◆ 1999年12月上旬 ◆

12/1〜10
【トップページ】  【過去日記トップ】

ご意見・ご感想はメール 掲示板でどうぞ

12/10(金)……ウッ、ラジオストック

 こんなラジオを購入。ポータブルラジオにしては珍しく、外部入力端子が付いているのでスピーカーとして使用可能。会社マシンにはサウンドカードは付いているのだが、スピーカーがなかったのだが、これでまあいちおう音は聞けるようになった。大した音質じゃないけど、会社なんで用は足りる。このラジオには外部出力もあるので、ヘッドホンで音楽を聴きたいときに手軽に抜き差しできる位置に差し込み口を配置できるようになったのも便利。残念ながら会社は電波状況が悪くて、ラジオがあんまりよく入らなかったけれども。わりと小さいし便利なので気に入った。

【雑誌】ガロ 1月号 青林堂 B5平
 二度目の復活。待ってました。そういえば以前に復刊したのも12月(1997年)だったような気がする。執筆陣とかの詳しい情報は青林堂ホームページで確認するとグッド。
 ねこぢるy「ねこぢるうどん」は、全編CGの4色カラー漫画。全部で28ページ。初期の「ねこぢるうどん」は、バッサバッサとぶった切る残酷さが気持ち良かったのだが、今回の作品にああいったカタルシスはない。だけど、読み進めていくうちにしんしんと悲しい気持ちになってくる物語は読みごたえあり。逆柱いみり「恐怖博士の花嫁」。画面のどこにも焦点が合ってないようでいて、すべてに焦点があるような画面は、めくるめくトリップ感があってすごく気持ちがいい。薄眠りの中で漂っているような読み心地。第1回めだそうなので次もあるようだが、逆柱いみりが毎月読めるなんてことになったら、こんなにうれしいことはない。ララアならずとも分かってくれるよね、そこんとこ。三本美治(三本義治から改名)「テロルナイトメア」。後半になってどんどん物語が壊れていく感じが快感。みぎわパン「はなうたのにわ」。ぱんこちゃんが庭いじりをする。それだけの漫画。でもこの人の唐突なアングルとか、栄養足りてなげな絵柄とはやはり良い。キクチヒロノリ「産院ミドリゴ」。相変わらずの奇矯なキャラ作りと、キテレツな展開の連続。ものすごい表情などなど、実にカッチョイイ。大好きだ。
 全体的な印象としては、以前のガロの雰囲気にとらわれ過ぎな印象を受ける。とくに新人の起用がまったくないのはツライところ。この世界を守っていくのも大事なことだとは思うけど、そういう誌面で以前に失敗しているわけなんだし、思い切った新しい血の導入もほしかった。ガロはほかの雑誌では受け容れられないような作風の人をすくい上げる重要な土壌である。今回、再録されている秋山亜由子、魚喃キリコ、花くまゆうさく、古谷兎丸、Jerryの初期作品を見るだにそう思う。それだからこそ新人発掘は精力的にやってほしいところ。もちろんガロ漫画大賞の告知を大々的にしているくらいなので、やる気はあるのだろうけれども。
 とりあえず、ガロがまたなくなるのを見るのはまっぴら御免である。だから売れてほしい。なくなってからわめいても遅いぜ〜。

【雑誌】零式 Vol.13 リイド社 B5中
 大暮維人が久々にエロで登場。タイトルは「はね」(「はね」の「ね」の字は右方向に90度回転している)。母親が別れた父親の手によって凌辱されていたのを見せつけられたことがトラウマになっていた女の子が、母親の匂い(実は精液の匂い)を求めて街で客をとる。こちら方面では久しぶりに見たけど、やっぱりこの中だと飛び抜けてうまい。女の子の身体の描き方なんか美しくて肉感的でさすがである。たかしたたかし「ミゼラブル!」(ストーリー協力:FAKE OFFICE 更科修一郎)は連載再開。前のストーリーはほとんど忘れているので、今度零式のバックナンバーを掘り出してきて確認しよう。之瀬ハルオ「ハダカ・トレイン」。絵もうまいし、見せ方もダイナミックだしなかなか良いではないですか。田舎の電車で通学している少女が、ほかに誰もいなくなったときを見計らって電車内でオナニーしまくったりする。誰も乗ってこないと油断していた無人駅で、一人の少年が乗り込んできて……。下から見上げるアングルとか、表情のダイナミックさとか、描写力が優れている。目黒三吉「巨乳の国π」は巻中4色。相変わらず線が細くてかつピシッとしててうまいなあ。舞登志郎が表記変更で「まいとしろう」に。今回の「みやこ」は、秘密クラブで行われている狂宴に差し出される妹と、彼女を差し出しじっと見つめる兄のお話。ひねくれた妹モノを描かせたら天下一品。
 今号はなんとなくもの足りなく思えたのだが、それはやはりすえひろがりが描いてないからのような気がする。なお、次号は2月10日ごろ発売で、この号から月刊化するんだそうだ。うれしいけれども、月刊でクオリティを維持できるかどうかちと心配。

【雑誌】快楽天星組 Vol.10 ワニマガジン B5平
 巻頭カラーはNewMen with 雑破業の4ページフルカラーCG漫画「精液便所」。相変わらず汁いっぱいだが、この人たちの場合、もっと長い作品を読みたい。パワフルでなおかつ読ます作品を描けるコンビなだけに。もっちー「魔界のプリンセス プリティー美沙」。元魔法少女な人妻が、今回も昔とった杵柄、恥ずかしいカッコで大活躍。さらに今回はライバルまで出てきてみっともなさ倍増。下らなくて楽しい。嶋真介「2il」。この人のカッチリとした絵柄はわりと好きだ。作品もコミカルでよろし。みうらたけひろ「Messengers」。探偵事務所の女性が、悪党たちにより調教されて性の奴隷に。アダルトな絵柄、ねちっこい展開。うーんいやらしくていいねえ。いやらしい責めを加えるオヤジの顔つきがまたよく描けている。脂ぎったおっさんとかをきっちり描けるというのは強い。うらまっく「トモダチ」。仲の良いグループに見えるが、すべてをさらけださない人間は冷たく排除する「トモダチ」コミュニティに組み込まれてしまった女性のお話。違和感を感じつつも、一人にされるという恐ろしさが、彼女をコミュニティにつなぎ止める。「トモダチ」たちのいかがわしさ、ニコニコとした張り付いたような笑顔が空恐ろしい。それにしてもうらまっくはどの短編もきれいにまとめてきてうまいなあ。コミカルなネタもダークなネタもキッチリこなす。長いのもいっぺん読んでみたいところではあるが。RaTe「HEAVEN'S D」。性風俗産業のエリート養成学校の授業で、電気ショックプレイ中に本当に昇天してしまった女の子。地獄での性的責めを見て回る。ほとんどのページが1ページ1コマの大胆なコマ割り。最近のRaTeはノリが非常に良くなっていてけっこう好き。

【雑誌】エースネクスト 1月号 角川書店 B5平
 安倍吉年「NIEA_7」。アニメ化の話はどうせ視ないと思うのでどうでもいいけど、今回はお話がなかなか。いつもの馬鹿話ではなく、抑えめのトーンで訥々と語る感じがよろしい。薄暗いほうが似合う絵でもあるし。岩原裕二「クーデルカ」。クーデルカの美人ぶりと、ヨシュア少年のかわいげなるさまがいい。どうせなら最後までむいてほしかった。表情が派手に変化するあたりも楽しい。お話自体はすごく面白いってわけでもないが。それから今回は、石田敦子「からくり変化あかりミックス!」が復活したのがうれしい。今回は暗い目つきをした新人歌手の女の子のお話。暖かく、優しく読ませる。細くてふわりと軽い線を集める絵柄も好き。作:大塚英志+画:森美夏「木島日記」。今回も絵のクオリティが高くて読ます。画:大野哲也+作:HEAVEN PROJECT「天使になるもんっ!」は今回最終回。見開き3連発がダイナミック。

【雑誌】ヤングアニマル 12/24 No.24 白泉社 B5中
 三浦建太郎「ベルセルク」。いよいよキャスカが拷問されるかと思って楽しみだったのにー。ごーもんごーもんぅ。作:あかほりさとる+画:板場広志「マウス」。今回も性根が腐りまくってていいぞ。表向きは教師で裏では怪盗。そして、おうちでは同僚の教師が奴隷として奉仕。なんと馬鹿でどうでもいいことか。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。実と遙子の出会ったころのお話。中坊のころからトキメく恋愛しおって。くそう、こっちまでトキメいちゃうじゃないか。コバヤシシュウイチ「オクサマン」。欲求不満気味の奥様が、恥ずかしいカッコに変身して、団地の平和を荒らすドタバタギャグ。ちょっと下品でなかなかイキが良い。馬場民雄「トバクチ」。以前読切掲載された麻雀漫画が連載化。この主人公のおにーちゃんってモテモテだったのか。文月晃「藍より青し」。今回はまたスゲエなあ。クリスマスネタで今どきこれをこうやるとは。何よりスゴイのは「好きな女の子にプレゼントをあげるためにバイトしていたため、二人がすれ違い……」という、あまりといえばあまりにもステロタイプなパターンをやるのに、なんと2話も使ってしまうところだ。そして最後は雪! 素晴らしい!

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 1月増刊号 小学館 B5中
 やはり注目は、花輪和一「和一怪奇おかし話」シリーズ「かぐや姫」。かぐや姫や彼女を育てた爺婆サイドから語られるのでなく、彼女が月に帰っていくのに便乗して自分たちも浄土に行こうとする老人たちの視点から物語が語られる。いつもに比べると、だいぶ普通なお話。それにしても花輪和一の描くキャラクターは、モノを食うときの顔がいい。あの歪みっぷりがなんとも。井浦秀夫「AV列伝」は、チョコボール向井編の前編。チョコボール向井は男優としてはわりと好きな方。ちとコミカルすぎるのが難だけど。俺としては、あまり口を利かずに職人的に女優をヒイヒイいわせまくるSEXマシーンタイプの人が好き。AVは女優を生かすも殺すもかなり男優にかかっているので、男優の良し悪しは借りるさいの基準の一つ。漫画とAVといえば平口広美だが、彼が出てくるとどうしてもコミカルになっちゃっていやらしくないので、基本的に借りない。


12/9(木)……セームームーン

 今日から合併号には「合併」の表記をプラス。
 会社に「ダ・ヴィンチ」1月号の見本誌が届く。「なんでいきなり」とか思ったのだが、今号で掲載されている魚喃キリコインタビューのため、インタビュワーの人にCUTiE comicのバックナンバーを全部お貸ししていたことを思い出した。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/13 No.2 集英社 B5中
 毎度書いているのでアレだが、今号も山口譲司「BOiNG」。この人は、こういうちょっとHありのギャグがやはり一番いいと思う。

【雑誌】ヤングサンデー 1/2・8合併 No.2・3 小学館 B5中
 堀口純男の3号連続掲載「僕の愛を君に」が今号で終了。いささか安いが、まあそれなりに読めた。ピアノ少女がどうにも広末。土田世紀「同じ月を見ている」も今回で最終回。詩を引用し、その言葉と並行してさまざまな情景を描いておしまいというお得意のパターン。土田世紀としてはいまいちな感あり。なんとなく最後まで盛り上がりきらずに終わった印象。
 12月16日発売号から、増刊枠が今までの大漫王ではなく「別冊ヤングサンデー」になるとの予告あり。執筆陣は、山田玲司、西原理恵子、中川いさみ、村上たかし、しりあがり寿、岩谷テンホー、とがしやすたか、田中圭一、北崎拓、梁慶一、喜国雅彦の名前が掲載されている。わりとおなじみな安定どころの名前ばかりに思えるので、ここに名前が書いてない人がどの程度載るのか、その出来がどんなもんなのかが評価の分かれめになりそう。

【雑誌】モーニング 1/2・8合併 No.2・3 講談社 B5中
 王欣太「蒼天航路」。まさか魯粛がたてまきロールであるとは。吉川英治三国志だと人のいいおっさんというイメージしかない魯粛だが、なかなかかっこよく描かれている。作:春場洲太夢+画:松本剛「シャドウ&ライト」は4号連続掲載で今回が最終話。ヒロイン実咲が取材していたボクサーが世界戦に臨む。ラストへと続く、ヒロインが電話に向かって喋るシーンは、言葉に重みがあってなかなか良かった。傑作というほどではないけれども、全体ではけっこう楽しめた。Numberのドキュメントでも読んでいるような印象。高梨みどり「Order-Made」。今回は花梨が恋の橋渡しをする。甘くて爽やかで微笑ましかった。

【単行本】「ダスクストーリィ」1巻 TONO 集英社 A5
 コミッククリムゾンにシリーズ連載中の作品。人や動物の霊、それから生きている人間の強い「想い」のイメージなどが見えてしまう、不思議な日本人少年・タクトが主人公。彼の身の周りで起こる、ちょっと不思議な出来事を描く。基本的に一話完結で1〜8話が収録。淡く上品、端整な絵柄でファンタジックな物語を優しくキレイに描いており、透明で暖かい読後感が残る。柔らかく光に包まれているようなキラキラとした作風で、しみじみといいお話。


12/8(水)……犬とうさぎの混血ぱ〜んち

 ジャンキーズの原稿をアップした気になっていたら、実は一本書き忘れていた。連絡を受けてダッシュで書いて送信。うかつ〜。

【雑誌】YOUNG YOU 1月号 集英社 B5平
 今号は断然山下和美。山下和美が描いているといないで、50%くらい楽しみさ加減が違う。現在俺内評価ではそのくらいのポジション。今回は読切で、タイトルは「プライベート・ガーデン」。往年の名女優の家の前にたたずむ青年。その家は異様に高い壁で囲まれており、その中に入れる者はごくわずか。女優の大ファンである青年は壁を乗り越えて入り込むが、中には無人かと思われる広大な庭園が広がっていた。そこで彼は、女優の若いころにそっくりな、その娘と出会う。青年とその娘は、庭園でしばし二人だけの時を過ごす。その時間の美しさ、そしてしめやかなラスト。最近の山下和美はどの作品も、凜とした気品があって非常に素晴らしいが、これもやはり、すごく良かった。しばし酔いしれる至福の40ページ。たまらない。巻頭カラーは鴨居まさね「SWEETデリバリー」。酒浸りでオンナを捨てている感じの女性が主役。彼女のどうしようもない日常を描く。ゆるゆるな読み心地の作風は肩凝らず読めて楽しい。谷地恵美子「明日の王様」では、有をめぐりまた新しい男が出てきて恋愛のほうは混戦模様。端整でまっすぐでよくできた作品であります。武内直子「武内直子姫と富樫義博王子の結婚ぱ〜んち!!Special」。2号連続掲載。魂の腐った、夫婦メロメロぶりがおばかさんである。とりあえず見てて面白い。

【雑誌】FEEL YOUNG 1月号 祥伝社 B5平
 内田春菊「目を閉じて抱いて」が最終回。巻頭カラーからいきなりエロシーンが延々と続き濃密。途中からしか読んでないのでお話のほうはよく分からず。エロシーンは生々しくてかなりエロい。作:岡田ユキオ+画:柏屋コッコ「絶対!!ラヴ・ナルシー」。ヴィジュアル系でナルシストな男とその彼女の物語。お話は微笑ましく、ラストはなかなか爽やか。きれいにまとまった良品。こいずみまり「CUT×OUT」。今号からタイトルが「なげやりラヴァーズ」から変更されている。クリスマス・イブを職場で一人過ごすおねいさんと、職場の後輩のお話。大人の女っぽいのだけどけっこうウブなおねいさんがかわいくて良い。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/2・8 No.2・3 講談社 B5平
 今号から3号連続で、マガジンBINGOが。俺は今号で斜めの列リーチ。大暮維人がまたしても登場。タイトルは「A+」。今回はなんだか直球勝負なラブコメ。ラブコメ向けに若干絵柄もスッキリしたものに変えている。女の子がかわいくてわりといい。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/2・8 No.2・3 小学館 B5平
 藤田和日郎「ゲメル宇宙武器店」。文明が異様に進んでいて、アルミニウムが何より貴重なものであるとする宇宙人たちが、宇宙生物に襲われて壊滅状態の地球にやってきて起こすドタバタ騒動という感じ。しろがねをだいぶコミカルにしたみたいな宇宙人のおねーさんがかわいいお気楽なコメディ。次号で後編。久米田康治「かってに改蔵」。意外にもサラダがソレをやってなかったのは残念。

【単行本】「フローズン」3巻 山崎さやか 講談社 B6
 桃花が吹っ切れてから、ずいぶん気楽に読めるようになってきた。一見無愛想だが、いいたいことはズバッというパキパキした物腰が女傑って感じで気持ち良い。筋を通すことの快感とでもいおうか。沖さやか名義時代の「マイナス」のような、煮詰まった面白さはないものの、気楽に楽しんで読める。

【単行本】「イッパツ危機娘」5巻 原田重光 講談社 B6
 季刊分とまったく同様の調子で、下品で馬鹿馬鹿しく、マヌケにパワフルに読ませる作品。下品なリンダと、サディスティックなナジャの、クーニャンの友達留学生二人がキャラが立っている。


12/7(火)……ふじこM

 昨日買ったコンパクトフラッシュがノートPCできちんと認識されず(ドライブレターが割り振られない)、おかしいなーと思いいろいろ試したがどうやってもうまくいかない。困り果てていたとき、ふと思いついて、そのコンパクトフラッシュをデジカメでフォーマットしてみる。するときちんと認識されるようになった。買ってきたばかりのときに、Windows 98でドライブを右クリックしてフォーマットしたのがトラブルの原因だったらしい。スマートメディアもそうなんだけど、経験上PCカードのフォーマットはデジカメでやるのが一番確実。デジカメで認識されればたいていのドライブで大丈夫。なぜかはよく知らないけど。実はデジカメの出始めのときに、同じようなトラブルに出会ったことがあって今回それを思い出したのだ。同じようなトラブルで困っている人はお試しあれ。

【雑誌】コミックライズ 1月号 メディアックス B5中
 猫玄「好きかもしれない。」。久しぶりに会った高校時代の同級生の女の子が主人公に声をかけてくる。彼女は主人公の家の近くの飲食店でバイトしていたのだが……。そこから始まる恋物語。柔らかくて軟弱な絵で非常にヌルい。いいですのう。朔ユキ蔵「彼女に空手チョップをくらわす日」。人に見られていないと感じない女の子。人を集め、彼氏をつき合わせて自分たちのセックスを公開するのが大好き。朔ユキ蔵は、シリアスなお話と同じようなタッチでこういう馬鹿話を描いてくるあたりもいい。もちろんシリアスなほうも面白いし。EB110SS「魔界都市へ行っチャイナ!!」。魔界都市でバケモンと組んで売春をしているチャイナ服の女の子の話。この人の、平ぺったい顔をした女の子の表情には和むものがあって好きだ。12月11日に単行本も出る。楽しみ。すがわらくにゆき「おれさま!ギ☆ライズ!!」。雪の振るしんしんとした東北の一地方における一風景。という今までとはいっぷう変わった雰囲気でしめやかに最終回。こういう路線で長いの描いてもけっこういけるかも。すがわらくにゆきには、エロエロな作品も一度やってみていただきたいところ。
 なお、表紙にある安立真一が急病のため、文月晃、鈴平ひろの昔の作品が再録されている。

【雑誌】漫画アクション 12/21 No.31 双葉社 B5中
 相原コージ「漫歌」。スピリッツの「なにがオモロイの?」に続いてこちらもかなりヤバい状態。例えば2本めの「暴力」など、一コマめで父親が息子に「パパだってニンジン食えないくせに」といわれ、2コマめで息子を殴るシーンのアップ。3コマめも同様に殴る。4コマめも同様に殴る。ただそれだけの作品となっている。スピリッツのほうがネタなのかマジなのかこちらを読んで判断しようと思っていたのだが、こちらまで壊れているというのは不吉。「何がオモロイの?」のWebページは、昨日の「工事中」&「12月末頃再開予定」と変わったが……。
 画:山上正月「ルパン三世」(原作・監修:モンキーパンチ)。うむ、ふじこちゃんが色っぽくてかわいい。永遠のセックスシンボルですな。山上ルパン、なかなか良い。かいともあき「白い少年」。先週出てきた女の子が出てこなかったのは残念だが、少年は今日も過剰に突っ走る。おもしれー。

【単行本】「MILK ENGINE」 おかだまつおか 富士美出版 A5
 ペンのタッチがきれいで瑞々しい絵柄ながら、やることはハード。ふんだんな汁やら激しい凌辱やら、なかなか実用的。ただ、なんかお話がいまいちまとまっていないように感じるのと、エロシーンの一つ一つがボリューム不足に感じてしまうのは難。エロのページ数が少ないわけではないんだけど、コマが比較的ゴチャゴチャしていて、強調すべきところが強調できてないような気がする。女の子のアップが多いので、も少し引いたカットを入れるなどして、シチュエーションは強調したほうが良いような。あと一皮むけるとかなりいやらしくなるという印象。

【単行本】「ゴローダイナマイ!」 かるま龍狼 ワニマガジン B6
 エロ系で、本当にエロとコメディを両立できている人というのは稀だけど、かるま龍狼はその数少ない一人。ロリもショタも人妻も、巨乳も貧乳も、太めも細めもきちんとこなせる芸達者さは大したもの。デビュー当時から好きだったけど、ずっと飽きない。今回は、たまってる少年ゴローと、ゴローにそっくりな淫乱近親相姦一家の一人息子・タローが入れ替わり立ち替わりしながらHしまくる「ゴローダイナマイ!」が中心。テンポ良くギャグとHを繰り出してきて楽しませる作風は、漫画的センスの良さを感じる。爆発的な面白さってわけじゃないんだけど好きだなあ。

【単行本】「水の誘惑」3巻 氷室芹夏 ワニマガジン B6
 表題作「水の誘惑」14〜19話と、「すももも桃も」全3話を収録。「水の誘惑」のほうは、違う相手とつき合えばつき合うほどにお互いが気になってしまう碧とかずやの姿が切ない。強そうで脆い碧が健気であるのに対し、かずやはいつまでも優柔不断。さてこれからどう展開していくのか。「すももも桃も」は、普段はおしとやかなのだが、実はすごい淫乱なもう一つの人格を持つ二重人格少女と、その彼氏のドタバタHコメディ。こちらは気楽に読める。氷室芹夏の描くキャラクターは、肌がむいたゆでたまごみたいにつるんとした質感があって惹かれる。

【単行本】「球魂」6巻 岩田やすてる 小学館 B6
 熱血卓球漫画。濃厚でファンキーなノリはちょっと珍妙であるものの、それがかえってプラスになり勢いにつながっている。馬鹿っぽさが派手に炸裂していて痛快。力づくな読み口が楽しい作品。


12/6(月)……工事中の口実

 このホームページのデータは、俺の環境ではすべてPCカードに入っていて、だいたいいつもカバンに入れて持ち歩いている。ついでにいろいろとツールなんかも入れてあり、家と会社の間でデータをやり取りするときなんかも利用している。最近32MBでは手狭になっていたので、アキバのイケショップモバイルプラザで64MBのコンパクトフラッシュを買ってきた。アドテックのAD-CFDという製品。これは書き込みが通常のPCカードの4倍ということで、実際に使ってみるとかなり速い。本当はデジカメに使うと一番いいんだろうけど。ともあれ、これでかなりの空き容量ができたので、会社の専用線で落としたあんなものやこんなものを家に持ち帰るのもだいぶラクになったことであるよ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中
 荒木ィィィ飛呂彦ォォォの新連載ィィィ。というわけで「ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン」がスタート。物語は留置所から始まる。そこにブチ込まれていた少女・ジョリーン。「ジョジョ」と呼ばれる彼女。我々はこの少女を知っているッ! いや、この「ジョジョ」という呼び名を知っているッ! 娘! 彼女は空条丈太郎の娘である。彼女に差し入れられた荷物の中、父から託された「お守り」。それは指の肉を破り、ジョリーンの身体へと食い込む。その後彼女は刑務所に連れていかれるのだが、お守りによって身につけた不思議な能力が彼女を助ける。第1話の出だしはこんな感じ。ドッギャーン! あとは桂正和「I''s」で久しぶりに泉ちゃんが出てきて嵐の予感。トキメキ開始。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 1/1 No.1 小学館 B5中
 相原コージ「なにがオモロイの?」。なんか予想、というか心配されていたような展開になってるけど大丈夫かなあ。Webページもいつのまにか「工事中」になってるし……。ネタでやってるのかもしれないけど、インターネットで寄せられる意見がこたえてるというのは真実だと思う。こたえていないわけがない。いや、実際読者でしかない状況にいると分からないと思うけど、経験した限りでは、原稿書いたり編集やったりしていると読者の容赦ない意見ってムチャクチャにこたえる。自己嫌悪と他者への憎悪が入り混じり、それがどんどん悪いほうへ悪いほうへ深まっていくあのドス黒い気持ちは、本当にツラいものなのだ。

【雑誌】ヤングマガジン 1/1 No.1 講談社 B5中
 別冊ヤングマガジン Vol.002に第1話が掲載された、サガノヘルマー「レゾレゾ」の続きがなぜか本誌に。しかも、今号次号と2回連続。女性上位の時代、男は女に快感を与える蟲の養分としてのみ存在していたのだが(この男のことを「レゾレゾ」と呼ぶ)、不思議な蟲の力により恐ろしいセックス能力を手に入れたレゾレゾのカワムラは女主人の元を脱走。そこから始まるグロテスクでエロチックな物語。今後どういうペースで掲載されていくのか分からないが、サガノヘルマーらしいだいぶ奇妙な世界になりそうなので続いてほしいもの。それからこちらも別冊ヤングマガジン作品。蓮古田二郎「しあわせ団地」が掲載。すぎむらしんいちの代原っぽい。団地の一室でずっと裸で暮らす馬鹿夫と、それになんだかんだでついていく馬鹿妻の物語。このどうしようもなさ。ダメ人間ぶり。爽快。この作品はかなり注目中。

【雑誌】エンジェルクラブ 1月号 エンジェル出版 B5平
 しろみかずひさ「精液便所」が掲載されていることで俺世界的に有名な雑誌。なのだが、きちんと読んでみると思いのほか実用方向に充実しているので感心した。ちょっと脂ギトギトな感じの表紙なので引くかもしれないが、けっこうイケる。全体的な傾向としては乳がデカい肉弾系。司書房系よりもさらに一回りデカい。全体的に凌辱系でハードな描写が目立つ。ロリも正直に「ロリータ」とうたい、わりと怖いモノしらずな印象。
 まずはしろみかずひさ「精液便所」。兄の肉奴隷だった妹が、兄の親友の元に預けられてさらなる調教を施されるのだが、親友は 女を完全に自分専用の肉奴隷とするつもりであった……という感じ。相変わらず描線がカッチリと均一で気合いが入っている。巻頭カラー、あずき紅「夜の方程式」。乳!肉!棒!汁!といった具合にハードな内容。パワフルで濃密なエロス。実用度は高い。乳輪がデカめだがその分乳房もデカい。巫代凪遠「収穫祭」もエロ描写は濃い。この雑誌に掲載されている作品はちんちんが複数本同時進行なものが多いが、これもまたしかり。奴隷ジャッキー「凌辱回廊」。絵柄の滑らかさと濃厚さ、それからアップの効果的な使用などで、これもエロい。ぐれいす「セックス・センス」。こちらは女子高生&教師もので、洒脱なノリ。やることはやりつつも、スラスラ〜と流すあたりうまい。
 この雑誌ではピロンタンもストレートな凌辱モノをやっている。タイトルは「ホットMIXジュース」。女教師が街角で公衆便所化されるという話。途中は実用性タップリで、ラストはなんだかシュールに締めくくり。うまいですな。古井戸圭一「Zero Destiny」。どちらかというと体液バリバリな人が多い中で、古井戸圭一は乾いた雰囲気の描画で目立つ。描線も非常にシャープ。漫画マニア筋にも受けそうなタイプ。容赦のないクールでブラックなラストも良い。単行本が出るとうれしい人。暮咲那奈美「初ライブはいきなり4P」は「ハメッ娘。」というロリ系アイドルグループの少女がソロデビューする。そして、舞台の上でガンガンやりまくる。素っ裸になりながら歌をうたったりするあたりとか実に楽しそう。絵はうまくないけど、この脳天気さは買い。あと吉良広義「わかな先生に気をつけろ!」もゴツゴツしたちんちんなど、激しくていいですな。いや、それにしても消しが少ないわ、この本。

【単行本】「イケてる刑事」1巻 佐野タカシ 少年画報社 B6
 新人刑事・近藤武が配属された愛浜警察署、そこは女性刑事が9割、しかもかわいい娘ばかりという天国のようなところ。そこで起きる数々の事件を、パンチラとサービスシーンたっぷりに描く、痛快娯楽作品。とにかくすごいのは、佐野タカシの突っ走りぶり。1ページにつき1回くらいの割合で、バシバシ続出するパンチラ。そして暴走する妄想。ツヤツヤしてて可愛くってミルキーな女の子たち。近藤武の凶速スピナーで暴れまくる巨根。圧倒的に馬鹿馬鹿しい展開、テンションの高さはまさに圧巻。佐野タカシはヤングキング系列では、ヤングキング本誌、ヤングキングダム、ヤングキングアワーズいずれにも描いているが、一番大人向けなヤングキングダム連載の本作が、最もサービス度が高くて暴走ぶりも激しい。しかもこんだけやっときながら、SEXは一回もやっていないというじらしっぷりがまたたまらない。時速200kmで寸止めって感じ!

【単行本】「ヘルシング」2巻 平野耕太 少年画報社 B6
 バンパイアの人たちと、それを狙う奴らがぶっ殺し合う。作者自身が書いているように、全編オッサンとジジイばっか。平野耕太の描くキャラクターは、なんといっても男がかっこいい。目つきの邪悪さとか、言動の尊大さ、下からアオるアングルなどなど、大仰でハッタリが利きまくっている。ねーちゃんがそんなにかわいくないけれども、そんなんどうでも良くなってしまうほどに男キャラが立っている。ときどき差し挟まれるいい加減でヤケクソなタッチの絵が、けして雰囲気を壊さないってのも強い。お話自体は何がどう進行しているのか分かりにくいところもあるんだけど、目の前に差し出されるカッチョイイ描写にシビれつつ、ダラダラと読み進めていくのは心地良い。

【単行本】「K.A.A.R. 春の章」 すえひろがり コアマガジン B5
 豪華。そして高価。B5版ハードカバーの美しい豪華製本だが、1900円と、約180ページの漫画単行本としては高い。同人誌で連載していたシリーズを一冊にまとめたもので、第1話から第4話を収録している。
 5年生の終わりごろに転校してきた少年が6年生になり、新しいクラスで最初に目についた女の子。ひょんなことから知ってしまった彼女の秘密。彼女はパンツをはかずに学校に来たりする、羞恥系の趣味のあるコだった。修学旅行や身体検査など、いろいろなイベントを経ながら、二人の仲は深まり、いっしょに裸で戯れたりするようになっていく。すえひろがりは「視線」を意識したエロスの描写が圧倒的にうまいが、その力量をもってマセた小学生たちの甘美な世界を実に丁寧に描き出している。女の子にリードされて目覚めていく少年の姿が燃えるではありませぬか。あと主人公の少年とガキ大将の小学生らしい友情とか、ガキ大将の恋の話とか、なんともむずがゆくて趣深い。すえひろがりの描く小学生は、男の子も女の子もかわいい。ロリもショタも、ポーズでなく同時にこなしてしまう懐の深さを感じる。商業誌の枠にとらわれず、たっぷりページを使って一歩一歩話を進めていっており、仕上がりは素晴らしい。なんといっても、1巻の時点ではまだセックスさえしていないのだ。これは即座に結果が求められる商業誌では、なかなかできない地に足の着いたペースだ。このゆっくりさ加減がまたたまらない。心地よく焦らしてくれる。
 この続きは今のところ引き続き同人誌で展開される予定で、続刊が商業単行本として出るかどうかは分からない。すべてはこの巻の売上にかかっている。個人的には値段はあんまり気にしないで買っちゃったけど、気にする人も当然いるはず。そんなわけで次の巻を出すためにも、も少し価格を抑えて買いやすいお値段にしてほしかったところではある。


12/5(日)……天使を演じる

 今月末発売のホットミルク2月号(コアマガジン)のジャンキーズ用レビュー原稿アップ。とりあえず今年〆切分のジャンキーズはおしまいで、ようやく宿題が片づいた気分。1月号の感想については、見本誌が届いたら書く予定。原稿といえば、雑草社のホームページによるとコミック・ファン7号の発売日が12月17日に決まったらしい。

【単行本】「星方天使エンジェルリンクス」 画:井ノ本リカ子+作:伊東岳彦・矢立肇 角川書店 B6
 衛星放送でやってたアニメの漫画版なんだそうだ。井ノ本リカ子が作画だったので買ってみた。アニメのほうは全然知らないが、お話としてはあんまり面白くなかった。16歳の巨乳ねーちゃんが社長の宇宙警備会社の面々の活躍を描いている。女の子はかわいいんだけどお話のインパクトが弱い。アニメおよび「アウトロースター」を見ていたら、もっと楽しめたのかも。

【単行本】「青空」4巻 原秀則 小学館 B6
 子供のころからの約束を胸に、つぶれていた野球部を再興して甲子園を目指す少年の物語。今どき、と思ってしまうくらいベタベタな根性モノではあるのだが、さすがに仕事人・原秀則だけあってちゃんと読ませる。

【単行本】「月下の棋士」26巻 能條純一 小学館 B6
 A級リーグ、氷室×佐伯戦が決着。そしてA級リーグ最終戦に入ろうというところまで。長く続きすぎた感はあるが、ようやく滝川のしっぽくらいは見えてきた。ガンガンテンションを上げていってほしいところ。

【単行本】「龍」23巻 村上もとか 小学館 B6
 記憶をなくしてさまよう龍と、彼についてきた中国人の少年・文龍。二人は文龍の故郷を離れ、上海へ出てくる。龍はそこで苦力などをして糊口をしのいでいるうちに、裏社会の女傑に拾われ、中国マフィアの組織へと迎えられる。ていは折しも、上海に日本軍の慰安に来ており、龍との物理的な距離は近づいてきているが再会までの道は遠い。この作品も長いが、こちらは大河ドラマみたいなもんなので、このまま堂々と進めていけばそれでいいかと思う。

【単行本】「TOKYO TRIBE2」3巻 井上三太 祥伝社 変型判
 ストリート系にーちゃんたちが抗争を繰り広げるシリーズの第3巻。今回は街の裏社会をとりしきる怪物・ブッバの息子であるンコイの忠実なる子分、ガリレオがSARUのリーダーである海に迫る。公道からゴミ処理場、開通予定の地下鉄施設と続くめくるめくアクションは迫力があり、読みごたえバッチリ。文系オタクとはあまり接点のない荒々しい世界の出来事であり、普通あり得そうにないスペクタクルさではあるが、生っぽく感じられるあたりは演出力のたまもの。小難しい説明を要しないライブ感覚は、単純にスカッとして面白い。

【単行本】「アカギ」10巻 福本伸行 竹書房 B6
 今回もざわざわいいつつ麻雀中。ほかの福本伸行作品と同様、大仰なセリフで盛り上げてくる演出で手に汗握って読める。とにかく読みやすいってあたりも強い。

【単行本】「おちゃめのカンヅメ」 春籠漸 富士美出版 A5
 たぶん初単行本。発行は1995年。作風は凡庸でいかにも美少女漫画な感じな人なんだけど、以前読んだ作品が妙に実用的にヒットしたので買ってみた。でも、このころのはりぼんとかにありそうな少女漫画タッチくらいしか特徴がなく、正直なところイマイチ、イマニ。まあ古本だったからいいかーといった感じ。


12/4(土)……KGB統合

 志賀彰さん、南研一さん、吉本松明さんをウチの兄貴宅に招待させていただき、七輪的料理を食べながらいろいろお話。濃いメンツだっただけに、たいへん面白かった。そろそろ寒くなってきたので、外で炭火をやるのは少々寒かったが、南さんが持ってきてくださったたいへんにうまい焼酎「百年の孤独」のおかげでずいぶんあったまった。洋酒のようなフレーバーでマジにうまい酒だった。

 で、呑んでいる間の話し合いで、トップページにも書いたとおり、吉本松明さんのIonisationと「掲示板を統合する」ということでお話がまとまった。「NIFTY SERVEなどのパソコン通信の会議室と違って、インターネットのWebページは、各サイトごとの境界がハッキリしすぎている」という共通の認識があり、各サイト間でもう少し情報の集中や行き来がスムースにできないかと思っていたのだ。吉本松明さんが自分のサイトの掲示板を変更しようとされていたという事情もあり、とんとん拍子で話は進んだ。こういった掲示板って、基本的には本体のWebサイトのほうが充実していないとなかなか繁盛しないものだと思う。自分は大した情報を出していないのに、不特定多数の利用者から情報だけ得ようっていうのは、よっぽど演出がうまかったりでもしないかぎり難しい。とはいえ一人だけで頑張るというのは難しいことだし、Webサイトの共同製作もけっこう面倒だ。その点、掲示板の統合はリンクを張り直すだけ。お互いに負担がかからない協力体制として、Webならではの魅力的なプランに思えたのである。実験ケースとしてもなかなか面白そうだ。漫画情報の集中という意味でも有意義だと思うし。うまくいくかどうかはやってみないと分からないけれども、OHP&Ionisation利用者の方におかれましてはおつき合いいただけると幸い。なお、掲示板名称は「OHP掲示板」から「ザ・掲示板」に変更。
 もしこの試みがうまくいくようだったら、さらにほかの漫画レビュー系サイトも勧誘してみたいところ。もちろん、各サイトのやっかいごとが持ち込まれるようなことがあるとお互いにいやな思いをするだろうから、当事者間の信頼関係はすごく重要になるけれども。

【雑誌】コミックフラッパー 1月号 メディアファクトリー B5平
 第2号。最も目についたのは、本澤友一郎+本井広美「かさならないはり」。トーンを使わず、ちょっと太めの切り絵的な描線で細部までガシガシ描き込まれた白黒のコントラストが効いた画面はなかなかの完成度。3ミリくらいありそうなぶっとい枠線、不規則に配置されたコマの数々。光を描かず黒々とした目のキャラクターたちの表情も印象的で達者。とある時計をめぐり、時間がすれ違っていく恋人たちの悲劇を描いた物語も、トリッキーで不思議な雰囲気。まだ絵的にも話的にもうまくなる余地は十分あるが、漫画マニア層は間違いなく注目しそうな新人さん。駕籠真太郎「パラノイアストリート」。駅前シリーズ系。管に支配された街で繰り広げられるシュールでブラックなコメディ。いつもよりは抑えめ。この人の場合は、もう少し悪趣味に繰り広げる余地があったほうがより面白くなりそう。SABE「串やきP」は、なんだか煮詰まっていて、生気がない感じがカッコヨイ。「ペンギン」のうつろな目が病的に濁っているあたり、本来はかわいく描かれるようなキャラであるだけに迫力あり。作:柳田理科雄+画:筆吉純一郎「空想科学大戦」。「ゴジラは地球上に存在できない」とかそういうタイプの、空想科学的作品を科学的に分析するアレを、漫画のロボットものに応用しギャグに仕立てている。股関節が開く機構がないロボットは、足を上げるたびにバランスを崩すので、踊るように腕を振らないと走れないとか。漫画で実際に絵になっていると、けっこう笑えるネタが詰まっていて楽しかった。

【雑誌】ヤングキングダム 1/4 No.1 少年画報社 B5中
 表紙をめくると、いきなりサンタ風の布面積がすごく少ないボンデージ的な服に身を包んだおねーさんがドーン。股の部分はチャックになっていて、すこし金髪のアンダーヘアが覗く。佐野タカシ「イケてる刑事」である。パンチの利いた魂の腐れっぷりがたまらない。このサービス精神、テンションの高さは見事というほかない。そして、今回それに負けず劣らず腐れていたのが大石まさる「みずいろ」。ヒロイン清美の乳。今回の注目点はここに集約される。柔らかそうで重たそうでいい形。ご立派。なめぞうの新連載「ハイライト」がスタート。鬱憤を抱えまくったサラリーマンがある日突然ブチ切れる。暴走する彼は、オヤジ狩りをする若者を叩きのめし、街角のインタビュワーにも狂気の拳を向けんとする。皮膚病の手をボリボリ掻く描写のムズがゆさ、奇抜でパワフルきわまりないアングルなど、なめぞうならではの暑苦しさがいかんなく発揮されている。これからの展開が楽しみだ。

【雑誌】花とゆめ 1/1 No.1 白泉社 B5平
 高屋奈月「フルーツバスケット」。風邪をひいてしまった透の、熱で火照った顔がかわいくて良い。ほのぼのした世界で和む。樋口橘「手紙」。親の離婚に伴って転校することが決まった女の子。彼女は幼馴染みの男の子が好きで好きでたまらなかったのだが、素直になれない性格のため告白できないでした。その気持ちを、名前は記していない手紙にたくしてなんとか伝えようとするが、それは彼の誤解を招いてしまう……というお話。不器用な女の子の振る舞いが、なんとも健気でいいではないですか。それから花とゆめ本誌初登場の左山明典「幼恋人」も良かった。赤ん坊のころからの幼馴染みで、17年目にしてようやく彼氏彼女の関係になった二人。一生懸命恋愛している感じと、行いの他愛なさがたいへん微笑ましい。


12/3(金)……オルガがオルガがスムス君

 昨日の日記によると、12月2日が水曜日だったことはみんなには内緒だ(もう直したけど)。

【単行本】「ORGAN BOX」 山本夜羽 ぶんか社 A5
 帯には「狂おしい螺旋のオルガスムスがさらなる欲望を呼び起こす」とかあるけれども、中身はわりとフツーにお仕事している短編集。そんな激しくいやらしいってわけでもない。最近の山本夜羽は、作風がだいぶマイルドになっている。女の子の乳がデカくなりつつあるし、一般受けしやすそうになってきている。挑戦的な作品を求める向きにはもの足りないかもしれない。っていうかもの足りないだろう。ただ、これはこれで肩が凝らずにそれなりに楽しめる仕上がりになっていてうまいと思う。きっちりまとまっているし、ヒロインもかわいいコが多いし。

【単行本】「感じてすと」 にいるまけんじ 東京三世社 A5
 わりとよくあるような絵柄なんで侮っていたけれども、予想外に面白かった。とある高校に赴任した淫乱女教師が、生徒を喰ったり、不順異性交遊の仲をとりもったりして大活躍……というこれまたよくあるパターンのお話なのだが、キャラクターがなかなか魅力的。ヒロインもいいんだけど、同僚のメガネをかけた、普段はカタブツなんだけど酒を呑むと人格が豹変する女教師もまたいい味を出している。けっこう笑えたりもするし、コメディとして完成されている。

【単行本】「淑女の淫夢」 榊まさる 青林工藝舎 A5
 1970年代中盤にエロトピアおよび漫画快楽号で掲載された、榊まさるによる官能劇画を集めた作品集。ここらへんの作品は、皆単行本初収録らしい。雑誌掲載時、俺は2〜3歳だったが、そのころから単行本になってほしいと思っていたので念願がかなった。……というのは当然ウソで、榊まさるの作品を読むのはきちんと意識して読むのはこれが初めて(もしかしたら榊まさるだと意識しないで読んでいたことはあるかもしれない)。スーパーリアリズムの流れを汲む(のだと思う)、緻密に描かれた画面、それから夢と現実が交差する幻惑的な作風は現在見てもかなり新鮮。バッサリとブツ切りにされるようなラストなどは非常にシュールだし、むっちり肉感的な画風は現在の作家と比べてもなんら遜色ない。官能劇画の世界もそろそろ覗いてみなくてはならないか……とか思った逸品。

【アンソロジー】「乱漫」vol.5 FOX出版 A5
 小林正知の表紙イラストがとてもキャッチーな、「ボーイッシュガールアンソロジー」と銘打たれたアンソロ本。執筆陣は、みさくらなんこつ、桃屋しょう猫、緋呂河とも、13、星峰ひろ、境はまち、マキシマム、ピロンタン。ボーイッシュというわりに女のコっぽいヒロインが多いのはちょっと残念。ボーイッシュというと、手塚「三つ目がとおる」の和登さんというイメージがあるのだが。どちらかというと「ショートカットガールアンソロジー」といった趣。作品は全般的に可もなし不可もなしというか、ちょっと可くらいの人が多い。その中ではやはりピロンタン「のらネコガッツ君。」の馬鹿っぽくて勢いのあるノリと、端整ながらパワフルさが目立った。


12/2(木)……ブラシューボ効果

 なんかここのところ、家に帰るとジャンキーズ関連の漫画読みと原稿書きばかりしているような気がする。年末発売のホットミルク2月号では30冊ほどレビュー書きます。12/3発売の1月号(こちらでは20冊担当)もぜひ買ってくださいませ。それにしても、自分の作っている雑誌のほうの年末進行と重ならなくて本当に良かった。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/13+16 No.1+2 秋田書店 B5平
 浜岡賢次「浦安鉄筋家族」では、ひさびさに地上最強の小学生登場。板垣恵介系の描写と、くだらない展開が絶妙にマッチしてて思わず笑ってしまう。水島新司「ドカベンプロ野球編」。予想されたことではあるが、やはり水島先生、岩鬼とサチ子をくっつけたい模様。いやもうどうぞお好きなように。うういずみ「2×2」。下らないけどけっこうノリが良く、つい読んでしまう。能田達規「おまかせ!ピース電器店」。ゲーム代行ロボットはすごく欲しいぞ。俺のポポロクロイス解いてくれー(最後の戦いのとこまで行っているのに面倒だから放棄中)。あと、ドラクエモンスターズのレベル上げも(いつでもクリアはできる状態なのに延々とレベル上げしているうちに熱が冷めた)。そういえばトルネコ2なんて買ってから1ヶ月くらい経ったのに、まだオープニングムービーしか見てないぞ。

【雑誌】ヤングサンデー 1/1 No.1 小学館 B5中
 平松誠「ブラッシュボール」が新連載。ソフトボール方面から伝わってきた、アンダースローからのホップするボールを武器とする男が野球弱小校に入り甲子園を目指す。エロあり野球ありな感じになりそう。いわしげ孝「新・花マル伝」は、花田が豪快痛快な投げを打つ。アングルが面白く、また描写にも迫力があってかっこよかった。山本英夫「殺し屋イチ」では、相も変わらず垣原がブイブイいわしまくり。最強。土田世紀「同じ月を見ている」は次回で最終回とのこと。

【雑誌】ヤングジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中
 奥浩哉「ZERO ONE」では、女性ファイター出現。ゲーム内キャラクターは、かなりボイン。Hでいいぜ。と思ったら、山口譲司「BOiNG」も乳でバトル。馬鹿馬鹿しくてよろしい。あと今号は月イチの山本康人「打撃天使ルリ」も掲載。

【雑誌】モーニング 1/1 No.1 講談社 B5中
 やはり今回は高橋のぼる「リーマンギャンブラー マウス」であろう。カワーダイスに代わる新しいギャンブルが登場し、さらに女体盛りゴミ娘のインドまぐろ子も復活。今回女体に盛られる物件は、ファーザーも大好きなあの食品。マウスの食いっぷりも、女体盛りとしては最大限にワイルドだった。折しも女体盛り食品に興味を持っていた頃合いだっただけに、このスペクタクルな展開に心動かされた。本編のギャンブルのほうは、駆け引きがあるようなないようなって感じだが、ハッタリが利いてて面白い。あと、ラストのマウスの非情っぷりも。バッサリと切り捨てるあたりが快感。井上雄彦「バガボンド」。巻頭4色。塗りが美しい。王欣太「蒼天航路」。最近ずっとかっこよかった郭嘉だが、今回はまたとくに。いいキャラクターだった。

【アンソロジー】「女教師 愛液授業」 一水社 A5
 タイトルどおり、女教師系の作品を集めたアンソロジー。漫画のほうは、葛城ゆう、ゼロの者、DELTA・M、日高陸、たこあし、咲夜しおん、葦原将軍、飛四子・N、麻田起奈。ひりほりはりもる。この中では相変わらずうまいゼロの者、ちんちんがゴツゴツしていやらしい葛城ゆうあたりがいい。ひりほりはりもるの、おもちゃジャンキー者をネタにした四コマもなんだかいい味を出している。この人のノリの良さはわりと好き。

【単行本】「監禁調教 時の籠女II〜理沙〜」 SHIZUKA 松文館 A5
 この「時の籠女」シリーズのIIIをレビューすることになったのだが、IIIだけだとお話的に分からない部分が多いので、IIも読むことに。Iは見つかってないのでまだ読んでないが、お話はだいぶつかめてきた。とある女の子に拾われた陰鬱な男が牝奴隷の調教に目覚め、その女の子が部屋に引きずり込んでくる娘を次々毒牙にかける……というお話。暗い雰囲気の画面でハードに調教が進むが、むしろメインとなるのは、調教する側/される側、そしてそのお膳立てをする女の子の心理状態。あまり実用的ではないが、けっこう読ませる。

【単行本】「ふぇろもん☆CHARGE!」 雅舞罹-L シュベール出版 A5
 ペンネームは「がぶりえる」と読むらしい。まるでヤンキーみたいだが、作品自体はわりとスタンダードなエロ漫画。いかにも美少女漫画〜、アニメ絵〜という感じではあるんだけど、完成された手法であるだけにけっこう実用方面では手堅い仕上がり。悪くいえば凡庸ではあるが、きちんと読者がヌケる漫画を描こうとしている雰囲気は感じられ、好感は持てた。

【単行本】「トリプルヴァイオレーションズ」 米倉けんご FOX出版 A5
 米倉けんごとしてはたぶん最後の単行本になるんだそうだ。ということは、これからは今村夏央名義に絞っていくってことなんだろう。エロのほうにはもう描かないのかなあ。初単行本が「ヨネケン・ファースト」だったので、どうせなら「ヨネケン・ラスト」にするとよかったかも。
 で、この単行本はショタホモ系の作品集。胸板の薄いかわいい少年たちが、まだ熟していないちんちんをしゃぶりあったりするようなお話。米倉けんごだけあって、エロシーンもちゃんと描かれていて、かなりH。少年たちのキュートさは、少女の置き換えに近いところもあり。そっち系は別に取り立てて好きってわけじゃないんだけど、ちょっときざしてしまうのが悔しいような。あと「ホワイト・キャンディ」は、現在ヤングチャンピオンで連載中の「ファイヤーキャンディ」の原型っぽい作品。描き下ろしの「トリプルヴァイオレーションズ2000」も入っているのだけど、昔と今では絵のタッチをけっこう変えているというのがよく分かる。


12/1(水)……美少年をハーベラス

 職業柄、漫画にパソコンが登場するとつい機種が気になってしまうのだが、ここ数ヶ月はiMac比率が圧倒的に高い。なんか10台に9台くらいiMacな気がする。例えば、今日読んだ「ケロロ軍曹」で使われているのもiMacだった。山川直人でさえiMacである。絵に描いてすぐソレだって分かるデザインにしたというのは、やっぱり偉い。とか思っていたら今号のサンデー「かってに改蔵」で、すずが使っているマシンはVAIOらしき物体だった。最近では、鶴田謙二の「Forget-me-not」でOlivettiのECHOSが出てきたときは、シブイと思ったものだ。ECHOSの筐体で今の性能だったらたぶん買っちゃうだろう。トラックボールだしー。QUADERNOの後継も出たら買う。出るわけないが。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/15 No.24 講談社 B5中
 村枝賢一「RED」は、嬉々として殺戮を行う一人のガンマンによって学校がパニックに陥る。今回は展開が派手で面白かった。桑原真也「0(ラヴ)リー打越くん!!」は、シノヴと打越が警察により包囲され、逃避行を始める。なんかたいへんな展開になってきたが、次はどう出るのか。なかなか予想がつかない漫画だ。梶原崇「ゾンビ忍者」。かなりグロで変態的でおかしな漫画である。さりげなく丸尾末広のパロディを差し挟んだり、描写が妙にエロチックだったり、キャラクターが不気味だったりと、濃厚で過剰な作品に仕上がっている。この先もけっこう楽しみ。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 12/15 No.24 小学館 B5中
「実力派作家競作シリーズ "The Age of 30s"」と題打った読切シリーズがスタート。初回は柴門ふみ。まあこれは普通の出来だが、次回が安達哲ということで楽しみ。さらに次号では「キリン」の東本昌平が新連載と、なんか新しい血を入れ始めた気配。安定はしているが瑞々しさに欠けるところのあったスペリオールとしてはいい傾向だと思う。高田靖彦「演歌の達」。勤務する会社が方針変換し、達は大きなショックを受ける。どのようにお話を転がすのだろうか。次号待つ。巻末の4コマ漫画が中川いさみ「ゴムテ」に。

【雑誌】ビジネスジャンプ 1/1 No.1 集英社 B5中
 冬目景「イエスタデイをうたって」、シナコの幼馴染みにして生徒である早川浪がなんだかライバル的な人間にぶち当たる。というわけで話が今までとは違う方向に進展しそうな気配。脇役方向に話を持っていかず、よりシンプルにしたほうが良さそうな気はするけど、まあそれは続きを読んでみないとなんともいえないところではある。

【雑誌】週刊少年マガジン 1/1 No.1 講談社 B5平
 大島司「シュート!熱き挑戦」。ついに掛川×藤田東の試合が決着。ツッコミどころはいろいろあるのだけど、ハッタリの連続でバンバン見せていくスピーディな展開はなんだかんだで面白い。新連載「むしまろ」は、青虫系のヘンな幼虫を主人公としたギャグもの。箸休め系。

【雑誌】週刊少年サンデー 1/1 No.1 小学館 B5平
 武村勇治「マーベラス」が巻頭カラーで新連載。ボクシングもの。素人同然だが、パンチ力は見るべきものがある少年が主人公。満田拓也「MAJOR」。特待生組の最後の切り札、ジャイロボーラーであるらしい眉村登場。少年漫画らしいダイナミックな描写で読ます。

【単行本】「ケロロ軍曹」1巻 吉崎観音 角川書店 B6
 主人公・日向冬樹、姉、母の3人で暮らす家族の許に迷い込んできたカエル型宇宙人。母星の船に置いてきぼりにされた彼(=ケロロ軍曹)は、冬樹の家に居候することに。といった感じで始まるドタバタコメディ。いや、それにしてもキャラがみんなカワイイ。キャラ者系な軍曹たちももちろんだが、とくに女の子。そしてちょっとショタな冬樹。きっちりとした線で収まりの良い絵柄や、ところどころにちりばめられた、ちょっとHな演出とかもいい。あと、キャラクターたちの行動が秘かに壊れてたり不穏だったりするあたり楽しくて良い。やはり胸が膨らみつつあるお姉ちゃんでありましょう。


【一番上へ】