オス単:2005年9月の日記より


 このページは、「OHPの日記から、その月に読んだ単行本の中でオススメのものをピックアップする」というコーナーです。文章の中身は、すべて日記からのコピー&ぺーストです。加筆・改稿等は原則として行っていません

 なお、ここで取り上げる単行本は「その月の日記で取り上げたもの」です。「その月に発売されたもの」ではありません。だから古い本でも入ってくることがあります。ピックアップした単行本は多少分類してますが、これはあくまでページを見やすくするための便宜上の分類です。かなり適当に割り振ってますのであんまり気にしないでください。あとシリーズものの途中の巻は、取り上げないことが多いです。


▼強くオススメ

【単行本】「ぱりあんの園」 イマイヒヅル ワニブックス A5 [bk1][Amzn]

 とても楽しい百合漫画。超お嬢さま学校、聖巴里杏女子高等学院、通称ぱりあん女学院に通う一年生、芍薬ぼたんは、元バレリーナで現在は柔道部所属。彼女は現在、ボーイッシュで毅然としたルックスで人気のセンパイ、柔道部部長・槐鉄扇センパイに夢中。センパイを見かけるや否やスイッチが入り、ダッシュで駆け出し抱きつくわ胸を押しつけるわ寝技でからみつくわで、もうベタベタに甘えまくり。センパイはそんなぼたんに手を焼くが、柔道ムチャ強(全国7位)のぼたんに期待するところ大きく、彼女にやる気を出させるために中庭デートしたりキスしてみたりと、こちらもまたなんだかぺースに巻き込まれちゃっている。そんな二人+周辺の人々の生活を描いたドタバタ百合コメディ。

 で、まずはなんといってもイマイヒヅルの絵がいいです。描線のキレ味が良くて、たいへん美しいうえにかわいく愛くるしい。あとサービスシーンもたっぷり。ぼたんは身体はちっちゃいけどたいへんな巨乳で、それが走ったり柔道したり先輩に迫ったりするたびに、たゆんたゆんと盛大に揺れる。見ていてなんとも福々しい気持ちになってくる。あとセンパイがぼたんのアタックに対して顔を赤らめている様子なんかもいい感じだし、ぼたんに一目惚れしちゃったシスター女教師とか、ぼたんの妹とか、周囲のキャラもきれいなおなごばかりでとても華やか。甘くてかわいくて、そんでもって明るくちょっとバカっぽくもある、たいへん楽しい作品です。にゅーあきば.こむの連載でも図版入りで紹介させていただいたんで、どんな感じの絵かはそちらで確認していただくのもよろしいかと思います。

【単行本】「艶恋師」1巻 作:倉科遼+画:みね武 実業之日本社 B6 [bk1][Amzn]

 ついに出ました。一部で話題もちきり、週刊漫画サンデー(少年じゃないほうね)でやってる究極の竿師漫画。主人公の菊之介は、神楽坂の町で芸事の師匠をやりつつ、性戯で女を救う「竿師」を裏稼業を営んでいる男。その彼が心に病を抱えた女たちを抱いて救っていくというお話なのだが、これがなんかすごく妙なノリで面白いのだ。

 まず菊之介は、純白の着流しを着用、髪を後ろで結んだ時代劇にでも出てきそうなナリ。言葉遣いも「いずれにしても私はあなたと愛を交わしたいのだが如何かな?」などと、やけに時代がかった持って回った口調で会話する。そんなステキングなあんちゃんが、ヤクザにからまれたらアチョーと飛び蹴りなんぞを喰らわせたりして大活躍した挙げ句、女たちとフトンイン。そしていちいち「日本四十八手名”せきれい本手”参る!!」などと必殺技よろしく掛け声をかけたりしながら、四十八手を繰り出し、女たちを絶頂に導いていく。

 この一連の過程での掛け合いが、妙に古風というか脂ぎっているというか、とにかくおかしなノリで展開され、セックスシーンもなんか不思議なオーラにあふれている。とくに菊之介の最も得意とする手「きぬた」が炸裂するシーンはすごい。きぬたというのはこんな感じ(リンク先:エロ画像を含む)なんだけど、体位としてアクロバチックなのはもちろん、絵ヅラ的にも神々しさというかなんというか、たいへん奇妙なオーラを発してて圧倒される。あと一見ハードボイルド調に見える菊之介が浮かべるトホホ顔とかもC調な感じで、類まれなる脱力感あり。年輪を重ねた作家さんにしか描けない、熟し切った味わいのある作品。ヘンな漫画好きの人はぜひ。


▼一般

【単行本】「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」1巻 作:FC01・FANDC.CO.JP+画:児玉樹 角川書店 B6 [bk1][Amzn]

 なかなかよくできたラブコメ漫画。原作はゲームだけど、ゲームを未プレイでも楽しめる。お話のほうは、とある学校で美術教師をやってる上倉浩樹という青年が主人公。その家に、妹分的存在で、浩樹のことを絵の師匠、そして大好きなお兄ちゃんとして慕う女の子・鳳仙エリスが転がり込んでくる。彼女は浩樹の勤める学校に、美術の特待生として入学してきたのだった……といった感じでお話はスタート。さらに浩樹の同級生で、同じ学校の女性体育教師である桔梗霧、そのほかの女生徒も含めてほのぼのとした学園ラブコメが展開されていく。

 まあハーレムラブコメではあるんだけど、楽しく暖かくお話を展開していて好感が持てる。児玉樹のクセのないかわいらしい絵柄も見ていて気持ちがいい。それからただラブラブというだけでなく、かつて大好きだった絵の道に絶望してしまった浩樹が、エリスらのおかげで再び自分を見つめ直していくという、成長物語になっているのも良いところ。物語上のいいアクセントになっていると思います。まあ結果的にはエリスとくっつくことになるんだろうけど、個人的にはいい人感あふれる桔梗霧先生あたりをひいきにしたいところです。


▼エロ漫画

【単行本】「大人になる呪文」3巻 パニックアタック FOX出版 B6 [とら]

 例の妹漫画の最新刊がフィギュア付きで登場。各所で報じられているとおり、今回のはむしろフィギュアのほうがメインという趣が強く、本のほうは約50ページと薄い。にゅーあきば.こむの記事でも書いたけど、一般書店売りはなく、特定書店のみでの販売となる。FOX出版に問い合わせてみたところ、3巻についてはISBNコードを取っておらず、同人誌と同等の扱いなんだそうな。そんなわけで確実に手に入れたい人はとらのあななどの店舗に行くか、通販とかを利用するのが良いでしょう。

 で、本のほうの内容はいつものとおり。ロリロリな妹・未由たんが大好きな兄が、やたらと甘えてくる未由たんを甘やかしていたずらしてかわいがりまくるという、ドタバタギャグ。今回はページ数自体は少ないけど、未由たんは明るくろりぷにでたいへんかわいいし、お兄ちゃんも相変わらずバカだし、とても楽しいです。もう少し頻繁に描いてくれればなあ……。

【単行本】「CAGE」 すえひろがり コアマガジン A5 [Amzn]

 メガプラス誌上での長期連載がようやく単行本化。ボリューム的にいうと全2巻きくらいになるのかな? お話のほうは、とある学園に赴任してきた姉妹の女教師が、生徒たちの手によってみっちり調教されるというストーリー。いかにもすえひろがりらしいのは、その調教がハードにぶち込んだりしていてこますというわけではなく、あくまで露出がメインである点。ほかの生徒たちに凌辱されていると騙る女生徒を使って、校門の前で裸の写真を撮らせてみたり、野外オナニーをさせてみたり。焦って輪姦とかするわけではなく、遠回しにじりじり追い込んでいくもどかしさがたまらない。真綿でしめるように、露出の程度をだんだんあげていく、そのねっちりとした描き方がとてもエロっちい。セックスシーン自体はあんまり多くないにも関わらず、たいへん淫靡な世界を作り上げている。「他人の目」を常に意識させたうえでお話を進めていく手際も熟練の味。あまりほかにないタイプの、あっさりしているけどエロチックな絵柄も相変わらずいい。やっぱりこの人の作品は好きだなあ。

【単行本】「淫笑う看護婦」 米倉けんご コアマガジン A5 [Amzn]

 コアマガジンからは久しぶりの単行本。初回分は化粧箱入りで、「ピンクスナイパー」の同人誌で発表された2作を収録した小冊子が付属する限定版。単行本本体のほうは表題作「淫笑う看護婦」前後編を含む、読切エロ漫画を収録。一時期はペンネームも変え、ストーリー漫画を目指した米倉けんごだったが、普通のエロ漫画のほうがイキイキとした印象を受ける。出てくる女の子たちはむっちり肉感的で、絵柄にも独自のキレと華がある。ハードなエロシーンはテンションも密度も高くて、しっかりヌケる出来映え。やっぱりうまい人だなあと改めて思います。

【単行本】「Y式解体新書」 氏賀Y太 三和出版 A5 [Amzn]

 イエーイ、今回も内臓とか引きずりだしてぐっちょんずっちょんだぜ〜って感じの氏賀Y太の短編集。そういう内容なのでグロいの嫌いな人にはオススメしませんが、読んでみるとギャグっぽい話も多くて、けっこう楽しめる。

 個人的に面白いなあと思ったのは「カラシおじさん」。これは内臓引きずり出したり人体切り刻んだりするのではなく、カラシ大好きのホットドッグ屋のおじさんが、女子高生をからし攻めにするという内容。いきなりカラシでぐちょぐちょになったホットドッグを女子高生の顔に押しつけ、その後はカラシ風呂の中に彼女を沈めたり、カラシまみれセックスをしたりと、カラシづくしな内容。肌を切り裂く痛みとかじゃなくて、ヒリヒリ火傷するような痛みが伝わってくる怪作。カラシおじさんの外見も変態チックで笑える。あと「無職さん」もいいです。何が起きてもダラダラ受け入れてしまう、ダメ人間おねえさんの姿が見てて楽しい。この人の場合、残虐ってだけでなく、なんか独特のギャグセンス、物語構成力がありますね。別に自分はグロ好きってわけではないんだけど、この人の作品が楽しめるのは、ただ殺伐としてる「だけ」ではないところが大きいんでしょう。

【単行本】「霧の中の少女」 ほしのふうた 東京三世社 A5 [Amzn]

 たいへんかわいいロリ&ショタを描くほしのふうたの最新刊。この巻もほしのふうたの絵柄はとてもいい雰囲気で、少女たちが元気に跳ね回る姿に心が暖まる。とくに活発な女の子とその友達男子二人が、誰も人のいない入江の海で戯れる「ヒミツの入り江」は、水に濡れたパンツとか愛くるしくて良かった。周りの人のエロ妄想を受信してしまう少女の話、「こよりちゃんと妄想チャンネル」もかわいらしい。ただ単行本全体としては、現在コミックミニモンで連載中の「霧の童話」を4話までという、中途半端な状態で収録しちゃうという作りになっていてこれはとても残念。ほしのふうたの単行本を早く出したいと思ったのかもしれないけど、せっかくの続き物なんだから「霧の童話」は1冊で全部まとめて出してほしかった。


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