「バロン・ゴング・バトル」表紙 田口雅之
Masayuki Taguchi

バロン・ゴング・バトル

全9巻 秋田書店・少年チャンピオンコミックス 判型:新書判

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 エジプトの砂中に埋没していたピラミッドからナチスが発見した謎の生命体イブ。イブのDNAは人間のものとほとんど同じだった。何千年もの間、棺の中で眠っていたこの超生命体を用いて、ナチスは悪魔の実験を行う。それは人間の男とイブを交配させるというものだった。そこから生まれた超生命体は、「ネオ・ヒューム」と名付けられた。ケタ外れの力、そして再生能力を持つ彼らは終戦のドサクサに紛れて世界中に散る。
 人間社会に何食わぬ顔で紛れ込んでいたネオ・ヒュームの一人に、最愛の恋人を惨殺された、主人公、バロン・ゴングはネオ・ヒュームに復讐を誓う。

 以上が大まかなストーリー。バロン・ゴングはシカゴ1デカい酒場である「ゴリラ・キック」の名物オーナー。鋼の肉体と強靭な精神力を持ち、性格は豪放磊落。乱暴だが心根は優しく、皆から慕われている。

 で、この漫画のいいところはなんといってもダイナミックであることだ。主人公のバロン・ゴングはヘラクレスのような肉体を持つムキムキ男。ウイスキー一瓶イッキ飲みなど、やることがいちいち豪快で胸がすく。出てくる女は乳ばいーん、尻ばいーん。服の上からはお約束のように乳首が透けてて、無駄なくらいセクシー。
 敵のネオ・ヒュームも再生能力や容姿など、まるで「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる仮面の一族のように邪悪で強い。それでいながら哀しい宿命を背負っているらしきところが、敵ながらかっこいい。バロン・ゴングも人間離れした精神力と肉体を駆使して、ピンチからわずかな勝機を見出し彼らに敢然と立ち向かっていく。
 アクションも派手だ。ビルの外から車でエレベータに突っ込んだ後向かいのビルにダイブするとか、大げさで実にかっこいい。

 ハリウッド映画ばりのアクションに、ダイナミックで大ざっぱで豪快な展開。そしてお色気。ぶ厚いビフテキという感じの読みごたえ。過剰なまでにお楽しみを詰め込んだ娯楽作品。うーん、ザッツエンターテインメント。豪快にアクション&バイオレンスの快楽にむしゃぶりつきたいアナタにオススメだっ!


●単行本データ
価格:本体390円

巻数ISBNコード初版年月日
1ISBN4-253-04806-4 C997998/05/05
2ISBN4-253-04807-2 C997998/07/05
3ISBN4-253-04808-0 C997998/09/20
4ISBN4-253-04809-9 C997998/11/10
5ISBN4-253-04810-2 C997999/01/05
6ISBN4-253-04936-2 C997999/03/25
7ISBN4-253-04937-0 C997999/05/10
8ISBN4-253-04938-9 C997999/08/10
9ISBN4-253-04939-7 C997999/10/15