吉田戦車コミックスリスト
「はまり道」
- 出版社:アスキー出版局
- シリーズ:アスキーコミックス
- 初版発行:1994/04/22
- ISBN:ISBN4-7561-0879-2 C9979
- 価格:880円(1994年4月現在)
- 判型:B6変形・4色カラー含む
前半の「はまり道」はゲームねた。後半の「ニューボンボン」はエッセイ。
あまりゲームはやらないので「はまり道」に関しては分からないネタも多いのだが、それでも吉田戦車的ほのぼのとしたヘンテコなノリでなんとなく楽しめてしまう。元ネタ頼みでない、吉田戦車らしい細やかで他と違う視点がゲームを知らない人でも楽しめる作品にしている。
そして「ニューボンボン」。こちらでは、吉田戦車の文章の面白さを堪能できる。あの軽妙な語り口、独特の視点。それを盛り上げる絶妙な挿絵。いやー、面白い。吉田戦車のダラダラとして少しだけヘンな日常のようすが興味深い。文体の素晴らしさはもちろんのことだ。「ニューボンボン」に出てくるキャラクターでは、俺としては友達犬がお気に入り。吉田戦車の描く犬は「ぷりぷり県」のブルジョアといい、「ちくちくウニウニ」の犬山といい、むくつけき中にもなんか愛敬があって、非常にかわいい。
●収録……( )内初出
- 「はまり道」(週刊ファミコン通信)
- 「ニューボンボン」(アスキーコミック)
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「ゴッドボンボン」
- 出版社:アスキー出版局
- シリーズ:アスキーコミックス
- 初版発行:1997/03/31
- ISBN:ISBN4-7561-2715-0 C9979
- 価格:880円(1997年3月現在)
- 判型:B6・4色カラー含む
画面では分からないと思うが、金ピカのとんでもなく派手な表紙が目印。金ピカのものはスキャナではとりにくいのだ。本の柱やノドの部分もやけにカラフルで、読んでいると目が疲れるかもしれぬ。「はまり道」同様、分からないゲームねたもあるがそれはそれでまた良し。あと、「はまり道」の表紙にも出ている、マリオおやじ(裸で太いほう)とルイージおやじ(緑色の服を着ているほう)たちが、うっとうしくていい感じ。こちらのほうには、エッセイページがないのがちと残念。
●収録……( )内初出
- 「ゴッドボンボン」
(ファミコン通信1994年4/1号〜1997年2/28号)
- 「特別ゴッドボンボン」
(ファミコミ1994年秋の号〜1995年夏の号)
- 「父ボンボン」
(コミックビーム1996年5〜12月号)
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「ニューはまり道」
- 出版社:アスペクト
- シリーズ:ビームコミックス
- 初版発行:2000/04/06
- ISBN:ISBN4-7572-0744-1 C0979
- 価格:本体780円+税
- 判型:B6・4色カラー含む
- 収録:
週刊ファミ通で連載された「俺ボンボン」に、コミックビーム掲載の「ひどいじゃないか兄さん」を追加したもの。
俺ボンボンはゲームに関連して、吉田があれこれ考えたイヤなエピソードなどを描きつづる例の4コマ漫画。ゲームで出てくるアイテムに、微妙に地味でよく考えると妙なアイテムをトッピングするセンスは絶妙。「ゲームがこうあったらイヤだな」「でもそれも考えようによっては悪くもないかもしれぬ」といった、奇妙な魅力に満ちている。「はまり道」のころと比べて、吉田がおっさんくさくなっているあたりも味わい深い。
「ひどいじゃないか兄さん」は、この一連の吉田ゲーム漫画を読んでいた人ならご存じのあの赤い服を着たヒゲ兄貴と、緑色の服を着た影の薄いヒゲ弟の物語の完結編。このシリーズでは、横暴な兄さんとうじうじした弟(どちらもいいトシしたおっさん)のかけ合いがとてもナイス。そのほか、弟にだまされる小鳥のイヤな表情とか、アイシャドーを売る弟の姿とか、兄のズバッと割り切った身勝手さとかもたいへんに面白い。やはり吉田ゲーム漫画にはこの二人が出ていてほしい。「俺ボンボン」のほうに、この二人がほとんど出ていなかっただけに、なおさらこの12ページが光る。
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