塀内夏子単行本リスト

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■作家名:塀内夏子(へいうち・なつこ)
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「ダイヤモンド芸夢」

「ダイヤモンド芸夢」 ■出版社:講談社
■シリーズ:マイブックKC
■巻数:全1巻
■判型:A5
■本体価格:690円
■初版:1985/08/26
■ISBN:ISBN4-06-301001-5 C0379

 最初のころの塀内夏子は、芸能界アイドルものを描くことも多かった。そしてその代表作が表題作の「ダイヤモンド芸夢」だ。浮浪者の少年がその危険な魅力によってスターダムにのし上がっていく姿を描いている。ものすごくクサイかっこつけかたが、なんか味わいがあって俺はこの芸能界シリーズもけっこう気に入っている。
 あと、登山で山小屋に荷上げをする強力さんと、都会からやってきた女性の触れ合いを描いた「背負子と足音」は短いながら骨太な話作りでなかなか読ませる。

●収録
 ダイヤモンド芸夢
 背負子と足音
 ケンチとろくでなし

「サーカス・ドリーム」

「サーカス・ドリーム」 ■出版社:講談社
■シリーズ:マイブックKC
■巻数:全1巻
■判型:A5
■本体価格:690円
■初版:1985/09/26
■ISBN:ISBN4-06-301003-1 C0379

「ダイヤモンド芸夢」に続く芸能会モノがこの「サーカス・ドリーム」。「ダイヤモンド芸夢」では単品のアイドルだったが、今度は3人のグループ。より恥ずかしさが増してええ感じである。 「勇気のないライオン」は女子プロレスもの。これも今読むとなんだかミーハーな感じが妙な味を出している。「夏風」は小学生で、サボリの常習犯の少年と勝ち気な女の子の触れ合いを描いた作品。これはなかなかの佳作。お互い素直になれない少年と少女の間隔がうまく描かれている。
 あと、「ボロクズ」は塀内夏子のデビュー作。なんと別マの少女漫画スクールの佳作受賞作である。このころは竹宮恵子を思わせる少女漫画な絵柄で、今のおもかげはほとんどない。ストーリーもお涙頂戴系の話。絵はまだまだだけどキャラクター、ドラマ作りはかなりしっかりしていて、このころから漫画家として大事なものを持っていたんだなあと思う。

●収録
 サーカス・ドリーム
 勇気のないライオン
 夏風
 ボロクズ

「夢千代パラダイス」

「夢千代パラダイス」 ■出版社:講談社
■シリーズ:マイブックKC
■巻数:全1巻
■判型:A5
■本体価格:690円
■初版:1986/05/26
■ISBN:ISBN4-06-301010-4 C0379

 この作品集はわりとお気楽なお笑い系の話が中心。「なつこちゃんハイ!」はしげの秀一、蛭田達也との合作というなんだかすさまじい組み合わせである。蛭田達也ってデビュー以来、「コータローまかりとおる!」以外は描いてないことで有名だが、これは数少ない「コータロー以外」の作品だ。つまんないけど。
 俺としては「さよなら甲子園」がけっこう力の抜けたヘンなギャグ漫画で好き。いい加減な感じの高校野球ギャグ。
「ダイヤモンド芸夢」「サーカス・ドリーム」「夢千代パラダイス」のマイブックKCの3冊は塀内夏子の単行本の中ではかなり異色。それほど強くオススメはしないけど、塀内夏子ファンだったら押さえておくとちょっとだけポイントが高い。

●収録
 なつこちゃんハイ!
 さよなら甲子園
 夢千代パラダイス
 雀鬼陳