「ゆみこ汁」 町野変丸

「ゆみこ汁」
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 この前「かっこいい自転車」(太田出版)が出たばかりだがまたまた新刊。今回もいつものごときゆみこちゃんもの。考えてみれば町野変丸漫画の歴史はゆみこちゃんの歴史といってもいいくらいなのだが、長い年月をかけてゆみこちゃんはすごいモノになっている。彼女が体内に入れたものは数知れず、また肉体変化のバリエーションも枚挙にいとまがない。そして読者的にも、もうゆみこちゃんが何をやろうと当たり前のものとして受け入れてしまっている。惑星一つくらい身体に入れても、おそらくは「ああゆみこちゃんだから仕方がない」って感覚ではなかろうか。こういう状態になってしまった今、町野変丸が作品で既存読者を驚かすというのはすでにかなり難しくなってしまっているわけで、ギャグ漫画というのは本当にタイヘンなものなのだなと思わずにはいられない。そんな状況でも背伸びしないで常にマイペースな(ように見える)のは実に町野変丸らしいっちゃらしい。それはそうと、今回の収録作品の中では「バラバラゆみこちゃん」がとくに好き。ネタをバラしてもしょうがないんで詳しくは書かないけれど。