「ボンデージフェアリーズ」1巻 昆童虫
KONDOM

「ボンデージフェアリーズ」
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 一風変わったエロ漫画である。
 主人公は森の妖精、プフィルとパミラ。彼女たちはともに、悪い昆虫や小動物から森の平和を守るハンターの任に就いている。身長は約10cm程度と思われるが、羽と触覚が生えている以外はほぼ人間と同じような身体つきである。その妖精少女たちが、森の昆虫たちと自ら交わったり、犯されたりするのだ。

 人間(ではないけど)とほかの哺乳類や異生物とのセックスというのは、漫画のうえではそれほど珍しいことでもない。動物が擬人化されていたりするとなおさらだ。しかし、昆虫というのはほかにあまり類を見ない。ゴキブリ、カマキリ、カミキリムシ、セミの幼虫といった虫たちが続々登場し、しかも擬人化がほとんどされていない。せいぜい言葉をしゃべるくらいである。昆虫図鑑や実物を見ながら緻密に描写されたのであろう昆虫たちと、人間型の少女がからむ姿はかなり異様である。そしてさらに異様なのが、昆虫たちの性器。要するにちんちんである。この部分だけはなぜか人間の男根とほぼ同形なのだ。そして、そのちんちんが虫たちの身体と同様、克明に描写されているのである。リアルな昆虫の身体、そしてリアルな人間ちんちん。このミスマッチぶりはなかなかに趣深い。

 実用面から見ても、これがまたけっこういやらしいのである。リアルなちんちんと、虫の本能に任せたセックス。それから妖精たちの柔らかそうで、感じやすい身体の描写も秀逸。行為の描写もかなりネットリとしているのだ。カミキリムシは歯でプフィルたちを脅し、ザリガニはハサミで足を開きながら第2胸足で愛撫を行うといった、それぞれの特徴を活かした細かい芸も光る。拷問用具としてハサミムシ、バイブの代わりにシャクトリムシを使うといった、虫嫌いの人は卒倒しそうなシーンもある。虫がしているのを見て興奮してしまうというのもちょっと屈辱的で、そこがまたこの作品を味わい深いものにしている。
 それから何気にギャグも面白い。第2巻収録の「かっぺえびさんの巻」では、田舎っぺのザリガニが方言丸出しで迫ってくるなど、ベタベタのダジャレが楽しい。

 虫好きならでは業の深さも魅力。マイマイカブリだのアオバアリガタハネカクシなど、通好み(なのかどうかは知らないが)の虫も出てくる。それから第3巻収録の「真夏の夜の夢の巻」では、人間の形に姿を変えた(大きさはそのまま)セミの幼虫を使って昆童虫がオナニーをするといったすごいシーンもある。昆童虫によれば基本はズバリ、スズメバチであるとのこと。スズメバチ様のお姿は「比類なく」「洗練されたフォルム」であり、「ナイスバディ」なんだそうだ。

「FAIRIE FETISH」  この作品はかつて同タイトルで単行本が発売されたが、1998年末から表紙を変えて再版された。内容は旧版と同様だ。1巻はかつて「インセクト・ハンター」というタイトルで出ていたものと一緒である。
 1巻だけは続き物で、残りは短篇集なのだが、基本的にどの巻から読み始めても内容が分からないということはないはず。1巻のお話はちょっと重く、出てくる虫の数も多くないので2巻、3巻から読み始めるのがオススメだ。なお、同様のプフィル、パミラのシリーズとして「FAIRIE FETISH」という短篇集も出ているが、こちらは新装されていないので左に示す旧版のままだ。俺としてはこの「FAIRIE FETISH」が実は一番オススメ。下らないギャグと仕掛けが楽しいのだ。

 なお、この「ボンデージフェアリーズ」のシリーズは、英語に翻訳され海外でも出版されたらしい。現物を見たことはないが、アメリカの人たちはこの異様な世界をどのように受け止めたのだろうか。ちょっと知りたいところではある。

■第1巻

「ボンデージフェアリーズ」第2巻 ■第2巻


「ボンデージフェアリーズ」第3巻 ■第3巻