掘骨砕三(ほりほねさいぞう)
▼単行本リスト
「ニクノアナ」
「あたしたちのこと」
「閉暗所同好会」
「下水街」
「あしたもおいでよ」
「おにくやさん」
「HARMFUL」
「ニクノアナ」 一水社 A5 [Amzn]
■著者名:ほりほねさいぞう
■シリーズ:いずみコミックス70
■ISBN4-87076-570-5
■初版:2004/07/24
ほりほねさいぞうらしいグロでありながらもキュートなお話がつまった短編集。例えば「虫の味」なんかは、身体の中で寄生虫を育ててそれを食べるのを趣味としている人たちが出てくる。これだけで普通はうえーってな感じなんだけど、ほりほね作品の場合はこれはわりと生やさしいほう。現実にあり得る話だけに、ああなるほどくらいに思っちゃう。「左手右手」なんかだと、ちんこや胸の形を自由に変えられる子供が出てきて、ちんこを何メートルもの長さにしたり、父を巨大にしたり。巨大といっても尋常な巨大さじゃなくて、普通の人間の身体で、ちんこだけが牛くらいの大きさになってたり、もうたいへん。複チンものも普通にある。
まあこの作品集自体は、スタンダードなロリ凌辱ものとかも含まれているので、ほりほね作品にしてはまだゆるめなほうかなと思うけれども。それにしてもこのパッと見ものすごくかわいらしい絵柄と、ほかの誰も描かないような奇想の連続はいつもながら凄いなあと感心させられる。しかもグロっぽい描写をなんかこの人はすごく楽しそうに描く。奇怪なちんこの形状も、見ようによってはなんかすごく可愛らしい。やっぱ作者自身が楽しんでるってのが、ぶっとんでいながらも愛ある描写につながっているのだと思う。なお、この本にはほりほねさいぞう+堀骨砕三+小瀬秋葉+鉈川紘の全作品目録も収録。資料的価値も高いので、ファンの人はぜひ入手するべし。
▼収録作品
「おんなのこくらぶ」「左手右手」「棒手振り」「オヨメさんになる方法」「七月三十一日」「「食べ物を作る事」「茸」「虫の味」「仔犬のしっぽ」
「あたしたちのこと」 東京三世社 A5 [Amzn]
■著者名:ほりほねさいぞう
■シリーズ:LE COMICS
■ISBN4-8126-0752-3
■初版:2003/04/30
「あしたもおいでよ」に収録された「TV OZシリーズ」と同一の世界で展開される「OZシリーズII」を中心とした単行本。「オズの魔法使い」を演じる劇団に集う少女たちの、どんどんエスカレートしていく性戯を描いていく。まあスカトロくらいは多少あるものの、ほりほねさいぞうにしたらわりと軽いほう。ちっちゃい女の子がみんな可愛くて、滑らかな感触のキュートな絵柄が威力を発揮している。みんな無邪気にエッチを楽しんでるって感じが良いですな。
そのほかでは「おっきいね」「きょうはたのしい」「フロルとタダ」の短編3本が同時収録。この3本の中では「おっきいね」がいいと思う。身体が巨大になってしまう病気になってしまった少女と、彼女の世話を焼くお兄ちゃんのラブラブストーリー。といっても状況はかなり異常であったりするわけだけど。この人の作品は度肝を抜くようなことをしばしばやるけど、それでも核となる部分には愛が色濃く存在するのがいいです。
(2003/03/22)
▼収録作品……( )内初出
<OZシリーズII>
「OZMA」(リトルピアス32)
「Tiktok」(リトルピアス33)
「HUNGRY TIGER」(リトルピアス34)
「GAYELLET」(リトルピアス35)
「Dorthy and Ozma」(リトルピアス36)
「Ozma and Dorthy」(リトルピアス37)
「Betsy Bobbin」(コミックリトルピアス 2003年1月号)
<その他短編>
「おっきいね」(アイラ VOL.2)
「きょうはたのしい」(リトルピアス38)
「フロルとタダ」(コミックミニモン 2002年6月号)
「閉暗所愛好会」 三和出版 A5 [Amzn]
■著者名:掘骨砕三
■出版社:三和出版
■シリーズ:SANWA COMICS
■ISBN4-88356-169-0
■初版:2003/04/20
いやーこれはスゴイ。まず表紙からしてキている。一見、地面の穴ぼこに女の人が落ちている……というだけなんだけど、内容を知っている人から見るとうわっとくるインパクトばりばり。人物の可愛さに騙されると大変なことになる作品である。ストーリーのほうは、暗くて狭いところが大好きな人が集まる秘密クラブみたいなところに勤める従業員の青年が、会員の皆様のお世話をするというもの。例えば部屋いっぱいを土で満たして巣穴みたいなものを作っている人、天井から吊るした袋の中に住まう人……と会員はヘンな人揃い。彼女たちはなぜかプロフィールを見ると、外見に比べると異常に年齢を重ねているのだが、そこには秘密がある。まあ主人公の青年はそこらへんはあまり詮索しないで勤めているわけだが、だんだん会員たちの影響を受けて自分自身も変わっていく。思いもよらない方向へと……。
で、まあ読み始める前にこれだけは覚悟しておいてほしいんだけど、正直なところこの作品ではうんこがもりもり出てくる。絵柄はすごくかわいいのに、ここらへんはまったく容赦なしだ。もともと舞台は特殊、やっていることも異常、そしてそこからお話はさらにビックリするような展開を見せていく。なんかもう当たり前のごとくサラッと人体改造系のネタも出てくるし、驚愕のうんこプレイもあり。読んでいる間中、ビリビリしびれっぱなしで本当に楽しかった! 別に自分はスカトロ好きじゃないけど、これだけやってくれると刺激的すぎてワクワクしてくる。最終回のネタも良かったな。特殊であるけれどすごく幸せそうだ。これは愛です、愛。そしてファンタジー。素晴らしい。
(2003/03/09)
▼収録作品……[ ]内初出
第一話 「もぐら」 [アイラ vol.11] ※「もぐら」は「鼠」がまえに「晏」という字+「鼠」
第二話 「海狸(ビーバー)」 [アイラ vol.15]
第三話 「徳利蜂(とっくりばち)」 [アイラ vol.17]
第四話 「牡蠣(かき)」 [アイラ vol.21]
第五話 「蝸牛(かたつむり)」 [アイラデラックス vol.2]
第六話 「蓑虫(みのむし)」 [アイラデラックス vol.4]
第七話 「大袋鼠(カンガルー)」前編 [アイラデラックス vol.5]
第八話 「大袋鼠(カンガルー)」後編 [アイラデラックス vol.6]
「下水街」 三和出版 A5 [Amzn]
■著者名:掘骨砕三
■出版社:三和出版
■シリーズ:SANWA COMICS
■ISBN4-88356-123-2
■初版:2002/6/30
掘骨砕三のちょいと昔めの作品を集めた単行本。このころの作品は今のようにスタイリッシュな絵ではなく、むしろよくあるタイプの美少女漫画絵という感じ。よくここからあんだけ洗練されたもんだなーと驚かされる。お話作りの面白さは変わっていない。下水の街に住む人々の物語を描いているのだが、芋虫少女と機械娘の愛情あふれる生活だとか、吸われるたびに乳が巨大になっていく娘の話だとか、グロテスク極まりないけれどもキュートという、ギリギリのラインを突っ走っている。複乳もあれば複男根もありその内容はびっくりどっきり。最近ではグロ+キュートが、どちらも極限まで磨きがかかってきている感があるのだけど、アイラの休刊が決まった今、この人が本当に描きたいような作品を載っけられる雑誌ってどこがあるかなーと心配になってしまう。この稀有な才能を生かし続けるためにも、三和出版はフラミンゴ→アイラ路線を継続してほしいものだが。
ところで今回の単行本のあとがきにより、「掘骨砕三=小瀬秋葉=鉈川紘」が公式な確定情報に。鉈川紘は単行本あとがきでインタビューの聞き役を担当している沢村三菱との合体ペンネームっぽい。
(2002/05/19)
■収録作品
第一譚「乳」
第二譚「濁淦」
第三譚「蠢簡」
第四譚「蛞蝓使いと蝙蝠」
第五譚「毒螺子、毒蟲」
第六譚「三流悪魔」
第七譚「芸術家」
第八譚「蝸牛の殻」
第九譚「酒」
第十譚「疣」
「あしたもおいでよ」 東京三世社 A5 [Amzn]
■著者名:ほりほねさいぞう
■シリーズ:LE COMICS No.30
■ISBN4-8126-0669-1 C9979
■初版:2001/11/30
「おにくやさん」に続く、ほりほねさいぞう(掘骨砕三)2冊めの単行本。そういえばこれロリ系の本なんだよな、と読んでいる途中で思った。そうであることを忘れさせてくれるほどに、掲載作品はほかの部分で刺激が強いのだ。例えば巻頭カラーの「きょうはおとまり」からして教室で女の子二人が乳くりあって戯れているところから始まるのだが、お互いの体にうんちをぬりたくり、その上から服を着て、そのままおにいちゃんたちの待つ部屋まで下校……という感じ。とそれだけ聞くとおそらく多くの人が「うえ〜っ」と思うだろう。まあ実際に刺激はたいへん強い。ただ、この人の場合、絵がとてもスタイリッシュでキュート。それでいながらタガの外しっぷりがハンパでない。かわいい絵とやってることの異常さの落差はすごいといえばすごいのだが、それが似つかわしくないかというと別にそんなこともない。相反するような要素をしっかり溶け合わさせるだけの実力がある。すごい人だと思います。
(2001/10/27)
■収録作品…… ( )内初出
「きょうはおとまり」(自虐少女10)
「ロールペーパーが見てる」(リトルピアス25)
「押し入れ」(リトルピアス27)
「よるの公園」(リトルピアス23)
「MILK AGE」(爆乳牛娘)
<TV OZシリーズ> (リトルピアス28〜31)
「The cowardly LION 〜臆病ライオン〜」
「Dorothy versus the wicked witch of the west 〜ドロシー西の悪い魔女と対決する〜」
「The Tinwoodman have become the King in WINKIE 〜ブリキの木樵 ウインキーの王になる〜」
「Glinda the Good witch Grants Dorothy's wish 〜よい魔女ドロシーの願いをかなえる〜」
「おにくやさん」 三和出版 A5 [Amzn]
■著者名:掘骨砕三 (ほりほね・さいぞう)
■出版社:三和出版
■シリーズ:SANWA COMICS
■ISBN4-88356-091-0 C9979
■初版:2001/9/15
待望の掘骨砕三初単行本。この人の作品を初めて読んだときはびっくりした。とてもキュートで可愛らしい絵柄なのに、身体がかゆくなってくるような生々しい、そしてボルテージの高い作風が強い衝撃を受けたし、度胆を抜かれた。
例えばこの単行本収録作品では「むしさん」がその筆頭だろうか。顔はかわいい少女だけど、ぐねぐねグロテスクな身体を持つ虫に捕らえられた少女が、その巣穴でいろいろとされる……というお話なんだけど、その描写が実にクる。この美少女ライクな虫も十分強烈な存在なのだが、黄金虫だかカブトムシだかの幼虫みたいな虫がうぞうぞ大量に這い出てきて捕らわれの少女の陰部に潜り込んでいくシーンは、生理的にはウッと来るんだけど、それだけに人智を超えた快感もありそうで恐ろしい。アリの巣穴を掘り起こして大量の卵を見つけちゃったときみたいな、興味深いような気持ち悪いような不思議な感覚に近い。
このほかにもグロくてぼこぼこしたものが大量に出てくる圧巻モノの作品はいくつかある。ここまでやるか的なすごいことをやってたりするんだけど、それでいながらこの人の作品は不思議とポップさを失わない。可愛らしい見た目に心地よい絵柄がそれを支えている。フツーに取り澄ました一枚絵を描けばキュートでオシャレな感じでさえあるのに、グロなことを、グロ専門な人以上に個性的なやり方、高いボルテージで繰り出してくる。振れ幅の大きさは尋常でない。さらにときどきラブコメっぽさも両立させちゃうところがまたすごい。とても個性的でびっくりさせてくれる作家さん。今後どんな手を見せてくれるか、ワクワクしつつ楽しみに待ちたい。
(余談)
とまあ偉そうに書いてきたが、どうも自分はこの人の存在に気づくのがずいぶん遅かったみたいで、初見は2000年に発行されたフラミンゴ漫画大賞作品集vol.4掲載の「むしさん」。それまでにもいろいろと描いていたようで、けっこう見落としはあるみたい。この人にはいくつか別名義があるんではないかといわれているのだが、その点について、および他の作品についてはカキモトさん製作の「掘骨砕三 IMAGEWARE HOUSE」に詳しいのでそちらも参照のこと。
■収録作品……( )内は初出
「願い石」 (コミックアイラ Vol.05/三和出版 2001/03/20)
「ちんこむし」 (コミックアイラ Vol.07/三和出版 2001/05/20)
「しとふくべ」 (コミックアイラ Vol.09/三和出版 2001/07/20)
「ユッケちゃんの種付け日」 (爆乳牛娘/桜桃書房 1997/01/10)
「伊號実験」 (秘密の地下室6/桜桃書房 1998/05/10)
「名も知らぬ二人」 (未出)
「ぎんだま」 (リトルピアス vol.26/東京三世社 2000/10/31)
「おとなりさん」 (コミックアイラ Vol.03/三和出版 2001/01/20)
「むしさん」 (フラミンゴ漫画大賞作品集 vol.4/三和出版 2000/05/30)
「HARMFUL」 [Amzn]
■著者名:小瀬秋葉 (おぜ・あきば)
■出版社:光彩書房
■シリーズ:光彩コミックス31
■ISBN4-87775-031-2 C9979
■初版:2000/4/15
■判型:A5
掘骨砕三(ほりほねさいぞう)、鉈川紘と同一人物である小瀬秋葉の単行本。初版は昨年の4月15日なんだけど、神保町の高岡書店に行ったら新刊で置いてあったのでゲットしておく。内容的にはボーイズラブ系。消しがなくちんちんももりもりと出てきてなかなかエッチ。古めの作品はわりと線が固いかな、って感じもするけれども、これがだんだん熟れてきて丸みが出てきてとくに最近のは実に良い。実際にエッチにまで持っていくプロセスもうまくていい雰囲気出てます。
(2001/4/8)
■収録作品…… ( )内初出
「手錠の鍵」(純一 1999年6月号)
「鎮守さん」(純一 1998年12月号)
「BULLETS AND KnifE」(純一 1999年2月号)
「FATHER and CHILDHOOD FRIEND」(大人本2 1998年7月20日発行)
「Dog」(純一 1999年4月号)
「映画館」(純一 1998年6月号)
「ケンちゃんと兄ィちゃん」(純一 1998年8月号)
「獺」(純一 1999年8月号)
「鍵とベッド」(純一 1999年12月号)