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「地獄組の女」 全4巻(各巻990円) 久保書店 

 ワニマガジン・ヤングヒップにて長期連載された「地獄組の女」が、ついに単行本化された。連載時は「いずれ単行本になるだろう」という安心感から、けっこう飛ばし飛ばしに読んでいたのだが、その後いつまで経っても単行本化されず、ちゃんと読んでなかったことを悔やんだりもした。連載終了からかなり間が開いていただけにもうスッカリ諦めていたのだが、2000年になって一挙4冊。で、まとめて読むとこれがもうやたら面白い。これがずーっと眠ったままになっていたかと思うと、ついワニマガジンに恨み言の一つも垂れたくなるというもの。そして久保書店にはお礼の一つもいいたくなるというもの。

 さて物語のほうだが、舞台は1990年台後半の日本。世界制服を企む天国組と悪の結社である地獄組の闘いの歴史というかまあそんな感じのお話。それまで遊び人ではあったけどおおむね平凡な女子だった星野まよみが、物語のメインとしてお話は進行。彼女は地獄組にさらわれ、肉体を改造され、怪人バニー女として生きていくことになる。んでもって、その後急激に荒んでいったバニー女はセックスと殺戮のみを生きがいとするおそろしく即物的な怪人となり、いろいろ暴れまくる。そりゃもう徹底的に。それにこれまた怪人のブタ女様や天国組の刺客ピコット様やらがからんできてすったもんだ。さらに、バニー女は大天使ミカちゃんにさんざんに負けた後、今度は女子高生スパイ宇野もえみに改造されたりして、そこに超能力少年やら何やらがからんできて……という具合。

 この作品の面白さは何かといわれると、やっぱり物語展開にあるんだろう。バニー女を筆頭として、キャラクターの思考の煮詰まりっぷり、キレた表情、投げ遣りな行動などなどももちろん面白いのだが、そういうものを折り込みながらなんかいろいろ紆余曲折、七転八倒、その他もろもろ恐ろしいほどにゴロゴロと転げ回る物語に圧倒されてしまう。しかも物語の進みっぷりは、実に面倒くさそうだ。

 SABEキャラ特有のブチ切れた刹那的な思考がその中で、止める者もいないままにうろうろと徘徊し続け、何がなんだか、もうどうでもいい境地へと読者を導いていく。おそらくそのときどきの短期的なビジョンのみに従って描き進められていったのであろう物語は、抜群なテキトー感と投げ遣り感が漂っていて、得もいわれぬテイストを醸し出している。それが40話も続いちゃって、最後のほうなんか実にたまらんものとなっている。なんていうか地図を持たずに酔っ払い運転で日本一周しちゃったみたいな感じ。あらぬ方向に行っているようで、意外とお話としてはバランスが奇跡的にとれてしまっているようにさえ思えてしまうところが不思議だ。

 それにしてもこのお話は読んでいて、すごく気持ちがいい。バニー女たちのどうしようもなくノーフューチャーな割り切りっぷりとか。ラストの放り投げっぷりとかもあれまーって感じでやたらと痛快。40話の間、読んでいるほうは先の予測なんざ全然つかず、ただただぶん回され続けるのみ。スゲエっすよ、まったく。

1巻
1巻
ISBN4-7659-0561-6 C0979
[bk1][Amzn]

2巻
2巻
ISBN4-7659-0562-4 C0979
[bk1][Amzn]

3巻
3巻
ISBN4-7659-0563-2 C0979
[bk1][Amzn]

4巻
4巻
ISBN4-7659-0564-0 C0979
[bk1][Amzn]