オス単:2005年3月の日記より


 このページは、「OHPの日記から、その月に読んだ単行本の中でオススメのものをピックアップする」というコーナーです。文章の中身は、すべて日記からのコピー&ぺーストです。加筆・改稿等は原則として行っていません

 なお、ここで取り上げる単行本は「その月の日記で取り上げたもの」です。「その月に発売されたもの」ではありません。だから古い本でも入ってくることがあります。ピックアップした単行本は多少分類してますが、これはあくまでページを見やすくするための便宜上の分類です。かなり適当に割り振ってますのであんまり気にしないでください。あとシリーズものの途中の巻は、取り上げないことが多いです。


▼強くオススメ

【単行本】「シートン」1巻 谷口ジロー(原案:今泉吉晴) 双葉社 A5 [bk1][Amzn]

 「シートン動物記」の作者であるアーネスト・トンプソン・シートンの生涯を描いていくというシリーズなのだけど、とても良かった。まず題材がそもそも谷口ジローの作風にばっちりマッチしている。あの精密な自然描写が冴え渡り、シートンの生きた世界を身近に、ありありと感じさせてくれる。そしてストーリーもさすがに素晴らしい。この巻では「狼王ロボ」編をやっているのだが、「シートン動物記」のほうも名作だけど、それを実に見事に漫画化している。人間をあざ笑うかのごとき行動を繰り返すロボと、執拗に彼を追いかけていくシートンとの駆け引きは、グッと息を飲む緊張感に満ちている。そしてロボの連れ合いであるメス狼・ブランカの悲劇、ロボの悲嘆……と続いていく終盤は、胸がしめつけられるような想いだった。ロボは狼ではあるが彼の悲しみは突き刺さるようだし、そしてロボを捕らえてしまったことでシートンが抱いた後悔と哀惜入り混じる感情の描写も胸に迫る。谷口ジローはやっぱり凄い。これが第1章ではあるけれど、物語的には「狼王ロボ」編が頂点になるんじゃないかと思います。

【単行本】「皇国の守護者」1巻 作:佐藤大輔+画:伊藤悠 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 とても面白いです。佐藤大輔の小説(現在9巻まで刊行)を原作にした軍記モノ。架空戦記の日本的な国家「皇国」に、ロシアっぽい大国である「帝国」が攻め込んで来る。その国防の最前線に立たされた将校・新城直衛が、部下と軍用サーベルタイガー「剣牙虎」らを率いて、必死の戦いを続けるという第1巻。

 まずこの作品、絵がいい。伊藤悠のシャープな作画は、線がキリリとしていて見ててとてもカッコイイ。絵のレベルはかなりうまいと思う。とくに新城の無愛想で不敵で、なおかつ人間味も残した表情の描き方とかとてもいい。戦闘の模様も緊張感に満ちている。雪の降りしきる中で繰り広げられる圧倒的に不利な戦闘を、新城が冷静沈着にして大胆な用兵でなんとかくぐり抜けていくさまもチリチリする緊迫感があって読みごたえあり。絵柄はスタイリッシュながらも、ガツンとしたボリューム感もある軍記モノに仕上がっている。

 まあ付け加えていうならば、もちろん普通に面白い作品なんだけど、やおいな人とかにも萌える作品なのではないかと思うんですな。軍服姿の若者やオヤジをカッコ良く描いているし、美少年っぽさを抑えてシブみを出しているところがまた良くて。……というとやおいに抵抗のある方が引くかもしれないけど、別に美少年をべらべらはべらすとかじゃないのでご安心ください。今のところかなり面白く来ているのでオススメ。

【単行本】「Pocket」1巻 しおやてるこ 芳文社 A5 [bk1][Amzn]

 これはなかなかよかったです。まんがタイムきららで連載されている非4コマ系の作品で、ダイスケくんという明朗快活な小学生男子を中心としたほのぼのこども漫画。なのだけど、さすがに萌え系4コマ誌連載だけあってかなりトキめくんですよ。このダイスケくんという男子、ごく普通の少年なんだけどいかにも少年らしくてかわいいせいか、やけにモテる。クラスメイトのアキちゃん、二つ上の幼ななじみなケイコちゃん、それからおねえちゃんの友達のエミちんとも悪くなさげな雰囲気だし。ダイスケとその姉のお友達であるあこがれのおねえさん・ショーコちゃんもいて、みんなそれぞれかわいい。絵も露骨な美少女絵とかじゃなくって、いかにもこども漫画にありそうなほんわかした感じで、それがまた居心地の良い作品世界を作っていたりする。かわいくて微笑ましくて、ちょっぴりドキドキ。基本的にはほのぼのしてるので口当たりも良し。ええ感じであります。

【単行本】「昭和の男」2巻 入江喜和 講談社 B6 [bk1][Amzn]

 最終巻。先月下旬に買ってなかなか読めずにいたんだけど、もっと早く読んどきゃよかった。こりゃいいですわ。この作品は、昭和生まれの畳屋で偏屈だけど孫は溺愛している頑固ジジイ・箕浦茂雄の家に、ろくに定職にもつかないグータライケメンが転がりこんできて……という状況で繰り広げられるホームドラマ。

 で、この作品で何がいいって、ジジイのキャラ。昔気質で一度いいだしたら頑として引かない、不器用で短気で情にもろい。古き良き日本のオヤジって感じのカチンコチンぶりが見てて気持ちいいし、チャーミングにさえ映る。ジジイはグータラ男の軟弱ぶりに腹を立て、その根性をたたき直そうとしていくがのれんに腕押し。一向に悔い改めない男の行動に、ジジイは無力感を募らせていくんだけど、その様子にしんみり。他人事だといってクールに切り捨てることのできない、人の良さが心にしみる。あとセリフがいい。コンビニの前で座り込んでダベっている女子高生に対して投げかける言葉なんか熱くて、「こんなオヤジさんを悲しませちゃいけねえなあ」って気分になってくる。後半のほうはしみるシーンの連続でしみじみ泣けた。入江喜和ならではの枯れた絵柄も、地味ながら風情があってとても良い。「しっかり生きねえとなあ」という気分にさせてくれる本です。オススメ。

【単行本】「溺れるナイフ」1巻 ジョージ朝倉 講談社 新書判 [bk1][Amzn]

 面白かった。ファッション雑誌の読者モデルをやっているようなイケてる小学校6年生の娘さん・夏芽が、親の都合によっていきなりど田舎の町に引っ越すことに。そこで彼女は不思議な雰囲気をまとった少年・コウと運命的な出会いを果たし、彼に心奪われていく。いつもながらジョージ朝倉のぐいぐい読者を引き込んでいくストーリー運びは素晴らしく、見せ場のシーンの美しさ、線の力にうならされた。そして夏芽とコウ、二人の想いのまっすぐなこと。夏芽はこの巻の段階では自分の抱いている気持ちの名前を見出していないが、相手に向かう気持ちの強さはとても眩しい。なんていうかちまちましたことしないで、スバッズバッと読者に向かって切り込んで来てくれるので、読んでて気持ちイイ。オトメチックであり男らしくもある。カッチョいいですねえ。


▼一般

【単行本】「ゆれつづける」 松本次郎 太田出版 A5 集英社 B6 [bk1][Amzn]

 「ゆれつづける」「ひるがお」「不可侵魎域」「サンポーラとクレゾーラ」「猫祭り」「GIVE AND TAKE」「ハードボイルド坂田」の7作を収録。そういえば初短編集だった。バサバサした質感の作画と、現実なんだか幻なんだか分からないような感触の物語作りがかっこよい短編が詰め合わされている。描かれているものはときに狂的ではあるけど、作者の筆致は至ってクール。どれか一作というよりは、本全体の至る所から松本次郎らしさ、才気の鋭さを感じさせてくれる。

【単行本】「巨乳ドラゴン」 三家本礼 ぶんか社 A5 [bk1][Amzn]

 ヤングマガジンUppersの末期に連載され、単行本化の告知も出されたがすったもんだの末、出版社を変えて刊行されることになった。後書きによれば3話の首切りシーンが、どこだかの団体から文句つけられたのだとか。で、お話のほうはある日突然人々がゾンビ化するという事件が起こり、ゾンビ軍団とストリッパーの女性たちが戦いを繰り広げるというもの。ストリッパーたちは露出癖の持ち主だったら、SM女王だったりキャラがたいへん濃く、お話のほうも刺激的に進んでいく。ただラストのほうのタメはちょっと足りなめな感じがあるし、毒々しさも個人的にはもうちょっと欲しかったかなあという気はした。基本的なテイストはおどろおどろしいけど馬鹿馬鹿しくて好き。

【単行本】「バンビ〜ノ!」1巻 せきやてつじ 小学館 B6 [bk1][Amzn]

 福岡は中洲のイタリア料理店でブイブイ言わせていた才能もあるし鼻っ柱も強いイタリア料理人の伴省吾が、東京・六本木の人気トラットリアに修行に出され、そこで悪戦苦闘していく。せきやてつじといえばやたら力強いタッチから繰り出される、ハッタリのバリバリ利いた熱い物語が持ち味。この作品でも、まるで戦場のごとき繁盛店の厨房で省吾は手ひどく鼻っ柱をくじかれ、それに負けじとど根性で食らいついていく。その激しさ、熱さが本作の最大の特徴。作中、料理についてはあまり具体的に描かれる、「料理漫画」というよりは「料理人漫画」といった雰囲気。一本調子ではあるけれど、そこらへんを有無をいわせずハッタリでどこまでノシていけるか。まだ作品としては序の口って感じだけど、熱く激しく痛快な作品になっていくことを期待してます。

【単行本】「死んだ目をした少年」 古泉智浩 青林工藝舎 A5 [bk1][Amzn]

 面白いです。クラスの中でもちょっとイジメられ気味な位置にいるやる気のない男子中学生・犬田、そしてなんとなく彼と一緒にいることの多いデブの数宮らの平凡な日々を、つぶさに描いていく中学生マンガ。古泉智浩は童貞の生臭さを描くのが抜群にうまいが、この作品ではその臭いがぷんぷん漂っている。犬田と数宮はクラスのイキがったヤツらにイジメられていたが、公園にいたお姉さんにボクシングを教えてもらって、ちょっとだけ強くなる。でもだからといって勇ましい感じは全然しなくて、単純にイジメっ子のほうも実は情けなかったという感じしかしないあたりがいい。犬田たちが強くなっているようには全然見えないし。なんか出てくるキャラのやってることがみんなレベル低めでホッと安心できる。かといって別にネガティヴというわけでもなく、いやったらしさはない。淡々と生ぬるい日常を生ぬるく描き続けているのが、しみじみ良いなあと思うのです。

【単行本】「破戒」 作:松尾スズキ+画:山本直樹 小学館 A5 [bk1][Amzn]

 小さな町工場で社長をやっている青年が主人公。苦しい経営からときどき現実逃避しつつ、退屈な日常を送っていた彼の前にミステリアスな女が現れ、そこから平凡な日々の歯車が少しずつ狂っていく……といったところ。序盤はスローペースなので、雑誌掲載時はお話を追いにくかったが、単行本で読むとけっこう面白い。全体に地味な感じではあるけれど、何気にストーリー自体はまっすぐで、意外にも純愛の話だったのかな?という感じになってる。ものすごいインパクトがあるというタイプではないけど、きっちり読めた。あと山本直樹の絵柄は相変わらずしなやかで美しい。


▼エロ漫画

【単行本】「LOVE STORE」 井ノ本リカ子 晋遊舎 A5 [bk1][Amzn]

 井ノ本リカ子の白っぽい絵柄はすごく好き。「マシュマロのような」っていう言葉がこれほど似合う人もあんまりいないなーとか思う。ふわふわぷにぷにしてて、たいへん柔らかそう。今回の表題作「LOVE STORE」は、風俗嬢のおねいさんたちが主役にしたシリーズ。男の子たちを包み込むような優しげなおねいさんたちが、しっかりエロエロなことをしてくれるのがたまらん感じです。表情とかも色っぽかったりかわいかったりでたいへん良い。絵だけでもすでにかなりやられちゃっているので、たいていのお話は心地よく読めちゃうし、実用面でも十分。安定感もあっていつも楽しみ。

【単行本】「妹ゴコロ」 ゴージャス宝田 コアマガジン A5 [Amzn]

 最近のゴージャス宝田はストーリー面でも良い。この単行本は、コミックメガストアに掲載された連載作品をまとめたもの。お話のほうは、お兄ちゃんである航一郎と、彼のことをずっと慕っていた妹の千波、この二人が肉体関係を持ち、想いを通じ合わせて結ばれるまでの過程を、じっくり話数をかけて描いていく。これがもうたいへん甘ったるくてラブラブでええんですな。少女、妹と思いっ切り真剣に恋愛している。そのほかの要素はほとんどなく、ガチンコで熱愛。途中で二人の気持ちがすれ違うこともあったりはするが、最終的にはラブラブで収まる。密度の濃い甘ったるい展開をずーっとやってて、心とろけさせられる。妹ちゃんはしっかりかわいくて意地らしく、お兄ちゃんのほうも真剣にその気持ちを受け止めようと頑張る。まあお約束っちゃお約束ではあるんだけど、こういう甘ったるいのは好きなんだよこんちきしょうめ、となった。面白かったですよ。

【単行本】「ESP エッチな少女パンツ」 EB110SS メディアックス A5 [Amzn]

 ロリ漫画の雄、EB110SSの最新刊。いつもながら平ぺったい顔の幼女さんたちの楽しそうな表情がとてもかわいい。あとこの単行本収録の作品では、きちんと幼女さんと恋愛して、恋人同士になるところまで描いた作品が多いのに好感。少女売春している外国人の少女とその常連客のお兄さんの絆がだんだん強くなっていく、「子供料金」シリーズは読後感が良好。まあ外国人少女売春自体はあまり誉められたことではありませんが。

【単行本】「さくらんぼ」 くどうひさし 司書房 A5 [Amzn]

 ドルフィンで描いているくどうひさしの最新刊。相変わらずスッキリしてほのかな甘味もある良い絵です。普通の青春恋愛ものの後味の良いラブラブぶりがとくに良い。まあときどき鬼畜な話とかぶっ飛んだギャグものの話にも色気を見せていて、それもまた楽しいんだけど、甘酸っぱい青春恋愛ストーリーが一番実力がストレートに出せている感じがします。現在は読切がベースだけどそのうち続きモノも読みたいっすね。

【単行本】「愛犬擁護週間」 ほりほねさいぞう 東京三世社 A5 [Amzn]

 犬がメインだが、ニワトリやヒツジ、兎、豚などもあり。というとすわ獣姦か!と思われるかもしれないが、まあ獣姦ではあるんだけど、動物たちはみな人間の女の子型なので身構える必要はない。ほりほねさいぞうはキュートな絵柄で、グロなどのキツいことをやるのを一つの特徴としている作家ではあるが、この単行本についてはそういう描写はあんまりない。動物少女たちはあどけないルックスをしていてなかなかかわいい。ただだからといって単純なロリ漫画になるかというとそうでもなく、動物少女たちとのセックスに耽溺する生活を観察日記的につづっていくスタンスが独特で、やはりヒネリの利いた作品群となっている。形状がもっと特殊なほうが自分好みではあるけれど、これはこれでかわいいしいつもより刺激は弱めなので、ほりほねさいぞう入門編的に読むのもいいんじゃないでしょうか。

【単行本】「繭」 天竺浪人 三和出版 A5 [Amzn]

 「アナナメ」全5話と、「繭」「蜘蛛」「こびと」のアイラDXに掲載された作品を収録した単行本。この本のメインとなっているのはやはり「アナナメ」。顔はともすれば忘れてしまうほどに地味だが、尻が不釣り合いにデカく、尻好きの男たちをひきつけてやまぬ女性が主人公。そんな彼女は極度に尻好きの恋人がいたが、彼の陶酔ぶりを見て自分が境界線を越えてしまいそうなことに恐怖した彼女は、別の男との結婚を決意。しかしそれによって絶望した元彼の魂とおぼしきものが、妖怪の形をとって彼女の家に出没するようになる……という展開。その後彼女は、夫の淡白さも鉄だって、自身「アナナメ」と名付けた妖怪との性行為に溺れさらには見知らぬ男たちとアナルセックスする痴女的行為を繰り返すようになる。尻にこだわった、フェティッシュで淫猥なお話だが、アナナメの外見もあってちょっとユーモラスなところもあり。オチもちょっと笑ってしまった。途中のアナルセックスシーンの淫靡さはさすがで、しっかりエロチックになっているし、尻の存在感を際立たせる主人公のキャラ作りも良好。

 そのほかでは「こびと」の主人公の女の子がモー娘。の辻みたいなルックスでちょっと面白い。この単行本はノーマルなセックスでも尻がかなり目立つしフェティッシュな内容となっているので、大きめな尻にロマンを感じる人には満足が行くのではないかと。

【単行本】「聖少女」 おがわ甘藍 松文館 A5 [bk1][Amzn]

 きゃしゃでスラリと細い手足と胴体がエロ心を刺激する、少女系エロスですっかりおなじみとなったおがわ甘藍の最新刊。出始めのころはちょっと男キャラの顔がバタくさいクレイジーな雰囲気があったが、それも含めて絵柄的には全体に丸くなりつつあり。お話のほうも鬼畜っぽいのはちょっと減り気味かな。コメディっぽい作品も多くなったし。ただ細っこい少女の体がくねくねと艶めかしい、独特のエロチシズムは健在。我を忘れたような喘ぎ顔もいいけれども、ギュッとシーツを握り締めたり、手を口に当てたりといった、手や体の表情づけも良い。いかにも可憐な少女が可憐にあえいでいるという感じが出てて、甘やかな風情をしっかり描き出している。巨乳派な私ですが、おがわ甘藍の描く少女にはけっこうグッときます。

【単行本】「シャイニング娘。」4巻 師走の翁 ヒット出版社 A5 [Amzn]

 おなじみコミック阿ウンで連載中の、女の子大量アイドルユニット凌辱絵巻の4冊め。この巻は前の続き。不死本ミキの強大な魔術によって操られた超アイドルの×浦あや、そしてシャイニング娘。のメンバーたちがファンと行く沖縄ツアーの道中で、ファンの男の子たちによって公開凌辱されまくりますよ〜という展開。師走の翁のサービス精神の旺盛さには毎度感心させられるけど、それはこの巻も同様。シャイ娘。のメンバーたちを、現実の人たちをモデルにしつつかわいく個性的に描き、楽しい雰囲気でお話を展開。しかもエロ密度も素晴らしい。ほとんど全編にわたって、あっちゃでもこっちゃでもシャイ娘。のメンバーたちがねっちょりがっつりヤラれまくっててたいへんエロいです。

 あとファンと行く沖縄ツアーも面白い。娘。たちによる撮影会やらクイズゲームやら、早ヌキゲームやら、運動会的なイベントをエロに結びつけて、みんなでやりまくりやられまくり。元ネタとかについてはよく知らない部分が多いのだけど、「あー、ここらへん勘どころなんだろうな」っていうのが分かるように、嫌味にならない調子で描いてるのでなんとなく面白さは伝わってくる。ヌカせもするし、ファンを面白がらせもするし、作者自身も面白がってる。エンターテイナーだなあ。なお現在出ている初回限定版の単行本には、1冊につきトレカが4枚ほど付いてます。

【単行本】「下町マドンナ食堂」1巻 中田ゆみ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 未亡人のおかみさんとその娘さんが切り盛りする下町の食堂を舞台とした、ちょっとエッチなほのぼのコメディ。そのおうちに以前は借金取りをやっていた青年が居候することになったりするんだけど、そういったあたりはまあわりとどうでも良くて、とにかくおかみさんがいい。おっとりした天然系な和み系おくさんで、たいへん乳がデカい。そのうえなんかガードがゆるい。お祭りのときに浴衣着てたら胸の谷間に金魚が滑り込んで、とろうとしたら乳がぼろんと飛び出しちゃった〜とか、そういう他愛ないサービスシーンがてんこ盛り。いちおうエロ系ではあると思うけど、本番シーンとかはなく、あくまでポロリレベル。でもそれが無性に安心すると申しますか。たいへん良い感じに、包容力のあるほんわかした熟女さんを描けていると思います。

【単行本】「桜通りの女神」1巻 ながしま超助 双葉社 B6 [bk1][Amzn]

 いやー、ながしま超助最高。本当に下らない。生まれ育った商店街がつぶれそうになったと聞き、世界的なスーパーモデルをやっていた八百屋の娘ユリアが、故郷に戻って商店街のために身も心も捧げちゃうわ〜んというお話。その商店街というのが、昔はあっちゃでもこっちゃでも真っ昼間っからええ大人たちが絡み合っているような、ユリアいわく「愛があふれたラブタウン」だったそうで、彼女はそれに憧れていたので商店街に愛を取り戻すべく頑張ってしまう。そんなわけだからエロエロサービスとかもやり放題。

 もう2話めからユリアは自分から極小ビキニ姿になって八百屋で野菜を売り、お客さんに体も触らせまくり。とても頭が軽い。3話めでは、商店街の飲食組合のイベントである女体盛り祭に協力。最初は寿司屋、次にそば屋、そして最後はトンカツ屋と女体盛りをはしごする。揚げたてのトンカツとライスによる女体盛りとか、あんまりな構図に思わず爆笑。こんな適当なセクハラバリバリなことばっか描いているのに、ながしま超助の作風は不思議なくらいカラッと明るくて嫌味がない。出てくるキャラが揃いも揃って頭が悪いのも清々しいほど。読んでてとても楽しいです。

【単行本】「下町マドンナ食堂」1巻 中田ゆみ 少年画報社 B6 [bk1][Amzn]

 未亡人のおかみさんとその娘さんが切り盛りする下町の食堂を舞台とした、ちょっとエッチなほのぼのコメディ。そのおうちに以前は借金取りをやっていた青年が居候することになったりするんだけど、そういったあたりはまあわりとどうでも良くて、とにかくおかみさんがいい。おっとりした天然系な和み系おくさんで、たいへん乳がデカい。そのうえなんかガードがゆるい。お祭りのときに浴衣着てたら胸の谷間に金魚が滑り込んで、とろうとしたら乳がぼろんと飛び出しちゃった〜とか、そういう他愛ないサービスシーンがてんこ盛り。いちおうエロ系ではあると思うけど、本番シーンとかはなく、あくまでポロリレベル。でもそれが無性に安心すると申しますか。たいへん良い感じに、包容力のあるほんわかした熟女さんを描けていると思います。

【単行本】「ひろみちゃん奮戦記 高校時代」 MEE フロム出版 B6 [bk1][Amzn]

 何もかもなつかしい……。この作品はキャンディータイムでかつて連載された、新聞屋さんに住み込みしている奨学生の少女・ひろみちゃんを主人公とする青春ラブコメ。えーと正確な時期は分からないんだけど、連載時期は1990年代前半あたり。連載開始当時は、美少女漫画というジャンル自体がまだ現在のような形で成熟しておらず、エロ度は今に比べるとだいぶ低く、絵のレベルもそんなに高くなかった。そんな中で始まったこの作品は、エッチシーンは非常に少なく(1巻の段階ではヒロインのひろみちゃんはセックスさえしない)、当時としては異彩を放つくらいのかわいさで、当時の読者のハートをバクッとわしづかみにした。自分も美少女漫画を読み始めてまだ日が浅かったころだけど、この作品にはかなりやられた。当時はまだそんな言葉はなかったけど、激しく「萌え」だったのだ。

 また、そのころの美少女漫画はファンタジーっぽいものが多かったんだけど、この作品は日常感覚が強かったのも特徴。ひろみちゃんはそもそろ新聞屋さんで住み込みしながら学校に通っているだけあって、経済的には裕福じゃない。後にひろみちゃんの恋人となる山崎さんも、安アパートに住む浪人生。そういう身近な世界を舞台にしていたことも当時としては新鮮で、「こんなコが近くにいたら」なんていう憧れを駆り立ててくれたもんです。そのころの刷り込みがあるせいかもしれないけど、今見てもひろみちゃんはとてもかわいい。キュンと甘酸っぱいものがこみ上げてくる。ちょっと恥ずかしいけど、初恋の人に再会したみたいな感覚がある。自分にとっては青春の書でございます。……とかいいつつ、連載中盤以降はダレ気味だったような印象があったし、キャンディータイムは自分的にはあんまり実用に供するタイプの雑誌ではなかったので、たしか最終巻までは買わなかったと思う。なお最初の単行本は富士美出版から全4巻で出て、その後B6の愛蔵版も発行。というわけで今回のが3度めの単行本化。この巻には1〜10話が収録。続きも出るんかな?


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