アニメダイエットに関する覚え書き


2003/06/14:公開
2003/11/08:有酸素運動関連の項目で、「20分以上継続して……」という部分について改稿
2004/02/08:備考に騒音問題についての注意書きを付記
2004/04/02:愉快な神父さん4/1の項のご指摘を受け、「より効果的に運動するには」の項に追記。

▼アニメダイエットとは

 えーと、なんか2003年5月1日の日記で公開して以来、各所で反応があったようなので、せっかくだからまとめておきます。ここでいうアニメダイエットとは、「アニメを見ながらダイエットしよう!」という一連の行為のことを指します。具体的には「アニメを見つつ踏台昇降をする」という行為。なぜ踏台昇降かといえば、それが効果的な有酸素運動であるから。有酸素運動についてはこのあたりを見ると分かりやすいんですが、つまり酸素を身体に取り込みつつ長時間行える低負荷な運動のことらしいです。

 肥満の原因となる体脂肪を燃やすには瞬間的に激しい運動をする「無酸素運動」よりも、ゆるくてもいいから酸素を取り入れつつ行う「有酸素運動」を継続して行うといいんだとか。一般に20分以上連続して行うのがいいといわれているようですが、「ためしてガッテン」の「間違いだらけの運動法」の項によると、「20分連続」という数値にはあんまり根拠はなく、こま切れでも連続でも効果が出るという考え方が最近では主流になってきているそうです。

 でもまあ「心肺機能の強化、肥満の解消には合計30分以上の運動が効果的」というのは確かで、やればやるほどいい具合に脂肪は燃えていくようです。で、有酸素運動の代表的なモノがウォーキング、ジョギングやら水泳だったりします。でも肥えている人は分かっていただけると思うんですが、水泳とかだと人前に自分の肉体をさらさなきゃならんのがけっこうつらいところ。あとウォーキング、ジョギングも基本的に外でやるものなので悪天候の日はやりづらいし、深夜とかに走ったり歩いたりすると怪しがられる可能性もあり時間を選ぶなどの障害が多々あります。

 そこで浮上してくる有酸素運動が踏台昇降。これなら室内でできるので、天候も人の目も気にする必要がないし時間も選びません。そして踏台昇降の最大の長所は、「何かしながらできる」という点にあります。実際のところ長時間継続して「運動だけ」するというのはけっこうツラかったりするわけですが、テレビやビデオを見ながらならまあ多少は気分的に楽になります。楽しみながらのほうが運動も継続して行いやすい。ダイエットで最も重要なのは長期間モチベーションを維持することだったりしますが、そのためにアニメを利用しよう、またダイエットにかこつけてアニメを観ようじゃないかというのがアニメダイエットの趣旨です。アニメを見たいという欲求がダイエット活動を持続させ、ダイエットしなきゃという意志がアニメ観賞をより活発にする。健康増進とオタク的情報摂取活動を同時に行えるというのが最大の利点であります。

▼使用する踏台について

踏台しばたモデル  使用する踏台については別になんでもかまいませんが、アニメを見ながらということを考えると上下の視点移動が激しすぎるとなんなので、高さは10〜15cm程度が適当ではないかと思います。あと底面積がB4サイズくらいあったほうが踏み外しにくいし安定感もあります。

 個人的には写真のような踏台を自作して使用してます。これは底面積がB4の段ボールの中に、読まなくなった古雑誌を詰めてガムテープでぐるぐる巻いたもの。高さは12cmくらい。基本的に使わなくなったものの組み合わせで作ってるので、原価はほぼタダ。この程度のもので十分です。ちなみに中に詰めるものを古雑誌にしたのは、「たくさん余ってるから」「踏んでも潰れない」「適度な弾力があるので膝の負担が少なくて済む」という理由から。踏んで潰れるようなものは踏み外しやすいし、例えば煉瓦みたいな固いものだと膝の負担が大きくなるのでオススメしません。

 踏台が用意できたら、あとはアニメを再生しながらずんずん踏みまくるだけ。呼吸をしっかりして酸素を身体に取り込みつつ、腕をなるべく大きく振りながらやるといいんじゃないかと思います。

 ここで一つ注意。とくに普段運動していない人にとって、踏台昇降を50分やるのはけっこう「キツい」です。踏台昇降というとお手軽に聞こえますがナメちゃいけません。同じ時間ウォーキングするよりも数段疲れます。初めてでいきなり50分やって「こんなにキツいとは……」とビックリされる人もいるようです。なので、とりあえず最初のうちはアニメ1話分程度、それでもキツいようでしたら10分程度でも構いません。慣れてくるに従って時間を増やしていけばいいんです。1週間もやってりゃだいぶ慣れてきますから。何事も始めなければ続かない。最初の段階でスムーズに入っていけるかは非常に重要なことなんで、最初にガツンとやって挫折するよりは、少しずつ慣らしていくのが吉です。

▼なぜアニメなのか

 と、ここまで読んできて「別にアニメじゃなくてもいいじゃん」と思った人も多いはず。その通りです。そんなの当たり前です。ただアニメってちょうどいいんですよね。だいたいが1話25分なんで、2話分やると50分。運動強度的にグッドバランス。軽くやりたいときは1話分で終わらせればいいし、じっくりやりたい場合は2話3話と続ければいい。こういう調整は1時間モノのドラマとかだとやりにくかったします。あと内容が軽めなのが多いから運動しながら気楽に見れるし、途中でアイキャッチが入るんで「ああ、あと12分くらいだな」とかいう区切りがつけやすいというのもメリット。

 アニメが向いている理由としてもう一つ、内容的にアッパーなものが多いってのがあります。運動ってのは基本的にキツいわけなんですが、暗かったり退屈だったりするモノを見ながらだと運動時間が長く感じたりします。自分の経験からいわせていただきますと、テンションの高い作品のほうが楽しく踏めるようです。本を読みながらというのはけっこうつらいです。画面見ながらだと漠然と周囲の状況が目に入るんですが、本だと視点が近いので周りのものが目に入りにくい。結果的に足を踏み外しやすいし、酔っ払いやすいってのもあります。あと音楽の場合はけっこう手持ちぶさたなんですな。視覚情報がなんかあったほうが楽しく踏めます。

 あとアニメの場合はほかのメディアよりも、25分単位の続きモノが手に入りやすいという特徴もあります。録画してため込んでいる人も多いし、マニア向け商品なんでビデオとかDVD-BOXとかちゃんと出てますから。とくにここ数年はアニメバブルで、放映作品数がガンガン増えてます。ビデオデッキの一つもあれば、見ながら踏むための映像に困ることはないってくらいたくさんの本数があります。けっこう面白い作品も多いんで、アニメから遠ざかってきた人はコレを機に一つ見てみちゃいかがでしょうか。

▼より効果的に運動するには

 せっかく有酸素運動するんだから、その効果は最大化したいと思うのが人の常。もちろんそれは私も考えたので、いろいろ調べてみました。んでもって、現在は以下のようなことに気をつけつつ運動してます。

▽運動時はお腹を空かせた状態で
 食後すぐに運動すると血中の脂肪がまず燃えて、皮下脂肪は後回しになってしまうので効率が良くない。そこで血中脂肪がエネルギーとして完全に消費された状態、つまりお腹が空いているときにやるようにすると効果的。
(2004/04/02追記:空腹状態だと脂肪が効率良く燃え始めるまでの時間、筋肉が分解されてエネルギーになるとのことなので、長い目で見て健康になりたい場合は運動の少し前に、甘いフルーツや栄養価のあるジュースを摂取するのがオススメとのこと。要するに「脂肪の燃焼が始まるまで」という短時間でエネルギーになり、なおかつ脂肪として蓄積しないような栄養分を軽く摂取しとくといいってことでしょうね)
▽運動後のケア
 有酸素運動後はしばらく余熱効果という奴で体脂肪が燃えるそうです。この間に風呂に入ったりして急激に体温を上げると、余熱効果がなくなってしまうので、運動後30分くらいは風呂に入らないでほかのことをする。また、運動後に食事をすると食べた分のカロリーが優先的に筋肉のほうに行き、脂肪として蓄積されずに済むとのこと。というわけで先ほどの余熱効果が終わったタイミング、運動後30分〜1時間後くらいの間に食事をするようにすれば、脂肪の蓄積を少なく抑えられると思います。あとメシを食った後すぐ寝ると脂肪が蓄積しやすいらしいので、我慢して起きてていろいろ活動するようにしといたほうが吉。
▽有酸素運動直後に筋トレすると効果的
 有酸素運動した直後に筋トレをすると、鍛えた部分の脂肪が効率的に燃えるらしいです。私は腹を引っ込めたかったので、踏台昇降後にちょっと腹筋運動をするようにしてます。
(2004/04/02追記:こちらの4/1の項によると、鍛えた部分の脂肪が効率的に燃えるのかどうかは「ものすごく厳密にいうと正しいかもしれませんが,微妙」のようです。こちらの方はもっと多くの筋肉を利用する運動を推奨する、とのこと)
▽水分補給はしっかりする
 誤解しがちなんですが、汗をかけばやせるってもんではありません。汗をかいて出ていくのは大半が水分。それと一緒にミネラルとかも出てっちゃうので水分補給をちゃんとしないで汗ばっかかき続けるとかえって体調崩したりします。あと体温が上がりすぎると体脂肪を分解する酵素のはたらきも弱まっちゃうらしいです。汗と痩せの関係についてはきょん八丈島さんのところの夢色ヘルシーの「汗を出せば痩せるの?」の項あたりもぜひ読んでみちゃってください。このサイトはほかにもいろいろ参考になることが載っているので役に立ちますよ。
▽こまめに体重を測る
 これけっこう重要だったりします。できるだけ細かい単位、できれば100g単位で測れる体重計を買うといいです。んでもって何かにつけて測る。体脂肪率測定機能もついてるほうがいいです。ダイエットにおいて大事なのはモチベーション維持だったりするわけですが、周りの人は1kgや2kg減ったくらいじゃそうそう変化に気づいてくれません。客観的に「変わった」といわれるとモチベーションも高まりますが、他人が気づいてくれないなら数値で確かめればいい。ってなわけで自分で変化を確かめるために体重計は必須です。ついでに毎日結果をメモしとくといいです。単純なことなんですが、案外やる気が出るし、効果が大きかったりします。

▼成果

 ……とここまで書いてきたけど、実際の効果が分からないとあんまり説得力がないんで自分の例について公開しときます。このような方針の元、半年ほどアニメダイエットをやってみて、結果としては20kgほどやせました。2002年12月の時点では85kgほどあった体重が、半年後の6月1日時点で65kgちょいまで減少。2003年に入ってからだと
1月:84.0→80.0(-4.0)
2月:80.0→76.0(-4.0)
3月:76.0→72.5(-3.5)
4月:72.5→69.0(-3.5)
5月:69.0→65.5(-3.5)
という感じで、だいたい月3.5kgペースで堅調に来てます。自分でもよく続いたなあという気はするんですが、これはアニメがあったからこそ。まあ誰にでも効果があるとはいわないですが、じっくりやればある程度の効果はたぶん残せるはず。というわけでレッツトライ踏台! みんなでアニメを見て激ヤセだ!!

2004/08/01追記:その後の経緯ですが、2003年6月が65.5kg→63.5kg(-2.0)、7月が63.5kg→61.8kg(-1.7kg)で目標だったBMI値による標準体重62.0kg(168cm)をクリア。その後も運動は続けてますが、1年以上たった現在も61.0〜62.0kgくらいをキープ。ちょっと筋トレ量を増やした分、体重の減少は止まってますが、とくにリバウンドは起きておりません。リバウンドを起こさないようにするためには、目標を達成した後も根気よく続けていくことが大切です。そのためにも、あまり「頑張る」という意識を持たず、日常生活に組み込んで楽しんで続けていけるレベルでやっていくのがいいでしょう。



▼備考

・繰り返すようですが、踏台昇降は慣れてくるまでは多少キツいと思います。とくにふくらはぎの筋肉をよく使うみたいです。普段運動不足な人だといきなりアニメ2話分やると脚がつったりする可能性もあるので、そういうときは無理をせず1話分くらいにしとくといいでしょう。1話分でも20分以上の運動になるので十分効果はあります。

・あと膝が悪い人は無理してやると膝をいためる可能性がありますので、こちらも無理はしないで適度な分量で止めておくことをオススメします。というか代表的な有酸素運動って、ウォーキングにしろ縄跳びにしろたいてい膝に負担はかかるんですよね。負担がかからないのは水泳くらいかなあ……。でもそれだと肥えた肉体を人前にさらさなきゃならないというリスクがあるし。膝が不安という人は、多少食事療法で体重を減らしてから運動を始めるというのがいいかもしらんです。ちなみに金魚運動は有酸素運動になってないという噂を聞きました。詳しいメカニズムとかはよく知らないんですが、自分の力で筋肉を動かさないと有酸素運動にはならないのだとか。

・踏台昇降やるとけっこう筋肉つきます。とくに膝の上あたりとか。その分、ある一定以上は体重は減りにくいようです。下記の参考リンクの項にあるBMI値で20以下なんていう、いわゆる「美容体型」とかになると踏台昇降だけでは実現が難しいです。体重減については過度の期待は禁物。ある一定レベルまでのダイエット、それから運動不足の解消による健康維持を主眼とするのがよろしいかと思います。

・もう一つ注意。どすどす台を踏む関係上、どうしても騒音は発生します。とくに下の階に人が住んでいる環境ではご注意を。壁が薄いと隣の部屋に響くこともあります。とりあえずの対策としては、あんまり高い台で踏まない、強く踏み込まない(普通に歩くくらいの力加減に抑える)等がありますが、根本的な解決にはなりません。このダイエット法の一番の問題点はココでしょう。もし階下に人がいて床板が厚くないようでしたら、多少費用はかかりますが、自転車こぎ機みたいなもので騒音の少なそうな機種の導入を検討したほうがいいかもしれません。まああの手の器具を使いながらでもアニメは見れますし……。

▼参考リンク:私が参考にしたサイトをいくつかあげておきます。

医師が教える!1分ダイエット
医師の視点から見た、ダイエットに関する知識が分かりやすくまとめてあって参考になります。さまざまな民間療法についての間違いなども指摘されてて、目からうろこが落ちることしばしば。
BMI値をはかってみよう
上記ページ内にあるBMI値を測定できるページ。「BMI法」という、現在広く使われている計算法に従って自分の標準体重を求められます。身長×身長×22が標準体重なのだそうです。ちなみに私だと168cmなので、1.68×1.68×22=62kgが標準体重。
「ためしてガッテン」過去の放送
NHKでやってる健康とかについての生活番組「ためしてガッテン」のホームページから。類似番組と比べて信憑性が高いようです。
きょん八丈島の経済通信「夢色へるしー」
その道のプロが本当に痩せるダイエット術を詳しくレクチャー。勉強になります。アニメダイエットにも太鼓判を押していただいてたいへんうれしうございました。
2ちゃんねる踏台昇降スレまとめページ
やっぱりあったんですね。この文章書いてしばらく経ってからこのページの存在を知りました。あちらのスレッドの方々のほうが先駆者なんで、ノウハウも豊富です。同じことやってる人がほかにもいて、効果を挙げてるところを見るとけっこうやる気出ます。
踏み台昇降 DE ダイエット
上記まとめページの管理人さんが作った踏台昇降ダイエットのページだそうです。画像アップローダーに自作昇降台の写真とかもアップロードされててこれまた参考になります。

▼その他ダイエット関係リンク
おうがすとのダイエット
踏台昇降などを実践してダイエットをされている方のページです。


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