクションシーン描かせてもうまいねえ。北道正幸「スカタン天国」。スカッと最終回。ちょっと珍しいくらいのアッサリさ加減。植芝理一「ディスコミュニケーション」では、ものすごく久しぶりに三島塔子登場。不思議にかっこよい魅力があって惹かれる。戸川とはまた違ったかわいさ。高河ゆん「妖精事件」は最終回。

【雑誌】別冊YOUNG YOU 1999 SUMMER 8/30 集英社 B5平
 榛野なな恵「ピエタ 最終章」が掲載。今号は前編。お互いを求めることでしか生きる意味を見いだせなかった二人の少女たち、理央と佐保子。レズというのとはちと違う。お互いがお互いの欠けた部分を補完する、元は一つのピースであった物体が、もう一かけらを求めるようなそんな関係。硬質でクール。そして静謐で切ない。整った絵柄とは裏腹に、ズシリと読みごたえのあるハードな物語。きっとそのうち、この「ピエタ」シリーズで一冊の単行本になるのであろう。それが非常に楽しみな一作。長崎さゆり「コンプレックス症候群」。物語が始まると、スーパーのパートタイマーをやっているお母さんが3人の息子たちに自分が再婚することを告げている。その息子たち。「三男プロ野球選手(20)年収1.5億」「次男ミュージシャン(22)年収3億」。そしてページをめくると「長男超売れっ子ゲームデザイナー(25)年収10億」とくる。はあ、浮き世離れしてますなあ。このやみくもぶりはちょっとステキかも。

【雑誌】きみとぼく 9月号 ソニー・マガジンズ B5平
 最近のきみとぼくの中でけっこう気に入っているのが花樹いちや「Eve」だ。身体が液状化する特殊体質な少女・大虹と、最初は彼女に追いかけ回されていたが思いもよらず大虹が大好きになってしまった同級生のみやざわ王子、そして大虹の父に「大虹と同じ体質を持つパートナー」となるため体質改造された宇頭木。この3人の奇妙な三角関係を描くドタバタラブコメもの。現在は大虹と宇頭木が急接近してみやざわ王子がやきもき、といった展開。設定の奇抜さもいいが、全般にイキがいい。絵もなんか最初のころよりうまくなっているような気がする。元気なばかりだった大虹がだんだんかわいくなってきた。藤枝とおる「レンアイアレルギー」。くっくりした描線の絵が鮮やか。決めカットがなかなかビシッと決まる。架月弥「チョコの歌」。方向性がよく分からぬままお話はズルズルと迷走。非常にユルいお話で、なんか展開の予想がつかない。というわけで気楽に楽しんでいるわけだ。

【雑誌】LaLa 9月号 白泉社 B5平
 津田雅美「彼氏彼女の事情」。学園祭がスタート。宮沢たちが作っていた劇は、どうやら作中作として展開されそうな気配だが。次回に引っ張るようなので、それなりの仕掛けを期待。なかじ有紀「ビーナスは片想い」。大学生とは思えぬほどの無邪気で他愛ない恋愛っぷりが楽しい。かなり中学生っぽい。

【単行本】「犬神」7巻 外薗昌也 講談社 B6
 擬態型の犬神の攻撃により、大きなダメージを負った23。なおも攻撃を加えようとする擬態型と23の間に、かけつけた史樹が立ちはだかる。今まで見たタイプの人間とは違う、自己犠牲をも顧みない史樹の姿に擬態型はとまどうが……。
 犬神というものが何のために生まれてきた存在で、彼らが何をしようとしているのかが徐々に見え始めてきた。ただ、まだ謎に包まれている部分は多く、これからの展開が待たれる。それにしてもこの作品を、とくに単行本で読むと、外薗昌也のおいぬさまに対するメロメロぶりが伺えて微笑ましかったりする。物語はハードに進んでいるにもかかわらず。


7/23(金)……キングオブ黒鯛

【雑誌】フラミンゴ 9月号 三和出版 A5平
 今回はちとヌルまっている感じか。海明寺裕の新シリーズ「puppy Love」開始。少年が昔見た、白くて大きい素晴らしい「イヌ」。のちに「イヌ」は町から見られなくなったが、実は各所で生きていた。少年は「イヌ」と再会し、新たなる「イヌ」の姿を発見していく。今回はK9側ではなくご主人様側からお話が始まっていて、いつもと違った雰囲気。それだけに期待してしまう。なお、8月9日には単行本「めしべのアルバム」が発売。蜈蚣Melibe「バージェスの乙女たち」。今回も迫力あり。フェラチオアスカの全身に施された入れ墨の図柄の素晴らしさったらない。鋭利菊「渚にて…」。少女が浜辺で排便しているところを同級生の男子3人に覗かれて……というお話なんだけど、ラスト数ページでのいきなりの急展開は、なんだかすごくなげやりで痛快。

【雑誌】Super FEEL Vol.2 祥伝社 B5平
 井上三太、南Q太、古屋兎丸、カネコアツシ、三原ミツカズ、二ノ宮知子などなど、多士済々といった感じのFEEL YOUNG増刊。本誌よりもこっちのほうが面白い。
 南Q太「1992狛江」。淡々と進んでいく彼女の日常。表情や間合いの取り方がクールで、いつもながらにうまい。古屋兎丸「サチといった海」。主人公の女の子「私」が、夜中に突然海に行きたいと言い出した誰よりも大切な病弱な女友達「サチ」を、車に乗った男をつかまえてヒッチハイクで九十九里浜へと連れていく。古屋兎丸がときどき描く、叙情的なお話は、その精緻な描写力もあり感動的である。Super FEEL前号に掲載された「いちばんきれいな水」ほどではないものの、今回も佳作。福実未ノアル+桃吐マキル「なかよしのリボンにちゃおしよ」はまあいつものハチャメチャなノリの漫画。「森繁ダイナミック」が好きな人はどうぞ。
 埜納タオ「ひとつ」。オシャレでのびやかな絵が印象的。そしてスズキユカ「シェルター」。ほかに人は誰もいない孤島で野鳥観察の任に就いている女性。その島にある日流れ着いた、どこの国の人間とも分からず言葉も通じない男と彼女の生活。言葉が通じない二人は、身体を重ねることによって少しだけ意思を通わせるが、それでも両者の間にはどうしようもない断絶が横たわり……といったお話。整っていてスタイリッシュな絵はかなりうまいし、お話も読ます。要チェックな新鋭。

【雑誌】ヤングアニマル 8/15 No.15 白泉社 B5平
 今号のピンナップは表が鶴田謙二、裏が竹内桜と、なかなかに豪華。二宮ひかるの短編「のら」。夜中に鍵を開けっぱなしにしている窓から入ってきて、夜ごと逢瀬を重ねる通称「のら」の男と、通称「ぽち」な女。この二人のお話。暑苦しくなく、かつ心地よくくっついた、さらさらした人肌感が気持ちいい。花とゆめなどで、ほのぼのショートを描いているぷろとんが登場。タイトルは「スポーツ道楽快道」。今回は巨人戦観戦漫画。宇仁田ゆみ「ふたりのノゾミ」。ガッついてくる彼氏と、自分の身体というか性器の部分に疑問を抱く女の子。今回はまあ他愛のないフツーの出来という感じ。なお、宇仁田ゆみは7月30日発売「ふたりエッチ」増刊にも掲載されるとのこと。田中ユタカ「愛人 AI-REN」は今回お休み。

【単行本】「大王」 黒田硫黄 イースト・プレス A5
 黒田硫黄ってなんてかっこいいのだろう。才能の塊がれっきとした形になってここにある。この単行本は、黒田硫黄が各所で発表した短編を一冊に集めたものだ。収録作品は以下の通り。( )内は初出誌。
「西遊記を読む」(本とコンピューター)
「夜のガレージ」(THE MANGA SURPRISE)
「THE WORLD CUP 1962」「メトロポリス」「あさがお」(COMIC CUE)
「象夏」(モーニング新マグナム増刊)
「蚊」「熊」「南天」「象の散歩」(アフタヌーン)
「まるいもの」(描き下ろし)
 浪漫あり怠惰あり、アクションありファンタジスタあり。線の一本一本に気だるさと新鮮さの入りまじったような、なんともいえない味がある。ペンで描いても筆で描いても。スミベタの黒さに深みがある。引きずりこまれそうな。そして繰り出されてくるアメイジングなお話の数々。あふれる情緒! いやもう格別である。
 漫画がうまいだけでなく、本とコンピューター誌に書いた随筆原稿の文章も味わいがある。うらやましくてたまらない。


7/22(木)……ダサくない駄作

 会社帰り、終電を逃したので隣駅から歩く。ものを考えながら一人で歩くというのは精神衛生上たいへんよろしいのだが、やたらにむし暑いのと虫がまとわりついてくるのはうれしくない。早く散歩によろしい季節にならんもんかなあ。俺は夏は嫌いなのだ。夏になると水分をガシガシ摂取してしまうので太るしー。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 8/5 No.35 秋田書店 B5平
 水島新司「ドカベンプロ野球編」。今週もオールスターのホームラン競争。いちおう今週で決着したが、ここまでやるならいっそもう3回くらい引っ張ってくれるとさらに良かったかもしれない。樋田和彦「京四郎」。この絵でこれだけ激ヌルなラブコメやっちゃうというのは、毎度すごいなと思う。なんか心底楽しそうな漫画である。

【雑誌】モーニング 8/5 No.34 講談社 B5中
 いがらしみきおのほのぼの下ネタ系ギャグ漫画「ガキおやじ」が新連載。2話掲載。ヒラマツ・ミノル「ヨリが跳ぶ」。いよいよ国舞 vs.オグリの最終決戦。ヨリがデッカく成長して頼もしい限り。次号以降に展開されるであろう熱闘に期待高まる。今谷鉄柱のダイバーもののシリーズ「DIVE MAN」が掲載。そういえば今谷鉄柱は現在発売中のコミックアルファかなんかにも掲載されてたなあ。

【雑誌】ヤングジャンプ 8/5 No.34 集英社 B5中
 永井豪「ヴァンパイアコップ」。2009年のTOKYOを舞台に、ヴァンパイアの女性と男性刑事が活躍するアクションもの。永井豪らしく、かなりお気楽な駄作である。永井豪のスゴさは、当たれば大傑作を描くところと、駄作に味があるところだと思う。今回はマシなほうだが、スゴイ奴は本当にスゴイ。ここまで愛すべき駄作を描ける人はやはりまれだ。「ランボーセンセー」とか大好きなんだよな〜。
 なお、江口寿史「うなじ」が掲載予定だったが、例によって休載らしい。理由は「作者の都合」。工程の関係上アンケートはがきには「うなじ」の記載あり。それはそうと次号で武富智が登場するのは楽しみであることだ。

【雑誌】ヤングサンデー 8/5 No.34 小学館 B5中
 山田芳裕「デカスロン」。いよいよ勝負が決着へ。ダイナミックな構図の大ゴマ。馬鹿馬鹿しいほどに強烈な顔面ドアップ。痛快である。この大胆なページ使いはさすがにタダモノではない。新井英樹「ザ・ワールド・イズ・マイン」。今回は日本国総理ユリカンと、合衆国大統領が電話でトシモン、ヒグマドンについて語る。ただ会話をしているだけという、ともすれば単調になってしまいそうなシチュエーションを、ハッタリの利いたセリフと巧みな構図取りで、きっちりと読ませる。それにしてもユリカンの狡猾さは、かっこよくさえある。

【雑誌】コミックドルフィン 9月号 司書房 B5中
 実用之日本。みやびつづる「艶母」。息子の一彦が戻ってきておかーさんははしたなく嬌声を挙げる。連載はすでに14回め。一瞬最終回かと思ったが、まだ続くようだ。それにしてもこのパワフルな描写の頼もしいことよ。マーシーラビット「the GOOD the BAD & the UGLY」。男3人が悪魔娘を呼び出してかわるがわる、というお話。いつもながら、幸せそうでハードなセックスシーン。「小便のように流れ出る精液」で悪魔娘の体がぬるぬるになるあたりがいやらしくて良い。KASHIみちのく「THE ストーカー」は2色カラーで登場。陽気でお馬鹿さんなノリ。全体的にユルい作風が気持ちいい。みたまけい「Sweet Bad Girl」。なんかこの人久しぶりに見た印象。絵柄の若干の古さは否めないところか。草津てるにょ「地下室の悪魔」。人妻が昔出演したアダルトビデオをタネに脅迫され、夫の部下二人に犯されるというお話。この人の描く乳は、張りがあってけっこう好きだ。それとやっぱ人妻だよねー。

【単行本】「バガボンド」3巻 井上雄彦 講談社 B6
 武蔵が京都は吉岡道場に乗り込んでいって、名を上げるとともに自分をも上回る剣士たちに出会う。ただの武骨な奴かと思われた吉岡伝七郎が想像以上に凜としていてかっこよかったし、吉岡道場当主の清十郎のときおり見せる鋭さもハッとする輝きがある。武蔵の豪剣ぶりも痛快。カッチョヨイ娯楽大作。素直に読んでどっぷり楽しむが吉。


7/21(水)……ガロおでん

 最近、夜0時くらいになると眠くなるのでびっくりだ。休みっていいよね。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 8/4 No.15 講談社 B5中
 作:夢枕獏+画:板垣恵介「飢狼伝」がコミックバーズから移ってきた。実はスコラがなくなってコミックバーズも出なくなると聞いたとき、一番気になっていたのはこの作品。バーズ連載作品って、いったんケリをつけるのは難しくなさそうなものが多かった。ただこの作品に関してはヒキがとても強いので、途中で終わらせたり再開したりするのが難しいかと思っていたのだ。何はともあれこうやってきちんと再開してくれてホッとした。けっこうおいしいところで中断していたので。咲香里「春よ、来い」。ああ、眼鏡娘。存分にトキめいている。どう考えても沙恵よりこっちだ。黒田硫黄の映画評漫画、「映画で毛が3本!」。今回もイカれてていい。たぶん歪んだ評ではあろうが、どうにもその作品を見たくなってしまう。雄弁だ。悔しいほどに。

【雑誌】漫画アクション 8/3 No.31 双葉社 B5中
 久しぶりに駅のゴミ箱から拾う。作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」。リョウが黒川のもと、鍛錬しなおしている。やはり黒川が出てくると物語の厚みが違う。ワイルドなリョウがたいへんにかっこいい。六田登「歌麿」。玉が絶体絶命。霧の中で導かれる一幕の場面は、ゆらゆらとして印象的。ところでこの号にエンジェル出版の町野変丸「GO!GO!ゆみこちゃん99」の広告が出ているのだが、エンジェル出版って双葉社となんか関係あるんだろうか。関係あろうとなかろうと、まあどうでもいいんだけど。

【雑誌】週刊少年サンデー 8/4 No.34 小学館 B5平
 作:坂田信弘+画:万乗大智「DAN DOH!!」。いやーダンちゃんすごい。苦しみながらの爽やかな笑顔。おねーちゃんクラクラ。北崎拓「なぎさMe公認」は今号で最終回。いろいろあったけど、やはり最後はまーくんとなぎさがラヴ&ラヴ。こいつらすごく頭が軽そうだ。あっぱれ。というわけで面白かったのである。

【雑誌】週刊少年マガジン 8/4 No.34 講談社 B5平
 赤松健「ラブひな」は今日も元気にラブコメしており頼もしい存在。女の子わらわら。そして海。大島司「シュート!熱き挑戦」。加納弟が突如オリジナルなプレイを始めて掛川高校ピンンチ。いやなんかもうそんないとも簡単に。まあ楽しいからいいけど。

【単行本】「タマヒメサマ」 RaTe 司書房 A5
 RaTeの精液大好き女の子たちのシリーズはけっこう気に入っている。そんなわけでこちらもなかなか面白かった。肉付きのいいふくよかな女の子たちが、精液を求めてゆさゆさと暴れる。その姿は十分にコミカル。上連雀三平ほどの業はないけれども、うまく材料は料理されている。オーイエービバユアチンポッ。オッオッザーメン最高ッ。


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